第2 【事業の状況】

 

 (注)「第2  事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、当社を核とする総合設備エンジニアリング企業として、地域・社会との共生を目指し、次のとおり「社是」「企業理念」を定めている。

社  是

「眞心」(遵守すべき精神的なよりどころ)

企業理念

企業使命

総合設備エンジニアリング企業として、お客様のために高度な価値を付加した生活・事業環境を創出することにより、社会の発展に貢献する。

経営姿勢

① お客様・株主様の信頼を獲得し、選ばれる企業を目指す。

② 環境に優しく、品質に厳しい企業を目指す。

③ 総合技術力の強化・向上を目指す。

④ 人を大切にし、安全で活力ある職場作りを推進する。

⑤ 受注の確保と経営の効率化を推進し、強固な経営基盤を堅持する。

 

 

(2)経営戦略等

当社グループは、将来を見据えたコア事業の強化と成長戦略による事業拡大を基軸に「変革と成長」に取り組み、創立80周年となる2024年度での目指す姿・目標として「中電工グループ中長期ビジョン」を掲げている。

また、中期経営計画〔2018~2020年度〕を、このビジョン実現の基盤づくりと位置づけ、これまで取り組んできた諸施策を継続・強化するとともに、新たな強化策を加えて、更なる成長に向けチャレンジしている。

【中電工グループ 中長期ビジョン (創立80周年となる2024年度での目指す姿・目標)】

○ テーマ

変革と成長を遂げる 中電工グループ

○ 目指すグループ像

従業員一人ひとりが働きがいを持って活躍するグループ

中国地域だけでなく都市圏・海外でも存在感を発揮できるグループ

○ 数値目標

2024年度 連結売上高2,000億円以上、連結営業利益130億円(6.5%)以上

 

 

【中期経営計画(2018~2020年度)】

主要施策

① 受注の確保・拡大

・ 中国地域における事業基盤の更なる強化

・ 都市圏における営業基盤の拡充

・ 海外グループ企業を基点とした海外事業の拡大

・ リニューアル工事・提案営業の強化

・ 地中線工事の拡大に向けた体制強化

・ 成長戦略による事業拡大

② 利益の確保・拡大

・ 適正な原価管理の徹底

・ 資材調達力の向上

③ 業務改革・業務改善

   による生産性の向上

・ 現場業務の抜本的見直し

・ 業務外部化やIT等の新技術活用の推進

④ 活力を生む“人づくり”

・ 中電工協力会と連携した現場力の強化

・ 高度な専門性を備えた従業員の育成

・ ワーク・ライフ・バランスの実践

⑤ 品質の向上

・ 電力安定供給への確実な貢献

・ お客様満足度の向上

新たな強化策

・ 工場工事の受注・施工体制の強化

・ 大型工事(20億円以上)の受注・施工体制の強化

・ 外部要員の適切な活用による原価低減

・ 業務改革・改善の効果の顕在化による生産性の向上

・ 働き方改革の取り組みの加速

数値目標(注)

・2020年度 連結売上高 未定 、連結営業利益 未定

 

(注)現時点で新型コロナウイルス感染拡大の影響が不透明であり、業績予想の合理的な算定が困難である

      ことから、数値目標は未定としている。

 


 

(3)経営環境

当期の経営環境は、公共投資が堅調に推移し、民間設備投資も高い水準の企業収益を背景に増加したものの、受注競争の激化や労働者不足などが続く状況にあった。

また、年度終盤には、新型コロナウイルス感染拡大はあったが、当期事業への大きな影響はなかった。

今後の経営環境については、現時点で新型コロナウイルス感染拡大の影響が不透明であり、見通しが困難な状況にある。感染抑制のための行動制限が経済活動を停滞させるなど、国内をはじめ世界経済に甚大な影響を与えており、予断を許さない状況が続くことが予想される。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、中期経営計画及び中長期ビジョンにおいて「売上高」「営業利益(率)」を重要な指標に位置づけ、変革と成長を進めて企業価値の向上を目指している。

 

(5)優先的に対処すべき課題

当社グループでは、グループ間における連携を強化し、以下の課題に取り組んでいる。

    ① 利益率の改善

近年、受注競争の激化や工事の遅延等による外注費の増加などにより、売上の増加が必ずしも利益の増加につながらない傾向にあり、これら高コスト構造の見直しによる利益率の改善が喫緊の課題となっている。

 これに対し、工事のピークカットや労働力の安定的な確保のため、工程を前倒しで作業を行う「フロントローディング」や工程の短縮に柔軟に対応するための「外注先の分散発注」などの取り組みを進めている。

       ② 生産性の向上

現場管理者の慢性的な不足・働き方改革などの課題に対応すべく、業務負荷軽減に向けた工務サポート体制の充実や施工図作成支援体制の強化、IT技術の活用等の諸施策により、生産性の向上に取り組んでいる。

       ③ 事業の拡大

現在進めている都市圏を中心とした事業拡大は、中国地域の市場縮小に対応した成長戦略であり、当社の中長期ビジョン達成に欠かせない施策となっている。

今後も引き続き、中国地域においては効率的な施工体制の構築や工場関連工事の受注・施工体制の強化等により事業基盤を維持しつつ、都市圏における大型工事の受注・施工体制の強化等を図りながら事業拡大を進めていく。

また、持続的な成長のための投資として、主要事業である設備工事業を中心に、M&Aによる事業拡大も進めていく。

       ④ 人材の育成

当社社員の3割を占める30歳未満の若手社員の早期育成が、今後の更なる成長の成否を左右する要素となっている。そのために、社員一人ひとりの適性を踏まえながら、大型工事現場等への計画的配置や、現場代理人として必要な資格の取得支援等といった施策を確実に実施していく。

       ⑤ 品質の向上

事業を拡大していくためには、品質の向上によりお客様の信頼を得ることが不可欠となっている。

そのために、定められた手順、検査の確実な実施はもとより、今後もお客様からの意見・要望に対して真摯に向き合い、顧客満足度の向上に努めていく。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業に関して、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがある。

これらのリスクは、当社グループにおいて定期的に「洗い出し」「評価」「対応策の検討」を行う中で、影響度合い・発生頻度を踏まえて抽出したものであり、当社グループでは「経営層が関与すべきリスク」として管理している。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであるが、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切かつ迅速な対応に努める所存である。

また、ここで抽出したリスク以外にも「材料費・外注費の高騰リスク」「取引先の信用リスク」「保有有価証券の時価下落リスク」等があり、これらについては経済情勢や市場動向を注視しながら早期情報収集に努め、関係部門と連携・調整をして的確な対応を図っている。

 

項 目

リスクの説明

リスク対策

①品質不良のリ

 スク

当社グループにおいて、設備工事の設計・施工段階及び製品の企画・製造段階における人的ミス等により重大な品質問題が生じた場合、その修復にかかる多額の費用負担の発生、施工遅延・納期遅延による賠償請求の発生や、これらによる取引停止等により、当社グループの信用・評価を大きく毀損することとなり、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 当社グループは、設備工事においては、施工不良の発生箇所・原因の分析による工法の改善や、工程内検査及び機能確認検査の実施により、施工品質の確保を図っている。また、各種教育を計画的に実施する中で、高度な専門性を備えた社員の育成に取り組んでいる。

 製品製造においては、厳密な基準による製品検査とともに、関連部門と情報共有しながら品質状態の分析、改善方法の協議、改善効果の定着を図っている。

設備工事及び製品製造とも、組立保険や賠償責任保険等を活用し、不測の事態に備えている。

②法令・コンプ

 ライアンス

 反のリスク

当社グループにおいて、建設業法、労働安全衛生法をはじめとする関連法規等への抵触や、コンプライアンスに反する事業運営や業務処理が行われた場合、刑事罰や取引停止、社会的信頼の失墜、多額の課徴金や賠償請求の発生等により、当社グループの信用・評価を大きく毀損することとなり、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 当社グループは、『コンプライアンス方針』を制定し、関連法規・社内ルールの遵守、人権尊重、反社会的勢力との関係遮断等の教育を継続的に行い、さらには、企業倫理に関する相談・通報を実名・匿名いずれでも受け付ける「企業倫理ヘルプライン」を社内・社外に設けるなど、コンプライアンス意識の浸透を図っている。

③受注環境悪化

 のリスク

 当社グループの主要取引先である中国電力グループを始めとする民間企業及び官公庁の設備投資の減少等、受注環境に著しい変化が生じた場合、当社グループとして必要とする受注が確保できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

当社グループは、新規の技術開発や、顧客満足度を充足するためのVE(Value Engineering)・CD(Cost Down)案の積極的な提案の他に、早期に営業情報を収集し、受注前の企画・設計段階からの事業参画を推進するなど、競争力の強化を図っている。

さらに、拠点事業場への要員集約や小規模事業場の統廃合等の「選択と集中」により、事業基盤の強化を図っている。

 

 

項 目

リスクの説明

リスク対策

④労働災害・交

 通事故のリス

 ク

当社グループは、建設現場等を多数有しており、安全面を最優先に配慮・対策を行っているが、それでも労働災害・交通事故が発生した場合、人的損失及び被災者・被害者への補償、司法・行政による処罰、社会的信頼の失墜等により、当社グループの信用・評価を大きく毀損することとなり、業績に影響を及ぼす可能性がある。

当社グループは、「安全はすべてに優先する」の基本理念のもと、安全関連法規や作業手順等の社内ルールに則り業務を遂行するとともに、呼称運転・かもしれない運転の徹底を図っている。過去に発生した災害の再発防止対策の実施や管理者による安全パトロールの強化を図り、重大な労働災害・交通事故の根絶に取り組んでいる。また、安全教育と合せてフェイルセーフの視点による安全装備・設備を積極的に導入・活用している。

さらに、感電や墜落等を擬似体験できる「安全実習棟」を当社研修所内に設置し、当社グループ及び協力会社における安全意識・知識の向上に努めている。

⑤情報セキュリ

 ティのリス

 当社グループは、取引先情報や機密情報を保有している中で、近年、不正なアクセスやサイバー攻撃を受ける事案も発生している。

これらの情報が人的ミス、技術的過失及び不測の事態により外部漏洩もしくは消失した場合、多額の賠償請求の発生や取引停止、社会的信頼の失墜等により、当社グループの信用・評価を大きく毀損することとなり、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 当社グループは、定期的に小型記録媒体やメール等による情報持ち出しの確認を行い、システムの管理体制強化を図っている。また、情報管理の重要性や不正なアクセスへの対処等の教育・研修を定期的に行い、情報漏洩防止に努めている。

 さらに、災害もしくは外部からの不正なアクセスやサイバー攻撃等不測の事態への対応として、セキュリティが確保された外部サービス(クラウドサーバ等)の利用によりバックアップの多重化を図り、各種情報の消失防止に努めている。

⑥M&A・出資

 参画事業の

 スク

当社グループは、主要事業である設備工事業を中心に、事業拡大や競争力強化を目的として、M&Aや事業出資への参画等を行っている。

しかしながら、事前の調査・検討にもかかわらず、買収した事業や出資した事業等が計画どおりに展開することができず、投下した資金の回収ができない場合や追加的費用が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 当社グループは、事業投資に際しコンサルタント等の知見を活用しつつ、担当部門において入手した情報を複数の部門で確認・協議を重ね、投資効果や経営戦略との整合性を慎重に検討したうえで、個別案件ごとに投資の可否を決定している。

 出資後は、出資先の経営状況や事業計画の進捗を確認・把握し、必要により改善要請や要員支援等を行っている。

⑦グループの内

 部統制リス

 当社グループは、国内・海外において事業展開する中で、内部統制システムの整備・維持を図り各種法規の遵守に努めているが、不適正事案等の発生により内部統制の有効性が維持できない場合、社会的信頼の失墜等により、当社グループの信用・業績に影響を及ぼす可能性がある。

 当社グループは「中電工グループ経営要綱」を定め、グループ経営の基本的方針やグループ会社の管理・支援における基本的事項を明確化し、グループ各社と情報の共有化を図っている。また、常に内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価し、当社グループ全体の事業運営の適正化及び効率化に努めている。

 

 

項 目

リスクの説明

リスク対策

⑧人材確保・

 成のリスク

 当社グループの主要事業である設備工事業では、新規入職者の減少や高い離職率によって高齢化が進み、将来の担い手確保が喫緊の課題となる中で、必要となる国家資格や技能を有する人材が必要な時期に確保できない場合、施工能力不足により売上が確保できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 当社グループは、人材確保のため、今後想定される工事量や退職者数等を勘案した新卒定期採用及び中途採用を行うとともに、インターンシップや職場見学、工業高校への出張授業など、学生との交流の場を設け、将来の担い手を増やす取り組みを行っている。

また、人事制度や処遇等を見直し、若年者の離職率低減に向け、更なる労働意欲の向上を目指している。

人材育成においては、「人」が財産であるとの認識のもと、OJT及びOFF-JTを効果的に組み合わせ、知識・技術・技能習得のための教育を実施し、早期育成に努めている。

さらに、「中電工協力会」と連携し、協力会社の人材確保・育成の支援を行い、当社グループの施工体制強化を図っている。

⑨長時間労働・

 過重労働のリ

 スク

当社グループにおいて、人材不足や建築工程の遅延による施工工程の逼迫、不測の事態への対応などにより長時間労働や過重労働が発生する場合、社員の健康不良や生産性の低下、優秀な人材の外部流出等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 当社グループは、働き方改革を進め、労働環境の改善や、適正な労働時間管理・長時間労働の是正等に継続的に取り組んでおり、業務負荷軽減に向けた工務サポート体制の充実やITの導入による効率化、フロントローディングでの工程前倒しによるピークカットなど、有効性の高い施策を検討し展開している。

 また、自社のみでのこれらの問題の解決は困難であることから、業界団体を通じ、適正な工期設定や週休2日の推進などによる休日確保等、発注者を含めた関係者等へあらゆる機会を捉え提言、発信している。

⑩自然災害等の

 リスク

 当社グループは、国内及び海外に多数の事務所等を有している。

 地震、津波、台風等の大規模な自然災害や、新型ウイルス等の感染症のまん延により、社員や施設への直接的な被害のほか、流通・交通網の遮断や混乱、さらには社会・経済の停滞・混迷等による間接的な被害を受ける可能性もある。

 このような場合、事業活動の中断・遅滞等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

 当社グループは、危機管理マニュアル等に基づき、危機の未然防止並びに非常時の初期対応や連絡体制・対策本部の設置など、有事の際の危機管理体制を構築している。

 また、大規模災害が発生した場合に備えてBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を策定しており、事業を中断することなく当社グループが負っている電力網等のインフラや公共設備の復旧といった社会的使命が全うできる計画としている。そのため、社員の安否確認や緊急連絡体制の確認訓練、災害発生時を想定した実施訓練に取り組んでいる。

 なお、新型コロナウイルス感染症に対しては、対策本部を立ち上げ、感染症対策の徹底や柔軟な勤務形態への対応により、必要な業務が継続できる体制の確保に努めている。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりである。

①財政状態及び経営成績の状況

 当期の事業環境は、公共投資が堅調に推移し、民間設備投資も高い水準の企業収益を背景に増加したものの、受注競争の激化や労働者不足などが続く状況にあった。

 また、年度終盤には、新型コロナウイルス感染が拡大し、事業への影響が懸念される状況にあった。

 こうした中、当社グループは、中期経営計画〔2018~2020年度〕に基づき都市圏の事業拡大や営業・施工体制の強化、業務改革の推進等の諸施策を進めてきた。

 また、新型コロナウイルス感染拡大の当期事業への大きな影響はなかった。

 以上の結果、当期の業績は次のとおりとなった。

 売上高は、屋内電気工事や空調管工事を中心に当社の工事部門全てで増加したことなどにより、前期に比べ増収となった。

 営業利益は、売上高の増加に加え、原価管理の徹底や効率化施策による生産性向上などにより、前期に比べ増益となった。

 受取利息などの営業外損益を加えた経常利益は、営業利益の増加により前期を上回った。

 親会社株主に帰属する当期純利益については、M&Aに係るのれんの減損損失や投資有価証券評価損を計上したことなどにより前期を下回った。

 

 [連結業績]

(単位:百万円、%)

区     分

前 期
(2018.4.1~

2019.3.31)

当 期
(2019.4.1~

2020.3.31)

増減額

増減率

        上       高

153,322

168,888

15,566

10.2

 営    業    利    

6,486

8,333

1,846

28.5

 経    常    利    益

8,921

11,188

2,266

25.4

 親会社株主に帰属する当期純利益

6,160

4,795

△1,364

△22.2

 

 

 [個別業績]

 (単位:百万円、%)

区     分

前 期
(2018.4.1~

2019.3.31)

当 期
(2019.4.1~

2020.3.31)

増減額

増減率

        上       高

133,126

149,347

16,220

12.2

 営    業    利    益

6,388

7,900

1,511

23.7

 経    常    利    益

8,841

10,780

1,939

21.9

    期   純   利   益

6,587

3,520

△3,067

△46.6

 

 

  (設備工事業)

当社グループの主たる事業である設備工事業は、完成工事高は1,579億9千8百万円(前年度比9.5%増)、完成工事総利益は198億4千8百万円(前年度比9.2%増)となった。

 

  (その他の事業)

その他の事業は、その他の事業売上高は108億9千万円(前年度比19.8%増)、その他の事業総利益は14億2千万円(前年度比21.8%増)となった。

 

総資産は2,737億4千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ65億6千万円の増加となった。これは、有価証券の減少165億4千1百万円、受取手形・完成工事未収入金等の増加79億1千2百万円、のれんの増加47億6千7百万円などによるものである。

負債は616億9千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ125億5千3百万円の増加となった。これは、支払手形・工事未払金等の増加88億2千8百万円、退職給付に係る負債の増加39億8千3百万円などによるものである。

純資産は2,120億4千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ59億9千3百万円の減少となった。これは、その他有価証券評価差額金の減少34億3千9百万円、退職給付に係る調整累計額の減少18億8千2百万円などによるものである。

 

  ②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により資金を獲得したが、投資活動及び財務活動による資金の使用により、前連結会計年度末に比較し103億2千4百万円減少し、当連結会計年度末は222億4千2百万円となった。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、営業活動によって118億3千5百万円の資金を獲得した(前連結会計年度は101億2千6百万円の資金の獲得)。

これは主に、税金等調整前当期純利益91億3千6百万円などの資金増加要因によるものである。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、投資活動によって157億2千5百万円の資金を使用した(前連結会計年度は255億5千9百万円の資金の使用)。

これは主に、投資有価証券の売却及び償還により196億9千2百万円などの収入があったが、投資有価証券の取得により206億2千7百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得により116億2千5百万円などの支出があったことによるものである。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、財務活動によって64億3千8百万円の資金を使用した(前連結会計年度は57億1千2百万円の資金の使用)。

これは主に、配当金の支払により57億9千万円を支出したことなどによるものである。

 

   ③生産、受注及び販売の状況

   イ.受注実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自  2018年4月1日

  至  2019年3月31日)

当連結会計年度

 (自  2019年4月1日

  至  2020年3月31日)

前年同期比

設備工事業

154,966百万円

152,871百万円

△1.4%

 

 (注)当社グループでは、設備工事業以外は受注生産を行っていない。

 

 

   ロ.売上実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自  2018年4月1日

  至  2019年3月31日)

当連結会計年度

 (自  2019年4月1日

  至  2020年3月31日)

前年同期比

設備工事業

144,232百万円

157,998百万円

9.5%

その他の事業

9,089

10,890

19.8

合計

153,322

168,888

10.2

 

 (注)1.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載していない。

 2.主な相手先別の売上実績及び総売上実績に対する割合は、次のとおりである。

 

相手先

前連結会計年度

  (自  2018年4月1日

  至  2019年3月31日)

当連結会計年度

 (自  2019年4月1日

  至  2020年3月31日)

金額

割合

金額

割合

中国電力㈱

34,132百万円

22.3%

35,790百万円

21.2%

 

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。

設備工事業における受注工事高及び完成工事高の状況

第103期(自  2018年4月1日  至  2019年3月31日)

第104期(自  2019年4月1日  至  2020年3月31日)

 

a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

 (単位:百万円)

 

工事別

前期繰越
工事高

当期受注
工事高

当期完成
工事高

次期繰越
工事高

第103期

屋内電気工事

51,665

77,319

128,984

68,541

60,443

空調管工事

21,490

28,404

49,894

27,230

22,664

情報通信工事

2,560

7,051

9,612

5,851

3,761

配電線工事

505

26,902

27,407

26,089

1,317

発送変電工事

3,830

5,260

9,090

5,413

3,676

80,052

144,938

224,990

133,126

91,863

第104期

屋内電気工事

60,443

73,342

133,785

74,640

59,144

空調管工事

22,664

30,352

53,017

32,006

21,010

情報通信工事

3,761

7,951

11,712

8,399

3,313

配電線工事

1,317

27,988

29,306

28,676

629

発送変電工事

3,676

6,582

10,259

5,624

4,635

91,863

146,217

238,081

149,347

88,733

 

 (注)1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれる。

 2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。

 

 

b.受注工事高の受注方法別比率

    工事の受注方法は、特命、競争及び中国電力㈱との工事委託契約によるものとに大別される。

 (単位:%)

期別

区分

特命

競争

工事委託契約

第103期

配電線工事

7.0

6.8

86.2

100.0

その他

18.3

81.7

100.0

合計

16.2

67.8

16.0

100.0

第104期

配電線工事

5.6

5.9

88.5

100.0

その他

15.5

84.5

100.0

合計

13.6

69.4

17.0

100.0

 

 (注)百分比は、請負金額比である。

 

c.完成工事高

 

期別

得意先

完成工事高

第103期

中国電力㈱

34,101百万円

25.6%

官公庁

21,148

15.9

一般民間

77,876

58.5

133,126

100.0

第104期

中国電力㈱

35,755

24.0

官公庁

30,969

20.7

一般民間

82,622

55.3

149,347

100.0

 

 (注)1.完成工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりである。

第103期

東洋エンジニアリング㈱

瀬戸内Kirei太陽光発電所建設工事(電気設備)

鳥取県営病院事業管理者

鳥取県立中央病院建替整備工事(電気設備)

戸田建設㈱

新光総合病院新築工事(電気空調給排水設備)

国立大学法人 山口大学

山口大学(医病)診療棟・病棟新営工事

(電気空調給排水設備)

㈱フジタ

(仮称)横浜市緑区十日市場21街区新築工事

(電気空調給排水設備)

 

 

 

第104期

㈱大林組

(仮称)アパホテル&リゾート<横浜ベイタワー>新築工事(電気設備)

㈱出雲村田製作所

㈱出雲村田製作所南工場N1棟建設工事他(電気設備)

㈱日立製作所

岡山県新見市太陽光発電所工事(電気設備)

エフビット
コミュニケーションズ㈱

岡山美咲発電所建設工事(電気設備)

福山市

福山市立小中学校空気調和設備整備業務委託(電気空調設備)

 

 

2.第103期及び第104期における完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先は、中国電力㈱のみである。

 

d.次期繰越工事高(2020年3月31日現在)

 

区分

次期繰越工事高

中国電力㈱

5,582百万円

6.3%

官公庁

27,657

31.2

一般民間

55,493

62.5

88,733

100.0

 

 (注)次期繰越工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりである。

前田建設工業㈱

(仮称)広島大学跡地「知の拠点」再生プロジェクト新築工事

(電気空調給排水設備)

2020年8月完成予定

㈱大林組

マイクロンメモリジャパン広島工場F2棟及び
C4棟建設プロジェクト(電気設備)

2020年10月完成予定

㈱竹中工務店

広島銀行新本店ビル新築工事(電気設備)

2021年1月完成予定

五洋建設㈱

広島市中区富士見町PRJ新築工事(電気設備)

2022年5月完成予定

国土交通省
関東地方整備局

市ヶ谷警察総合庁舎(19)工事(電気設備)

2024年3月完成予定

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

  ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

  イ.当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績について

 当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり、売上高及び各利益の前期比較の増減内訳は以下のとおりとなった。

 

【売上高1,688億円  前期比155億円増の内訳】

 当社個別は、ホテルや学校空調関係の工事が増加し、屋内電気工事や空調管工事が増加したことなどにより、前期に比べ162億円増加した。一方、連結子会社は、中国地域で23億円増加したものの、都市圏子会社が36億円減少し、前期に比べ6億円減少した。

 

【営業利益83億円  前期比18億円増の内訳】

 当社個別は、一般部門で5億円、電力部門で9億円それぞれ増加して、前期に比べ15億円増加した。また、連結決算処理で、連結子会社の営業利益が2億円と、のれん償却額の減少などによる連結会計処理で1億円のプラスがあり、前期に比べ3億円増加した。

 

【親会社株主に帰属する当期純利益47億円  前期比13億円減の内訳】

 経常利益が22億円増加したものの、特別利益が5億円減少したことに加え、M&Aに係るのれんの減損損失17億円や投資有価証券評価損12億円を計上したことにより特別損失が23億円増加し、法人税等も6億円増加した。

 

 売上高は8期連続の増収で、効率化施策による生産性向上や原価管理の徹底、販管費の抑制等に努めた結果、営業利益についても4期ぶりの増益になるなど、業績は堅調に推移したものと認識している。

 

  ロ.経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載している。

 

  ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。

当社グループの事業活動のために必要な資金及び株主還元のための資金は、自己資金を充当することを基本としている。

当社グループの主な資金需要は、材料費、外注費、人件費など設備工事施工のための運転資金、事業場の整備・拡充、工具・事務機器等の更新、システム改修などのための設備投資資金、持続的発展に向けたM&Aなどの成長投資のための資金などがある。なお、資金需要の時期が来るまでは、手元資金を確保した上で金融商品で資金運用を行うこととしている。

株主還元については、業績等を踏まえつつ、持続的・安定的なより高水準の配当を行うことを重視し、DOE(連結株主資本配当率)2.7%を目途に配当を行う方針としている。また、経営環境等を総合的に勘案した上で、必要に応じて自己株式取得を実施することとしている。

 

  ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性のある見積りを必要とする場合がある。こうした見積りについては、過去の実績や様々な要因、仮定等を勘案し、合理的に判断しているが、見積り特有の不確実性により、実際の結果と異なる可能性がある。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりである。

 

・減損会計における将来キャッシュ・フロー

減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)を整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っている。

当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結損益計算書関係)※6 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失1,746百万円を計上した。回収可能価額は使用価値により算定しているが、その際に用いられる割引率は、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっている。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある。

 

なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載している。

 

4【経営上の重要な契約等】

当社は、2020年2月3日付で株式会社昭和コーポレーションの全株式を保有するホライズン1株式会社(同日、SCC株式会社へ社名変更)の全株式を取得し同社を子会社とした。その後、当社は、2020年3月31日付でSCC株式会社を吸収合併し、同社を消滅会社としたことにより株式会社昭和コーポレーションは当社の子会社となった。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載している。

 

5【研究開発活動】

(設備工事業)

当社は、総合設備エンジニアリング企業として社内外の要求や技術課題を解決するとともに、安全・品質、省力化等の技術分野を対象に「技術センター」を中心に先端技術を活用して、現場の問題解決及び業務改革・業務改善を推進するための研究開発を行っている。

当連結会計年度における研究開発費は、156百万円である。なお、各技術分野別の目的、重要課題、研究開発活動内容は、以下のとおりである。

 

(1)安全・品質

災害事故防止及び施工品質向上を目的として、安全性向上やヒューマンエラー防止を実現する研究開発を行っている。

 当連結会計年度の主な研究開発活動としては、高速移動体検知技術の検証、ウインチワイヤ無動力巻取器の開発、アルミ線用手元皮剥ぎ器の開発、積算電力量計の誤配線・誤結線検出装置の開発などが挙げられる。

 

(2)省力化

業務改革・業務改善及び業務効率化を目的として、ソフトウェア及び新工法・新工具・新システムの研究開発を行っている。

 当連結会計年度の主な研究開発活動としては、施工要領書作成ツールの開発、空調管技術計算ソフトの機能強化、電気設備技術計算ソフトの機能強化、鉄塔工事図面作成支援システムの開発、エクセル版ケーブル計算ソフトの開発などが挙げられる。

 

(その他の事業)

研究開発活動は特段行われていない。