(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。
(1)業績
当連結会計年度のわが国経済は、好調な企業業績や改善が続く雇用情勢、更には持ち直しの兆しが見えた個人消費などにより、緩やかな景気回復軌道を歩んだ。
このため民間建設投資は、首都圏を中心とする大型のオフィス・商業施設などの建設需要を背景に増加基調にあった。また、電力設備投資については、一部に電力小売全面自由化の影響が見られたものの総じて底堅い状況で推移した。
このような情勢下にあって当社は、お客様のニーズに即した地域密着型の営業活動や新規得意先の開拓に取り組むとともに、価格競争力強化に向けたコスト削減を全社一丸となって推し進めた。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,709億4千3百万円(前連結会計年度比232億6千9百万円増)、経常利益273億4千5百万円(前連結会計年度比102億6千7百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益175億9千1百万円(前連結会計年度比81億7千9百万円増)となった。
セグメントの業績は、次のとおりである。
(設備工事業)
当社グループの主たる事業である設備工事業の業績は、新規受注高5,365億4千2百万円(前連結会計年度比618億5千9百万円増)、完成工事高4,614億5千1百万円(前連結会計年度比242億1千9百万円増)、営業利益249億8千2百万円(前連結会計年度比98億3千3百万円増)となった。
(その他の事業)
その他の事業の業績は、売上高94億9千1百万円(前連結会計年度比9億5千万円減)、営業利益14億6千8百万円(前連結会計年度比5千8百万円減)となった。
(注) 当社グループの売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりである。
|
前連結会計年度 |
|
|
|
東京電力㈱ |
165,459百万円 |
37.0% |
|
当連結会計年度 |
|
|
|
東京電力グループ |
172,871百万円 |
36.7% |
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の増加があったものの、投資活動及び財務活動により資金が減少したことから、前連結会計年度末から112億8千6百万円減少し、596億1千2百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度では、営業活動によって67億5千1百万円の資金が増加した(前連結会計年度比112億9千1百万円減)。これは、税金等調整前当期純利益271億1千8百万円などの資金増加要因が、売上債権の増加額72億4千5百万円、法人税等の支払額95億3千5百万円などの資金減少要因を上回ったことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度では、投資活動によって178億6千7百万円の資金が減少した(前連結会計年度比107億6千5百万円減)。これは、有価証券の償還90億円の収入があったものの、有価証券の取得に119億9千9百万円、有形固定資産の取得に72億9千万円を支出したことによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度では、財務活動によって1億6千9百万円の資金が減少した(前連結会計年度比199億7千7百万円減)。これは、短期借入金の純増加額23億5千7百万円の収入があったものの、配当金の支払に32億6千8百万円を支出したことによるものである。
当社グループが営んでいる事業においては、生産実績について定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載していない。
事業の大部分を占めている設備工事業においては、請負形態をとっているため、販売実績という定義が実態にそぐわないことや、設備工事業以外の事業では受注生産形態をとっていないことから、「受注及び販売の状況」については「1 業績等の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて記載している。
また、当社グループの売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合についても、「1 業績等の概要」に注記している。
なお、当社グループにおける受注及び販売の状況の大部分を提出会社が占めているため、提出会社個別の状況を参考のため記載すると、次のとおりである。
(提出会社の受注工事高及び完成工事高の状況)
(1)受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
|
期別 |
区分 |
前期繰越 工事高
(百万円) |
当期受注 工事高
(百万円) |
計
(百万円) |
当期完成 工事高
(百万円) |
次期繰越 工事高
(百万円) |
|
前事業年度
(自 平成27年 4月1日 至 平成28年 3月31日) |
屋内線・ 環境設備工事 |
205,515 |
224,170 |
429,685 |
202,815 |
226,870 |
|
情報通信工事 |
8,561 |
31,860 |
40,422 |
27,876 |
12,546 |
|
|
配電線工事 |
8,559 |
139,234 |
147,793 |
138,419 |
9,373 |
|
|
工務関係工事 |
23,632 |
36,239 |
59,871 |
29,383 |
30,488 |
|
|
計 |
246,268 |
431,504 |
677,773 |
398,495 |
279,278 |
|
|
当事業年度
(自 平成28年 4月1日 至 平成29年 3月31日) |
屋内線・ 環境設備工事 |
226,870 |
251,469 |
478,339 |
203,627 |
274,712 |
|
情報通信工事 |
12,546 |
40,051 |
52,597 |
31,596 |
21,000 |
|
|
配電線工事 |
9,373 |
140,632 |
150,006 |
138,557 |
11,448 |
|
|
工務関係工事 |
30,488 |
42,299 |
72,788 |
36,411 |
36,376 |
|
|
計 |
279,278 |
474,452 |
753,730 |
410,192 |
343,538 |
(注)1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。
3 提出会社は設備工事業、不動産事業及び発電事業を営んでいるが、不動産事業及び発電事業については僅少であることから含めて記載している。
(2)受注工事高
|
期別 |
区分 |
官公庁
(百万円) |
民間 |
計
(百万円) |
|
|
東京電力 グループ (百万円) |
その他 (百万円) |
||||
|
前事業年度
(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
屋内線・環境設備工事 |
4,826 |
2,710 |
216,633 |
224,170 |
|
情報通信工事 |
3,156 |
3,703 |
25,000 |
31,860 |
|
|
配電線工事 |
197 |
135,944 |
3,091 |
139,234 |
|
|
工務関係工事 |
1,462 |
19,664 |
15,113 |
36,239 |
|
|
計 |
9,643 |
162,023 |
259,837 |
431,504 |
|
|
当事業年度
(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
屋内線・環境設備工事 |
10,694 |
3,393 |
237,381 |
251,469 |
|
情報通信工事 |
2,296 |
2,920 |
34,834 |
40,051 |
|
|
配電線工事 |
371 |
137,770 |
2,490 |
140,632 |
|
|
工務関係工事 |
3,776 |
18,121 |
20,401 |
42,299 |
|
|
計 |
17,139 |
162,206 |
295,107 |
474,452 |
|
(3)完成工事高
|
期別 |
区分 |
官公庁
(百万円) |
民間 |
計
(百万円) |
|
|
東京電力 グループ (百万円) |
その他 (百万円) |
||||
|
前事業年度
(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
屋内線・環境設備工事 |
7,294 |
3,865 |
191,655 |
202,815 |
|
情報通信工事 |
1,175 |
3,593 |
23,106 |
27,876 |
|
|
配電線工事 |
300 |
135,604 |
2,514 |
138,419 |
|
|
工務関係工事 |
1,843 |
13,477 |
14,062 |
29,383 |
|
|
計 |
10,613 |
156,541 |
231,339 |
398,495 |
|
|
当事業年度
(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
屋内線・環境設備工事 |
8,680 |
2,730 |
192,215 |
203,627 |
|
情報通信工事 |
2,364 |
2,718 |
26,513 |
31,596 |
|
|
配電線工事 |
146 |
135,328 |
3,082 |
138,557 |
|
|
工務関係工事 |
1,231 |
19,461 |
15,718 |
36,411 |
|
|
計 |
12,422 |
160,239 |
237,530 |
410,192 |
|
(注)1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度
|
東京電力㈱ |
・東伊豆風力発電所新設工事の内風車建設工事 |
|
清水建設㈱ |
・DNP市谷加賀町ビル建設工事(A工区)(電気設備工事) |
|
大成建設・増岡組 建設共同企業体 |
・鉄鋼ビルディング建替計画(電気設備工事) |
|
㈱竹中工務店 |
・京葉銀行千葉みなと本部ビル新築工事(電気設備工事) |
|
五洋建設㈱ |
・呉市新庁舎建設工事(電気設備工事) |
当事業年度
|
清水建設㈱ |
・みなとみらい21地区46街区横浜野村ビル新築工事(電気設備工事) |
|
清水建設㈱ |
・京橋エドグラン新築工事(電気設備工事) |
|
大成建設㈱ |
・上智大学四谷キャンパス新棟計画(電気設備工事) |
|
鹿島建設㈱ |
・東京ガーデンテラス紀尾井町新築工事(電気設備工事) |
|
東京都競馬㈱ |
・大井競馬場スタンドリニューアル工事(電気設備工事) |
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。
|
前事業年度 |
|
|
|
東京電力㈱ |
156,541百万円 |
39.3% |
|
当事業年度 |
|
|
|
東京電力グループ |
160,239百万円 |
39.1% |
(4)次期繰越工事高
|
平成29年3月31日現在 |
|
区分 |
官公庁
(百万円) |
民間 |
計
(百万円) |
|
|
東京電力 グループ (百万円) |
その他 (百万円) |
|||
|
屋内線・環境設備工事 |
14,512 |
944 |
259,255 |
274,712 |
|
情報通信工事 |
2,447 |
516 |
18,036 |
21,000 |
|
配電線工事 |
330 |
10,927 |
190 |
11,448 |
|
工務関係工事 |
3,797 |
13,400 |
19,179 |
36,376 |
|
計 |
21,087 |
25,789 |
296,660 |
343,538 |
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。
|
イッツ・コミュニケーションズ㈱ |
|
|
・ネットワークインフラの更新に関するFTTH設備構築とシステム構築 |
平成31年3月完成予定 |
|
大成建設㈱ |
|
|
・新国立競技場整備事業(電気設備工事) |
平成31年11月完成予定 |
|
鹿島建設㈱ |
|
|
・(仮称)OH-1計画新築工事(電気設備工事) |
平成32年2月完成予定 |
|
東京都 |
|
|
・王子給水所(仮称)配水池築造工事 |
平成33年3月完成予定 |
|
㈱竹中工務店 |
|
|
・阪神阪急梅田一丁目一番地計画(電気設備工事) |
平成34年2月完成予定 |
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営成績
①当期の経営成績
当期のわが国経済は、好調な企業業績や改善が続く雇用情勢、更には持ち直しの兆しが見えた個人消費などにより、緩やかな景気回復軌道を歩みました。
このため民間建設投資は、首都圏を中心とする大型のオフィス・商業施設などの建設需要を背景に増加基調にありました。また、電力設備投資につきましては、一部に電力小売全面自由化の影響が見られたものの総じて底堅い状況で推移いたしました。
このような情勢下にあって当社は、お客様のニーズに即した地域密着型の営業活動や新規得意先の開拓に取り組むとともに、価格競争力強化に向けたコスト削減を全社一丸となって推し進めました。
この結果、当期の業績は、下記のとおり良好な成績を収めることができました。特に利益面につきましては、過去最高の当期純利益を計上し、また、本年度よりスタートした「成長戦略」に掲げた計画目標を1年前倒しで達成することができました。
|
(連結業績) |
|
|
|
完成工事高 |
470,943百万円 |
(前期比 105.2%) |
|
営業利益 |
26,397百万円 |
(前期比 160.8%) |
|
経常利益 |
27,345百万円 |
(前期比 160.1%) |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
17,591百万円 |
(前期比 186.9%) |
|
(個別業績) |
|
|
|
新規受注高 |
474,452百万円 |
(前期比 110.0%) |
|
完成工事高 |
410,192百万円 |
(前期比 102.9%) |
|
営業利益 |
21,921百万円 |
(前期比 173.4%) |
|
経常利益 |
22,861百万円 |
(前期比 172.1%) |
|
当期純利益 |
15,488百万円 |
(前期比 207.1%) |
②今後の見通し
今後の見通しについて申し上げますと、電力設備投資は東京電力グループの経営合理化の進展により抑制基調が継続するものと予想されます。一方、国内建設投資は、東京オリンピック・パラリンピック関連施設の建設が本格化するとともに、首都圏における大規模再開発事業が数多く計画されていることから、引き続き堅調に推移するものと見込まれます。
このような情勢を踏まえ、次期の業績見通しにつきましては、
|
(連結業績) |
|
|
|
完成工事高 |
510,000百万円 |
(当期比 108.3%) |
|
営業利益 |
29,000百万円 |
(当期比 109.9%) |
|
経常利益 |
29,600百万円 |
(当期比 108.2%) |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
18,700百万円 |
(当期比 106.3%) |
|
(個別業績) |
|
|
|
新規受注高 |
500,000百万円 |
(当期比 105.4%) |
|
完成工事高 |
442,000百万円 |
(当期比 107.8%) |
|
営業利益 |
24,300百万円 |
(当期比 110.9%) |
|
経常利益 |
25,300百万円 |
(当期比 110.7%) |
|
当期純利益 |
16,500百万円 |
(当期比 106.5%) |
を見込んでおります。
(2)経営の基本方針
株主の皆様、お客様及び地域社会との共存を目指すことが当社存立の意義であるとの考えから、
①人間尊重のもと、企業の社会的責任を遂行し、豊かな人間環境づくりに貢献します。
②お客様のニーズを先取りし、技術革新を図り、最高のサービスと設備を提供します。
③絶えざる自己革新によって、株主の皆様のご期待に応える未来指向型の企業を目指します。
を経営理念として掲げております。
(3)中長期的な経営課題
今後の見通しについて申し上げますと、電力設備投資は東京電力グループの経営合理化の進展により抑制基調が継続するものと予想されます。一方、国内建設投資は、東京オリンピック・パラリンピック関連施設の建設が本格化するとともに、首都圏における大規模再開発事業が数多く計画されていることから、引き続き堅調に推移するものと見込まれます。
このような情勢下にあって当社は、「社会を支える“100年企業”」の実現に向け策定した「成長戦略」に基づき、全社一丸となって以下の重点経営施策に取り組んでまいります。
まず始めに、設計・施工から保守メンテナンス・リニューアルに至るまで、お客様の視点に立ったトータルソリューションサービスを強力に展開するとともに、コストマネジメント・調達機能を一層充実することにより、受注拡大と利益創出を図ってまいります。
次に、エネルギーシステム改革の進展を踏まえ、総合設備企業グループとして営業・施工体制を更に拡充し、電力インフラ工事の受注獲得を目指してまいります。加えて、これまで培ってきた技術・ノウハウを活用し、エリア・業種を超えた社会インフラ分野への取り組みを推進し、事業領域の拡大に注力してまいります。
また、若年・中堅層社員の能力開発に資する職場OJTや技術技能力強化に向けた研修プログラムの充実など、未来を担う人材の育成に取り組むとともに、働き方・休み方改革、女性活躍推進策を実施し、社員一人ひとりが活躍できる会社づくりにも努めてまいります。
併せて、現場作業の安全・省力化や事業領域の拡大、更には多様化するお客様のニーズを的確に捉えた技術開発を積極的に推し進めてまいります。
今後とも当社は、経営の根幹である安全・品質の向上とコンプライアンスの徹底を図るとともに、お客様から信頼される“盤石な企業ブランド”の構築に全力を傾注し、株主の皆様のご期待に応えてまいる所存であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがある。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存である。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)事業環境の変化
想定を上回る建設関連投資及び電力設備投資の減少等、事業環境に著しい変化が生じた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。なお、当社グループの売上高のうち、東京電力グループの割合は約4割である。
(2)資材費・労務費の価格変動
資材費・労務費の価格が著しく上昇し、これを請負代金に反映できない場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(3)工事施工等のリスク
工事施工に関し、品質上重大な不具合や事故が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(4)取引先の信用リスク
建設業においては、一取引における請負代金が大きく、また多くの場合には、工事目的物の引渡時に多額の工事代金が支払われる条件で契約が締結される。工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(5)資産保有リスク
営業活動上の必要性から、不動産・有価証券等の資産を保有しているため、保有資産の時価が著しく下落した場合等、または事業用不動産の収益性が著しく低下した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(6)退職給付債務
年金資産の時価の下落、運用利回り及び割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(7)法的規制
建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等による法的規制を受けており、法的規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合、または法的規制による行政処分等を受けた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はない。
当社グループは、お客様からのニーズや現場が抱える課題に対処することを目的として、「お客様ニーズに応える技術開発」、「現場の安全・省力化・コストダウンに資する技術開発」及び「事業領域拡大を支える技術開発」に重点的に取り組んでいる。当連結会計年度は特に、お客様設備の長寿命化や信頼性向上技術、作業安全・省力化に資する新工法やロボット導入技術、鉄道や港湾など社会インフラ設備に対応可能な応用技術の開発を積極的に推進した。
当連結会計年度における研究開発費は、11億8千8百万円であり、主な研究開発成果は、以下のとおりである。なお、研究開発費をセグメントごとに区分していない。
(設備工事業)
「小口径推進工法」の適用範囲拡大研究
埋設物の輻輳や騒音・振動の問題で発進・到達立坑の設置スペースが十分に確保できない等の問題から、狭隘なスペースでも施工可能な超小型小口径推進装置を開発した。これにより、既設マンホール内からの電力管布設が可能となるとともに、ガス工事や鉄道営業線の盛土・切土等の耐震補強材挿入工事など、小口径推進工法の適用範囲の拡大が図れた。今後、本工法のお客様設備への採用を提案し、土木関連事業の受注拡大を目指す。
ドローンを活用した作業効率向上へ向けた研究
小型無人飛行機「ドローン」の特性を活かし、人が容易に立ち寄れない高所・危険箇所や広い敷地における工事施工、設備点検並びに工具等の運搬・据付け作業への適用可能性の検証など、その効果を実現場で確認した。今後、更なる技術開発を実施し、ドローン活用による作業の安全性の確保及び作業効率の向上を図っていく。
「ケーブルモデム制御システム」の開発
当社がケーブルテレビ事業者向けに販売している海外製CMTS(インターネット・電話サービス用大型ケーブルモデム終端装置)には国内利用できる制御システムが存在しなかったため、国内でのニーズを反映した制御システムを開発した。このシステムは、CMTS及びユーザ宅内に設置されるケーブルモデムを制御し、ユーザの契約毎に通信サービスを設定、通信状態を監視する機能を有している。今後、本システムを活用しCMTSの販売促進を図るとともに、お客様設備の信頼性向上を図っていく。
「鋼管柱組立工具」の改良
鋼管柱組立工具は、分割式の鋼管柱を人力で組立てる際に使用する専用工具であるが、現行品は重量があり大きな作業負荷がかかっていた。そこで、軽量化及び電動化を図り、操作性に優れた組立工具に改良した。今後、本工具を活用し、建柱作業の安全性の確保及び作業効率の向上を図っていく。
(その他の事業)
「風力発電機モニタリングデータ解析による状態診断手法」の開発
風力発電機の予防保全を目的として、各種モニタリングデータを解析し、状態変化の検知により故障の予兆を発見する状態診断手法を開発した。今後、更なる技術開発を実施し、予防保全に必要なデータ取得のシステム化、風力発電機の利用率及び信頼性の向上を目指す。
当社グループにおける財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。連結財務諸表の作成に当たっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用に反映されている。見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合がある。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の業績は、お客様のニーズに即した地域密着型の営業活動や新規得意先の開拓に取り組むとともに、価格競争力強化に向けたコスト削減を全社一丸となって推し進めた結果、売上高及び利益いずれも良好な成績を収めることができた。
売上高は、前連結会計年度に比べ232億6千9百万円増加し、4,709億4千3百万円となった。セグメントでは、設備工事業が4,614億5千1百万円と売上高の98.0%を占め、また東京電力グループからの売上高は1,728億7千1百万円となった。
利益は、経常利益が102億6千7百万円増加し273億4千5百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は81億7千9百万円増加し175億9千1百万円となった。
なお、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の46.07円から86.11円となり、自己資本利益率は、前連結会計年度の4.94%から8.81%となった。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上などの資金増加要因が、売上債権の増加や法人税等の支払などの資金減少要因を上回ったことにより67億5千1百万円増加した。投資活動によるキャッシュ・フローでは、有価証券の償還などの収入があったものの、有価証券の取得や有形固定資産の取得などの支出により178億6千7百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増加などがあったものの、配当金の支払などの支出により1億6千9百万円の減少となった。この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は112億8千6百万円減少し、596億1千2百万円となった。
(4)当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ171億9千3百万円増加し、4,248億7千4百万円となった。
(資産の部)
流動資産は、主に受取手形・完成工事未収入金等が92億8千3百万円増加したことから、流動資産合計で前連結会計年度末に比べ85億6千4百万円増加した。
固定資産は、有形固定資産が49億3千6百万円、無形固定資産が25億7千3百万円、投資有価証券が17億7千3百万円増加したことなどから、固定資産合計で前連結会計年度末に比べ86億2千9百万円増加した。
(負債の部)
流動負債は、主に短期借入金が32億3千4百万円増加したことから、流動負債合計で前連結会計年度末に比べ24億7千7百万円増加した。
固定負債は、長期借入金が20億1千4百万円増加したものの、退職給付に係る負債が26億9千5百万円減少したことなどから、固定負債合計で前連結会計年度末に比べ6億5千9百万円減少した。
負債合計では前連結会計年度末に比べ18億1千7百万円増加し、2,115億1千8百万円となった。
(純資産の部)
純資産の部は、主に利益剰余金が138億8千1百万円増加したことから、純資産合計で前連結会計年度末に比べ153億7千5百万円増加し、2,133億5千6百万円となった。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の942.42円から1,013.33円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末の47.22%から48.72%となった。