第2【事業の状況】

(注)「第2  事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1)経営成績

①当期の経営成績

当期のわが国経済は、堅調な輸出や底堅い個人消費、更には好調な企業業績などに支えられ、景気は引き続き回復軌道を歩みました。

このような情勢の中で、電力設備投資の圧縮が継続されたものの、民間建設投資につきましては、大都市圏におけるオフィスビル・商業施設や生産能力増強に対応した工場などの建設需要を背景として、高水準を維持いたしました。

このため当社は、お客様の視点に立ったトータルソリューションサービスを展開するとともに、事業部門間の連携を強化した営業活動に取り組みました。併せて、コストマネジメント方策の更なる推進や工事原価の低減による価格競争力の向上に努めました。

この結果、当期の業績は、下記のとおりいずれも前年度を上回る良好な成績を収めることができました。

(連結業績)

 

 

完成工事高

507,205百万円

(前期比 107.7%)

営業利益

29,261百万円

(前期比 110.9%)

経常利益

30,031百万円

(前期比 109.8%)

親会社株主に帰属する

当期純利益

19,058百万円

(前期比 108.3%)

 

(個別業績)

 

 

新規受注高

506,026百万円

(前期比 106.7%)

完成工事高

444,452百万円

(前期比 108.4%)

営業利益

24,843百万円

(前期比 113.3%)

経常利益

25,828百万円

(前期比 113.0%)

当期純利益

16,919百万円

(前期比 109.2%)

 

②今後の見通し

今後の見通しについて申し上げますと、電力設備投資は東京電力グループのコスト削減措置により、依然として抑制されるものと予想されます。一方、国内建設投資は、省人化・効率化などを目的とした工場・物流施設の建設や、インバウンド需要に対応した宿泊・交通施設の整備・拡充などが計画されていることから、引き続き堅調に推移するものと見込まれております。

このような情勢を踏まえ、次期の業績見通しにつきましては、

(連結業績)

 

 

完成工事高

545,000百万円

(当期比 107.5%)

営業利益

30,500百万円

(当期比 104.2%)

経常利益

31,300百万円

(当期比 104.2%)

親会社株主に帰属する

当期純利益

20,400百万円

(当期比 107.0%)

 

(個別業績)

 

 

新規受注高

520,000百万円

(当期比 102.8%)

完成工事高

475,000百万円

(当期比 106.9%)

営業利益

26,000百万円

(当期比 104.7%)

経常利益

27,000百万円

(当期比 104.5%)

当期純利益

18,200百万円

(当期比 107.6%)

を見込んでおります。

 

(2)経営の基本方針

株主の皆様、お客様及び地域社会との共存を目指すことが当社存立の意義であるとの考えから、

①人間尊重のもと、企業の社会的責任を遂行し、豊かな人間環境づくりに貢献します。

②お客様のニーズを先取りし、技術革新を図り、最高のサービスと設備を提供します。

③絶えざる自己革新によって、株主の皆様のご期待に応える未来指向型の企業を目指します。

を経営理念として掲げております。

 

(3)中長期的な経営課題及び目標とする経営指標

今後の見通しについて申し上げますと、電力設備投資は東京電力グループのコスト削減により、依然として抑制されるものと予想されます。一方、国内建設投資は、省人化・効率化などを目的とした工場・物流施設の建設や、インバウンド需要に対応した宿泊・交通施設の整備・拡充などが計画されていることから、引き続き堅調に推移するものと見込まれております。

このような状況の中で当社は、平成32年度を最終年度とする「成長戦略」の達成に向け、以下の重点経営施策を遂行してまいります。

まず始めに、地域の特性に即した営業活動の展開やこれまで培ってきた技術・ノウハウを活用した事業領域の拡大による受注の獲得と、徹底した原価低減方策の実践、工事管理プロセスの見直し・標準化などによる利益の創出に注力してまいります。

次に、お客様ニーズにお応えすることは勿論のこと、現場の安全・省力化や生産性向上にも資する技術開発を積極的に推し進めてまいります。

併せて、若年・中堅層社員の能力開発や技術・技能の伝承を図り、未来を担う人材を育成してまいります。また、企業としての喫緊の課題とされている働き方・休み方改革にも取り組み、一人ひとりが能力を発揮することができる活き生きとした会社づくりに努めてまいります。

更には、ストック型社会の進展や生産労働人口の減少、AI・IoTの普及などの時代の変化を的確に捉え、スピードと行動力をもって事業構造改革を実行してまいります。

今後とも当社は、経営の根幹であるコンプライアンスと作業安全・施工品質を徹底するとともに、お客様から信頼される企業ブランドの構築に全力を傾注し、株主の皆様のご期待に応えてまいる所存であります。

(平成32年度 経営数値目標(連結))

・売上高:6,500億円以上  ・営業利益:360億円以上  ・自己資本利益率(ROE):9%以上

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがある。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存である。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)事業環境の変化

想定を上回る建設関連投資及び電力設備投資の減少等、事業環境に著しい変化が生じた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。なお、当社グループの売上高のうち、東京電力グループの割合は約3割である。

 

(2)資材費・労務費の価格変動

資材費・労務費の価格が著しく上昇し、これを請負代金に反映できない場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(3)工事施工等のリスク

工事施工に関し、品質上重大な不具合や事故が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(4)取引先の信用リスク

建設業においては、一取引における請負代金が大きく、また多くの場合には、工事目的物の引渡時に多額の工事代金が支払われる条件で契約が締結される。工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(5)資産保有リスク

営業活動上の必要性から、不動産・有価証券等の資産を保有しているため、保有資産の時価が著しく下落した場合等、または事業用不動産の収益性が著しく低下した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(6)退職給付債務

年金資産の時価の下落、運用利回り及び割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(7)法的規制

建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等による法的規制を受けており、法的規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合、または法的規制による行政処分等を受けた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりである。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、堅調な輸出や底堅い個人消費、更には好調な企業業績などに支えられ、景気は引き続き回復軌道を歩んだ。

このような情勢の中で、電力設備投資の圧縮が継続されたものの、民間建設投資については、大都市圏におけるオフィスビル・商業施設や生産能力増強に対応した工場などの建設需要を背景として、高水準を維持した。

このため当社は、お客様の視点に立ったトータルソリューションサービスを展開するとともに、事業部門間の連携を強化した営業活動に取り組んだ。併せて、コストマネジメント方策の更なる推進や工事原価の低減による価格競争力の向上に努めた。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなった。

 

.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ188億7千7百万円増加し、4,437億5千2百万円となった。

 

(資産の部)

流動資産は、主に受取手形・完成工事未収入金等が239億2千1百万円増加したことから、流動資産合計で前連結会計年度末に比べ89億7千4百万円増加した。

固定資産は、有形固定資産が65億5百万円、投資有価証券が47億7千9百万円増加したことなどから、固定資産合計で前連結会計年度末に比べ99億3百万円増加した。

 

(負債の部)

流動負債は、未成工事受入金が20億8千9百万円減少したものの、支払手形・工事未払金等が73億5百万円増加したことなどから、流動負債合計で前連結会計年度末に比べ34億4千3百万円増加した。

固定負債は、長期借入金が12億1千7百万円増加したものの、退職給付に係る負債が30億8千1百万円減少したことなどから、固定負債合計で前連結会計年度末に比べ20億2千万円減少した。

負債合計では前連結会計年度末に比べ14億2千3百万円増加し、2,129億4千1百万円となった。

 

(純資産の部)

純資産の部は、利益剰余金が141億1千万円、その他有価証券評価差額金が28億6千8百万円増加したことなどから、純資産合計で前連結会計年度末に比べ174億5千4百万円増加し、2,308億1千万円となった。

 

 

b.経営成績

当連結会計年度の業績は、売上高5,072億5百万円(前連結会計年度比362億6千2百万円増)、経常利益300億3千1百万円(前連結会計年度比26億8千5百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益190億5千8百万円(前連結会計年度比14億6千7百万円増)となった。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりである。

(設備工事業)

当社グループの主たる事業である設備工事業の業績は、新規受注高5,631億4千9百万円(前連結会計年度比266億6百万円増)、完成工事高4,966億3千3百万円(前連結会計年度比351億8千2百万円増)、営業利益274億9千1百万円(前連結会計年度比25億8百万円増)となった。

 

(その他の事業)

その他の事業の業績は、売上高105億7千1百万円(前連結会計年度比10億7千9百万円増)、営業利益17億6百万円(前連結会計年度比2億3千7百万円増)となった。

 

当社グループの売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりである。

前連結会計年度

 

 

東京電力グループ

172,871百万円

36.7%

 

当連結会計年度

 

 

東京電力グループ

171,029百万円

33.7%

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の増加があったものの、投資活動及び財務活動により資金が減少したことから、前連結会計年度末から55億1千3百万円減少し、540億9千9百万円となった。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、営業活動によって114億6千9百万円の資金が増加した(前連結会計年度比47億1千8百万円増)。これは、税金等調整前当期純利益291億3千3百万円、未成工事支出金の減少額68億6千万円、仕入債務の増加額73億2千万円などの資金増加要因が、売上債権の増加額238億6千9百万円、法人税等の支払額87億6百万円などの資金減少要因を上回ったことによるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、投資活動によって100億1千5百万円の資金が減少した(前連結会計年度比78億5千1百万円増)。これは主に、有形固定資産の取得に96億1千4百万円を支出したことによるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、財務活動によって78億5千7百万円の資金が減少した(前連結会計年度比76億8千8百万円減)。これは、短期借入金の純減少額16億3千2百万円、配当金の支払に49億2百万円を支出したことなどによるものである。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループが営んでいる事業においては、生産実績について定義することが困難であるため、「生産の実績」は記載していない。

事業の大部分を占めている設備工事業においては、請負形態をとっているため、販売実績という定義が実態にそぐわないことや、設備工事業以外の事業では受注生産形態をとっていないことから、「受注及び販売の実績」については「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントごとの業績に関連付けて記載している。

なお、当社グループにおける受注及び販売の実績の大部分を提出会社が占めているため、提出会社個別の実績を参考のため記載すると、次のとおりである。

 

(提出会社の受注工事高及び完成工事高の実績)

a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

区分

前期繰越

工事高

 

(百万円)

当期受注

工事高

 

(百万円)

 

(百万円)

当期完成

工事高

 

(百万円)

次期繰越

工事高

 

(百万円)

前事業年度

 

(自  平成28年

4月1日

至  平成29年

3月31日)

屋内線・

環境設備工事

226,870

251,469

478,339

203,627

274,712

情報通信工事

12,546

40,051

52,597

31,596

21,000

配電線工事

9,373

140,632

150,006

138,557

11,448

工務関係工事

30,488

42,299

72,788

36,411

36,376

279,278

474,452

753,730

410,192

343,538

当事業年度

 

(自  平成29年

4月1日

至  平成30年

3月31日)

屋内線・

環境設備工事

274,712

263,342

538,054

235,040

303,014

情報通信工事

21,000

44,646

65,647

37,651

27,995

配電線工事

11,448

147,853

159,301

136,633

22,668

工務関係工事

36,376

50,184

86,561

35,127

51,433

343,538

506,026

849,565

444,452

405,112

(注)1  前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。

2  次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。

3  提出会社は設備工事業、不動産事業及び発電事業を営んでいるが、不動産事業及び発電事業については僅少であることから含めて記載している。

 

b.受注工事高

期別

区分

 

官公庁

 

(百万円)

民間

 

 

(百万円)

東京電力

グループ

(百万円)

その他

(百万円)

前事業年度

 

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

屋内線・環境設備工事

10,694

3,393

237,381

251,469

情報通信工事

2,296

2,920

34,834

40,051

配電線工事

371

137,770

2,490

140,632

工務関係工事

3,776

18,121

20,401

42,299

17,139

162,206

295,107

474,452

当事業年度

 

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

屋内線・環境設備工事

10,414

2,781

250,147

263,342

情報通信工事

3,336

2,215

39,093

44,646

配電線工事

430

140,426

6,996

147,853

工務関係工事

1,031

13,854

35,298

50,184

15,213

159,278

331,535

506,026

 

c.完成工事高

期別

区分

 

官公庁

 

(百万円)

民間

 

 

(百万円)

東京電力

グループ

(百万円)

その他

(百万円)

前事業年度

 

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

屋内線・環境設備工事

8,680

2,730

192,215

203,627

情報通信工事

2,364

2,718

26,513

31,596

配電線工事

146

135,328

3,082

138,557

工務関係工事

1,231

19,461

15,718

36,411

12,422

160,239

237,530

410,192

当事業年度

 

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

屋内線・環境設備工事

8,691

3,191

223,157

235,040

情報通信工事

3,112

2,562

31,977

37,651

配電線工事

551

133,375

2,705

136,633

工務関係工事

1,818

14,795

18,513

35,127

14,173

153,925

276,353

444,452

(注)1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

 

前事業年度

清水建設㈱

・みなとみらい21地区46街区横浜野村ビル新築工事(電気設備工事)

清水建設㈱

・京橋エドグラン新築工事(電気設備工事)

大成建設㈱

・上智大学四谷キャンパス新棟計画(電気設備工事)

鹿島建設㈱

・東京ガーデンテラス紀尾井町新築工事(電気設備工事)

東京都競馬㈱

・大井競馬場スタンドリニューアル工事(電気設備工事)

 

当事業年度

国土交通省関東地方整備局

・国立医薬品食品衛生研究所他(14)電気設備工事

㈱竹中工務店

・武田グローバル本社新築工事(電気設備工事)

㈱大林組

・太陽生命日本橋ビル新築工事(電気設備工事)

㈱大林組

・帝京大学八王子キャンパス新校舎棟新築工事(電気設備工事)

大成建設㈱

・住友不動産大崎ガーデンタワー新築工事(電気設備工事)

 

2  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。

前事業年度

 

 

東京電力グループ

160,239百万円

39.1

 

当事業年度

 

 

東京電力グループ

153,925百万円

34.6%

 

d.次期繰越工事高

平成30年3月31日現在

 

区分

官公庁

 

(百万円)

民間

 

(百万円)

東京電力

グループ

(百万円)

その他

(百万円)

屋内線・環境設備工事

16,234

534

286,244

303,014

情報通信工事

2,672

170

25,152

27,995

配電線工事

209

17,978

4,480

22,668

工務関係工事

3,010

12,459

35,964

51,433

22,127

31,142

351,842

405,112

(注)  次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。

 

大成建設㈱

 

・新国立競技場整備事業(電気設備工事)

平成31年11月完成予定

鹿島建設㈱

 

・(仮称)OH-1計画新築工事(電気設備工事)

平成32年2月完成予定

東日本高速道路㈱

 

・常磐自動車道大熊IC電気設備工事

平成32年4月完成予定

福島送電合同会社

 

・福島県阿武隈山地及び浜通り地域共用送電網建設工事

平成32年7月完成予定

㈱竹中工務店

 

・阪神阪急梅田一丁目一番地計画(電気設備工事)

平成34年2月完成予定

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。連結財務諸表の作成に当たっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用に反映されている。見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合がある。

 

②当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の概要については、「(1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している。

連結決算と個別決算の差額は、資産合計が634億3百万円であり、連単倍率は1.17倍である。セグメントでは、設備工事業の資産合計が前連結会計年度末に比べ166億8千7百万円増加し3,946億9千3百万円、その他の事業が118億5千1百万円増加し727億8千8百万円となり、設備工事業が84.4%を占めている。

なお、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,013.33円から1,097.36円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末の48.72%から50.51%となった。

 

③当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の業績は、お客様の視点に立ったトータルソリューションサービスを展開するとともに、事業部門間の連携を強化した営業活動に取り組んだ。併せて、コストマネジメント方策の更なる推進や工事原価の低減による価格競争力の向上に努めた結果、売上高及び利益いずれも前連結会計年度を上回った。

売上高は、当社及び連結子会社で増加したことにより、前連結会計年度に比べ362億6千2百万円増加し、5,072億5百万円となった。連結決算と個別決算の差額は627億5千2百万円であり、連単倍率は1.14倍である。セグメントでは、設備工事業が4,966億3千3百万円、その他の事業が105億7千1百万円となり、設備工事業が売上高の97.9%を占め、また東京電力グループからの売上高は1,710億2千9百万円となった。

利益は、主に当社で増加したことにより、営業利益が28億6千4百万円増加し、292億6千1百万円となった。セグメントでは、設備工事業が274億9千1百万円、その他の事業が17億6百万円となった。また、経常利益が26億8千5百万円増加し300億3千1百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は14億6千7百万円増加し190億5千8百万円となった。連単倍率は、営業利益1.18倍、経常利益1.16倍、親会社株主に帰属する当期純利益1.13倍である。

なお、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の86.11円から93.31円となり、自己資本利益率(ROE)は、前連結会計年度の8.81%から8.84%となった。

また、当連結会計年度の連結業績見通しに対する達成状況は、以下のとおりである。

業績見通し         実績         達成率

完成工事高                          510,000百万円    507,205百万円     99.5%

営業利益                             29,000百万円     29,261百万円    100.9%

経常利益                             29,600百万円     30,031百万円    101.5%

親会社株主に帰属する当期純利益       18,700百万円     19,058百万円    101.9%

 

 

 

資本の財源及び資金の流動性

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要については、「(1)経営成績等の状況の概要  ②キャッシュ・フローの状況」に記載している。

当社グループは、運転資金及び設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入、転換社債型新株予約権付社債の発行により資金調達を行っている。短期借入金は主に運転資金に係る資金調達であり、転換社債型新株予約権付社債及び長期借入金は主に設備投資に係る資金調達である。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は540億9千9百万円であり、複数の金融機関に未使用の借入枠を有している。

 

経営成績等に重要な影響を与える要因

当社グループを取り巻く経営環境は、「1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであり、また、「2  事業等のリスク」及び「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容  ①重要な会計方針及び見積り」に記載している各要因が、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している。

 

4【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はない。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループは、現場が抱える課題やお客様からのニーズに対応することを目的として、「現場の安全・省力化・コストダウンに資する技術開発」、「お客様ニーズに応える技術開発」及び「事業領域拡大を支える技術開発」に重点的に取り組んでいる。当連結会計年度は、「社会を支える“100年企業”を目指し、技術開発で当社のブランド力をアップ」を念頭におき研究開発活動を行った。特に、作業安全・省力化に資するITやロボット導入技術、BCP・防災への対応技術、社会インフラ設備に対応可能な応用技術の開発を積極的に推進するとともに、新たに研究体制強化、新機軸創出、社外への技術力アピール・ブランド力強化に取り組んだ。

当連結会計年度における研究開発費は、12億1千7百万円であり、主な研究開発成果は、以下のとおりである。なお、研究開発費をセグメントごとに区分していない。

 

(設備工事業)

バーチャルリアリティ技術を活用した「安全教育システム」の開発

「転倒」、「飛来・落下」、「切れ」等の労働災害を防止するためには、作業現場に潜在する危険箇所を予測し、危険を回避できる安全意識の向上が必要である。そこで、バーチャルリアリティ技術を活用し、重大災害に発展する可能性の高い「墜落」災害、「感電」災害を、映像ソフトと音・振動・電気などで視覚・聴覚・触覚等を刺激することにより体感し、危険感受性を高め安全意識の向上を図る教育ソフトを開発した。今後、施工本部、支社等で本システムによる危険体験研修を実施し、安全意識の向上を図っていく。

 

「計測記録支援システム」の開発

屋内線現場での照度測定結果は、測定者又は記録者が図面や帳票に手書きで記入後、電子データ入力により清書していることから、記録・入力作業に手間がかかるうえ、誤入力の可能性もある。そこで、測定結果を直接web上の図面や帳票に自動入力、送信可能なシステムを開発した。今後、絶縁抵抗測定や電圧測定作業等にも本システムを対応させ、現場作業の省力化による作業効率の向上を図っていく。

 

「変圧器耐震装置」の開発

配電用変圧器変位量抑制指針に適合しない旧式変圧器に取付可能な変圧器耐震装置を開発した。これにより、地震動による変圧器上部の揺れを抑制し、変圧器本体の保護や付随する設備との間に生じる短絡・地絡等の事故を防止することができる。今後、本装置をお客様のBCPに貢献する災害対策技術として提案し、リニューアル工事等の受注拡大を目指す。

 

無電柱化対策技術「簡易管路掘削機」の開発

電線共同溝工事では、地先店舗や住宅出入り口を確保しながら開削工事を行うことが要求されるため、地元住民等の要望に合わせて施工時間・工程の組み立てを行っており、施工効率低下の原因となっている。そこで、店舗や住宅出入り口等の短距離を非開削で管路掘削可能な取り扱いが簡単な掘削機を開発した。今後、本掘削機を活用し作業効率の向上と、電力工事に加え他のインフラ関連工事の受注拡大を目指す。

 

(その他の事業)

「LPガスエンジン発電機」の開発

過去の震災等において、各地に設置されている非常用発電機(ディーゼルエンジン式)が十分に機能しなかった事例を参考に、環境性能に優れたLPガスを燃料とした、小型軽量・低騒音で運転・保守メンテナンスに優れており、かつIoTを活用した遠隔監視・操作が容易なLPガスエンジン発電機を開発した。今後、官民の各地に設置されている非常用発電設備のリプレイス需要やこれから整備されるインフラ工事に合わせた新規需要に合わせて積極的に受注拡大を目指す。