第2【事業の状況】

(注)「第2  事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1)経営の基本方針

株主の皆様、お客様及び地域社会との共存を目指すことが当社存立の意義であるとの考えから、

①人間尊重のもと、企業の社会的責任を遂行し、豊かな人間環境づくりに貢献します。

②お客様のニーズを先取りし、技術革新を図り、最高のサービスと設備を提供します。

③絶えざる自己革新によって、株主の皆様のご期待に応える未来指向型の企業を目指します。

を経営理念として掲げております。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、2016年2月、持続的な成長を可能とする強靭な企業体質の確立と高い収益性の実現を目指すため、「営業基盤強化戦略・事業領域拡大戦略・電力安定供給への貢献・人材戦略・施工力増強への投資戦略」で構成される成長戦略(2016年度~2020年度)を策定し、お客様に密着した営業活動や価格競争力向上へのコスト低減、更には鉄道・水道等のネットワーク系社会インフラ領域への事業展開や再生可能エネルギー発電事業などを推し進めております。

また、中期経営計画(2018年度~2020年度)では、総合設備企業として強靭な企業体質の確立と高い収益性の実現を図り、最終年度の経営目標達成に向け、以下の重点施策に取り組んでまいります。

(重点方針)

信頼向上のための取り組み徹底

利益創出力と受注獲得力の強化

事業活動を支える技術開発

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(ひといち)力の向上-活き生きとした人と職場-

事業構造改革の推進

 

(3)経営成績

①当期の経営成績

当期のわが国経済は、堅調な企業収益や雇用情勢などを背景に総じて緩やかな回復軌道を歩んでおりましたが、年度終盤には新型コロナウイルス感染症拡大の影響により景況感が急激に悪化いたしました。

このような情勢下にあって、電力関連投資は引き続き抑制されたものの、国内建設投資につきましては、首都圏を中心とした大型再開発事業やインターネット取引の普及に対応した物流施設の建設需要などに支えられ底堅く推移いたしました。

このため当社は、営業情報の早期収集と綿密かつ多角的な分析に基づく戦略的な営業活動を展開するとともに、コストマネジメント手法の更なる浸透による工事原価の圧縮や徹底した管理間接コストの削減に取り組み、受注の獲得と利益の創出に努めました。

この結果、当期の業績は、下記のとおりとなりました。

 

(連結業績)

 

 

完成工事高

616,143百万円

(前期比 109.3%)

営業利益

34,693百万円

(前期比 115.6%)

経常利益

35,565百万円

(前期比 115.5%)

親会社株主に帰属する

当期純利益

22,515百万円

(前期比 114.3%)

 

(個別業績)

 

 

新規受注高

513,919百万円

(前期比 103.6%)

完成工事高

540,202百万円

(前期比 109.5%)

営業利益

27,773百万円

(前期比 115.0%)

経常利益

28,859百万円

(前期比 114.7%)

当期純利益

19,408百万円

(前期比 113.6%)

 

②今後の見通し

新型コロナウイルス感染症は世界規模で急速に拡大し、わが国経済への深刻な影響が懸念されております。

現在当社グループでは、2020年度連結売上高6,500億円、連結営業利益360億円、連結ROE9%以上を目標とする成長戦略を推進し、営業基盤の強化と事業領域の拡大に取り組んでおりますが、先行きにつきましては工事の中止・中断・延期や建設投資の抑制などが想定され、その期間・規模についても不確実性が極めて高い状況下にあります。

従いまして、現時点で当社グループの業績の合理的な予想が困難であるため、未定とさせていただきます。

 

(4)対処すべき課題

今後の見通しについて申し上げますと、電力設備投資の圧縮が継続されるものと見込まれ、また、これまで堅調に推移していた国内建設投資につきましても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により設備投資マインドの減退が懸念されることから、当社を取り巻く事業環境は極めて厳しい状況に置かれるものと想定いたしております。

このような困難な情勢下にあって当社は、将来に亘る持続的な発展に向け、全社を挙げて以下の重点経営施策を着実に遂行してまいります。

まず始めに、建築設備の企画・設計から施工、メンテナンス・リニューアルに至るまでのサービスをワンストップで提供する営業・施工体制の拡充に取り組むとともに、工程管理の徹底や現場へのICT技術の導入など工事原価低減方策を実践し、受注の獲得と利益の創出に全力を傾注してまいります。

次に、近年、頻発化・激甚化する自然災害に備え、ニーズが高まっている防災・減災対策や施工管理・現場作業の省力化・省人化に寄与する技術開発の推進、更には、分散型電源のエネルギーマネジメントに重要なVPP関連システムなど事業領域拡大に資する研究にも注力してまいります。

また、若年層社員の能力開発・早期戦力化や熟練社員の技術・ノウハウの伝承など、未来を支える人材を育成してまいります。併せて、働き方・休み方改革の実践やアサーティブ・コミュニケーションによる風通しの良い職場風土の醸成を図り、社員一人ひとりが活き生きと働くことのできる会社づくりに努めてまいります。

加えて、社会やお客様から信頼される企業であり続けるため、安全を最優先する意識の定着、コンプライアンスの徹底、脱炭素型社会の実現に向けた環境負荷低減への取り組みなどを推進してまいります。

今後とも当社は、総合設備企業として新たな成長ステージへ進むための事業構造改革をスピードと行動力をもって実践するとともに、強靭な企業体質の確立と高い企業価値の創造に全力を傾注してまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存である。

また、これらのリスクに対する管理体制を「第4 提出会社の状況」の「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の「(1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載している。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)事業環境の変化

想定を上回る建設関連投資及び電力設備投資の減少等、事業環境に著しい変化が生じた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。なお、当社グループの売上高のうち、東京電力グループの割合は約3割である。

 

(2)資材費・労務費の価格変動

資材費・労務費の価格が著しく上昇し、これを請負代金に反映できない場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(3)工事施工等のリスク

工事施工に関し、品質上重大な不具合や事故が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(4)取引先の信用リスク

建設業においては、一取引における請負代金が大きく、また多くの場合には、工事目的物の引渡時に多額の工事代金が支払われる条件で契約が締結される。工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(5)資産保有リスク

営業活動上の必要性から、不動産・有価証券等の資産を保有しているため、保有資産の時価が著しく下落した場合等、または事業用不動産の収益性が著しく低下した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(6)退職給付債務

年金資産の時価の下落、運用利回り及び割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(7)法的規制

建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等による法的規制を受けており、法的規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合、または法的規制による行政処分等を受けた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(8)新型コロナウイルス感染症の拡大

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、社員の健康低下、資材調達の遅延、工事施工力の低下、工事代金回収の遅延などが発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりである。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、堅調な企業収益や雇用情勢などを背景に総じて緩やかな回復軌道を歩んでいたが、年度終盤には新型コロナウイルス感染症拡大の影響により景況感が急激に悪化した。

このような情勢下にあって、電力関連投資は引き続き抑制されたものの、国内建設投資については、首都圏を中心とした大型再開発事業やインターネット取引の普及に対応した物流施設の建設需要などに支えられ底堅く推移した。

このため当社は、営業情報の早期収集と綿密かつ多角的な分析に基づく戦略的な営業活動を展開するとともに、コストマネジメント手法の更なる浸透による工事原価の圧縮や徹底した管理間接コストの削減に取り組み、受注の獲得と利益の創出に努めた。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなった。

 

.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ288億4千7百万円増加し、4,887億1百万円となった。

 

(資産の部)

流動資産は、主に受取手形・完成工事未収入金等が133億6千9百万円増加したことから、流動資産合計で前連結会計年度末に比べ271億6千4百万円増加した。

固定資産は、投資有価証券が76億8千4百万円減少したものの、有形固定資産が44億5千4百万円増加したことなどから、固定資産合計で前連結会計年度末に比べ16億8千2百万円増加した。

 

(負債の部)

流動負債は、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が200億1千9百万円増加したことなどから、流動負債合計で前連結会計年度末に比べ399億1千3百万円増加した。

固定負債は、転換社債型新株予約権付社債が200億4千万円減少したことから、固定負債合計で前連結会計年度末に比べ209億3千3百万円減少した。

負債合計では前連結会計年度末に比べ189億7千9百万円増加し、2,328億8千万円となった。

 

(純資産の部)

純資産の部は、主に利益剰余金が170億2千7百万円増加したことから、純資産合計で前連結会計年度末に比べ98億6千7百万円増加し、2,558億2千1百万円となった。

 

b.経営成績

当連結会計年度の業績は、売上高6,161億4千3百万円(前連結会計年度比525億9千2百万円増)、経常利益355億6千5百万円(前連結会計年度比47億7千万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益225億1千5百万円(前連結会計年度比28億1千2百万円増)となった。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりである。

(設備工事業)

当社グループの主たる事業である設備工事業の業績は、新規受注高5,860億4千3百万円(前連結会計年度比319億7百万円増)、完成工事高6,047億2千6百万円(前連結会計年度比527億5千万円増)、営業利益325億5千6百万円(前連結会計年度比46億9千5百万円増)となった。

 

(その他の事業)

その他の事業の業績は、売上高114億1千7百万円(前連結会計年度比1億5千7百万円減)、営業利益20億9千8百万円(前連結会計年度比1千8百万円増)となった。

 

当社グループの売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりである。

前連結会計年度

 

 

東京電力グループ

172,851百万円

30.7%

 

当連結会計年度

 

 

東京電力グループ

182,471百万円

29.6%

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により資金が増加したことから、投資活動及び財務活動による資金の減少があったものの、前連結会計年度末から85億1千1百万円増加し、715億7千9百万円となった。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、営業活動によって291億5千5百万円の資金が増加した(前連結会計年度比9億3百万円増)。これは、税金等調整前当期純利益344億9千万円などの資金増加要因が、売上債権の増加額133億3千1百万円、法人税等の支払額75億4千3百万円などの資金減少要因を上回ったことによるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、投資活動によって134億8千1百万円の資金が減少した(前連結会計年度比33億4千9百万円減)。これは主に、有形固定資産の取得に105億7千万円を支出したことによるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、財務活動によって71億5千1百万円の資金が減少した(前連結会計年度比20億2百万円増)。これは主に、配当金の支払に57億1千9百万円を支出したことなどによるものである。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループが営んでいる事業においては、生産実績について定義することが困難であるため、「生産の実績」は記載していない。

事業の大部分を占めている設備工事業においては、請負形態をとっているため、販売実績という定義が実態にそぐわないことや、設備工事業以外の事業では受注生産形態をとっていないことから、「受注及び販売の実績」については「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントごとの業績に関連付けて記載している。

なお、当社グループにおける受注及び販売の実績の大部分を提出会社が占めているため、提出会社個別の実績を参考のため記載すると、次のとおりである。

 

(提出会社の受注工事高及び完成工事高の実績)

a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

区分

前期繰越

工事高

 

(百万円)

当期受注

工事高

 

(百万円)

 

(百万円)

当期完成

工事高

 

(百万円)

次期繰越

工事高

 

(百万円)

前事業年度

 

(自  2018年

4月1日

至  2019年

3月31日)

屋内線・

環境設備工事

303,014

265,741

568,755

266,520

302,234

情報通信工事

27,995

35,548

63,544

41,790

21,753

配電線工事

22,668

142,968

165,637

138,992

26,644

工務関係工事

51,433

51,829

103,263

45,824

57,439

405,112

496,088

901,200

493,128

408,072

当事業年度

 

(自  2019年

4月1日

至  2020年

3月31日)

屋内線・

環境設備工事

302,234

264,633

566,868

296,525

270,342

情報通信工事

21,753

38,745

60,499

44,852

15,646

配電線工事

26,644

151,639

178,283

148,493

29,790

工務関係工事

57,439

58,901

116,340

50,331

66,008

408,072

513,919

921,991

540,202

381,788

(注)1  前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。

2  次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。

3  提出会社は設備工事業、不動産事業及び発電事業を営んでいるが、不動産事業及び発電事業については僅少であることから含めて記載している。

 

b.受注工事高

期別

区分

 

官公庁

 

(百万円)

民間

 

 

(百万円)

東京電力

グループ

(百万円)

その他

(百万円)

前事業年度

 

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

屋内線・環境設備工事

5,513

2,823

257,404

265,741

情報通信工事

2,369

2,969

30,208

35,548

配電線工事

165

134,177

8,625

142,968

工務関係工事

676

12,376

38,777

51,829

8,724

152,348

335,015

496,088

当事業年度

 

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

屋内線・環境設備工事

15,087

3,057

246,488

264,633

情報通信工事

4,278

3,510

30,956

38,745

配電線工事

200

141,911

9,527

151,639

工務関係工事

1,620

14,817

42,463

58,901

21,186

163,297

329,435

513,919

 

c.完成工事高

期別

区分

 

官公庁

 

(百万円)

民間

 

 

(百万円)

東京電力

グループ

(百万円)

その他

(百万円)

前事業年度

 

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

屋内線・環境設備工事

11,120

3,141

252,257

266,520

情報通信工事

2,729

3,002

36,059

41,790

配電線工事

366

131,563

7,062

138,992

工務関係工事

886

13,470

31,467

45,824

15,102

151,178

326,847

493,128

当事業年度

 

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

屋内線・環境設備工事

10,044

2,488

283,992

296,525

情報通信工事

4,227

3,350

37,275

44,852

配電線工事

124

137,470

10,898

148,493

工務関係工事

933

13,288

36,110

50,331

15,329

156,597

368,276

540,202

(注)1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

 

前事業年度

清水建設㈱

・日本橋室町地区電気・熱供給事業プラント建設工事

大成建設㈱

・丸の内二重橋ビル新築工事(電気設備工事)

㈱大林組

・ダイヤゲート池袋新築工事(電気設備工事)

㈱竹中工務店

・慶應義塾大学病院1号館新築工事(電気設備工事)

合同会社鬼怒川キャピタル

・鬼怒川森林太陽光発電所建設工事

 

当事業年度

清水建設㈱

・渋谷フクラス新築工事(電気設備工事)

鹿島建設㈱

・さいたま市立病院新病院建設工事 電気設備工事

㈱竹中工務店

・渋谷PARCO新築工事(電気設備工事)

大成建設㈱

・新国立競技場整備事業(電気設備工事)

東芝メモリ㈱

・東芝メモリ岩手株式会社 510棟(CR棟)第1期電気設備工事

 

2  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。

前事業年度

 

 

東京電力グループ

151,178百万円

30.7%

 

当事業年度

 

 

東京電力グループ

156,597百万円

29.0%

 

d.次期繰越工事高

2020年3月31日現在

 

区分

官公庁

 

(百万円)

民間

 

(百万円)

東京電力

グループ

(百万円)

その他

(百万円)

屋内線・環境設備工事

15,670

751

253,920

270,342

情報通信工事

2,364

301

12,979

15,646

配電線工事

83

25,033

4,672

29,790

工務関係工事

3,487

12,867

49,654

66,008

21,606

38,954

321,227

381,788

(注)  次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。

 

東日本高速道路㈱

・常磐自動車道大熊IC電気設備工事

㈱竹中工務店

阪神阪急梅田一丁目一番地計画(電気設備工事)

㈱大林組

・神戸阪急ビル増築工事(電気設備工事)

大和ハウス工業㈱

・IBC/MPC整備工事(電気設備工事)

福島送電合同会社

・福島県阿武隈山地及び浜通り地域共用送電網建設工事

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

 

①当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の概要については、「(1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している。

連結決算と個別決算の差額は、資産合計が648億1千2百万円であり、連単倍率は1.15倍である。セグメントでは、設備工事業の資産合計が前連結会計年度末に比べ276億8百万円増加し4,382億5千4百万円、その他の事業が39億7千7百万円増加し777億7千2百万円となり、設備工事業が84.9%を占めている。

なお、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,167.30円から1,211.13円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末の51.85%から50.62%となった。

 

②当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の業績は、営業情報の早期収集と綿密かつ多角的な分析に基づく戦略的な営業活動を展開するとともに、コストマネジメント手法の更なる浸透による工事原価の圧縮や徹底した管理間接コストの削減に取り組み、受注の獲得と利益の創出に努めた結果、売上高及び利益いずれも前連結会計年度を上回った。

売上高は、当社及び連結子会社で増加したことにより、前連結会計年度に比べ525億9千2百万円増加し、6,161億4千3百万円となった。連結決算と個別決算の差額は759億4千万円であり、連単倍率は1.14倍である。セグメントでは、設備工事業が6,047億2千6百万円、その他の事業が114億1千7百万円となり、設備工事業が売上高の98.1%を占め、また東京電力グループからの売上高は1,824億7千1百万円となった。

利益は、主に当社で増加したことにより、営業利益が46億8千1百万円増加し、346億9千3百万円となった。セグメントでは、設備工事業が325億5千6百万円、その他の事業が20億9千8百万円となった。また、経常利益が47億7千万円増加し355億6千5百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は28億1千2百万円増加し225億1千5百万円となった。連単倍率は、営業利益1.25倍、経常利益1.23倍、親会社株主に帰属する当期純利益1.16倍である。

なお、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の96.46円から110.23円となり、自己資本利益率(ROE)は、前連結会計年度の8.52%から9.27%となった。

また、当連結会計年度の連結業績見通しに対する達成状況は、以下のとおりである。

業績見通し         実績         達成率

完成工事高                          600,000百万円    616,143百万円    102.7%

営業利益                             33,000百万円     34,693百万円    105.1%

経常利益                             33,600百万円     35,565百万円    105.8%

親会社株主に帰属する当期純利益       21,600百万円     22,515百万円    104.2%

 

③経営成績等に重要な影響を与える要因

当社グループを取り巻く経営環境は、「1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであり、また、「2  事業等のリスク」及び「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容  ⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載している各要因が、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している。

 

 

④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要  ②キャッシュ・フローの状況」に記載している。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、設備工事業における材料費・外注費等の工事費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要は、事業継続及び機能維持、生産性向上、事業領域拡大等に資する設備投資である。

当社グループは、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針としている。

運転資金及び設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入、転換社債型新株予約権付社債の発行により資金調達を行っている。短期借入金は主に運転資金に係る資金調達であり、転換社債型新株予約権付社債及び長期借入金は主に設備投資に係る資金調達である。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は715億7千9百万円であり、複数の金融機関に未使用の借入枠を有している。

 

⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。当社グループの連結財務諸表における重要な会計上の見積りは、詳細を「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載している。当該見積りは、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づく合理的な仮定を用いて、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合がある。なお、会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えられる項目は以下のとおりである。

 

・工事進行基準による完成工事高及び完成工事原価の計上

工事の進行途上において、その進捗部分について成果の確実性が認められる場合は、工事進行基準を適用し、完成工事高及び完成工事原価を計上している。工事の進捗率の見積りは原価比例法によっており、当該見積りに用いた仮定は、工事収益総額と工事原価総額を合理的に見積もった実行予算である。

 

(新型コロナウイルス感染症に関する会計上の見積りについて)

新型コロナウイルス感染症拡大により、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える可能性がある主な会計上の見積りは、貸倒引当金、年金資産(退職給付会計)、繰延税金資産、減損損失である。

新型コロナウイルス感染症拡大による将来の業績等に与える影響は不確実性が極めて高いが、過去の実績や現況などの入手可能な情報と会計基準を慎重に検討し、合理的と考えられる仮定に基づき見積りを行った結果、会計上の当該見積りの当連結会計年度及び翌連結会計年度の連結財務諸表の金額に対する影響の重要性は乏しい。

 

⑥新型コロナウイルス感染症への当社グループの対応について

当社グループでは、新型コロナウイルスに対して社長を本部長とする新型コロナウイルス対策本部を設置し、出社前検温、マスク着用の推奨、手指のアルコール消毒の徹底、社内外会議の中止・延期等の感染予防・拡大防止対策に加え、事業運営・事業継続に必要な対策としてテレワークの活用や在宅勤務、交代勤務制も併せて実施している。

また、2020年4月25日(土)から5月10日(日)の間、事業継続上必須である業務、電力の安定供給等ライフラインの維持及びお客様設備の維持・管理等に係る業務を除き、原則休業とした。

経営成績等の状況の先行きについては、工事の中止・中断・延期や建設投資の抑制などが想定され、その期間・規模についても不確実性が極めて高い状況下にあり、合理的な予想が困難である。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はない。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループは、現場が抱える課題やお客様からのニーズに対応することを目的として、「安全・品質、施工効率向上に資する技術開発」、「顧客ニーズに応える技術開発」及び「事業領域拡大を支える技術開発」に重点的に取り組んでいる。当連結会計年度は、「社内外との連携強化で現場生産性向上を目指す」を念頭におき研究開発活動を行った。特に、安全・品質、施工効率向上に資する技術開発として、ITを活用した現場支援システムの開発や、先進技術「MR(複合現実)」を活用したメンテナンス技術の開発、お客様設備の信頼性向上に資する技術開発などを積極的に推進するとともに、産官学及びグループ会社との連携による技術開発の強化に取り組んだ。

当連結会計年度における研究開発費は、1,428百万円であり、主な研究開発成果は、以下のとおりである。なお、研究開発費をセグメントごとに区分していない。

 

(設備工事業)

「測定記録支援システム」の開発

屋内線現場において、竣工前に行われる膨大な測定作業と記録業務にかかる手間が課題となっている。そこで、測定器とタブレット型PCを無線で連携させ、測定と同時に自動で報告書を完成させることができる測定記録支援システム「BLuE」を開発した。今後は本システムに対応する測定器機種の拡大、ドローンやAGVと組み合わせた全自動測定記録システムの開発を進め、更なる作業効率の向上を図っていく。

 

「異常発熱発見システム」の開発

電気設備の異常な発熱による火災防止策として、MRスマートグラスと頭部に装着した赤外線カメラを組み合わせることで、温度分布を現実世界に重ねて視認することができるウェアラブルシステム「サーモMR」を開発した。今後、本システムを活用し、普段の巡視や定期パトロール時における異常な発熱箇所の早期発見を可能とするとともに、作業の安全性向上を図っていく。

 

「シューチェーン電動架線機」の開発

送電線工事では、電線の延線や撤去作業に油圧駆動式のシューチェーン巻取延線車を使用しているが、重量があり運搬に大きな負荷がかかることや、部品数が多く構造も複雑でありメンテナンスに支障をきたすこと、また低張力下での定速度延線が難しいことなどが課題であった。そこで、当社及びグループ会社で連携し、架線機の軽量化及びメンテナンス性と運転制御能力の向上を実現した電動駆動式の架線機を開発した。今後、本架線機を活用し、送電線現場作業の効率化と安全性向上を図っていく。

 

「蓄電池遠隔監視システム」の開発

情報通信設備において、緊急時のバックアップ電源として使用されている蓄電池は、経年劣化により機能が低下するため、定期的に点検を行う必要があるが、山間部など遠隔地での設備点検には労力と時間が嵩むことが課題であった。そこで、電圧・電流、温度、内部抵抗データを定期的に自動収集する事により経年劣化による機能低下をリアルタイムで把握できるシステムを開発した。本システムを活用することで作業の効率化のみならず、蓄電池交換時期の予測が可能となることから、今後、更なるお客様設備の信頼性向上を図っていく。

 

(その他の事業)

当連結会計年度においては、該当事項なし。