第2【事業の状況】

(注)「第2  事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1)経営の基本方針

株主の皆様、お客様及び地域社会との共存を目指すことが当社存立の意義であるとの考えから、「人間第一」を社是とし、

①人間尊重のもと、企業の社会的責任を遂行し、豊かな人間環境づくりに貢献します。

②お客様のニーズを先取りし、技術革新を図り、最高のサービスと設備を提供します。

③絶えざる自己革新によって、株主の皆様のご期待に応える未来指向型の企業を目指します。

を経営理念として掲げております。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、経営ビジョン「社会を支える“100年企業”へ」のもと、2016年から5ヵ年にわたる成長戦略を推進し、2019年度に過去最高業績を更新いたしました。

2021年度より新たにスタートした3ヵ年の中期経営計画では、脱炭素や防災・BCPなどの社会課題の解決に貢献すべく、『かわる。そこから未来をつくる』をコンセプトに、以下の施策に取り組んでまいります。

①重点方針

社会やお客様から信頼される企業であり続けるため、ESG経営を推進し、中長期的な企業価値の向上を目指すべく、以下の重点方針に取り組んでまいります。

重点方針1 生産性革新

業務プロセス改革と施工技術革新

重点方針2 総合力発揮による収益基盤の再構築

提案力・利益創出力・施工力の強化と成長分野への営業展開強化

重点方針3 将来の成長基盤強化

脱炭素・防災・BCP分野におけるプレゼンス確立とグローバル展開の加速

重点方針4 健全な経営活動の推進

安全・品質・コンプライアンス意識の定着化と経営の透明性確保

重点方針5 0102010_001.jpg(ひといち)力の向上

多様な人材が能力を発揮できる制度づくりと未来をつくる人材育成

 

②数値目標(2023年度)

(連結業績)

 

 

(環境)

 

売上高

5,800億円

 

エネルギー消費量(2009年度比)

△30%

営業利益

360億円

 

消費電力再エネ率

15%以上

ROE

以上

 

※自家消費

 

ROIC

以上

 

 

 

配当性向

30%以上

 

 

 

 

 

(3)経営成績

①当期の経営成績

当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の2度にわたる発出や東京オリンピック・パラリンピックの延期により、企業収益が落ち込むとともに個人消費も低迷したことから、急速に悪化いたしました。

このため、民間建設投資は計画案件の延期・凍結の影響を受け大幅に減少し、電力設備投資につきましても圧縮基調が継続されるなど、当社グループを取り巻く事業環境は厳しい状況で推移いたしました。

このような情勢下にあって当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大の防止に最大限配慮しながら、中核事業である設備工事業におきましては、地域毎の市場動向を踏まえ、営業スタッフや施工要員の柔軟かつ機動的な配置を推し進めました。また、綿密な工程管理に基づく手持ち工事の着実な進捗やコストマネジメント機能の強化による原価低減に注力いたしました。

この結果、想定した業績目標と同程度の水準は確保いたしましたものの、経営環境悪化の影響により、当期の業績は、下記のとおりとなりました。

(連結業績)

 

 

完成工事高

556,045百万円

(前期比  90.2%)

営業利益

30,041百万円

(前期比  86.6%)

経常利益

31,043百万円

(前期比  87.3%)

親会社株主に帰属する

当期純利益

20,147百万円

(前期比  89.5%)

 

(個別業績)

 

 

新規受注高

507,522百万円

(前期比  98.8%)

完成工事高

486,327百万円

(前期比  90.0%)

営業利益

24,730百万円

(前期比  89.0%)

経常利益

25,923百万円

(前期比  89.8%)

当期純利益

17,524百万円

(前期比  90.3%)

 

②今後の見通し

新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明な中で、企業の設備投資マインドは慎重にならざるを得ず、電力設備投資も引き続き抑制基調で推移するものと想定されることから、当社グループを取り巻く事業環境は依然として厳しい状況が続くものと予想されます。

このような情勢を踏まえ、次期の業績予想につきましては、

(連結業績)

 

 

完成工事高

521,000百万円

(当期比    -%)

営業利益

30,300百万円

(当期比 100.9%)

経常利益

31,300百万円

(当期比 100.8%)

親会社株主に帰属する

当期純利益

20,400百万円

期比 101.3%)

 

(個別業績)

 

 

新規受注高

470,000百万円

期比    -%)

完成工事高

452,000百万円

期比    -%)

営業利益

24,800百万円

期比 100.3%)

経常利益

26,000百万円

期比 100.3%)

当期純利益

17,600百万円

(当期比 100.4%)

を見込んでおります。

なお、当社グループは2022年3月期より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、業績予想は当該基準の適用後の金額となっております。当期実績に当該基準を適用した場合の参考値は以下の通りであり、完成工事高が減少することとなりますが、利益面に対する影響はありません。

(連結業績)

 

当期実績(※参考値)
2021年3月期

次期予想
2022年3月期

当期比

完成工事高

5,129億円※

5,210億円

101.6%

営業利益

300億円

  303億円

100.9%

経常利益

310億円

  313億円

100.8%

親会社株主に帰属する当期純利益

201億円

  204億円

101.3%

 

(個別業績)

 

当期実績(※参考値)
2021年3月期

次期予想
2022年3月期

当期比

完成工事高

4,432億円※

4,520億円

102.0%

営業利益

247億円

  248億円

100.3%

経常利益

259億円

  260億円

100.3%

当期純利益

175億円

  176億円

100.4%

 

(4)対処すべき課題

今後の見通しについて申し上げますと、新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明な中で、企業の設備投資マインドは慎重にならざるを得ず、電力設備投資も引き続き抑制基調で推移するものと想定されることから、当社グループを取り巻く事業環境は依然として厳しい状況が続くものと予想されます。

このような情勢を克服するため当社グループは、『かわる。そこから未来をつくる』をスローガンとする向こう3ヵ年の新たな中期経営計画を策定し、以下の重点経営施策を実践してまいります。

まず始めに、労働力人口の減少が確実視される中にあって施工力を確保し、持続的な成長を可能とするため、デジタル技術の徹底活用による業務効率化や現場作業の省略化・省人化に向けたIoT・AI・ロボットの導入を強力に推し進めるなど、生産性革新に全力を傾注してまいります。

次に、これまで培ってきたエンジニアリング力を駆使し、多様化が進むお客様ニーズにワンストップでお応えするトータルソリューションサービスを積極的に展開してまいります。併せて、建設需要のトレンドに対応した営業・施工体制の構築や調達コストの低減に資する購買機能の拡充など総合設備企業としての更なる深化を図り、受注の拡大と利益の創出に努めてまいります。

加えて、今後の成長が見込まれる脱炭素や防災・BCP分野において、風力発電、VPP、データセンター、地域マイクログリッドなどへの取り組みに注力するとともに、オープンイノベーションの促進による先端技術開発を積極的に推し進めるなど、将来を見据えた成長基盤を構築してまいります。

更には、ポストコロナ時代に対応するため、多様な就業形態を可能とする職場環境の整備やスマートデバイスを始めとするコミュニケーションツールの活用促進などに努めてまいります。同時に、女性や海外人材の登用などダイバーシティの推進や未来を担う若年層社員の育成強化に取り組んでまいります。

また、社会やお客様から信頼される企業であり続けるため、安全・品質の確保、コンプライアンスの徹底、環境保全活動の実践などESG経営を追求し、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

今後とも当社グループは、中核事業である設備工事業の更なる深化を図るとともに、従来の延長線上にはない新たな発想をもってイノベーションに取り組むことにより、社会の急激な変化に左右されない強靭な収益構造を確立してまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存である。

また、これらのリスクに対する管理体制を「第4  提出会社の状況  4  コーポレート・ガバナンスの状況等  (1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載している。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)事業環境の変化

想定を上回る建設関連投資及び電力設備投資の減少等、事業環境に著しい変化が生じた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。なお、当社グループの売上高のうち、東京電力グループの割合は約3割である。

このリスクの対応については、「1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載している。

 

(2)資材費・労務費の価格変動

資材費・労務費の価格が著しく上昇し、これを請負代金に反映できない場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、工事請負契約への反映を協議するとともに、調達方法の多様化等による原価低減に取り組んでいる。

 

(3)工事施工等のリスク

工事施工に関し、品質上重大な不具合や事故が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、設備事故に対する要因分析と対策、過去の事故事例を活用した教育等の実施により、施工品質の確保を図っている。

 

(4)取引先の信用リスク

建設業においては、一取引における請負代金が大きく、また多くの場合には、工事目的物の引渡時に多額の工事代金が支払われる条件で契約が締結される。工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、取引先に対する信用状況確認の徹底により、不良債権の発生防止に努めている。

 

(5)資産保有リスク

営業活動上の必要性から、不動産・有価証券等の資産を保有しているため、保有資産の時価が著しく下落した場合等、または事業用不動産の収益性が著しく低下した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、事業用不動産は、減損リスク等の把握により管理している。投資有価証券のうち政策保有株式は、保有意義や資産効率等を取締役会等で毎年検証し、保有意義が低下した株式は原則として売却している。

 

(6)退職給付債務

年金資産の時価の下落、運用利回り及び割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、年金資産運用の基本方針を定め、定期的に運用資産の評価を行っている。

 

 

(7)法的規制

建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等による法的規制を受けており、法的規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合、または法的規制による行政処分等を受けた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、各業務執行部門及び法務部門において法的規制の改廃や新設等の動向を常に把握し、対応及び遵守状況を確認することにより、法的規制の遵守に努めている。

 

(8)情報流出のリスク

サイバー攻撃による情報の窃取や、システムデータの改ざん・喪失等の発生により、多額の損害賠償が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある

このリスクに対応するため、社内規程を整備し、情報システムのセキュリティ強化や従業員への教育を行っている。

 

(9)非常災害のリスク

大規模地震や台風等の自然災害の発生に伴い、事業活動の中断や遅滞が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある

このリスクに対応するため、社内規程を整備し、従業員への周知や事業所停電対策の実施、非常用備蓄品の備蓄推進等の対策を講じている。

 

(10)新型ウイルス疾病によるパンデミック

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、社員の健康低下、資材調達の遅延、工事施工力の低下、工事代金回収の遅延などが発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、新型コロナウイルス対策本部を設置し、感染拡大状況に応じた勤務形態や就労環境の整備、調達先の稼働状況や納期等、商品供給状況に関する情報集約、協力会社に向けた当社相談窓口の案内及び各種公的支援策に関する情報提供、取引先の信用状況確認の徹底等の対策を講じている。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりである。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の2度にわたる発出や東京オリンピック・パラリンピックの延期により、企業収益が落ち込むとともに個人消費も低迷したことから、急速に悪化した。

このため、民間建設投資は計画案件の延期・凍結の影響を受け大幅に減少し、電力設備投資についても圧縮基調が継続されるなど、当社グループを取り巻く事業環境は厳しい状況で推移した。

このような情勢下にあって当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大の防止に最大限配慮しながら、中核事業である設備工事業においては、地域毎の市場動向を踏まえ、営業スタッフや施工要員の柔軟かつ機動的な配置を推し進めた。また、綿密な工程管理に基づく手持ち工事の着実な進捗やコストマネジメント機能の強化による原価低減に注力した。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなった。

 

.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ317億2百万円減少し、4,569億9千9百万円となった。

 

(資産の部)

流動資産は、主に現金預金が130億2千3百万円減少したことから、流動資産合計で前連結会計年度末に比べ338億8千7百万円減少した。

固定資産は、繰延税金資産が43億6千5百万円減少したものの、投資有価証券が72億1千7百万円増加したことなどから、固定資産合計で前連結会計年度末に比べ21億8千5百万円増加した。

 

(負債の部)

流動負債は、支払手形・工事未払金等が127億2千6百万円、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が200億1千9百万円減少したことなどから、流動負債合計で前連結会計年度末に比べ479億5千4百万円減少した。

固定負債は、主に退職給付に係る負債が68億3百万円減少したことから、固定負債合計で前連結会計年度末に比べ73億8千6百万円減少した。

負債合計では前連結会計年度末に比べ553億4千万円減少し、1,775億3千9百万円となった。

 

(純資産の部)

純資産の部は、主に利益剰余金が146億5千8百万円増加したことから、純資産合計で前連結会計年度末に比べ236億3千8百万円増加し、2,794億5千9百万円となった。

 

b.経営成績

当連結会計年度の業績は、売上高5,560億4千5百万円(前連結会計年度比600億9千8百万円減)、経常利益310億4千3百万円(前連結会計年度比45億2千1百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益201億4千7百万円(前連結会計年度比23億6千8百万円減)となった。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりである。

(設備工事業)

当社グループの主たる事業である設備工事業の業績は、新規受注高5,589億3千3百万円(前連結会計年度比271億9百万円減)、完成工事高5,449億6千8百万円(前連結会計年度比597億5千8百万円減)、営業利益280億2千5百万円(前連結会計年度比45億3千1百万円減)となった。

 

(その他の事業)

その他の事業の業績は、売上高110億7千7百万円(前連結会計年度比3億4千万円減)、営業利益19億6千4百万円(前連結会計年度比1億3千4百万円減)となった。

 

当社グループの売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりである。

前連結会計年度

 

 

東京電力グループ

182,471百万円

29.6%

 

当連結会計年度

 

 

東京電力グループ

183,620百万円

33.0%

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の増加があったものの、投資活動及び財務活動により資金が減少したことから、前連結会計年度末から143億9千1百万円減少し、571億8千7百万円となった。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、営業活動によって128億7千3百万円の資金が増加した(前連結会計年度比162億8千1百万円減)。これは、税金等調整前当期純利益302億5千1百万円などの資金増加要因が、法人税等の支払額131億6千3百万円、仕入債務の減少額127億2千6百万円などの資金減少要因を上回ったことによるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、投資活動によって9億7千2百万円の資金が減少した(前連結会計年度比125億8百万円増)。これは、有価証券の償還40億円の収入があったものの、有形固定資産の取得に57億5千8百万円を支出したことなどによるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、財務活動によって263億1千7百万円の資金が減少した(前連結会計年度比191億6千6百万円減)。これは、転換社債型新株予約権付社債の償還に200億円、配当金の支払に55億1千4百万円を支出したことなどによるものである。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループが営んでいる事業においては、生産実績について定義することが困難であるため、「生産の実績」は記載していない。

事業の大部分を占めている設備工事業においては、請負形態をとっているため、販売実績という定義が実態にそぐわないことや、設備工事業以外の事業では受注生産形態をとっていないことから、「受注及び販売の実績」については「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントごとの業績に関連付けて記載している。

なお、当社グループにおける受注及び販売の実績の大部分を提出会社が占めているため、提出会社個別の実績を参考のため記載すると、次のとおりである。

 

(提出会社の受注工事高及び完成工事高の実績)

a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

区分

前期繰越

工事高

 

(百万円)

当期受注

工事高

 

(百万円)

 

(百万円)

当期完成

工事高

 

(百万円)

次期繰越

工事高

 

(百万円)

前事業年度

 

(自  2019年

4月1日

至  2020年

3月31日)

屋内線・

環境設備工事

302,234

264,633

566,868

296,525

270,342

情報通信工事

21,753

38,745

60,499

44,852

15,646

配電線工事

26,644

151,639

178,283

148,493

29,790

工務関係工事

57,439

58,901

116,340

50,331

66,008

408,072

513,919

921,991

540,202

381,788

当事業年度

 

(自  2020年

4月1日

至  2021年

3月31日)

屋内線・

環境設備工事

270,342

261,718

532,061

252,237

279,824

情報通信工事

15,646

42,879

58,525

39,691

18,834

配電線工事

29,790

138,132

167,922

145,775

22,147

工務関係工事

66,008

64,792

130,801

48,623

82,177

381,788

507,522

889,311

486,327

402,983

(注)1  前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。

2  次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。

3  提出会社は設備工事業、不動産事業及び発電事業を営んでいるが、不動産事業及び発電事業については僅少であることから含めて記載している。

 

b.受注工事高

期別

区分

 

官公庁

 

(百万円)

民間

 

 

(百万円)

東京電力

グループ

(百万円)

その他

(百万円)

前事業年度

 

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

屋内線・環境設備工事

15,087

3,057

246,488

264,633

情報通信工事

4,278

3,510

30,956

38,745

配電線工事

200

141,911

9,527

151,639

工務関係工事

1,620

14,817

42,463

58,901

21,186

163,297

329,435

513,919

当事業年度

 

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

屋内線・環境設備工事

18,617

3,107

239,993

261,718

情報通信工事

8,857

4,128

29,893

42,879

配電線工事

121

126,577

11,433

138,132

工務関係工事

2,081

13,755

48,955

64,792

29,676

147,569

330,276

507,522

 

c.完成工事高

期別

区分

 

官公庁

 

(百万円)

民間

 

 

(百万円)

東京電力

グループ

(百万円)

その他

(百万円)

前事業年度

 

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

屋内線・環境設備工事

10,044

2,488

283,992

296,525

情報通信工事

4,227

3,350

37,275

44,852

配電線工事

124

137,470

10,898

148,493

工務関係工事

933

13,288

36,110

50,331

15,329

156,597

368,276

540,202

当事業年度

 

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

屋内線・環境設備工事

10,415

3,078

238,743

252,237

情報通信工事

5,843

4,347

29,500

39,691

配電線工事

204

137,346

8,224

145,775

工務関係工事

1,752

14,317

32,553

48,623

18,216

159,089

309,021

486,327

(注)1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

 

前事業年度

清水建設㈱

・渋谷フクラス新築工事(電気設備工事)

鹿島建設㈱

・さいたま市立病院新病院建設工事 電気設備工事

㈱竹中工務店

・渋谷PARCO新築工事(電気設備工事)

大成建設㈱

・新国立競技場整備事業(電気設備工事)

東芝メモリ㈱

・東芝メモリ岩手株式会社 510棟(CR棟)第1期電気設備工事

 

当事業年度

清水建設㈱

・みずほ丸の内タワー新築工事(電気設備工事)

鹿島建設㈱

・ところざわサクラタウン新築工事(電気設備工事)

大成建設㈱

・CO・MO・RE YOTSUYA(コモレ四谷)建設工事(電気設備工事)

㈱竹中工務店

・東京虎ノ門グローバルスクエア新築工事(電気設備工事)

福島送電㈱

・500kV都路変電所新設工事

 

2  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。

前事業年度

 

 

東京電力グループ

156,597百万円

29.0%

 

当事業年度

 

 

東京電力グループ

159,089百万円

32.7%

 

d.次期繰越工事高

2021年3月31日現在

 

区分

官公庁

 

(百万円)

民間

 

(百万円)

東京電力

グループ

(百万円)

その他

(百万円)

屋内線・環境設備工事

23,872

781

255,170

279,824

情報通信工事

5,378

83

13,372

18,834

配電線工事

0

14,264

7,881

22,147

工務関係工事

3,815

11,110

67,251

82,177

33,066

26,240

343,676

402,983

(注)  次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。

 

東日本高速道路㈱

・常磐自動車道 いわき中央IC~浪江IC間道路交通情報設備工事

㈱竹中工務店

阪神阪急梅田一丁目一番地計画(電気設備工事)

㈱大林組

・三田三・四丁目地区再開発事業 複合棟1新築工事(電気設備工事)

大和ハウス工業㈱

・IBC/MPC整備工事(電気設備工事)

北海道北部風力送電㈱

・送電線(北部送電豊富中川幹線・稚内恵北線・開源線)建設工事

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

 

①当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の概要については、「(1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している。

連結決算と個別決算の差額は、資産合計が613億2千8百万円であり、連単倍率は1.16倍である。セグメントでは、設備工事業の資産合計が前連結会計年度末に比べ301億1千7百万円減少し4,081億3千6百万円、その他の事業が30億8千8百万円減少し746億8千3百万円となり、設備工事業が84.5%を占めている。

なお、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,211.13円から1,323.90円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末の50.62%から59.17%となった。

 

②当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルス感染症拡大の防止に最大限配慮しながら、中核事業である設備工事業においては、地域毎の市場動向を踏まえ、営業スタッフや施工要員の柔軟かつ機動的な配置を推し進めた。また、綿密な工程管理に基づく手持ち工事の着実な進捗やコストマネジメント機能の強化による原価低減に注力した結果、想定した業績目標と同程度の水準を確保したものの、経営環境悪化の影響により、売上高及び利益いずれも前連結会計年度を下回った。

売上高は、当社及び連結子会社で減少したことにより、前連結会計年度に比べ600億9千8百万円減少し、5,560億4千5百万円となった。連結決算と個別決算の差額は697億1千7百万円であり、連単倍率は1.14倍である。セグメントでは、設備工事業が5,449億6千8百万円、その他の事業が110億7千7百万円となり、設備工事業が売上高の98.0%を占め、また東京電力グループからの売上高は1,836億2千万円となった。

利益は、主に当社で減少したことにより、営業利益が46億5千2百万円減少し、300億4千1百万円となった。セグメントでは、設備工事業が280億2千5百万円、その他の事業が19億6千4百万円となった。また、経常利益が45億2千1百万円減少し310億4千3百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は23億6千8百万円減少し201億4千7百万円となった。連単倍率は、営業利益1.22倍、経常利益1.20倍、親会社株主に帰属する当期純利益1.15倍である。

なお、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の110.23円から98.64円となり、自己資本利益率(ROE)は、前連結会計年度の9.27%から7.78%となった。

また、当連結会計年度の連結業績見通しに対する達成状況は、以下のとおりである。

業績見通し         実績         達成率

完成工事高                          560,000百万円    556,045百万円     99.3%

営業利益                             30,000百万円     30,041百万円    100.1%

経常利益                             30,600百万円     31,043百万円    101.4%

親会社株主に帰属する当期純利益       19,200百万円     20,147百万円    104.9%

 

③経営成績等に重要な影響を与える要因

当社グループを取り巻く経営環境は、「1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであり、また、「2  事業等のリスク」及び「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  (重要な会計上の見積り)に記載している各要因が、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している。

 

 

④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要  ②キャッシュ・フローの状況」に記載している。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、設備工事業における材料費・外注費等の工事費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要は、事業継続及び機能維持、生産性向上、事業領域拡大等に資する設備投資である。

当社グループは、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針としている。

運転資金及び設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入により資金調達を行っている。短期借入金は主に運転資金に係る資金調達であり、長期借入金は主に設備投資に係る資金調達である。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は571億8千7百万円であり、複数の金融機関に未使用の借入枠を有している。

 

⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。当社グループの連結財務諸表における重要な会計上の見積りは、詳細を「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。当該見積りは、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づく合理的な仮定を用いて、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合がある。なお、会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えられる項目は以下のとおりであり、当該見積りの詳細を「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  (重要な会計上の見積り)」に記載している。

 

・工事進行基準による完成工事高の計上

工事の進行途上において、その進捗部分について成果の確実性が認められる場合は、工事進行基準を適用し、完成工事高及び完成工事原価を計上している。工事の進捗率の見積りは原価比例法によっており、当該見積りに用いた仮定は、工事収益総額と工事原価総額を合理的に見積もった実行予算である。

 

・工事損失引当金

受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末手持工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、そ
の金額を合理的に見積もることができる工事について、損失見込額を工事損失引当金として計上している。当該見積りに用いた仮定は、工事契約等ごとに合理的に見積もった実行予算である。

 

(新型コロナウイルス感染症に関する会計上の見積りについて)

新型コロナウイルス感染症拡大は資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える可能性があるが、合理的と考えられる仮定に基づき見積りを行った結果、会計上の当該見積りの財政状態及び経営成績に対する影響の重要性は乏しい。なお、当該見積りの詳細を「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  (追加情報)」に記載している。

 

⑥新型コロナウイルス感染症への当社グループの対応について

当社グループ新型コロナウイルス感染症への対応については、2  事業等のリスク  (10)新型ウイルス疾病によるパンデミック」に記載のとおりである。

また、経営成績等の状況の先行きについては、新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明な中で、企業の設備投資マインドは慎重にならざるを得ず、電力設備投資も引き続き抑制基調で推移するものと想定されることから、当社グループを取り巻く事業環境は依然として厳しい状況が続くものと予想されるが、過去の実績や現況などの入手可能な情報に基づいて今後の見通しを策定している。その内容は、「1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりである。

4【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はない。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループは、現場が抱える課題やお客様からのニーズに対応することを目的として、「安心・安全、災害への対応に資する技術開発」、「業務効率の向上に資する技術開発」及び「事業領域拡大を支える技術開発」に重点的に取り組んでいる。当連結会計年度は、「オープンイノベーションによる技術開発と利益創出力の強化」を念頭におき研究開発活動を行った。特に、災害への対応に資する技術開発として、設備のレジリエント化に関する研究、業務効率の向上に資する技術開発として、ITを活用した現場支援システムの開発、事業領域拡大を支えるVPP(Virtual Power Plant、仮想発電所)の事業化に向けた技術開発などを積極的に推進するとともに、産官学及びグループ会社との連携による技術開発の強化に取り組んだ。

当連結会計年度における研究開発費は、1,522百万円であり、主な研究開発成果は、以下のとおりである。なお、研究開発費をセグメントごとに区分していない。

 

(設備工事業)

過電圧低減接地システム」の開発

接地工事の施工において、目的とする接地抵抗値を得るためには、ある一定程度の敷地を必要としており、都内等限られた敷地の中で接地工事を行うためには工夫と手間を要していた。そこで、省スペースで施工可能であり、低い接地抵抗が得やすくかつ接地抵抗が調整できることに加え、落雷時の過電圧を抑制することができる過電圧低減接地システム「DRAM-Kan (Direct Resistance Adjust Material of KANDNENKO)」を開発した。今後、本システムを活用し、お客様設備のレジリエント化へのニーズに応え災害への対応力向上を図るとともに、受注拡大を目指す。

 

停電復電シミュレーションシステム」の開発

電気設備の定期点検や改修工事における停電復電作業では、操作手順書や通電範囲などの資料作成における業務繁忙が課題となっている。そこで、CADで作成された単線路線図などの系統図からシンボルや電力線を認識させシミュレーション図を自動作成し、遮断器の投入開放操作をPC上で再現すると同時に自動記録を行って操作手順書や状態遷移図を作成することができるシステムを開発した。今後、本システムを活用し、現場実装へ向けた実証試験を進め、更なる業務効率の向上を図っていく。併せて、若手社員研修などにも活用し、若手社員の技術の向上を目指す。

 

360°カメラによる「遠隔監視システム」の開発

モバイル5G市場の加速により移動体工事が小口化・短期化・多量化・広域化する一方、アンテナ設置工事の特性上高所エリアでの危険性は変わらず、安全・施工品質を確保するため、効率的な現場巡視が課題となっている。そこで、可搬型の360°カメラに着目し、撮影した画像を遠隔で確認することで現場環境や作業進捗状況の把握など現場を俯瞰することができるシステムを開発した。データ送信時は、外部からのアクセスができない安全な閉域網の無線を利用し、情報漏洩を避けることができる他、可搬型であり遠隔でサポートできることから、現場の負担も軽減することができる。今後、本システムを活用し、業務効率の向上及び現場作業の安全性向上を図っていく。

 

(その他の事業)

VPP構築実証事業への参画

電力需給調整市場では、需要家側の小規模なエネルギーリソースを、IoTの技術により束ね(アグリゲーション)、遠隔・統合制御することで電力の需給バランスの調整に活用する仕組みの構築が進められている。当社は、東京電力グループの一員として経済産業省の補助事業であるVPP構築実証事業にリソースアグリゲータとして参画しており、エネルギーリソースとしてLPガスエンジン発電機(3kVA×10台)を導入し、通信システムを構築した。今後、本システムの実証試験を進め、事業領域拡大を目指す。