第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1)経営の基本方針

株主の皆様、お客様及び地域社会との共存を目指すことが当社存立の意義であるとの考えから、「人間第一」を社是とし、

①人間尊重のもと、企業の社会的責任を遂行し、豊かな人間環境づくりに貢献します。

②お客様のニーズを先取りし、技術革新を図り、最高のサービスと設備を提供します。

③絶えざる自己革新によって、株主の皆様のご期待に応える未来指向型の企業を目指します。

を経営理念として掲げております。

 

(2)経営戦略等

2021年度からスタートした3ヵ年の中期経営計画では、脱炭素や防災・BCPなどの社会課題の解決に貢献すべく、『かわる。そこから未来をつくる』をコンセプトに、以下の施策に取り組んでまいります。

①重点方針

社会やお客様から信頼される企業であり続けるため、ESG経営を推進し、中長期的な企業価値の向上を目指すべく、以下の重点方針に取り組んでまいります。

重点方針1 生産性革新

業務プロセス改革と施工技術革新

重点方針2 総合力発揮による収益基盤の再構築

提案力・利益創出力・施工力の強化と成長分野への営業展開強化

重点方針3 将来の成長基盤強化

脱炭素・防災・BCP分野におけるプレゼンス確立とグローバル展開の加速

重点方針4 健全な経営活動の推進

安全・品質・コンプライアンス意識の定着化と経営の透明性確保

重点方針5 0102010_001.jpg(ひといち)力の向上

多様な人材が能力を発揮できる制度づくりと未来をつくる人材育成

 

②数値目標(2023年度)

(連結業績)

 

 

(環境)

 

売上高

5,800億円

 

エネルギー消費量(2009年度比)

△30%

営業利益

360億円

 

消費電力再エネ率

15%以上

ROE

8%以上

 

※自家消費

 

ROIC

8%以上

 

 

 

配当性向

30%以上

 

 

 

 

 

(3)経営成績

①当期の経営成績

当期のわが国経済は、企業業績に持ち直しの動きが見られたものの、世界的な需要増大によりエネルギー価格が高騰するとともに、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い個人消費が伸び悩むなど、総じて景気回復感に乏しい状況で終始いたしました。

このような情勢下にあって、電力設備投資は抑制措置が継続されましたが、民間建設投資につきましては、生産拠点の国内回帰に向けた工場建設や更新期を迎えたオフィス・商業施設の建替え需要などに支えられ底堅く推移いたしました。

このため当社グループは、本年度からスタートした中期経営計画に基づき、データセンターや半導体分野などの成長市場に対する営業活動を積極的に展開するとともに、これまで培ってきたエンジニアリング力を活かしたリニューアル提案の更なる多様化に注力いたしました。また、現場サポート体制の充実やデジタル技術の活用促進による生産性の向上にも努めました。

この結果、当期の業績は、下記のとおりとなりました。

(連結業績)

 

 

完成工事高

495,567百万円

(前期比    -%)

営業利益

30,643百万円

(前期比 102.0%)

経常利益

31,754百万円

(前期比 102.3%)

親会社株主に帰属する

当期純利益

20,315百万円

(前期比 100.8%)

 

(個別業績)

 

 

新規受注高

466,837百万円

(前期比    -%)

完成工事高

429,021百万円

(前期比    -%)

営業利益

25,416百万円

(前期比 102.8%)

経常利益

26,742百万円

(前期比 103.2%)

当期純利益

17,935百万円

(前期比 102.3%)

なお、当社グループは2022年3月期より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しているため、当期の業績は当該基準適用後の金額となっております。また、当該基準の適用により、新規受注高及び完成工事高に影響が生じるため、前期比は記載しておりません。当該基準を適用した場合、新規受注高及び完成工事高が減少することとなりますが、利益面に対する影響はありません。

 

②今後の見通し

ロシアによるウクライナ侵攻の影響もあって資源価格の更なる高騰や資機材供給への影響が懸念されるものの、国内建設投資につきましては、企業の生産能力強化を目的とした設備投資マインドの活性化や、コロナ禍で延期・凍結されていた計画案件の再開などが期待されます。また、抑制基調で推移していた電力設備投資につきましても、高度成長期に構築された送配電網の設備更新が段階的に実施されていくものと予想しております。

このような情勢を踏まえ、次期の業績予想につきましては、

(連結業績)

 

 

完成工事高

542,000百万円

(当期比 109.4%)

営業利益

32,000百万円

(当期比 104.4%)

経常利益

32,800百万円

(当期比 103.3%)

親会社株主に帰属する

当期純利益

20,800百万円

(当期比 102.4%)

 

(個別業績)

 

 

新規受注高

496,000百万円

(当期比 106.2%)

完成工事高

473,000百万円

(当期比 110.3%)

営業利益

26,500百万円

(当期比 104.3%)

経常利益

27,500百万円

(当期比 102.8%)

当期純利益

18,000百万円

(当期比 100.4%)

を見込んでおります。

 

(4)対処すべき課題

今後の見通しについて申し上げますと、ロシアによるウクライナ侵攻の影響もあって資源価格の更なる高騰や資機材供給への影響が懸念されるものの、国内建設投資につきましては、企業の生産能力強化を目的とした設備投資マインドの活性化や、コロナ禍で延期・凍結されていた計画案件の再開などが期待されます。また、抑制基調で推移していた電力設備投資につきましても、高度成長期に構築された送配電網の設備更新が段階的に実施されていくものと予想しております。

このような状況にあって当社グループは、2022年度を中期経営計画の達成に向けた「要の年」と位置付け、以下の重点経営施策にグループ一丸となってまい進してまいります。

まず始めに、建設市場のトレンド分析に基づく戦略的な受注活動を可能とする営業情報量の拡充に注力するとともに、従来の設計・施工・保守・メンテナンスに加え、エネルギーマネジメントや監視・制御まで含めた建築設備のライフサイクル全体に係るワンストップソリューションの実現を目指してまいります。併せて、現場を支えるバックオフィス機能の充実や、サプライチェーンの多様化による安定的かつ機動的な資材調達・施工力確保に努めるなど、受注の拡大と利益の創出に全力を傾注してまいります。

次に、2024年度から適用される時間外労働の上限規制を見据え、プレハブ化・ユニット化工法などの導入による施工の効率化やIoT・AIを活用した現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推し進め、生産性革新による働き方・休み方改革を実行してまいります。

加えて、建築設備・社会インフラ両部門が保有する技術・ノウハウの結集により総合設備企業としてのシナジーを創出し、脱炭素や防災・BCPなど中長期的な需要が見込まれる分野におけるプレゼンスの確立を図るなど、将来を見据えた成長基盤の強化を目指してまいります。

更には、若年層社員の早期戦力化に繋がる研修プログラムを拡充するとともに、豊富な経験と高い技術・技能を保有するベテラン社員が活躍し続けることのできる人事・評価制度を構築してまいります。併せて、多角的な視点や考え方を事業活動に取り入れていくため、女性や海外人材の積極登用などダイバーシティの推進に注力してまいります。

また、安全・品質の確保とコンプライアンスの徹底が経営の根幹であり、社会やお客様からの信頼獲得に必要不可欠であるとの認識の下、グループを挙げて安全管理体制の強化と施工品質の向上に取り組んでまいります。同時に、再生可能エネルギーの利用や電動化車両の導入を促進することにより環境負荷の更なる低減を図り、健全な経営活動を実践してまいります。

今後とも当社グループは、エネルギー・環境分野において新たな価値を創造して循環型社会の実現に貢献する「グリーンイノベーション企業」を目指すとともに、事業環境の変化に柔軟かつ迅速に適応できる企業体質の確立に全力を傾注してまいります。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存である。

また、これらのリスクに対する管理体制を「第4  提出会社の状況  4  コーポレート・ガバナンスの状況等  (1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載している。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)事業環境の変化

想定を上回る建設関連投資及び電力設備投資の減少等、事業環境に著しい変化が生じた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。なお、当社グループの売上高のうち、東京電力グループの割合は約3割である。

このリスクの対応については、「1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載している。

 

(2)資材費・労務費の価格変動

資材費・労務費の価格が著しく上昇し、これを請負代金に反映できない場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、工事請負契約への反映を協議するとともに、サプライチェーンの多様化等による原価低減に取り組んでいる。

 

(3)工事施工等のリスク

工事施工に関し、品質上重大な不具合や事故が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、設備事故に対する要因分析と対策、過去の事故事例を活用した教育等の実施により、施工品質の確保を図っている。

 

(4)取引先の信用リスク

建設業においては、一取引における請負代金が大きく、また多くの場合には、工事目的物の引渡時に多額の工事代金が支払われる条件で契約が締結される。工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、取引先に対する信用状況確認の徹底により、不良債権の発生防止に努めている。

 

(5)資産保有リスク

営業活動上の必要性から、不動産・有価証券等の資産を保有しているため、保有資産の時価が著しく下落した場合等、または事業用不動産の収益性が著しく低下した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、事業用不動産は、減損リスク等の把握により管理している。投資有価証券のうち政策保有株式は、保有意義や資産効率等を取締役会等で毎年検証し、保有意義が低下した株式は原則として売却している。

 

(6)退職給付債務

年金資産の時価の下落、運用利回り及び割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、年金資産運用の基本方針を定め、定期的に運用資産の評価を行っている。

 

(7)法的規制

建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等による法的規制を受けており、法的規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合、または法的規制による行政処分等を受けた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、各業務執行部門及び法務部門において法的規制の改廃や新設等の動向を常に把握し、対応及び遵守状況を確認することにより、法的規制の遵守に努めている。

 

(8)情報流出のリスク

サイバー攻撃による情報の窃取や、システムデータの改ざん・喪失等の発生により、多額の損害賠償が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、社内規程を整備し、情報システムのセキュリティ強化や従業員への教育を行っている。

 

(9)非常災害のリスク

大規模地震や台風等の自然災害の発生に伴い、事業活動の中断や遅滞が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、社内規程を整備し、従業員への周知や事業所停電対策の実施、非常用備蓄品の備蓄推進等の対策を講じている。

 

(10)新型ウイルス疾病によるパンデミック

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、社員の健康低下、資材調達の遅延、工事施工力の低下、工事代金回収の遅延などが発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

このリスクに対応するため、新型コロナウイルス対策本部を設置し、勤労形態の整備や職域接種によるワクチン接種機会の確保、資材納期への影響と見通しの把握、取引先の信用状況確認の徹底等の対策を講じている。

 

(11)気候変動リスク

気候変動による物理的リスクとしては、夏季の平均気温上昇に伴う建設現場の健康リスク(熱中症や感染症等)の増大や、自然災害の激甚化・頻発化に伴う拠点や従業員、協力会社の被災による生産能力の低下、資材調達先の被災に伴う供給停止及び資材高騰による収益性低下等により、当社の業績等に影響を及ぼす可能性がある。

脱炭素社会への移行リスクとしては、炭素税導入等に伴うコスト増加や、気候変動対策に向けた顧客や社会の要請への当社グループの対応遅れによる受注機会の逸失等により、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

これらのリスクに対応するため、経営企画部をはじめとする主管部門から構成される「ESG推進委員会」を設置し、気候変動への対応を含む環境問題全体に係る重要な方針や施策を立案し、重要な方針については、常務会、取締役会において審議・検討している。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりである。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号  2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、詳細は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  (会計方針の変更)」に記載している。これに伴い、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して減少しているが、損益に与える影響はない。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、企業業績に持ち直しの動きが見られたものの、世界的な需要増大によりエネルギー価格が高騰するとともに、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い個人消費が伸び悩むなど、総じて景気回復感に乏しい状況で終始した。

このような情勢下にあって、電力設備投資は抑制措置が継続されたが、民間建設投資については、生産拠点の国内回帰に向けた工場建設や更新期を迎えたオフィス・商業施設の建替え需要などに支えられ底堅く推移した。

このため当社グループは、2021年度からスタートした中期経営計画に基づき、データセンターや半導体分野などの成長市場に対する営業活動を積極的に展開するとともに、これまで培ってきたエンジニアリング力を活かしたリニューアル提案の更なる多様化に注力した。また、現場サポート体制の充実やデジタル技術の活用促進による生産性の向上にも努めた。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなった。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ139億6千7百万円増加し、4,709億6千7百万円となった。

 

(資産の部)

流動資産は、主に現金預金が91億3千6百万円増加したことから、流動資産合計で前連結会計年度末に比べ96億2千4百万円増加した。

固定資産は、有形固定資産が13億2千9百万円、投資有価証券が12億9千9百万円増加したことなどから、固定資産合計で前連結会計年度末に比べ43億4千3百万円増加した。

 

(負債の部)

負債の部は、主に流動負債の支払手形・工事未払金等が85億9千万円減少したことから、負債合計で前連結会計年度末に比べ8千7百万円減少し、1,774億5千2百万円となった。

 

(純資産の部)

純資産の部は、主に利益剰余金が146億2千5百万円増加したことから、純資産合計で前連結会計年度末に比べ140億5千4百万円増加し、2,935億1千4百万円となった。

 

b.経営成績

当連結会計年度の業績は、売上高4,955億6千7百万円(前連結会計年度比604億7千8百万円減)、経常利益317億5千4百万円(前連結会計年度比7億1千万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益203億1千5百万円(前連結会計年度比1億6千7百万円増)となった。

なお、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用した結果、売上高が444億6千4百万円減少したが、損益に与える影響はない。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりである。

(設備工事業)

当社グループの主たる事業である設備工事業の業績は、新規受注高5,298億7千8百万円(前連結会計年度比290億5千4百万円減)、完成工事高4,863億7千8百万円(前連結会計年度比585億8千9百万円減)、営業利益291億2千万円(前連結会計年度比10億9千5百万円増)となった。

なお、収益認識会計基準等を適用した結果、完成工事高が428億8千1百万円減少したが、損益に与える影響はない。

 

(その他の事業)

その他の事業の業績は、売上高91億8千8百万円(前連結会計年度比18億8千8百万円減)、営業利益15億4千2百万円(前連結会計年度比4億2千1百万円減)となった。

なお、収益認識会計基準等を適用した結果、売上高が15億8千3百万円減少したが、損益に与える影響はない。

 

当社グループの売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりである。

前連結会計年度

 

 

東京電力グループ

183,620百万円

33.0%

 

当連結会計年度

 

 

東京電力グループ

131,840百万円

26.6%

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により資金が増加したことから、投資活動及び財務活動による資金の減少があったものの、前連結会計年度末から102億3千6百万円増加し、674億2千3百万円となった。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、営業活動によって271億5千万円の資金が増加した(前連結会計年度比142億7千6百万円増)。これは、税金等調整前当期純利益309億7千8百万円、売上債権の減少額65億4千6百万円などの資金増加要因が、仕入債務の減少額85億9千1百万円、法人税等の支払額82億1千4百万円などの資金減少要因を上回ったことによるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、投資活動によって92億2千4百万円の資金が減少した(前連結会計年度比82億5千2百万円減)。これは、有形固定資産の取得に72億4千1百万円、投資有価証券の取得に19億5千8百万円を支出したことなどによるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度では、財務活動によって77億8千9百万円の資金が減少した(前連結会計年度比185億2千8百万円増)。これは主に、配当金の支払に57億1千9百万円を支出したことなどによるものである。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループが営んでいる事業においては、生産実績について定義することが困難であるため、「生産の実績」は記載していない。

事業の大部分を占めている設備工事業においては、請負形態をとっているため、販売実績という定義が実態にそぐわないことや、設備工事業以外の事業では受注生産形態をとっていないことから、「受注及び販売の実績」については「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントごとの業績に関連付けて記載している。

なお、当社グループにおける受注及び販売の実績の大部分を提出会社が占めているため、提出会社個別の実績を参考のため記載すると、次のとおりである。

 

(提出会社の受注工事高及び完成工事高の実績)

a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

区分

前期繰越

工事高

 

(百万円)

当期受注

工事高

 

(百万円)

 

(百万円)

当期完成

工事高

 

(百万円)

次期繰越

工事高

 

(百万円)

前事業年度

 

(自  2020年

4月1日

至  2021年

3月31日)

屋内線・

環境設備工事

270,342

261,718

532,061

252,237

279,824

情報通信工事

15,646

42,879

58,525

39,691

18,834

配電線工事

29,790

138,132

167,922

145,775

22,147

工務関係工事

66,008

64,792

130,801

48,623

82,177

381,788

507,522

889,311

486,327

402,983

当事業年度

 

(自  2021年

4月1日

至  2022年

3月31日)

屋内線・

環境設備工事

279,824

267,648

547,472

238,296

309,176

情報通信工事

18,834

38,207

57,042

40,532

16,510

配電線工事

22,147

104,240

126,387

102,264

24,122

工務関係工事

82,177

56,740

138,917

47,928

90,989

402,983

466,837

869,820

429,021

440,799

(注)1  前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。

2  次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。

3  提出会社は設備工事業、不動産事業及び発電事業を営んでいるが、不動産事業及び発電事業については僅少であることから含めて記載している。

 

b.受注工事高

期別

区分

 

官公庁

 

(百万円)

民間

 

 

(百万円)

東京電力

グループ

(百万円)

その他

(百万円)

前事業年度

 

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

屋内線・環境設備工事

18,617

3,107

239,993

261,718

情報通信工事

8,857

4,128

29,893

42,879

配電線工事

121

126,577

11,433

138,132

工務関係工事

2,081

13,755

48,955

64,792

29,676

147,569

330,276

507,522

当事業年度

 

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

屋内線・環境設備工事

8,352

3,046

256,249

267,648

情報通信工事

3,760

3,043

31,404

38,207

配電線工事

393

95,453

8,393

104,240

工務関係工事

897

17,231

38,612

56,740

13,403

118,774

334,659

466,837

 

c.完成工事高

期別

区分

 

官公庁

 

(百万円)

民間

 

 

(百万円)

東京電力

グループ

(百万円)

その他

(百万円)

前事業年度

 

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

屋内線・環境設備工事

10,415

3,078

238,743

252,237

情報通信工事

5,843

4,347

29,500

39,691

配電線工事

204

137,346

8,224

145,775

工務関係工事

1,752

14,317

32,553

48,623

18,216

159,089

309,021

486,327

当事業年度

 

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

屋内線・環境設備工事

14,538

2,720

221,037

238,296

情報通信工事

6,369

3,057

31,105

40,532

配電線工事

227

92,870

9,166

102,264

工務関係工事

1,276

12,465

34,185

47,928

22,412

111,113

295,494

429,021

(注)1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

 

前事業年度

清水建設㈱

・みずほ丸の内タワー新築工事(電気設備工事)

鹿島建設㈱

・ところざわサクラタウン新築工事(電気設備工事)

大成建設㈱

・CO・MO・RE YOTSUYA(コモレ四谷)建設工事(電気設備工事)

㈱竹中工務店

・東京虎ノ門グローバルスクエア新築工事(電気設備工事)

福島送電㈱

・500kV都路変電所新設工事

 

当事業年度

東日本高速道路㈱

・常磐自動車道 いわき中央IC~浪江IC間道路交通情報設備工事

㈱竹中工務店

・大阪梅田ツインタワーズ・サウス建設工事(電気設備工事)

㈱大林組

・神戸三宮阪急ビル増築工事(電気設備工事)

戸田建設㈱

・TOKYOTORCH 常盤橋タワー新築工事(電気設備工事)

合同会社軽米尊坊ソーラー

・軽米尊坊ソーラー新設工事

 

2  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。

前事業年度

 

 

東京電力グループ

159,089百万円

32.7%

 

当事業年度

 

 

東京電力グループ

111,113百万円

25.9%

 

d.次期繰越工事高

2022年3月31日現在

 

区分

官公庁

 

(百万円)

民間

 

(百万円)

東京電力

グループ

(百万円)

その他

(百万円)

屋内線・環境設備工事

17,686

1,111

290,379

309,176

情報通信工事

2,768

69

13,671

16,510

配電線工事

166

16,847

7,109

24,122

工務関係工事

3,436

15,875

71,677

90,989

24,057

33,903

382,838

440,799

(注)  次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。

 

大成建設㈱

・千葉市新庁舎整備工事(電気設備工事)

㈱竹中工務店

・梅田3丁目計画(電気設備工事)

㈱大林組

・三田三・四丁目地区再開発事業 複合棟1新築工事(電気設備工事)

キオクシア㈱

・キオクシア株式会社 四日市工場 270棟第2期電気設備工事

合同会社道北風力

・道北風力発電事業 勇知ウインドファーム建設工事

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

 

①当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の概要については、「(1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している。

連結決算と個別決算の差額は、資産合計が675億6千1百万円であり、連単倍率は1.17倍である。セグメントでは、設備工事業の資産合計が前連結会計年度末に比べ132億2千8百万円増加し4,213億6千5百万円、その他の事業が16億4千9百万円増加し763億3千3百万円となり、設備工事業が84.7%を占めている。

なお、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,323.90円から1,389.96円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末の59.17%から60.30%となった。

 

②当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度は、2021年度からスタートした中期経営計画に基づき、データセンターや半導体分野などの成長市場に対する営業活動を積極的に展開するとともに、これまで培ってきたエンジニアリング力を活かしたリニューアル提案の更なる多様化に注力した。また、現場サポート体制の充実やデジタル技術の活用促進による生産性の向上にも努めた。この結果、当連結会計年度の業績は、売上高については、会計基準の変更などにより前連結会計年度を下回ることとなったが、利益面においては全社を挙げた原価低減方策を徹底したことから、前連結会計年度を上回る水準を確保することができた。

売上高は、当社及び連結子会社で減少したことにより、前連結会計年度に比べ604億7千8百万円減少し、4,955億6千7百万円となった。連結決算と個別決算の差額は665億4千5百万円であり、連単倍率は1.16倍である。セグメントでは、設備工事業が4,863億7千8百万円、その他の事業が91億8千8百万円となり、設備工事業が売上高の98.1%を占め、また東京電力グループからの売上高は1,318億4千万円となった。

利益は、当社で増加したことにより、営業利益が6億2百万円増加し、306億4千3百万円となった。セグメントでは、設備工事業が291億2千万円、その他の事業が15億4千2百万円となった。また、経常利益が7億1千万円増加し317億5千4百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1億6千7百万円増加し203億1千5百万円となった。連単倍率は、営業利益1.21倍、経常利益1.19倍、親会社株主に帰属する当期純利益1.13倍である。

なお、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の98.64円から99.45円となり、自己資本利益率(ROE)は、前連結会計年度の7.78%から7.33%となった。

また、当連結会計年度の連結業績見通しに対する達成状況は、以下のとおりである。

業績見通し         実績         達成率

完成工事高                          521,000百万円    495,567百万円     95.1%

営業利益                             30,300百万円     30,643百万円    101.1%

経常利益                             31,300百万円     31,754百万円    101.5%

親会社株主に帰属する当期純利益       20,400百万円     20,315百万円     99.6%

 

③経営成績等に重要な影響を与える要因

当社グループを取り巻く経営環境は、「1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであり、また、「2  事業等のリスク」及び「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  (重要な会計上の見積り)」に記載している各要因が、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している。

 

 

④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要  ②キャッシュ・フローの状況」に記載している。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、設備工事業における材料費・外注費等の工事費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要は、事業継続、施工力維持・強化、生産性・安全性向上並びに事業領域拡大等に資する設備投資である。

当社グループは、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針としている。

運転資金及び設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入により資金調達を行っている。短期借入金は主に運転資金に係る資金調達であり、長期借入金は主に設備投資に係る資金調達である。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は674億2千3百万円であり、複数の金融機関に未使用の借入枠を有している。

 

⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。当社グループの連結財務諸表における重要な会計上の見積りは、詳細を「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。当該見積りは、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づく合理的な仮定を用いて、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合がある。なお、会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えられる項目は以下のとおりであり、当該見積りの詳細を「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  (重要な会計上の見積り)」に記載している。

 

・一定の期間にわたり履行義務を充足するにつれて収益を認識する方法による完成工事高の計上

工事契約については、履行義務の充足に向けての進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり完成工事高を計上している。進捗度の見積りは発生したコストに基づいたインプット法によっており、当該見積りに用いた仮定は、工事収益総額と工事原価総額を合理的に見積もった実行予算である。

 

・工事損失引当金

受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末手持工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、そ
の金額を合理的に見積もることができる工事について、損失見込額を工事損失引当金として計上している。当該見積りに用いた仮定は、工事契約ごとに合理的に見積もった実行予算である。

 

(新型コロナウイルス感染症に関する会計上の見積りについて)

新型コロナウイルス感染症拡大は、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える可能性があるが、合理的と考えられる仮定に基づき見積りを行った結果、会計上の当該見積りの財政状態及び経営成績に対する影響の重要性は乏しい。なお、当該見積りの詳細を「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  (追加情報)」に記載している。

 

⑥新型コロナウイルス感染症への当社グループの対応について

当社グループの新型コロナウイルス感染症への対応については、「2  事業等のリスク  (10)新型ウイルス疾病によるパンデミック」に記載のとおりである。

また、経営成績等の状況の先行きについては、コロナ禍で延期・凍結されていた計画案件の再開などが期待されるものの、依然として新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明な中で、過去の実績や現況などの入手可能な情報に基づいて今後の見通しを策定している。その内容は、「1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりである。

4【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はない。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループは、現場が抱える課題やお客様からのニーズに対応することを目的として、「デジタル・ロボット化推進に資する技術開発」、「防災・BCPに関する技術開発」及び「脱炭素社会へ向けた技術開発」に重点的に取り組んでいる。当連結会計年度は、「現場の稼ぐ力を創る技術開発」を念頭におき研究開発活動を行った。特に、ロボット化に資する技術開発として、資機材の運搬作業を支援するロボットの開発、脱炭素社会へ向けた技術開発として、エネルギー需要予測ソフトの開発などを積極的に推進するとともに、産官学及びグループ会社との連携による技術開発の強化に取り組んだ。

当連結会計年度における研究開発費は、1,663百万円であり、主な研究開発成果は、以下のとおりである。なお、研究開発費をセグメントごとに区分していない。

 

(設備工事業)

「接近センサ」の開発

従来の活線警報装置は、装置本体が充電部に近接しなければ電圧を検知しないため、背中や足など装置を〝装着していない〟〝装着できない〟部位は感電保護の「死角」となり、感電事故防止対策として不十分な場合があった。そこで、人が充電部に接近した時に生じる人体の電位上昇を検知し、人体全身の高圧充電部への接近を警告することができる、ヘルメット装着型の活線警報装置「接近センサ」を開発した。今後、本活線警報装置を活用し、現場作業の安全性向上を図っていく。

 

「電設資機材運搬ロボット」の開発

建設業界全体の人手不足・高齢化に伴い、電設資材の運搬作業における作業員の身体的負荷の軽減が課題となっている。そこで、自動追従機能や無人搬送機能、段差検知・自動停止機能などを搭載した電設資機材運搬ロボットを開発した。今後、本ロボットの機能の更なる拡充や運用方法の検討を進め、ロボット化推進による現場作業の省力化と安全性向上を図っていく。

 

エネルギーマネジメントシステム用「エネルギー需要予測ソフト」の開発

エネルギーマネジメントにおいて需要予測の正確性と即時性が求められるが、従来の一般的な手法では誤差が大きいことや、予測の回答までの時間が長いことが課題となっている。そこで、過去のエネルギー使用量蓄積データより当日の需要予測に有用なデータを抽出し、省エネ効果の負荷予測及びエネルギー需要予測を行うソフトを開発した。今後、本ソフトを活用し、エネルギーマネジメントの最適化を通じて脱炭素社会の実現を図っていく。

 

無電柱化対策技術「小口径カーブ配管装置」の改良

小口径カーブ配管装置は、道路上の基幹電力管路から需要家へ分岐回路を敷設する際に非開削で施工することができる装置であるが、本装置の推進管を地中に押込む際に、短距離で急激に立ち上げる施工方法の確立が課題であった。そこで、推進装置を上向き角度で据え付けることができる推進架台の開発を行った。今後は、複数の配管を同時に敷設するための研究を進め、更に需要拡大が期待される無電柱化施工の受注拡大を目指す。

 

(その他の事業)

当連結会計年度においては、該当事項なし。