第2【事業の状況】

 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は建設事業を通じて、より暮らしやすい生活環境づくり、豊かな社会づくりに貢献することを目指しています。また、当社の事業領域は日本国内にとどまらず、中南米・東南アジアそしてアフリカへと活躍のエリアを世界に広げています。

 企業を取り巻く環境は急速にグローバル化、多様化が進み、厳しい競争と淘汰による変革の時を迎えています。このため、当社では、長期的視野に立って、「社会資本の維持・更新」、「防災・減災」、「エネルギー・環境」、「医療」、「PPP・PFI」等の分野に注力して参ります。また、建設ICT(情報化施工)やAI(人工知能)を積極的に活用し、「省力化・労働生産性向上」に努めるとともに、女性をはじめとした多様な人材が活躍できる企業として、建設業を取り巻く環境の変化に対応して参ります。

(2)経営戦略等

 当社は現在、第75期(2020年3月期)、第76期(2021年3月期)、第77期(2022年3月期)の3か年を対象とした中期経営計画を策定しています。

 中期経営計画の概要

 この計画において当社のあるべき姿を3つのキーワードで説明しています。

  ファーストコールカンパニー

    「お客様が真っ先に思い描く会社」、

  リーディングカンパニー

    「チャレンジ精神をもって中部地区を引っ張っていく会社」、

  ゴーイングコンサーン

    「環境の変化に対応して柔軟に変化する永続企業」、

 以上が、私たちの目指す将来像です。私たちは短期的な業績目標をマイルストーンとしつつも、中長期的に設定された「あるべき姿」に向かい、一歩ずつ着実に歩んでいくことを目指す戦略をとっております。

 2021年3月期の業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、合理的に見積もることは困難であることから未定としております。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社では単に売上高の拡大等の企業規模に目標を置いていません。建設工事の品質・コスト・工期管理に重点を置いた高付加価値企業を目指しています。このため、目標の達成状況を判断するための指標は、総資本経常利益率、売上高経常利益率を重視しています。

(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループを取り巻く経営環境は、民間設備投資の市場と公共工事などによる公共投資の市場に大きな影響を受けます。この両市場は補完的な関係にあり、国内景気が低迷している時には、景気回復策として公共投資が活発化し、逆に民間設備投資が過熱化している際には、公共投資市場は沈静化していきます。民間設備投資の市場は建築セグメントの業績に、公共投資の市場は土木セグメントの業績に大きな影響を及ぼします。

 近年の動向としましては、国内景気動向が緩やかな回復基調にあったことから、両市場とも安定的に推移しています。

 また、不動産セグメントは、人口減少社会が到来している日本にあっては、人口動態の変化に注目した立地の重要性が増しています。特に名古屋駅前や栄地区での大規模都市開発が活性化しており、当該地区に基盤を置く当社にとっては、オフィスビルの仲介事業等に関してよい環境になっています。

 一方で、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、終息の目途が見通せない中、景気後退は避けられない状況となっております。わが国経済においても、企業業績へ甚大な影響があり、先行きの不透明な状況が続くものと見込まれます。当社グループを取り巻く経営環境も大変厳しく、予断を許さない状況にあり、新型コロナウイルス禍の及ぼす影響を注視していく必要があります。

 当社では、政府の緊急事態宣言と同時に社内にコロナウイルス危機対策本部を立ち上げ、三密を回避した柔軟な出勤・勤務体制や、マスク、消毒液、非接触型体温計の備え置き、感染者や濃厚接触者が発生した際の対応マニュアルの整備等を実施しました。

 その結果、新型コロナウイルス禍の環境下において、現場を含めた事業活動を継続することができていますが、お客様のご要望等に配慮しているため、営業活動は制約されています。

 こうした状況の中でも、当社グループはお客様の更なる信頼と満足に応える企業を目指し、技術・品質・価格の総合的な競争力の向上に努め、受注と利益の確保に取り組んでまいります。

 当社グループが新型コロナウイルス禍の環境下においても事業を維持継続させていくためには、当社グループの社員、協力会社並びに協力会社の現場作業員が健在であることが必要です。このため、新型コロナウイルス感染により休業を余儀なくされた、社員、協力会社、協力会社の現場作業員が発生した場合に、これらの対象者を支援するための財務的な備えが、当面の対処すべき重要な課題と認識しています。そこで当社は、三菱UFJ銀行との間で2,000百万円のコミットメントラインを設定いたしました。

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項は、以下のとおりであります。

 当社グループにおいては、これらのリスクの発生可能性を十分認識した上で、リスク発生の回避ならびに影響額の軽減に努めております。

 なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)建設市場の変化によるリスク

 主要な事業である建設事業において、公共工事の予算規模縮小により予想以上に公共投資の削減が行われた場合並びに国内景気の変化に伴う民間住宅建設工事の減少や設備投資計画が縮小した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは公共工事と民間工事の両者を事業領域としており、国内景気が低迷しているときには公共工事を、民需が活発な時には民間工事の受注に注力する戦略をとっております。

(2)建設資材価格及び労務単価によるリスク

 鋼材や石油関連製品等の建設資材価格や労務費が高騰した際、これを請負価格に転嫁できなかった場合、受注時点での予想利益の確保が困難になり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これらの対策として、複数現場を合計した大量購買や購買時期を前倒しした先行購買に取り組んでおります。

(3)法的規制によるリスク

 建設業界は建設業法、建築基準法等による各種の法的な規制を受けており、これらの法律の改定、新設、適用基準の変更等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として、関係法令の改正情報を早期に入手し、外部セミナー等に積極的に参加することで当社への影響を検討し、対策を立てることにより法令順守の徹底を図っております。

(4)取引先の信用によるリスク

 発注者、協力業者、共同施工業者が信用不安等に陥った場合、工事代金の回収不能や遅延、工期の延長、追加原価の発生など、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として、新規顧客、継続顧客を問わず、新たに工事請負契約を締結する前に、都度信用情報を入手し、財政状態の健全性を確認しております。

(5)自然災害によるリスク

 建設工事の施工は、自然環境並びに地震や風水害等により工事の進捗に影響を受ける可能性があり、その程度によっては工事量の増加を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として、減災対応の強化や社員の災害対応能力向上のために初動対応訓練を実施することで自然災害リスクの軽減を図るように努めています。また、大規模自然災害や感染症等の発生を想定した対策本部の設置と事業活動復旧訓練による全社BCP(事業継続計画)の強化を図っています。

(6)労働災害によるリスク

 建設工事を無事故で安全に行っていくことが建設事業の使命でありますが、万が一事故が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは「安全第一」を念頭に、安全環境部を中心にした安全パトロール等の安全活動に注力しています。

(7)保有資産によるリスク

 当社グループは営業活動上の必要から、不動産、有価証券等の資産を保有しているため、時価の変動により業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)金融によるリスク

 金利水準に大幅な上昇が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)海外事業に関するリスク

 海外事業では、為替の変動リスク、各国の政治経済情勢等カントリーリスクが潜在しており、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの売上高に占める海外事業の割合は10%未満であり、為替の変動リスクに対して為替予約によるリスクヘッジを行っているため、当該リスクの経営成績への影響は軽微であります。

 また、当社グループとしては、現地での法律・規制・租税制度に関する動向は海外拠点スタッフの情報網に加え、外部コンサルタント等を積極的に活用することで適宜適切に入手し、対応するように努めております。

(10)工事目的物の欠陥に関するリスク

 当社グループでは、ISO活動などを通じ万全の品質管理に取り組んでおりますが、万が一欠陥が発生した場合、瑕疵担保責任及び製造物責任により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として瑕疵工事1件ごとに、原因と対処方法、所用費用を詳細に記載した伺書を作成し、瑕疵の内容を分析することで、その後の工事品質の確保に万全を期しております。

(11)新型コロナウイルス感染症拡大によるリスク

 当社グループの社員、現場の作業員、協力会社の社員に新型コロナウイルスの感染者もしくは濃厚接触者が発生した場合には、業務が一部停滞するリスクがあります。

 対策として、現場、内勤含めて手洗い、アルコール消毒の実施や、三密を回避するための柔軟な勤務体制を実施しております。

 また、当社グループのお客様は、製造業、流通業、サービス業と多岐にわたり、活動領域も日本、東南アジア、中南米と各国に広がっています。これらのお客様が新型コロナウイルス感染症の拡大により事業に影響を受けた場合には、当社グループの受注が減少するリスクがあります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、天候不順や自然災害、消費税率の引上げ等があったものの、設備投資の増加や個人消費に持ち直しの動きが見られ、企業収益や雇用環境の改善が続き、総じて底堅く推移しました。

 建設業界におきましては、受注面の競争が激化し始めており、技術者の人手不足等、引き続き厳しい経営環境が続いています。

 また、年明け2月からの新型コロナウイルス感染症による影響から、世界各国で経済活動に混乱が生じており、急激な景気の落ち込みが懸念されています。

 こうした状況の中、当社グループは顧客の更なる信頼と満足に応える企業を目指し、技術・品質・価格の総合的な競争力の向上に努め、受注と利益の確保に取り組んでまいりました。この結果、当連結会計年度の業績は、受注高が 52,909百万円(前年同期比34.2%減)となり、売上高が57,098百万円(前年同期比2.5%増)となりました。利益につきましては、営業利益が 2,296百万円(前年同期比10.2%増)、経常利益が 2,268百万円(前年同期比8.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が 1,321百万円(前年同期比6.4%減)となりました。

 

 セグメントの業績は次の通りであります。

 なお、セグメント利益は連結損益計算書の売上総利益を基礎としております。

 

(建築事業)

 建築工事はPFI建築工事・集合住宅・医療福祉施設・工場等の生産施設等に注力し、売上高は36,135百万円、セグメント利益は3,377百万円となりました

(土木事業)

 土木工事は橋脚耐震改修等の防災関連工事や復興関連工事に注力し、売上高は19,473百万円、セグメント利益は1,863百万円となりました

(不動産事業)

 不動産事業における売上高は728百万円、セグメント利益は317百万円となりました

(その他の事業)

 資機材の販売・賃貸等、その他の事業における売上高は759百万円、セグメント利益は200百万円となりました

 

財政状態の状況

(資産)

 資産につきましては、主に受取手形・完成工事未収入金等の増加等により、前連結会計年度に比べ、2,424百万円増加し、43,552百万円となりました。

(負債)

 負債につきましては、主に支払手形・工事未払金等の増加等により、前連結会計年度に比べ

1,529百万円増加し、29,930百万円となりました。

(純資産)

 純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益1,321百万円を計上したこと等により、前連結会計年

度に比べ、895百万円増加し、13,621百万円となりました。

 

キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は8,562百万円となり、前連結会計年度末に比べ、471百万円減少しました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 税金等調整前当期純利益の計上2,146百万円、売上債権の増加1,894百万円、たな卸資産の増加784百万円等によ

り、営業活動によるキャッシュ・フローは、763百万円の減少となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 有形固定資産の取得による支出171百万円、貸付による支出122百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは、160百万円の減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 短期借入れによる収入19,951百万円、短期借入金の返済による支出19,538百万円及び長期借入れによる収入

2,150百万円、長期借入金の返済による支出1,676百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは443百万

円の増加となりました。

 

④受注及び売上の状況

a. 受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(百万円)

金額(百万円)

建築セグメント

43,725

33,584

(23.2%減)

土木セグメント

36,653

19,324

(47.3%減)

不動産セグメント

 

-

その他のセグメント

 

-

合計

80,378

52,909

(34.2%減)

 

b. 売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(百万円)

金額(百万円)

建築セグメント

38,893

36,135

(7.1%減)

土木セグメント

15,381

19,473

(26.6%増)

不動産セグメント

744

728

(2.1%減)

その他のセグメント

694

759

(9.3%増)

合計

55,715

57,098

(2.5%増)

(注)1 当社グループでは、建築セグメント及び土木セグメント以外は受注生産を行っておりません。

2 セグメント間の取引については相殺消去しております。

3 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

4 当連結会計年度において受注実績に著しい変動がありました。

これは、前連結会計年度の土木セグメントにおいて、長期大型工事を受注したことによるものであります。なお、当該工事はその工事内容につき、発注者との間で守秘保持契約書を締結しております。

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

 

c. 建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況

ⅰ 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

区分

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

 

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

建築工事

24,514

25,215

49,730

21,912

27,817

土木工事

9,540

30,474

40,015

9,487

30,527

34,055

55,690

89,745

31,400

58,345

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

建築工事

27,817

17,339

45,156

18,166

26,990

土木工事

30,527

13,578

44,106

12,921

31,184

58,345

30,917

89,263

31,088

58,174

(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更等により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にかかる増減額が含まれています。

2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

ⅱ 受注工事高の受注方法別比率

 工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

建築工事

14.9

85.1

100.0

土木工事

3.9

96.1

100.0

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

建築工事

35.9

64.1

100.0

土木工事

12.7

87.3

100.0

(注) 百分比は請負金額比であります。

ⅲ 完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

建築工事

3,682

18,230

21,912

土木工事

8,046

1,441

9,487

11,728

19,671

31,400

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

建築工事

3,288

14,878

18,166

土木工事

11,351

1,569

12,921

14,639

16,448

31,088

(注)1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度 請負金額5億円以上の主なもの

宝交通株式会社

ヴィ・クオレレジデンス栄二丁目新築工事

小田切企画合同会社

(仮称)武蔵小杉小田切マンション新築工事

中日本高速道路株式会社

新名神高速道路 新四日市JCT~亀山西JCT間管理施設新築工事

愛知日野自動車株式会社

(仮称)愛知日野自動車豊橋営業所建設工事

土岐市

愛知県企業庁

西部こども園建設工事(建築工事)

知立線耐震化3工区送水管布設工事(知立線)

 

当事業年度 請負金額5億円以上の主なもの

東洋建設株式会社

東洋製鉄株式会社(仮称)名古屋工場新築工事

株式会社芋銀

フルーツファクトリー江南新築工事

トヨタすまいるライフ株式会社

(仮称)Tステージ赤池Ⅲ新築工事

松阪市

松阪市北部学校給食センター整備事業建設工事

九州地方整備局

名古屋市上下水道局

熊本県警察学校(H30)武道場建築その他工事

ほのか雨水幹線下水道築造工事

 

 

2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

ⅳ 次期繰越工事高(2020年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

建築工事

9,525

17,465

26,990

土木工事

11,831

19,353

31,184

21,356

36,818

58,174

(注) 次期繰越工事のうち請負金額5億円以上の主なものは、次のとおりであります。

知多南部広域環境組合

ごみ処理施設建設請負工事

2023年3月完成予定

株式会社藤屋ホールディングス

中央コンサルタンツ新社屋工事

2022年2月完成予定

東京都港区

芝五丁目複合施設新築工事

2021年11月完成予定

愛知県建設部

愛知県営東浦住宅PFI方式整備事業

2023年3月完成予定

東京都財務局

下高井戸調節池工事

2023年12月完成予定

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。

 

財政状態の分析

 主に、受取手形・完成工事未収入金等が増加したことにより流動資産が増加し、支払手形・工事未払金等の増加による流動負債の増加はありましたが、流動比率は前連結会計年度に比べ6ポイント増加して138.3%となりました。短期の支払い能力が向上しております。

 親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより純資産は厚みを増し、固定比率は前連結会計年度に比べ9ポイント減少して81.5%となりました、資本の調達と運用の適合性は良化しています。また、自己資本比率は前連結会計年度とほぼ同水準の31.4%(前連結会計年度は31.2%)となり、財政状態の安全性は保たれています。

 

経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ1,383百万円増加し57,098百万円(前年同期比2.5%増)となりました。これは主に、一部の連結子会社の増加によるものであります。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高に占める割合は、建築セグメントが63.3%、土木セグメントが34.1%、不動産セグメントが1.3%、その他が1.3%となりました。

(売上総利益)

 当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ444百万円増加し、5,725百万円(前年同期比8.4%増)となりました。また、売上総利益率は工事利益率が改善し、前連結会計年度に比べ0.5ポイント増加し、10.0%となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度における販売費および一般管理費は、従業員給料手当の増加等により前連結会計年度に比べ232百万円増加し3,429百万円(前年同期比7.3%増)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ211百万円増加し、2,296百万円(前年同期比10.2%増)となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ20百万円減少し、138百万円(前年同期比13.1%減)となりました。また営業外費用は、前連結会計年度に比べ17百万円増加し、165百万円(前年同期比11.5%増)となりました。これは主に、為替レートの変動により、前年度の為替差益の計上57百万円が当連結会計年度では為替差損の計上45百万円となったことによるものであります。

 以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ174百万円増加し2,268百万円(前年同期比8.3%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ49百万円増加して68百万円(前年同期比255.0%増)となりました。これは主に、一部の連結子会社により固定資産売却益を計上したことによるものです。特別損失は前連結会計年度に比べ149百万円増加し、191百万円(前年同期比362.9%増)となりました。これは主に、親会社により土地の減損損失を計上したことによるものです。また、過年度法人税等を142百万円計上しております。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ90百万円減少し1,321百万円(前年同期比6.4%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、現金及び現金同等物の期首残高から471百万円減少し、期末残高は8,562百万円となっています。これは、営業活動によるキャッシュ・フロー△763百万円と投資活動によるキャッシュ・フロー△160百万円を財務活動によるキャッシュ・フロー443百万円で賄った結果によるものであります。

 営業活動によるキャッシュ・フロー減少の主な理由は、売上債権の増加1,894百万円であります。工事の大型化が進み、工事進行基準に基づく完成工事高の計上額に比べ、工事請負契約に基づく工事代金の入金期日の関係から、一時的に売上債権が増加していることによるものと判断しています。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては次の通りです。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、未成工事支出金及び完成工事原価の支出のほか、販売費および一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、投資有価証券の取得等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入及び社債の発行を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及び社債を含む有利子負債の残高は7,859百万円となっております。

 

③経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては次の通りです。

 当社では売上高の拡大等の企業規模に目標を置いていません。建設工事の品質・コスト・工期・安全・環境管理に重点を置いた高付加価値企業を目指しています。このため、目標の達成状況を判断するための指標は総資本経常利益率、売上高経常利益率を重視しています。

 

 

 

 

 

 

 

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

 

総資本

36,245百万円

41,127百万円

43,552百万円

 

売上高

47,712百万円

55,715百万円

57,098百万円

 

経常利益

861百万円

2,094百万円

2,268百万円

 

総資本経常利益率

2.4%

5.4%

5.4%

 

売上高経常利益率

1.8%

3.8%

4.0%

 

 総資本経常利益率は2018年3月期から2019年3月期にかけて大きく向上し、2020年3月期は安定的に推移しています。売上高経常利益率は順調に向上しています。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 4 会計方針に関する事項」に記載しておりますが、そのうち見積りの重要性が高いものは以下の通りであります。

 完成工事高および完成工事原価の計上基準

 完成工事高および完成工事原価の計上基準は、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を、その他の工事については工事完成基準を適用しておりますが、工事進行基準においては、工事原価総額の見積もりが完成工事高の計上額に影響を与えます。工事原価総額の見積りは実行予算によって行いますが、実行予算作成時には作成時点で入手可能な情報に基づいた施工条件によって工事原価総額を見積り、受注・着工後完成に至るまで随時工事原価総額の検討・見直しを行っております。また、完成工事高計上においては原価比例法を採用しており、実際の工事の進捗率と累計発生原価率との乖離が疑われる場合には、その要因を調査・検討することで計上額の妥当性を検証しております。このように、工事進行基準に基づく完成工事高計上の基礎となる工事原価総額の見積りは適時かつ適切に行っておりますが、将来の損益は見積金額と異なる場合があります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

 当社はこれまで、社会インフラ維持修繕、防災・減災、環境配慮等の分野で当社の強みを生かした独自の技術開発に取り組んでおります。これらの成果として、地下空洞充填工事を中心に多くの工事を受注し、確実に実績を積み上げています。なお、昨年度は次世代技術である「ICT(情報通信技術)」による業務の効率化・高度化に向けた取り組みを積極的に進めており、業務改善・強化に向け必要な設備を導入し体制を整えたところであります。

 当社は、社会基盤整備の要請や顧客の要望に応えるべく、これからも保有技術に磨きをかけ、ICTなどの新しい技術を導入し、社業の発展に寄与していく所存であります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は8百万円となっております。

 

(建築セグメントおよび土木セグメント)

(1)流動化処理(LSS)工法

 LSS工法は、建設発生土等のリサイクル、および重機や人で施工できない狭隘な空間の埋戻し・重点が同時に達成できる当社保有技術です。これまで都市部の土木・建築工事において信頼性の高い埋戻し・充填材料として実績を積み重ねております。2019年度は、国土交通省、岐阜県御嵩町発注の地下空洞充填工事を始め関連工事も含めて、約16.2億円を受注しました。また、昨年度は港湾関連施設の老朽化に伴う護岸空洞の補修補強技術の実証実験を行い、特許を申請し新たな事業となるべく取り組んでおります。

 今後はリニア中央新幹線関連事業、名古屋駅・栄周辺再開発事業、老朽化した建造物の建替え事業、および護岸の空洞化対策などに注力し受注拡大に向けて努力してまいります。

(2)コンクリート構造物の補修・補強工法

 当社は、特殊ポリマーセメントモルタルである「マグネライン」を利用した工法を中心としてコンクリート構造物の維持補修工事への取り組みを行っております。従来からの橋梁床版の補強工事、橋梁橋脚の増厚補強工事等に加え、近年では排水機場・水門の耐震補強工事の実績が多くなっております。さらにNEXCOや名古屋高速道路公社をはじめ高速道路の大規模改修工事が本格化しており、2019年度は国土交通省工事2件、NEXCO中日本工事1件、名古屋高速道路公社工事2件の施工を行っております。

 今後も発注者に有効な提案を行い、受注機会の拡大に繋げてまいります。

(3)耐摩耗工法(ノアモ工法)

 砂防堰堤や水路などのコンクリート構造物で問題となる摩耗による損傷を軽減し、ライフサイクルコストの縮減を図る工法です。独立行政法人水資源機構での施工後のモニタリング調査及び国土交通省天竜川砂防事務所での試験施工後の経過観測の結果、耐摩耗性材料としての有効性が確認できました。今後は発注者へ広くPR活動を行い、施工実績を増やしてまいります。

 

(不動産セグメントおよびその他のセグメント)

 研究開発活動は特段行っておりません。