第2 【事業の状況】

 

(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載につきましては、消費税等抜きの金額で表示しております。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、「高い技術をもって、社業の発展を図り、健全な経営により社会的責任を果たす」を社是に掲げ、着実な経営計画により競争に打ち勝ち、誠実な施工で永い信用を築くことにより、皆様の信頼と期待にお応えし、皆様と共に発展して行くことを経営理念に据えております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

平成30年度は中期経営計画(平成29年度~平成31年度)の2年目にあたり、各事業部門において下記重点施策を掲げ、事業目標の達成を目指してまいります。
 また地盤改良工事における施工不良等に関しましては、当社に下命されました瑕疵修補に係る工事を、着実に、かつ一日も早く完遂させ、施工者としての責任を全うすることに全力を注ぐとともに、再発防止の取り組みを継続的に実施していくことにより、信用の回復に努めてまいります。
 当社の経営理念である「高い技術」と「誠実な施工」により、お客様に納得していただける高い品質のものをお届けすること、社員のコンプライアンス意識向上に常に取り組み、誠実な企業風土を醸成していくことで、顧客と社会からの期待に応えられる持続的成長企業を目指してまいります。

 

<各事業部門の重点施策>

(国内土木事業)

・海上土木工事シェア№1の達成、事業量拡大及び収益向上

・港湾施設の維持管理、防災・減災、更新工事への対応強化

・中長期大型プロジェクトへの対応強化

・人材育成・技術の継承・組織の活性化

 

(国内建築事業)

・得意分野の強化と優位性の堅持

・良質顧客の深化・拡大

・人材・後継者の育成

 

(海外事業)

・必注案件の絞込みと特プロ受注へ向けての対応強化

・東南アジア・中東及びODA事業における価格競争力の向上

・設計施工案件への取り組み

 

(管理部門)

・再発防止を意識した誠実な企業風土の醸成及び社員のコンプライアンス意識の向上

・内部統制及びコーポレートガバナンスの更なる強化

・働き方改革及び職場環境の改善、競争力のある人と組織づくり

・財務体質の健全性の維持・強化

 

中期経営計画の最終年度(平成31年度)における事業目標(概要)

 

 

連  結

個  別

業績目標

受注高

 

1,770

億円

 

売上高

1,840

億円

1,760

億円

 

営業利益

60

億円

55

億円

 

経常利益

55

億円

51

億円

財務目標

純資産

 

650

億円

 

ROE

 

5

 

 

以上の施策を当社グループの役職員が共有、着実に実行し、経営課題の解決に取り組んでまいります。またコーポレート・ガバナンスの徹底した実践により、公正かつ信頼性の高い企業としての信用を回復し、永続的な評価を得ることを目指してまいります。

 

 

 

なお、当社は会社の支配に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりであります。

 

①基本方針の内容

当社は、公開会社として株式を上場し、株主、投資家の皆様による株式の自由な取引が認められている以上、当社株式に対する大規模買付提案またはこれに類似する行為があった場合において、これに応じて当社株式の売却を行うか否かの判断は、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるものであると考えております。

当社株式の売却を行うか否か、すなわち大規模買付提案等に応じるか否かの判断を株主の皆様に適切に行っていただくためには、大規模買付者側から買付の条件や買収した後の経営方針、事業計画等に関する十分な情報提供がなされる必要があると考えます。また、当社は、その大規模買付提案に対する当社取締役会の評価や意見、大規模買付提案に対する当社取締役会による代替案等も株主の皆様に提供しなければならないと考えます。株主の皆様には、それらを総合的に勘案したうえでご判断をいただく必要があると考えます。

当社の財務及び事業の方針を決定する者は、当社の経営理念を理解し、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に構築することができ、当社の企業価値、株主共同の利益を中長期的に向上させることのできる意思と能力を備えている必要があると考えます。

したがって、大規模買付提案にあたって当社や当社の株主に対し、提案内容に関する情報や意見、評価、代替案作成に必要な時間を与えない大規模買付者、買付の目的及び買付後の経営方針等に鑑み、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白である大規模買付提案を行う買付者、買付に応じることを株主に強要するような仕組みを有する提案等を行う大規模買付者は、当社の財務及び事業の方針を支配する者としては適切ではないと考えております。
  このような大規模買付提案または大規模買付行為等があった場合には、当社は、法令及び定款によって許容される限度において、企業価値や株主共同の利益を確保するために必要な措置を講じることを基本方針とします。

 

②基本方針の実現に資する取り組み

当社は、より多くの投資家の皆様に末永く継続して投資いただくため、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を向上させる取り組みとして、「高い技術をもって、社業の発展を図り、健全な経営により社会的責任を果たす」という経営理念を掲げ、その実現のための中期経営構想を実践しております。また、これらと並行して、コーポレート・ガバナンスの強化、充実に取り組んでおります。

 

③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取り組み

当社は、当社株式に対する大規模買付提案またはこれに類似する行為があった場合には、企業価値及び株主共同の利益の確保のため、適時適切な情報開示に努めるとともに、その時点において適切な対応をしてまいります。 

 

④基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて

当社の中期経営構想は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させる取り組みとして、当社の経営理念を実現させるため実践しているものであり、まさに当社の基本方針に沿うものであります。
 従いまして上記の取り組みは、当社の会社役員の地位の維持を目的としたものではありません。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。当社はこれらリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防及び発生した場合の対応に万全を期す方針であります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)建設市場の変動リスク

当社グループの売上高の主要部分を占める国内建設事業につきましては、わが国の公共事業投資並びに民間設備投資の動向によりまして、影響を受ける可能性があります。

(2)建設資材価格の変動リスク

建設資材価格などの高騰により工事採算が悪化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)海外事業のリスク

当社グループは、世界各国にて建設事業を行っておりますが、その施工場所における政情の変化、経済情況の変化、予期せぬ法令・規制の変更等により、影響を受ける可能性があります。

また海外事業に関する為替変動リスクにつきましては、外貨建工事代金収入に対応させて原価支払いを外貨建としたり、必要に応じ為替予約などを通じヘッジしておりますが、そのリスクをすべて排除することは不可能であり、為替変動により影響を受ける可能性があります。

(4)工事の瑕疵

工事の品質管理には万全を期しておりますが、瑕疵担保責任及び製造物責任による損害賠償が発生した場合は、影響を受ける可能性があります。

(5)子会社・関連会社の事業リスク

グループ内の子会社・関連会社が実施している事業に関しまして、経済環境の急激な変動があった場合には、影響を受ける可能性があります。

(6)資産の時価下落リスク

当社グループの保有する不動産・有価証券の時価の下落により、影響を受ける可能性があります。

(7)繰延税金資産

繰延税金資産につきましては、今後の課税所得をもって全額回収可能と判断しておりますが、将来の課税所得見積額の変更等により、繰延税金資産について一部回収が困難であると判断した場合は、影響を受ける可能性があります。

(8)信用リスク

建設工事は契約から完成引渡しまで長期にわたり、また一件当たりの請負金額が大きく、一般的に工事目的物の引渡し時に多額の工事代金が支払われるため、取引先の信用リスクが生じる可能性があります。

(9)災害・事故の発生

工事施工にあたっては事故防止に万全を期しておりますが、予期せぬ要因から事故や労働災害が発生する可能性があります。この場合、損害賠償や指名停止などによる受注機会の減少により業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、政府による各種の経済政策の効果を背景に企業業績の改善に伴う雇用・所得環境の改善傾向が続くなど、緩やかな回復基調が継続しております。

国内建設市場におきましては、公共投資は防災・減災分野や社会資本の老朽化に対応する維持・更新等の分野を中心に堅調に推移し、民間投資は企業収益の高まりや税制改正の後押しを受け、底堅く推移してまいりました。

このような環境のもと、当社グループは基本方針に「信頼を回復するための『変化』」、「技術と品質を活かした基盤づくりからの『成長』」を掲げた「中期経営計画(平成29~31年度)」に基づく各施策を遂行し、経営目標を達成することにより、着実に経営基盤を強化していくこと、顧客と社会からの期待と信頼に応える持続的成長企業となることを目指してまいりました。
 

当連結会計年度の当社グループの連結業績につきましては、売上高は161,045百万円(前連結会計年度比3.7%減)、営業利益は2,879百万円(前連結会計年度比53.5%減)、経常利益は2,714百万円(前連結会計年度比54.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,750百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失7,438百万円)となりました。

また、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して6,562百万円増加し、190,297百万円となりました。

一方負債は、前連結会計年度末と比較して3,773百万円増加し、122,550百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末と比較して2,788百万円増加し、67,747百万円となりました。

 

 当社グループのセグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(国内土木事業)

海上土木分野を中心に、鉄道・発電所などのインフラ・社会資本の整備に継続的に取り組んでおります。当連結会計年度の売上高は74,939百万円(前連結会計年度比12.3%減)、セグメント利益(営業利益)は2,223百万円(前連結会計年度比54.6%減)となりました。

 

(国内建築事業)

特命案件・企画提案案件・設計施工案件の受注拡大に取り組んでおります。当連結会計年度の売上高は53,035百万円(前連結会計年度比21.4%増)、セグメント利益(営業利益)は2,206百万円(前連結会計年度比211.1%増)となりました。

 

(海外事業)

東南アジアを中心に中東・アフリカなどにおいて、海上土木工事や火力発電所等プラント工事に取り組んでおります。当連結会計年度の売上高は23,217百万円(前連結会計年度比19.7%減)、セグメント利益(営業利益)は961百万円(前連結会計年度比68.8%減)となりました。

 

 

(その他)

当連結会計年度の売上高は9,852百万円(前連結会計年度比7.7%増)、セグメント利益(営業利益)は807百万円(前連結会計年度比21.8%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは仕入債務の増加等により、9,928百万円の資金増加(前連結会計年度は8,769百万円の資金減少)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により、714百万円の資金減少(前連結会計年度は1,263百万円の資金減少)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは借入金の返済等により、674百万円の資金減少(前連結会計年度は1,639百万円の資金減少)となりました。以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ8,464百万円増加し、36,652百万円となりました。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建設事業及び不動産事業では「生産」を定義することが困難であり、建設事業におきましては請負形態をとっているため「販売」という定義は実態にそぐいません。

また、当社グループとしての受注高、繰越高を正確に把握することも困難なため、記載可能な情報を「経営成績等の状況の概要」におきましてセグメントの業績に関連付けて記載しております。

 

なお、参考のため当社単独の事業の状況は次のとおりであります。

 

a. 受注高、売上高、繰越高及び施工高

 

期別

区分

前期
繰越高
(百万円)

当期
受注高
(百万円)


(百万円)

当期
売上高
(百万円)

次期繰越高

当期
施工高
(百万円)

手持高
(百万円)

うち
施工高
(%)

うち
施工高
(百万円)

第127期
(自 平成28年
  4月1日
至 平成29年
  3月31日)

建設
事業

土木工事

141,209

79,119

220,329

107,624

112,704

0.7

735

107,078

建築工事

62,187

50,398

112,585

49,240

63,344

0.2

114

49,273

203,397

129,517

332,914

156,865

176,049

0.5

850

156,351

開発事業等

869

1,396

2,265

1,289

976

6.6

64

1,279

不動産等

1,023

― 

合計

204,266

130,914

335,180

159,177

177,025

0.5

914

157,631

第128期
(自 平成29年
  4月1日
至 平成30年
  3月31日)

建設
事業

土木工事

112,704

94,677

207,382

93,531

113,850

0.7

805

93,601

建築工事

63,344

50,263

113,607

56,558

57,049

0.1

67

56,511

176,049

144,940

320,989

150,089

170,900

0.5

873

150,112

開発事業等

976

1,344

2,321

1,329

991

13.1

129

1,394

不動産等

901

合計

177,025

146,284

323,310

152,320

171,891

0.6

1,003

151,507

 

(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更あるものにつきましては、当期受注高にその増減額を含めております。したがって当期売上高にもかかる増減額が含まれております。

2 次期繰越高の施工高は支出金により手持工事等の施工高を推定したものです。

3 当期施工高は、不動産等を除き(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。

 

b. 受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は特命と競争に大別されます。

 

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

第127期

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

土木工事

18.0

82.0

100.0

建築工事

72.0

28.0

100.0

第128期

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

土木工事

18.0

82.0

100.0

建築工事

61.0

39.0

100.0

 

(注) 百分比は請負金額比であります。 

 

c. 完成工事高

 

期別

区分

国内

海外
(A)
(百万円)

(A)/(B)
(%)

合計
()
(百万円)

官公庁
(百万円)

民間
(百万円)

第127期

 

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

土木工事

64,843

19,446

23,334

21.7

107,624

建築工事

8,877

34,782

5,580

11.3

49,240

73,721

54,229

28,915

18.4

156,865

第128期

 

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

土木工事

54,125

19,922

19,483

20.8

93,531

建築工事

6,854

46,159

3,544

6.3

56,558

60,979

66,082

23,027

15.3

150,089

 

(注) 1 完成工事のうち、主なものは、次のとおりであります。

    第127期の主なもの

(発注者)

 (工事名)

内閣府沖縄総合事務局

那覇空港滑走路増設護岸GS工区築造工事

国土交通省

国道45号 岩泉地区道路工事

(独)都市再生機構

塩竈市錦町東地区災害公営住宅建設工事

大阪ガス都市開発(株)・
(株)サンレジデンシャル

ジ・アーバネックス六甲道新築工事

PT. FUJITRANS LOGISTICS INDONESIA

フジトランス・ロジスティクス・インドネシア梱包倉庫新築工事

 

    第128期の主なもの

(発注者)

  (工事名)

宮城県

  大曲浜(浜市工区)林地荒廃防止施設災害復旧工事

中国木材(株)

中国木材株式会社呉本社工場内航バース新設工事

埼玉県川口市

(仮称)川口市火葬施設建設工事

(医)青山会

医療法人社団青山会(仮称)複合施設まんかい新築工事

ガーナ共和国

セコンディ水産業振興計画

 

 

2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

    第127期

  国土交通省

33,098百万円  20.8%

 

 

 

    第128期

 国土交通省

28,297百万円  18.7%

 

 

 

 

d. 手持工事高(平成30年3月31日現在)

 

区分

国内

海外(百万円)

合計(百万円)

官公庁(百万円)

民間(百万円)

土木工事

63,761

22,732

27,356

113,850

建築工事

2,484

52,090

2,474

57,049

66,245

74,823

29,831

170,900

 

手持工事のうち主なものは次のとおりであります。

(発注者)

 (工事名)

(完成予定年月)

(株)フジトランスコーポレーション

(仮称)フジトランス コーポレーション ロジスティクスセンター造成工事

平成30年12月

 

国土交通省

東京湾浅場造成工事

平成30年7月

ニッスイ・エンジニアリング(株)

(仮称)アイランドシティ冷蔵庫計画

平成31年3月

防衛省

船越(29)宿舎B棟新設建築工事

平成32年1月

アンゴラ共和国

ナミベ港改修計画

平成31年6月

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表作成にあたっては、過去の実績や現在の状況に基づき合理的と考えられる見積りによっている部分があり、実際の結果がこれらの見積りと異なる場合があります。

  

②財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して6,562百万円増加し、190,297百万円となりました。これは、主に立替金が減少した一方で、現金預金、受取手形・完成工事未収入金等が増加したことによります。

負債は、前連結会計年度末と比較して3,773百万円増加し、122,550百万円となりました。これは主に電子記録債務、支払手形・工事未払金等が増加したことによるものです。

純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上で利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末と比較して2,788百万円増加し、67,747百万円となりました。これにより、自己資本比率は35.3%と、前連結会計年度末と比較して0.2ポイント増加しております。

また、D/Eレシオ(有利子負債/株主資本)は0.48(前連結会計年度:0.50)となりました。

 

③経営成績の分析

a. 売上高

当連結会計年度の売上高は、国内建築事業は手持工事が順調に進捗し前連結会計年度より増加しましたが、国内土木事業において前連結会計年度に不祥事による指名停止の影響で受注高が減少したこと及び海外事業において受注高が低調に推移した影響で手持工事が減少したことにより、全体では前連結会計年度に比べ6,155百万円(△3.7%)の減収となりました。

 

b. 営業利益

営業利益は、売上高の減少に伴い売上総利益が減少したことにより、前連結会計年度に比べ3,316百万円(△53.5%)の減益となりました。

 

c. 経常利益

経常利益は、営業利益の減少に伴い、前連結会計年度に比べ3,183百万円(△54.0%)の減益となりました。

 

d. 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益は減少したものの、前連結会計年度が施工不良関連損失の計上で親会社株主に帰属する当期純損失7,438百万円だったことに比べ、当連結会計年度はその影響がなくなり、親会社株主に帰属する当期純利益1,750百万円となりました。 

 

④キャッシュ・フローの状況の分析

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」を参照ください。

 

⑤資本の財源及び資金の流動性の分析

当社グループは、将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを財務の基本方針としております。資金需要の主なものは、工事原価、販売費及び一般管理費などの運転資金及び設備投資資金であります。

その資金の原資は、自己資金、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入等により行っております。短期的な運転資金の調達に関しましては、短期借入金を基本とし、設備投資資金の調達に関しましては、長期借入金を中心とし、リースも活用しております。
また、運転資金の効率的な調達を行うため、複数の金融機関との間でコミットメントライン(特定融資枠)契約を締結しております。

更に、当社グループ内の資金の効率性を高めるため、一部の子会社を含めたグループ間のキャッシュマネジメントシステムを特定の金融機関と構築しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループにおきましては、現在、環境・防災・リニューアル・海洋資源開発に関わる技術に重点をおいて研究開発を推進しております。当連結会計年度における研究開発費は960百万円であります。また、主な研究開発成果は次のとおりであります。

 

(国内土木事業・国内建築事業及び海外事業)

(1)桟橋鋼管杭の巻立て補修技術「タフリードPJ工法」の現場適用

港湾施設のひとつである桟橋においては、近年、鋼管杭と上部工の接合部付近が腐食し、鋼管杭の肉厚が局所的に減少した事例が散見されております。この場合、桟橋の安全性は低下するため、一般には鉄筋コンクリート巻立てによる補修が採用されてきました。しかしながら、鉄筋コンクリート巻立てと上部工の接合部は海水等が浸入しやすい部位であり、耐久性上の弱点となって鋼管杭の腐食が再び開始してしまう懸念があるとともに、巻立てに伴う重量等の大幅な増加が避けられませんでした。これらの課題を解決し、腐食により低下した鋼管杭の耐力を確実に回復することのできる巻立て補修技術「タフリードPJ工法」を開発し、平成29年度に民間が所有する桟橋鋼管杭に本工法を適用いたしました。今後もインフラの補修・補強技術を開発し、既存施設のリニューアル事業、長寿命化に貢献してまいります。

 

 

(2)日本の海洋資源開発に資する技術の開発

当社は、東京大学工学系研究科 加藤泰浩教授らの研究チームの一員として、早稲田大学、千葉工業大学、(国研)海洋研究開発機構、太平洋セメント(株)、東京工業大学、神戸大学と共同で、南鳥島周辺海域レアアース泥の資源分布の可視化とそれに基づく資源量の把握によって莫大なレアアース資源の存在が明らかになったこと、ならびにレアアース濃集鉱物を選択的に回収する技術の確立に成功したことを公表いたしました。この成果は、英科学雑誌サイエンティフィック・リポーツに投稿し、平成30年4月10日付で掲載されております。

今後のレアアース泥等の開発・実用化に向けた取組みにおいては、マリコンとして培ってきた次のような技術を応用していきたいと考えております。

① 港湾等での浚渫技術、埋立造成技術、海底地盤評価技術

② 遠隔無人化施工のための水中施工機械による水中作業技術(オペレーション技術)

③ 浚渫土の処理や有効利用で蓄積した、粘性土の処理技術・ハンドリング技術

このように、我が国の建設業界にとって未開拓の分野である海底資源開発に果敢に取り組むことで、国益に資する資源の安定供給に貢献し、社会的責任を果たしたいと考えております。

 

(3)「拡頭杭免震構法」の開発

免震構造は、耐震構造に比べ、大地震時における建物の損傷や揺れを大幅に低減できることは、広く認識されております。しかし、免震構造の中で一般的な基礎免震構造は、免震部材の上下に基礎梁を配置した免震ピットを設けるため、耐震構造と比べ、建設コストも高く、工期が長くなるという課題がありました。

 そこで当社は、同業他社5社により共同で、実大サイズの免震部材の傾斜実験や、地盤--建物連成系一体解析モデルを用いた地震応答解析による検証を行い、上記の課題などを解決した「拡頭杭免震構法」を開発し、平成272月、日本ERI株式会社の構造性能評価を取得いたしました。また、平成29年度には、適用範囲拡大に向けた開発準備に着手いたしました。

 「拡頭杭免震構法」は、杭頭部の径を拡げた拡頭杭の頭部に直接免震部材を設置し、免震部材の下部の基礎梁を従来工法の基礎免震構造より薄い扁平な「つなぎ梁」で杭頭部を連結して免震層を一体化した免震構法であり、杭頭部の径を拡げたことで、杭頭に生じる回転角を抑制することが可能となります。また、基礎梁を「つなぎ梁」とすることで、基礎工事の簡略化を図ることが可能となります。

 

(その他)

研究開発活動は特段行っておりません。