第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

今後の見通しにつきましては、わが国経済は、引き続き緩やかに回復していくことが期待されるものの、海外経済の動向と政策に関する不確実性などによる影響に留意する必要があります。

建設業界におきましては、公共投資は堅調に推移することが見込まれ、補正予算の効果も次第に発現することが期待されています。民間設備投資も引き続き堅調に推移すると見込まれることから、良好な事業環境は継続すると想定されます。

一方では、将来的に建設就労者の減少が見込まれ、働き方改革、生産性の向上、将来を担う人材の確保・育成が業界全体で取り組むべき課題となっています。

このような事業環境のもと、当社グループは2018年度を初年度とする「中期経営計画(2018年度-2020年度)」を策定し、創業130周年となる2020年を節目に新たなるステージを目指し、企業価値の向上を図ってまいります。

 

  中期経営計画(2018年度-2020年度)の主な施策

 

  ○基本方針

   ・更なる成長へ向け、経営資源の有効活用により「収益力の強化」を図る

 

  ○基本戦略

1.「品質・安全」を核とした、工事施工高の緩やかな増加

 ・現場生産性を重視(技術者一人当たり完工高、ICT技術の活用)/適正な配員

2.土木部門の更なる強化(海上土木はマリコントップクラスとしての進化)

 ・競争力強化に繋がる研究・開発/ICT技術の活用/総合評価対応力の強化

3.民間部門の拡充

 ・首都圏へ注力/法人顧客の拡大/民間建築への対応を強化(本支店建築体制の強化)

 ・取り組み案件の多様化(風力・バイオマス・太陽光・小水力等の再生可能エネルギー/耐震化/

  維持・修繕/不動産を活用した企画営業)

4.人員の確保・育成、活力の向上

 ・技術者の確保(採用方法の多様化)/社員教育の充実(技術の継承・スキルアップ・活力向上)

5.海外事業の基盤強化

 ・ODA案件を中心に民間案件へ(東南アジア地域)/国際部を中心に全社一体営業/

  海外組織力の強化/海外要員の育成/外国人の新卒技術者の採用

6.「更なる成長」へ積極的な資金投資

 ・収益基盤の多様化に関する投資/研究・開発/ICTを活用した業務改善/人材育成/

  協力会社への支援

7.「働き方改革」への取り組み

 ・現場生産性の向上/週休2日へ向けた段階的な取組み/業務の効率化、ICTを活用した業務改善/

  協力会社の処遇改善/意識改革の徹底/女性活躍推進

 

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)建設市場の変動リスク

 民間工事への取り組みとして、「環境関連事業」、「リニューアル事業」等への積極的参入を図っていく方向ですが、これらを推進した場合、工事代金・事業資金回収等においてリスクが懸念されます。

(2)施工物等の瑕疵に対するリスク

 施工管理の徹底により品質管理には万全を期しておりますが、提供する施工物及びその他製品について重大な瑕疵が発生した場合、当社グループの経営成績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

(3)海外活動に係るリスク

 当社グループの海外売上高は連結売上高に対する割合は低いものの、海外の各国においては次のようなリスクがあります。そのため、これらの事象が発生した場合は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 ①予期し得ない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更。

 ②為替相場の急激な変動による為替損失の発生。

 ③テロ、戦争等による社会的混乱。

(4)市場リスク

 当社グループは金融機関や取引先等の株式を保有しております。これらの株式は株式市場の価格変動リスクを負っていますが、長期所有を原則としているため特別のヘッジ手段を用いておりません。

(5)不動産価値下落リスク

 当社グループは、国内各地において販売用不動産及び土地等の有形固定資産を保有しております。国内の不動産市況が悪化した場合には、販売用不動産の評価減及び固定資産の減損処理等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)重要な訴訟等

 当社グループは、国内および海外事業に関連して、訴訟、紛争、その他の法律手続きの対象となるリスクがあります。これらの法的リスクについては当社グループの法務部門が管理しており、必要に応じて取締役会および監査役会に報告しております。当連結会計年度において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されていませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)財務に関するリスク

 当社グループは、安定した黒字体質の構築と、財務体質の改善強化を図っております。資金面におきましては、取引金融機関と2018年11月28日付でシンジケートローン契約を更改しました。また、季節変動資金にも機動的に対応できる状況を整え、より安定的な資金調達態勢を確保しております。しかし、今後の市場環境の予期せぬ急変等により、金融機関の支援体制に変化が生じたり、受注環境の悪化、販売用不動産及び賃貸用不動産の時価の下落等に陥った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による各種政策の効果により、雇用・所得環境の改善が続くなか、個人消費に持ち直しが見られるなど、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、世界経済は全体として緩やかに回復しているものの、通商問題の動向や政策に関する不確実性等、景気の下振れリスクに留意する必要が続いています。

建設業界におきましては、公共投資は底堅く、民間設備投資も高水準な企業収益を背景に増加するなど、事業環境は総じて堅調に推移しました。

このような状況の下で、当社グループは、業績の向上に努めてまいりました。売上高につきましては、主に建設事業での受注活動が好調であったことにより完成工事高が増加したため、996億円と前年と比べ7.8%の増収となりました。損益につきましては、主に工事利益率が改善したことにより営業利益46億円(前年同期比24.1%増加)、経常利益44億円(前年同期比24.8%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益32億円(前年同期比13.9%増加)となりました。

 

事業の種類別セグメントごとの業績を示すと次のとおりであります(事業の種類別セグメントごとの業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております)。

(建設事業)

建設事業を取り巻く環境は、公共投資は底堅く、民間設備投資も高水準な企業収益を背景に増加しました。当社グループにおきましても民間発注者からの受注が好調であったことから当社グループの建設事業の売上高は982億円と前連結会計年度に比べ68億円(前年同期比7.5%増加)の増収となりました。損益につきましては主に工事利益率が改善したことにより営業利益64億円(前年同期比28.6%増加)となりました

(不動産事業)

不動産事業を取り巻く環境は、大都市圏での地価の上昇傾向が見られるものの、全国的には依然として厳しい状態が続いております。当社グループはこのような状況を考慮し販売活動を行いましたが、当社グループの不動産事業の売上高は8億円と前連結会計年度に比べ93百万円(前年同期比10.3%減少)の減収となりました。損益につきましては、主に当社グループが保有する販売用不動産の評価損を計上したことにより営業損失1億円(前年同期は営業利益1億円)となりました

(2)キャッシュ・フローの状況

 当社グループは、キャッシュ・フローの安定化を図りながら、財務体質の改善・資産の効率化に取り組んでおります。

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローについては、主に仕入債務の増加により3億円の資金の増加(前年同期は47億円の増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローについては、主に貸付金の回収により78百万円の資金の増加(前年同期は4億円の減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローについては、主に短期借入金の増加により1億円の資金の増加(前年同期は6億円の減少)となりました。

以上の結果、現金及び現金同等物期末残高は、期首残高から5億円増加し、143億円となりました。

 

生産、受注及び売上の実績

(1)受注実績

  当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

建設事業(百万円)

94,674

0.2

不動産事業(百万円)

 報告セグメント計(百万円)

94,674

0.2

その他(百万円)

646

309.6

合計(百万円)

95,320

0.8

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)売上実績

  当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

建設事業(百万円)

98,224

7.5

不動産事業(百万円)

813

△10.3

 報告セグメント計(百万円)

99,037

7.3

その他(百万円)

638

314.2

合計(百万円)

99,675

7.8

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

4.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高等及びその割合は、次のとおりであります。

 

前連結会計年度

 

国土交通省

 

25,897百万円

 

28.0%

当連結会計年度

 

国土交通省

 

20,019百万円

 

20.1%

 

 なお、参考として提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。

① 受注工事高、完成工事高、次期繰越工事高及び施工高

期別

工事別

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越工事高

当期

施工高

(百万円)

手持高

(百万円)

うち施工高

(百万円)

第202期

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

建設事業

 

 

 

 

 

 

 

海上土木

30,156

23,368

53,524

35,797

17,727

0.2

29

35,809

陸上土木

38,910

40,303

79,213

31,729

47,483

0.3

151

31,793

建築

20,428

27,729

48,157

21,302

26,855

0.0

6

21,300

合計

89,496

91,400

180,896

88,830

92,066

0.2

187

88,903

第203期

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

建設事業

 

 

 

 

 

 

 

海上土木

16,391

30,274

46,665

29,209

17,456

0.0

1

29,181

陸上土木

47,453

33,649

81,103

39,478

41,625

0.1

47

39,374

建築

26,855

28,265

55,121

26,806

28,314

0.0

1

26,802

合計

90,700

92,190

182,891

95,494

87,396

0.1

51

95,358

 (注)1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。

2.次期繰越工事高の施工高は未成工事支出金により手持高の施工高を推定したものであります。

3.当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。

4. 前期繰越高のうち事業の中止等の理由により海上土木工事の受注額1,336百万円、陸上土木工事の受注額29百万円を当期において減額修正しております。

 

② 受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

第202期

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

海上土木工事

15.7

84.3

100

陸上土木工事

35.7

64.3

100

建築工事

64.9

35.1

100

第203期

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

海上土木工事

20.5

79.5

100

陸上土木工事

60.1

39.9

100

建築工事

62.1

37.9

100

 (注) 百分率は請負金額比であります。

③ 完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

第202期

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

海上土木工事

30,602

5,195

35,797

陸上土木工事

19,594

12,135

31,729

建築工事

6,474

14,828

21,302

56,671

32,158

88,830

第203期

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

海上土木工事

24,543

4,665

29,209

陸上土木工事

21,369

18,109

39,478

建築工事

5,913

20,893

26,806

51,826

43,667

95,494

 (注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

第202期 請負金額10億円以上の主なもの

国土交通省

東京国際空港N地区用地造成等工事

防衛省

目達原(27)整備場新設建築その他工事

宮城県

塩釜漁港魚市場桟橋(上部工外その2)災害復旧工事

北九州市

桜町北湊雨水貯留管築造工事

積水ハウス株式会社

(仮称)グランドメゾン目黒東山新築工事

第203期 請負金額16億円以上の主なもの

国土交通省

東京国際空港国際線地区連絡道路橋ランプ部下部工事(その2)

宮城県

石巻漁港-6.0m岸壁外災害復旧(その2)工事

独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構

九州新幹線(西九州)、嬉野温泉駅高架橋他

東日本高速道路株式会社

京葉道路鬼高PA休憩施設新築工事

サモア独立国港湾公社

アピア港安全向上計画

2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高等及びその割合は、次のとおりであります。

第202期

 

国土交通省

 

25,897百万円

 

28.9%

第203期

 

国土交通省

 

20,019百万円

 

20.8%

 

④ 手持工事高(2019年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

海上土木工事

13,460

3,996

17,456

陸上土木工事

19,425

22,199

41,625

建築工事

7,007

21,306

28,314

39,894

47,502

87,396

手持工事のうち請負金額24億円以上の主なものは、次のとおりであります。

西日本鉄道株式会社

(仮称)サンカルナ香椎照葉 新築工事

2019年8月竣工予定

独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構

北陸新幹線、坂井丸岡高架橋

2020年6月竣工予定

中日本高速道路株式会社

東名高速道路 綾瀬スマートインターチェンジ工事

2019年6月竣工予定

防衛省

北富士外(30補)隊庁舎新設等建築その他工事

2022年3月竣工予定

国土交通省

横浜港南本牧地区岸壁(-18m)(耐震)上部等工事

2019年6月竣工予定

 

経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し総合的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1.(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

①収益の認識基準

 当社グループの完成工事高の計上は成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。工事進行基準対象工事につきましては将来の発生原価を合理的に見積っておりますが、市況の変動や気象条件等の外的要因によりその見積り額が変動した場合は工事損益に影響を及ぼす可能性があります。

②貸倒引当金の計上基準

 当社グループは、売掛債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積り額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。

③有価証券の減損処理

 当社グループは、金融機関や取引先等の株式を保有しております。これらの株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づいて有価証券の減損処理を行っております。将来、株式市場が悪化した場合には有価証券評価損を計上する可能性があります。

④繰延税金資産の回収可能性の評価

 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

(2)経営成績の分析

 当社グループの経営成績は、「第2事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要(1)業績」に記載しているとおりであります。以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析しております。なお、各セグメントの業績は、セグメント間の内部売上高等を含んで表示しております。

①売上高の分析

 当連結会計年度の連結売上高は996億円でありますが、これをセグメントごとに分析すると、建設事業は好調な受注活動により売上高が前連結会計年度に比べ7.5%増加の982億円となり、不動産事業は、売上高は前連結会計年度に比べ10.3%減少の8億円となりました。

②販売費及び一般管理費の分析

 販売費及び一般管理費については、前連結会計年度に比べ8.0%増加の55億円となりました。これは主に働き方改革への対応に伴う経費の増加によるものです。

③営業利益の分析

 営業利益については、前連結会計年度に比べ24.1%増加の46億円となりました。これは主に①売上高の分析で記載した売上高の増加と工事利益率の改善による完成工事総利益の増加によるものであります。

④経常利益の分析

 経常利益については、前連結会計年度に比べ24.8%増加の44億円となりましたが、これは主に③営業利益の分析と同じ原因によるものであります。

⑤親会社株主に帰属する当期純利益の分析

 親会社株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度に比べ13.9%増加の32億円となりました。これは主に③営業利益の分析と同じ原因によるものであります。

(3)財政状態、資本の財源及び資金の流動性についての分析

①資産、負債及び純資産の状況に関する分析

(資産)

 流動資産は、受取手形・完成工事未収入金等が51億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ48億円増加し、696億円となりました。

 固定資産は、前連結会計年度末より8億円減少し、119億円となりました。

 主に上記の影響により、総資産は前連結会計年度末に比べ40億円増加し、816億円となりました。

(負債)

 流動負債は、支払手形・工事未払金等が45億円増加、短期借入金が15億円増加及び未成工事受入金等が44億円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ18億円増加し、463億円となりました。

 固定負債は、主に長期借入金が返済により7億円減少したことにより前連結会計年度末に比べ6億円減少し、65億円となりました。

 以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ12億円増加し、529億円となりました

(純資産)

 純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により前連結会計年度末より27億円増加し、287億円となりました

②キャッシュ・フローの状況

 当社グループのキャッシュ・フローの状況は、「第2事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。

③財務政策

 当社グループの運転資金需要の主なものは、工事施工に伴う材料費・外注費等の営業費用であり、当該支出は、工事代金及び短期借入で賄っております。また、設備投資資金等については、工事代金及び長期借入等により調達することにしております。なお、現時点では重要な設備投資を行う計画はありません。

 2019年3月31日現在の主な有利子負債は、短期借入金40億円、長期借入金10億円となっており、前連結会計年度末に比べ8億円の有利子負債の増加となりました。今後は財務体質の改善・資産の効率化を推し進め、有利子負債の圧縮を図る方針であります。

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。

 

 当社は、2018年度を初年度とする「中期経営計画(2018年度-2020年度)」を策定し全社一丸となって取り組んでおります。「品質・安全」を核に生産性の向上を図るため、各基本戦略を推進し、計画達成に向け取組むことにより、企業価値向上を目指してまいりました結果、計画初年度の2018年度におきましては、主に好調な受注による完成工事高の増加と工事利益率の改善による売上総利益の増加により、中期計画初年度の目標といたしました経常利益32億円を24.7%上回る40億円となりました。

 今後につきましても、「中期経営計画(2018年度-2020年度)」に記載いたしました各基本戦略を推進し、計画達成に向けて取組むことにより、企業価値向上を図るとともに、2020年度に経常利益41億円の達成を目指しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記事項はありません。

5【研究開発活動】

(建設事業)

当社の技術研究所では、海洋構造物をはじめとする土木構造物の築造技術、建設ICTを駆使した生産性向上技術、臨海施設の維持管理・補修技術、海洋環境保全・海洋エネルギーの活用技術など、海洋・臨海域における多様なニーズに対応した研究開発に取組み、より実効性の高い技術の確立を図っております。また、建設生産システムの高度化を計るために有用視されているAI技術についても、施工管理分野での活用に着手したところであります。なお、当連結会計年度の研究開発費は、193百万円でありました。

主な研究開発成果や研究開発中の技術は以下のとおりであります。

(1) 土木構造物の築造技術

コンクリート構造物の耐久性、施工性を向上させるため、材料メーカーと共同で技術開発に取り組んでおります。

軟弱地盤の改良や液状化対策について、その施工管理データをCIMに取り込んで可視化する技術を確立し、実施工現場において運用しております。

(2) 生産性向上技術

港湾工事の生産性を向上する技術として、各種作業船に搭載した施工管理システム、ケーソン無人化据付システム、浚渫施工管理システムなど、我が社独自の技術を確立しており、多くの現場において実績を重ねております。

コンクリート打設時の施工管理システムにAI技術を取入れ、より生産性の高い施工管理技術の開発に取り組んでおります。

水中構造物の位置をより直感的に可視化するため、音響カメラの機能の高度化に取り組んでおります。

吊り荷回転制御装置や音響式自動玉外し装置、AR技術を駆使したブロック据付トータルシステムを開発中であります。

(3) 臨海施設の維持補修技術

臨海施設のリニューアル技術の再開発は、継続的に取り組んでおります。

(4) 海洋環境保全・海洋エネルギー活用技術

全国の主な港湾における潮流シミュレーションを実施し、杭打設や捨石投入など工事中に発生する濁りの拡散予測システムを整備しております。

臨海企業から要請の多い浚渫土砂の減容化技術の開発に、継続的に取り組んでおります。

 

 (不動産事業)

 特段の研究開発活動は行っておりません。