当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、すべてのステークホルダーと連携し、工事を通して安心・信頼を提供していくことが建設業の社会的使命と考え、下記の企業理念と経営理念を掲げております。
企業理念: 内外一致 同心協力
経営理念:「品質と安全」を核とした施工により、お客様の信頼を高め、社会に貢献する。
経営環境につきましては、国土強靱化や社会資本整備などの公共投資、民間設備投資とも堅調に推移すると想定されますが、物価高騰や労働人口減少は喫緊の課題であり、生産性向上や人的資本経営の推進は不可欠となります。また、気候変動への対応や人権尊重等の企業の社会的責任への取組は、企業理念である「内外一致 同心協力」に基づき、経営課題として積極的に推進してまいります。
このような事業環境のもと、創業140周年にあたる2030年に向けた長期ビジョン『すべてのステークホルダーの期待に応えられる企業』に基づき、10年計画の第二期となる「中期経営計画(2024年度-2026年度)」を着実に推進しております。本計画の最終年度となる今年度も、引き続き『ステークホルダーとの連携強化による持続可能性の追求』を基本方針とし、過年度の成果と課題を踏まえつつ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けた取組を一層強化してまいります。
「中期経営計画(2024年度-2026年度)」の主な施策
基本方針 ステークホルダーとの連携強化による持続可能性の追求
SustainabilityⅠ 市場での持続可能性向上
・事業戦略-各部門の強みをいかした事業展開による案件の大規模化・高収益化
-新エネルギー分野への事業展開
・生産性向上
・市場ニーズにもとづく研究開発
・財務戦略
・IR強化
SustainabilityⅡ 組織の持続可能性向上
・人的資本経営
・働き方改革
・サプライチェーンの連携強化
・ガバナンス強化
SustainabilityⅢ 社会の持続可能性向上
・安全かつ良質なインフラの提供
・カーボンニュートラルの推進
・建設業の担い手確保
・地域貢献
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
「中期経営計画(2024年度-2026年度)」の最終年度に当たる2027年3月期の単体の業績予想は人的資本投資の増大を見込み、売上高1,130億円、経常利益62億円、当期純利益43億円を予定しております。なお、2027年3月期の当グループの業績予想は売上高1,160億円、経常利益65億円、当期純利益44億円を予定しております。
今後も引き続き各基本戦略を推進し、企業価値の向上に努めてまいります。
当社グループは、2021年に策定した長期ビジョンにおいて「品質と安全」を核とした施工をベースに、3つの持続性(市場での持続性、組織の持続性、社会の持続性)を追求していくことを基本方針として掲げ、2024年策定の「中期経営計画(2024年度-2026年度)」では、そのPHASE2として、「ステークホルダーとの連携強化による持続可能性の追求」を基本戦略として、事業基盤の強化とESG経営の推進に取り組んでおります。この一環として当社は持続可能な開発目標(SDGs)に賛同し、よりよい国際社会の実現に貢献するため、積極的に取組を進めております。その中でも、地球温暖化や気象災害の激甚化をはじめとする気候変動課題は喫緊の社会課題の一つと捉え、温室効果ガス排出量の削減や海洋環境の維持をはじめとする環境保全に配慮した活動を積極的に推進しております。また、サステナビリティ経営において、気候変動が事業に及ぼす影響についても重要なテーマと認識しており、TCFDガイドラインに則した気候変動リスク及び機会が及ぼす影響の評価と、それを受けた対応策の検討及び事業戦略への統合は、当社の持続的成長と企業価値向上に資するものと考えております。
なお、グループ内の業種の多様性により、現時点でグループ全体としての目標設定が完了していない状況です。今後、グループ全体で共有できる目標設定に向けた検討を進めていく予定です。
(1)ガバナンス
気候変動をはじめとするサステナビリティに関連する重要事項は、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会にて審議検討を行っております。また、委員会下に専門部会を設置し、各マテリアリティについての取組進捗を管理しております。サステナビリティ委員会は年1回開催し、各部会で審議検討された内容に対する実行計画の策定と進捗モニタリングを行い、決議事項は取締役会へ報告しております。また、取締役会は当社の環境課題や人的資本課題への対応方針及び実行計画等についての論議・監督を実施し、その決定事項は各部門の担当執行役員で構成される業務執行会議へ指示・報告することで、環境課題及び人的資本課題への審議・決議内容の全社的な経営戦略への統合を図っております。
(2)戦略
「社会の持続性」では、気候変動によるリスクと機会の特定及び、事業への影響度と対応策について考察しております。分析にあたっては、IPCCやIEAが公表するシナリオを用いて、産業革命期頃の世界平均気温と比較して2100年頃までに4℃上昇するとする4℃シナリオと、カーボンニュートラルへの取組により1.5℃~2℃程度に気温上昇が抑制される2℃未満シナリオの2つのシナリオを設定し、それぞれの世界観における2030年時点での当社への影響を想定しております。
4℃シナリオにおいては、化石燃料需要の成り行き的な拡大などを背景にアスファルト原材料価格の上昇が予測されるほか、台風や大雨をはじめとする異常気象の激甚化に伴う物理的リスクが拡大することによる直接的な被害が想定されます。しかしながら、気象災害による被害を防止・抑制するための、減災・防災工事需要の拡大も見込まれ、各事業における社会貢献の可能性についても模索・検討しております。
対して、2℃未満シナリオでは、炭素税や電力価格の高騰により操業コストの増加や、サプライチェーンにおける同様の影響から原材料コスト増が想定される一方、再生エネルギー需要の拡大から再生エネルギー関連工事が増加することが見込まれ、当社の豊富な太陽光、陸上風力、バイオマス、小水力関連の施工請負実績も背景として、積極的な関連工事への参画による事業機会を確認しております。なお、気象災害による被害額は4℃シナリオと比較して半減する一方で、熱中症リスクをはじめとする慢性的な気温上昇による労働効率の低下は双方のシナリオ共に同程度の影響を予想しております。
(3)リスク管理
サステナビリティ関連の変動リスク及び機会については、サステナビリティ委員会に報告され、各サステナビリティ課題と統合し、「社会にとっての重要度」「自社経営にとっての重要度」の2つの指標を軸に重要度の評価を行っております。また、特定した気候変動リスクについては、必要に応じて危機管理委員会にも共有され、危機管理委員会がその他リスクも含め統合的に管理を行っております。特定及び評価した各種リスクについてはリスク管理担当部署を置き、リスク管理規程に基づいてリスクが顕在化することを防止すると共に、リスクの軽減を図っております。具体的な取組事例として、近年の気温上昇と相まって発生する熱中症リスクを軽減するために、工事施工における対策を標準ルールとして定め熱中症の発生抑制を図っております。また、今後の気候変動に応じて変化するさまざまなリスクに対して、定期的にリスクの再評価を行い、対応策を講じていく体制を整えております。
機会については、必要に応じて主管部署にも共有され、主管部署が統合的に管理を行っております。
(4)指標及び目標
当社は、サステナビリティ課題における当社のマテリアリティの策定に際して、SDGsの目標年とされる2030年を長期目標とし、複数のKPIを設定しております。そのうち、気候変動に関わる目標としては、“施工段階におけるCO₂排出量を指標として、2030年度までに2013年度比40%削減”に向けて取組を推進しております。また、持続可能な国際社会への貢献努力として、再生可能エネルギー関連施設の建設工事への積極的な参画により、年間発電量総計100億kWh(出力100万kW級の原子力発電1基相当)分の施工実績を目指しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。
<特に重要なリスク>
(1)施工物等の瑕疵に対するリスク
施工管理の徹底により品質管理には万全を期しておりますが、提供する施工物及びその他製品について重大な瑕疵が発生した場合、当社グループの経営成績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。当社では、本社品質監理室及び支店の品質アドバイザーによる品質監理を強化しております。また、発生した瑕疵に対しましては、誠実な顧客対応と確実な是正措置を実施し、信用回復に取り組んでまいります。
(2)重大な労働災害の発生リスク
当社では「効果的なリスクアセスメントを実践する」を基本方針とする年間安全管理計画に基づき、安全管理には万全を期しておりますが、施工において重大な労働災害が発生した場合、多大な補償費等の負担や社会的信用の低下により当社グループの経営成績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。労働安全マネジメントシステムの効果的な運用及び継続的な改善により、施工における労働災害の撲滅に努めてまいります。
(3)建設市場の変動リスク
世界の経済動向、天災または悪天候等に左右される建設需要の動向や資材価格の高騰は、主たる売上を建設業としている当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。今後の民間設備投資額が大きく減少する場合、当社グループの受注活動における変動リスクとなると考えられます。そのため、比較的影響を受けにくいと想定される官庁工事や再生可能エネルギー分野への重点的な取組を行ってまいります。
(4)財務に関するリスク
市場環境の予期せぬ急変等により、金融機関の支援体制の変化、受注環境の悪化、販売用不動産及び賃貸用不動産の時価の下落等に陥った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。この対策として資金面におきましては、取引金融機関との間で既存のシンジケートローン契約を更改いたしました。また、季節変動資金にも機動的に対応できる状況を整え、より安定的な資金調達態勢を確保しております。
<重要なリスク>
(1)コンプライアンス違反リスク
当社グループは、法令・規制の遵守の徹底に加え、従業員等によるコンプライアンス遵守を推進しておりますが、個人的な不正行為を含め、重大な法令違反等を引き起こした場合には、顧客や社会からの信頼を失うとともに、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社では専門性の高いメンバーによる社内ヒアリングを実施し、コンプライアンスの周知を図っております。
(2)重要な訴訟等
当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、紛争、その他の法律手続きの対象となるリスクがあります。これらの法的リスクについては当社グループの法務部門が管理しており、必要に応じて取締役会及び監査役会に報告しております。当連結会計年度において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社では、リスク統括部において常に訴訟の可能性について情報収集し、迅速な対応が図れる体制を整えております。
(3)情報セキュリティに対するリスク
事業活動を行う過程で機密情報や事業の過程で入手した顧客情報のセキュリティについては細心の注意を払っておりますが、万が一保護すべき情報が外部からの攻撃や従業員の過失等によって漏洩又は消失した場合には、顧客や社会からの信用を失うとともに、取引の停止や損害賠償により業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社情報システムには安全対策を施しているものの、高度化するサイバー攻撃にさらされた場合、データの消失やシステム障害により業務が停止する可能性があります。情報セキュリティー規程に基づき、最新のシステム保全対策を維持するとともに全社員を対象とするサイバーセキュリティ教育を実施しリスク軽減に努めております。
(4)人材の確保におけるリスク
近年の少子高齢化による労働人口の減少、また、建設業の担い手である技能労働者の高齢化が進んでおり、人材の確保が十分にできない場合には、長期的な視点から当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社では人事部人材開発課を中心に採用活動を強化するとともに、産官学による「海洋開発に関わる人材育成プログラム」などを通じて、建設業の担い手確保に努めてまいります。
(5)気候変動リスク
近年、気候変動により自然災害が激甚化する傾向にあり、台風や洪水等による施工現場への被害や施工遅延といった物理的リスクがあります。また、気候変動に伴い低炭素・脱炭素社会への移行に向けて、温室効果ガスの上限規制による施工量の制限や、炭素税を導入された場合、コスト増等により、事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は2021年6月、金融安定理事会により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同し、気候変動が事業に及ぼすリスクと機会の分析と対応についてコーポレートサイト上に開示しております。
(6)外部環境に係るリスク
当社グループは国内及び海外に建設事業を展開しており、その事業活動は地域の外部環境により大きく影響を受けることがあります。新型コロナウイルスなどの感染症については、引き続き集団感染等による工事中断リスクや事業進捗の不確実性などが生じる可能性があります。このため、社員及び取引先をはじめとするあらゆるステークホルダーの安全と健康を守り、安定的に事業運営を継続していくための対策を講じることを重要課題として取り組んでおります。
(7)海外活動に係るリスク
当社グループの海外売上高は連結売上高に対する割合は低いものの、海外の各国においては次のようなリスクがあります。そのため、これらの事象が発生した場合は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
①予期し得ない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更。
②為替相場の急激な変動による為替損失の発生。
③テロ、戦争等による社会的混乱。
(8)不動産価値下落リスク
当社グループは、国内各地において販売用不動産及び土地等の有形固定資産を保有しております。国内の不動産市況が悪化した場合には、販売用不動産の評価減及び固定資産の減損処理等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)市場リスク
当社グループは金融機関や取引先等の株式を保有しております。これらの株式は株式市場の価格変動リスクを負っておりますが、長期所有を原則としているため特別のヘッジ手段を用いておりません。
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、賃金上昇を背景とした個人消費の持ち直しや旺盛なインバウンド需要を受け、企業の設備投資は堅調に推移しました。一方、中東における米国・イラン間の緊張に伴う原油供給及び海上輸送の混乱等の地政学リスクに起因するエネルギー・資材への影響によるサプライチェーンの混乱に加え、米国の経済・通商政策に起因する不確実性の高まり、日銀の金利動向や為替相場の変動、物価上昇、気候変動等により、世界経済の先行きの不確実性が高い状況が続いています。
建設業界におきましては、公共投資・民間設備投資ともに堅調に推移している一方で、世界情勢の混乱に伴う建設資材供給の動向に注意を払う必要があるとともに、建設資材価格の高騰や労働人口の減少に伴う人手不足など、業界を取り巻く課題への継続的な取組が求められています。
当連結会計年度におきましては、土木・建築ともに大型工事を受注しました。売上高につきましては、大型工事の進捗が高水準で推移したことにより、1,047億円と前年と比べ21.1%の増加となりました。損益につきましては、DX投資・人的投資の拡大により販売費及び一般管理費が前年同期比5.9%増の79億円となったものの、売上高の増加と建築分野における生産性向上により、営業利益66億円(前年同期比27.4%増加)、経常利益64億円(前年同期比22.9%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は43億円(前年同期比18.4%増加)となりました。
なお、当社個別の受注高は1,279億円(前年同期比23.1%の増加)、繰越高は1,496億円(前年同期比21.6%の増加)となりました。
事業の種類別セグメントごとの業績を示すと次のとおりであります。(事業の種類別セグメントごとの業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(建設事業)
建設事業を取り巻く環境は、公共投資・民間設備投資ともに堅調に推移している一方で、世界情勢の混乱に伴う建設資材供給の動向に注意を払う必要があるとともに、建設資材価格の高騰や労働人口の減少に伴う人手不足など、業界を取り巻く課題への継続的な取組が求められています。
当社グループはそのような状況の中、努力を続けてまいりました。建設事業の売上高は、大型工事の進捗が高水準で推移したことにより1,028億円と前連結会計年度に比べ179億円(前年同期比21.2%増加)の増収となりました。損益につきましては、売上高の増加に伴う完成工事総利益の増加と建築分野における生産性向上により、営業利益84億円(前年同期比18.3%の増加)となりました。
(不動産事業)
不動産事業を取り巻く環境は、日本経済の緩やかな回復に支えられ、旺盛な不動産投資、地価の上昇・不動産価格の上昇が見られるなど、良好な市場環境にあります。
当社グループはこのような状況を考慮し販売活動を行い、売上高は4億円(前年同期比5.0%減少)、営業利益2億円(前年同期比11.6%増加)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当社グループは、キャッシュ・フローの安定化を図りながら、財務体質の改善・資産の効率化に取り組んでおります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に仕入債務の増加及び未成工事受入金等の増加により4億円の資金の増加(前年同期は102億円の減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に有形固定資産及び無形固定資産の取得により11億円の資金の減少(前年同期は18億円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に長期借入金の借入により70億円の資金の増加(前年同期は63億円の増加)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物期末残高は、期首残高から64億円増加し、196億円となりました。
生産、受注及び売上の実績
(1)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
建設事業(百万円) |
130,351 |
25.7 |
|
不動産事業(百万円) |
- |
- |
|
報告セグメント計(百万円) |
130,351 |
25.7 |
|
その他(百万円) |
255 |
△83.7 |
|
合計(百万円) |
130,607 |
24.0 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)売上実績
当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
建設事業(百万円) |
102,853 |
21.2 |
|
不動産事業(百万円) |
479 |
△5.0 |
|
報告セグメント計(百万円) |
103,333 |
21.0 |
|
その他(百万円) |
1,415 |
29.2 |
|
合計(百万円) |
104,748 |
21.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高等及びその割合は、次のとおりであります。
|
前連結会計年度 |
|
国土交通省 |
|
15,945百万円 |
|
18.4% |
|
|
|
防衛省 |
|
9,189百万円 |
|
10.6% |
|
当連結会計年度 |
|
国土交通省 |
|
21,453百万円 |
|
20.5% |
|
|
|
防衛省 |
|
12,400百万円 |
|
11.8% |
なお、参考として提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。
① 受注工事高、完成工事高、次期繰越工事高及び施工高
|
期別 |
工事別 |
前期繰越 工事高 (百万円) |
当期受注 工事高 (百万円) |
計 (百万円) |
当期完成 工事高 (百万円) |
次期繰越工事高 |
当期 施工高 (百万円) |
||
|
手持高 (百万円) |
うち施工高 (百万円) |
||||||||
|
第209期 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
建設事業 |
|
|
|
|
|
% |
|
|
|
海上土木 |
14,810 |
28,519 |
43,329 |
27,434 |
15,894 |
0.1 |
12 |
27,421 |
|
|
陸上土木 |
40,952 |
38,016 |
78,968 |
27,313 |
51,655 |
0.1 |
48 |
27,261 |
|
|
建築 |
45,578 |
35,954 |
81,533 |
27,485 |
54,048 |
0.1 |
37 |
27,460 |
|
|
合計 |
101,341 |
102,490 |
203,831 |
82,233 |
121,598 |
0.1 |
98 |
82,143 |
|
|
第210期 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
建設事業 |
|
|
|
|
|
% |
|
|
|
海上土木 |
15,894 |
40,102 |
55,997 |
27,893 |
28,104 |
0.0 |
0 |
27,881 |
|
|
陸上土木 |
51,655 |
30,745 |
82,400 |
36,250 |
46,150 |
0.0 |
14 |
36,216 |
|
|
建築 |
54,048 |
56,963 |
111,011 |
35,976 |
75,034 |
- |
- |
35,939 |
|
|
合計 |
121,598 |
127,811 |
249,409 |
100,120 |
149,289 |
0.0 |
15 |
100,037 |
|
(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。
2.次期繰越工事高の施工高は未成工事支出金により手持高の施工高を推定したものであります。
3.当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
|
期別 |
区分 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
|
第209期 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
海上土木工事 |
22.1 |
77.9 |
100 |
|
陸上土木工事 |
48.9 |
51.1 |
100 |
|
|
建築工事 |
53.3 |
46.7 |
100 |
|
|
第210期 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
海上土木工事 |
19.8 |
80.2 |
100 |
|
陸上土木工事 |
37.6 |
62.4 |
100 |
|
|
建築工事 |
77.9 |
22.1 |
100 |
(注) 百分率は請負金額比であります。
③ 完成工事高
|
期別 |
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
第209期 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
海上土木工事 |
19,118 |
8,316 |
27,434 |
|
陸上土木工事 |
19,129 |
8,183 |
27,313 |
|
|
建築工事 |
9,966 |
17,518 |
27,485 |
|
|
計 |
48,215 |
34,018 |
82,233 |
|
|
第210期 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
海上土木工事 |
21,499 |
6,394 |
27,893 |
|
陸上土木工事 |
25,469 |
10,780 |
36,250 |
|
|
建築工事 |
15,018 |
20,958 |
35,976 |
|
|
計 |
61,987 |
38,132 |
100,120 |
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第209期
|
国土交通省 |
・ |
令和6年度 四日市港霞ヶ浦北ふ頭地区岸壁(-14m)本体工事 |
|
国土交通省 |
・ |
名瀬第2合同庁舎(R4)建築その他工事 |
|
東京都 |
・ |
令和6年度中央防波堤外側外貿コンテナふ頭岸壁地盤改良工事(その1) |
|
三菱地所レジデンス株式会社 |
・ |
新宿区西新宿4丁目老人ホーム計画新築工事 |
|
西日本鉄道株式会社 |
・ |
(仮称)グランド・サンリヤン西新 新築工事 |
第210期
|
国土交通省 |
・ |
令和7年度 名古屋港新土砂処分場埋立護岸基礎及び余水吐設置工事 |
|
国土交通省 |
・ |
R4久慈川右岸上大賀地区整備工事 |
|
環境省 |
・ |
令和7年度飯舘村除染及び仮置場復旧等工事 |
|
株式会社ダイショウ |
・ |
(仮称)センチュリーマリーナ函館新館増築工事 |
|
東日本高速道路株式会社 |
・ |
首都圏中央連絡自動車道 坂東PA休憩施設新築工事 |
2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高等及びその割合は、次のとおりであります。
|
第209期 |
|
国土交通省 |
|
15,945百万円 |
|
19.1% |
|
|
|
防衛省 |
|
9,189百万円 |
|
11.0% |
|
第210期 |
|
国土交通省 |
|
21,453百万円 |
|
21.1% |
|
|
|
防衛省 |
|
12,400百万円 |
|
12.2% |
④ 手持工事高(2026年3月31日現在)
|
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
海上土木工事 |
21,471 |
6,632 |
28,104 |
|
陸上土木工事 |
30,267 |
15,883 |
46,150 |
|
建築工事 |
28,025 |
47,009 |
75,034 |
|
計 |
79,764 |
69,524 |
149,289 |
手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。
|
中央日本土地建物株式会社 |
・ |
(仮称)杉並区宮前5丁目計画 |
2027年12月竣工予定 |
|
日本製鉄株式会社 |
・ |
戸畑泊地桟橋更新・新設工事 |
2029年8月竣工予定 |
|
防衛省 |
・ |
防大(7)理工学館C棟新設建築工事 |
2028年2月竣工予定 |
|
国土交通省 |
・ |
和倉港・和倉港海岸護岸(西工区)(災害復旧)改良工事 |
2027年3月竣工予定 |
|
静岡県 |
・ |
令和5年度[第35-K1905-01号]一級河川沼川大規模特定河川対策工事(水門本体工) |
2028年3月竣工予定 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当社グループの経営成績は、「第2事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要(1)業績」に記載しているとおりであります。以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析しております。なお、各セグメントの業績は、セグメント間の内部売上高等を含んで表示しております。
①売上高の分析
当連結会計年度の連結売上高は1,047億円であります。これをセグメントごとに分析すると、建設事業の売上高は、前連結会計年度に比べ21.2%増加の1,028億円となり、不動産事業の売上高は、前連結会計年度に比べ5.0%減少の4億円となりました。
建設事業の売上高の増加は、大型工事の進捗が高水準で推移したことによるものです。今後も工事生産性の向上に取り組むとともに、民間取組案件の多様化を図り、風力発電・バイオマス発電等の再生可能エネルギー関連工事及び維持・修繕工事等の分野において顧客の拡大を図ってまいります。
官公庁・民間別受注工事高実績(提出会社)
|
区分 |
官公庁 (百万円) |
民間 (百万円) |
計 (百万円) |
官公庁比率 (%) |
民間比率 (%) |
|
2021年度 |
47,405 |
44,174 |
91,580 |
51.8 |
48.2 |
|
2022年度 |
60,365 |
29,206 |
89,571 |
67.4 |
32.6 |
|
2023年度 |
67,108 |
32,556 |
99,665 |
67.3 |
32.7 |
|
2024年度 |
54,853 |
47,637 |
102,490 |
53.5 |
46.5 |
|
2025年度 |
71,843 |
55,968 |
127,811 |
56.2 |
43.8 |
官公庁・民間別完成工事高実績(提出会社)
|
区分 |
官公庁 (百万円) |
民間 (百万円) |
計 (百万円) |
官公庁比率 (%) |
民間比率 (%) |
|
2021年度 |
48,707 |
36,385 |
85,093 |
57.2 |
42.8 |
|
2022年度 |
44,183 |
35,828 |
80,011 |
55.2 |
44.8 |
|
2023年度 |
58,565 |
32,520 |
91,086 |
64.3 |
35.7 |
|
2024年度 |
48,215 |
34,018 |
82,233 |
58.6 |
41.4 |
|
2025年度 |
61,987 |
38,132 |
100,120 |
61.9 |
38.1 |
②販売費及び一般管理費の分析
販売費及び一般管理費については、前連結会計年度に比べ5.9%増加の79億円となりました。これは主にDX投資・人的投資の拡大に伴う経費の増加によるものです。
③営業利益の分析
営業利益については、主に完成工事高の増加により前連結会計年度に比べ27.4%増加の66億円となりました。
当社は、2024年度を初年度とする「中期経営計画(2024年度-2026年度)」を策定し、中期経営計画の目標数値として最終年度での単体営業利益を65億円以上と設定しております。2年目に当たる2025年度の単体営業利益は62億円となりました。
④経常利益の分析
経常利益については、前連結会計年度に比べ22.9%増加の64億円となりました。これは主に③営業利益の分析の原因によるものであります。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益の分析
親会社株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度に比べ18.4%増加の43億円となりました。これは主に③営業利益の分析の原因及び④経常利益の分析の原因によるものであります。
(2)財政状態、資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資産、負債及び純資産の状況に関する分析
(資産)
流動資産は、主に現金預金が64億円増加、受取手形・完成工事未収入金等が139億円増加及び未収入金が61億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ279億円増加し、981億円となりました。
固定資産は、主に投資有価証券が17億円増加及び退職給付に係る資産が14億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ26億円増加し、242億円となりました。
主に上記の影響により、資産合計は前連結会計年度末に比べ305億円増加し、1,224億円となりました。
(負債)
流動負債は、主に支払手形・工事未払金等が51億円増加、短期借入金が39億円増加、未払法人税等が14億円増加、未成工事受入金等が47億円増加及び預り金が52億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ208億円増加し、587億円となりました。
固定負債は、主に長期借入金が49億円増加したことにより前連結会計年度末に比べ47億円増加し、89億円となりました。
以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ256億円増加し、676億円となりました。
(純資産)
純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により前連結会計年度末より49億円増加し、547億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの状況は、「第2事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。
資金需要の動向と株主還元への支出
当社の資金需要の動向につきましては、資本効率性の観点から、獲得した資金を今後の当社グループの成長に向けた投資と株主還元に振り分けることを目標としております。成長に向けた投資につきましては、作業船をはじめとする施工能力拡大を図るための設備投資、競争力強化に繋がる研究・開発費用の支出、基幹システムの連携強化を図る等のDX投資、人員の確保・育成、活力の向上のための社員教育の充実等を計画しております。株主還元への支出につきましては、「中期経営計画(2024年度-2026年度)」に記載の通り、純資産配当率DOE3.6%を下限とする配当性向40%以上(単体)を目標としております。
財務政策
当社グループの運転資金需要の主なものは、工事施工に伴う材料費・外注費等の営業費用であり、当該支出は、工事代金及び長期借入、短期借入で賄っております。また、設備投資資金等については、工事代金及び長期借入等により調達することにしております。なお、重要な設備投資として、建設事業においてフローティングドッグの建造への投資、不動産事業において賃貸資産の取得、人的資本経営に資するための投資、ソフトウェア等への投資を計画しております。
2026年3月31日現在の主な有利子負債は、短期借入金161億円、長期借入金53億円となっており、前連結会計年度末に比べ89億円の有利子負債の増加となりました。今後は財務体質の改善・資産の効率化を推し進め、有利子負債の圧縮を図る方針であります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し総合的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。なお、販売用不動産の評価基準、工事損失引当金の計上基準に関する見積りについては「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
①一定の期間にわたり認識された収益に係る工事原価総額の見積り
当社グループの完成工事高の計上は進捗度を合理的に見積ることができる場合には、当該進捗度に応じて一定の期間にわたり収益を認識しております。一定の期間にわたり収益を認識する際の主要な見積りである工事原価総額については、過去の工事の施工実績を踏まえ、個々の案件に特有の状況を織り込んだ実行予算を基礎とするとともに、様々な状況変化を適時適切に見積りに反映しておりますが、市況の変動や気象条件等の外的要因によりその見積り額が変動した場合は工事損益に影響を及ぼす可能性があります。
②固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候把握、減損損失の認識や測定にあたっては慎重に検討しておりますが、市場価格の著しい下落、経営環境の変化による企業収益の大幅な低下等の要因により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
③繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(資本業務提携契約)
当社は、2026年2月12日、当社の株主である株式会社麻生(以下「麻生」といいます。)及びACVEホールディングス合同会社(以下ACVEホールディングスといい、麻生と総称して「麻生ら」といいます。)との間で、ACVEホールディングスが当社に対して公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施することを含む三者間の資本業務提携(以下「本資本業務提携」といいます。また、本公開買付け及び本資本業務提携を総称して「本取引」といいます。)に係る資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といいます。)を締結しており、その内容は次の通りであります。
(1)当該契約を締結した年月日
2026年2月12日
(2)当該契約の相手方の名称及び住所
麻生
|
名称 |
株式会社麻生 |
|
所在地 |
福岡県飯塚市芳雄町7番18号 |
ACVEホールディングス
|
名称 |
ACVEホールディングス合同会社 |
|
所在地 |
東京都千代田区丸の内三丁目2番3号 |
(3)当該合意の内容
①派遣取締役の選任等に関する合意
(a) 麻生らは、(i)当社の取締役候補者1名(以下、麻生らが推薦する取締役候補者を「麻生ら推薦取締役候補者」といいます。)を推薦することができるものとされております。麻生らが麻生ら推薦取締役候補者を推薦した場合、当社の指名・報酬諮問委員会(名称を問わず、当社の取締役の選解任に関する事項を諮問対象に含む任意の委員会をいいます。以下同じです。)は、当該者を当社の取締役候補者とすべきであるか、真摯に検討の上、当社の取締役会に答申するものとされており、麻生ら及び当社は、その答申内容に応じて、以下に定める対応を行うものとされております。
・ 当社の指名・報酬諮問委員会により、当該者を取締役候補者とすることにつき反対する旨の答申がなされた場合には、麻生らは、改めて、別の者を麻生ら推薦取締役候補者として推薦することができるものとされております。但し、当社の指名・報酬諮問委員会が取締役候補者についての懸念・疑念等を示した場合には、実務上合理的に可能な限り、当社は、麻生らとの間でその対応について誠実に協議を行うものとされております。
・ 上記以外の場合、当社は、麻生ら推薦取締役候補者の選任に関する議案を当社の定時株主総会に上程するものとされ、当該者を当社の取締役に選任するため、合理的な協力を行うものとされております。
(b) 麻生らは、当社の株主総会において、麻生ら推薦取締役候補者以外の取締役候補者の選任に関する議案について議決権を行使する場合には、当社の指名・報酬諮問委員会の答申内容を合理的な範囲で最大限尊重するものとされております。但し、本(b)の規定は、麻生らが、株式価値に重大な悪影響を生じさせる事由が発生し又はそのおそれがあると判断した場合、その他当社の企業価値及び株主利益の観点から合理的に必要と判断した場合に、麻生らが自らその裁量に基づき議決権その他の権利を行使することは制限されておりません。
(c) 当社は、麻生ら推薦取締役候補者以外の取締役候補者の選任に関する議案を株主総会に上程する場合で、麻生らが事前に要請する場合には、当該議案に関して誠実に協議に応じるものとされております。
(d) 麻生らは、麻生ら推薦取締役候補者が上記(a)に基づき取締役に選任された後(以下、選任された麻生ら推薦取締役候補者を「麻生ら推薦取締役」といいます。)、退任等(任期満了、辞任、解任を含み、退任等の理由を問いません。)をした場合には、上記(a)に基づき当該麻生ら推薦取締役の後任となるべき麻生ら推薦取締役候補者を推薦することができるものとされており、当社及び麻生らは、当該麻生ら推薦取締役候補者を上記(a)に従って取り扱うものとされております。
(e) 麻生らは、本公開買付けの決済完了後速やかに(遅くとも2026年4月24日までに)、上記(a)に基づき、麻生ら推薦取締役候補者に関する必要情報(当社の2026年3月期の定時株主総会の招集通知(株主総会参考書類を含みます。)の作成に必要となる情報を含みます。)を当社に通知するものとされており、当社は、上記(a)に基づく手続に従って、当社の2026年3月期の定時株主総会において、当該麻生ら推薦取締役候補者を候補者とする取締役選任議案を付議するものとされております。
②当社の株主総会又は取締役会において決議すべき事項について麻生らの事前の承諾を要する旨の合意
当社は当社グループ(下記「当該合意の目的」に定義します。)において、一定の事項(注1)を決定又は承認する場合には、麻生らと事前に協議の上、麻生らの事前の書面による承諾を得なければならないものとされております。但し、麻生らは、不合理に当該承諾を留保又は拒絶しないものとされております。
③麻生らによる株式の追加取得等に係る合意
麻生らは、麻生らが直接又は間接に保有する当社株式が当社の発行済株式総数の50.1%を上回るおそれがある行為を行おうとする場合には、当社の事前の書面による承諾を得るものとされております。
④希薄化防止措置等に係る合意
当社は、麻生らに対し、30日前までに書面による通知を行い、麻生らの事前の書面による承諾を取得した場合を除き、株式等の発行、処分又は付与に係る決定(会社法上の簡易組織再編を行う際に、株式等の発行、処分又は付与が伴う場合を含みます。)を行うことができないものとされております。但し、単元未満株式の売渡請求がなされてそれに応じる場合、本資本業務提携契約締結日時点で当社が導入している当社取締役及び執行役員を対象とした株式報酬制度に基づく場合、及び、麻生らの議決権比率が過半数を下回らない範囲で行う場合は除かれております。
また、当社は、本公開買付けに係る決済開始日後、麻生らの責めに帰すべき事由によらずに麻生らが保有する当社の株式の議決権保有割合が50.0%以下になった場合又はその蓋然性が高いと合理的に認められる場合において、麻生らが要請する場合には、当社及び麻生らは、麻生らに対する第三者割当増資その他当社及び麻生らが誠実に協議を行い別途合意する方法により、麻生らが保有する当社株式の議決権保有割合について過半数を維持するための措置をとるものとされております。
(4)当該合意の目的
当社は、1890年5月、北九州若松港の築造及び経営を目的として若松築港会社として創立されました。当社株式は、1961年10月に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)第二部に上場、1962年8月に東京証券取引所第一部に上場いたしました。その後、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、現在は東京証券取引所プライム市場に上場しております。なお、当社は、1893年7月に商号を若松築港株式会社に改め、さらに1902年7月、事業目的を同じくする洞海北湾埋渫合資会社を吸収合併しております。また、1965年7月に商号を現在の若築建設株式会社に変更し、1972年8月には川田工業株式会社、1975年7月には昭和ドレッジング株式会社を吸収合併し、現在に至っております。本書提出日現在において、当社のグループは、当社、子会社9社及び関連会社1社(以下、当社、子会社及び関連会社を総称して「当社グループ」といいます。)で構成されており、全てのステークホルダーと連携し、工事を通して安心・信頼を提供していくことが建設業の社会的使命と考え、企業理念として「内外一致 同心協力」、経営理念として「『品質と安全』を核とした施工により、お客様の信頼を高め、社会に貢献する。」を掲げ、建設事業及び不動産事業を主な事業として展開しております。
当社を取り巻く環境につきましては、国土強靱化や社会資本整備などの公共投資、民間設備投資とも堅調に推移すると想定されますが、物価高騰や労働人口減少は喫緊の課題であり、生産性向上や人的資本経営の推進は不可欠であると認識しております。当社は、このような経営環境の中で、当社が2024年5月14日に公表した「中期経営計画(2024年度-2026年度)」(以下「本中期経営計画」といいます。)において、「ステークホルダーとの連携強化による持続可能性の追求」を基本方針とし、官庁土木・官庁建築・民間土木・民間建築・海外事業・不動産事業を事業戦略の6本柱とした事業展開による案件の大規模化・高収益化、洋上風力発電等の再生可能エネルギー分野への事業展開、ICT(注2)の活用による生産性向上を目指しております。
一方、麻生グループ(麻生らを含む連結子会社105社及び持分法適用会社19社(2026年3月31日時点)から構成される企業グループをいいます。以下同じです。)は、明治5年(1872年)に創業者である麻生太吉氏が目尾御用炭山を採掘、石炭産業に着手したことにより、麻生商店を先駆けとして創業し、戦前は石炭事業を主たる事業とすると同時に、大正7年(1918年)に麻生商店の職員また地域の住民への医療の拡充を地域に代り担う目的をもって飯塚病院を開設したとのことです。昭和8年(1933年)には国内の産炭事業が国際的な価格競争力を失う中で、福岡県田川地区でセメント事業を開始し、昭和14年(1939年)には飯塚で現在の専門学校事業に繫がる、麻生塾を設立したとのことです。このように、時代とともにさまざまな分野に事業領域を拡大してきたとのことです。本日現在、麻生グループは、各種セメント及び生コンクリート等の製造販売を手掛けるセメント事業、病院経営に関するコンサルティング及び診療材料等の共同販売等を手掛ける医療関連事業、情報処理業及びソフトウェア開発等を手掛ける情報・ソフト事業、建設業及び土木業等を手掛ける建設土木事業等を中心とした幅広い分野に事業を展開しているとのことです。なお、ACVEホールディングス(所在地:東京都千代田区丸の内三丁目2番3号)は、株券等の取得及び所有等を目的として、2021年12月24日に、麻生の出資(出資比率100%)により設立されたとのことです。
当社は、本公開買付け及び本資本業務提携契約により、「社会システム変革への貢献」をミッションとし、医療、教育、建材、人材開発など九州地域に根ざした幅広い事業を有しているものの、島国日本において極めて重要な社会インフラである港湾整備に関しては接点が少ない麻生グループにおいて、北九州市若松港での創業以来130年以上にわたり全国各地の港湾整備事業で実績を有する当社をグループ企業に迎え入れることで、事業領域の拡大が可能になるものと考えております。また、護岸工事や浚渫工事等の海上における防災・減災分野を主力とする当社と、法面工事や地盤改良工事等の陸上における防災・減災分野への強みを持つ麻生グループの各企業それぞれが強みとする分野に関する施工技術や、各企業の受注先における工事の需要の動向などの知見の共有を行うといった連携をすることにより、防災・減災分野における領域の効率的な拡大など競争力の強化が可能になるものと考えているほか、麻生グループ及び当社グループの有する九州地区における地元企業とのネットワークを相互に活用し、当該地元企業との取引を拡大することにより共同で事業機会を創出することも視野に入れ、両グループともに創業当初からの基盤であり、当社事業の中核を成す同地区における土木事業や建築事業の更なる拡大も実現することが可能になるものと考えております。さらに、当社は、本中期経営計画において海外事業の展開や人材確保・育成を課題として認識しているところ、麻生グループが有するセメント、医療、教育、介護、建設土木といった幅広い事業基盤を活用し、麻生グループからの営業支援、人材交流、若い従業員や技術者育成を図るための社員への研修・教育ノウハウの共有、外国人受入れに関する支援等を受けることによって、当社における実効的な人材獲得・育成に係る施策の立案・実行を実施し、優秀な技術者の確保・育成及び技術伝承への取組の加速が可能になるものと考えていることに加え、当社は、「内外一致 同心協力」を企業理念とし、創業以来一貫して建設業に経営基盤をおき、「『品質と安全』を核とした施工により、お客様の信頼を高め、社会に貢献する。」を経営理念として、「国づくり」の根幹であり、長期的な視野で進められるべき社会インフラ整備の実績を積み重ねてきたところ、長期的な視野と社会貢献を目指す麻生グループの一員になることで、長期視点での戦略に基づく投資が可能になり、また当社役職員において当社の企業理念及び経営理念に対する理解と意識がより一層高まり、このような当社の企業理念及び経営理念の更なる推進が可能になるものと考えております。このように、当社は、当社と麻生の関係が深化することによるシナジーについても期待できると考えており、両社の企業価値の更なる向上を実現することを目的として業務提携を進めると共に、両社の信頼関係をより強固なものとし、業務提携を円滑かつ確実に進めるため、本資本業務提携契約を締結しました。さらに、当社と麻生グループとの歴史的な繋がりは深く、麻生グループの創業者である麻生太吉氏は、当社の前身である若松築港会社の発起人でありました。同氏が地域の発展を第一に考えて尽力されたことにより、若松港は大きく拡張・発展し、当社の祖業である若松港の港湾整備及び拡張につながりました。当社としては、麻生グループが、当社の創業時から2019年に当社株式を市場内買付けの方法により取得するまで、継続して当社の株主であったわけではないものの、こうした麻生太吉氏の尽力により、当社及び麻生グループは若松築港会社創業当時からの縁があり、当社及び麻生グループの強固な信頼関係と協力の礎が築かれたと考えており、このような当社と麻生グループとの間の歴史的な経緯も踏まえ、上記に記載の事項についても円滑に取り組むことができると考えております。なお、麻生は、2026年3月31日時点、東京証券取引所プライム市場に上場している当社株式5,424,200株(所有割合(注3)42.26%)を所有する当社の主要株主かつ筆頭株主であり、当社を連結子会社としています。
(5)取締役会における検討状況その他の当該提出会社における当該合意に係る意思決定に至る過程
当社は、2026年2月12日開催の当社取締役会において、本取引に係る当社のリーガル・アドバイザーである西村あさひ法律事務所・外国法共同事業から受けた法的助言、及び本取引に係る当社のファイナンシャル・アドバイザーである山田コンサルティンググループ株式会社から受けた助言の内容を踏まえつつ、慎重に検討・協議を行い、本資本業務提携契約の締結を決定いたしました。
(6)当該合意が当該提出会社の企業統治に及ぼす影響
本資本業務提携に係る合意は、本資本業務提携が当社と麻生の企業価値の更なる向上を実現することを目的として業務提携を進めると共に、両社の信頼関係をより強固なものとすることを目的としたものであること、本資本業務提携契約において、麻生らが当社の経営の独立性を尊重する方針であることを確認していること、麻生らが直接又は間接に保有する当社株式が当社の発行済株式総数の50.1%を上回るおそれがある行為を行おうとする場合には、当社の事前の書面による承諾を得ることを規定していること等により、当社の経営の独立性を確保しており、いずれも当社のガバナンスへの影響は軽微と考えております。
(注)1.①100億円以上の借財(但し、運転資金の借入は除かれます。)、②上場廃止基準に該当する若しくはそのおそれが高い行為又は上場廃止の申請、③本資本業務提携と実質的に矛盾若しくは抵触し、又は、本業務提携の効果を大幅に減殺若しくは阻害する業務提携(合弁会社の設立及びライセンスの付与を含みます。)(但し、当社における適時開示基準に該当しない軽微なものを除きます。)に関する事項をいいます。
2.「ICT」とは、「Information and Communication Technology」の略であり、情報通信技術のことをいいます。
3.発行済株式の総数に対する所有株式数の割合は、自己株式128,438株を控除して計算しております。なお、当該控除した自己株式には「役員向け株式交付信託」制度導入のために設定した株式会社日本カストディ銀行(信託口)が所有する当社株式109,200株は含まれておりません。
(財務制限条項が付された借入金契約)
当社は金融機関との間で財務制限条項が付された借入金契約を締結しており、その内容は次の通りであります。
(1)シンジケーション方式タームローン
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契約締結日 |
2025年9月25日 |
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相手先の属性 |
信託銀行、都市銀行、地方銀行 計10行 |
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2026年3月末残高 |
6,750百万円 |
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弁済期限 |
2030年9月30日 |
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担保の内容 |
無担保 |
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財務制限条項 |
①各事業年度末日の単体貸借対照表における純資産の部の金額を、2025年3月期又は直前の事業年度の末日の単体貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%の金額以上に維持すること。 ②各事業年度末日の単体損益計算書における経常損益を2期連続して損失としないこと。 |
(2)シンジケーション方式コミットメントライン契約(13,000百万円)
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契約締結日 |
2022年9月27日 |
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相手先の属性 |
信託銀行、都市銀行、地方銀行 計10行 |
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2026年3月末残高 |
6,000百万円 |
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弁済期限 |
2026年4月7日 |
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担保の内容 |
無担保 |
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財務制限条項 |
①各事業年度末日の単体貸借対照表における純資産の部の金額を、2025年3月期又は直前の事業年度の末日の単体貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%の金額以上に維持すること。 ②各事業年度末日の単体損益計算書における経常損益を2期連続して損失としないこと。 |
(建設事業)
当社の技術研究所では、(1)海洋構造物をはじめとする土木構造物の建設技術、(2)ICTを活用した施工現場の生産性・安全性向上技術、(3)音響測距技術を活用した水中作業の効率化、(4)臨海施設の維持管理・補修技術など、海洋・臨海域における多様な技術的ニーズに対応した研究開発の取組を行い、より実効性の高い技術の確立を図っております。
また、建設生産システムの高度化を図るために有用視されている(5)AI・AR活用技術は、施工管理分野においていくつかの開発成果を上げ、現場で順次運用しております。さらに(6)SDGsに貢献する技術開発も行っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、
主な研究開発の成果や研究開発中の技術は以下のとおりであります。
(1)土木構造物の建設技術
・軟弱地盤の改良や液状化対策に対する品質管理及び出来形管理について、映像情報、物理情報、温度や電気的な情報など、多様な情報を総合的に分析して行う管理手法を開発しております。
・ケーソン据付作業の完全自動化に向けて、注排水作業、ウインチ操作の制御技術、計測管理作業の遠隔化技術と、それらを統合的に管理運用するための技術を開発しております。
(2)施工現場の生産性・安全性向上技術
・国土交通省が推進する施工現場におけるICT活用については、ケーソン据付無人化システム、浚渫施工管理システム、ブロック据付無人化システム、クレーン作業監視システムなど、当社が独自で保有する技術の改良を随時行っております。
・潜水士の安全確保を目的として、潜水士の体調(脈拍・呼吸・体温など)や作業状況を、リアルタイムでモニタリングするシステムを開発しております。
・コンクリート工事における品質確保と生産性向上を目的として、AI技術を活用した締固め管理システムや水温制御パイプクーリングシステムの高度化に取り組んでおります。
(3)音響測距技術を活用した水中作業の効率化
・ナローマルチビームや水中ソナーなどの音響測距装置を活用しながら、水中構造物の築造工事における水中の可視化技術を実施工現場で運用しております。
・音響測距技術を活用して、ブロック据付作業の効率化・無人化技術を開発しております。
(4)臨海施設の維持管理・補修技術
・ROVやラジコンボートを活用して、臨海施設における劣化調査技術や、洋上風力施設における維持管理調査技術を対象にした技術開発を行っております。
(5)AI・AR活用技術
・人工知能(AI)による画像解析技術や、拡張現実(AR)による合成表示技術を活用して、一般航行船舶の安全確保や、現場作業員の災害防止、施工における検査や管理の効率化など、多方面にわたる技術開発を行っております。
(6)SDGs達成に貢献する技術
・環境保護と資源の有効活用を目的として、バイオマス焼却灰の有効活用や、建設副産物やリサイクル材を活用した藻場育成ブロックの技術開発を行っております。
(不動産事業)
特段の研究開発活動は行っておりません。