「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しています。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「堅実経営と誠実施工を信条に、社会から必要とされ続ける企業として、社業の発展を通じ広く社会に貢献する」ことを経営理念に掲げ、時代の趨勢、経営環境の変化に柔軟かつ迅速に対応して経営基盤の強化を図り、株主の期待に応え、ひいては社会に貢献することを基本方針としています。
当社グループでは、すべての事業活動においてこれらを踏まえ、ステークホルダーに信頼・満足・安心を提供していくことを目指しています。
(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
① 2030年に向けたビジョン
建設市場においては、今後も一定の建設需要が見込まれていますが、中長期的には、新設の建設投資の抑制
や技能労働者不足がさらに深刻化するなど、厳しい局面を迎えることが予想されます。
このような環境認識のもと、今後も長期的に事業を継続し、社会の持続的な発展に貢献するため、2019年4
月に将来のありたい姿を示す「2030年に向けたビジョン」を策定しました。
〔2030年に向けたビジョン〕
② 中期経営計画
「2030年に向けたビジョン」の実現に向けた最初の取り組みとして、2019年4月に「企業価値の向上」、「事業領域の拡大」及び「人的資源の活用」の3つを事業戦略の基本方針とする中期経営計画(2019~2021年
度)を策定しました。
具体的には、建設事業(土木事業・建築事業)における営業力の強化や技術優位性の構築、並びに全社的な
ESGへの取り組み強化を通じて「企業価値の向上」を図るとともに、不動産事業の強化や新規事業への参入
及び海外事業基盤の構築により「事業領域の拡大」を目指していきます。また、働き方改革、多様な人材の活
躍及び教育の強化に向けた取り組みにより「人的資源の活用」を進めていきます。
なお、計画最終年度における主要数値目標については、次のとおりです。
2022年3月期目標
(3) 経営環境及び対処すべき課題
わが国経済の先行きは、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、内外需ともに停滞が続くとみられることから、当面は厳しい状況で推移するものと思われます。建設業界においては、政策効果を背景に、公共投資は一定の底堅さを維持すると見込まれますが、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないなか、企業の設備投資動向や、工事の中断等による業績への影響が不透明であることなどから、予断を許さない状況が続くものと思われます。
このような中、当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた機動的な対応をとりつつ、事業を継続していく所存であり、「2030年に向けたビジョン」を見据え、「中期経営計画(2019~2021年度)」に基づき、「企業価値の向上」、「事業領域の拡大」及び「人的資源の活用」に向けた取り組みを展開しています。
具体的には、建設事業において、今後の需要増加が見込まれる防災・減災対策分野、維持管理・更新、リニューアル分野の強化、業界における競争力の強化や生産性の向上に資する技術開発の推進、多様化する顧客ニーズに応える設計・施工によるソリューション提案力の強化などに引き続き取り組んでいきます。不動産事業においては、優良な収益不動産の取得や開発事業の取り組みを強化するとともに、環境への配慮からリノベーションなどのストック活用にも取り組んでいきます。その他、収益基盤の多様化を目指し、PPP/コンセッションの推進や、エネルギー事業などの新規事業にも積極的に取り組んでいきます。また、工事所の4週8閉所の定着、休日・休暇取得の推進、所定外労働の削減など、働き方改革を着実に進めていきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響については、合理的に予見することが困難であるため記載していません。
当社グループは、これらのリスクに対して適切な管理を行い、業績等への影響の回避を図っています。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①建設投資の動向
事業環境の変化を見据え、事業戦略に基づき事業領域の拡大を目指すなど、強固な収益基盤の構築に努めてい
ますが、事業ポートフォリオに占める建設事業の割合が大きいため、財政政策の変更による公共投資の縮減や国
内外の景気後退等による民間設備投資の縮小など、受注環境が著しく悪化し受注競争が激化した場合には、業績
に影響を及ぼす可能性があります。
主要資材価格及び労務費の動向を常時注視し、大きな価格変動が見込まれる際には契約時期を調整する等により適正な価格での調達に努めていますが、原材料や原油価格の高騰、建設技能労働者の不足、需給バランスの偏り等により資材価格或いは労務費が高騰し、コスト増加分を請負代金に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
品質マネジメントシステムの運用により、施工案件の品質管理の徹底に努めており、品質トラブル及び顧客クレーム発生時には原因調査や是正を迅速に行っていますが、設計、施工等のサイクルにおいて、万一、重大な欠陥が発生した場合には、企業評価の悪化や契約不適合責任に基づく損害賠償金の支払い等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
労働安全衛生マネジメントシステムの運用により、事業所及び建設現場において安全衛生パトロールを実施する等、安全衛生管理には万全を期しており、災害発生時には原因調査や是正を迅速に行っていますが、万一、重大事故や労働災害が発生した場合には、企業評価の悪化や関係官庁からの行政処分等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
顧客及び協力会社についての信用調査を慎重かつ徹底的に行いリスク回避に努めていますが、万一、取引先が信用不安に陥った場合には、債権の回収不能や施工遅延による追加費用の発生等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
事業戦略に基づき、事業領域の拡大のため不動産事業の強化を図っており、不動産取得に際しては採算性等に関する十分な検討を行っていますが、国内外の景気動向や金利動向、不動産市況に著しい変化が生じた場合には、保有不動産の時価の著しい低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、取引関係の維持・強化等を目的として保有している有価証券等については、保有に伴う便益・リスクや企業価値向上に資するか等を定期的に精査し、縮減する等見直しを行っていますが、時価が著しく下落した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
PFI事業等の期間が長期にわたる事業においては、事業内容、採算性等を精査し参入の可否を慎重に判断していますが、経済動向、法的規制の変更、利用者減少等の市況の変化など、事業環境に著しい変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
事業戦略に基づき、事業領域の拡大のため海外事業基盤の構築を図っており、海外事業への取り組みに際しては、詳細な現地調査による情報収集に努めるとともに、為替リスクを回避するため、資金需要に応じた調達方法やヘッジ手段を検討していますが、進出国における政治・経済情勢・法制度や為替相場等に著しい変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
事業戦略に基づき、事業領域の拡大のため新規事業への参入を図っており、新規事業への取り組みに際しては、事業性、将来性等に関する十分な検討を行っていますが、予期しない政治・経済情勢、市場の急激な変化等により、事業環境に著しい変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
コンプライアンスの徹底を経営上の重要課題と位置づけ、役職員へのコンプライアンス教育を実施するほか、コンプライアンス委員会、談合防止専門委員会を設置し、法的規制の順守徹底を図っていますが、万一、法令違反が発生した場合には、社会的信用を著しく損ねるとともに、関係官庁からの行政処分や公共発注機関からの指名停止処分等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
大規模な自然災害等が発生した場合においても、事業活動を継続ないしは速やかに復旧し、必要な体制を構築できるよう事業継続計画(BCP)を整備していますが、地震、津波、風水害等の大規模自然災害や感染症の世界的流行が発生し、当社グループの従業員や保有資産に対する損害のほか、事業環境の悪化或いはその懸念が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
情報セキュリティ体制を構築し、サーバやパソコンの設置及びネットワークの維持管理等、情報システム全般について管理するとともに、事業活動を通じて得た顧客の機密情報について、細心の注意を払って管理していますが、万一、情報漏洩が発生した場合には、顧客や社会からの信用喪失や、損害賠償金の支払い等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値にその結果が反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しています。
当連結会計年度のわが国経済は、海外経済の減速が続くなか、消費税率引き上げや自然災害の影響による下押しに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、停滞感が急速に強まる状況で推移しました。そのような中、建設業界においては、公共投資を中心に建設投資が底堅さを維持したことから、総じて見れば安定した経営環境が続きました。
当社グループにおきましては、売上高は、前年同期に比べ2.5%増加した226,371百万円となりました。損益面では、土木事業の売上総利益率が改善しましたが、建築事業の売上総利益率の悪化等により、売上総利益は同7.8%減少した29,088百万円、営業利益は同16.0%減少した11,516百万円、経常利益は同12.0%減少した13,283百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損益の悪化等により同20.5%減少した9,795百万円となりました。
(売上高)
建築事業の売上高が前年同期に比べ1.4%減少しましたが、土木事業の売上高が同9.3%増加したため、売上高合計は同2.5%増加した226,371百万円となりました。
(売上総利益)
土木事業の売上総利益が前年同期に比べ18.7%増加しましたが、建築事業の売上総利益が同34.5%減少したため、売上総利益合計は同7.8%減少した29,088百万円となりました。
(販売費及び一般管理費)
調査研究費や連結子会社の経費が増加しましたが、従来、販売費及び一般管理費で処理していた支社店内部門の人件費の一部について工事原価で処理する方法に変更したこと等により、前年同期に比べ254百万円減少した17,571百万円となりました。
(営業損益)
営業利益は、売上総利益の減少等により、前年同期に比べ16.0%減少した11,516百万円となりました。
(営業外損益)
連結子会社の事業資金調達費用の発生等により営業外費用が前年同期に比べ326百万円増加しましたが、過去の貸倒実績をもとに算出している一般債権にかかる引当率の低下による貸倒引当金戻入額の増加等により営業外収益が同711百万円増加したこと等により、営業外収支の黒字は同384百万円増加した1,766百万円となりました。
(経常損益)
経常利益は、営業利益の減少等により、前年同期に比べ12.0%減少した13,283百万円となりました。
(特別損益)
投資有価証券売却益が減少したこと等により特別利益が前年同期に比べ634百万円減少したことや、株式市場の下落に伴う投資有価証券評価損の増加等により特別損失が同368百万円増加したこと等により、特別損益の黒字は同1,003百万円減少した456百万円となりました。
(法人税等)
法人税、住民税及び事業税が前年同期に比べ47百万円増加、法人税等調整額が同257百万円減少し、法人税等は同210百万円減少した4,035百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べ20.5%減少した9,795百万円となりました。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しているとおり、当社グループは、2019年度を初年度とする「中期経営計画(2019~2021年度)」を策定しており、計画初年度である当連結会計年度の経営成績を、同計画における計画最終年度の主要数値目標と比較すると、次のとおりです。
引き続き、建設事業(土木事業・建築事業)における営業力の強化や技術優位性の構築、並びに全社的なESGへの取り組み強化を通じた「企業価値の向上」、不動産事業の強化や新規事業への参入及び海外事業基盤の構築による「事業領域の拡大」、働き方改革、多様な人材の活躍及び教育の強化に向けた取り組みによる「人的資源の活用」を進めることにより、数値目標の達成を目指していきます。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期との比較・分析は、変更後の区分に基づいています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載しています。
(土木事業)
売上高は前年同期に比べ9.3%増加した100,145百万円、営業利益は、売上高の増加に加え、前連結会計年度に続き売上高に占める高採算工事の割合が高く、特定の大型工事における損益の改善や想定以上の設計変更を獲得できたこと等により同42.5%増加した8,836百万円となりました。
(建築事業)
売上高は前年同期に比べ1.4%減少した116,759百万円、営業利益は、売上高の減少に加え、一部工事で発生した工期逼迫や施工計画の大幅な変更による損益悪化の影響等により同97.4%減少した109百万円となりました。
(投資開発事業)
売上高は前年同期に比べ2.5%増加した4,792百万円、営業利益は、新規事業として取り組んでいる再生可能エネルギー事業が、現在発電施設の建設中であるため売上高を計上しておらず、運営開始に向けた準備経費が先行して発生していること等により同27.2%減少した2,138百万円となりました。
(その他)
売上高は前年同期に比べ24.5%減少した4,674百万円、営業利益は同29.4%増加した551百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は次のとおりです。
② 売上実績
(注) 1 当社グループにおいては、土木事業、建築事業以外での受注及び生産は僅少なため、受注実績については、土木事業、建築事業のみ記載しています。
2 当社グループが営んでいる事業の大部分を占める土木事業、建築事業では、生産実績を定義することが
困難なため、「生産の状況」は記載していません。
3 受注実績、売上実績については、セグメント間の取引を相殺消去して記載しています。
4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりです。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高に
その増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比です。
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりです。
前事業年度
当事業年度
2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
④ 次期繰越工事高(2020年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりです。
(3) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は294,919百万円、負債合計は138,807百万円、純資産合計は156,111百万円となりました。また、当社グループの自己資本比率は53.1%(前連結会計年度末は56.6%)となりました。
流動資産は、現金預金、有価証券が減少しましたが、受取手形・完成工事未収入金等が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,921百万円増加した171,664百万円となりました。
固定資産は、投資有価証券が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,692百万円減少した123,254百万円となりました。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,771百万円減少した294,919百万円となりました。
流動負債は、預り金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,969百万円増加した112,990百万円となりました。
固定負債は、ノンリコース借入金を新たに計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,547百万円増加した25,817百万円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ9,517百万円増加した138,807百万円となりました。
純資産合計は、配当金の支払い、自己株式の取得及びその他有価証券評価差額金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ12,288百万円減少した156,111百万円となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により11,745百万円、投資活動により9,554百万円、財務活動により1,298百万円それぞれ減少したことにより、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ22,575百万円減少した27,258百万円となりました。
税金等調整前当期純利益の計上等により資金が増加しましたが、売上債権の増加及び法人税等の支払い等により、11,745百万円の資金減少となりました。(前連結会計年度は、9,198百万円の資金増加)
再生可能エネルギー事業の発電施設の建設を進めていることや収益不動産を複数取得したこと等により、9,554百万円の資金減少となりました。(前連結会計年度は、3,364百万円の資金減少)
再生可能エネルギー事業にかかる事業資金をノンリコース借入で調達したこと等により資金が増加しましたが、株主還元政策に基づく配当金の支払い及び自己株式の取得等により、1,298百万円の資金減少となりました。(前連結会計年度は、10,477百万円の資金減少)
キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
(注)1 キャッシュ・フロー指標のトレンドの計算式及び算出に利用した数字のベースについては次のとおりです。
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対
象としています。
営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー
を使用しています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使
用しています。
2 当連結会計年度のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオに
ついては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載していません。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の完成に要する外注費等の工事費や人件費等の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。
また、「中期経営計画(2019~2021年度)」では「企業価値の向上」「事業領域の拡大」「人的資源の活用」の3つの方針を定め、これらに戦略的に投資することとしています。
上記の資金需要に対し、自己資金の活用及び金融機関からの借入(ノンリコース借入を含む)を基本として必要資金の調達を行う方針です。
なお、当社グループは運転資金の効率的かつ機動的な調達を行うため、取引銀行3行と総額80億円のコミットメントライン契約を締結しており、緊急の資金需要等の流動性リスクに備えています。
特記すべき事項はありません。
当社グループは、土木本部、建築本部及び技術研究所を中心に基礎・応用・開発の各分野で広範な技術開発を促進するとともに、重要なテーマに対しては社内横断的なプロジェクトチームを編成し、効率的な研究開発を推進しています。
また、多様化する社会及び顧客のニーズに的確に対応するため、学際、業際分野において共同研究の強化を行っています。
当社グループの当連結会計年度における研究開発に要した費用の総額は
セグメントごとの研究開発活動について示すと次のとおりです。
(1) トンネルの補修・補強工事に用いる曲面天井用研掃システムを開発
インフラ施設の補修・補強工事における天井コンクリート表面の研掃作業の効率化、粉塵飛散の抑制、安全性の向上を図るべく、作業の機械化に取り組んできました。このたび、すでに機械化に成功している平面状のコンクリート表面に加え、トンネルなどの曲面状のコンクリート表面にも対応できるシステムを開発しました。
本システムは、天井コンクリート表面に押し当てる研掃ヘッドに首振り機能を付与するとともに、センサーを用いてコンクリート表面と研削ノズルとの距離を一定に保つことで曲面の研掃を可能にし、研掃に伴う粉塵などの飛散を、研削ノズル近傍の吸引口からのバキューム吸引と2重の飛散防止枠により抑制します。
今後は、リニューアル工事において、作業環境の改善や作業効率の向上が図られる施工技術として、積極的に提案していきます。
(2) 覆工コンクリートの高速打設システムを高度化
当社が開発した覆工コンクリートの高速打設システムに、ひび割れ誘発目地を形成する技術を付加することで、システムの高度化を図りました。
本システムは、一回の打設スパン長を延伸する“ロングスパンセントル方式”による打設を「前後同時」、「左右同時」、「圧入方式の併用」という3つの要素技術により高速化するもので、スパン長が長いことによる不特定箇所でのひび割れ発生リスクの低減が課題でした。そこで、本システムに、セントル中央の周方向に連続して設置した金属製目地板を、コンクリート打設後に順次引き抜く方法でひび割れ誘発目地を形成する技術を付加し、模擬トンネルでの実規模施工実験により、不特定箇所でのひび割れ発生の抑制に有効であることを確認しました。
今後は、本システムの実工事への本格適用に向け、さらなるブラッシュアップを図るとともに、山岳トンネルの急速施工技術として積極的に提案していきます。
建築事業では、建築物の機能・価格・工期などにおいて優位性を持つための技術、安全性や快適性をより高めるための免震・制震技術や室内環境技術、持続可能な社会の実現を目指した省エネ・省資源技術やストック活用技術、さらに周辺地域への影響や工事環境を改善する技術の開発などに取り組んでいます。
大地震時の安全性と平常時の微振動抑制機能を併せ持った高性能な免震システム「オールラウンド免震」を開発し、精密加工工具メーカーの開発センターに適用しました。
免震構造は、耐震構造に比べて微振動(人が感じない非常に小さな揺れ)の影響を受けやすいため、精密機械を用いて生産や研究を行う施設に採用する際は、加工精度や生産性などへの影響を考慮し、対策を行う必要があります。本システムは、従来の免震装置に振動エネルギーを吸収する「微振動対策ダンパー」を併用することで、平常時の微振動を抑制するものです。
今後は、大きな揺れから小さな揺れまでオールラウンドに対応できる技術として、本システムを積極的に展開していく予定です。
奥村組技術研究所管理棟を、快適な室内空間を実現しながら、建物で消費するエネルギー「ゼロ」を目指すZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化改修し、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)認証のNearly ZEB評価を取得するとともに、(一社)環境共創イニシアチブが公募するZEBリーディング・オーナーに認定登録されました。
本建物に、省エネ技術として①高断熱化外皮、②高効率空調、③高効率LED照明、④タスク・アンビエント照明などを採用し、創エネ技術として太陽光発電を採用することで、一次エネルギー消費量を基準ビルに対して76%削減しました。
本建物で得られた知見を生かし、ZEBプランナーとして、またZEBリーディング・オーナーとして、ZEBの積極的な展開を図り、脱炭素社会の実現を目指します。
研究開発活動は特段行われていません。
研究開発活動は特段行われていません。