文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「堅実経営と誠実施工を信条に、社会から必要とされ続ける企業として、社業の発展を通じ広く社会に貢献する」ことを経営理念に掲げ、時代の趨勢、経営環境の変化に柔軟かつ迅速に対応して経営基盤の強化を図り、株主の期待に応え、ひいては社会に貢献することを基本方針としています。
当社グループでは、すべての事業活動においてこれらを踏まえ、ステークホルダーに信頼・満足・安心を提供していくことを目指しています。
(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
① 2030年に向けたビジョン
建設市場においては、防災・減災対策、インフラ長寿命化、PPP/PFI事業の拡大、DXの推進や脱炭素に向けた投資など一定の需要が見込まれるものの、中長期的には、いまだ収束が見通せない新型コロナウイルス感染症や地政学的リスクによる景気への影響に加え、新設の建設投資の抑制、物価上昇による建設コストのさらなる高騰、技能労働者不足の深刻化が懸念されるなど、経営環境は一層厳しさを増すことが予想されます。
このような環境認識のもと、今後も長期的に事業を継続し、社会の持続的な発展に貢献するため、将来のありたい姿を示した「2030年に向けたビジョン」の実現に向け、様々な取り組みを展開しています。

② 中期経営計画
「2030年に向けたビジョン」の実現に向けた第2のステップとして、2022年5月に「中期経営計画(2022~2024年度)」を策定しました。

同計画の概要については、次のとおりです。





なお、「2030年に向けたビジョン」及び「中期経営計画(2022~2024年度)」の詳細については、当社ウェブサイトに掲載しています。
・2030年に向けたビジョン
https://www.okumuragumi.co.jp/corporate/vision/
・中期経営計画(2022~2024年度)
https://www.okumuragumi.co.jp/corporate/plan/
(3) 経営環境及び対処すべき課題
わが国経済の先行きは、新型コロナウイルス感染症の影響による振れを伴いつつも、政策効果等を下支えに緩やかな回復基調を辿ることが期待されていますが、同感染症の動向や地政学的リスクなど不透明感が強く、予断を許さない状況が続くものと思われます。建設業界においては、公共投資を中心に建設投資は底堅く推移すると見込まれますが、建設コストのさらなる上昇が懸念されるなど、経営環境は一層厳しさを増すものと思われます。
当社グループにおいては、経営環境が加速度的に変化し社会のニーズが多様化する中、今後も長期的に事業を継続することで、社会の持続的な発展に貢献していく所存であり、「2030年に向けたビジョン」の実現を見据えた第2のステップとして、「中期経営計画(2022~2024年度)」を策定しました。本計画においては、前中期経営計画に掲げた事業戦略の基本方針を踏襲しつつ、これまでの取り組みをさらに深化させていきます。
具体的には、業務改革や戦略的な技術開発・DXの推進等による生産性及び技術優位性の向上、並びにESG/SDGsへの取り組み強化を通じて「企業価値の向上」を継続的に図るとともに、不動産事業及び新規事業のさらなる拡大や海外事業基盤の構築により「事業領域の拡大」を推進していきます。また、働き方改革の推進や事業戦略を支える多様な人材の活躍及び教育の強化に向けた取り組みにより「人的資源の活用」を引き続き進めていきます。
なお、中期経営計画においては、サステナビリティを巡る課題の解決に向けた方策を反映することで、事業活動とESG/SDGsに関わる取り組みを一体的に推進することとしています。
<気候変動への対応(TCFDの枠組みに基づく気候関連の情報開示)>
当社グループは、「人と地球に優しい環境の創造と保全」を基本理念に掲げ、環境汚染の予防、環境負荷の低減及び環境の保全に努めています。気候変動をはじめとするサステナビリティを巡る課題への対応について、重要な経営課題であるとの認識のもと、「持続可能な社会の実現」に向けた取り組みを進めています。
〔TCFD提言への賛同〕
2022年4月に、TCFD提言への賛同を表明しています。TCFDが推奨している「①ガバナンス」、「②戦略」、「③リスク管理」、「④指標と目標」の4つの枠組みに基づいて、気候変動に関わる情報開示を進めるとともに、持続可能な社会の実現を目指していきます。

①ガバナンス
取締役会の監督の下、気候関連の方針、リスク及び機会の評価・管理をはじめ、ESG/SDGsに関連する課題等について審議し、戦略的な取り組みを推進する組織として、ESG/SDGs推進委員会を設置しています。
同委員会は、代表取締役社長を委員長、各本部組織の長及び東日本・西日本支社長を委員として構成し、その審議結果等について、必要に応じて取締役会に付議・報告することにしており、取締役会による監視が適切に図られる体制としています。

②戦略
「2℃以下シナリオ」及び「4℃シナリオ」に基づく検討(シナリオ分析)により、気候関連のリスク及び機会が組織に及ぼす影響を分析しました。
・2℃以下シナリオ:世界の平均気温の上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準を保ち、1.5℃に抑える努力
を継続することを想定したシナリオ
・4℃ シ ナ リ オ:世界の平均気温が産業革命前より4℃程度上昇することを想定したシナリオ
具体的には、気候関連を含めたESG/SDGsに関わるリスクと機会、それらが顕在化した場合のインパクトを分析し、その発生可能性と影響度の2軸により、それぞれのシナリオにおける重要度を評価のうえ、ESG/SDGsに関わる当社グループの課題を抽出しています。気候変動に関連したマテリアリティ(重要課題)として「レジリエントなインフラ整備への貢献」及び「環境に配慮した事業の推進」を特定したほか、事業活動の根幹となる「働き方改革の推進」についても、ESG/SDGsに関わる当社グループのマテリアリティ(重要課題)として特定しています。これらの課題解決に向けた方策を中期経営計画における各部門の施策等に反映することで、事業活動とESG/SDGsに関わる取り組みを一体的に推進することとしており、持続可能な社会の実現に向け、長期的に事業を継続していきます。
※1 リスクに関しては負のインパクト、機会に関しては正のインパクトを記載しています。
※2 発生可能性と影響度の2軸で重要度を評価しました。1~5の5段階で評価し、5が最も重要度が高いことを示しています(5:極めて高い、4:高い、3:中程度、2:低い、
1:極めて低い)。
※3 ESG/SDGsに関わる当社グループのマテリアリティ(重要課題)は太字下線で示しています。★印は、気候変動に関連した課題を示しています。
③リスク管理
気候関連を含めたリスクと機会及びインパクト、並びにESG/SDGsに関わる当社グループの課題は、ESG/SDGs推進委員会において、分析・識別・評価・管理のうえ、課題の重要度に応じて中期経営計画における各部門の施策の策定や見直し(レビュー)、リスク管理等に活用しています。
④指標と目標
当社グループは、気候関連のリスク及び機会を評価・管理する際に使用する指標と目標を次のとおり設定しています。なお、同目標は中期経営計画(2022~2024年度)における非財務目標としています。

また、GHGプロトコルの算定基準に基づいた温室効果ガス(GHG)排出削減目標として、次のとおり設定しています。

(注)当社グループは、SBT(※)認定を取得するため、温室効果ガス排出削減目標をSBT事務局へ提出
しています。現在、審査の順番待ちの状況であり、SBT事務局の審査内容によっては、目標を変更
する可能性があります。
※SBT (Science Based Targets)とは、パリ協定(世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回
る水準を保ち、1.5℃に抑える努力を継続するもの)が要求する水準と整合した、5~15年先を目標年と
して企業が設定する「温室効果ガス排出削減目標」のことです。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりで、当社グループはこれらのリスクに対して適切な管理を行い、業績等への影響の回避を図っています。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
なお、新型コロナウイルス感染症への対応については、政府や自治体の方針、ガイドラインに基づき、全国の事業所におけるテレワークの実施やオンライン会議の有効活用など、3密の回避を軸とした感染拡大防止対策を徹底することで事業活動への影響が最小限となるよう努めています。しかしながら、同感染症の収束時期は不透明であり、今後、感染再拡大によって顧客の投資意欲が減退し建設市場が縮小する等、事業環境が著しく変化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
①建設投資の動向
事業環境の変化を見据え、事業戦略に基づき事業領域の拡大を目指すなど、強固な収益基盤の構築に努めてい
ますが、事業ポートフォリオに占める建設事業の割合が大きいため、財政政策の変更による公共投資の縮減や国
内外の景気後退等による民間設備投資の縮小など、受注環境が著しく悪化し受注競争が激化した場合には、業績
に影響を及ぼす可能性があります。
主要資材価格及び労務費の動向を常時注視し、大きな価格変動が見込まれる際には契約時期を調整する等により適正な価格での調達に努めていますが、原材料や原油価格の高騰、建設技能労働者の不足、需給バランスの偏り等により資材価格或いは労務費が高騰し、コスト増加分を請負代金に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
品質マネジメントシステムの運用により、施工案件の品質管理の徹底に努めており、品質トラブル及び顧客クレーム発生時には原因調査や是正を迅速に行っていますが、設計、施工等のサイクルにおいて、万一、重大な欠陥が発生した場合には、企業評価の悪化や契約不適合責任に基づく損害賠償金の支払い等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
労働安全衛生マネジメントシステムの運用により、事業所及び建設現場において安全衛生パトロールを実施する等、安全衛生管理には万全を期しており、災害発生時には原因調査や是正を迅速に行っていますが、万一、重大事故や労働災害が発生した場合には、企業評価の悪化や関係官庁からの行政処分等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
顧客及び協力会社についての信用調査を慎重かつ徹底的に行いリスク回避に努めていますが、万一、取引先が信用不安に陥った場合には、債権の回収不能や施工遅延による追加費用の発生等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
事業戦略に基づき、事業領域の拡大のため不動産事業の強化を図っており、不動産取得に際しては採算性等に関する十分な検討を行っていますが、国内外の景気動向や金利動向、不動産市況に著しい変化が生じた場合には、保有不動産の時価の著しい低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、取引関係の維持・強化等を目的として保有している有価証券等については、保有に伴う便益・リスクや企業価値向上に資するか等を定期的に精査し、縮減する等見直しを行っていますが、時価が著しく下落した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
PFI事業等の期間が長期にわたる事業においては、事業内容、採算性等を精査し参入の可否を慎重に判断していますが、経済動向、法的規制の変更、利用者減少等の市況の変化など、事業環境に著しい変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
事業戦略に基づき、事業領域の拡大のため海外事業基盤の構築を図っており、海外事業への取り組みに際しては、詳細な現地調査による情報収集に努めるとともに、為替リスクを回避するため、資金需要に応じた調達方法やヘッジ手段を検討していますが、進出国における政治・経済情勢・法制度や為替相場等に著しい変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨新規事業展開のリスク
事業戦略に基づき、事業領域の拡大のため新規事業への参入を図っており、再生可能エネルギー事業等の新規事業への取り組みに際しては、事業性、将来性等に関する十分な検討を行っていますが、予期しない政治・経済情勢、市場の急激な変化等により、事業環境に著しい変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
コンプライアンスの徹底を経営上の重要課題と位置づけ、役職員へのコンプライアンス教育を実施するほか、コンプライアンス委員会、談合防止専門委員会を設置し、法的規制の遵守徹底を図っていますが、万一、法令違反が発生した場合には、社会的信用を著しく損ねるとともに、関係官庁からの行政処分や公共発注機関からの指名停止処分等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
大規模な自然災害等が発生した場合においても、事業活動を継続ないしは速やかに復旧し、必要な体制を構築できるよう事業継続計画(BCP)を整備していますが、地震、津波、風水害等の大規模自然災害や感染症の世界的流行が発生し、当社グループの従業員や保有資産に対する損害のほか、事業環境の悪化或いはその懸念が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、気候変動に関するリスク及び対応等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営環境及び対処すべき課題 気候変動への対応(TCFDの枠組みに基づく気候関連の情報開示)」に記載のとおりです。
情報セキュリティ体制を構築し、サーバやパソコンの設置及びネットワークの維持管理等、情報システム全般について管理するとともに、事業活動を通じて得た顧客の機密情報について、細心の注意を払って管理していますが、万一、情報漏洩が発生した場合には、顧客や社会からの信用喪失や、損害賠償金の支払い等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更) 及び (セグメント情報等)」に記載しています。
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響下において、ワクチン接種が進展した一方、新たな変異株が流行するなど、一進一退の展開が続くなか、ウクライナ情勢の悪化等を背景に不透明感が強まる状況で推移しました。そのような中、建設業界においては、各種政策の下支えもあり、建設投資は一定の底堅さを維持したものの、受注競争の激化や鋼材をはじめとする資材価格の高騰が進むなど、厳しい事業環境に置かれました。
当社グループにおいては、売上高は、建築事業の増加等により、前年同期に比べ9.9%増加した242,458百万円となり、売上総利益は、売上高が増加したこと等により、同1.1%増加した31,837百万円となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費の増加により、同1.8%減少した12,647百万円、経常利益は同5.2%減少した14,012百万円となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益が増加したこと等により、同21.9%増加した12,541百万円となりました。
(売上高)
土木事業の売上高が前年同期に比べ10.9%減少しましたが、建築事業の売上高が同30.0%増加したため、売上高合計は同9.9%増加した242,458百万円となりました。
(売上総利益)
土木事業の売上総利益が前年同期に比べ2.8%減少しましたが、建築事業の売上総利益が同9.2%増加したため、売上総利益合計は同1.1%増加した31,837百万円となりました。
(販売費及び一般管理費)
生産性の向上を図るため業務改革推進プロジェクトチームを新設したことによる人件費やシステム導入に伴うICT関連費用が増加したこと等により、前年同期に比べ591百万円増加した19,190百万円となりました。
(営業損益)
営業利益は、売上総利益が増加したものの、販売費及び一般管理費の増加により、前年同期に比べ1.8%減少した12,647百万円となりました。
(営業外損益)
前年同期に工事契約解除に伴う受取和解金や投資事業有限責任組合の当社持分利益の計上等があった反動により営業外収益が前年同期に比べ504百万円減少したことや、連結子会社の支払利息の増加等により営業外費用が同29百万円増加したことにより、営業外収支の黒字は同534百万円減少した1,365百万円となりました。
(経常損益)
経常利益は、営業利益の減少及び営業外収支の悪化により、前年同期に比べ5.2%減少した14,012百万円となりました。
(特別損益)
投資有価証券売却益が増加したこと等により特別利益が前年同期に比べ2,770百万円増加したことや、投資有価証券評価損が減少したこと等により特別損失が同299百万円減少したことにより、特別損益の黒字は同3,069百万円増加した3,190百万円となりました。
(法人税等)
法人税、住民税及び事業税が前年同期に比べ1,577百万円減少、法人税等調整額が同1,514百万円増加し、法人税等は同63百万円減少した5,188百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べ21.9%増加した12,541百万円となりました。
また、2019年度を初年度として策定しました中期経営計画(2019~2021年度)の計画最終年度である当連結会計年度の経営成績を、同計画における主要数値目標と比較すると、次のとおりです。
売上高については、建設投資は一定の底堅さを維持し、手持ち工事が順調に進捗したことなどから、概ね目標を達成することができましたが、受注競争の激化や鋼材をはじめとする資材価格の高騰が進むなど、事業環境は厳しさを増し、営業利益及び経常利益の目標は未達となりました。一方、政策保有株式の縮減や自己株式の取得などにより、ROEは目標を達成しており、今後も引き続き資本効率を重視した経営を推進していきます。
なお、2022年度を初年度とする中期経営計画(2022~2024年度)の数値目標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(土木事業)
売上高は前年同期に比べ10.9%減少した93,306百万円、営業利益は、高採算の手持工事を中心に損益改善が進み、売上総利益率が改善したこと等により同3.3%増加した9,547百万円となりました。
(建築事業)
売上高は前年同期が着工後間もない大型工事が複数あり施工高が伸びなかった反動等により、前年同期に比べ30.0%増加した136,599百万円、営業利益は、資材価格の高騰や受注時採算が低く売上総利益率が悪化したこと等により同55.7%減少した463百万円となりました。
(投資開発事業)
売上高は前年同期に比べ5.2%減少した4,838百万円、営業利益は同1.5%増加した2,112百万円となりました。
(その他)
売上高は前年同期に比べ32.9%増加した7,713百万円、営業利益は同7.3%減少した421百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は次のとおりです。
② 売上実績
(注) 1 当社グループにおいては、土木事業、建築事業以外での受注及び生産は僅少なため、受注実績については、土木事業、建築事業のみ記載しています。
2 当社グループが営んでいる事業の大部分を占める土木事業、建築事業では、生産実績を定義することが
困難なため、「生産の状況」は記載していません。
3 受注実績、売上実績については、セグメント間の取引を相殺消去して記載しています。
4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりです。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高に
その増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用
しており、当事業年度の前期繰越工事高は前事業年度の次期繰越工事高と比べて2,949百万円減少して
います。
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比です。
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりです。
前事業年度
当事業年度
2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
④ 次期繰越工事高(2022年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりです。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は332,348百万円、負債合計は164,923百万円、純資産合計は167,425百万円となりました。また、当社グループの自己資本比率は50.2%(前連結会計年度末は51.4%)となりました。
流動資産は、未成工事支出金、不動産事業支出金が減少しましたが、現金預金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,919百万円増加した192,014百万円となりました。
固定資産は、建設仮勘定が増加しましたが、投資有価証券が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,575百万円減少した140,334百万円となりました。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,343百万円増加した332,348百万円となりました。
流動負債は、未成工事受入金が減少しましたが、支払手形・工事未払金等が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,629百万円増加した126,810百万円となりました。
固定負債は、ノンリコース借入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,252百万円増加した38,112百万円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,881百万円増加した164,923百万円となりました。
純資産合計は、その他有価証券評価差額金が減少したこと及び自己株式の取得等により、前連結会計年度末に比べ538百万円減少した167,425百万円となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、投資活動により2,754百万円、財務活動により4,209百万円それぞれ減少しましたが、営業活動により18,289百万円増加したことにより、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ11,492百万円増加した31,622百万円となりました。
税金等調整前当期純利益の計上等により、18,289百万円の資金増加となりました。(前連結会計年度は、23百万円の資金増加)
有価証券及び投資有価証券の売却及び償還等により資金が増加しましたが、有形及び無形固定資産の取得等により、2,754百万円の資金減少となりました。(前連結会計年度は、8,963百万円の資金減少)
ノンリコース借入等により資金が増加しましたが、配当金の支払い及び自己株式の取得等により、4,209百万円の資金減少となりました。(前連結会計年度は、1,722百万円の資金増加)
キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
(注) キャッシュ・フロー指標のトレンドの計算式及び算出に利用した数字のベースについては次のとおりで
す。
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対
象としています。
営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー
を使用しています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使
用しています。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の完成に要する外注費等の工事費や人件費等の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。
また、「中期経営計画(2022~2024年度)」では「企業価値の向上」「事業領域の拡大」「人的資源の活用」を事業戦略の基本方針としており、これらに戦略的に投資することとしています。
上記の資金需要に対し、自己資金の活用及び金融機関からの借入(ノンリコース借入を含む)を基本として必要資金の調達を行う方針です。
なお、当社グループは運転資金の効率的かつ機動的な調達を行うため、取引銀行3行と総額80億円のコミットメントライン契約を締結しており、緊急の資金需要等の流動性リスクに備えています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
また、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しています。
特記すべき事項はありません。
当社グループは、DX(デジタルトランスフォーメーション)やカーボンニュートラルの実現に向けた技術革新への対応等について、社内外における取り組みをさらに充実させるべく、建設技術に関する業務を集約し、より戦略的な技術開発を推進するための統括組織として、2022年4月1日付で技術本部を新設し、効率的な研究開発を進めています。
当社グループの当連結会計年度における研究開発に要した費用の総額は
セグメントごとの研究開発活動について示すと次のとおりです。
(1) CIMによる5次元施工シミュレーションシステムを開発
建設工事における構造物の3次元モデル(CADオブジェクト)と工程情報(時間軸)を連携した4次元施工シミュレーションシステムに積算情報を加えた「5次元施工シミュレーションシステム」を開発しました。
本システムは、㈱パスコの3次元データ統合ソフト「PADMS」をベースとし、㈱ビーイングの工程管理ソフト「BeingProject-CCPM」と積算ソフト「Gaia」を連携させたものです。構造物のCADオブジェクトと工程情報、積算情報をIDで関連付けることで各情報を一元化し、時間軸で連動させることが可能となります。また、CADオブジェクトを工種ごとに色分けし、施工状況を可視化できるため、工程の進捗に応じた3次元モデルと積算情報のコストを一つの画面上で確認できます。さらに、本システムはシミュレーション機能を搭載しており、施工計画の変更に柔軟に対応することが可能です。
今後は、公共工事におけるBIM/CIMの原則適用を見据え、本システムの機能向上を図り、生産性向上に寄与するシステムとして展開していきます。
(2) 生物多様性の保全に貢献するビオトープを整備
建設工事において求められる動植物の環境保全対策や、工場・大規模商業施設などの敷地内の生態系に配慮した緑地整備など、生物多様性の保全に関する研究をさらに発展させるため、弊社技術研究所内に実験用ビオトープを整備しました。
ビオトープには、実験フィールドとなる「生育実験池」と「保全池」及び展示フィールドとなる「浮葉池」を設けました。流入水量や水位を調整できる5つの生育実験池では、異なる条件下における希少植物の生育状況を調査します。保全池では、植物の自生地以外での生育に向けた代償措置を実践します。また、浮葉池では、主に浮葉系の希少植物を生育・展示します。
今後、生物多様性の保全に貢献する研究を進めるとともに、ビオトープや緑地の設計・施工、維持管理に関する技術を蓄積し、顧客への提案につなげます。また、ビオトープを活用して地域の子どもたちの環境教育にも取り組んでいきます。
建築事業では、建築物の資産価値を維持し安全性を確保する免震・制振技術や、快適性を高める室内環境技術、SDGs達成にも貢献する省エネ・省資源・環境配慮技術などの開発、さらに企画・設計・施工の各フェーズにおける合理化に取り組んでいます。
既存建物の改修において既存梁に設備配管等の貫通孔を新たに設ける場合、貫通孔により低下した梁の構造性能を補強する必要がありますが、従来の認定補強工法は炭素繊維を用いるため高コストとなっていました。そこで、当社は炭素繊維を用いず、鋼板をアンカーで貫通孔の周りに固定して隙間をエポキシ充填する補強工法を開発し、(一財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC性能証明 第22-05号)を取得しました。
これにより、梁貫通孔の補強にかかるコストを従来よりも大幅に低減することができるようになりました。今後は、建物の長寿命化を支えるリノベーション技術の一つとして、積極的に展開していきます。
柱をRC造、梁をS造とするハイブリッド構造は、全てをRC造とする場合に比べて建物の大スパン化と躯体重量軽減の両立を可能とする合理的な構造ですが、柱梁接合部の鉄骨部材加工が煩雑になることが課題でした。そこで、梁の端部をRC造、中央部をS造とする「奥村式ハイブリッド梁構法」を開発し、(一財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC性能証明 第21-13号)を取得しました。
本構法を用いることで、柱梁接合部の合理化による施工性の向上及び躯体数量の低減が可能となります。また、従来のハイブリッド構法と併せて、建物の条件や顧客の要求性能に応じた最適な構法を選択できるようになります。今後は、大型物流倉庫や店舗などの設計施工案件で積極的に提案していきます。
研究開発活動は特段行われていません。
研究開発活動は特段行われていません。