我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にあるなか、ワクチン接種や経済対策等の各種政策により、回復基調を辿ることが期待されますが、依然として先行きは不透明であり、通商問題を巡る動向、原油価格や消費者物価など金融情勢の変動等についても留意していく必要があります。建設業界においても、新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、訪日外国人の減少や外出自粛、働き方の変化等により商業施設や宿泊施設における建設投資は減少しており、今後も厳しい水準が続いていくことが見込まれます。加えて、資材や労務費の上昇、建設技能労働者の減少など引き続き課題を抱えており、今後の動向を注視していく必要があります。
2020年度のマンション市場においては、新規供給戸数は首都圏で2万9,032戸と2年連続で3万戸を下回り、近畿圏では1万6,239戸と、2019年度をさらに下回りました。首都圏、近畿圏共に新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、第1四半期会計期間は前年度比で大幅減となったものの、第2四半期会計期間以降は回復に転じ、特に、首都圏では前年度を上回りました。2021年度の新規供給戸数については、首都圏、近畿圏共に供給能力が高水準であることから、2020年度を上回ると思われます。
また、販売面においては、新型コロナウイルスの感染拡大による経済状況の悪化、雇用・所得環境の悪化などが懸念されましたが、住宅取得環境が好環境で推移したこと、在宅勤務の普及等もあり住宅に対する意識が変化し、購入意欲も改善したことにより、2021年度も順調に推移すると思われます。
当社グループは、2020年2月に「長谷工グループ長期ビジョン」並びに中期経営計画「HASEKO Next Stage Plan(略称:NS計画)」を策定し、その初年度となる2021年3月期において、建設関連事業においては当社の土地情報収集力や商品企画力、施工品質や工期遵守に対する姿勢、効率的な生産体制等についてお客様や事業主様から評価を頂きました。一方で、NS計画で掲げた非住宅分野での受注促進や資材・労務費の上昇などにより完成工事総利益率は低下しました。サービス関連事業においては、特に分譲マンション管理事業や大規模修繕などリフォーム事業にて新型コロナウイルス感染症の影響が大きく生じましたが、生産性の向上や新たな収益機会の創出に努め、不動産関連事業においては連結子会社の新規分譲マンションの引渡しが順調に進捗し、着実に利益を積み重ねることができました。その結果、連結経常利益は期初予想であった700億円を上回り、718億円となりました。
新型コロナウイルス感染症により生じた消費者ニーズの変化や気候変動への取組み加速など、当社を取り巻く事業環境は大きく変化しており、当社グループにおいても脱炭素社会の実現に向け環境配慮型コンクリートの採用や再生可能エネルギーの利用など取組みを開始しております。引き続き、社会課題の解決に取組みつつ、NS計画の重点戦略と位置付けたコア事業の競争力の強化や不動産関連事業の投資拡大、将来の成長に向けた取組みについて、成長戦略投資を実施してまいります。また、強固な財務基盤を維持しつつ株主還元の拡充を図り、資本効率性をより意識した経営に努め、2025年3月期に連結経常利益1,000億円を達成すべく取組んでまいります。
長谷工グループ長期ビジョン ~2030年3月期に目指す姿~
■目指す姿
少子化・高齢化、人口減少、都市のコンパクト化、災害、建築物の老朽化、環境配慮・省エネルギー、コミュニティ形成などの社会情勢の変化に対応し、当社の企業理念である「都市と人間の最適な生活環境を創造し、社会に貢献する。」を具体的に実現する為、分譲マンションを中心に、賃貸・高齢者住宅や商業・介護・子育て・健康・医療・教育等を組み合わせ、ハード・ソフト両面から「住まいと暮らしの創造企業グループ」における更なる飛躍を目指す。
■目指す姿の実現に向けた事業戦略
①事業領域の拡大(事業エリア、建築メニュー)
②安定収益分野と成長分野へのバランスの取れた戦略投資
③サービス関連事業の拡大に向けて、デジタル技術などの先進技術等を積極活用し、新たな事業モデルによる商品・サービスの競争力強化および労働生産性の向上
④新たな事業分野への挑戦
■目指す利益水準
連結経常利益 1,500億円
中期経営計画概要
・計画名称 HASEKO Next Stage Plan(略称:NS計画)
~次なるステージへの成長を目指して~
・計画期間 2021年3月期~2025年3月期
・数値目標
2025年3月期 連結経常利益 1,000億円
2025年3月期 連結子会社経常利益 300億円以上
2021年3月期~2025年3月期 5期合計連結経常利益 4,000億円
・基本方針
1.新規の住宅供給等を主なマーケットとする建設関連事業と既存の住宅関連等を中心とするサービス関連事業
の両方に軸足をおく経営の強化
2.グループ連携を深化させ、都市居住生活者の信頼に応える企業体の実現
3.安全・安心で快適な住まいと都市環境を提供
4.成長戦略投資による安定した収益基盤の構築
5.強固な財務基盤の維持と株主還元の拡充
6.中長期的な視点を踏まえた新たな取組みへの挑戦
7.CSR経営の確立に向け注力
・重点戦略
1.コア事業の競争力強化
(1)建設関連事業の領域拡大
①超高層マンションの施工拡大等により、分譲マンション建設での優位性を維持・強化
②賃貸マンション、学生・シニア向けマンション、寮・社宅、ホテル、オフィス、物流施設など分譲マンション以外での建設受注拡大
③BIM及びその他のICT関連技術の活用による工期短縮・コスト競争力の強化
④環境配慮技術・IoTを活用した商品開発
(2)再開発・建替事業の拡大・コンパクトシティ化への対応
(3)サービス関連事業の継続強化
①事業エリアを大都市圏から地方主要都市へと拡大
②先進技術導入による事業モデルの再構築
2.不動産関連事業の投資拡大
(1)マンション分譲事業の事業エリア拡大
(2)賃貸不動産の保有・開発事業の展開
①安定収益源の底上げを目的とした賃貸不動産の保有
②私募REIT創設による開発案件の多様化、新たな収益源の確保
3.将来の成長に向けた取組み
(1)デジタルトランスフォーメーション(DX)の具現化に向けた投資
①AI、センサー、通信、ロボット等の最新のIT関連技術を活用し、各種メーカー、ベンチャー企業、大学、研究機関等、外部との連携を行い、デジタルトランスフォーメーションの推進
(2)価値創生部門による先進技術導入に向けた投資
①サービス関連事業を中心に、既存ビジネスの生産性の抜本的な改革
②先進技術を積極的に活用した新たな事業モデルの創生
(3)海外事業への投資
①米国(ハワイ)における収益基盤の再確立
②東南アジアにおける設計・施工生産体制の確立
③不動産開発プロジェクトへの参画
(4)新規投資
①時代のニーズに合わせた住まい方の提案、新商品、新サービスの開発
②既存事業のサービス向上や成長性のある事業領域拡大を重点対象としたM&Aの実施
(5)人的資産への投資
①成長戦略の基盤となる自律型の人材・組織づくり
②人材の多様性と社員一人ひとりの働きがいを引き出す環境づくり
③新たな価値を生み出す、イノベーティブ人材・グローバルに活躍する人材の育成
④社員の挑戦を後押しするメリハリのある処遇
4.投資計画
5か年合計投資額 2,400億円
(1)分譲事業 500億円
(2)賃貸不動産の保有・開発事業 700億円
(3)海外事業 600億円
(4)先進技術投資 200億円
(5)新規事業、M&A等 400億円
5.財務戦略・株主還元
(1)強固な財務基盤を維持しつつ、成長戦略投資の加速と株主還元の拡充
(2)安定的な配当の継続実施。加えて、自己株式の取得は、経営環境、成長投資機会、当社株価水準や資本効率向上等を踏まえ柔軟に対応
<株主還元方針>
①1株当たり年間配当金の下限を70円と設定
②5期合計の親会社株主に帰属する当期純利益に対して、総還元性向40%程度と設定
6.CSR経営への取組み
(1)事業を通じた課題解決によって「社会価値の創造」と「グループの成長」を両立させ、企業価値向上を実現
(2)長期的な成長を図るうえで重要なESG要素と当社グループの強みをCSR取組みテーマに取り纏め、CSRの目指す姿として推進
※なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末日現在において判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
当社グループの業績及び財政状態は、今後起こり得る様々な要因により影響を受ける可能性がありますが、事業等のリスクについては、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項について記載しております。当社グループは、これらの他にも様々なリスクがありうることを認識し、それらを可能な限り防止、分散あるいは回避するよう努めておりますが、当社グループの支配の及ばない外部要因や必ずしも現時点にて具現化する可能性が高くないと見られる事項等の発生により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。
当社グループは、首都圏、近畿圏及び東海圏での分譲マンションに関わる事業をコアとしており、中でも分譲マンション建設事業に対する依存度が高くなっております。従って、受注高やその他の分譲マンション関連事業の取引高は、分譲マンションの新規供給量や販売状況、分譲マンション建設用地の供給、取引先デベロッパーの事業規模、住宅関連政策、住宅にかかる税制及び金利等の動向によっては大きく変動することになり、これらの変動が業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、土地情報収集力や分譲マンション事業に関するプロジェクトマネジメント力を背景として、土地持込による受注を主たるビジネスモデルとしておりますが、このビジネスモデルにより今後も引き続き競争優位に立ち、市場シェアや収益性の維持、拡大が図れるという保証はありません。
そのため、当社グループでは安定収益源の底上げを図るべく、賃貸マンションを中心とした保有・開発事業の拡大やサービス関連事業の事業エリア拡大に取組むことで、収益基盤の強化と収益構造の変化を目指しています。
当社は、建設資材・労務等の確保を本社機能部門による集中購買体制にて実施しており、将来の着工時期の予測を踏まえた運用や全体調達によるコスト競争力の強化に努めておりますが、建設業全般の業績の動向によりマンション建設の分野に対する参入が増え、同業他社との価格競争が激化した場合や、建設資材・労務等の急激な高騰及び調達難、協力業者等の確保状況による生産能力の低下等が生じた場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業を行う上で遵守すべき法令・規則等は多岐に渡っており、建築基準法、建設業法、宅地建物取引業法、建築士法といった事業に直接関係する法令のみならず、会社法、金融商品取引法といった事業に直接関係はしないものの重要な法令等があります。当社グループにおきましては、役職員がこれらの法令等を遵守することができるよう啓蒙を適宜実施しておりますが、これらの法令等を遵守できなかった場合、又はこれらの法令等が当社グループの予測し得ない内容に改廃もしくは新設された場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、建築基準法等のマンション建設における法的規制の改廃もしくは新設、又は建築確認・検査の厳格化等により、事業計画の大幅な変更、建設工事の着工の遅延又は中止等が発生した場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、国内外の事業遂行にあたり、当社グループに対する訴訟等について、当社グループ側の主張・予測と相違する結果となった場合には、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
建設工事着工に際しましては、周辺住民に対する事業計画等の説明を実施しておりますが、反対運動及びそれに伴う訴訟等により、事業計画の大幅な変更、建設工事の着工の遅延又は中止等が発生した場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
建設部門・設計部門・技術推進部門に主力協力会社を加えた四位一体での品質向上活動への取組みにより、施工品質の維持向上には万全を期しておりますが、引当金の計上額を上回る瑕疵担保負担の発生や、保険等でカバーできない損害賠償が発生した場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、安全教育の実施、点検パトロール等、工事事故・品質事故・災害を撲滅するために安全管理・施工管理を徹底し、また、工事着手にあたり入念な施工計画の立案等、安全な作業環境を整え施工を行っておりますが、万が一、重大な工事事故・品質事故・労働災害等が発生した場合、社会的信用を失うとともに、企業イメージを損ない、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
建設業においては、一つの取引における請負金額が大きく、多くの場合工事代金の支払いは分割であり、目的物の引渡し時及び引渡し後に多額の支払が行われる傾向があります。当社グループでは取引先の信用力と信用額の管理を行っておりますが、工事代金の受領前に取引先が信用不安に陥った場合は、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、営業活動上の必要性から不動産を保有しておりますが、事業の分散あるいはリスク管理の観点から、不動産の投資分野毎の投資上限を定めた投資計画をもとに取得を行っております。しかしながら、不動産には時価の変動リスクがあるとともに、一般的に流動性が高くないため売却時における需給関係によっては相場価格により売却できない場合があります。
たな卸不動産については当社グループが開発ノウハウを持つ分譲住宅を中心とした投資を行っておりますが、事業計画の進捗次第では予定している回収額に満たない場合や様々な要因により計画を中止せざるを得ない場合があります。また、固定資産については当社グループが開発・運営のノウハウを持つ賃貸マンションを中心とした投資を行っておりますが、賃貸条件や事業収支の悪化が生じる等、予定しているキャッシュ・フローが得られなくなる場合があります。これらの場合には評価損失・減損損失・売却損失等が発生し、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業拡大や収益基盤の強化を目的に企業買収等を実施することがありますが、実施にあたっては、その重要性に応じ第三者の専門家による対象企業並びに事業環境等の調査を客観的かつ詳細に行い、その調査報告も参考に決定しております。しかしながら、買収等の対象事業を当社グループの経営戦略に沿って統合できない場合や、既存事業及び買収等の対象事業について効率的な経営資源の活用を行うことができなかった場合、また、急激な市況変化が生じた場合には、当初想定していた効果が得られないことにより、のれんの減損の発生等、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業拡大や収益基盤の強化を目的に地方主要都市を中心とした事業エリアの拡大に取組んでおりますが、会社の経営資源の多くは首都圏・近畿圏・東海圏に集中しております。このため、将来、首都圏・近畿圏・東海圏並びにその周辺において、地震、暴風雨、洪水その他の天災、感染症、事故、火災、その他の人災等が発生し、工期の遅延、消費者の購買意欲の減退、所有資産の毀損等があった場合には、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
海外での事業活動では、社会慣行の違い、法令・規制の予期せぬ変更、経済・為替の変動、政治・軍事問題等に関するリスクが存在し、これらに関した問題が発生した場合には、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、事業活動実績の少ない地域における新規事業の判断は、第三者の専門家等による多面的な評価を参考に取組みの判断を行うなど、社内におけるリスクコントロールの向上にも努めております。
当社グループが業務を遂行するにあたり、役職員による不正行為、不適切な行為、事務処理のミス、労務管理上の問題等の各種オペレーショナルリスクの発生が考えられます。当社グループはリスク管理規程を定め、オペレーショナルリスクも含めた事業遂行に関わる様々なリスクについて管理し、それらのリスクに対応することによって、グループの経営方針の実現を阻害するリスク要因を可能な限り低減させ、コントロールするよう努めておりますが、上記のようなオペレーショナルリスクが発生した場合、社会的信用を失うとともに、企業イメージを損ない、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、住宅購入顧客並びに購入検討顧客や管理受託マンションの居住者等、多くの個人情報を保有しております。また、営業・購買情報等、多くのデータをコンピュータ管理しています。個人情報保護法に従って、個人情報の取扱いに関するルール(基本方針・規程・細則)を、マイナンバー(社会保障・税番号)制度への対応のため、マイナンバー関連規程(基本方針・規程)を設け、体制整備を行っております。また、個人情報以外の情報の取扱いについても、各部個別にセキュリティポリシー(基本方針・対策基準・実施手順)を順次整備する等、情報管理を徹底し万全を期しておりますが、コンピュータシステムのトラブルによる情報流出や犯罪行為等による情報漏洩が発生する可能性があります。その場合、社会的信用を失うとともに、企業イメージを損ない、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、借入や社債発行による資金調達を行っており、一部の借入については金利変動リスクに対応するために金利の固定化を実施しておりますが、金利等の市場環境の変化、あるいは当社に対する格付の引下げ等の信用力低下により資金調達コストが増加し、当社グループの業績及び財務内容に影響を与える可能性があります。
また、金融機関からの新規借入や社債発行にあたっては同様の条件により行えるという保証はなく、当社グループが金融機関から借入や社債発行による調達を適時に行えない場合には、当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、事業上必要な資金調達について、主に金融機関との間で協調融資方式によるタームローン、及びコミットメントライン契約の借入契約を締結しております。これらの借入契約には、自己資本の維持と経常利益の確保の2項目に関して財務制限条項が付加されており、それに抵触した場合には、多数貸付人の意思結集に基づく請求により期限の利益を喪失する可能性があり、約定の返済期限より前に残元本及び利息等を返済する義務が発生する可能性があります。
当社グループは、市場性のある株式を保有しておりますが、株式市場が下落し、保有株式の価値が大幅に下落した場合には、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
影響を限定的にするために、株式の保有残高について連結純資産に対して一定程度を目安とすることとしております。
(16)中期経営計画について
当社グループは、2021年3月期をスタートとする中期経営計画「HASEKO Next Stage Plan」(略称:NS計画)において、収益基盤強化のための成長戦略投資や株主還元の拡充を行うとともに、事業を通して社会課題の解決に取組むべくCSR経営の確立を目指すことを公表しております。
計画内容の策定にあたっては、取締役会にて事業の課題や方向性等について充分な検討を重ねてきましたが、当社グループの業績は、経済環境等様々な要因の影響を受ける可能性があるため、目標値を達成できるという保証はなく、計画している事業上、財務上の効果が得られない可能性があります。
また、当社グループは収益基盤強化のため賃貸マンションを中心とした保有・開発事業の拡大やサービス関連事業における事業エリアの拡大などグループ事業展開の強化も計画しておりますが、予期せぬ経済情勢の変化、あるいはマーケットの急激な変化等により、事業展開が予定通りに実行できず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17)新型コロナウイルス感染症への対応
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当社グループ役職員及び協力会社の役職員等が就労不能となった場合、事業継続が困難となる可能性があります。また、依然として先行きは不透明であり、不動産取扱量の減少や、リフォームや大規模修繕工事の受注減少が一定程度継続する可能性があり、終息時期及び今後の経済環境の影響によっては、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす恐れがあります。
そのため、当社グループでは社長を本部長とするグループ横断での新型コロナウイルスグループ対策本部を設置し、従業員及び家族等の健康状態の把握を通じ感染予防に取組むとともに、リモートワークツールなどの活用により、在宅勤務にて業務を遂行できる環境の確保や、ウェブ会議システムの活用により対面での会議や面談等を極力削減するよう努めております。また、事業継続にあたっては、お客様や事業主様と綿密な協議を行い、従業員、協力会社等関係者の安全を確保すべく感染リスク対策の徹底に努めております。
(18)気候変動リスク
気候変動による自然災害の激甚化に伴い、施工中工事の遅延や自社所有建物への被害等が発生した場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、温室効果ガス排出量に係る規制や炭素税が導入された場合、事業活動の抑制やコスト増加を通じて、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
かかる気候変動に関するリスクも踏まえ、当社グループは、施工中物件を含む関連物件・施設の被災に迅速に対応するための災害時BCP(事業継続計画)体制の高度化や災害に強いマンションづくりに注力しております。また、作業所やオフィスにおける温室効果ガス排出量の削減や環境性能に優れた建物の設計等に取組んでおります。
当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあります。先行きについては、各種政策の効果や海外経済の改善もあって持ち直しの動きが続くことが期待されますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要があります。
2020年度のマンションの新規供給戸数は首都圏2万9,032戸(前期比1.6%増)、近畿圏で1万6,239戸(同7.0%減)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、第1四半期会計期間には前期比で大幅減となったものの、第2四半期会計期間以降は回復に転じ、首都圏では前年度を上回りました。首都圏の初月販売率は67.9%(同6.6ポイント増)となり、在庫販売も順調に推移したことから、2021年3月末の分譲中戸数は首都圏で7,357戸(同6.7%減)に減少しました。近畿圏の初月販売率は72.5%(同0.6ポイント減)となり、第2四半期会計期間以降における新規供給戸数の回復もあり2021年3月末の分譲中戸数は3,528戸(同29.2%増)に増加しました。供給商品の内容をみると、首都圏の分譲単価は905千円/㎡(同0.4%増)とほぼ横ばいとなったものの、平均面積が66.20㎡(同1.5%減)に縮小したことから、平均価格は5,994万円(同1.0%減)に低下しました。近畿圏では分譲単価が698千円/㎡(同1.0%増)となったことに加え、ワンルームマンションが大幅に減少し、平均面積が59.62㎡(同5.5%増)に拡大したことから、平均価格は4,160万円(同6.6%増)に上昇しました。
このような中、中期経営計画「HASEKO Next Stage Plan(略称:NS計画)」の初年度となる当連結会計年度につきましては、建設関連事業において完成工事総利益率が低下し、サービス関連事業において大規模修繕工事・インテリアリフォーム及び分譲マンション管理の工事施工量が新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたものの、不動産関連事業において連結子会社の新規分譲マンションの引渡しが順調に進捗し、着実に利益を積み重ねることができました。その結果、連結経常利益は期初予想であった700億円を上回り、718億円となりました。
当連結会計年度における業績は、主にマンション建築工事の施工量減少により売上高は8,094億円(同4.3%減)、主にマンション建築工事の施工量減少及びマンション建築工事の完成工事総利益率の低下に伴う工事利益の減少により営業利益は729億円(同15.1%減)、経常利益は718億円(同15.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は483億円(同19.4%減)の減収減益となりました。営業利益率は9.0%(同1.2ポイント減)、経常利益率は8.9%(同1.2ポイント減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しておりますので、下記の前期比につきましては、前期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組替えた数値との比較となっております。
(単位:億円)
( )内は前期比増減額
(建設関連事業)
建築工事では、当社の土地情報収集力や商品企画力、施工品質や工期遵守に対する姿勢、効率的な生産体制等について事業主から評価を頂いている一方、受注時採算の悪化及び資材労務費の上昇等により、当期の完成工事総利益率は低下しました。
分譲マンション新築工事の受注は、首都圏で200戸以上の大規模物件17件を含む67件、近畿圏・東海圏で200戸以上の大規模物件11件を含む26件、合計で93件となりました。また、分譲マンション以外の工事として、非住宅物件等11件を受注いたしました。
完成工事につきましては、賃貸住宅等13件を含む計107件を竣工させました。
当セグメントにおいては、主にマンション建築工事の施工量減少により売上高は6,119億円(前期比3.0%減)となり、主にマンション建築工事の施工量減少及びマンション建築工事の完成工事総利益率の低下に伴う工事利益の減少により、営業利益は646億円(同12.6%減)となりました。
前期に大型の賃貸資産の売却があったことの反動等もあり当社の不動産取扱量は減少したものの、連結子会社の新規分譲マンションの引渡しが順調に進捗したことにより、当セグメントにおいては、売上高は743億円(前期比6.8%増)、営業利益は85億円(前期比0.0%減)の横ばいとなりました。
大規模修繕工事・インテリアリフォームでは、第1回目の緊急事態宣言発令(2020年4月発令)に伴って管理組合の活動が停止したこともあり、減収減益となりましたが、第2四半期連結会計期間以降徐々に管理組合の活動が再開したこともあり、受注高は前期を上回りました。
賃貸マンション運営管理・社宅管理代行では、新規受託の順調な推移や継続的な受託により、運営管理戸数は両事業合計169,235戸(前期末比3.5%増)となりました。
新築マンションの販売受託では、第1回目の緊急事態宣言発令に伴い、マンション販売モデルルームの閉鎖等もありましたが、モデルルームへの来客者数が徐々に回復基調となり、契約戸数は増加となりました。
不動産流通仲介では、第2四半期連結会計期間末までは仲介の取扱件数、リノベーション事業の販売戸数は前年同期間を下回っていましたが、第3四半期連結会計期間以降は持ち直したことにより、いずれも前期比で増加となりました。
分譲マンション管理では、九州をはじめとする地方エリアの営業活動強化も寄与し、新規受託が堅調に推移したことにより、管理戸数は410,412戸(同0.6%増)となりました。
シニアサービスでは、第1回目の緊急事態宣言発令に伴う販売活動の制限等により、有料老人ホーム・高齢者向け住宅の稼働数は2,281戸(同1.3%減)となりました。
以上の結果、当セグメントにおいては、売上高は1,857億円(前期比4.3%減)、営業利益は70億円(同40.8%減)となりました。
ハワイ州オアフ島において、開発中の商業施設の隣地に所在するウエディング施設用地を売却したことにより、不動産売上高が増加しました。また、新規の戸建分譲事業については着工に必要な手続を進めております。当セグメントにおいては、売上高は7億円(前期比60.9%増)、営業損失は11億円(前期は営業損失38億円)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しておりますので、下記の前期比につきましては、前期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組替えた数値との比較となっております。
a.受注実績
(注) 1 当連結企業集団では建設関連事業における建設工事等及び設計監理、サービス関連事業における大規模修繕・内装工事等及び海外関連事業における建設工事等以外の受注実績を把握することが困難であるため記載しておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.売上実績
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.建設関連事業の状況
売上実績
d.不動産関連事業の状況
(注) 数量及び稼働数は連結会計年度末現在で表示しております。
e.サービス関連事業の状況
(注) 数量及び稼働数は連結会計年度末現在で表示しております。
売上実績
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
建設工事等及び設計監理の状況
(注) 1 前事業年度以前に受注したもので、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。従って、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越高の施工高は、支出金により手持高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度 請負金額80億円以上の主なもの
当事業年度 請負金額70億円以上の主なもの
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりであります。
④ 手持高(2021年3月31日現在)
(注) 手持工事のうち請負金額100億円以上の主なものは、次のとおりであります。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における連結総資産は、現金預金が増加したことに加え、建設受注を目的とする不動産取得及び分譲マンション用地の取得に伴い販売用不動産及び不動産事業支出金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,543億円増加し、9,537億円となりました。
連結総負債は、借入金の調達及び社債を発行したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,477億円増加し、5,593億円となりました。
連結純資産は、配当金の支払及び自己株式の取得があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を計上し利益剰余金が増加したこと等から、前連結会計年度末に比べ67億円増加し、3,944億円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の48.5%に対し、41.4%となりました。
建設受注を目的とする短期的な不動産取得及び分譲用不動産の仕入等により、当社グループの保有不動産は増加いたしましたが、適切なリスク管理を実施し、事業を推進しております。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しておりますので、下記の前期比につきましては、前期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組替えた数値との比較となっております。
(単位:億円)
( )内は前期比増減額
(建設関連事業)
建設関連事業において、当連結会計年度末における資産は、建設受注を目的とする不動産取得に伴い販売用不動産が増加したこと等により前連結会計年度末に比べ234億円増加し、3,241億円となりました。
(不動産関連事業)
不動産関連事業において、当連結会計年度末における資産は、分譲マンションの仕入が順調に進捗し販売用不動産及び不動産事業支出金が増加したこと等により前連結会計年度末に比べ714億円増加し、3,047億円となりました。
(サービス関連事業)
サービス関連事業において、当連結会計年度末における資産は、預り金の増加に伴い現金預金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ257億円増加し、1,867億円となりました。
(海外関連事業)
海外関連事業において、当連結会計年度末における資産は、商業施設の開発に伴い開発用不動産が増加したこと及び関係会社に対する出資を行ったこと等により、前連結会計年度末に比べ89億円増加し、490億円となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の153億円の支出超過と比較して471億円増加し、319億円の収入超過となりました。これは主に、預り金の増加に伴う資金増加114億円(前連結会計年度は40億円の資金減少)によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の372億円の支出超過と比較して15億円増加し、358億円の支出超過となりました。これは主に、有価証券の取得及び償還に伴う資金増加21億円(前連結会計年度は13億円の資金減少)によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の84億円の支出超過と比較して752億円増加し、668億円の収入超過となりました。これは主に、借入金・社債の調達及び返済に伴う資金増加1,157億円(前連結会計年度は266億円の資金増加)によるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末の1,518億円より625億円増加し、2,143億円となりました。
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高が前連結会計年度末と比較して大幅に増加しておりますが、その要因は、主に預り金の増加及び売上債権の回収に伴う営業活動によるキャッシュ・フローの増加、及び借入金・社債の調達に伴う財務活動によるキャッシュ・フローの増加によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、建設受注を目的とする短期的な不動産取得、分譲用不動産等の仕入れ、賃貸用不動産及び海外事業への投資などの支出であります。また、当社グループでは、2020年2月に策定した「中期経営計画(2021年3月期~2025年3月期)」において賃貸不動産の保有・開発事業、分譲事業及び海外事業への投資を中心に2,400億円の投資を計画しております。これらの資金需要に対して、事業活動から生じる利益及び借入金・社債により調達した資金を充当する方針であります。
当連結会計年度におきましては期限の到来に伴い43億円の長期借入金の返済及び100億円の社債の償還をしておりますが、普通社債の発行による700億円の調達に加えて600億円の長期借入金の調達を行っており、社債を含む借入金残高は1,157億円増加し2,680億円となりました。
また、当社は運転資金の安定的かつ機動的な調達を行うため取引金融機関と630億円のコミットメントラインを締結しており、現金預金とあわせて十分な流動性を確保しています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値にその結果が反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なることがあります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社の研究開発活動は、集合住宅における新築とストックの両分野に軸足をおき、ICT・IoT等のデジタル技術や先端技術を積極活用しながら、安全・安心、快適・健康、品質・性能、生産性向上等のテーマに取組むとともに、受注の拡大、利益の向上、新たな事業モデルの創出、将来の事業改革に寄与する研究・技術開発を目指しております。
活動にあたっては、研究・技術開発のスピードアップと採用促進を図るため、東京都多摩市の技術研究所を拠点としながら、大学・研究機関等との共同研究・開発を進めるとともに、当社技術推進部門・設計部門・建設部門・価値創生部門等社内各部門及び当社グループ各社の技術関連部門との連携・強化に努めております。
活動内容としては、①生産技術開発 ②商品開発 ③そのために必要な基礎的な研究開発、以上の3つに重点を置きながら、特に工業化対応、省エネ・環境対応、長寿命化、防災対応、ストック改修対応など、社会環境や顧客ニーズの変化に即した集合住宅関連技術の開発・商品化に注力しております。
当連結会計年度における研究開発費は、
(建設関連事業)
建設技能労働者の高齢化と将来の労働者不足の懸念に対し、中高層及び超高層物件を対象とした生産性向上、品質向上を目的とした工業化・ICT活用等、技術開発を推進してまいります。また、新たな価値を付与すべく商品開発を積極的に行い、着工物件において順次採用導入しております。特に、これまでの開発検証等をベースにして、下記の開発に注力・推進しております。
生産技術開発分野として、業務及び生産プロセスの合理化に向けたBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の導入・活用検討において、長谷工独自のBIMツールの開発や業務ワークフロー改善等による、設計・施工まで一貫した「長谷工版BIM」の環境整備を強力に推進しております。当該BIMを2021年3月期より全設計・施工着工案件で採用しており、3Dデータを活用した施工技術の開発、及び体制構築を強化すると共に、建物管理段階においても設計・施工まで一貫したデータを活用していく所存です。
外装関連では、生産性の低い部位を対象にPCa化を推進しており、その中のひとつとして、建築設備と一体化したメーターボックス床部PCa化の開発を完了しました。また、激甚化する自然災害に対応した新型パーティションを開発し、更にその発展形として意匠性を向上させたパーティションの開発を推進しております。
内装関連では、「長谷工版BIM」との連携によるスラブ重量床衝撃音自動計算プログラムを開発し、鉄道等の外部騒音に対する高遮音対策仕様を策定しました。更に多様化するニーズに応えるべく壁掛けテレビ対応防振壁の開発を完了しました。
商品開発分野として、個別宅配ボックスを全戸に標準採用し、共用部に落ち着いて仕事や勉強ができるプライベート空間を併設した「ルネ横浜戸塚」(横浜市戸塚区、地上7階、439戸)を竣工しました。
現在、「ブランズタワー芝浦」(東京都港区、地上32階/地下1階、免震、482戸)、「プラウドタワー名古屋錦」(名古屋市中区、地上30階/地下1階、制振、360戸)、「シエリア大阪上町台パークタワー」(大阪市中央区、地上29階/地下1階、制振、112戸)、「パークシティ柏の葉キャンパス サウスマークタワー」(千葉県柏市、地上29階、免震、364戸)、「白金ザ・スカイ」(東京都港区、地上45階/地下1階、制振、1,247戸)、「プレミストタワー靱本町」(大阪市西区、地上36階/地下1階、制振、353戸)、「シエリアタワー大阪天満橋」(大阪市北区、地上30階/地下1階、制振、172戸)、「NAGOYA the TOWER 」(名古屋市中村区、地上42階/地下1階、制振、435戸)、「(仮称)千葉市中央区中央2丁目計画」(千葉市中央区、地上31階、制振、397戸)、「ローレルタワー堺筋本町」(大阪市中央区、地上44階/地下1階、制振、511戸)、「ブリリアタワー浜離宮」(東京都港区、地上32階/地下1階、免震、420戸)を建設中です。
また、2021年3月期は「ローレルタワー御堂筋本町」(大阪市中央区、地上30階/地下1階、制振、241戸)が竣工しました。
更なる技術のレベルアップとして、設計基準強度が150N/mm2の超高強度コンクリートを用いた概ね50階建ての超高層RC造集合住宅に対応できる設計・施工技術の開発に取り組んでおります。
競争と連携のネットワークを構築するため、多様な研究機関、企業等の幅広い結集を図り、研究開発の共通基盤(プラットフォーム)の確立を目指している「建築研究開発コンソーシアム」などに継続参画し、物流・データセンター等の鉄骨構造関連技術の開発に取り組んでおります。
現在、「(仮称)京成錦糸町ビル計画」(東京都墨田区、地上12階)、「(仮称)渋谷区宇田川町オフィス」(東京都渋谷区、地上10階)等を建設中です。
脱炭素関連技術に関しては、二酸化炭素の排出量を削減する環境配慮型コンクリート「H-BAコンクリート」を開発し、初めて建築物に採用しました。脱炭素社会の実現に向けた方策の一つとして普及展開を目指してまいります。
木造関連技術に関しては、「ASUKAYAMA RESIDENCE」(東京都北区、地上5階、129戸)の共用棟において、木造遮音床仕様を開発しました。また、新たな中高層木造構造を可能とする架構形態の研究開発も推進しております。
これまで当社では、段ボール古紙や木くずにおける循環型マテリアルリサイクルシステムの構築、また、廃プラスチック類のサーマルリサイクルシステムの構築をしてまいりました。2020年11月より、作業で発生した木くずをバイオマス燃料として再利用し、発電施設で発電された再生可能エネルギーを作業所の仮設電力として使用する取り組みを開始しました。今後も、更に環境に配慮した循環型社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。
「住まい情報と暮らし情報のプラットフォーム」(HASEKO BIM & LIM Cloud)の構築に向け、各種パートナー企業、大学や研究機関と連携し、センサー、AIやロボットなどICT活用に本格的に取り組んでおります。開発技術の実用化も始まり、顔認証技術・各種センシング技術等を導入した次世代型集合住宅「Feel I Residence(フィールアイレジデンス)」(㈱長谷工不動産所有の学生向け賃貸マンション、東京都板橋区、地上7階、72戸)が2020年3月に竣工し、現在2号・3号物件への導入も進んでおります。
その他にも、RFID(電子タグ)を活用した排水管通球試験システムによる検査業務効率化や、ロボットコンシェルジュを用いたコミュニケーションプラットフォームサービスの提供、MR(Mixed Reality:複合現実)技術を用いたタイル打診検査記録システムによる大規模修繕工事の省人化などを推進しております。
(サービス関連事業)
(1) 既築集合住宅を対象とした技術の開発
拡大する国内ストック市場における既築集合住宅向け「ストックビジネス」の技術基盤づくりを目指しております。共用部では「建物の延命化・耐震化の工法」、「居住者の負担を軽減できる工法」の開発等、専有部では「住まいの機能の維持やグレ-ドアップの提案」を進める等、継続的にストック・リフォーム分野における研究・技術開発を行っております。
当社グループ全体のサービス関連事業における顧客獲得増大を目指し、ICTを活用した各種Webマーケティング施策、コールセンター機能の高度化・業務効率化等への投資を行いました。また、将来収益となる新たなビジネスモデル創出を目指し、サービスシステムの実証並びに開発を進めました。
「グループIT投資戦略プロジェクト(名称:FITプロジェクト)」による開発リリース第1号サービスである、新築マンション探しをサポートするサービス「マンションFit(フィット)」の物件レコメンド機能や、リリース第2号サービスである、Web上での一問一答形式のコミュニケーションで最適なマンションを提案する「ミナイエ」において、それぞれ簡易AI機能を搭載するなど、サービス提供における精度向上を実現しました。また、リリース第3号サービスである、賃貸マンションオーナー向けのコミュニケーションツール「HOLiY(ホーリー)」について個人オーナー等への利用提案を開始しました。
この他、竣工後のマンション管理業務の効率化や大規模修繕時の作業効率化、生産性向上にも取り組んでおります。
なお、子会社においては、研究開発活動は行われておりません。
建設関連事業及びサービス関連事業以外の事業においては、研究開発活動は行われておりません。
「第2 事業の状況」における各項目の記載金額には、消費税等は含まれておりません。