第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、総合エンジニアリング企業への成長を続けるとともに、今後ともエネルギーとシステムを支える企業として、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という当社グループの存在目的のもと全力で事業に邁進してまいります。

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(2)経営戦略等

当社グループは、経営環境の変化に適応し、持続的な成長を実現していくために「2021年度中期経営計画」(2021年度~2023年度)を策定し、以下の経営目標達成に向けた諸施策を展開してまいります。

 

[最重点課題]

『基盤事業の強靭化と新事業領域の更なる拡大による企業価値の向上』

 

[重点目標]

① 設備工事を主体とした基盤事業の強靭化

② 新事業領域の更なる拡大と収益力向上

③ 新たな環境価値創造へ寄与する技術力・競争力強化

④ グループ組織力の最大化

⑤ 「キュードの価値観」を基盤とした企業風土の再構築

⑥ 福島復興への継続的貢献

 

Q’d(キュード)は、「どこまでもQuality Oriented」でありたいという考えを表したものです。

Q’dとは、お客さまのために、社会のために、より良い提案をしていきたいと誓い合う言葉でもあります。

 

なお、2021年度の業績並びに2022年度の業績予想を踏まえ、当中期経営計画最終年度となる2023年度の到達目標として次のとおり再設定しております。

 

〇 受注高              900億円程度

〇 売上高              800億円程度

〇 営業利益             35億円程度

〇 経常利益             35億円程度

〇 親会社株主に帰属する当期純利益  25億円程度

 

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、一連の電力システム改革による競争激化や電力設備投資の抑制、新型コロナウイルス感染症の影響継続による経済活動の停滞、更にはエネルギー資源をはじめとする原材料価格の高騰等を背景としたコスト増要因も加わり、エネルギーインフラ事業に携わる当社グループにとっては引き続き厳しい経営環境が継続するものと予想されます。

一方で、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする政府方針が示されたことにより、再生可能エネルギーの主力電源化、地域における分散型電源の普及等、カーボンニュートラル社会の実現へ向けた様々な取り組みが加速されるものと予想され、当社がビジネス領域を拡大する好機であるとも考えております。

このような状況の中、当社グループは、中期経営計画(2021年度~2023年度)で最重点課題に掲げている「基盤事業の強靭化と新事業領域の更なる拡大による企業価値の向上」を果たすため、これまでの取り組みを加速させてまいります。

当社は、経営環境の変化を的確に捉え、迅速な対応ができる体制を構築し成長に繋げるため、本年7月、新たに「グリーンエネルギー事業本部」を立ち上げ、再生可能エネルギー関連事業を強化、拡大し、カーボンニュートラルの実現、ひいては環境面・社会面からサステナブルな社会の実現へ向け責任を果たしてまいります。

その一環として、当社の子会社である合同会社境港エネルギーパワーが鳥取県境港市において建設を進めております木質バイオマス発電所につきましては、計画通り本年7月に試運転を開始し、2022年度中に営業運転へ移行すべく着実に工事を進めております。

また、全国各地で計画されているバイオマス発電事業におきましても、これまで当社がお客さまの既設火力発電所や自社所有バイオマス発電所の建設、運転・保守を通して蓄積してまいりました技術力・知見をフルに活用し、一連のバリューチェーン、すなわち資本参加からオーナーズエンジニアリング(建設中管理業務)、建設工事、O&M(運転・保守)、LTSA(長期保守契約)等のあらゆる局面でお客さまの事業ニーズへお応えできるようソリューション提案活動を進めてまいります。

水力発電分野につきましては、昨年9月より、公営水力発電施設として我が国初のコンセッション方式によるPFI事業(民間資金等活用事業)となる鳥取県営水力発電所再整備事業に着手しておりますが、お客さまニーズである発電効率の向上へ確実に寄与するとともに、周辺・河川環境への配慮、地元企業の活用を図るなど、地域との共生を目指して工事を進めております。当社設立以来70余年にわたり積み重ねてきた技術力を活かし、今後の再生可能エネルギー事業の柱のひとつとして更に強化してまいります。

原子力発電分野につきましては、既に当社ホームページにて公表いたしました柏崎刈羽原子力発電所6、7号機における固定式消火設備配管溶接不良に関する事象を重く受け止め、社員一人一人が当社の原点であるQ'd(=Quality Oriented)の精神に立ち返って三現主義(現場、現物、現実)の重要性を再認識し、再発防止対策を徹底した再施工を確実に行うことで、お客さまからの信頼回復へ向け全力を尽くしてまいります。

また、福島第一原子力発電所の廃炉・安定化作業に関しましても、引き続き積極的に取り組み、今後も困難な作業へ全力で関わり続けることで福島復興へ向けた取り組みを継続してまいります。

火力発電分野につきましては、電力の安定供給を支えるベース電源としての信頼性の維持に貢献していくとともに、環境負荷軽減の各種施策(水素、アンモニアの活用やCCS・CCUS(二酸化炭素回収・活用・貯留))の活用等に対しましても当社独自の取り組みを進め、電力の安定供給を支えてまいります。

昨年7月1日付で株式会社日立プラントコンストラクションより火力事業を承継いたしましたが、その優れた技術、優秀な人材、豊富な協力会社体制等のリソースを活用してシナジーを発揮させ、カーボンニュートラル社会実現へ向けた様々な分野で事業展開を図ってまいります。

海外事業分野につきましては、タイ王国内にあるTokyo Enesys (Thailand) Co.,Ltd.の工場において、日本国内メーカーや東南アジアをはじめとする近隣諸国のお客さまからの様々なニーズに応じた製品を供給できる体制が構築でき受注も徐々に拡大しつつあります。今後も社会インフラ構築のニーズが高い同地域において当該工場を拠点として積極的な受注活動を展開してまいります。

今後とも当社グループは、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という理念のもと、「工事の安全」と「品質の確保」を最優先に社会インフラ構築事業を強固なものにしていくとともに、これら事業を通じて環境負荷の低減、カーボンニュートラル社会の実現へ貢献し、持続的な成長と企業価値の向上へ取り組んでまいります。

また、全社を挙げて法令、社会規範の遵守、企業倫理の徹底を図るとともに、働き方改革、女性活躍推進、障がい者雇用や外国人技能実習生の受入れ等を精力的に進めることで、社会の課題解決とサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

なお、新型コロナウイルスは、今後も社会活動への影響が少なからず残るものと思われますが、お客さまへご迷惑をおかけすることのないよう感染拡大防止策を徹底しBCP(事業継続計画)を実践してまいります。

 

2【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクには、以下のようなものがあります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

  なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響については、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 受注環境

当社グループは、市場の変化に対応して営業体制の強化を図るとともに、お客さまや市場のニーズを的確に捉えた技術提案型営業活動を積極的に展開しております。しかしながら、当社グループに影響の大きい電力関連設備工事において、今後の電力エネルギー政策の動向、想定を上回る電力設備投資の減少、また、地震、風水害等の大規模自然災害や感染症の流行が発生した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

② 工事施工

当社グループは、設備工事業を主たる事業としており、「品質」「環境」「労働安全衛生」を統合したマネジメントシステムを基軸とした工事施工品質の向上とお客さまや市場のニーズを的確に把握するためのCS(お客さま満足)活動のレベルアップにより、事業基盤の一層の強化に努めております。しかしながら、設備工事において人的・物的事故や災害が発生した場合や工事施工中において、地震、風水害等の大規模自然災害や感染症の流行が発生した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

また、施工後においても、自然災害による損害を受けた設備に対して、契約上の復旧義務が生じた場合等、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

③ 工事原価の変動

当社グループは、工事用資機材の集中購買や競争入札の拡大等により、工事原価の徹底した管理に努めております。しかしながら、材料費や労務費の高騰等により工事の施工段階において大幅な工事原価の変動が発生した場合、工事損失引当金の計上等、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

④ 取引先の信用

当社グループは、企業情報の把握と分析・評価による与信管理の徹底に努めております。しかしながら、建設業においては、工事目的物の引渡し後に工事代金が支払われる条件で契約が締結される場合が多く、このため工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

⑤ 株式及び債券等の保有

当社グループは、株式や債券等を保有しており、企業年金資産においても株式や債券等を保有しております。これらは、随時、運用状況のモニタリング等を行い、必要に応じて、運用商品や資産構成割合等の見直しを実施して、リスクを軽減するよう努めておりますが、株式市況や債券市況の動向等により時価が変動するため、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

⑥ 海外事業

当社グループが事業展開している国における政治・経済情勢、治安等の情報を積極的に入手・分析し、専門家のアドバイスも受けながら慎重に事業を進めることでリスクを軽減するよう努めておりますが、法律や規制、税制の動向、為替相場の変動、社会・経済情勢等の予期しない変化等が生じた場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

なお、新型コロナウイルス感染症は、今後も社会活動への影響が少なからず残るものと思われ、経済活動の停滞による受注環境の悪化等も想定され、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

その感染拡大防止への取り組みについては、テレワークによる在宅勤務や時差出勤等の対策を講じる等、事業に及ぼす影響を最小限に抑制するよう努めております。

 

これらの経営に重大な影響を及ぼすおそれのあるリスクについては、事業運営会議及びリスク管理委員会において、リスクの顕在化の予防に努めるとともに、万一顕在化した場合には、迅速かつ的確に対応することにより、被害・影響範囲を極小化し、事業の継続性を確保してまいります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。これにより、当連結会計年度と比較対象となる前連結会計年度の収益認識基準が異なるため、経営成績に関する説明における売上高、利益又は損失及び次期繰越高については前期比増減率を記載しておりません。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

 

①  財政状態及び経営成績の状況

イ  財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて133億66百万円増加し、1,029億82百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べて137億53百万円増加し、385億10百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べて3億87百万円減少し、644億72百万円となりました。

 

ロ  経営成績

当連結会計年度の経営成績は、受注高1,170億55百万円(前期は801億62百万円)、売上高725億78百万円(前期は595億14百万円)、営業利益31億58百万円(前期は41億4百万円)、経常利益32億57百万円(前期は39億20百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益12億26百万円(前期は27億47百万円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

設備工事業は、受注高1,159億45百万円(前期は793億31百万円)、売上高717億84百万円(前期は586億83百万円)、セグメント利益76億42百万円(前期は69億61百万円)となりました。

その他の事業は、受注高11億9百万円(前期は8億58百万円)、売上高7億94百万円(前期は8億58百万円)、セグメント損失107百万円(前期は9百万円)となりました。

 

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて2億38百万円減少の、90億25百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、57億33百万円の資金の減少(前連結会計年度は107億54百万円の資金の増加)となりました。これは主に売上債権及び契約資産の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、3億85百万円の資金の減少(前連結会計年度は161億64百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、57億84百万円の資金の増加(前連結会計年度は4億69百万円の資金の増加)となりました。これは主に短期借入れによるものであります。

 

③  生産、受注及び販売の実績

 セグメントごとの受注実績及び売上実績は、次のとおりであります。

 

イ  受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自  2020年4月1日

 至  2021年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

 (自  2021年4月1日

 至  2022年3月31日)

(百万円)

増減率(%)

設備工事業

79,331

115,945

46.2

その他の事業

858

1,109

29.3

セグメント計

80,189

117,055

46.0

差異調整額

△27

△0

80,162

117,055

46.0

 

ロ  売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

  (自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

  (自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

(百万円)

増減率(%)

設備工事業

58,683

71,784

その他の事業

858

794

セグメント計

59,541

72,579

差異調整額

△27

△0

59,514

72,578

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」等を適用しております。このため、当該基準等適用前の売上高の実績値に対する増減率は記載しておりません。

3  生産実績については、定義することが困難であるため、記載しておりません。

4  売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

売上高(百万円)

割合(%)

売上高(百万円)

割合(%)

三菱重工業㈱

6,024

10.1

19,507

26.9

㈱JERA

13,736

23.1

11,857

16.3

東京電力ホールディングス㈱

11,875

20.0

9,225

12.7

     (注)三菱パワー株式会社の火力発電システム事業は、2021年10月1日に三菱重工業株式会社に吸収分割されております。

 

  なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

セグメントの名称

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

 

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

 (自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

設備工事業

75,310

80,411

155,721

61,102

94,619

その他の事業

240

240

240

セグメント計

75,310

80,651

155,962

61,343

94,619

差異調整額

△27

△27

△27

75,310

80,624

155,934

61,315

94,619

当事業年度

 (自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

設備工事業

92,079

115,519

207,598

77,266

130,332

その他の事業

243

243

243

セグメント計

92,079

115,762

207,842

77,510

130,332

差異調整額

△0

△0

△0

92,079

115,762

207,841

77,509

130,332

(注) 1  前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2  次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

3  当事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しております。このため、前期繰越工事高については、適用後の金額を記載しております。

 

b.受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

セグメントの名称

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

 (自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

設備工事業

65.8

34.2

100

当事業年度

 (自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

設備工事業

69.1

30.9

100

(注)  百分比は請負金額比であります。

 

c.完成工事高

期別

セグメントの名称

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

 (自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

設備工事業

575

60,527

61,102

その他の事業

240

240

セグメント計

575

60,767

61,343

差異調整額

△27

61,315

当事業年度

 (自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

設備工事業

701

76,565

77,266

その他の事業

243

243

セグメント計

701

76,808

77,510

差異調整額

△0

77,509

(注) 1  完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度  請負金額1億円以上の主なもの

相手先

工事件名

日本ファシリティ・ソリューション㈱

KHネオケム㈱千葉工場 ガスタービンコージェネレーション設備工事

合同会社播磨ソーラー

SHIRAKAWA-FUKUSHIMA発電所 建設工事

㈱JERA

富津火力発電所 4-1号タービン定期点検手入工事

東京電力ホールディングス㈱

福島第一原子力発電所 1~4号機サブドレン除鉄装置設置

三菱重工業㈱

福島ガス発電㈱ 相馬港における天然ガス火力発電所建設工事

  (注)三菱パワー株式会社の火力発電システム事業は、2021年10月1日に三菱重工業株式会社に吸収分割されております。

当事業年度  請負金額1億円以上の主なもの

相手先

工事件名

㈱日立製作所

旭化成㈱延岡支社 第3火力ガスタービン発電設備工事

東京電力ホールディングス㈱

福島第一原子力発電所 1~4号機サブドレン集水設備保守点検業務委託(2021)

㈱JERA

千葉火力発電所 3-2軸タービン定期点検手入工事

日本ファシリティ・ソリューション㈱

東洋製罐久喜工場エネルギーサービス事業 NAS電池システム設置工事

北海道パワーエンジニアリング㈱

石狩湾新港発電所 1号機GTCC発電設備定期保安工事 他(機械・定検工事)

 

2  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

当事業年度

完成工事高

(百万円)

割合(%)

完成工事高

(百万円)

割合(%)

三菱重工業㈱

6,024

9.8

19,507

25.2

㈱JERA

13,736

22.4

11,857

15.3

東京電力ホールディングス㈱

11,875

19.4

9,225

11.9

 

d.次期繰越工事高

2022年3月31日現在

 

セグメントの名称

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

設備工事業

2,006

128,326

130,332

その他の事業

セグメント計

2,006

128,326

130,332

差異調整額

130,332

(注)  次期繰越工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。

相手先

工事件名

完成予定年月

三菱重工業㈱

JERAパワー姉崎 姉崎火力発電所 発電設備建設工事

2023年8月

三菱重工業㈱

西条発電所 ボイラ・脱硝設備機械据付工事及び電気計装工事

2023年6月

東京エネシス・東北発電工業特定工事共同企業体

女川原子力発電所第2号機自動消火設備設置工事(Ⅱ期工事)(B工事)

2023年3月

合同会社境港エネルギーパワー

境港バイオマス発電所建設工事

2022年10月

東京電力ホールディングス㈱

柏崎刈羽原子力発電所 7号小空間固定式消火設備設置工事

2022年7月

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①  重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。具体的には「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

見積り及び仮定の重要度が高いものは以下であります。

イ 重要な収益及び費用の計上基準

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要な収益及び費用の計上基準で重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

ロ 工事損失引当金

受注工事の損失に備えるため、当連結会計年度末の手持工事のうち、損失が発生すると見込まれ、かつ金額を合理的に見積ることが可能な工事について、損失見積額を計上しております。

損失額の見積りは実行予算によって行います。実行予算作成時には、入手可能な情報に基づいた施工条件や資機材価格等を仮定し、作業効率等を勘案して各工種毎に積み上げて作成しております。工事着手後は実際の発生原価と対比して適時・適切に実行予算の見直しを行っておりますが、発注者との変更契約の締結や、設備工事における人的・物的事故等の内的要因、また、市況の変動や自然災害及び感染症拡大等の外的要因により、仮定要素は将来変動する可能性があります。

 

ハ 退職給付に係る負債

退職給付費用及び債務の計算は、割引率、退職に対する給付額、利息費用、年金資産の期待収益率、死亡率、退職率等の要素が含まれております。これらの仮定と実際の結果が異なる数理計算上の差異については、発生した連結会計年度に全額一括費用処理しております。

 

ニ 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性の評価については、当社グループの各社毎に将来の課税所得を見積り、回収可能と認められない金額について評価性引当額を計上しております。

将来の課税所得は、現在入手可能な情報に基づき合理的に見積っておりますが、大幅な経営環境の変化等により、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

ホ のれん及び識別可能な無形固定資産(顧客関連資産)の評価

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、のれん及び識別可能な無形固定資産(顧客関連資産)の評価で重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

②  当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ  経営成績等

当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により停滞感が続いたものの、ワクチン接種の進展等により社会経済が正常化へ向かい景気は持ち直しの動きがみられました。一方で、世界的なサプライチェーンの混乱やエネルギー資源をはじめとする原材料価格の高騰が景気回復の下押し要因となりつつあります。

当社グループを取り巻く経営環境は、エネルギー資源高騰による電力業界の収益性悪化と電力設備投資の抑制等により、依然として厳しい状況が続いております。

このような状況の中、当社グループは、2021年4月よりスタートさせた中期経営計画(2021年度~2023年度)に基づき、最重点課題である「基盤事業の強靭化と新事業領域の更なる拡大による企業価値の向上」に向けた取り組みを推進し、全社を挙げて利益の創出に取り組んでまいりました。

中期経営計画(2021年度~2023年度)の初年度となる当期においては、当社グループの基盤事業である各火力・原子力・水力発電所の建設・点検・保守、福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務や福島復興関連業務、原子力発電所の安全対策工事を着実に遂行するとともに、特にコージェネレーション設備工事や太陽光・小水力・バイオマス・地熱等の再生可能エネルギー関連設備工事においてEPC(設計・調達・建設)からO&M(運転・保守)まで一貫したワンストップサービスをご提案することにより全国各地で受注活動を精力的に展開し、中・長期的な売上の拡大と利益の創出に努めてまいりました。

更には、環境負荷の低い再生可能エネルギー由来の電力の普及拡大と地域経済の発展に貢献すべく、バイオマス発電事業への参画(投融資)を積極的に推進してまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況については次のとおりとなりました。

 

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて133億66百万円増加し、1,029億82百万円となりました。これは主に受取手形、完成工事未収入金及び契約資産の増加によるものであります。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べて137億53百万円増加し、385億10百万円となりました。これは主に短期借入金及び支払手形・工事未払金等の増加によるものであります。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べて3億87百万円減少し、644億72百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の減少によるものであります。

 

b.経営成績

当連結会計年度における受注高は、福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務、バイオマス発電所の長期運転保守受託等の増加や、株式会社日立プラントコンストラクションからの火力発電設備建設工事の承継により、1,170億55百万円(前期は801億62百万円)となり、過去最高額を更新することとなりました。売上高は、前期に比べ、火力発電設備の保修工事や原子力発電所の安全対策工事が減少しましたが、承継工事を含む火力発電設備の大型建設工事が増加したこと等により、725億78百万円(前期は595億14百万円)となりました。

また、次期繰越高は、1,283億23百万円(前期は863億86百万円)となり、過去最高額を大幅に更新することとなりました。

利益面につきましては、売上高の増加があったものの、前期に比べ原価率の高い工事の比率が高かったことに加え、事業承継に伴う顧客関連資産等の償却費を計上したことや柏崎刈羽原子力発電所6、7号機における溶接不良に伴う再施工費用を損害補償損失引当金、並びに工事損失引当金へ計上したことにより、営業利益は31億58百万円(前期は41億4百万円)、経常利益は32億57百万円(前期は39億20百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、12億26百万円(前期は27億47百万円)となりました。

 

c.キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ロ  経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループを取り巻く経営環境は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおりであり、また、「2 事業等のリスク」及び「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計方針及び見積り」に記載している各要因が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 

ハ  資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の施工に要する外注費等の工事費や販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、バイオマス発電事業を中心とした設備投資や出資等によるものであります。

当社グループは、財務基盤の健全性を維持しつつ、成長分野への投資を可能とする財務環境の創出を基本方針としております。

運転資金及び設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入により資金調達しております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は86億52百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は90億25百万円となっております。

また、新型コロナウイルス感染症の影響による工事の中止や延期等、不測の事態に備えるため、金融機関とコミットメントライン契約を締結することで、十分な手元流動性を確保しております。

 

ニ  経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

中期経営計画(2021年度~2023年度)の初年度となる当期の連結業績目標に対する達成状況は、次のとおりであります。

売上高は、計画比44億円減(5.7%減)となりました。これは承継工事を含む火力発電設備の大型建設工事が進捗したものの、原子力発電設備の安全対策工事の進捗遅れ、新型コロナウイルス感染拡大や自然災害による太陽光発電設備、コージェネレーション設備等大型工事の計画延伸の影響等によるものです。

利益面につきましては、売上高の減少に加え、原価率の高い工事の比率が高かったことや、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機における溶接不良に伴う再施工費用を損害補償損失引当金、並びに工事損失引当金へ計上したことにより、営業利益は計画比17億円減(35.5%減)、経常利益は計画比17億円減(34.8%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、計画比21億円減(63.9%減)となりました。

 

 

指標

連結業績目標

(2021年度)

連結業績実績

(2021年度)

計画比

売上高

770億円程度

725億円

44億円減( 5.7%減)

営業利益

49億円程度

31億円

17億円減(35.5%減)

経常利益

50億円程度

32億円

17億円減(34.8%減)

親会社株主に帰属する当期純利益

34億円程度

12億円

21億円減(63.9%減)

 

 

ホ  セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(設備工事業)

受注高は、エネルギー・産業部門や原子力部門等の増加により、1,159億45百万円(前期は793億31百万円)となりました。売上高は、電力部門の増加により、717億84百万円(前期は586億83百万円)となりました。

セグメント利益は、76億42百万円(前期は69億61百万円)となりました。

 

(その他の事業)

受注高は、11億9百万円(前期は8億58百万円)となりました。

売上高は、7億94百万円(前期は8億58百万円)となりました。

セグメント損失は、107百万円(前期は9百万円)となりました。

 

参考:セグメントの名称に対応した部門等の名称

セグメントの名称

部門等

設備工事業

エネルギー・産業部門、電力部門、原子力部門、海外事業部、溶接・検査センター、バイオマス燃料・発電プロジェクト

その他の事業

発電事業、不動産事業、リース・レンタル事業、保険代理業、製造・販売事業、卸売業

 

4【経営上の重要な契約等】

(会社分割による事業承継)

 当社は、2021年1月27日開催の取締役会において、株式会社日立プラントコンストラクションの火力発電に関連する事業の一部を会社分割により承継する統合基本契約を締結することを決議し、同日締結いたしました。また、2021年5月17日に当社は、統合基本契約に定めるところに基づき、株式会社日立プラントコンストラクションとの間で吸収分割契約を締結し、2021年7月1日に当社は本会社分割を完了いたしました。

 

 なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

  当社の研究開発は、主に技術開発部が中心となり、工事施工における生産性の向上、コストダウン及び安全性の向上を目的とした新技術、新工法の研究開発及び新分野における研究開発に重点をおいて推進しております。

  当連結会計年度における研究開発費は117百万円であり、主な研究開発の内容は以下のとおりであります。

  なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

 

(1) 高線量下領域における遠隔操作・作業装置の開発(設備工事業)

原子力発電所構内の高線量下領域における現場調査・除染・切断・解体・穿孔・高所作業等を目的に、狭隘な管路を通行可能、かつグレーチング上の移動が可能なロボットの開発を実施しました。

また、高線量下領域にあるバルブ等の操作を遠隔操作で行うアバターロボットの開発を実施しました。

 

(2) 状態監視保全(CBM)に係る振動診断技術の開発(設備工事業)

 火力発電所における回転機器の状態監視保全(CBM)として、振動測定技術、赤外線サーモグラフィ測定技術を基に遠隔で状態監視できる技術の開発を実施しました。

 

(3) 大型ローター及び大型FAN(IDF)点検用回転治具の開発(設備工事業)

 火力発電所における大型機器のローター、ファン等の点検における安全確保と省力化を目的とし、大型ローターを回転、停止できる回転装置及びアタッチメントの開発を実施しました。