第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、2018年4月に新たなグループ経営ビジョンを制定いたしました。今後ともエネルギーとシステムを支える企業として、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という当社グループの存在目的のもと全力で事業に邁進してまいります。

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(2)経営戦略等

当社グループは、経営環境の変化に適応し、持続的な成長を実現していくために、「2018年度  中期経営計画」(2018年度~2020年度)を策定し、以下の経営目標達成に向けた諸施策を展開してまいります。

 

① 事業領域の確保・拡大

② 利益を継続的に生み出せる企業体質への変革

③ 人と技術の育成・強化

④ 社会的責任を果たす行動の実践

⑤ 福島復興への継続的貢献

 

なお、当中期経営計画期間の連結業績目標(3ヵ年平均)を次のとおり設定しております。

 

〇 受注高              730億円程度

〇 売上高              730億円程度

〇 営業利益             55億円程度

〇 経常利益             55億円程度

〇 親会社株主に帰属する当期純利益  40億円程度

 

 

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、電力業界において2020年4月に施行された電力システム改革の最終段階となる発電部門と送電部門との法的分離に伴って、更に厳しいコストダウン等が求められることが予想されることに加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴い国内外の経済活動が停滞し景気が急速に悪化することが見込まれ、極めて厳しい局面を迎えるものと思われます。

このような状況にあっても、当社グループは、経営環境の変化に迅速な対応ができる体制を構築するため、社内ルールや業務運営から組織体制まで社内全般にわたる改革を確実に進め、引き続き、既存領域を堅持する一方で施工・営業が一体となって新規顧客の獲得と事業領域の拡大に注力してまいります。

事業領域の裾野を拡げるため、これまで培ってまいりました技術力を活かし、コージェネレーションシステムや空調設備、太陽光・小水力・風力・バイオマス・地熱等の再生可能エネルギー等の工事において、EPC(設計・調達・建設)からO&M(運転・保守)までを一貫して受注する営業活動を積極的に展開してまいります。

鳥取県境港市における木質バイオマス発電事業につきましては、地球規模で取り組むべきCO2削減、カーボンニュートラルに適う再生可能エネルギー拡大に対する当社の取り組みの一環として、2022年度内の営業運転を目指し建設工事を進めてまいります。

また、海外事業につきましても、アジア地域の旺盛なエネルギー需要に応えるべく、タイ王国内に取得いたしました工場を本格稼働させ、設備の設計・製造から建設、運転・保守まで一貫した設備工事の受注を進めてまいります。

当社は、原子力分野におきましても、東日本大震災直後から福島第一原子力発電所の事故収束作業にあたり、その後も継続して廃炉・汚染水処理の作業に携わってまいりました。廃炉作業がより核心部へ移りつつある中、Wi-Fiネットワークシステム搭載型遠隔走行作業車等を開発し現場への実践投入を図るなど、今後も困難な作業へ積極的に関わり続けることで福島復興に向けた取り組みを継続してまいります。

今後とも当社グループは、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という理念のもと、工事の安全・品質の確保を最優先に取り組み、全社をあげて継続的な発展と企業価値の向上に努めてまいります。また、社会と共生していくために、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)へ取り組むとともに、働き方改革、女性活躍、障がい者雇用や外国人技能実習生の受入れを精力的に進め、企業としての社会的責任を果たしてまいります。

なお、今後の事業活動にも少なからず影響が予想される新型コロナウイルス感染症に対しても、リスク管理を徹底しBCP(事業継続計画)を着実に実践してまいります。

 

2【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクには、以下のようなものがあります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

  なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響については、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)受注環境

当社グループは、市場の変化に対応して営業体制の強化を図るとともに、お客さまや市場のニーズを的確に捉えた技術提案型営業活動を積極的に展開しております。しかしながら、当社グループに影響の大きい電力関連設備工事において、今後の電力エネルギー政策の動向、想定を上回る電力設備投資の減少、また、地震、風水害等の大規模自然災害や感染症の流行が発生した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

(2)工事施工

当社グループは、設備工事業を主たる事業としており、「品質」「環境」「労働安全衛生」を統合したマネジメントシステムを基軸とした工事施工品質の向上とお客さまや市場のニーズを的確に把握するためのCS(お客さま満足)活動のレベルアップにより、事業基盤の一層の強化に努めております。しかしながら、設備工事において人的・物的事故や災害が発生した場合や工事施工中において、地震、風水害等の大規模自然災害や感染症の流行が発生した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

また、施工後においても、自然災害による損害を受けた設備に対して、契約上の復旧義務が生じた場合等、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

(3)工事原価の変動

当社グループは、工事用資機材の集中購買や競争入札の拡大等により、工事原価の徹底した管理に努めております。しかしながら、材料費や労務費の高騰等により工事の施工段階において大幅な工事原価の変動が発生した場合、工事損失引当金の計上等、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

(4)株式及び債券等の保有

当社グループは、株式や債券等を保有しており、企業年金資産においても株式や債券等を保有しております。これらは、株式市況や債券市況の動向等により時価が変動するため、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

(5)取引先の信用

当社グループは、企業情報の把握と分析・評価による与信管理の徹底に努めております。しかしながら、建設業においては、工事目的物の引渡し後に工事代金が支払われる条件で契約が締結される場合が多く、このため工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

 

(6)海外事業

当社グループが事業展開している国において、法律や規制、税制の動向、為替相場の変動、社会・経済情勢等の予期しない変化等が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

なお、今般の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による影響は収束時期が不透明であることから、工事中断や工期延伸、更には経済活動の停滞による受注環境の悪化等も想定され、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

その感染拡大防止への取り組みについては、テレワークによる在宅勤務や時差出勤等の対策を講じる等、事業に及ぼす影響を最小限に抑制するよう努めております。

 

これらの経営に重大な影響を及ぼすおそれのあるリスクについては、事業運営会議及びリスク管理委員会において、リスクの顕在化の予防に努めるとともに、万一顕在化した場合には、迅速かつ的確に対応することにより、被害・影響範囲を極小化し、事業の継続性を確保してまいります。

 

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①  財政状態及び経営成績の状況

イ  財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて3億53百万円減少し、854億1百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べて16億56百万円減少し、226億43百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べて13億3百万円増加し、627億58百万円となりました。

 

ロ  経営成績

当連結会計年度の経営成績は、受注高640億12百万円(前期比13.1%減)、売上高665億20百万円(前期比3.1%減)、営業利益39億18百万円(前期比18.7%減)、経常利益38億99百万円(前期比22.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益23億76百万円(前期比32.3%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

設備工事業は、受注高629億99百万円(前期比13.3%減)、売上高655億8百万円(前期比3.1%減)、セグメント利益68億28百万円(前期比32.1%増)となりました。

その他の事業は、受注高及び売上高10億1百万円(前期比3.5%減)、セグメント利益2億63百万円(前期比25.9%増)となりました。

 

 

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて19億83百万円減少の、141億43百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、23億90百万円の資金の増加(前連結会計年度は18億65百万円の資金の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上及び売上債権の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、32億24百万円の資金の減少(前連結会計年度は26億75百万円の資金の減少)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、9億65百万円の資金の減少(前連結会計年度は9億53百万円の資金の減少)となりました。これは主に配当金の支払によるものであります。

 

③  生産、受注及び販売の実績

 セグメントごとの受注実績及び売上実績は、次のとおりであります。

 

イ  受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自  2018年4月1日

 至  2019年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

 (自  2019年4月1日

 至  2020年3月31日)

(百万円)

増減率(%)

設備工事業

72,632

62,999

△13.3

その他の事業

1,038

1,001

△3.5

セグメント計

73,670

64,001

△13.1

差異調整額

7

10

35.2

73,678

64,012

△13.1

 

ロ  売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

  (自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

  (自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

(百万円)

増減率(%)

設備工事業

67,598

65,508

△3.1

その他の事業

1,038

1,001

△3.5

セグメント計

68,636

66,509

△3.1

差異調整額

7

10

35.2

68,644

66,520

△3.1

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  生産実績については、定義することが困難であるため、記載しておりません。

3  売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

売上高(百万円)

割合(%)

売上高(百万円)

割合(%)

東京電力ホールディングス㈱

16,989

24.7

14,392

21.6

㈱JERA

11,808

17.8

三菱日立パワーシステムズ㈱

8,935

13.0

10,641

16.0

 

  なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

セグメントの名称

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

 

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

 (自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

設備工事業

63,206

72,409

135,616

67,404

68,212

その他の事業

247

247

247

セグメント計

63,206

72,657

135,864

67,651

68,212

差異調整額

7

7

7

63,206

72,665

135,872

67,659

68,212

当事業年度

 (自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

設備工事業

68,212

72,063

140,275

64,965

75,310

その他の事業

245

245

245

セグメント計

68,212

72,308

140,521

65,211

75,310

差異調整額

10

10

10

68,212

72,319

140,531

65,221

75,310

(注) 1  前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2  次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

b.受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

セグメントの名称

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

 (自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

設備工事業

87.4

12.6

100

当事業年度

 (自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

設備工事業

83.3

16.7

100

(注)  百分比は請負金額比であります。

 

c.完成工事高

期別

セグメントの名称

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

 (自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

設備工事業

12

67,391

67,404

その他の事業

247

247

セグメント計

12

67,639

67,651

差異調整額

7

67,659

当事業年度

 (自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

設備工事業

983

63,981

64,965

その他の事業

245

245

セグメント計

983

64,227

65,211

差異調整額

10

65,221

(注) 1  完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度  請負金額1億円以上の主なもの

相手先

工事件名

三菱ふそうトラック・バス㈱

K1ガスエンジン発電所建設工事

日本ファシリティ・ソリューション㈱

コカ・コーライーストジャパン㈱ 海老名工場向けガスタービン設備新設工事

日本原燃㈱

2018年度 設備点検工事(その10)

三菱日立パワーシステムズ㈱

東京電力フュエル&パワー㈱ 広野火力発電所 5号ボイラー主蒸気管取替並びに関連除却工事(2期工事)

東京電力ホールディングス㈱

福島第一原子力発電所 1~4号機サブドレン集水設備移送配管二重化に伴う設備工事

当事業年度  請負金額1億円以上の主なもの

相手先

工事件名

日本原燃㈱

2019年度 設備点検工事(その10)

東京電力ホールディングス㈱

福島第一原子力発電所 1~4号機サブドレン集水設備保守点検業務委託(2019)

合同会社茨城ソーラー

茨城県北茨城市 太陽光発電設備建設工事

㈱JERA

広野火力発電所 6号ボイラー定検手入工事その1

東京都

環2築地大橋景観照明設置工事(30一-環2築地)その2

 

2  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

当事業年度

完成工事高

(百万円)

割合(%)

完成工事高

(百万円)

割合(%)

東京電力ホールディングス㈱

16,989

25.1

14,392

22.1

㈱JERA

11,808

18.1

三菱日立パワーシステムズ㈱

8,934

13.2

10,641

16.3

 

d.次期繰越工事高

2020年3月31日現在

 

セグメントの名称

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

設備工事業

762

74,547

75,310

その他の事業

セグメント計

762

74,547

75,310

差異調整額

75,310

(注)  次期繰越工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。

相手先

工事件名

完成予定年月

合同会社境港エネルギー

パワー

境港バイオマス発電所建設工事

2022年6月

東京エネシス・東北発電
工業特定工事共同企業体

女川原子力発電所第2号機自動消火設備設置工事(Ⅱ期工事)(B工事)

2021年3月

東京電力ホールディングス㈱

柏崎刈羽原子力発電所 6号小空間固定式消火設備設置工事(その2)

2020年12月

東京電力ホールディングス㈱

柏崎刈羽原子力発電所 7号小空間固定式消火設備設置工事

2020年12月

合同会社播磨ソーラー

SHIRAKAWA-FUKUSHIMA発電所 建設工事

2020年10月

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①  重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。具体的には「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

見積り及び仮定の重要度が高いものは以下であります。

イ 重要な収益及び費用の計上基準

当連結会計年度末までの進捗部分について、重要性が高く成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事進捗度の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。

工事進行基準による完成工事高計上においては、工事原価総額の見積りにより損益の額に影響を与えます。

工事原価総額の見積りは、実行予算によって行います。実行予算作成時には、入手可能な情報に基づいた施工条件や資機材価格を仮定し、作業効率等を勘案して各工種毎に詳細に積み上げて作成しております。工事着手後は実際の発生原価と対比して、適時・適切に実行予算の見直しを行っておりますが、設備工事における人的・物的事故等の内的要因や、市況の変動、自然災害及び感染症拡大等の外的要因により、仮定要素は将来変動する可能性があります。

 

ロ 工事損失引当金

受注工事の損失に備えるため、当連結会計年度末の手持工事のうち、損失が発生すると見込まれ、かつ金額を合理的に見積ることが可能な工事について、損失見積額を計上しております。

損失額の見積りは実行予算によって行います。実行予算作成時には、入手可能な情報に基づいた施工条件や資機材価格を仮定し、作業効率等を勘案して各工種毎に積み上げて作成しております。工事着手後は実際の発生原価と対比して適時・適切に実行予算の見直しを行っておりますが、発注者との変更契約の締結や、設備工事における人的・物的事故等の内的要因、また、市況の変動や自然災害及び感染症拡大等の外的要因により、仮定要素は将来変動する可能性があります。

 

ハ 退職給付引当金

退職給付費用及び債務の計算は、割引率、退職に対する給付額、利息費用、年金資産の期待収益率、死亡率、退職率等の要素が含まれております。これらの仮定と実際の結果が異なる数理計算上の差異については、発生した連結会計年度に全額一括費用処理しております。

 

ニ 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性の評価については、当社グループの各社毎に将来の課税所得を見積り、回収可能と認められない金額について評価性引当額を計上しております。

将来の課税所得は、現在入手可能な情報に基づき合理的に見積っておりますが、大幅な経営環境の変化等により、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

②  当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ  経営成績等

当期におけるわが国経済は、緩やかな回復基調にありましたが、第4四半期以降、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内消費が冷え込み経済活動も縮小されはじめたことから、先行きに不透明感や停滞感が増してまいりました。

当社グループの経営環境は、新電力事業者等による発電設備の建設工事や省エネ・効率化を目的とした民間設備投資が堅調に推移する一方で、電力設備関連は、電力小売全面自由化のもと、電気事業者から徹底した合理化策が求められ、コストの削減要求に加えて工事量減少など依然として厳しい状況が続いております。

このような状況の中、当社は、中期経営計画において、「収益構造の多様化と組織力の最大化による持続的な成長・拡大」を最重点課題とし、既存事業領域を堅持するとともに、事業領域を拡大すべく、海外事業を展開するための拠点づくりやバイオマス発電事業への参画等に取り組んでまいりました。

これらの取り組みを進めるとともに、各火力・原子力・水力発電所の点検・保守、福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務や福島復興関連業務、原子力発電所の安全対策工事、更に大型火力発電設備・コージェネレーション設備・通信設備・大型太陽光発電設備等の工事において受注・売上の拡大を図り、全社をあげて利益の創出に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況については次のとおりとなりました。

 

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて3億53百万円減少し、854億1百万円となりました。これは主に現金預金及び未成工事支出金が増加したものの、受取手形・完成工事未収入金等及び有価証券が減少したことによるものであります。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べて16億56百万円減少し、226億43百万円となりました。これは主に支払手形・工事未払金等及び未成工事受入金の減少によるものであります。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べて13億3百万円増加し、627億58百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加によるものであります。

 

b.経営成績

当連結会計年度における受注高は、水力発電所の再開発事業への参画やコージェネレーション設備工事の受注が増加したものの、火力発電設備の建設工事の減少や点検手入工事の繰り延べ、大型台風の影響による太陽光発電設備工事の計画延伸等により、640億12百万円(前期比13.1%減)となりました。売上高は、火力発電設備及び太陽光発電設備の建設工事が進捗したものの、福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務の一部延伸等により665億20百万円(前期比3.1%減)となりました。

次期繰越高は、657億38百万円(前期比3.7%減)となりました。

利益面につきましては、売上高の減少及び、事業領域拡大を図る中での新領域分野における原価率の上昇等により、営業利益は39億18百万円(前期比18.7%減)、経常利益は38億99百万円(前期比22.5%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益では、自然災害による損失計上もあり、23億76百万円(前期比32.3%減)となりました。

 

c.キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ロ  経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループを取り巻く経営環境は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおりであり、また、「2 事業等のリスク」及び「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計方針及び見積り」に記載している各要因が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 

ハ  資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の施工に要する外注費等の工事費や販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資や債券等の購入によるものであります。

当社グループは、財務基盤の健全性を維持しつつ、成長分野への投資を可能とする財務環境の創出を基本方針としております。

運転資金及び設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入により資金調達しております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5億10百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は141億43百万円となっております。

また、新型コロナウイルス感染症の影響による工事の中止や延期等、不測の事態に備えるため、2020年6月に複数の金融機関と総額70億円のコミットメントライン契約を締結することで、十分な手元流動性を確保しております。

 

ニ  経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「2018年度中期経営計画」(2018年度~2020年度)の2年目である2019年度の連結業績目標に対する達成状況は、次のとおりであります。

受注高は、計画比89億円減(12.3%減)となりました。これは水力発電所の再開発事業への参画やコージェネレーション設備工事の受注が増加したものの、火力発電設備の建設工事の減少や点検手入工事の繰り延べ、大型台風の影響による太陽光発電設備工事の計画延伸等によるものであります。

売上高は、計画比14億円減(2.2%減)となりました。これは火力発電設備及び太陽光発電設備の建設工事が進捗したものの、福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務の一部延伸等によるものであります。

利益面につきましては、売上高が減少しましたが、工事原価の低減及び要員の効率的配置により工事採算性が改善したことや全社で徹底した諸経費の削減に努めたことから、営業利益は、計画比5億円増(15.2%増)、経常利益は、計画比3億円増(9.8%増)となったものの、親会社株主に帰属する当期純利益は、自然災害による損失計上があり、計画比0億円減(1.0%減)となりました。

 

指標

連結業績目標

(2019年度)

連結業績実績

(2019年度)

計画比

受注高

730億円程度

640億円

89億円減(12.3%減)

売上高

680億円程度

665億円

14億円減( 2.2%減)

営業利益

34億円程度

39億円

5億円増(15.2%増)

経常利益

35.5億円程度

38億円

3億円増( 9.8%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

24億円程度

23億円

0億円減( 1.0%減)

 

ホ  セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(設備工事業)

受注高及び売上高は、エネルギー・産業部門及び原子力部門がともに減少したことにより、受注高は629億99百万円(前期比13.3%減)、売上高は655億8百万円(前期比3.1%減)となりました。セグメント利益は、68億28百万円(前期比32.1%増)となりました。

(その他の事業)

受注高及び売上高は、10億1百万円(前期比3.5%減)となり、セグメント利益は、2億63百万円(前期比25.9%増)となりました。

 

参考:セグメントの名称に対応した部門等の名称

セグメントの名称

部門等

設備工事業

エネルギー・産業部門、原子力部門

その他の事業

発電事業、不動産事業、リース・レンタル事業、保険代理業、

製造・販売事業、卸売業

 

4【経営上の重要な契約等】

(1) タイ王国現地法人の株式の追加取得

当社は、2019年7月11日開催の取締役会において、当社の関連会社(持分法非適用会社)である「TES Practicum Co.,Ltd.」の株式増資に伴い、その一部を当社が取得することを決議し、同年7月26日付で株式譲渡契約を締結しております。これにより、同社の資本金の額が当社の資本金の額の100分の10以上に相当し、同社は当社の特定子会社となります。

 

① 株式取得の相手会社の名称

Practicum Engineering Co.,Ltd.

 

② 取得する会社の名称、住所、代表者の氏名、資本金及び事業の内容

イ  名称     :TES Practicum Co.,Ltd.

2020年4月1日付でTokyo Enesys(Thailand)Co.,Ltd.に商号変更しております。

ロ  住所     :タイ王国 バンパコン市

ハ  代表者の氏名 :代表取締役 太田 智久

ニ  資本金 増資前: 10百万バーツ

増資後:490百万バーツ

ホ  事業の内容  :発電プラント関係の設備製造販売、製品輸出

 

(2) バイオマス発電所の建設・運営

2019年9月19日開催の取締役会において、当社が100%出資する「合同会社境港エネルギーパワー」(子会社)を通じて、鳥取県境港市に木質バイオマス発電所を建設、運営を行うことを決議しました。

 

発電所の概要

イ  設備名称   :境港バイオマス発電所(仮称)

ロ  所在地    :鳥取県境港市昭和町2-9他

ハ  敷地面積   :約2万6,000平方メートル

ニ  定格出力   :2万4,300キロワット

ホ  年間送電電力量:約1億6,632万キロワット時(約5万5,000世帯分の年間電気消費量)

ヘ  使用燃料   :パーム椰子種殻、バーク(樹皮)材、木質ペレット

ト  建設関連費用 :約120億円

チ  営業開始時期 :2022年度内(予定)

リ  発電事業者  :合同会社境港エネルギーパワー(子会社)

 

5【研究開発活動】

  当社の研究開発は、主に技術部が中心となり、工事施工における生産性の向上、コストダウン及び安全性の向上を目的とした新技術、新工法の研究開発及び新分野における研究開発に重点をおいて推進しております。

  当連結会計年度における研究開発費は43百万円であり、主な研究開発の内容は以下のとおりであります。

  なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

 

(1) 電動機用固定子点検装置の開発(設備工事業)

電動機点検時の作業効率の向上及び時間短縮化を目的に、高い技量が求められる打音チェックの結果を定量的に見える化できる計測方法の確立及び専用計測装置の開発を実施しました。

 

(2) 高線量下領域における遠隔操作・作業装置の開発(設備工事業)

高線量領域の人が立ち入れない建屋内での被ばく低減・操作性向上を目的に、遠隔操作装置の位置情報確認装置及び作業装置の開発を実施しました。

 

(3) 漏洩同軸ケーブル(LCX)を利用した遠隔操作用無線機通信網の開発(設備工事業)

オフィスや廃炉現場に係るICT、IOTを推進する上で必要不可欠な通信網の新たな確立を目的に、模擬LCX製作及び無線装置の開発を実施しました。