第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、総合エンジニアリング企業への成長を続けるとともに、今後ともエネルギーとシステムを支える企業として、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という当社グループの存在目的のもと全力で事業に邁進してまいります。

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(2)経営戦略等

当社グループは、経営環境の変化に適応し、持続的な成長を実現していくために「2021年度中期経営計画」(2021年度~2023年度)を策定し、以下の経営目標達成に向けた諸施策を展開してまいります。

 

[最重点課題]

『基盤事業の強靭化と新事業領域の更なる拡大による企業価値の向上』

 

[重点目標]

① 設備工事を主体とした基盤事業の強靭化

② 新事業領域の更なる拡大と収益力向上

③ 新たな環境価値創造へ寄与する技術力・競争力強化

④ グループ組織力の最大化

⑤ 「キュードの価値観」を基盤とした企業風土の再構築

⑥ 福島復興への継続的貢献

 

Q’d(キュード)は、「どこまでもQuality Oriented」でありたいという考えを表したものです。

Q’dとは、お客さまのために、社会のために、より良い提案をしていきたいと誓い合う言葉でもあります。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする不安定な国際情勢による資源価格の高騰や為替変動の影響を受け、エネルギーインフラ事業に携わる当社グループにとっては引き続き厳しい経営環境が継続するものと予想されます。

一方で、カーボンニュートラル社会実現のため、「GX推進法」「GX脱炭素電源法」が成立し、省エネの推進、再エネの主力電源化、原子力の活用等の具体的な道筋が示されたことは、当社グループにとってビジネス領域を拡大する好機であると考えております。

このような状況の中、当社グループは、中期経営計画(2021年度~2023年度)の最終年度である2023年度において、最重点課題として掲げている「基盤事業の強靭化と新事業領域の更なる拡大による企業価値の向上」を果たすため、数値目標達成に向けて取り組んでまいります。

火力発電分野につきましては、脱炭素の流れから漸減傾向にありましたが、電力需給ひっ迫への対応として当面は活用が見込まれていること、長期脱炭素電源オークションの導入により既設火力の改造工事やLNG火力の新設工事が計画されていること等から、これまでに蓄積した技術力を発揮し、電力の安定供給を支えてまいります。

原子力発電分野につきましては、政府が既存発電所の再稼働や新増設、リプレース、運転期間の延長等、原子力の利活用を進めていく方針を示したことから、当社としても国のエネルギー政策に貢献できるよう最大限に取り組んでまいります。すでに公表しております柏崎刈羽原子力発電所6、7号機固定式消火設備配管溶接部の溶接不良への対応として、7号機は再施工を完了しており、6号機につきましても再発防止対策を徹底したうえで再施工を確実に行ってまいります。

また、福島第一原子力発電所の廃炉・安定化作業に関しましても、引き続き積極的に取り組み、今後も困難な作業へ全力で関わり続けることで福島復興へ向けた取り組みを継続してまいります。

グリーンエネルギー分野につきましては、国内各所のバイオマス発電所建設工事をはじめ、O&M(運転・保守)業務やLTSA(長期保守契約)業務の受託により、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するとともに、発電所の安全・安定運転を通して地域に貢献してまいります。

さらに、鳥取県営水力発電所再整備事業等の水力発電事業の他、各地域における地産エネルギー活用の推進に加えて、PPA(電力販売契約)やCCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)等に関わる新しいビジネスの創出にも引き続き取り組んでまいります。

当社の子会社である合同会社境港エネルギーパワーが鳥取県境港市において建設を進めておりました木質バイオマス発電所につきましては、2022年10月に営業運転を開始いたしました。引き続き、地元の皆さまのご理解とご支援をいただきながら、環境負荷低減に向けた発電所運営を行うとともに、地域経済の発展に貢献してまいります。

海外事業分野につきましては、タイ王国内にあるTokyo Enesys (Thailand) Co.,Ltd.の工場において、日本国内メーカーや東南アジアをはじめとする近隣諸国のお客さまからの様々なニーズに応じた製品を供給できる体制構築により、受注が拡大しつつあります。創立3年目を迎え、発電設備から一般産業分野への拡大やEPC(設計・調達・建設)への展開も視野に入れた営業展開を進めてまいります。

また、以上のような事業領域拡大や新規事業開発が進む中においては、お客さまへ最適な品質を提供するための体制を再構築する必要があることから、2023年4月に安全環境・品質管理部から品質保証部が独立した組織となりました。今後、品質保証体制を強化し、各層への教育を行い、原子力発電分野における施工不良への再発防止対策を含めた不適合発生の予防に全力で取り組んでまいります。

今後とも「暮らしのより確かな基盤をつくる」という理念のもと、「工事の安全」と「品質の確保」を最優先に社会インフラ構築事業を強固なものにしていくとともに、これら事業を通じて環境負荷の低減、カーボンニュートラル社会の実現へ貢献してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ方針

 当社グループは、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という基本理念のもと、お客さま等に「信頼・選択され続ける」ことを第一に、企業成長の源泉に位置付けた人的資本の伸展により社会的課題を解決し、企業価値の向上と持続可能な社会の実現に力強く取り組むことを「サステナビリティ方針」として策定しております。

サステナビリティ方針

当社グループは、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という基本理念のもと、以下を実践してまいります。

●人的資本の伸展をエンゲージメントにつなげて、組織基盤を強化してまいります。

●主体的に社会的課題を解決しステークホルダーから信頼・選択され続けることで、企業価値を高め、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組)

 当社グループは、2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードを踏まえ、気候変動問題を重要な経営課題の一つと捉え、2023年5月にTCFD提言への賛同を表明いたしました。

 そのうえで、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という基本理念のもと、株主及び投資家はもとより地域社会・お客さま・取引先・従業員等のステークホルダーから信頼・選択され続ける企業を目指すとともに、カーボンニュートラル等社会的課題を解決するため、グリーンエネルギー事業等更なる挑戦を展開してまいります。

 今後も、事業活動を通じた持続可能な社会の実現に貢献するとともに、TCFD提言に基づいた情報開示に取り組んでまいります。

<TCFD提言による開示推奨項目>

ガバナンス

気候関連のリスク及び機会に係る組織のガバナンス

戦略

気候関連のリスク及び機会が組織のビジネス、戦略、財務計画に及ぼす影響

リスク管理

気候関連のリスクの認識、評価、管理プロセス

指標と目標

気候関連のリスク及び機会を評価・管理する指標と目標

(注)1 TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略)

 金融安定理事会(FSB)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォース。2017年6月、気候変動の影響を金融機関や企業、政府等の財務報告において開示することを求める提言を公表。

   2 グリーンエネルギー事業

 2022年7月にグリーンエネルギー事業本部を設立。地域社会の皆さまと連携するとともに、利用可能な再生可能エネルギー資源を発掘し、地域の特質を活かした事業展開を手掛けております。

 

① ガバナンス

 経営に重大な影響を及ぼすおそれのある気候関連のリスクや機会については、代表取締役社長が議長や委員長を務める事業運営会議並びにリスク管理委員会において、リスクの事前回避や顕在化時の被害軽減に努めるとともに、脱炭素社会実現に向けた社会的課題の解決を通して、ビジネスモデルの多様化による企業価値向上を目指してまいります。

 万が一重大なリスクや損失が顕在化した場合には、迅速かつ的確に対応することにより、経営に及ぼす影響を最小限に抑制するよう努めております。

 気候関連のリスクや機会に対する取締役会によるガバナンスとしては、執行側並びに監査側(監査等委員会及び内部監査部門)の複線化したレポートラインから定期的に報告を受け、監督しております。

 なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制の詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制」に記載しております。

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② 戦略

イ シナリオ設定

 当社グループは、2つのシナリオにおける2050年までの社会を想定し、各シナリオにおける気候関連のリスクと機会の特定を行っております。

1.5℃/2℃シナリオ

4℃シナリオ

今世紀末までに産業革命前と比較し、世界の平均気温上昇を2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑えるため、大胆な政策や技術革新が加速される。

脱炭素社会への移行に伴う社会変化が事業に影響を及ぼす社会を想定。

パリ協定に即して各国政策が進められるも、現状を上回る対策をとらなければ世界の平均気温が4℃程度上昇する。

温度上昇等の気候の変化が事業に影響を及ぼす社会を想定。

 

ロ シナリオ分析結果

 当社グループは、2つのシナリオ分析によって特定された気候関連のリスクと機会の中から、重要度の高い主な項目について財務インパクトを評価した結果は次のとおりであります。

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 今後も評価結果を踏まえた対応策を実践する一方、社内外の変化にあわせて適宜見直しを行ってまいります。

 

③ リスク管理

 TCFD提言に基づき特定された気候関連のリスクについては、顕在化した際の財務インパクトも含めて事業運営会議で審議・評価したうえで、影響が大きいと判断されたものについては、リスク管理委員会と連携し、全社横断的なリスクとともに統括的に管理しております。

 

④ 指標と目標

 当社の事業(単体)における燃料や電気の使用に伴う自社の温室効果ガス排出量として、Scope1排出量(直接排出)及びScope2排出量(間接排出)の算定結果は以下のとおりです。

 当社は、カーボンニュートラル目標として、2030年度に2013年度比で温室効果ガス排出量の46%削減、2050年度に実質ゼロを目指しております。

 具体的な取り組みの一例として、Scope2のうち本社ビルのCO2排出量は全体の約1/4を占めていることから、カーボンニュートラル目標として全量オフセットを検討してまいります。

 今後は、Scope3(事業者の活動に関連する他社の排出等Scope1、Scope2以外の間接排出)を含むサプライチェーン全体へ対象範囲の拡充に向けて取り組んでまいります。

    0102010_004.png

 

(3)人的資本

① 戦略

 当社はこれまで、事業活動を支える人的資本に関しては、中長期的なガバナンス確保の観点から、2021年に「人材育成大綱」を策定し、人材戦略を進めてまいりました。企業活動を支えるのは、「人」であり、人は最大の財産であります。そこで、キュードの価値観に基づき「人の成長こそが企業の成長、価値向上につながる」との認識に立ち、人材育成を重要な企業活動と位置づけ、全社を挙げて人材育成に力を入れております。そして、社員が自身の成長を実感し活躍する事で、キュードの価値観の実現と企業価値の向上へつなげていくことを、目指しております。

 上記について機会創出の面では、「目指す社員像に向けた人材育成」、「新時代をになう人材開発の充実」、今後の成長を支える「人材採用の強化」を推進しております。また、リスク管理面では、ICTの活用、システム化により、業務改革を行うとともに、総労働時間の短縮に取り組み、組織風土の健全化に努めております。(本件は拡大安全衛生委員会とも連携)

 

<人材育成の方針>

 人材育成については、4つの方針を掲げて取り組んでおります。

イ 目指す社員像に向けた人材育成

 当社が目指す社員像を明確にすることで、必要な能力と行動を具体的に提示し、成長を促進しております。目指す社員とは、次の3つの要件を満たす社員であります。

a [職場の一員として]

  「論理的な思考と判断、的確な意思疎通により、協働する社員」

b [組織のリーダーとして]

  「メンバーの能力を引き出して組織の総合力を高め、成果を挙げる社員」

c [社内外に通用するプロフェッショナルとして]

  「自身の専門性を充分に発揮し、課題解決、目標達成できる社員」

 このために、aに相応する「基盤力」、bに相応する「マネジメント力」、cに相応する「専門性」の育成に取り組んでおります。また、これらは、「年度教育訓練計画」によって、着実な浸透を図っております。

 

ロ 部門が目指す社員像に向けた人材育成

 各部門においては、部門が目指す社員像を明らかにし、能力、行動を定義して、各部門における人材育成に取り組んでおります。特に、技術レベルを高め、人的資本価値を向上させるために、人材育成タスクフォースを設置し、OJT期間の社員の着実な技術習得を進めるとともに、技量力量評価を実施し、目指す技量レベルと力量グレードの到達時期の目標を設定し、その実現を目指しております。

 

ハ 新時代をになう人材開発の充実

 中期経営計画において、持続的な競争優位を構築する施策体系を作り、特別管理職の育成・役割強化、社会状況の変化に対する階層別教育の再構築に取り組んでおります。また、海外EPC、O&Mへの挑戦や、バイオマス発電所、国内O&M事業の拡大、燃料販売事業の確立等、新領域に向けた人材開発にも注力しております。

 

ニ 人材採用の強化

 新領域も含め代替エネルギー市場が急拡大して行く中、当社の成長を確かなものにするためには、大幅な人材増が必要となりますが、少子化と建設業に従事する若年齢者の減少により、新卒採用は困難さを増しております。そこで、処遇面の見直しや採用チャネルを増やす等の採用強化策を展開し、新卒採用に加えて経験者採用も活発化させ、合わせて90名の安定的な採用に取り組んでおります。

 

<社内環境整備の方針>

 社内環境整備方針については次のとおりであります。

イ 業務効率化・スリム化と組織風土の改善

 ICT活用による業務効率化・スリム化の実施しております。施策としては勤務時間とPC管理のシステム化(労務)、社会保険関係の電子申請用データ集計のシステム化、辞令電子化及びメール自動送信、社内手続きのペーパーレス化等のシステム化、デジタル化を推進しております。また、組織風土面からも、総労働時間の短縮を図り、フレックスタイム制度を柔軟に運用し、社員が活躍できる環境整備に努めております。

 

ロ 拡大安全衛生委員会の有効活用

 拡大安全衛生委員会は、安全・環境・品質・衛生に関し、東京エネシスグループの取り組みについて審議し、グループ全員で目標達成に向けた意思統一を図ることを目的に開催しております。これにより全員参加による社内環境の改善を行っております。

 

② 指標及び目標

 人材育成及び社内環境整備の方針に従い、以下の目標指標を定め、人的資本価値を高め、業績向上に資する人材マネジメントを行っております。

<機会の創出>

 

2022年度

目標

2022年度

実績

達成率

2023年度

目標

目指す社員像に向けた人材育成

 

 

 

 

 中堅層・新任主任既存研修 ロジカルライティング(7時間)

16名

13名

81.3%

未定

 若年層新規研修 ロジカルシンキング(7時間)1・2・3

 年目対象

-名

-名

-%

85名

 管理者マネジメント能力開発研修既存 真因追求研修(問題

 解決、課題解決、ライティング)(14時間)部署長/マネー

 ジャー・副長

47名

42名

89.4%

90名

部門が目指す社員像に向けた人材育成

 

 

 

 

 施工管理技士資格取得者数(2023年度末取得目標)

110人

34人

30.9%

131人

 施工管理技士資格保有率(2023年度末目標)

56.5%

42.1%

74.5%

56.5%

 技量力量評価(力量グレードⅣ保持率)

90%

60%

66.6%

90%

新時代を担う人材開発の充実

 

 

 

 

 特別管理職の育成(行動型学習)

20名予定

人材採用の強化

 

 

 

 

 新卒(2023年度目標は2024年4月入社者)・経験者採用数

60名

47名

78.3%

90名

 海外人材の採用

5名

 

<リスクの低減>

業務効率化・スリム化

 

 

 

 

 労務、社保、辞令のシステム化、ワークフロー導入、ペーパ

 ーレス5項目の改革により業務負荷の削減

5項目

5項目達成

100%

 電子契約、支払業務、タレントマネジメントデータのスマホ

 利用等7項目の改革の実施

7項目

組織風土の改善

 

 

 

 

 総労働時間

2,000時間

未満

1,987時間

(達成)

2,000時間

未満

 心理的安全性の保てる環境整備のための調査

実施

拡大安全衛生委員会の有効活用

 

 

 

 

 熱中症重症化

ゼロ

発生ゼロ

(達成)

ゼロ

 業務災害休業4日以上

ゼロ

発生ゼロ

(達成)

ゼロ

 

3【事業等のリスク】

  当社は代表取締役社長を委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、リスク顕在化の予防に努めるとともに、万一顕在化した場合には、迅速かつ的確に対応することにより、被害・影響範囲を極小化し、事業の継続性を確保してまいります。

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクには、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、これらのリスクの影響により、実際の業績が想定しているものと異なってくる可能性があります。

 

発生頻度や影響度合を認識した上で、リスクの回避及び発生した場合の対応策を以下のように考えております。

 

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リスク項目

リスク概要

対応策

頻度

影響度

経営・財務リスク

投融資事業

の不採算

投資・融資を行っている事業のリスクが顕在化し、多額の損失を計上する可能性があります。

経営層による会議の場でリスクの確認と運用状況のモニタリングを実施しています。

特大

経営環境変化

への対応

エネルギー政策をはじめとする外部環境の変化に事業戦略が追従できず、収支悪化に繋がる可能性があります。

経営計画策定時の市場分析並びに外部機関との意見交換を実施しています。

特大

国際情勢変化

への対応

国際情勢の予期しない変化により、収支悪化が想定されます。

専門知識を有するパートナーとの業務委託契約を締結し、情報収集と事業性評価を実施しています。

業務リスク

不適合発生

施工不良等による不適合が発生し、コスト増加の可能性があります。

三現主義を確実に実践するため、関係者への教育・啓発活動を行うとともに、専門部署(品質保証部)を設置し、品質保証体制を強化しています。

特大

法令違反

法令違反による行政処分、事業活動の停止、社会的信用失墜のリスクがあります。

関係者への徹底した教育・啓発活動やケーススタディを実施しています。

特大

契約トラブル

事前の契約審査が不十分で、不可抗力が請負責任となる可能性があります。

新規案件等は、法務担当の事前審査を実施しています。

重大事故

死亡災害等の重大事故が発生する可能性があります。

軽微な事象であっても原因と再発防止策を検討し、重大事故発生の未然防止に努めています。

サイバー攻撃

サイバー攻撃による顧客情報等の重要情報の流出、社内システムの停止等が発生する可能性があります。

当社グループ全体でセキュリティ対策とバックアップを定期的に実施しています。

人材リスク

人材不足

採用活動の難航等から、人材不足になる可能性があります。

人事制度の見直しと採用活動の強化を実施しています。

また、離職防止策を実施しています。

特大

技術力低下

知識・技術が継承されず、事業運営に支障をきたす可能性があります。

社員の技量・力量を評価・分析し、若手社員の育成へ反映しています。

特大

気候リスク

環境規制強化

環境保護等の規制強化によるバイオマス燃料の調達コスト増加が収支を悪化させる可能性があります。

法規制に準拠した燃料調達と市況に応じた適正な価格調整を実施します。

自然災害の

激甚化

豪雨・強風等の自然災害による自社設備の損傷から、復旧まで事業が中断する可能性があります。

地域の特性を設計に反映し、気象情報から事前の災害対策を実施したうえで、必要に応じて損害保険を付保しています。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①  財政状態及び経営成績の状況

イ  財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて55億31百万円増加し、1,085億13百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べて40億64百万円増加し、425億74百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べて14億66百万円増加し、659億38百万円となりました。

 

ロ  経営成績

当連結会計年度の経営成績は、受注高727億8百万円(前期比37.9%減)、売上高790億55百万円(前期比8.9%増)、営業利益34億58百万円(前期比9.5%増)、経常利益27億70百万円(前期比15.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益21億20百万円(前期比72.8%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

設備工事業は、受注高702億1百万円(前期比39.5%減)、売上高767億40百万円(前期比6.9%増)、セグメント利益93億9百万円(前期比21.8%増)となりました。

その他の事業は、受注高27億62百万円(前期比148.9%増)、売上高25億70百万円(前期比223.5%増)、セグメント損失6億77百万円(前期は1億7百万円)となりました。

 

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて41億49百万円増加の、131億75百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、81億43百万円の資金の増加(前連結会計年度は57億33百万円の資金の減少)となりました。これは主に売上債権及び契約資産の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、31億19百万円の資金の減少(前連結会計年度は3億85百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、6億56百万円の資金の減少(前連結会計年度は57億84百万円の資金の増加)となりました。これは主に短期借入金の返済及び配当金の支払によるものであります。

 

③  生産、受注及び販売の実績

  セグメントごとの受注実績及び売上実績は、次のとおりであります。

 

イ  受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自  2021年4月1日

 至  2022年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

 (自  2022年4月1日

 至  2023年3月31日)

(百万円)

増減率(%)

設備工事業

115,945

70,201

△39.5

その他の事業

1,109

2,762

148.9

セグメント計

117,055

72,964

△37.7

差異調整額

△0

△255

117,055

72,708

△37.9

 

ロ  売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

  (自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

  (自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

(百万円)

増減率(%)

設備工事業

71,784

76,740

6.9

その他の事業

794

2,570

223.5

セグメント計

72,579

79,311

9.3

差異調整額

△0

△255

72,578

79,055

8.9

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  生産実績については、定義することが困難であるため、記載しておりません。

3  売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

売上高(百万円)

割合(%)

売上高(百万円)

割合(%)

三菱重工業㈱

19,507

26.9

15,388

19.5

㈱JERA

11,857

16.3

14,764

18.7

東京電力ホールディングス㈱

9,225

12.7

12,504

15.8

 

  なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

a 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

セグメントの名称

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

 

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

 (自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

設備工事業

92,079

115,519

207,598

77,266

130,332

その他の事業

243

243

243

セグメント計

92,079

115,762

207,842

77,510

130,332

差異調整額

△0

△0

△0

92,079

115,762

207,841

77,509

130,332

当事業年度

 (自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

設備工事業

130,332

70,684

201,016

79,727

121,288

その他の事業

220

220

220

セグメント計

130,332

70,905

201,237

79,948

121,288

差異調整額

△255

△255

△255

130,332

70,649

200,981

79,692

121,288

(注) 1  前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2  次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

b 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

セグメントの名称

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

 (自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

設備工事業

69.1

30.9

100

当事業年度

 (自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

設備工事業

76.6

23.4

100

(注)  百分比は請負金額比であります。

 

c 完成工事高

期別

セグメントの名称

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

 (自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

設備工事業

701

76,565

77,266

その他の事業

243

243

セグメント計

701

76,808

77,510

差異調整額

△0

77,509

当事業年度

 (自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

設備工事業

1,923

77,804

79,727

その他の事業

220

220

セグメント計

1,923

78,025

79,948

差異調整額

△255

79,692

(注) 1  完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度  請負金額1億円以上の主なもの

相手先

工事件名

㈱日立製作所

旭化成㈱延岡支社 第3火力ガスタービン発電設備工事

東京電力ホールディングス㈱

福島第一原子力発電所 1~4号機サブドレン集水設備保守点検業務委託(2021)

㈱JERA

千葉火力発電所 3-2軸タービン定期点検手入工事

日本ファシリティ・ソリューション㈱

東洋製罐久喜工場エネルギーサービス事業 NAS電池システム設置工事

北海道パワーエンジニアリング㈱

石狩湾新港発電所 1号機GTCC発電設備定期保安工事 他(機械・定検工事)

当事業年度  請負金額1億円以上の主なもの

相手先

工事件名

(同)境港エネルギーパワー

境港発電所向けPKS販売

日本原燃㈱

2022年度 設備点検工事(その10)

(同)五浦ソーラー

北茨城太陽光発電所 設備復旧・安全対策工事

㈱JERA

広野火力発電所 5号ボイラー定検手入工事その1

HFC Plus化建設関連工事共同企業体

[東関東局]2022年度FTTNPlus化工事

 

2  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

完成工事高

(百万円)

割合(%)

完成工事高

(百万円)

割合(%)

三菱重工業㈱

19,507

25.2

15,388

19.3

㈱JERA

11,857

15.3

14,764

18.5

東京電力ホールディングス㈱

9,225

11.9

12,504

15.7

 

d 次期繰越工事高

2023年3月31日現在

 

セグメントの名称

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

設備工事業

977

120,311

121,288

その他の事業

セグメント計

977

120,311

121,288

 

(注)  次期繰越工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。

相手先

工事件名

完成予定年月

M&C鳥取水力発電㈱

鳥取県水力発電所再整備事業

2024年10月

㈱Huang Ming Japan

新井第一太陽光発電所建設工事

2024年4月

東京エネシス・東北発電工業特定工事共同企業体

女川原子力発電所第2号機自動消火設備設置工事(Ⅱ期工事)(B工事)

2023年10月

三菱重工業㈱

JERAパワー姉崎 姉崎火力発電所 発電設備建設工事

2023年8月

東京電力ホールディングス㈱

柏崎刈羽原子力発電所 7号小空間固定式消火設備設置工事

2023年7月

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①  重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。具体的には「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

見積り及び仮定の重要度が高いものは以下であります。

イ 重要な収益及び費用の計上基準

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要な収益及び費用の計上基準で重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

ロ 工事損失引当金

受注工事の損失に備えるため、当連結会計年度末の手持工事のうち、損失が発生すると見込まれ、かつ金額を合理的に見積ることが可能な工事について、損失見積額を計上しております。

損失額の見積りは実行予算によって行います。実行予算作成時には、入手可能な情報に基づいた施工条件や資機材価格等を仮定し、作業効率等を勘案して各工種ごとに積み上げて作成しております。工事着手後は実際の発生原価と対比して適時・適切に実行予算の見直しを行っておりますが、発注者との変更契約の締結や、設備工事における人的・物的事故等の内的要因、また、市況の変動や自然災害及び感染症拡大等の外的要因により、仮定要素は将来変動する可能性があります。

 

ハ 退職給付に係る負債

退職給付費用及び債務の計算は、割引率、退職に対する給付額、利息費用、年金資産の期待収益率、死亡率、退職率等の要素が含まれております。これらの仮定と実際の結果が異なる数理計算上の差異については、発生した連結会計年度に全額一括費用処理しております。

 

ニ 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性の評価については、当社グループの各社ごとに将来の課税所得を見積り、回収可能と認められない金額について評価性引当額を計上しております。

将来の課税所得は、現在入手可能な情報に基づき合理的に見積っておりますが、大幅な経営環境の変化等により、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

②  当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ  経営成績等

わが国経済は、ウィズコロナの下で感染症対策と社会経済活動の両立が進み、緩やかな持ち直しの動きがみられました。しかしながら、ウクライナ情勢による資源高と円安による物価上昇、世界的な金融引締めが継続され、依然として先行き不透明な状況でありました。

当社グループを取り巻く経営環境は、燃料価格高騰により経営状況の厳しさを増す電力業界の設備投資抑制が継続する一方、世界的な脱炭素社会に向けた潮流の中で、省エネ・脱炭素化に向けた積極的な設備投資が見込まれております。

このような状況の中、当社グループは、中期経営計画(2021年度~2023年度)に基づき、最重点課題である「基盤事業の強靭化と新事業領域の更なる拡大による企業価値の向上」を具現化すべく、グリーンエネルギー事業を新たな柱としたビジネスモデルの多様化を図り、グループ一丸となって、企業価値向上に努めてまいりました。

具体的には、火力・原子力・水力発電所の建設・点検・保守、福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務や福島復興関連業務、原子力発電所の安全対策工事を着実に遂行するとともに、コージェネレーション分野や太陽光・水力・バイオマスといったグリーンエネルギー分野において、EPC(設計・調達・建設)からO&M(運転・保守)まで一貫したワンストップサービスをご提案する等全国各地で受注活動を精力的に展開し、中・長期的な売上の拡大と利益の創出に鋭意取り組んでまいりました。

さらに、グリーンエネルギー事業においては、従来の請負型事業に加えて、自らが事業主体となり脱炭素社会の実現を含めた地域・社会課題の発掘・解決に貢献するための投資型事業や当社ノウハウを活用した提案型ビジネスを推進・展開してまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況については次のとおりとなりました。

 

 

 a 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて55億31百万円増加し、1,085億13百万円となりました。これは主に現金預金及び機械・運搬具(純額)等の増加によるものであります。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べて40億64百万円増加し、425億74百万円となりました。これは主に契約負債及び長期借入金等の増加によるものであります。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べて14億66百万円増加し、659億38百万円となりました。これは主に利益剰余金及びその他有価証券評価差額金の増加によるものであります。

 

 b 経営成績

当連結会計年度における受注高は、太陽光、大型プラント及びバイオマス発電所の建設工事の増加があったものの、前期はバイオマス発電所の長期運転保守受託や福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務の受注が多かったことにより、727億8百万円(前期比37.9%減)となりました。一方、売上高は、火力発電所の保修工事や福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務、水力発電所のリニューアル工事及び送配電設備工事の進捗に加えて、当社グループ自前のバイオマス発電所の運転開始による発電事業の売電収入もあったことから、790億55百万円(前期比8.9%増)を計上し、過去最高額を更新することとなりました。

また、次期繰越高は、1,219億76百万円(前期比4.9%減)となりました。

利益面につきましては、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機固定式消火設備配管溶接部の溶接不良に伴う再施工費用の計上と、資源価格の高騰や為替変動の影響によるバイオマス燃料の仕入価格の上昇がありましたが、売上高の増加により、営業利益は34億58百万円(前期比9.5%増)となりました。経常利益は為替変動リスクに対応するための為替予約等によるデリバティブ評価損を計上したことから、27億70百万円(前期比15.0%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、当該溶接不良に伴う再施工費用の負担について、一部の協力会社と合意を得たことによる特別利益を計上したことから、21億20百万円(前期比72.8%増)となりました。

 

 c キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ロ  経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループを取り巻く経営環境は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおりであり、また、「3 事業等のリスク」及び「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計方針及び見積り」に記載している各要因が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 

ハ  資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の施工に要する外注費等の工事費や販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、バイオマス発電事業を中心とした設備投資や出資等によるものであります。

当社グループは、財務基盤の健全性を維持しつつ、成長分野への投資を可能とする財務環境の創出を基本方針としております。

運転資金及び設備資金については、自己資金及び金融機関からの借入により資金調達しております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は91億97百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は131億75百万円となっております。

 

ニ  経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当期の連結業績目標に対する達成状況は、次のとおりであります。

売上高は、計画比では10億円減(1.2%減)となりましたが、火力発電所の保修工事や大型建設工事、福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務、水力発電所及び送配電施設工事の進捗に加えて、当社グループ自前のバイオマス発電所の運転開始による発電事業の売電収入等があり、過去最高額を更新しました。

利益面につきましては、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機における溶接不良に伴う再施工費用の計上と、資源価格の高騰や為替変動の影響によるバイオマス燃料の仕入価格の上昇がありましたが、工事原価の低減や全社で徹底した諸経費の削減に努めたことから、営業利益は計画比2億円増(8.1%増)となりました。経常利益は為替変動リスクに対応するための為替予約等によるデリバティブ評価損を計上したことから、計画比6億円減(16.1%減)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、当該溶接不良に伴う再施工費用の負担について、一部の協力会社と合意を得たことによる特別利益を計上したことから、計画比増(1.0%増)となりました。

 

 

指標

連結業績目標

(2022年度)

連結業績実績

(2022年度)

計画比

売上高

800億円

790億円

10億円減 (1.2%減)

営業利益

32億円

34億円

2億円増 (8.1%増)

経常利益

33億円

27億円

6億円減(16.1%減)

親会社株主に帰属する当期純利益

21億円

21億円

0億円増 (1.0%増)

 

 

ホ  セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (設備工事業)

受注高は、電力部門や原子力部門の減少により、702億1百万円(前期比39.5%減)となりました。売上高は、原子力部門やグリーンエネルギー事業部門の増加により、767億40百万円(前期比6.9%増)となりました。

セグメント利益は、93億9百万円(前期比21.8%増)となりました。

 

 (その他の事業)

受注高は、27億62百万円(前期比148.9%増)となりました。

売上高は、25億70百万円(前期比223.5%増)となりました。

セグメント損失は、6億77百万円(前期は1億7百万円)となりました。

 

参考:セグメントの名称に対応した部門等の名称

セグメントの名称

部門等

設備工事業

グリーンエネルギー事業部門、エネルギー・産業部門、電力部門、原子力部門、溶接・検査センター、海外事業部

その他の事業

発電事業、不動産事業、リース・レンタル事業、保険代理業、製造・販売事業、卸売業

(注)当連結会計年度における組織改編に伴い、「設備工事業」セグメントにグリーンエネルギー事業部門を設置しております。これにより、バイオマス燃料・発電プロジェクトをグリーンエネルギー事業部門へ編入しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

  当社の研究開発は、主に技術開発部が中心となり、工事施工における生産性の向上、コストダウン及び安全性の向上を目的とした新技術、新工法の研究開発及び新分野における研究開発に重点をおいて推進しております。

  当連結会計年度における研究開発費は172百万円であり、主な研究開発の内容は以下のとおりであります。

  なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

 

(1) 大型ローター及び大型ファン点検用回転治具の開発(設備工事業)

火力発電所における大型機器のローター、ファン等の点検における安全確保と省力化を目的とし、大型ローターを回転、停止できる回転装置及びアタッチメントを開発し社内活用を開始しております。

 

(2) 「GEMBA Note」導入によるデジタル化及び作業効率の向上(設備工事業)

 現場IT化のためのアプリケーション「GEMBA Note」を試験導入し、業務への適用検討を実施することで、効率化、省力化、正確性向上、スピード化、ペーパーレス化等の、デジタル化を進め、現場業務の改善、作業効率向上に向けた開発を進めております。

 

(3) メタン発酵技術の検証(設備工事業)

 将来のバイオマス関連事業を想定し、熊本県立大学と共同研究でバイオガス発電事業向けのメタン発酵技術の開発を行っております。熊本県立大学構内に共同研究施設を設置し、食品工場から発生する残渣等を原料としたメタン発酵試験を実施し、発酵システムのマテリアルバランスと物性を評価し、メタン発酵システムを構築することを目的とし開発しております。