第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)新 2030年度ありたい姿

当社グループは、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という理念のもと、新たに2030年度のありたい姿を設定し、エネルギービジネスにおけるバリューチェーン全体を手掛ける総合エンジニアリング力を発揮し、安全を最優先に最適な品質を提供することで社会インフラ構築事業を強固なものにしていくとともに、カーボンニュートラルに向けた事業などを通じて、サステナブルな社会の実現へ貢献してまいります。

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(2)経営戦略等

当社グループは、経営環境の変化に適応し、持続的な成長を実現していくために「2024年度中期経営計画(2024~2026年度)」を策定し、最終年度(2026年度)到達目標達成に向けて、『人』を最上位に位置づけ、3つの重点課題に取り組んでまいります。

 

[基本方針]

『人』を真ん中にした 強くて しなやかな Q'dづくり

 

[重点課題]

① 人材への投資による 人的資本の強化

② お客さまに選ばれるための 「Q'd」の磨きこみ

③ 当社に関わるすべての 人・組織とのつながり強化

 

Q'd(キュード):クオリティオリエンテッド

常に本質を問う企業でありたいとの願いを込めたシンボルワード

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 今後の見通しにつきましては、労働需要の高まりや物価上昇、為替変動の影響、金利の上昇傾向に加え、米国政府の関税政策による景気減速等のリスクが高まり、エネルギーインフラ事業に携わる当社グループにとっては引き続き厳しい経営環境が継続するものと予想されます。

 一方で、「第7次エネルギー基本計画」、「GX2040ビジョン」が閣議決定され、中長期的には、DX(デジタル・トランスフォーメーション)やGX(グリーン・トランスフォーメーション)の進展による電力需要増加が見込まれると発表されました。また、再生可能エネルギー、原子力等エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用することが示されたことは、当社グループにとってビジネス領域を拡大する好機であると考えております。

 このような情勢を踏まえ、当社グループは、あらためて市場分析を行い事業ポートフォリオの最適化として、電力需要増加に伴う新設・増設工事が見込まれる変電分野や原子力発電所の再稼働に向けた工事が期待できる原子力分野へこれまで以上に注力してまいります。また、再生可能エネルギー関連市場は非常に大きな市場であることから、引き続き採算性が見込める分野において選択的な受注に取り組んでまいります。これらを進めつつ、最終年度(2026年度)到達目標を達成するため、2024年度中期経営計画(2024~2026年度)で掲げた最も重要な要素である人的資本の強化については、当社社員は勿論のこと、協力会社にもその枠を拡げて取り組んでまいります。

 火力分野につきましては、市場としては減少傾向にありますが、脱炭素化に向けた既設火力発電所の改造工事や脱炭素化を前提としたLNG火力発電所の新設工事が計画されており、これまでに蓄積した技術力を発揮し、カーボンニュートラルに貢献してまいります。

 原子力分野につきましては、加圧水型に続き沸騰水型原子炉の発電所が再稼働し、今後も再稼働に向けた工事や再稼働後の保守工事が見込まれることから活動の場を拡げてまいります。また、福島第一原子力発電所の廃炉・安定化作業に関しましても、引き続き水処理関連設備の工事を中心に今後も取り組んでまいります。

 変電分野につきましては、DXやGXの進展に伴う電力需要増加への対応として新設した変電工事部を中心に、変電所の新設・増設工事のシェア拡大を図ってまいります。

 バイオマス分野につきましては、O&M(運転・保守)業務を受託していた国内各所のバイオマス発電所が営業運転を開始し、運開後2年が経過した当社子会社である合同会社境港エネルギーパワーのバイオマス発電所とともに、大きなトラブルもなく順調に運転を継続しております。引き続き、地元の皆さまのご理解とご支援をいただきながら、発電所の安全・安定運転を通して地域に貢献してまいります。今後、バイオマス発電へのCCUS適用(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)や産学連携による新たにバイオガス発電の商業化等を目指しており、引き続きカーボンニュートラル社会の実現に向けて取り組んでまいります。

 水力分野につきましては、2024年度に完工した鳥取県営水力発電所再整備事業と同様のリニューアル工事が全国各所で続くことが見込まれており、当社創立以来積み重ねてきた技術力を活かして取り組んでまいります。

 太陽光・蓄電池分野につきましては、民間企業向けPPA(電力販売契約)や自治体のレジリエンス案件、蓄電池とのパッケージ提案等による事業展開に取り組むとともに、系統用蓄電池事業、PPA事業等に関わるビジネスの創出にも引き続き取り組んでまいります。

 一般産業・公共インフラ分野につきましては、事業用火力発電所の建設・保修経験を活かし、製油所、清掃工場、製鉄所等の領域を更に拡大しお客さま構内への常駐化へ繋げてまいります。また、照明工事や空調設備工事を中心に応札自治体を拡大することやデータセンター新設工事等に対応することで、受注拡大を図ってまいります。

 

 海外事業分野につきましては、米国政府による関税政策の動向が懸念されるところではありますが、タイ王国内にあるTokyo Enesys(Thailand) Co.,Ltd.の工場において、日本国内メーカーや東南アジアをはじめとする近隣諸国のお客さまからの様々なニーズに応じた製品を供給できる体制構築により、受注を拡大しております。今後、発電設備から一般産業分野への拡大やEPC(設計・調達・建設)への展開等の営業活動を進めてまいります。また、ベトナム社会主義共和国にあるTokyo Enesys Vietnam Co.,Ltd.においては、O&M業務を受託したペレット工場が2025年3月に運転を開始しました。今後もバイオマス関連のO&M業務を拡大させていくとともに、エネルギー関連事業投資も視野に入れた営業活動を進めてまいります。当社グループの技術力を活かし、両国を中心にエネルギー関連事業の海外展開を行ってまいります。

 今後とも「暮らしのより確かな基盤をつくる」という理念のもと、エネルギービジネスにおけるバリューチェーン全体を手掛ける総合エンジニアリング力を発揮し、安全を最優先に最適な品質を提供することで社会インフラ構築事業を強固なものにしていくとともに、カーボンニュートラルに向けた事業などを通じて、サステナブルな社会の実現へ貢献してまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ方針

 当社グループは、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という基本理念のもと、お客さま等に「信頼・選択され続ける」ことを第一に、企業成長の源泉に位置付けた人的資本の伸展により社会的課題を解決し、企業価値の向上と持続可能な社会の実現に力強く取り組むことを「サステナビリティ方針」として策定しております。

サステナビリティ方針

当社グループは、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という基本理念のもと、以下を実践してまいります。

●人的資本の伸展をエンゲージメントにつなげて、組織基盤を強化してまいります。

●主体的に社会的課題を解決しステークホルダーから信頼・選択され続けることで、企業価値を高め、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

(2) 気候変動への対応(TCFD提言への取組)

 当社グループは、2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードを踏まえ、気候変動問題を重要な経営課題の一つと捉え、2023年5月にTCFD提言への賛同を表明いたしました。

 そのうえで、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という基本理念のもと、株主及び投資家はもとより地域社会・お客さま・取引先・従業員等のステークホルダーから信頼・選択され続ける企業を目指すとともに、社会的課題の解決に向けてカーボンニュートラル関連事業を主力に更なる挑戦を展開してまいります。

 今後も、事業活動を通じた持続可能な社会の実現に貢献するとともに、TCFD提言に基づいた気候変動への対応について情報開示に取り組んでまいります。

<TCFD提言による開示推奨項目>

ガバナンス

気候関連のリスク及び機会に係る組織のガバナンス

戦略

気候関連のリスク及び機会が組織のビジネス、戦略、財務計画に及ぼす影響

リスク管理

気候関連のリスクの認識、評価、管理プロセス

指標と目標

気候関連のリスク及び機会を評価・管理する指標と目標

(注)TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略)

金融安定理事会(FSB)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォース。2017年6月、気候変動の影響を金融機関や企業、政府等の財務報告において開示することを求める提言を公表。

 

① ガバナンス

 当社グループは、2024年2月に代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ推進委員会を執行側に設置しました。経営に重大な影響を及ぼすおそれのある気候関連のリスクや機会とその情報開示並びに脱炭素社会実現に向けた社会的課題の解決による企業価値向上について審議を行ってまいります。

 気候変動への対応に対する取締役会によるガバナンスとしては、執行側並びに監査側(監査等委員会及び内部監査部門)の複線化したレポートラインから定期的に報告を受け、監督しております。

 なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制の詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制」に記載しております。

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② 戦略

イ シナリオ設定

 当社グループは、2つのシナリオにおける2050年までの社会を想定し、各シナリオにおける気候関連のリスクと機会の特定を行っております。

1.5℃シナリオ

4℃シナリオ

今世紀末までに産業革命前と比較し、世界の平均気温上昇を1.5℃に抑えるため、大胆な政策や技術革新が加速される。

脱炭素社会への移行に伴う社会変化が事業に影響を及ぼす社会を想定。

パリ協定に即して各国政策が進められるも、現状を上回る対策をとらなければ世界の平均気温が4℃程度上昇する。

温度上昇等の気候の変化が事業に影響を及ぼす社会を想定。

 

ロ シナリオ分析結果

 当社グループは、2つのシナリオ分析によって特定された気候関連のリスクと機会の中から、重要度の高い主な項目について財務インパクトを評価した結果は次のとおりであります。

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 今後も評価結果を踏まえた対応策を実践する一方、社内外の変化にあわせて適宜見直しを行ってまいります。

 

③ リスク管理

 気候関連のリスクについては、代表取締役社長が委員長を務めるリスク管理委員会において識別・評価を行い、全社横断的なリスクとともにリスクの事前回避や顕在化時の被害軽減について統括的に管理しております。

 万が一重大なリスクや損失が顕在化した場合には、迅速かつ的確に対応することにより、経営に及ぼす影響を最小限に抑制するよう努めております。

 

④ 指標と目標

 当社グループは、カーボンニュートラル目標として、温室効果ガス排出量について、2030年度に2021年度比で46%削減、2050年度に実質ゼロを目指しております。

 当社は、経済産業省が主導するGXリーグに参画し、トランジション戦略に基づきグループ大で温室効果ガス削減に努めております。

 当社の事業における燃料や電気の使用に伴う自社の温室効果ガス排出量として、Scope1排出量(直接排出)及びScope2排出量(間接排出)の算定結果は以下のとおりです。

 また、サプライチェーン全体の排出量として、当社単体におけるScope3(事業者の活動に関連する他社の排出などScope1、Scope2以外の間接排出)の2023年度ならびに2024年度の排出量実績について算定いたしました。

 今後は、排出量の可視化を進めながらボリュームゾーンの大きいカテゴリから削減方策について検討してまいります。

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(3) 人的資本

① 戦略

 当社はこれまで、事業活動を支える人的資本に関しては、中長期的なガバナンス確保の観点から、2021年度に『人材育成大綱』を策定し、人材戦略を進めてまいりました。そこで、キュードの価値観に基づき「人の成長こそが企業の成長や価値向上につながる」との認識に立ち、人材育成を重要な企業活動と位置づけ、全社を挙げて人材育成に力を入れております。そして、社員が自身の成長を実感し活き活きと活躍することで、キュードの価値観の実現と企業価値の向上へつなげていくことを、目指しております。2024年度中期経営計画(2024~2026年度)において、「『人』を真ん中にした強くてしなやかなQ'dづくり」を実現するため、『人材育成大綱』のブラッシュアップを図るとともに、教育訓練費、福利厚生費などの人材への投資を2023年度対比で倍増・強化してまいります。

 

<人材育成の方針>

 人材育成については、4つの方針を掲げて取り組んでおります。

イ 目指す社員像に向けた人材育成

 当社が目指す社員像を明確にすることで、必要な能力と行動を具体的に提示し、成長を促進しております。目指す社員とは、次の3つの要件を満たす社員であります。

a [職場の一員として]

  「論理的な思考と判断、的確な意思疎通により、協働する社員」

b [組織のリーダーとして]

  「メンバーの能力を引き出して組織の総合力を高め、成果を挙げる社員」

c [社内外に通用するプロフェッショナルとして]

  「自身の専門性を充分に発揮し、課題解決、目標達成できる社員」

 

 このために、aに相応する「基盤力」、bに相応する「マネジメント力」、cに相応する「専門性」の育成に取り組んでおります。また、これらは「年度教育訓練計画」によって着実な浸透を図っております。

 

ロ 部門が目指す社員像に向けた人材育成

 各部門においては、部門が目指す社員像を明らかにし、技量レベルと力量グレードの到達時期の目標設定を行うとともに、個人別の力量マップを作成し、見える化を図って、力量を向上させてまいります。あわせて、新人研修プログラムの拡充を図っております。

 

ハ 企業価値向上を担う人材開発の充実

 経営環境の変化に対応し、業務遂行能力の向上を図るため、特別管理職の育成強化を始めとした、階層別教育の再構築に取り組んでおります。また、経営リテラシーを高めるための選抜型の研修を若手社員から階層ごとに実施しており、事業の成長、革新を実践できる人材の育成を進めております。

 

ニ 人材採用の強化

 前述の施策に対処するためには、人材育成だけでなく採用強化が必須であります。処遇改善や、採用プロセス最適化、採用チャネルの充実、採用広報の強化を展開するとともに、新卒採用に加えて経験者採用も活発化させ、合わせて100名規模の安定的な採用に取り組んでおります。

 

 

<社内環境整備の方針>

 社内環境整備方針については次のとおりであります。

 

イ 業務効率化・スリム化

 IT技術を活用し、業務への取り組み方の変革・改善を実施しております。定例業務における「4悪(紙処理・手入力・定期的なピーク発生・例外処理の多さ)」の改善を目指して現場作業・施工管理のデジタル化や管理部門の業務プロセス変革に全社で取り組むほか、蓄積されたビッグデータ活用も実施してまいります。

 

ロ 組織風土向上のためのエンゲージメントの改善

 当社は、前事業年度から全社員を対象にエンゲージメントサーベイを年1回実施し、全社的な課題を見える化しエンゲージメントの改善に努めております。

 当事業年度は、経営層が各職場を訪問して経営方針などについて、社員と直接対話を行うタウンホールミーティングの開催、人事評価制度をより公平な仕組みとする改善及びコミュニケーション活動などの実施により、エンゲージメントスコアの目標値を達成いたしました。

 なお、今後はキャリア開発や企業理念などに着目した活動を強化して、2026年度までにエンゲージメントスコア73.0ポイントの達成という高い目標を掲げて、全社一体となって組織風土向上に取り組んでまいります。

 

ハ 拡大安全衛生委員会の有効活用

 拡大安全衛生委員会は、安全・環境・衛生に関する、東京エネシスグループの取り組みについて審議し、グループ全員で目標達成に向けた意思統一を図ることを目的に開催しております。これにより全員参加による社内環境の改善を行っております。

 

ニ 健康経営

 当社は「『人』を真ん中にした強くてしなやかなQ'dづくり」を基本方針として、社員の健康を重要な経営課題と捉え、社員の心身の健康管理はもとより、健康で働き続けることが出来る環境整備の実現に取り組んでまいりました。その取り組みにより、当事業年度に健康保険組合連合会東京連合会より、健康優良企業に認定され「銀の認定」を取得しました。

 

② 指標と目標

 人材育成及び社内環境整備の方針に従い、以下の指標、目標を定めて人的資本の価値を高め、業績向上に資する人材マネジメントを行っております。

<人材育成の方針関連>

 

2024年度

目標

2024年度

実績

達成率

2025年度

目標

目指す社員像に向けた人材育成

 

 

 

 

中堅層・新任主任研修(ロジカルライティング)

57名

53

93.0%

対象者全員

若年層(1・2・3年目)研修(ロジカルシンキング)

80名

86

107.5%

120

管理者マネジメント能力開発研修

40名

55

137.5%

50

部門が目指す社員像に向けた人材育成

 

 

 

 

施工管理技士資格取得者数(注)1

45名

11

24.4%

施工管理技士資格保有率

50.5%

45.7

90.5%

57.9

技量力量評価(力量グレードⅣ保持率) (目標値は2024年度中期経営計画最終年度(2026年度)末時点)

90.0%

59.1

65.7%

90.0

企業価値向上を担う人材開発の充実

 

 

 

 

特別管理職の育成(行動型学習)

16名

15

93.8%

30

聴く力向上研修

45名

48

106.7%

45

選抜型リーダー養成研修

40名

63

157.5%

60

人材採用の強化

 

 

 

 

新卒者採用(2025年度目標は2026年4月入社者)

50名

63

126.0%

70

経験者採用

50名

58

116.0%

50

海外人材の採用

3名

3

100.0%

4

 

<社内環境整備の方針関連>

業務効率化・スリム化

 

 

 

 

新たな人材価値創出のための業務デジタル化による削減時間(目標値は2024年度中期経営計画最終年度(2026年度)末時点)

20,000時間

7,604時間

38.0%

20,000時間

組織風土向上のためのエンゲージメントスコアの改善

 

 

 

 

心理的安全性の保てる環境整備のための調査

実施

実施

(達成)

エンゲージメントスコアの改善(目標値は2024年度中期経営計画最終年度(2026年度)末時点)(注)2

70.8

73.0

拡大安全衛生委員会の有効活用

 

 

 

 

熱中症重症化

ゼロ

ゼロ

(達成)

ゼロ

業務災害休業4日以上

ゼロ

3発生

(未達成)

ゼロ

健康経営

 

 

 

 

健康診断受診率

100.0%

100.0%

100.0%

健康優良企業認定制度(銀の認定)

取得

(達成)

継続

(注)1 施工管理技士資格については、2025年度以降は保有率で一元管理いたします。

2 当事業年度から、エンゲージメントスコアの算出方法を変更しております。なお、前算出方法の2024年度目標3.75に対し、当事業年度の実績は3.84となりました。

 

3【事業等のリスク】

  当社は代表取締役社長を委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、リスク顕在化の予防に努めるとともに、万一顕在化した場合には、迅速かつ的確に対応することにより、被害・影響範囲を極小化し、事業の継続性を確保してまいります。

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクには、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、これらのリスクの影響により、実際の業績が想定しているものと異なってくる可能性があります。

 

発生頻度や影響度合を認識した上で、リスクの回避及び発生した場合の対応策を以下のように考えております。

 

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リスク項目

リスク概要

対応策

頻度

影響度

経営・財務リスク

投融資事業

の不採算

投資・融資を行っている事業のリスクが顕在化し、多額の損失を計上する可能性があります。

経営層による会議の場でリスクの確認と運用状況のモニタリングを実施しています。

特大

経営環境変化

への対応

エネルギー政策をはじめとする外部環境の変化に事業戦略が追従できず、収支悪化に繋がる可能性があります。

経営計画策定時の市場分析ならびに事業環境に合わせた組織体制の見直しにより、営業活動の進化や積算・調達力の強化に取り組んでいます。

特大

国際情勢変化

への対応

国際情勢の変化及び不安定化などを起因とする為替変動、資材の高騰などによる収支悪化が想定されます。

為替予約や調達先多様化等によるリスク分散に取り組むとともに、専門知識を有するパートナーとの業務委託契約締結による情報収集と事業性評価を実施しています。

バイオマス発電所の重大災害発生

他社のバイオマス発電所で爆発火災事故が発生している状況を踏まえ、当社の関わるバイオマス発電所でも同様の事故が発生する可能性があります。

安全な設備構成への改良、関係者への教育、設備巡視、計画的な点検清掃などの対策により、爆発火災事故発生の未然防止に努めています。

業務リスク

不適合発生

施工不良等による不適合が発生し、コスト増加の可能性があります。

三現主義を確実に実践するため、関係者への教育・啓蒙活動を行うとともに、品質保証体制を強化し不適合発生の未然防止に努めています。

特大

法令違反

法令違反による行政処分、事業活動の停止、社会的信用失墜のリスクがあります。

関係者への徹底した教育・啓蒙活動やケーススタディを実施しています。

特大

重大事故

死亡災害等の重大事故が発生する可能性があります。

軽微な事象でも、重大災害に繋がるリスクが含まれていないか三現主義の観点から調査・分析し、是正措置とともに、知見を水平展開することで重大事故発生の未然防止に努めています。

契約トラブル

事前の契約審査の不足により、不可抗力による事象に対しても請負責任とされる可能性があります。

新規案件等は、法務審査の実施により法務リスク低減に努めています。

サイバー攻撃

サイバー攻撃による顧客情報等の重要情報の流出、社内システムの停止等が発生する可能性があります。

当社グループ全体でセキュリティ対策とバックアップを定期的に実施しています。

人材リスク

技術力低下

知識・技術が継承されず、事業運営に支障をきたす可能性があります。

若手社員の教育プログラムを見直し、早期育成に取り組んでいます。また、必要資格の取得を推進しています。

特大

人材不足

採用活動の難航等から、人員不足になる可能性があります。

多様な採用チャネルを活用した採用活動の強化とともに、離職率改善のため社員の処遇改善などのエンゲージメント向上策を実施しています。

特大

 

 

 

リスク項目

リスク概要

対応策

頻度

影響度

気候リスク

環境規制強化

環境保護等の規制強化によるバイオマス燃料の調達コスト増加が収支を悪化させる可能性があります。

法規制に準拠した燃料調達と市況に応じた適正な価格調整を実施します。

自然災害の

激甚化

豪雨・強風等の自然災害による自社設備の損傷から、復旧まで事業が中断する可能性があります。

地域の特性を設計に反映し、気象情報から事前の災害対策を実施したうえで、必要に応じて損害保険を付保しています。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①  財政状態及び経営成績の状況

イ  財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて6億9百万円増加し、1,080億81百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べて7億30百万円増加し、396億54百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べて1億20百万円減少し、684億27百万円となりました。

 

ロ  経営成績

当連結会計年度の経営成績は、受注高914億66百万円(前期比42.5%増)、売上高677億22百万円(前期比23.5%減)、営業利益26億65百万円(前期比32.7%減)、経常利益33億42百万円(前期比35.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益29億0百万円(前期比2.0%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

設備工事業は、受注高854億64百万円(前期比46.0%増)、売上高616億72百万円(前期比25.7%減)、セグメント利益41億80百万円(前期比58.2%減)となりました。

その他の事業は、受注高60億65百万円(前期比7.9%増)、売上高61億12百万円(前期比12.8%増)、セグメント利益1億百13万円(前期はセグメント損失45百万円)となりました。

 

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて45億10百万円減少の、76億48百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、152億29百万円の資金の減少(前連結会計年度は85億3百万円の資金の増加)となりました。これは主に売上債権及び契約資産の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、90百万円の資金の減少(前連結会計年度は51億26百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、106億55百万円の資金の増加(前連結会計年度は44億46百万円の資金の減少)となりました。これは主に短期借入れによるものであります。

 

③  生産、受注及び販売の実績

  セグメントごとの受注実績及び売上実績は、次のとおりであります。

 

イ  受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自  2023年4月1日

 至  2024年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

 (自  2024年4月1日

 至  2025年3月31日)

(百万円)

増減率(%)

設備工事業

58,545

85,464

46.0

その他の事業

5,622

6,065

7.9

セグメント計

64,168

91,529

42.6

差異調整額

0

△62

64,168

91,466

42.5

 

ロ  売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

  (自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

  (自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

(百万円)

増減率(%)

設備工事業

83,049

61,672

△25.7

その他の事業

5,418

6,112

12.8

セグメント計

88,467

67,784

△23.4

差異調整額

0

△62

88,467

67,722

△23.5

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  生産実績については、定義することが困難であるため、記載しておりません。

3  売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

売上高(百万円)

割合(%)

売上高(百万円)

割合(%)

東京電力ホールディングス㈱

17,294

19.5

9,371

13.8

三菱重工業㈱

15,733

17.8

4,765

7.0

㈱JERA

10,082

11.4

2,802

4.1

 

  なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

a 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

セグメントの名称

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

 

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

 (自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

設備工事業

121,288

59,985

181,274

84,532

96,742

その他の事業

223

223

223

セグメント計

121,288

60,208

181,497

84,755

96,742

差異調整額

0

0

0

121,288

60,209

181,498

84,756

96,742

当事業年度

 (自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

設備工事業

96,742

86,545

183,287

62,852

120,434

その他の事業

243

243

243

セグメント計

96,742

86,788

183,531

63,096

120,434

差異調整額

△62

△62

△62

96,742

86,725

183,468

63,033

120,434

(注) 1  前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2  次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

b 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

セグメントの名称

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

 (自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

設備工事業

81.8

18.2

100

当事業年度

 (自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

設備工事業

70.2

29.8

100

(注)  百分比は請負金額比であります。

 

c 完成工事高

期別

セグメントの名称

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

 (自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

設備工事業

1,746

82,785

84,532

その他の事業

223

223

セグメント計

1,746

83,008

84,755

差異調整額

0

84,756

当事業年度

 (自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

設備工事業

105

62,746

62,852

その他の事業

243

243

セグメント計

105

62,990

63,096

差異調整額

△62

63,033

(注) 1  完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度  請負金額1億円以上の主なもの

相手先

工事件名

東京電力ホールディングス㈱

1F-ALPS処理水希釈放出設備設置工事

東京エネシス・東北発電工業特定工事共同企業体

女川2号機自動消火設備設置工事(Ⅱ期工事)(B工事)

三菱重工業㈱

西条 ボイラ・脱硝設備機械据付工事及び電気計装工事(ボイラ機械・新設)機械・電計工事

川崎重工業㈱

JERAパワー横須賀合同会社横須賀火力発電所 揚貯運炭設備(Ⅰ~Ⅲ期工区)据付工事

三峰川電力PFI

鳥取県水力発電所再整備事業 小鹿第二発電所

当事業年度  請負金額1億円以上の主なもの

相手先

工事件名

三菱重工業㈱

長府バイオマス発電所新設工事(機械)

三峰川電力PFI

鳥取県水力発電所再整備事業 日野川第一発電所

東京発電㈱

北茨城バイオマス発電所建設工事

NTT・TCリース㈱

八王子市立第九小学校外49校体育館空調設備その他の賃貸借

合同会社会津こもれび発電所

会津こもれびバイオマス発電所建設工事_建築工事

 

2  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

完成工事高

(百万円)

割合(%)

完成工事高

(百万円)

割合(%)

東京電力ホールディングス㈱

17,294

20.4

9,371

14.9

三菱重工業㈱

15,733

18.6

4,765

7.6

㈱JERA

10,082

11.9

2,802

4.4

 

d 次期繰越工事高

2025年3月31日現在

 

セグメントの名称

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

設備工事業

2,586

117,848

120,434

その他の事業

セグメント計

2,586

117,848

120,434

 

(注)  次期繰越工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。

相手先

工事件名

完成予定年月

㈱ジェネックス

(仮称)栃の木CC太陽光発電所建設工事

2026年3月

㈱東芝

東芝横浜事業所 杉田地区特高変電所再整備工事

2029年3月

沖縄電力㈱

牧港ガスタービン1号機更新工事

2027年10月

東京電力リニューアブルパワー㈱

竹之沢発電所 水車・発電機購入

2027年5月

東京電力パワーグリッド㈱

新飯能変電所3号変圧器増設他工事 他1件

2029年5月

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①  重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。具体的には「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

見積り及び仮定の重要度が高いものは以下であります。

イ 重要な収益の計上基準

重要な収益の計上基準については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)(工事契約における一定の期間にわたり履行義務を充足し認識する収益)」に記載のとおりであります。

 

ロ 固定資産の減損

 固定資産の減損については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)(固定資産の減損)」に記載のとおりであります。

 

ハ 工事損失引当金

受注工事の損失に備えるため、当連結会計年度末の手持工事のうち、損失が発生すると見込まれ、かつ金額を合理的に見積ることが可能な工事について、損失見積額を計上しております。

損失額の見積りは実行予算によって行います。実行予算作成時には、入手可能な情報に基づいた施工条件や資機材価格等を仮定し、作業効率等を勘案して各工種ごとに積み上げて作成しております。工事着手後は実際の発生原価と対比して適時・適切に実行予算の見直しを行っておりますが、発注者との変更契約の締結や、設備工事における人的・物的事故等の内的要因、また、市況の変動や自然災害及び感染症拡大等の外的要因により、仮定要素は将来変動する可能性があります。

ニ 退職給付に係る負債

退職給付費用及び債務の計算は、割引率、退職に対する給付額、利息費用、年金資産の期待収益率、死亡率、退職率等の要素が含まれております。これらの仮定と実際の結果が異なる数理計算上の差異については、発生した連結会計年度に全額一括費用処理しております。

 

ホ 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性の評価については、当社グループの各社ごとに将来の課税所得を見積り、回収可能と認められない金額について評価性引当額を計上しております。

将来の課税所得は、現在入手可能な情報に基づき合理的に見積っておりますが、大幅な経営環境の変化等により、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

②  当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ  経営成績等

わが国経済は、好調な企業収益による設備投資の増加基調は続いているものの、労働需要の高まりや物価上昇に加え、為替変動の影響、金利の上昇傾向等のリスクが存在しており、依然として先行き不透明な状況でありました。

当社グループを取り巻く経営環境は、脱炭素への投資ニーズの高まりから脱炭素電源への旺盛な設備投資が見込まれた一方で、当社が長年コア事業としてきた従来型の発電所における工事量の減少、資機材価格や労務費の高騰等によるコスト面への影響及び慢性的な人手不足等も重なり、非常に厳しい状況でありました。

このような状況の中、当社グループは、事業戦略として電力市場に偏っていた事業領域を一般産業・その他市場と再生可能エネルギー関連市場へ拡大する収益源の多様化が重要と判断し、その実現に向け、人的資本の強化を主眼とした2024年度中期経営計画(2024~2026年度)を昨年4月にスタートさせました。

具体的には、「『人』を真ん中にした強くてしなやかなQ'dづくり」を基本方針として、重点課題の「人材への投資による人的資本の強化」、「お客さまに選ばれるための「Q'd」の磨きこみ」、「当社に関わるすべての人・組織とのつながり強化」に取り組んでおります。

特に営業力・競争力の強化を図るため、営業・積算・施工といった機能別組織への改編や地域に根差した営業拠点となる支店の新設を行い、分散していた情報・知見・スキル等を統合することで、新規顧客や新規領域への効率的な受注活動が可能となり、着実に成果をあげております。また更なる受注拡大に向けて、顧客への設計支援による仕様決定早期化、最新の知見を取り込んだ積算データベース構築、海外を含む調達ルートの多様化による資機材調達力強化、基幹協力会社との早期工事情報共有による作業員確保の共同シミュレーション等の取り組みを進めました。

この結果、当連結会計年度の経営成績等の状況については次のとおりとなりました。

 

 a 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて6億9百万円増加し、1,080億81百万円となりました。これは主に受取手形、完成工事未収入金及び契約資産の増加によるものであります。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べて7億30百万円増加し、396億54百万円となりました。これは主に短期借入金の増加によるものであります。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べて1億20百万円減少し、684億27百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の減少によるものであります。

 b 経営成績

当連結会計年度における受注高は、工場設備増設・更新工事、製油所保修工事、公共施設の空調・電気工事、清掃工場新設・更新工事、公営水力発電設備改修工事、データセンターの電力需要の増加に伴う変電設備新設・増設工事、海外子会社の部品製造事業とのシナジーによる新たな火力発電所の脱炭素化改造工事、原子力発電所再稼働準備工事等の受注があったことから、914億66百万円(前期比42.5%増)となりました。

一方、売上高は、公共施設の空調・電気工事、太陽光分野のオンサイトPPA設備工事、BCP対策工事、集中豪雨による災害復旧工事、バイオマス発電所のO&M事業開始、変電設備新設・増強工事等の進捗があったものの、原子力発電所の安全対策工事や火力・バイオマス発電所の建設工事が一巡し、福島第一原子力発電所処理水関連工事が前年度までに完了したことから、677億22百万円(前期比23.5%減)となりました。

次期繰越高は、1,214億21百万円(前期比24.3%増)となりました。

利益面につきましては、経費縮減や退職給付会計における数理計算上の差異を売上原価、販売費及び一般管理費の減額として計上したものの、売上高の減少等により、営業利益は26億65百万円(前期比32.7%減)、経常利益は33億42百万円(前期比35.9%減)となりました。また、資産の効率化を図るため投資有価証券の売却益を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は、29億0百万円(前期比2.0%減)となりました。

 

 c キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ロ  経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループを取り巻く経営環境は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおりであり、また、「3 事業等のリスク」及び「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計方針及び見積り」に記載している各要因が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 

ハ  資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の施工に要する外注費等の工事費や販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資や債券の購入等によるものであります。

当社グループは、財務基盤の健全性を維持しつつ、成長分野への投資を可能とする財務環境の創出を基本方針としております。

運転資金及び設備資金については、自己資金及び金融機関からの借入により資金調達しております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は196億19百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は76億48百万円となっております。

 

ニ  経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当期の連結業績目標に対する達成状況は、次のとおりであります。

売上高につきましては、前期の受注高が低調であったため、当期受注・当期完工案件の獲得に注力したことにより、前期比で大幅な受注高の増加となりましたが当期売上に貢献できる案件は少なく、公共施設の空調・電気工事、太陽光分野のオンサイトPPA設備工事、BCP対策工事、集中豪雨による災害復旧工事、バイオマス発電所のO&M事業、変電設備新設・増強工事等は順調に進捗したものの、計画比222億円減(24.8%減)となりました。

利益面につきましては、経費縮減や退職給付会計における数理計算上の差異を売上原価、販売費及び一般管理費の減額として計上したものの、売上高の減少等により、営業利益は計画比5億円減(16.7%減)、経常利益は計画比2億円減(7.2%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、計画比0億円減(3.3%減)となりました。

 

 

指標

連結業績目標

(2024年度)

連結業績実績

(2024年度)

計画比

売上高

900億円

677億円

222億円減(24.8%減)

営業利益

32億円

26億円

5億円減(16.7%減)

経常利益

36億円

33億円

2億円減( 7.2%減)

親会社株主に帰属する当期純利益

30億円

29億円

0億円減( 3.3%減)

 

ホ  セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (設備工事業)

受注高は、エネルギー部門や原子力部門の増加により、854億64百万円(前期比46.0%増)となりました。売上高は、エネルギー部門や原子力部門の減少により、616億72百万円(前期比25.7%減)となりました。

セグメント利益は、41億80百万円(前期比58.2%減)となりました。

 

 (その他の事業)

受注高は、60億65百万円(前期比7.9%増)となりました。

売上高は、61億12百万円(前期比12.8%増)となりました。

セグメント利益は、1億13百万円(前期はセグメント損失45百万円)となりました。

 

参考:セグメントの名称に対応した部門等の名称

セグメントの名称

部門等

設備工事業

グリーンエネルギー事業部門、エネルギー部門、原子力部門、溶接・検査センター、海外事業部

その他の事業

発電事業、不動産事業、リース・レンタル事業、保険代理業、製造・販売事業、卸売業

(注)当連結会計年度における組織改編に伴い、「設備工事業」セグメントの「エネルギー・産業部門」

  及び「電力部門」を統合し、「エネルギー部門」を設置しております。

 

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

  当社の研究開発は、主に技術開発部が中心となり、工事施工における生産性の向上、コストダウン及び安全性の向上を目的とした新技術、新工法の研究開発及び新分野における研究開発に重点をおいて推進しております。

  当連結会計年度における研究開発費は144百万円であり、主な研究開発の内容は以下のとおりであります。

  なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

 

(1) 廃止措置に向けた遠隔操作作業ロボットの開発(設備工事業)

福島第一原子力発電所の廃止措置における高線量環境下で対応可能な遠隔操作・作業装置の開発を進めています。2024年度は、ロボットアームのマスタースレーブ制御の検証や階段昇降台車の改良、遠隔制御に必要なネットワークシステムの検証を行いました。

 

(2) バイオマス高効率炭化ガス化 実証試験装置の開発(設備工事業)

 食品残渣や下水汚泥など有機系廃棄物全般を炭化、ガス化し、これを燃料としてエネルギーに変換する開発を進めています。地方自治体や商業施設などで発生する廃棄物を原料とした、エネルギーを生産することを目指すものです。

 

(3) 超高温可溶化メタン発酵技術の検証(設備工事業)

 熊本県立大学と共同で可溶化技術を用いたバイオガス発電事業向けのメタン発酵技術の開発を進めています。食品工場から発生する残渣などを原料としたメタン発酵試験を実施し、バイオマスガス発電所への実装に向けて検証を行いました。