第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)新 2030年度ありたい姿

当社グループは、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という理念のもと、新たに2030年度のありたい姿を設定し、エネルギービジネスにおけるバリューチェーン全体を手掛ける総合エンジニアリング力を発揮し、安全を最優先に最適な品質を提供することで社会インフラ構築事業を強固なものにしていくとともに、カーボンニュートラルに向けた事業などを通じて、サステナブルな社会の実現へ貢献してまいります。

0102010_001.png

 

(2)経営戦略等

当社グループは、経営環境の変化に適応し、持続的な成長を実現していくために「2024年度中期経営計画(2024~2026年度)」を策定し、最終年度(2026年度)到達目標達成に向けて、『人』を最上位に位置づけ、3つの重点課題に取り組んでまいります。

 

[基本方針]

『人』を真ん中にした 強くて しなやかな Q'dづくり

 

[重点課題]

① 人材への投資による 人的資本の強化

② お客さまに選ばれるための 「Q'd」の磨きこみ

③ 当社に関わるすべての 人・組織とのつながり強化

 

Q'd(キュード):クオリティオリエンテッド

常に本質を問う企業でありたいとの願いを込めたシンボルワード

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 今後の見通しにつきましては、労働需要の高まりによる労働力不足や物価上昇、為替変動の影響、金利の上昇傾向等に加え、中東情勢の影響を注視する必要があり、景気の先行きは不透明な状況が継続するものと予想されます。

 これらを受けて、当社グループは、情報収集(国際インテリジェンス)の強化、複数のシナリオ想定、資機材調達手段の多様化等への取り組みを進めるとともに、近年深刻化している企業に向けたサプライチェーン攻撃等のサイバーリスクについても、情報セキュリティの強化やレジリエンス対策等の取り組みを進めてまいります。

 一方で、当社グループを取り巻く経営環境は、脱炭素関連分野への設備投資や原子力発電所の再稼働に向けた設備投資、また、生成AIの普及に伴うデータセンターの新設等による電力需要増加を背景に、電力供給インフラへの設備投資等が本格化しており、今後も良好な受注環境が続くものと見込んでおります。

 このような状況の中、当社グループは2024年度中期経営計画(2024~2026年度)において『人』を真ん中にした投資サイクルの好循環を持続可能にしていくため、重点課題である「人材への投資による人的資本の強化」、「お客さまに選ばれるための「Q'd」の磨きこみ」、「当社に関わるすべての人・組織とのつながり強化」に取り組んでおります。最終年度である2026年度については、2027年度ROE8.0%達成に向け、特に技術力向上に向けた社員の早期育成や協力会社を含めた動員力確保等に注力してまいります。また、付加価値の高い技術ソリューション提案やグループ会社とのシナジーを発揮した受注活動等を通じて受注拡大を図るとともに、生産性向上等により更なる利益創出に努めてまいります。

 火力分野につきましては、市場としては減少傾向にありますが、脱炭素化に向けた既設火力発電所の改造工事や脱炭素化を前提としたLNG火力発電所の新設工事が計画されており、これまでに蓄積した技術力を発揮し、カーボンニュートラルに貢献してまいります。また、不透明さを増す中東情勢を踏まえた政府の方針に基づく発電設備関連工事にも柔軟に対応してまいります。

 原子力分野につきましては、沸騰水型原子力発電所の再稼働が続いており、今後も再稼働に向けた工事や再稼働後の保修工事が見込まれることから、豊富な工事実績を強みに活動の場を拡げてまいります。また、福島第一原子力発電所の廃炉・安定化作業に関しましては、水処理関連設備の工事に加えて、廃棄物処理関連業務等にも今後取り組んでまいります。

 変電分野につきましては、生成AIの普及に伴うデータセンターの新設等による電力需要増加への対応として変電所の新設・増設工事が見込まれており、特別高圧変電所工事で培った技術を強みにシェア拡大を図ってまいります。

 バイオマス分野につきましては、国内各所のバイオマス発電所のO&M(運転・保守)業務に取り組んでおり、合同会社境港エネルギーパワーのバイオマス発電所とともに、順調に運転を継続するなかで、エンジニアリング企業として設備診断力・性能分析力の向上に取り組んでおります。また、スタートアップ企業と共同でバイオマス発電へのCCUS適用(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)の研究開発を進めております。引き続き、地元の皆さまのご理解とご支援をいただきながら、発電所の安全・安定運転を通して地域に貢献してまいります。

 水力分野につきましては、運転開始から60年以上経過した発電所のリニューアル工事が全国各所で続くことが見込まれており、国内水車メーカーに加えて、技術協力により海外水車メーカーの導入を進めることで受注拡大を図ってまいります。

 太陽光・蓄電池分野につきましては、民間企業向けPPA(電力販売契約)や自治体のレジリエンス案件による事業展開に取り組むとともに、系統用蓄電池事業等に関わるビジネスの創出にも引き続き取り組んでまいります。

 一般産業・公共インフラ分野につきましては、事業用火力発電所の建設・保修経験を活かし、製油所、化学工場、製鉄所、清掃工場等の領域を更に拡大しお客さま構内への常駐化へ繋げてまいります。また、照明工事や空調設備工事を中心に応札自治体を拡大することやデータセンター新設工事等に対応することで、受注拡大を図ってまいります。

 

 海外事業分野につきましては、タイ王国内にあるTokyo Enesys (Thailand) Co.,Ltd.の工場において、日本国内メーカーからは製鉄所案件や発電所案件等、タイ王国内ではデータセンター案件等の引き合いが増加しており、今後もお客さまからの様々なニーズに応じた製品を供給し受注拡大を図ってまいります。また、ベトナム社会主義共和国にあるTokyo Enesys Vietnam Co.,Ltd.においては、ペレット工場のO&M(運転・保守)業務に取り組んでいくとともに、蓄電池EPC(設計・調達・建設)事業やエネルギー関連事業投資も視野に入れた営業活動を進めてまいります。

 今後とも、『人』を真ん中に、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という理念のもと、協力会社とともに安全を最優先に最適な品質を提供しながら、社会と産業のエネルギーインフラへの要請にお応えし続けることで持続的成長を図るとともに、サステナブルな社会の実現へ貢献してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ方針

 当社グループは、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という基本理念のもと、お客さま等に「信頼・選択され続ける」ことを第一に、企業成長の源泉に位置付けた人的資本の伸展により社会的課題を解決し、企業価値の向上と持続可能な社会の実現に力強く取り組むことを「サステナビリティ方針」として策定しております。

サステナビリティ方針

当社グループは、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という基本理念のもと、以下を実践してまいります。

●人的資本の伸展をエンゲージメントにつなげて、組織基盤を強化してまいります。

●主体的に社会的課題を解決しステークホルダーから信頼・選択され続けることで、企業価値を高め、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

(2) 気候変動への対応(TCFD提言への取組)

 当社グループは、2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードを踏まえ、気候変動問題を重要な経営課題の一つと捉え、2023年5月にTCFD提言への賛同を表明いたしました。

 そのうえで、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という基本理念のもと、株主及び投資家はもとより地域社会・お客さま・取引先・従業員等のステークホルダーから信頼・選択され続ける企業を目指すとともに、社会的課題の解決に向けてカーボンニュートラル関連事業を主力に更なる挑戦を展開してまいります。

 今後も、事業活動を通じた持続可能な社会の実現に貢献するとともに、TCFD提言に基づいた気候変動への対応について情報開示に取り組んでまいります。

<TCFD提言による開示推奨項目>

ガバナンス

気候関連のリスク及び機会に係る組織のガバナンス

戦略

気候関連のリスク及び機会が組織のビジネス、戦略、財務計画に及ぼす影響

リスク管理

気候関連のリスクの認識、評価、管理プロセス

指標と目標

気候関連のリスク及び機会を評価・管理する指標と目標

(注)TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略)

金融安定理事会(FSB)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォース。2017年6月、気候変動の影響を金融機関や企業、政府等の財務報告において開示することを求める提言を公表。

 

① ガバナンス

 当社グループは、2024年2月に代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ推進委員会を執行側に設置しました。経営に重大な影響を及ぼすおそれのある気候関連のリスクや機会とその情報開示並びに脱炭素社会実現に向けた社会的課題の解決による企業価値向上について審議を行ってまいります。

 気候変動への対応に対する取締役会によるガバナンスとしては、執行側並びに監査側(監査等委員会及び内部監査部門)の複線化したレポートラインから定期的に報告を受け、監督しております。

 なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制の詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制」に記載しております。

0102010_002.png

 

② 戦略

イ シナリオ設定

 当社グループは、2つのシナリオにおける2050年までの社会を想定し、各シナリオにおける気候関連のリスクと機会の特定を行っております。

1.5℃シナリオ

4℃シナリオ

今世紀末までに産業革命前と比較し、世界の平均気温上昇を1.5℃に抑えるため、大胆な政策や技術革新が加速される。

脱炭素社会への移行に伴う社会変化が事業に影響を及ぼす社会を想定。

パリ協定に即して各国政策が進められるも、現状を上回る対策をとらなければ世界の平均気温が4℃程度上昇する。

温度上昇等の気候の変化が事業に影響を及ぼす社会を想定。

 

ロ シナリオ分析結果

 当社グループは、2つのシナリオ分析によって特定された気候関連のリスクと機会の中から、重要度の高い主な項目について財務インパクトを評価した結果は次のとおりであります。

0102010_003.png

 今後も評価結果を踏まえた対応策を実践する一方、社内外の変化にあわせて適宜見直しを行ってまいります。

 

③ リスク管理

 気候関連のリスクについては、代表取締役社長が委員長を務めるリスク管理委員会において識別・評価を行い、全社横断的なリスクとともにリスクの事前回避や顕在化時の被害軽減について統括的に管理しております。

 万が一重大なリスクや損失が顕在化した場合には、迅速かつ的確に対応することにより、経営に及ぼす影響を最小限に抑制するよう努めております。

 

④ 指標と目標

 当社グループは、カーボンニュートラル目標として、温室効果ガス排出量を2030年度に2021年度比で46%削減、2050年度に実質ゼロを目指しております。

 経済産業省が主導するGXリーグに参画し、トランジション戦略に基づきグループ大で温室効果ガス削減に努めております。

 事業における燃料や電気の使用に伴う自社の温室効果ガス排出量として、Scope1排出量(直接排出)及びScope2排出量(間接排出)の算定結果は以下のとおりです。

 加えて、サプライチェーン全体の排出量として、当社単体におけるScope3(事業活動に関連する他社の排出などScope1、Scope2以外の間接排出)についても、2025年度の実績を算定いたしました。今後は排出量の可視化を進めるとともに、排出量の大きいカテゴリから削減方策を検討してまいります。

0102010_004.png

 

 

(3) 人的資本

① 戦略

 当社はこれまで、事業活動を支える人的資本に関しては、中長期的なガバナンス確保の観点から、2021年に『人材育成大綱』を策定し、人材戦略を進めてまいりました。企業活動を支えるのは『人』であり、人は最大の財産であります。そこで、キュードの価値観に基づき「人の成長こそが企業の成長や価値向上につながる」との認識に立ち、人材育成を重要な企業活動と位置づけ、全社を挙げて人材育成に力を入れております。そして、社員が自身の成長を実感し活き活きと活躍する事で、キュードの価値観の実現と企業価値の向上へつなげていくことを、目指しております。2024年度中期経営計画(2024~2026年度)においては、「『人』を真ん中にした強くてしなやかなQ'dづくり」を実現するため、『人材育成大綱』のブラッシュアップを図るとともに、教育訓練費、福利厚生費などの人材への投資を2023年度対比で倍増・強化してまいります。

 

<人材育成の方針>

 人材育成については、4つの方針を掲げて取り組んでおります。

イ 目指す社員像に向けた人材育成

 当社が目指す社員像を明確にすることで、必要な能力と行動を具体的に提示し、成長を促進しております。目指す社員とは、次の3つの要件を満たす社員であります。

a [職場の一員として]

  「論理的な思考と判断、的確な意思疎通により、協働する社員」

b [組織のリーダーとして]

  「メンバーの能力を引き出して組織の総合力を高め、成果を挙げる社員」

c [社内外に通用するプロフェッショナルとして]

  「自身の専門性を充分に発揮し、課題解決、目標達成できる社員」

 

 このために、aに相応する「基盤力」、bに相応する「マネジメント力」、cに相応する「専門性」の育成に取り組んでおります。また、これらは「年度教育訓練計画」によって着実な浸透を図っております。

 

ロ 部門が目指す社員像に向けた人材育成

 各部門においては、部門が目指す社員像を明らかにし、能力、行動を定義して、各部門における人材育成に取り組むとともに、新人研修プログラムの拡充を進めております。また、技量力量評価を実施し、目指す技量レベルと力量グレードの到達時期の目標を設定し、その実現を目指しております。

 

ハ 企業価値向上を担う人材開発の充実

 経営環境の変化に対応し、業務遂行能力の向上を図るため、特別管理職の育成強化を始めとした、階層別教育の再構築に取り組んでおります。また、経営リテラシーを高めるための選抜型の研修を若手社員から階層ごとに実施しており、事業の成長、革新を実践できる人材の育成を進めております。

 

ニ 人材採用の強化

 前述の施策に対処するためには、人材育成だけでなく採用強化が必須であります。処遇改善や、採用プロセス最適化、採用チャネルの充実、採用広報の強化を展開するとともに、新卒採用に加えて経験者採用も活発化させ、合わせて100名規模の安定的な採用に取り組んでおります。

 

 

<社内環境整備の方針>

 社内環境整備方針については次のとおりであります。

 

イ 業務効率化・スリム化

 AIを活用し、業務への取り組み方の変革・改善を実施しております。定例業務における「4悪(紙処理・手入力・定期的なピーク発生・例外処理の多さ)」の改善を目指して現場作業・施工管理のデジタル化や管理部門の業務プロセス変革に全社で取り組むほか、蓄積されたビッグデータ活用も実施してまいります。

 

ロ 組織風土向上のためのエンゲージメントスコアの改善

 社員が組織との関わりを通じて感じる企業文化や職場環境、人材育成や業務遂行状態など領域ごとに分類し、その期待と実感のギャップを測定・分析し、課題改善に取り組んでまいりました。具体的には、経営層が各職場を訪問して社員一人ひとりと直接対話を行うタウンホールミーティングを継続的に開催し、企業の現状や今後の課題を共有することで組織とのつながりを醸成しました。また、適切な評価を行うため、管理職への評価研修の開催や、メンバーの育成強化とキャリア醸成を目的とした研修を実施しております。さらに、内定者への入社前フォローの強化や、若手社員の不安・悩みを聴き取る機会の創出など、社員に寄り添った組織風土づくりにも取り組んでおります。これらの取り組みの結果、2025年度のエンゲージメントスコアは、2026年度末の目標値に迫るスコアを記録しました。今後も継続的に期待と実感のギャップの測定・分析を行い、さらなるエンゲージメントの改善に繋げてまいります。

 

ハ 拡大安全衛生委員会の有効活用

 拡大安全衛生委員会は、安全・環境・衛生に関する、東京エネシスグループの取り組みについて審議し、グループ全員で目標達成に向けた意思統一を図ることを目的に開催しております。これにより全員参加による社内環境の改善を行っております。

 

ニ 健康経営

 当社は「『人』を真ん中にした強くてしなやかなQ'dづくり」を基本方針として、社員の健康も重要な経営課題と捉え、社員の心身の健康管理はもとより、健康で働き続けることが出来る環境整備の実現に取り組んでまいりました。その取り組みにより、2024年度に健康保険組合連合会東京連合会より、健康優良企業に認定され「銀の認定」を取得し、継続して認定されております。

 

② 指標と目標

 人材育成及び社内環境整備の方針に従い、以下の指標、目標を定めて人的資本の価値を高め、業績向上に資する人材マネジメントを行っております。

<人材育成の方針関連>

 

2025年度

目標

2025年度

実績

達成率

2026年度

目標

目指す社員像に向けた人材育成

 

 

 

 

中堅層・新任主任研修(ロジカルライティング)

23名

23

100.0%

対象者全員

若年層(1・2・3年目)研修(ロジカルシンキング)

120名

118

98.3%

対象者全員

管理者マネジメント能力開発研修

50名

47

94.0%

対象者全員

部門が目指す社員像に向けた人材育成

 

 

 

 

施工管理技士資格保有率

57.9%

54.9

94.8%

60.0

技量力量評価(力量グレードⅣ保持率)

90.0%

61.0

67.8%

90.0

企業価値向上を担う人材開発の充実

 

 

 

 

特別管理職の育成(行動型学習)

30名

30

100.0%

30

聴く力向上研修

45名

51

113.3%

25

選抜型リーダー養成研修

60名

62

103.3%

62

人材採用の強化

 

 

 

 

新卒者採用(2026年度目標は2027年4月入社者)

70名

62

88.6%

70

経験者採用

50名

41

82.0%

50

海外人材の採用

4名

3

75.0%

4

 

<社内環境整備の方針関連>

業務効率化・スリム化

 

 

 

 

新たな人材価値創出のための業務デジタル化による削減時間(注)1

20,000時間

23,522時間

117.6%

30,000時間

組織風土向上のためのエンゲージメントスコアの改善

 

 

 

 

エンゲージメントスコアの改善(注)2

73.0

72.9

99.9%

74.0

拡大安全衛生委員会の有効活用

 

 

 

 

熱中症重症化

ゼロ

1件発生

(未達成)

ゼロ

業務災害休業4日以上

ゼロ

2発生

(未達成)

ゼロ

健康経営

 

 

 

 

健康診断受診率

100.0%

100.0%

100.0%

100.0%

健康優良企業認定制度(銀の認定)

継続

継続

100.0%

継続

(注)1 当初目標の20,000時間削減を2025年度内に達成したため、2026年度目標を上方修正致しました。

2 2026年度末の目標値73.0に迫るスコアのため、2026年度目標を上方修正致しました。

 

3【事業等のリスク】

  当社は代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置し、リスク顕在化の予防に努めるとともに、顕在化した場合には、迅速かつ的確に対応することにより、被害・影響範囲を極小化し、事業の継続性を確保してまいります。

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクには、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、これらのリスクの影響により、実際の業績が想定しているものと異なってくる可能性があります。

 

発生頻度や影響度合を認識した上で、リスクの回避及び発生した場合の対応策を以下のように考えております。

 

0102010_005.png

 

0102010_006.png

 

 

 

リスク項目

リスク概要

対応策

頻度

影響度

経営・財務リスク

投融資事業

の不採算

投資・融資を行っている事業のリスクが顕在化し、多額の損失を計上する可能性があります。

経営層による会議の場でリスクの確認と運用状況のモニタリングを実施しています。

特大

国際情勢変化

への対応

国際紛争の発生など地政学リスクの高まりにより、在外社員や海外子会社社員の避難を要する事態の発生、ならびに資機材・燃料の調達遅延や価格高騰など、当社事業の継続に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの海外事業に関連する国際情勢、治安情報の収集など、国際インテリジェンスの強化に加え、現地避難基準の検討、また複数のシナリオ想定、為替予約や調達先多様化などの施策により、リスク低減に努めています。

特大

バイオマス発電所の重大災害発生

他社のバイオマス発電所で爆発火災事故が発生している状況を踏まえ、当社の関わるバイオマス発電所でも同様の事故が発生する可能性があります。

安全な設備構成への改良、関係者への教育、設備巡視、計画的な点検清掃などの対策により、爆発火災事故発生の未然防止に努めています。

経営環境変化

への対応

エネルギー政策をはじめとする外部環境の変化に事業戦略が追従できず、収支悪化に繋がる可能性があります。

経営計画策定時の市場分析ならびに事業環境に合わせた組織体制の見直しにより、営業活動の進化や積算・調達力の強化に取り組んでいます。

業務リスク

サイバー攻撃

サイバー攻撃による顧客情報等の重要情報の流出、社内システムの停止、ランサムウェアによる身代金の要求などが発生する可能性があります。

ゼロトラストの導入など当社グループ全体でセキュリティ対策を強化するとともに、全社員を対象とした教育を実施しています。また、レジリエンス対策としてバックアップをより強化するべく対応を進めております。

特大

不適合発生

施工不良等による不適合が発生し、コスト増加の可能性があります。

三現主義を確実に実践するため、関係者への教育・啓発活動を行うとともに、品質保証体制を強化し不適合発生の未然防止に努めています。

特大

法令違反

法令違反による行政処分、事業活動の停止、社会的信用失墜のリスクがあります。

関係者への徹底した教育・啓発活動やケーススタディを実施しています。

特大

契約トラブル

事前の契約審査の不足により、不可抗力による事象に対しても請負責任とされる可能性があります。

新規案件等は、法務審査の実施により法務リスク低減に努めています。

重大事故

死亡災害等の重大事故が発生する可能性があります。

軽微な事象でも、重大災害に繋がるリスクが含まれていないか三現主義の観点から調査・分析し、是正措置とともに、知見を水平展開することで重大事故発生の未然防止に努めています。

取引先の

信用リスク

与信管理の不足やリーガルチェックの不足により、レピュテーションリスクや取引先の倒産などが発生する可能性があります。

与信管理および受注管理を徹底するとともに、契約締結時に契約内容を精査し、リスク低減に努めています。

 

 

 

リスク項目

リスク概要

対応策

頻度

影響度

人材リスク

技術力低下

知識・技術が継承されず、事業運営に支障をきたす可能性があります。

社員のキャリアパス・教育カリキュラムなどをグランドデザインから見直し再構築するキャリアプラットフォームビルディングプロジェクトを発足し、育成体系の見直しを進めています。また、若手社員を中心に必要資格の取得を推進しています。

人材不足

採用活動の難航等から、人員不足になる可能性があります。

多様な採用チャネルを活用した採用活動の強化とともに、離職率改善のため社員の処遇改善などのエンゲージメント向上策を実施しています。

気候リスク

大災害の発生

大規模噴火、地震等の重大な自然災害により、社員等の被災、事業所設備の損傷による事業中断などが発生する可能性があります。

各事業所での避難訓練、安否確認訓練の他、災害発生を想定したシナリオに基づく経営層の訓練を行うなど、レジリエンス対策を実施しています。

特大

環境規制強化

環境保護等の規制強化によるバイオマス燃料の調達コスト増加が収支を悪化させる可能性があります。

法規制に準拠した燃料調達と市況に応じた適正な価格調整を実施します。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①  財政状態及び経営成績の状況

イ  財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて112億47百万円増加し、1,193億29百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べて72億22百万円増加し、468億77百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べて40億24百万円増加し、724億52百万円となりました。

 

ロ  経営成績

当連結会計年度の経営成績は、受注高1,065億93百万円(前期比16.5%増)、売上高830億83百万円(前期比22.7%増)、営業利益47億37百万円(前期比77.8%増)、経常利益55億18百万円(前期比65.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益42億87百万円(前期比47.9%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

設備工事業は、受注高1,011億14百万円(前期比18.3%増)、売上高772億97百万円(前期比25.3%増)、セグメント利益106億88百万円(前期比155.7%増)となりました。

その他の事業は、受注高58億2百万円(前期比4.3%減)、売上高61億10百万円(前期比0.0%減)、セグメント利益70百万円(前期比38.2%減)となりました。

 

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて20億39百万円増加の、96億87百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、47億6百万円の資金の増加(前連結会計年度は152億29百万円の資金の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益及び未払消費税の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、9億31百万円の資金の増加(前連結会計年度は90百万円の資金の減少)となりました。これは主に投資有価証券の売却及び償還によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、36億71百万円の資金の減少(前連結会計年度は106億55百万円の資金の増加)となりました。これは主に短期借入金の返済によるものであります。

 

③  生産、受注及び販売の実績

  セグメントごとの受注実績及び売上実績は、次のとおりであります。

 

イ  受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自  2024年4月1日

 至  2025年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

 (自  2025年4月1日

 至  2026年3月31日)

(百万円)

増減率(%)

設備工事業

85,464

101,114

18.3

その他の事業

6,065

5,802

△4.3

セグメント計

91,529

106,917

16.8

差異調整額

△62

△324

91,466

106,593

16.5

 

ロ  売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

  (自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

  (自  2025年4月1日

至  2026年3月31日)

(百万円)

増減率(%)

設備工事業

61,672

77,297

25.3

その他の事業

6,112

6,110

△0.0

セグメント計

67,784

83,407

23.1

差異調整額

△62

△324

67,722

83,083

22.7

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  生産実績については、定義することが困難であるため、記載しておりません。

3  売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

売上高(百万円)

割合(%)

売上高(百万円)

割合(%)

東京電力ホールディングス㈱

9,371

13.8

11,044

13.3

 

  なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

a 受注高、売上高及び次期繰越工事高

期別

セグメントの名称

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注高

 

(百万円)

 

(百万円)

当期売上高

 

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

 (自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

設備工事業

96,742

86,545

183,287

62,852

120,434

その他の事業

243

243

243

セグメント計

96,742

86,788

183,531

63,096

120,434

差異調整額

△62

△62

△62

96,742

86,725

183,468

63,033

120,434

当事業年度

 (自  2025年4月1日

至  2026年3月31日)

設備工事業

120,434

102,807

223,241

78,329

144,912

その他の事業

172

172

172

セグメント計

120,434

102,979

223,414

78,501

144,912

差異調整額

△324

△324

△324

120,434

102,655

223,089

78,177

144,912

(注) 1  前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。

2  次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注高-当期売上高)であります。

 

b 受注高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

セグメントの名称

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

 (自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

設備工事業

70.2

29.8

100

当事業年度

 (自  2025年4月1日

至  2026年3月31日)

設備工事業

69.5

30.5

100

(注)  百分比は請負金額比であります。

 

c 売上高

期別

セグメントの名称

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

 (自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

設備工事業

105

62,746

62,852

その他の事業

243

243

セグメント計

105

62,990

63,096

差異調整額

△62

63,033

当事業年度

 (自  2025年4月1日

至  2026年3月31日)

設備工事業

1,346

76,983

78,329

その他の事業

172

172

セグメント計

1,346

77,155

78,501

差異調整額

△324

78,177

(注) 1  売上のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度  請負金額1億円以上の主なもの

相手先

工事件名

三菱重工業㈱

長府バイオマス発電所新設工事(機械)

三峰川電力PFI

鳥取県水力発電所再整備事業 日野川第一発電所

東京発電㈱

北茨城バイオマス発電所建設工事

NTT・TCリース㈱

八王子市立第九小学校外49校体育館空調設備その他の賃貸借

(同)会津こもれび発電所

会津こもれびバイオマス発電所建設工事_建築工事

当事業年度  請負金額1億円以上の主なもの

相手先

工事件名

東日本旅客鉄道㈱

JR川崎 2号複合発電設備点検修繕

北海道パワーエンジニアリング㈱

石狩湾新港 1号GTCC発電設備定期自主検査のうちガスタービン・蒸気タービン定期

NTT・TCリース㈱

八王子市立小中学校体育館(30校)空調設備設置工事

㈱JERA

大井工事所 154kV開閉所設備他撤去工事

住友重機械工業㈱

東ソー㈱ 南陽事業所 第二発電所 第7発電設備 7号ボイラ新設工事 電気計装工事

 

2  売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

売上高

(百万円)

割合(%)

売上高

(百万円)

割合(%)

東京電力ホールディングス㈱

9,371

14.9

11,044

14.1

 

d 次期繰越工事高

2026年3月31日現在

 

セグメントの名称

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

設備工事業

8,408

136,503

144,912

その他の事業

セグメント計

8,408

136,503

144,912

 

(注)  次期繰越工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。

相手先

工事件名

完成予定年月

JFEスチール㈱

西日本製鉄所倉敷地区電気炉及びLF導入に関する電気工事

2028年7月

(同)DS栃の木

栃の木太陽光発電所建設工事

2027年4月

㈱東芝

東芝横浜事業所杉田地区特高変電所再整備工事

2029年3月

神奈川県企業庁

相発第201号城山(発)1・2号屋外18kVキュービクル更新工事

2030年3月

日本原燃㈱

<新規制基準対応>固定式消火設備設置工事(AB建屋およびF1(B)基礎)

2026年6月

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①  重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。具体的には「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

見積り及び仮定の重要度が高いものは以下であります。

イ 重要な収益の計上基準

重要な収益の計上基準については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)(工事契約における一定の期間にわたり履行義務を充足し認識する収益)」に記載のとおりであります。

 

ロ 固定資産の減損

 固定資産の減損については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)(固定資産の減損)」に記載のとおりであります。

 

ハ 工事損失引当金

受注工事の損失に備えるため、当連結会計年度末の次期繰越工事のうち、損失が発生すると見込まれ、かつ金額を合理的に見積ることが可能な工事について、損失見積額を計上しております。

損失額の見積りは実行予算によって行います。実行予算作成時には、入手可能な情報に基づいた施工条件や資機材価格等を仮定し、作業効率等を勘案して各工種ごとに積み上げて作成しております。工事着手後は実際の発生原価と対比して適時・適切に実行予算の見直しを行っておりますが、発注者との変更契約の締結や、設備工事における人的・物的事故等の内的要因、また、市況の変動や自然災害及び感染症拡大等の外的要因により、仮定要素は将来変動する可能性があります。

ニ 退職給付に係る負債

退職給付費用及び債務の計算は、割引率、退職に対する給付額、利息費用、年金資産の期待収益率、死亡率、退職率等の要素が含まれております。これらの仮定と実際の結果が異なる数理計算上の差異については、発生した連結会計年度に全額一括費用処理しております。

 

ホ 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性の評価については、当社グループの各社ごとに将来の課税所得を見積り、回収可能と認められない金額について評価性引当額を計上しております。

将来の課税所得は、現在入手可能な情報に基づき合理的に見積っておりますが、大幅な経営環境の変化等により、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

②  当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ  経営成績等

わが国経済は緩やかな回復基調を維持しており企業景況感が改善したことから、株価も堅調に推移し、企業マインドも持ち直しの動きが見られる一方で、為替変動の影響や金利の上昇、労働需要の高まりによる労働力不足に加え、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の高騰や供給制約のリスクが顕在化するなど、景気の先行きは一段と不透明な状況で推移いたしました。

当社グループを取り巻く経営環境は、資材価格の高騰や調達期間の長期化、慢性的な労働力不足等に留意を要するものの、脱炭素関連分野への設備投資や原子力発電所の再稼働に向けた設備投資、また、生成AIの普及に伴うデータセンターの新設等による電力需要増加に対応した設備投資等により、総じて堅調に推移いたしました。

このような状況の中、当社グループは一昨年、2024年度中期経営計画(2024~2026年度)を策定し、「『人』を真ん中にした強くてしなやかなQ'dづくり」を基本方針に掲げ、重点課題に取り組み、的確な市場分析に基づく事業ポートフォリオの最適化と『人』を真ん中にした投資サイクルの好循環により、受注拡大と利益創出に努めました。

特に、国内各所の原子力発電所で再稼働に向けた安全対策工事が進捗している原子力分野、脱炭素化や省エネを目的とした設備投資が堅調な一般産業分野、長期脱炭素電源オークションやPPA(電力販売契約)の活用により事業化が進んでいる再生可能エネルギー関連市場等において、着実に受注を伸ばし、次期繰越工事高は過去最高となりました。

この結果、当連結会計年度の経営成績等の状況については次のとおりとなりました。

 

 a 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて112億47百万円増加し、1,193億29百万円となりました。これは主に受取手形、完成工事未収入金及び契約資産の増加によるものであります。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べて72億22百万円増加し、468億77百万円となりました。これは主に社債の増加によるものであります。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べて40億24百万円増加し、724億52百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の増加によるものであります。

 b 経営成績

当連結会計年度における受注高は、原子力設備の安全対策工事、脱炭素化に向けた製鉄所の電気炉関連工事、全国で老朽化が進んでいる清掃工場の建替工事、公共施設の電気設備工事、公営水力発電設備の更新工事、バイオマス発電所のO&M(運転・保守)業務やLTSA(長期保守契約)業務、太陽光分野のオンサイトPPA設備工事や建設工事等の受注により1,065億93百万円(前期比16.5%増)となりました。

売上高は、福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務、国内各所で展開している原子力発電所等の安全対策工事や保修工事、電力需要増加に伴う変電設備の新設・増設工事、蓄電池関連プラントの建設工事、火力発電所の保修工事や撤去工事、製油所への常駐化により増加した保修工事、太陽光分野のオンサイトPPA設備工事や建設工事等の進捗があったことから、830億83百万円(前期比22.7%増)となりました。

次期繰越高は、1,449億31百万円(前期比19.4%増)となりました。

利益面につきましては、売上高の増加に加え、前期から継続的に取り組んでいる採算性を重視した受注活動が着実に浸透していることや、生産性向上の取り組み等により、利益率が改善した結果、営業利益は47億37百万円(前期比77.8%増)、経常利益は為替変動に伴うデリバティブ評価益等の計上もあり、55億18百万円(前期比65.1%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、資産の効率化に向けた政策保有株式や賃貸不動産の売却による特別利益を計上した結果、42億87百万円(前期比47.9%増)となりました。

 

 c キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ロ  経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループを取り巻く経営環境は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおりであり、また、「3 事業等のリスク」及び「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計方針及び見積り」に記載している各要因が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 

ハ  資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の施工に要する外注費等の工事費や販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資や出資等によるものであります。

当社グループは、財務基盤の健全性を維持しつつ、成長分野への投資を可能とする財務環境の創出を基本方針としております。

運転資金及び設備資金については、自己資金、金融機関からの借入及び社債の発行により資金調達しております。

なお、当連結会計年度末における社債、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は181億49百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は96億87百万円となっております。

 

ニ  経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当期の連結業績目標に対する達成状況は、次のとおりであります。

売上高につきましては、福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務、国内各所で展開している原子力発電所等の安全対策工事や保修工事、電力需要増加に伴う変電設備の新設・増設工事、蓄電池関連プラントの建設工事、火力発電所の保修工事や撤去工事、製油所への常駐化により増加した保修工事、太陽光分野のオンサイトPPA設備工事や建設工事等の進捗があったことから、計画比10億円増(1.3%増)となりました。

利益面につきましては、前期から継続的に取り組んでいる採算性を重視した受注活動が着実に浸透していることや、生産性向上の取り組み等により、利益率が改善した結果、営業利益は計画比8億円増(21.5%増)、経常利益は為替変動に伴うデリバティブ評価益等の計上もあり、計画比14億円増(34.6%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、資産の効率化に向けた政策保有株式や賃貸不動産の売却による特別利益を計上した結果、計画比8億円増(26.1%増)となりました。

 

 

指標

連結業績目標

(2025年度)

連結業績実績

(2025年度)

計画比

売上高

820億円

830億円

10億円増( 1.3%増)

営業利益

39億円

47億円

8億円増(21.5%増)

経常利益

41億円

55億円

14億円増(34.6%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

34億円

42億円

8億円増(26.1%増)

 

ホ  セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (設備工事業)

受注高は、グリーンエネルギー事業部門や原子力部門の増加により、1,011億14百万円(前期比18.3%増)となりました。売上高は、グリーンエネルギー事業部門やエネルギー部門、原子力部門の増加により、772億97百万円(前期比25.3%増)となりました。

セグメント利益は、106億88百万円(前期比155.7%増)となりました。

 

 (その他の事業)

受注高は、58億2百万円(前期比4.3%減)となりました。

売上高は、61億10百万円(前期比0.0%減)となりました。

セグメント利益は、70百万円(前期比38.2%減)となりました。

 

参考:セグメントの名称に対応した部門等の名称

セグメントの名称

部門等

設備工事業

グリーンエネルギー事業部門、エネルギー部門、原子力部門、溶接・検査センター、海外事業部

その他の事業

発電事業、不動産事業、リース・レンタル事業、保険代理業、製造・販売事業、卸売業

 

 

5【重要な契約等】

(株式の売出しに伴うロックアップの合意)

 当社は、2026年2月16日の取締役会決議において、当社普通株式の売出しを行うことを決定いたしました。

 引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である東京電力ホールディングス株式会社は、みずほ証券株式会社に対し、売出価格等決定日に始まり、引受人の買取引受による売出しの受渡期日から起算して180日目の日に終了する期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、みずほ証券株式会社の事前の書面による承諾を受けることなく、当社普通株式の売却等(ただし、本件引受人の買取引受による売出し等を除く。)を行わない旨を合意しております。

 また、当社はみずほ証券株式会社に対し、ロックアップ期間中、みずほ証券株式会社の事前の書面による承諾を受けることなく、当社普通株式及び当社普通株式に転換もしくは交換されうる有価証券または当社普通株式を取得する権利又は義務を有する有価証券の発行等(ただし、株式分割による新株式発行及び当社の譲渡制限付株式報酬制度に係る譲渡制限付株式の発行又は交付等を除く。)を行わない旨を合意しております。

 なお、上記のいずれの場合においても、みずほ証券株式会社はロックアップ期間中であってもその裁量で当該合意の内容を一部もしくは全部につき解除できる権限を有しております。

 

6【研究開発活動】

  当社の研究開発は、主に技術開発部が中心となり、工事施工における生産性の向上、コストダウン及び安全性の向上を目的とした新技術、新工法の研究開発及び新分野における研究開発に重点をおいて推進しております。

  当連結会計年度における研究開発費は144百万円であり、主な研究開発の内容は以下のとおりであります。

  なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

 

(1) 廃止措置における遠隔操作ロボットの開発 (設備工事業)

福島第一原子力発電所の高線量下領域における廃炉措置への貢献として、クローラ台車等を活用した遠隔操作ロボットの改良を行いました。

凹凸床面に対応した自動搬送台車や、ブレーキ機能・踊り場旋回能力を備えた階段昇降台車の実証を終え、初期の開発目標を達成しております。

 

(2) フレークライニング塗装の水中硬化型エポキシ塗料による補修適正確認 (設備工事業)

 原子力発電所向けにタンク内没水部に施されたフレークライニングの補修において、水を抜かずに施工可能な水中硬化型エポキシ塗料の適用性を検証いたしました。

 各種試験により十分な付着強度や耐久性を確認することができ、新たな商材として提案受注を目指すものとなります。

 

(3) 狭隘部ボイラーチューブプロテクター肉厚測定治具の開発 (設備工事業)

 バイオマス発電所のボイラー過熱器チューブにおける残肉厚測定において、狭隘部へのアクセス性と測定効率を向上させる肉厚測定治具の改良を実施しました。

 課題であった測定効率については、真空パッド吸着方式の採用により測定不能箇所を解消しました。

 また、報告書作成システムを構築することで、点検業務全体の大幅な効率化を実現しました。

 

(4) 超高温可溶化メタン発酵技術導入によるバイオガス発電設備の開発 (設備工事業)

 食品残渣等からのエネルギー回収を促進するため、可溶化処理を通じたメタン発酵効率の最大化を図るべく、熊本県立大学と共同研究を進めております。

 バイオマス発電所への実装に向けて開発を継続しております。