第2【事業の状況】

(注)「第2  事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。

 

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、このところ弱さもみられますが、緩やかな回復基調が続いております。先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなか、各種経済政策の効果もあり、緩やかな回復に向かうことが期待されるものの、中国をはじめとするアジア新興国や資源国等の景気が下振れし、わが国の景気が下押しされるリスクがあり、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。

当建設業界におきましては、住宅建設はおおむね横ばい、公共投資は緩やかに減少傾向にあるなか、杭施工のデータ流用問題が発生し、当業界の信用への影響が危惧されております。また、引き続き建設費の動向や建設労働者の需給状況に注視が必要な状況が続いております。

このような情勢のなか、当社グループは、中期経営計画「ACHIEVE  DAISUE  80th」(平成26年度~平成28年度)の目標達成を目指して営業活動を展開した結果、当連結会計年度の業績は、受注高が59,223百万円(前連結会計年度比7.0%増)、売上高は59,880百万円(前連結会計年度比7.5%増)、営業利益が3,713百万円(前連結会計年度比79.0%増)、経常利益が3,584百万円(前連結会計年度比90.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が2,270百万円(前連結会計年度比39.0%増)となりました。

なお、当社グループは単一セグメントのためセグメント情報の記載は行っておりません。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益などが売上債権の増加額などを上回ったことにより、1,705百万円の資金の増加(前連結会計年度は1,082百万円の資金の増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入などにより、120百万円の資金の増加(前連結会計年度は20百万円の資金の減少)となりました。

また、財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少などにより、1,595百万円の資金の減少(前連結会計年度は5,301百万円の資金の減少)となりました。

これらの結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度より230百万円増加し、2,574百万円となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。

(1)受注実績

(単位:百万円)

 

区分

前連結会計年度

(自  平成26年4月1日

至  平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

建設事業

55,359

59,223

合計

55,359

59,223

(注)当社グループにおいては建設事業以外では受注生産形態をとっておりません。

 

(2)売上実績

(単位:百万円)

 

区分

前連結会計年度

(自  平成26年4月1日

至  平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

建設事業

54,621

59,014

その他

1,105

865

合計

55,726

59,880

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

建設事業における受注工事高及び施工高の状況

(1) 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

(単位:百万円)

 

期別

区分

期首繰越
工事高

期中受注
工事高

期中完成
工事高

期末繰越
工事高

前事業年度

(自  平成26年4月1日

至  平成27年3月31日)

建築工事

45,034

54,119

99,153

53,209

45,944

土木工事

468

25

494

207

287

45,502

54,145

99,648

53,416

46,231

当事業年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

建築工事

45,944

57,506

103,450

57,058

46,391

土木工事

287

80

367

231

136

46,231

57,586

103,818

57,290

46,527

(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、期中受注工事高にその増減額を含みます。したがって、期中完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

2.期末繰越工事高は(期首繰越工事高+期中受注工事高-期中完成工事高)であります。

(2) 受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

(単位:%)

 

期別

区分

特命

競争

前事業年度

(自  平成26年4月1日

至  平成27年3月31日)

建築工事

61.9

38.1

100

土木工事

100.0

100

当事業年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

建築工事

70.2

29.8

100

土木工事

100.0

100

 

(3) 完成工事高

(単位:百万円)

 

期別

区分

官公庁

民間

前事業年度

(自  平成26年4月1日

至  平成27年3月31日)

建築工事

5,993

47,216

53,209

土木工事

207

207

6,200

47,216

53,416

当事業年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

建築工事

5,309

51,748

57,058

土木工事

231

231

5,541

51,748

57,290

(注)完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度

完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

 

当事業年度

  野村不動産株式会社              6,012百万円      10.5%

 

(4) 手持工事高(平成28年3月31日現在)

(単位:百万円)

 

区分

官公庁

民間

建築工事

4,727

41,664

46,391

土木工事

136

136

4,863

41,664

46,527

 

3【対処すべき課題】

国内建設市場は、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックや2027年開業を目指すリニア中央新幹線建設に伴うインフラ整備等の投資が本格的になり、工事量の増加が見込まれております。また震災復興関連工事も引き続き需要が多く見込まれております。

一方、慢性的な労働力不足による人件費の増加や、一部資材の高騰もあり、建設業を取り巻く環境は楽観できない状況といえます。

当社グループといたしましては、施工キャパシティを踏まえた適切な受注を行い、高い品質の作品を提供するとともに、平成28年度をゴールとする中期経営計画「ACHIEVE  DAISUE80th」に掲げる基本方針、「外部環境に左右されない安定的な経営基盤の構築」に向けた施策を着実に実行し、目標を完遂することにより安定成長を目指してまいります。

また、今後も安定した配当を継続するための財務体質の強化、継続的な発展を可能にする人材育成に注力し、企業価値の更なる向上に努めてまいります。

同時に、内部統制の強化、コンプライアンスの徹底等、社会的責任への対応も継続し、建設業を通じて豊かな人間生活に貢献すべく、全社一丸となって取り組んでまいります。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、建設業の特性である工事の着工から完成引渡しまでの期間が長いという事情があり、以下の項目を認識しております。

なお、以下の項目には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1) 事業環境の変化に伴うリスク

住宅市場動向、公共投資の大幅な変動等があった場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 資材価格等の変動に伴うリスク

労務賃金、原材料等の価格が高騰した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 取引先の信用リスク

工事代金を受領する前に取引先が信用不安等に陥った場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 金利水準等の変動リスク

予期せぬ経済情勢の変化により金利が急激に上昇した場合、または、株価が大幅に下落した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 災害発生に伴うリスク

施工中に天候等の原因により予期せぬ災害が発生した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 瑕疵担保リスク

設計、施工等において重大な瑕疵が発生し、瑕疵担保責任による損害賠償が発生した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 法的規制リスク

当社グループの事業は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、都市計画法、会社法、金融商品取引法、独占禁止法、環境労働関連法令等による法的規制を受けておりますが、これらの法律の改廃、法的規制の新設、適用基準の変更等がなされた場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

当社は、資金調達の機動性及び安定性を確保し、より一層の財務基盤の強化を図るため、株式会社三菱東京UFJ銀行との間でコミットメントライン契約を締結しておりますが、金融費用削減の観点から資金需要に合わせ、極度額を順次減額しており、平成28年3月28日付で極度額8,000百万円にて更新しております。

一方、基幹システムの再構築に向けた資金調達として、平成27年9月30日付にて同行との間で実行可能期間付タームローン契約を締結いたしております。

 

6【研究開発活動】

当社は、多様な社会ニーズや今後の労働者不足に技術面から対応すべく、同業他社との共同研究を基本に、施工品質確保・生産性の向上・ICTの推進に取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費は23百万円でありました。また、当社の研究開発体制及び当連結会計年度の主な研究開発の成果は次のとおりであります。

なお、子会社においては、研究開発活動は行っておりません。

 

(1) 当社独自の研究・開発

①鼻先PCa工法の採用

従来から当社保有技術として採用している鼻先PCa工法について、今後さらに展開を拡大すべく、作業所への供給システムの確立、建築技術性能証明の取得を目指して取り組んでおります。

②鼻先PCa技術を応用し、ALC立上り部・ピット内釜場についてもPCa製品を開発し、作業所の品質確保・工期短縮となる取組みを進めております。

 

(2) 同業他社との共同研究

①杭頭半固定工法

杭頭半固定工法の採用に向け、同業他社との連携による施工部会に参加し、さらなる工法の改良と設計データの収集と分析を続けております。当連結会計年度は、施工手順、施工要領の作成及び各ツールの見直しを行っております。

②柱RC梁Sハイブリッド構法の開発

大規模案件に対応可能な工業化・合理化構法の確立や物流倉庫、工場等の長スパン建物に要求される躯体のローコスト技術としての検討を続けております。当連結会計年度においては、研究会での工法見学会を実施し、広い運用に向けた取組みを行っております。

③異種強度コンクリートを打ち分けた鉄筋コンクリート造梁工法の開発

躯体の高強度化に伴うスラブへの高強度コンクリート打設による過剰性能の改善、スラブの品質改善を目的として、スラブと梁の上部分のコンクリートを低強度で同時に打設する異種強度梁について、以前に性能証明取得済ですが、さらに工法適用範囲を拡大すべく、追加の構造性能実験を行い、前連結会計年度に性能証明の改定を行っております。当連結会計年度も共同開発会社との連携により、実施案件による設計施工情報の集積と、さらなる改良・改善に向けて継続的に協議を行うとともに、工法の使用性向上のため、実験結果を日本建築学会大会に共同研究として発表しております。

 

(3)外部技術や既存工法の活用等による技術力の向上

①前年度より採用している、コンクリート基礎・地中梁が不要となる、上部構造と杭を直接接合

  するECS-TP工法と土間コンクリートのひび割れ対策を合わせることで、さらに工期短縮

  を可能としております。

②前年度より採用している安定した品質確保及び工期短縮効果が期待できる、鉄筋ジャバラユニ

  ット工法の採用を拡大するとともに、場所打ち杭の籠筋にも採用することで、運搬回数の大幅

  な削減に効果を発揮しております。

③型枠工事においてCO削減効果が期待できる鋼製パネルを埋戻しの基礎部分に積極的に採用

  できるように取り組んでおります。また、鋼製パネルを対象に、従来の型枠工事の手法を見直

  して、重筋作業の低減・作業の効率化・運搬回数の低減を目的として、施工実験を重ねており

  ます。

④作業所にタブレットを活用した配筋検査・仕上げ検査システムを導入し、現場員の業務効率化

  に取り組んでおります。今後は当社独自でのシステム開発にも取り組んでいく予定でありま

  す。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析

①財政状態

<資産>

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度比1,851百万円増34,707百万円となりました。流動資産は前連結会計年度比3,222百万円増31,151百万円、固定資産は前連結会計年度比1,370百万円減3,556百万円となりました。

流動資産増加の主な要因は、「受取手形・完成工事未収入金等」が3,450百万円増加したことなどによるものです。

<負債>

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度比26百万円減26,439百万円となりました。流動負債は前連結会計年度比410百万円減24,047百万円、固定負債は前連結会計年度比384百万円増2,392百万円となりました。

流動負債減少の主な要因は、有利子負債の削減に努めた結果、「短期借入金」が1,921百万円減少したことなどによるものです。

<純資産>

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度比1,878百万円増8,268百万円となりました。

増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により「利益剰余金」が2,218百万円増加したことなどによるものです。

②経営成績

<受注高>

当連結会計年度の受注高は、住宅建設はおおむね横ばい、公共投資は緩やかに減少傾向となった外部環境の中、中期経営計画「ACHIEVE DAISUE 80th」(平成26年度~平成28年度)の目標達成を目指して受注活動を行った結果、前連結会計年度比3,864百万円増(7.0%増)の59,223百万円となりました。

<売上高>

売上高につきましては、前連結会計年度からの繰越工事高増加の影響等により、「完成工事高」が前連結会計年度比4,392百万円増8.0%増)の59,014百万円、「不動産事業等売上高」が前連結会計年度比239百万円減21.6%減)の865百万円となり、全体の売上高につきましては、前連結会計年度比4,153百万円増7.5%増)の59,880百万円となりました。

<利益>

(営業利益)

売上高の増加により売上総利益が増加したことに加え、期末に竣工引渡しを予定していた工事が順調に推移したことなどにより、売上総利益につきましては、前連結会計年度比1,877百万円増43.1%増)の6,231百万円となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度比237百万円増10.4%増)の2,518百万円となったものの、売上総利益の増加により、営業利益につきましては前連結会計年度比1,639百万円増79.0%増)の3,713百万円となりました。

(経常利益)

営業外収益につきましては、前連結会計年度比10百万円増14.9%増)の78百万円となりました。営業外費用につきましては、借入金の返済に伴い「支払利息」が55百万円減少したことなどにより、前連結会計年度比51百万円減20.0%減)の207百万円となりました。

これらの結果、経常利益につきましては、前連結会計年度比1,701百万円増90.4%増)の3,584百万円となりました。

(税金等調整前当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比927百万円増50.2%増)の2,772百万円となり、「法人税、住民税及び事業税」と「法人税等調整額」を差引いた親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、前連結会計年度比637百万円増39.0%増)の2,270百万円となりました。

③キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,705百万円の資金の増加(前連結会計年度は1,082百万円の資金の増加)となりました。

主な要因は、売上債権2,820百万円の増加があったものの、税金等調整前当期純利益2,772百万円及び減損損失737百万円を計上したことなどによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、120百万円の資金の増加(前連結会計年度は20百万円の資金の減少)となりました。

主な要因は、定期預金の払戻による収入150百万円などによるものです。

また、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,595百万円の資金の減少(前連結会計年度は5,301百万円の資金の減少)となりました。

主な要因は、短期借入金1,921百万円が減少したことなどによるものです。

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成24年3月期

平成25年3月期

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

自己資本比率(%)

11.9

12.6

12.1

19.4

23.8

時価ベースの自己資本比率(%)

18.9

23.5

34.1

26.1

23.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

6.5

6.7

7.4

3.8

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

8.3

7.6

8.0

17.5

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

※平成26年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、キャッシュ・フローがマイナスのため表示しておりません。