第2【事業の状況】

(注)「第2  事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。

 

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、海外情勢の先行き不透明感はあるものの、政府による継続的な経済政策や日銀による金融緩和政策などにより、緩やかな回復基調が続きました。

この間、当建設業界におきましては、引き続き労務単価、建設資材価格等の動向に注視が必要な状況が続くものの、全般的に安定した状況が続いております。

このような情勢のなか、当社グループは、中期経営計画「ACHIEVE DAISUE 80th」(平成26年度~平成28年度)の最終年度目標達成を目指して営業活動を展開した結果、当連結会計年度の業績は、受注高が59,213百万円(前連結会計年度比0.0%減)、売上高は64,539百万円(前連結会計年度比7.8%増)、営業利益が4,240百万円(前連結会計年度比14.2%増)、経常利益が4,168百万円(前連結会計年度比16.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が3,547百万円(前連結会計年度比56.2%増)となりました。

なお、当社グループは単一セグメントのためセグメント情報の記載は行っておりません。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上などにより、1,862百万円の資金の増加(前連結会計年度は913百万円の資金の増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出などにより、132百万円の資金の減少(前連結会計年度は29百万円の資金の減少)となりました。

また、財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少などにより、1,094百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,595百万円の資金の減少)となりました。

これらの結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度より1,576百万円増加し、3,209百万円となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。

(1)受注実績

(単位:百万円)

 

区分

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

建設事業

59,223

59,213

合計

59,223

59,213

(注)当社グループにおいては建設事業以外では受注生産形態をとっておりません。

 

(2)売上実績

(単位:百万円)

 

区分

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

建設事業

59,014

63,325

その他

865

1,214

合計

59,880

64,539

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

建設事業における受注工事高及び施工高の状況

(1) 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

(単位:百万円)

 

期別

区分

期首繰越
工事高

期中受注
工事高

期中完成
工事高

期末繰越
工事高

前事業年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

建築工事

45,944

57,506

103,450

57,058

46,391

土木工事

287

80

367

231

136

46,231

57,586

103,818

57,290

46,527

当事業年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

建築工事

46,391

58,488

104,880

62,318

42,562

土木工事

136

1

137

137

46,527

58,490

105,018

62,455

42,562

(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、期中受注工事高にその増減額を含みます。したがって、期中完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

2.期末繰越工事高は(期首繰越工事高+期中受注工事高-期中完成工事高)であります。

(2) 受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

(単位:%)

 

期別

区分

特命

競争

前事業年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

建築工事

70.2

29.8

100

土木工事

100.0

100

当事業年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

建築工事

83.2

16.8

100

土木工事

100.0

100

 

(3) 完成工事高

(単位:百万円)

 

期別

区分

官公庁

民間

前事業年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

建築工事

5,309

51,748

57,058

土木工事

231

231

5,541

51,748

57,290

当事業年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

建築工事

3,201

59,116

62,318

土木工事

137

137

3,339

59,116

62,455

(注)完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度

  野村不動産株式会社              6,012百万円      10.5%

当事業年度

  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

(4) 手持工事高(平成29年3月31日現在)

(単位:百万円)

 

区分

官公庁

民間

建築工事

3,131

39,430

42,562

土木工事

3,131

39,430

42,562

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは、誠実をもってお客様の信頼を得るという一貫した理念に基づき、建設業を通じて豊かな人間生活に貢献することを経営理念としております。当社グループの強みは、「お客様の期待に応える対応力」と「高い技術と革新性を常に追求する姿勢」であり、洗練された最高の住環境をお客様と共に創り上げる総合建設企業として、日々夢をもって技術向上を目指し、研鑽を積んでまいります。

国内建設市場は、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックや2027年開業を目指すリニア中央新幹線建設に伴うインフラ整備等の投資が本格的になり、工事量の増加が見込まれております。また震災復興関連工事も引き続き需要が多く見込まれております。

一方、慢性的な労働力不足による人件費の増加や、一部資材の高騰もあり、建設業を取り巻く環境は必ずしも楽観できない状況といえます。

このような状況のもと、当社グループは、「強固な経営基盤を持った永続的な企業」になるという目的のため、平成29年度を初年度とする新中期経営計画「DAISUE SINKA 2020」(平成29年度~平成31年度)を策定いたしました。この計画で当社の更なる経営基盤の強化による信頼を確立するため、マンション事業で安定的な収益を確保しながら、建設・リニューアル事業をより強固なものとしてまいります。

また、お客様の満足を実現するために、株主、協力会社、地域社会等の皆様と共生し、社員と家族が安心できる、誇りとやりがいをもって働ける組織づくりを目指してまいります。

さらに、今後も安定した配当を継続するための財務体質の強化、継続的な発展を可能にする人材育成に注力し、企業価値の更なる向上に努めてまいります。

同時に、内部統制の強化、コンプライアンスの徹底等、社会的責任への対応も継続し、建設業を通じて豊かな人間生活に貢献すべく、全社一丸となって取り組んでまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、建設業の特性である工事の着工から完成引渡しまでの期間が長いという事情があり、以下の項目を認識しております。

なお、以下の項目には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境の変化に伴うリスク

住宅市場動向、公共投資の大幅な変動等があった場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 資材価格等の変動に伴うリスク

労務賃金、原材料等の価格が高騰した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 取引先の信用リスク

工事代金を受領する前に取引先が信用不安等に陥った場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 金利水準等の変動リスク

予期せぬ経済情勢の変化により金利が急激に上昇した場合、または、株価が大幅に下落した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 災害発生に伴うリスク

施工中に天候等の原因により予期せぬ災害が発生した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 瑕疵担保リスク

設計、施工等において重大な瑕疵が発生し、瑕疵担保責任による損害賠償が発生した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 法的規制リスク

当社グループの事業は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、都市計画法、会社法、金融商品取引法、独占禁止法、環境労働関連法令等による法的規制を受けておりますが、これらの法律の改廃、法的規制の新設、適用基準の変更等がなされた場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

当社は、資金調達の機動性及び安定性を確保し、より一層の財務基盤の強化を図るため、株式会社三菱東京UFJ銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。金融費用削減の観点から資金需要に合わせ、極度額を順次減額しており、平成29年3月28日付で極度額7,000百万円にて更新しております。

 

6【研究開発活動】

当社は、多様な社会ニーズや今後の労働者不足に技術面から対応すべく、同業他社との共同研究を含め、施工品質確保・生産性の向上・ICTの推進に取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費は53百万円でありました。また、当社の研究開発体制及び当連結会計年度の主な研究開発の成果は次のとおりであります。

なお、子会社においては、研究開発活動は行っておりません。

 

(1) 当社独自の研究・開発

①鼻先PCa工法の採用

従来から当社保有技術として採用している鼻先PCa工法について、品質確保・瑕疵低減を目的に採用の拡大・定着をすべく作業所への供給システムの確立に取り組んでおります。また、先PCaの技術を応用して、ALC立上り部やピット釜場へのPCa製品の採用定着による、作業所の品質確保・工期短縮になる取り組みを進めております。

②ICT技術の活用・推進

従来採用していた、配筋検査・仕上げ検査システムに加え、日常業務及び躯体管理の全般をタブレットで管理できる当社独自システムをシステム会社と連携して開発に取り組んでおります。

 

(2) 同業他社との共同研究

①杭頭半固定工法

杭頭半固定工法の採用に向け、同業他社との連携による施工部会に参加し、更なる工法の改良と設計データの収集・分析を続けております。当連結会計年度は、施工手順、施工要領の作成及び各ツールの見直しを行っております。

②柱RC梁Sハイブリッド構法の推進

大規模案件に対応可能な工業化・合理化構法の確立や物流倉庫、工場等の長スパン建物に要求される躯体のローコスト技術として検討を続けております。当連結会計年度においては、東京地区で1物件採用に至り、研究会への見学会を実施いたしました。今後の広い運用に向けて取り組みを行っております。

③サスティナブル社会の実現に向けたシステム開発

サスティナブル建築(※)の推進を効果的に実施できるように、建築物のライフサイクル(企画・設計から解体に至るまで)を通して発生するコスト、CO排出量、エネルギー消費量などの検討を行うことができるソフトの開発に取り組んでおります。

※サスティナブル建築

設計・施工・運用の各段階を通じて、地域レベルでの生態系の収容力を維持しうる範囲内で、⑴建築のライフサイクルを通じての省エネルギー・省資源・リサイクル・有害物質排出抑制を図り、⑵その他地域の気候、伝統、文化及び周辺環境と調和しつつ、⑶将来にわたって人間の生活の質を適度に維持あるいは向上させていくことができる建築物を構築することを指します。

 

(3)外部技術や既存工法の活用等による技術力の向上

①基礎工事省力化の推進

従来より採用している、コンクリート基礎・地中梁が不要となる、上部構造と杭を直接接合

するECS-TP工法の採用を定着することにより、物件を短工期で安定的に提供できるように取り組んでいます。

②躯体工事の生産性向上・品質安定の取り組み

従来より採用している安定した品質確保及び工期短縮効果が期待できる、鉄筋ジャバラユニ

ット工法の採用を拡大するとともに、柱RC梁Sハイブリッド構法と併用することにより、更に品質向上・工期短縮効果を発揮しております。

③低炭素社会実現への取り組み

型枠工事においてCO削減効果が期待できる、鋼製パネルを埋め戻しの基礎部分に積極的に採用できるように取り組んでおります。当連結会計年度は、従来工法より更に重筋作業の低減・作業の効率化・運搬回数の低減が可能となる工法を、メーカー・協力会社と共同で開発し、特許を取得しております。

 

④作業所業務効率化と品質向上への取り組み

ICTの推進として、作業所にタブレットを活用した配筋検査システムの導入及び施工図BIMを採用しております。これにより、躯体工事の現場員の業務効率化と品質の向上に効果を発揮しております。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析

①財政状態

<資産>

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度比5,107百万円増39,815百万円となりました。流動資産は前連結会計年度比4,282百万円増35,433百万円、固定資産は前連結会計年度比825百万円増4,382百万円となりました。

流動資産増加の主な要因は、「受取手形・完成工事未収入金等」が3,466百万円増加したことなどによるものです。

<負債>

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度比1,493百万円増27,932百万円となりました。流動負債は前連結会計年度比855百万円増24,903百万円、固定負債は前連結会計年度比637百万円増3,029百万円となりました。

流動負債増加の主な要因は、「支払手形・工事未払金等」が1,564百万円増加、「電子記録債務」が1,760百万円増加したことなどによるものです。

<純資産>

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度比3,614百万円増11,882百万円となりました。

増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により「利益剰余金」が3,338百万円増加したことなどによるものです。

 

②経営成績

<受注高>

当連結会計年度の受注高は、住宅建設はおおむね横ばい、公共投資は緩やかに減少傾向となった外部環境の中、中期経営計画「ACHIEVE DAISUE 80th」(平成26年度~平成28年度)の目標達成を目指して受注活動を行った結果、前連結会計年度比9百万円減(0.0%減)の59,213百万円となりました。

<売上高>

売上高につきましては、当期受注当期完成工事売上高の増加等により、「完成工事高」が前連結会計年度比4,311百万円増7.3%増)の63,325百万円、「不動産事業等売上高」が前連結会計年度比348百万円増40.2%増)の1,214百万円となり、全体の売上高につきましては、前連結会計年度比4,659百万円増7.8%増)の64,539百万円となりました。

<利益>

(営業利益)

売上高の増加により売上総利益が増加したことに加え、完成工事総利益率の改善などにより、売上総利益につきましては、前連結会計年度比788百万円増12.7%増)の7,020百万円となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度比261百万円増10.4%増)の2,779百万円となったものの、売上総利益の増加により、営業利益につきましては前連結会計年度比526百万円増14.2%増)の4,240百万円となりました。

(経常利益)

営業外収益につきましては、前連結会計年度比21百万円増28.2%増)の100百万円となりました。営業外費用につきましては、借入金の返済に伴い「支払利息」が35百万円減少したことなどにより、前連結会計年度比35百万円減17.2%減)の172百万円となりました。

これらの結果、経常利益につきましては、前連結会計年度比584百万円増16.3%増)の4,168百万円となりました。

(税金等調整前当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比1,390百万円増50.1%増)の4,163百万円となり、「法人税、住民税及び事業税」と「法人税等調整額」を差引いた親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、前連結会計年度比1,276百万円増56.2%増)の3,547百万円となりました。

 

③キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,862百万円の資金の増加(前連結会計年度は913百万円の資金の増加)となりました。

主な要因は、売上債権4,220百万円の増加があったものの、税金等調整前当期純利益4,163百万円及び仕入債務の増加3,324百万円を計上したことなどによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、132百万円の資金の減少(前連結会計年度は29百万円の資金の減少)となりました。

主な要因は、無形固定資産の取得による支出100百万円などによるものです。

また、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,094百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,595百万円の資金の減少)となりました。

主な要因は、短期借入金1,885百万円が減少したことなどによるものです。

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成25年3月期

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

自己資本比率(%)

12.6

12.1

19.4

23.8

29.8

時価ベースの自己資本比率(%)

23.5

34.1

26.1

23.9

26.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

6.7

7.4

3.8

3.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

7.6

8.0

17.5

30.5

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

※平成26年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、キャッシュ・フローがマイナスのため表示しておりません。