第2【事業の状況】

(注)「第2  事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは、誠実をもってお客様の信頼を得るという一貫した理念に基づき、建設業を通じて豊かな人間生活に貢献することを経営理念としております。当社グループの強みは、「お客様の期待に応える対応力」と「高い技術と革新性を常に追求する姿勢」であり、洗練された最高の住環境をお客様と共に創り上げる総合建設企業として、日々夢をもって技術向上を目指し、研鑽を積んでまいります。

今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、あらゆる産業で企業活動が大幅に縮小する事態に及んできており、経済停滞の長期化は必至の情勢となっています。

建設業界におきましても、この影響は、中国産建材の確保難や工事中断による工程遅延のみならず、一部工事発注の見合わせなどにも波及してきており、業界を取り巻く環境は、より厳しさを増していくものと予想されますが、引き続き今後の動向を注視してまいります。

このような情勢のなか、当社グループは、2030年ビジョン「安心と喜びあふれる空間を創造する会社」を策定し、2030年に連結売上高1,000億円を目指してまいります。その第一ステップとして、2020年度を初年度とする新中期経営計画「Challenges for the future」(2020年度~2022年度)では、当社の柱であるマンション事業を堅持しつつ、一般建設事業とリニューアル事業を成長の原動力として、最終年度となる2023年3月期には連結売上高700億円を目指してまいります。

また、お客様の満足を実現するために、株主、協力会社、地域社会等の皆様と共生し、社員と家族が安心できる、誇りとやりがいをもって働ける組織づくりを目指してまいります。

さらに、今後も安定した配当を継続するための財務体質の強化、継続的な発展を可能にする人材育成に注力し、企業価値の更なる向上に努めてまいります。

同時に、内部統制の強化、コンプライアンスの徹底等、社会的責任への対応も継続し、建設業を通じて豊かな人間生活に貢献すべく、全社一丸となって取り組んでまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、建設業の特性である工事の着工から完成引渡しまでの期間が長く、引き渡し後も契約不適合について訴求されやすいという事情があり、以下の項目を認識しております。

なお、以下の項目には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループがリスクとして判断したものであります。

 

(1) 事業環境の変化に伴うリスク

当社グループの事業は、建設事業並びにこれらの付帯業務の概ね単一のセグメントにて構成されております。建設市場が著しく縮小した場合等、業績に影響を及ぼす可能性があり、特に分譲マンション建設事業のウエイトが高い当社グループにとって、この事業は他社も参入しやすいことから、競争の激化を招き、受注、売上、利益の減少に繋がるリスクであると判断しています。

 

可 能 性 : 中(突発的に起こり得る)

影響の内容 : 受注・売上高の減少、利益率の低下

対 応 策 : バランスの取れた事業ポートフォリオの構築・競争優位性の確保

 

 

(2) 資材価格等の変動に伴うリスク

当社グループの事業である建設事業は、各々のプロジェクト自体が長期にわたり、計画・見積段階と購入・施工段階の間には、少なからず時間差が生じます。この時間差には当然ながら労務賃金・資材価格等の市況の変動、特に高騰時に工事原価が上昇するリスクを伴います。

これらには、原油や鉄スクラップなどにみられる世界規模での価格変動に伴う資材価格の高騰、国内製造メーカーの生産能力などに起因する国内の需給ギャップによる資材価格の高騰などがあげられます。

 

可 能 性 : 中(突発的に起こり得る)

影響の内容 : 工事原価の上昇、利益率の低下

対 応 策 : 予測可能な範囲で各工事原価に内包

 

(3) 取引先の信用リスク

当社グループの事業である建設事業は、その特性上売上高の増加に伴い売掛金が増加します。各々の工事が民間事業である場合顕著に表れますが、これらは主に建設業界特有の商習慣によるものです。

各々の工事において工事代金を受領する前に事業主である取引先が信用不安等に陥った場合、その回収リスクは多大なものとなり得ます。

 

可 能 性 : 中(突発的に起こり得る)

影響の内容 : 回収遅延・貸倒損失の発生

対 応 策 : 与信管理の徹底

 

(4) 災害発生に伴うリスク

当社グループは大規模災害に備えて、危機管理マニュアルを整備しておりますが、今後天候等の原因により予期せぬ大規模災害が発生した場合、従業員や保有資産に対する損害の他、当社グループの担う社会的責任及びその使命として社会インフラの復旧等を優先することがあります。これにより施工中の一般工事の取扱が劣後となり、当該工事の遅延等を招き、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

可 能 性 : 中(突発的に起こり得る)

影響の内容 : 工事の遅延、工事原価の上昇

対 応 策 : 契約上のリスクヘッジ、BCPの充実

 

(5) 契約不適合リスク

設計、施工等において重大な契約不適合責任による損害賠償が発生した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。これは、施工管理、品質管理の充実及び社員教育の徹底により、その発生防止に万全を期すよう努めておりますが、そのリスクを完全には回避できない場合があります。

 

可 能 性 : 低

影響の内容 : 契約不適合工事の発生、損害賠償金の支払

対 応 策 : 受入検査、工程内検査、完成検査等の各種品質検査、社員教育の徹底

 

 

(6) 法的規制リスク

当社グループが事業を行う上で遵守すべき法令等は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、都市計画法、会社法、金融商品取引法、独占禁止法、環境労働関連法令等多岐にわたります。当社グループは、役職員がこれらの法令等を遵守することができるよう教育を適宜実施しておりますが、これらの法令等を一部において何らかの理由で遵守できなかった場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが主力とするマンション建設に係わる建築基準法等の法的規制の改廃もしくは新設等により、事業計画の大幅な変更、建設工事の着工の遅延又は中止等が発生した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

可 能 性 : 低

影響の内容 : 工事の遅延、工事原価の上昇

対 応 策 : 法令等の教育の徹底、外部専門家の活用

 

(7) 工事事故等発生リスク

施工中に人身や施工物等に関わる重大な事故が発生した場合、当該工事の中止・遅延が発生し、工事原価の上昇を招く場合があります。また、更に重篤な状況として、損害賠償、指名停止を含む取引停止、営業停止等の行政処分などに繋がる場合も想定され、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

可 能 性 : 中(突発的に起こり得る)

影響の内容 : 工事の遅延、工事原価の上昇、損害賠償金の支払、取引停止、行政処分

対 応 策 : 安全パトロールの厳格化、安全教育の徹底、適切な工事保険の付保

 

(8) 建設技能者・技能労働者不足

建設技術者・技能労働者の人員確保を計画的に行っていきますが、今後、長時間労働による人材流出や、建設技術者・技能労働者の需給関係が急激に逼迫し、必要人員の確保が困難になった場合、受注機会の喪失や労働力不足による工事遅延などにより業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

可 能 性 : 中(突発的に起こり得る)

影響の内容 : 工事の遅延、工事原価の上昇

対 応 策 : 当社並びに協力会社会等での技能者確保

 

(9) 工事進行基準による収益認識及び工事損失引当金について

①工事進行基準による収益認識

当社グループは一定の要件を満たす工事案件において工事進行基準を適用しております。工事進行基準は、工事の進捗率に応じて収益を計上する方法であり、具体的には見積総原価に対する発生原価の割合をもって完成工事高を計上しております。

工事案件ごとに継続的に見積総原価や予定工事期間の見直しを実施するなど、適切な原価管理に取り組んでおりますが、何らかの事由によりそれらの修正が必要になった場合は、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

可 能 性 : 中(突発的に起こり得る)

影響の内容 : 工事の遅延、工事原価の上昇

対 応 策 : 工事原価見積精度向上、契約上のリスクヘッジ

 

②工事損失引当金

(2) 資材価格等の変動に伴うリスク、(4)災害発生に伴うリスク、(7)工事事故等発生リスク等が顕在化し、工事利益率が一定基準を下回る見通しとなった場合には、損失見積額を工事損失引当金として計上することになり、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

可 能 性 : 中(突発的に起こり得る)

影響の内容 : 工事の遅延、工事原価の上昇

対 応 策 : 工事原価見積精度向上、契約上のリスクヘッジ

 

(10) 株価の変動リスク

当社グループの保有する株式等について、株価が大幅に下落した場合、業績等に一定の影響を及ぼす可能性があります。但し、当社の保有する株式等の資産は少なく、影響は限定的です。

 

可 能 性 : 中(突発的に起こり得る)

影響の内容 : 保有資産の毀損

対 応 策 : 保有資産の適正管理

 

(11) 情報漏洩リスク

当社グループは、顧客情報などの機密情報について多くのデータをコンピュータ管理しております。個人情報保護法、マイナンバー法、その他の法令にしたがって、個人情報の取扱いに関するルール(基本方針・規程)を設け、体制整備を行っております。また、個人情報以外の情報の取扱いについても、情報セキュリティに関するルール(基本方針・遵守事項等)を整備する等、情報管理を徹底し万全を期しておりますが、コンピュータシステムのトラブルによる情報流出や犯罪行為等による情報漏洩が発生する可能性があります。その場合、社会的信用を失うとともに、企業イメージの毀損、取引停止、損害賠償などにより業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

可 能 性 : 中(突発的に起こり得る)

影響の内容 : 受注の不足、損害賠償金の支払

対 応 策 : 適切な情報システムの構築、社員教育

 

(12) オペレーショナルリスク

当社グループが業務を遂行するにあたり、役職員による不正行為、不適切な行為、事務処理のミス、労務管理上の問題等の各種オペレーショナルリスクの発生が考えられます。当社グループは「危機管理マニュアル」を定め、オペレーショナルリスクも含めた事業遂行に関わる様々なリスクについて管理し、それらのリスクに対応することによって、グループの経営方針の実現を阻害するリスク要因を可能な限り低減させ、コントロールするよう努めておりますが、上記のようなオペレーショナルリスクが発生した場合、社会的信用を失うとともに、企業イメージを損ない、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

可 能 性 : 低

影響の内容 : 社会的信用力低下、企業イメージ低下、顧客減少による売上減少

対 応 策 : コーポレートガバナンス体制・運用強化

 

 

(13) 繰延税金資産について

当社グループは、会計基準に基づいて繰延税金資産を計上していますが、この資産計上は将来の課税所得に関する見積りに依拠しており、実際の結果は見積りとは異なる可能性があります。当社グループが将来の課税所得の見積りに基づいて、繰延税金資産の一部又は全部が回収できないと判断した場合や、法人税の減税等制度面における変更により、繰延税金資産の額が過大となった場合には、繰延税金資産は費用として計上され、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

可 能 性 : 中(数年にわたり起こり得る)

影響の内容 : 当期純利益の減少

対 応 策 : 安定的な収益基盤の構築

 

(14) その他事業を取り巻くリスク

当社グループにおける新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、現時点では限定的ではありますが、建設業界全体としては、中国産建材の確保難や工事中断による工程遅延のみならず、一部工事発注の見合わせなどにも波及しております。今後新型コロナウイルス感染症の収束時期等によって大きく変動する可能性があり、受注、売上、利益の減少に繋がるリスクであると判断しています。

 

可 能 性 : 高

影響の内容 : 受注の不足、工事の遅延、工事原価の上昇

対 応 策 : 代替案件の受注・購買ルートの多面的拡大

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるものの、政府による各種政策の効果もあって緩やかな回復基調で推移いたしましたが、今年に入ってからは、世界的に広がる新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、輸出、生産が更に弱含み、内外経済を下振れさせるリスクが増加しており、金融資本市場の変動の影響を注視する必要があります。

当建設業界においては、住宅建設が弱含みで推移していくと見込まれ、建設費の動向は緩やかに下落し、労働力人口及び就業者数など雇用情勢への感染症の影響が危惧される状況が続いております。

このような情勢のなか、当社グループは、中期経営計画「DAISUĒ SINKA 2020」(2017年度~2019年度)の目標達成を目指して営業活動を展開した結果、財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度比2,215百万円減41,406百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度比3,426百万円減23,774百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度比1,210百万円増17,632百万円となりました。

 

 

b.経営成績

受注高が61,017百万円(前連結会計年度比4.4%減)、売上高は65,167百万円(前連結会計年度比0.5%増)、繰越工事高は59,998百万円(前連結会計年度比5.2%減)となりました。利益面につきましては、営業利益が2,763百万円(前連結会計年度比29.1%減)、経常利益が2,770百万円(前連結会計年度比28.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,897百万円(前連結会計年度比32.6%減)となりました。

なお、当社グループは単一の報告セグメントのためセグメント情報の記載は行っておりません。

 

②キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少などにより、2,755百万円の資金の減少(前連結会計年度は5,968百万円の資金の増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出などにより、22百万円の資金の減少(前連結会計年度は463百万円の資金の増加)となりました。

また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより、939百万円の資金の減少(前連結会計年度は790百万円の資金の減少)となりました。

これらの結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度より3,717百万円減少し、9,807百万円となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、「生産の実績」は記載しておりません。

a.受注実績

(単位:百万円)

 

区分

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

建設事業

63,806

61,017

合計

63,806

61,017

(注)当社グループにおいては建設事業以外では受注生産形態をとっておりません。

 

b.売上実績

(単位:百万円)

 

区分

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

建設事業

64,012

64,315

その他

851

851

合計

64,864

65,167

(注)売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上実績及びその割合は、次のとおりであります。

前連結会計年度

  売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

当連結会計年度

  売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

建設事業における受注工事高及び施工高の状況

a.受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

(単位:百万円)

 

期別

区分

期首繰越
工事高

期中受注
工事高

期中完成
工事高

期末繰越
工事高

前事業年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

建築工事

63,404

62,241

125,646

62,680

62,966

土木工事

63,404

62,241

125,646

62,680

62,966

当事業年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

建築工事

62,966

59,813

122,779

63,075

59,704

土木工事

62,966

59,813

122,779

63,075

59,704

(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、期中受注工事高にその増減額を含みます。したがって、期中完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

2.期末繰越工事高は(期首繰越工事高+期中受注工事高-期中完成工事高)であります。

b.受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

(単位:%)

 

期別

区分

特命

競争

前事業年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

建築工事

55.0

45.0

100

土木工事

当事業年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

建築工事

81.5

18.5

100

土木工事

 

c.完成工事高

(単位:百万円)

 

期別

区分

官公庁

民間

前事業年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

建築工事

5,955

56,724

62,680

土木工事

5,955

56,724

62,680

当事業年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

建築工事

3,048

60,026

63,075

土木工事

3,048

60,026

63,075

(注)完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度

  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

当事業年度

  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

 

d.手持工事高(2020年3月31日現在)

(単位:百万円)

 

区分

官公庁

民間

建築工事

4,153

55,550

59,704

土木工事

4,153

55,550

59,704

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

<資産>

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度比2,215百万円減41,406百万円となりました。流動資産は前連結会計年度比2,132百万円減36,625百万円、固定資産は前連結会計年度比83百万円減4,780百万円となりました。

流動資産減少の主な要因は、「現金預金」が3,777百万円減少したことなどによるものです。

<負債>

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度比3,426百万円減23,774百万円となりました。流動負債は前連結会計年度比3,208百万円減21,169百万円、固定負債は前連結会計年度比217百万円減2,605百万円となりました。

流動負債減少の主な要因は、「支払手形・工事未払金等」が2,097百万円減少したことなどによるものです。

<純資産>

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度比1,210百万円増17,632百万円となりました。

増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により「利益剰余金」が1,478百万円増加したことなどによるものです。

 

b.経営成績

<受注高>

当連結会計年度の受注高は、住宅建設が弱含みで推移していくと見込まれ、建設費の動向は緩やかに下落し、労働力人口及び就業者数など雇用情勢への感染症の影響が危惧される状況が続くなか、当社グループは、中期経営計画「DAISUĒ SINKA 2020」(2017年度~2019年度)の目標達成を目指して営業活動を展開した結果前連結会計年度比2,789百万円減(4.4%減)の61,017百万円となりました。

<売上高>

売上高につきましては、期首手持工事完成高の増加により、「完成工事高」が前連結会計年度比303百万円増0.5%増)の64,315百万円、「不動産事業等売上高」が前連結会計年度比0百万円増0.0%増)の851百万円となり、全体の売上高につきましては、前連結会計年度比303百万円増0.5%増)の65,167百万円となりました。

 

<利益>

(営業利益)

完成工事原価の増加により、売上総利益につきましては、前連結会計年度比910百万円減13.9%減)の5,618百万円となりました。

売上総利益が減少したことにより、営業利益につきましては前連結会計年度比1,136百万円減29.1%減)の2,763百万円となりました。

(経常利益)

営業外収益につきましては、前連結会計年度比14百万円減16.4%減)の75百万円となりました。営業外費用につきましては、「支払手数料」が34百万円減少したことなどにより、前連結会計年度比39百万円減36.7%減)の68百万円となりました。

これらの結果、経常利益につきましては、前連結会計年度比1,111百万円減28.6%減)の2,770百万円となりました。

(税金等調整前当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比1,405百万円減33.7%減)の2,771百万円となり、「法人税、住民税及び事業税」と「法人税等調整額」を差引いた親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、前連結会計年度比917百万円減32.6%減)の1,897百万円となりました。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、現時点では限定的ではありますが、建設業界全体としては、中国産建材の確保難や工事中断による工程遅延のみならず、一部工事発注の見合わせなどにも波及しており、今後新型コロナウイルス感染症の収束時期等によって大きく変動する可能性があります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、2,755百万円の資金の減少(前連結会計年度は5,968百万円の資金の増加)となりました。

主な要因は、仕入債務3,168百万円の減少及び税金等調整前当期純利益2,771百万円を計上したことなどによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、22百万円の資金の減少(前連結会計年度は463百万円の資金の増加)となりました。

主な要因は、投資有価証券の取得による支出1,002百万円などによるものです。

また、財務活動によるキャッシュ・フローは、939百万円の資金の減少(前連結会計年度は790百万円の資金の減少)となりました。

主な要因は、配当金の支払413百万円などによるものです。

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2016年3月期

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

自己資本比率(%)

23.8

29.8

36.4

37.6

42.6

時価ベースの自己資本比率(%)

23.9

26.1

29.3

22.3

19.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

3.8

3.0

0.2

0.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

17.5

30.5

506.4

530.0

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

※2020年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、キャッシュ・フローがマイナスのため表示しておりません。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループは、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることを基本方針としております。
 運転資金需要のうち主なものは、工事完成までの外注費用等の支出金並びに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であり、必要な流動性資金は十分確保しております。

 資金調達につきましては、金融機関からの借入、社債の発行により調達しており、市場の環境や金利の動向等を総合的に勘案したうえで決定しております。

 また、資金調達手法の一つとして金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しており、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し総合的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

  当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

  なお、新型コロナウィルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

a.収益の認識基準

 当社グループの完成工事高の計上は成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。工事進行基準対象工事につきましては将来の発生原価を合理的に見積っておりますが、市況の変動や気象条件等の外的要因によりその見積り額が変動した場合は工事損益に影響を及ぼす可能性があります。

 

b.工事損失引当金の計上基準

 手持工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事について、将来の損失に備えるため、その損失見込み額を計上しております。損失見込み額の算定に際しては現在入手可能な情報に基づいた施工条件によって工事原価総額を適時かつ適切に見積っておりますが、将来の損益は見積り金額と異なる場合があります。

 

c.繰延税金資産の回収可能性の評価

 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依拠しており、繰延税金資産の一部又は全部が回収できないと判断した場合や、法人税の減税等制度面における変更により、繰延税金資産の額が過大となった場合には、繰延税金資産は費用として計上される可能性があります。

4【経営上の重要な契約等】

(1)株式会社三菱UFJ銀行とのコミットメントライン契約

当社は、資金調達の機動性を確保するため、株式会社三菱UFJ銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。2020年3月28日付で極度額7,000百万円にて更新しております。

 

(2)ミサワホーム株式会社との資本業務提携契約

当社は、当社の建築においての蓄積されたノウハウと、ミサワホーム株式会社の「住まい」においての深い知見を人材交流等を通し共有することで、互いの強みを活かした事業戦略を推進し、両社の更なる成長を目指していくため、2018年5月8日付で、ミサワホーム株式会社との間で資本業務提携契約を締結しております。

 

5【研究開発活動】

当社は、多様な社会ニーズや今後の労働者不足に技術面から対応すべく、同業他社との共同研究を含め、施工品質確保・生産性の向上・ICTの推進に取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費は82百万円でありました。また、当社の研究開発体制及び当連結会計年度の主な研究開発の成果は次のとおりであります。

なお、子会社においては、研究開発活動は行っておりません。

 

(1) 当社独自の研究開発

①ICT技術の活用と推進

作業所業務の効率化、生産性の向上、施工品質の向上、経費削減を目的に独自開発した、配筋検査・日常管理システムは導入から2年が経過し、今では90%以上の作業所で運用しています。配筋検査システムについては特許を取得しております。

この配筋検査システムでは、これまで配筋写真に掛かっていた業務が1/3程度短縮できており、日常管理システムも含め大きな効果が得られております。また、直近では上記に加え、杭検査システム、工事写真システムを開発し運用しています。今後も仕上げ検査システムなど、更に他の工種での運用に向けて新たなシステム開発に努めると共に、既存システムの改良を進めていきます。

②鼻先PCa工法の採用

従来から当社保有技術として採用している鼻先PCa工法について、品質確保を目的に採用の拡大・定着をすべく作業所への供給システムの確立に取り組んでおります。また、鼻先PCaの技術を応用して、他の部位へのPCa採用により作業所の品質確保・工期短縮になる取り組みを進めております。

 

(2) 同業他社との共同開発

①柱RC梁Sハイブリッド構法の推進

大規模案件に対応可能な工業化・合理化構法の確立や物流倉庫、工場等の長スパン建物に要求される躯体のローコスト技術として検討を続けており、今後の広い運用に向けて取り組みを行っております。

②杭頭半固定工法

杭頭半固定工法の採用に向け、同業他社との連携による施工部会に参加し、更なる工法の改良と設計データの収集・分析を続けております。当連結会計年度は、施工手順、施工要領の作成及び各ツールの見直しを行っております。また、設計段階から検討・採用することにより、合理的で有益な構造計画が可能となります。

③サスティナブル社会の実現に向けたシステム開発

サスティナブル建築(※)の推進を効果的に実施できるように、建築物のライフサイクル(企画・設計から解体に至るまで)を通して発生するコスト、CO排出量、エネルギー消費量などの検討を行うことができるソフトを開発し、運用を開始しております。概算・略算・詳細と3段階での検討を行うことができ、要望に合わせた提案書の作成を行っております。

※サスティナブル建築

設計・施工・運用の各段階を通じて、地域レベルでの生態系の収容力を維持しうる範囲内で、⑴建築のライフサイクルを通じての省エネルギー・省資源・リサイクル・有害物質排出抑制を図り、⑵その他地域の気候、伝統、文化及び周辺環境と調和しつつ、⑶将来にわたって人間の生活の質を適度に維持あるいは向上させていくことができる建築物を構築することを指します。

④タイル剥落防止工法に関する共同開発

建物の外壁仕上げに使用されているタイルの剥落は人的・物的災害につながる恐れがあります。本工法は基布に繊維を植え込んだシートを型枠に貼り付けることにより、下地コンクリート表面に繊維が植え込まれ、その繊維がタイルの張り付けモルタルに入り込むことによって、コンクリートと張り付けモルタルが機械的に結合される剥落防止技術であります。共研フォーラムでの共同研究として取り組み、性能証明を取得しております。今後は作業所での採用に向けて取り組んでいきます。

 

(3)外部技術や既存工法の活用等による技術力の向上

①基礎工事省力化の推進

従来より採用している、コンクリート基礎・地中梁が不要となる、上部構造と杭を直接接合

するECS-TP工法の採用を定着することにより、物件を短工期で安定的に提供できるように取り組んでいます。

②躯体工事の生産性向上・品質安定の取り組み

従来より採用している、柱RC梁Sハイブリッド構法の採用拡大に向けて、更に品質向上・工期短縮効果が発揮できるように取り組んでいます。また、安定した品質確保及び工期短縮効果が期待できる、鉄筋ジャバラユニット工法の採用に向けて取り組んでいます。

③低炭素社会実現への取り組み

型枠工事においてCO削減効果が期待できる、鋼製パネルを埋め戻しの基礎部分に積極的に採用できるように取り組んでおります。

i-Constructionによる作業所業務効率化と品質向上への取り組み

ICTの推進として、作業所にタブレットを活用した配筋検査システムの導入を拡大して採用しております。これにより躯体工事の現場員の業務効率化と品質の向上に効果を発揮しております。また、BIМ推進プロジェクトを立ち上げ、BIМ活用の検証・強化に努めており、今後の作業所の生産性向上・品質向上につなげていきます。