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(1)会社の経営の基本方針 当社グループは、「技術力を培う 豊かさを求める 社会に貢献する」という企業理念のもと、株主をはじめとするすべてのステークホルダーから信頼される誠実で透明性の高い経営の実現を目指しております。
(2)経営環境及び対処すべき課題 当社グループは、コア事業である通信キャリア事業においては、徹底した効率化による収益力強化をより一層加速させるとともに、営業強化や新たなソリューションビジネスの確立などにより都市インフラ事業とシステムソリューション事業の拡大を推進し、事業ポートフォリオの再構築に引き続き取り組んでまいります。 翌連結会計年度におけるセグメント別の見通しは、次のとおりであります。 ① エンジニアリングソリューション 都市インフラ事業につきましては、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた首都圏における再開発事業や自治体等の各種投資も引き続き積極的に展開されると想定される中、大型電気設備工事、700MHz周波数帯TV受信対策工事、防災行政無線整備工事及び無電柱化工事などの需要拡大が見込まれ、強みが活かせる専門分野の受注強化を図ってまいります。 ② システムソリューション システムソリューション事業につきましては、IoTの拡大に伴いICT投資も益々活発になることが想定される中、高度ICT技術者の育成を図るとともに、BPMソリューションなどのSIビジネス及び「新エネルギー」「ジオソリューション」「クラウド・セキュリティ」「グローバル」の各ソリューション分野でより積極的な営業活動を推進し、付加価値の高いサービスを提供してまいります。
(3)目標とする経営指標 当社グループは、グループ企業価値を向上させ株主価値を高めるため、受注の拡大と収益性向上による利益の拡大が重要であると考えております。このような考えのもと中期経営計画の最終年度(2021年3月期)に連結売上高 4,000億円、営業利益 300億円、ROE 10%、EPS 200円以上の達成を目指してまいります。 ※ 上記数値につきましては、2018年10月1日付で予定しているシーキューブ株式会社、西部電気工業株式会社及び日本電通株式会社との経営統合の影響を加味しておりません。
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(1)特定取引先に対する依存度が高いことについて
当社グループは情報通信ネットワークの構築・施工を主な事業としていることから、通信事業者各社との取引比率が高く、この傾向は今後とも継続することが見込まれます。
したがって、情報通信業界の市況動向や技術革新等により通信事業者各社の設備投資行動及び設備投資構造が変化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)重要な情報の管理について
当社グループは事業運営上、顧客等が保有する技術データ・顧客データ等の重要な情報を取り扱っております。このため、情報セキュリティマネジメントシステムを構築・運用するとともに、情報セキュリティ最高責任者の配置や情報セキュリティ委員会の設置をする等情報管理に対する重要性を十分認識した体制作りに取り組み、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証及びプライバシーマークを取得しております。
このように情報管理を徹底してはおりますが、不測の事態により当社グループからこれら重要な情報が流出した場合、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)重大な人身・設備事故等の発生について
当社グループは、建設工事現場における人身・設備事故を未然に防ぐため、「安全・品質の確保」に対する取り組みには万全を期し、管理を強化することで、事故の発生防止に日々努めております。
しかしながら、当社グループにおいて不測の事態により重大な人身・設備事故を発生させた場合、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生や受注機会の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)取引先企業の経営破綻による貸倒債権の発生について
当社グループは、取引先企業に対する与信管理と債権管理・回収体制を確立させ、工事代金等の速やかな回収により、貸倒債権発生のリスク回避と最小化に努めております。
しかしながら、今後事業活動を拡大していく上で、不測の事態により取引先企業の経営破綻による貸倒債権が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)自然災害等の発生について
当社グループは、自然災害や新型ウイルスパンデミック等の発生に備え、人的被害の回避を最優先としつつ事業継続を図るため、各種設備の導入、訓練の実施及び規程・マニュアルの整備等により、リスク回避と被害最小化に努めております。
しかしながら、大規模災害等の発生及びそれに伴うライフラインの停止や燃料・資材・人員の不足による工事の中断・遅延、事業所の建物・資機材への損害等の不測の事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)資材価格・労務単価の変動について
当社グループは、市場価格の動向を注視し、コスト削減に向け管理を強化しておりますが、資材価格や労務単価等が請負契約締結後著しく上昇し、これを請負金額に反映できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)保有資産の価格変動について
当社グループは、事業運営上の必要性から、不動産、有価証券等の資産や年金資産を保有しておりますが、著しい時価の変動等があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)法的規制について
当社グループは、建設業法、独占禁止法、労働基準法、労働安全衛生法、製造物責任法等様々な法的規制の適用を受けており、法的規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合、または法的規制による行政処分等を受けた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)新規事業の開拓について
当社グループでは、さらなる事業領域の拡大を目指し、新規事業開拓を積極的に進めておりますが、新規事業においては不確定要因が多く、予定外のコスト増大が否定できないことから、当初想定していた事業収益を獲得出来なかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2017年4月1日~2018年3月31日)におけるわが国経済は、政府や日銀による経済・金融政策を背景に企業収益や雇用・所得環境の改善が続いており、米国政権の経済政策運営や地政学リスク等に基づく金融・資本市場の変動による景気の下振れリスクを内包しながらも、緩やかな回復基調で推移しました。
このような環境下において、当社グループは中期経営計画(2016~2020年度)の中期ビジョン「グループ総力を結集し、トータルソリューションで新たな成長ステージへ」のもと、コア事業である通信キャリア事業においては、徹底した効率化による収益力強化を図るとともに、グループ一体で既存の技術とサービスを融合させ成長エンジンである都市インフラ事業とシステムソリューション事業の拡大に努めるなど事業ポートフォリオの再構築を推進してまいりました。
また、生産性向上や働き方改革への取り組みの一環として、業務プロセスのモジュール化・デジタル化による社内システムの共通基盤化やICTを活用したテレワークの導入などに取り組んでまいりました。今後さらに、RPA(Robotic Process Automation)を活用した業務の効率化や新しいワークスタイルの導入なども推進してまいります。
なお、2017年10月にアラブ首長国連邦・アブダビで開催された「第44回技能五輪国際大会」の情報ネットワーク施工職種において当社の清水義晃選手が金メダルを獲得しました。今後も優秀な技術者の育成を図り、高い施工技術で社会に貢献してまいります。
当連結会計年度の経営成績につきましては、受注高は 3,250億2千9百万円(前期比 100.3%)、完成工事高は3,126億6千9百万円(前期比 104.6%)となりました。損益面につきましては、営業利益は 256億2千1百万円(前期比 122.7%)、経常利益は 264億4千8百万円(前期比 123.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は 179億9千3百万円(前期比 130.5%)となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別の概況は、次のとおりであります。
① エンジニアリングソリューション
通信キャリア事業につきましては、通信キャリアの設備投資がやや抑制傾向にある中、固定通信関連では光開通工事の伸びに鈍化傾向が出てきたものの、設備運営業務などの拡大に努めたほか、モバイル関連ではスマートフォンやタブレット等スマートデバイスの利活用拡大によるモバイルトラフィックの増加に伴い、主要都市部を中心に4Gにおける新周波数帯の無線基地局の増強・整備等を進めました。
都市インフラ事業につきましては、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を控えインフラ整備が始まる中、競技会場周辺道路整備に伴う電気等設備工事を受注したほか、国や自治体等の各種投資や首都圏における再開発事業が積極的に展開される中、太陽光発電施設建設工事や大規模ビルの電気設備工事及び高速道路通信設備工事などの大型案件に取り組みました。
これらの取り組みの結果、受注高は 2,822億7千7百万円(前期比 99.4%)、完成工事高は 2,701億2千7百万円(前期比 104.3%)、セグメント利益は 292億2千1百万円(前期比 113.9%)となりました。
② システムソリューション
システムソリューション事業につきましては、本格的なIoT時代の到来に伴う情報ネットワークのセキュリティ強化やクラウドサービスの拡大など、ICT投資も益々活況となる中、BPM(Business Process Management)ソリューションなどの新しいビジネスの拡大に取り組みました。
また、「新エネルギー」「ジオソリューション」「クラウド・セキュリティ」「グローバル」の各ソリューション分野で積極的な営業活動を推進する中で、「EXBeacon(エックスビーコン)」を活用した屋内測位・センサーネットワークにおける先進事例を「CEATEC JAPAN 2017」などへ出展したほか、日本マイクロソフト株式会社から企業向けのコミュニケーションプラットフォーム「Skype for Business」の導入パートナーに認定されました。
その他、テプコカスタマーサービス株式会社との協業によりサービス提供している「Energy Viewer(エナジービューア)」が、経済産業省が後援する平成29年度省エネ大賞「製品・ビジネスモデル部門 省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。これは、IoTの活用により空調の消費電力量を削減するサービスであり、クラウド型エネルギー制御プラットフォームの技術が高く評価されました。
これらの取り組みの結果、受注高は 427億5千1百万円(前期比 106.2%)、完成工事高は 425億4千1百万円(前期比 106.9%)、セグメント損失は 6千6百万円(前期はセグメント損失 4億7千2百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ 151億1百
万円増加し、303億4千3百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は 248億円(前期は 155億4百万円の獲得)となりました。これは主に売上債権の減少及び税金等調整前当期純利益によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は 45億3千8百万円(前期は 60億2千7百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は 51億3千7百万円(前期は 102億3千万円の使用)となりました。これは主に配当金の支払いによるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前期比 (%) |
次期繰越工事高 (百万円) |
前期比 (%) |
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エンジニアリングソリューション |
282,277 |
99.4 |
148,871 |
108.9 |
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システムソリューション |
42,751 |
106.2 |
7,060 |
102.8 |
|
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合計 |
325,029 |
100.3 |
155,932 |
108.6 |
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(2)売上実績
当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
売上高(百万円) |
前期比(%) |
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エンジニアリングソリューション |
270,127 |
104.3 |
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システムソリューション |
42,541 |
106.9 |
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合計 |
312,669 |
104.6 |
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(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。
3.主な相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
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売上高 (百万円) |
割合(%) |
売上高 (百万円) |
割合(%) |
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東日本電信電話株式会社 |
80,150 |
26.8 |
77,321 |
24.7 |
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株式会社NTTドコモ |
56,112 |
18.8 |
58,328 |
18.7 |
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められた会計基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行なっております。
会計方針の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しております。
(2)財政状態
① 資産、負債及び純資産
資産は、前連結会計年度末と比較して 201億9千3百万円増加し、2,636億3千2百万円(前期比 108.3%)となりました。これは主に現金預金及び有価証券の増加によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して 23億7千2百万円増加し、875億3千1百万円(前期比 102.8%)となりました。これは主に支払手形・工事未払金の減少があったものの、繰延税金負債の増加によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して 178億2千万円増加し、1,761億1百万円(前期比 111.3%)となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。
② キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(3)経営成績
① 完成工事高
前年度からの豊富な繰越工事の完成及び順調な受注の影響等により、完成工事高は、前連結会計年度と比べ138億4千3百万円増加し、3,126億6千9百万円(前期比 104.6%)となりました。
② 営業利益
完成工事高の増加に伴う利益増や効率化施策の効果等により、営業利益は、前連結会計年度と比べ 47億4千8百万円増加し、256億2千1百万円(前期比 122.7%)となりました。
③ 経常利益
営業利益の増加により、経常利益は、前連結会計年度と比べ 50億3千8百万円増加し、264億4千8百万円(前期比 123.5%)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益の増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ 42億4百万円増加し、179億9千3百万円(前期比 130.5%)となりました。また、自己資本利益率(ROE)は 1.9ポイント増加し、10.8%となり、1株当たり当期純利益(EPS)は 44.18円増加し、189.42円となりました。
また、セグメント別における分析につきましては、「経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える可能性がある事象につきましては、「2 事業等のリスク」に記載しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、経常的な運転資金のほか、生産性向上を目的とした不動産等への設備投資資金、事業拡大を目的としたM&A資金及び株主還元を目的とした自社株の取得資金等であります。
当社グループの資金は子会社のものを含め当社において一元管理しており、運転資金については内部資金により充当し、一時的な不足が生じた場合は、金融機関からの短期借入により調達しております。また、設備投資等で長期的な資金需要が生じ、内部資金で不足する場合は、普通社債発行を主に検討し、対応しております。
(6)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
当社は、2018年5月9日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社とし、シーキューブ株式会社、西部電気工業株式会社及び日本電通株式会社を株式交換完全子会社とする各株式交換を行うことを決議し、各社との間で株式交換契約を締結いたしました。
契約の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 重要な後発事象」を参照してください。
当社グループは、品質・安全性・生産性の向上や成長事業の拡大などに関する技術開発・支援に取り組んでおり、当連結会計年度におけるセグメント別研究開発費は、エンジニアリングソリューション 8百万円、システムソリューション 6千6百万円、各セグメントに配分できない基礎研究費用 5千7百万円となり、総額は1億3千2百万円であります。