第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「技術力を培う 豊かさを求める 社会に貢献する」という企業理念のもと、株主をはじめとするすべてのステークホルダーから信頼される誠実で透明性の高い経営の実現を目指しております。
 このような基本方針のもと企業行動規範を制定し、コンプライアンス・プログラムを実施するとともに、内部監査制度の充実、IR活動の強化や適切な社内組織の見直し等により業務の有効性・効率性を確保してまいります。
 また、情報通信ネットワークの構築をはじめとした多彩なエンジニアリング及びソリューションを提供することにより、豊かな生活環境を創り出す企業集団として社会に貢献してまいりたいと考えております。

 

(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の当社を取り巻く経営環境につきましては、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響により、国内景気は未だ先行き不透明ですが、高速・大容量の通信インフラの重要性は益々高まるものと考えられ、各通信キャリアから5Gエリア拡大のための無線基地局の設置やモバイルバックホールの構築が進むものと想定されるほか、テレワークの増加やSNSの更なる利用拡大に伴う通信量の増大に対応するため、情報通信分野における設備投資は堅調に推移し、働き方や生活スタイルの多様化に関連するソリューションも益々拡大していくものと思われます。また、建設分野におきましても、社会インフラ整備等の公共投資は堅調に推移するものと想定されます。

このような経営環境のなか、当社グループは2030ビジョンおよび新たな中期経営計画(2021~2025年度)を発表いたしました。

通信キャリア事業におきましては、5G展開へ積極的に取り組むとともに収益力強化に努め、成長事業に位置付ける都市インフラ事業におきましては、環境・エネルギー分野への参入等、新領域の開拓や建設DXの推進に取り組み、システムソリューション事業におきましても、高付加価値事業へ挑戦し、リカーリングビジネス拡充に努めます。グローバル分野におきましては、事業領域の拡大と合わせ人材育成にも注力し成長基盤の更なる確立に取り組みます。

また、業務のデジタル化を通じた経営基盤の強化や、新たなソリューションの創出による価値の構築を指向し、各事業の収益力強化とともに機動的な資本政策を実行していくことで資本効率の向上にも努めてまいります。

さらに、グループ内におけるリソースの相互活用など柔軟かつ機動的なグループ運営を実現し、各社の強みを活かしたシナジーの発揮に努めてまいります。

なお、当社グループは新型コロナウイルスの流行に対して、国内外を問わず従業員やその家族および関係者の生命の安全を第一に考え、ステークホルダーと協同して臨機応変かつ柔軟な事業運営を行うとともに、地域との共生を目指し、さまざまな社会貢献活動を展開するなど、ESGの取り組みを一層強化し、SDGsの実現に貢献してまいります。

 

(3)目標とする経営指標

①2030ビジョン

“Engineering for Fusion”~社会を繋ぐエンジニアリングをすべての未来へ~

これからの社会では、人、モノ、情報、インフラすべてがセンサーやネットワークを介して繋がり、それを実現するためのエンジニアリングは多様な技術の融合が求められています。

当社グループでは新技術への対応やオープンイノベーションにより深化させたエンジニアリング力の融合を通じて、情報通信基盤に留まらず、あらゆる社会インフラにソリューションを展開し、日本はもとよりグローバルレベルで未来の社会課題の解決に貢献することを目指します。

 

②中期経営計画(2021~2025年度)

2030ビジョンの実現に向けた当面5年間の戦略および業績目標を掲げた中期経営計画は、2025年度業績目標として連結売上高 6,300億円、営業利益 470億円(営業利益率 7.5%)、ROE 9.0%以上、EPS 280円以上の達成を目指してまいります。

なお、上記業績予想において、これまでのところ新型コロナウイルスの流行による影響は限定的と想定しておりますが、今後、感染再拡大および事態の長期化など、諸情勢の変化等により、業績予想を見直す必要が生じる可能性があります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当社グループのリスク管理体制については、リスク管理に関わる基本事項を定めた「リスク管理規程」を制定し、リスクカテゴリーとそれに対応するリスク管理部門を設定するとともに、全社的リスクマネージャーとして事業リスク管理委員会を設置し、当社グループ全体レベルでのリスクの識別及び評価を行う体制を構築・運用しております。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グル-プが判断したものであります。

 

(1)特定取引先に対する依存度が高いことについて

 

当該リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容

当社グループは情報通信ネットワークの構築・施工を主な事業としていることから、通信キャリア各社との取引比率が高く、この傾向は今後とも継続することが見込まれます。

したがって、情報通信業界の市況動向や技術革新等により通信キャリア各社の設備投資行動及び設備投資構造が変化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

当該リスクへの対応策等

各通信キャリアから5Gエリア拡大のための無線基地局の設置やモバイルバックホールの構築が進むほか、テレワークの増加やSNSの更なる利用拡大に伴う通信量の増大に対応するため、情報通信分野における設備投資は堅調に推移するものと想定されます。

また、総務省が2030年代の社会に求められる技術や政策の方向性などを取りまとめた「Beyond 5G推進戦略 ‐6Gへのロードマップ‐」を昨年6月に公表し、この戦略に沿った施策展開も進められており、今後も益々通信インフラの高度化・技術革新が進展していくものと想定されます。

通信キャリア事業におきましては、5G展開へ積極的に取り組み収益力強化に努めていくとともに、今般策定しました「2030ビジョン」の通り、「景気や社会情勢に左右されない強固な経営基盤を構築するため、都市インフラおよびシステムソリューション事業を更に拡大し、2030年度の各セグメントの売上高を同等程度にまで成長させる」ことを目指して事業構造を転換してまいります。

 

(2)重要な情報の管理について

 

当該リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容

当社グループは事業運営上、顧客等が保有する技術データ・顧客データ等の重要な情報を取り扱っておりますが、不測の事態により当社グループからこれら重要な情報が流出した場合、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

当該リスクへの対応策等

情報セキュリティマネジメントシステムを構築・運用するとともに、情報セキュリティ最高責任者の配置や情報セキュリティ委員会の設置をする等、情報管理に対する重要性を十分認識した体制作りに取り組むとともに、情報セキュリティマネジメントシステムの認証及びプライバシーマークを取得して継続的な改善を図っております。

また、近年より多様化・巧妙化するサイバーセキュリティ脅威に対して、適切かつ迅速な対応を実現すべく EXEO-SIRT(EXEO Security Incident Response Team)を2019年7月に設立するとともに、日本シーサート協議会に2019年12月に加盟し、サイバーセキュリティ脅威へのさらなる対応体制強化に努めております。

 

(3)重大な人身・設備事故等の発生について

 

当該リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容

当社グループにおいて不測の事態により重大な人身・設備事故を発生させた場合、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生や受注機会の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

当該リスクへの対応策等

当社グループは、建設工事現場における人身・設備事故を未然に防ぐため、「安全・品質の確保」に対する取り組みには万全を期し、管理を強化することで、事故の発生防止に日々努めております。

2016年から「安全品質文化の原点回帰」をスローガンに、「安全・品質」の重要性を一人ひとりが理解し基本動作を実践できる体制づくりに取り組んできましたが、2021年度からは「安全・品質文化の進化(深化・進展)」を5ヵ年のスローガンとして掲げ、事故撲滅はもちろんのこと、品質向上と付加価値創出の取り組みを強化し、「安全安心で頼られる会社・グループ」を目指してまいります。

安全に関しては、ヒヤリ・ハットの情報収集によって同じヒューマン・エラーが起きないよう相互に注意喚起を行ったり、日々の安全施工サイクルの履行確認を確実・効率的に行えるようシステム改善に取り組んでおります。

今後は、NWカメラによる遠隔現場点検・バイタル管理等、ICTを活用して現場の安全管理も推進してまいります。

また、労働安全衛生マネジメントシステム、品質マネジメントシステムの認証を取得して「安全・品質」の継続的な改善を図っております。

 

(4)自然災害等の発生について

 

当該リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容

大規模災害等の発生及びそれに伴うライフラインの停止や燃料・資材・人員の不足による工事の中断・遅延、事業所の建物・資機材への損害等の不測の事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

当該リスクへの対応策等

当社グループは、自然災害や新型ウイルスのパンデミック等の発生に備え、人的被害の回避を最優先としつつ事業継続を図るため、各種設備の導入、訓練の実施及び規程・マニュアルの整備等により、リスク回避と被害最小化に努めております。

また、近年の台風の大型化、集中豪雨、地震の多発などによる自然災害、新型ウイルスなどの新たな脅威の高まりに伴い、お客様視点に立った安定的で円滑な事業運営に向け、当社グループ提供サービスへの対応をはじめとした各種設備の保守、サイバーテロやパンデミックなどによるレピュテーションリスクへの対応をグループ総体で強化しております。

 

(5)海外事業の展開について

 

当該リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容

当社グループでは、東南アジアを中心とした諸外国で事業を展開しており、政治・経済情勢の急激な変化、為替レートの大きな変動、法的規制の予期せぬ変更、地震・台風など自然災害、感染病・疫病の流行をはじめとした様々なリスクが存在します。

事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、事業展開が困難になった場合には、中期的なグロ-バル分野での事業領域の拡大に支障が出るなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

当該リスクへの対応策等

現在、アジア地域ではフィリピン、タイ王国、シンガポールに拠点を有していますが、これら海外子会社のオペレーションマネジメントならびに戦略的マネジメントを円滑に遂行する目的で、2018年11月、アジア地域における事業運営統括会社「EXEO GLOBAL」をシンガポールに設立し、現地の情報収集、分析等を通じた管理・モニタリングを行うとともに当社と海外子会社をつなぐ機能を果たしております。

また、個々の事業投資等にあたっては、想定されるリスクの洗い出し、対応策の検討を行うとともに、知見・経験が十分でない事項については、外部専門家によるレビュ-を行っております。

 

(6)M&A、事業提携について

 

当該リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容

当社グループは、今後の業容拡大等においてM&A及び事業提携戦略は重要かつ有効であると認識しております。

しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した投資効果を得られない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、M&A等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。

なお、のれんが発生する場合はその償却額を超過する収益力が安定的に確保できることを前提としておりますが、買収後の事業環境や競合状況の変化等により買収当初の事業計画遂行に支障が生じ、計画どおりに進まない場合は当該のれんに係る減損損失等の損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

当該リスクへの対応策等

当社グループは、2030ビジョン及び中期経営計画(2021~2025年度)において、M&Aなどの戦略投資にも積極的に取り組む方針としていることから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。

M&A及び事業提携を行う場合においては、今後の市場動向の見通しや当社グループとのシナジ-を検討するとともに、対象企業の財務内容及び法務等について詳細なデューデリジェンスを行うことによって、極力リスクを回避するように努めております。

更に、M&A等実施後においては、M&A等の検討段階での事業計画の進捗状況やシナジ-効果の獲得度合い等、モニタリングの取り組みを強化してまいります

(7)法的規制について

 

当該リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容

当社グループの事業は、建設業法・下請法・独占禁止法・労働安全衛生法・環境関連の法令等、さまざまな法的規制を受けており、法的規制の改廃や新設、適用基準の変更等があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、万一これらの法令等に違反する事態が発生した場合には、当社グループの業績や信用に影響を及ぼす可能性があります

 

当該リスクへの対応策等

近年では特に環境及び働き方改革関連で新たな法規制の制定や法令の改正が増加しており、社内関係部署による法改正等の動向を注視するとともに、事前に法改正に向けた適切な対応方法等を当社グループへ展開することにより、統一的かつ速やかに法令を遵守する体制を構築しております。

また、自主点検活動である「法令等遵守状況点検」を毎年実施するとともに、内部監査において遵守状況の確認や是正措置を実施しております

 

(8)環境問題について

 

当該リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容

気候変動をはじめとする環境問題は、全世界で解決すべき社会的課題として認識されており、企業の取り組み姿勢に対するステークホルダーからの評価、脱炭素社会への移行に向けたエネルギー・電源構成の変更などの温暖化対策、法令等の規制も強まっております。

環境問題への取り組み姿勢に対するステークホルダーからの期待、法令等の規制強化などに十分に応えられない場合には、中長期的に当社グループの業績や信用に影響を及ぼす可能性があります

 

当該リスクへの対応策等

当社グループは、事業活動においても環境との調和を念頭に置き、環境マネジメントシステムの認証を取得して、継続的に環境負荷の低減に努めております。

具体的には、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)導入による再生可能エネルギー利用の促進、EVなどの低公害車への転換によるCO₂排出量の抑制、グリーン購入などの省エネルギー活動を行っております。

また、バイオマス事業の展開、太陽光発電などの再生可能エネルギー工事などを通じて社会的課題の解決に向けて貢献するとともに、環境問題を持続的成長に向けたビジネス機会と捉えて、再生可能エネルギー事業を展開してまいります

 

(9)新型コロナウイルス感染症等について

 

当該リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容

2020年1月下旬から顕在化した新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、特に東南アジア諸国の都市封鎖により、当社グループのグローバル事業は事業活動の停滞を余儀なくされましたが、当社グループ全体の業績に及ぼす影響は限定的となっております。

しかし、直近では、変異株の発現などにより世界的に感染が再拡大しており、ワクチンの普及による効果が期待されているものの、終息時期の見通しは不透明であり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症蔓延によるテレワーク関連のデバイス需要増、米政府による対中制裁、米国での寒波、日本での工場火災等の多重的要因で半導体不足も発生しており、その解消が長引いた場合は、通信基地局の部材調達リードタイム長期化に伴う工期延伸等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります

 

当該リスクへの対応策等

2020年2月に新型コロナウイルス対策本部を立ち上げ、オフィスの殺菌・消毒の徹底、自主PCR検査キットの配備、従業員への行動ルールの周知徹底、時差出勤や在宅勤務の実施、集合会議やイベントの開催・参加の制限、国内外出張の制限等、感染防止対策を機動的に施しております。

引き続き、国内外を問わず従業員やその家族および関係者の生命の安全を第一に考え、ステークホルダーと協同して臨機応変かつ柔軟な事業運営に努めてまいります。

また、半導体不足につきましては、需給状況を注視するとともに、お客様と納期・工期面で対応を協議してまいります。

更に、部材調達リードタイム長期化を踏まえ、他工事への柔軟な稼働シフト等により、影響の極小化に努めてまいります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 ① 経営成績の状況

ア. 完成工事高

 エンジニアリングソリューション事業、システムソリューション事業ともに大型案件の進捗が順調で完成工事高は、前連結会計年度と比べ 487億6千5百万円増加し、5,733億3千9百万円(前年同期比 109.3%)となりました。

イ. 営業利益

 完成工事高が増加したことにより、営業利益は、前連結会計年度と比べ 55億2千3百万円増加し、366億円2千3百万円(前年同期比 117.8%)となりました。

ウ. 経常利益

 営業利益の増加により、経常利益は、前連結会計年度と比べ 75億1千6百万円増加し、381億8千6百万円(前年同期比 124.5%)となりました。

エ. 親会社株主に帰属する当期純利益

 経常利益の増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ 85億8千9百万円増加し、241億9千2百万円(前年同期比 155.0%)となりました。また、自己資本利益率(ROE)は 2.9ポイント増加し、8.8%となり、1株当たり当期純利益(EPS)は 77.58円増加し、217.33円となりました。

 

 なお、当連結会計年度における新型コロナウイルスの流行による影響は、限定的でした。

 また、当連結会計年度におけるセグメント別の概況は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

報告セグメント

協和エクシオ

グループ

(注)2

シーキューブ

グループ

西部電気工業

グループ

日本電通

グループ

金額

前年

同期比

金額

前年

同期比

金額

前年

同期比

金額

前年

同期比

受注高

(注)1

422,692

110.5%

94,792

127.0%

64,386

107.7%

49,217

124.9%

完成工事高

(注)1

376,916

105.5%

87,433

120.6%

59,129

104.5%

49,860

130.6%

セグメント利益

25,206

108.3%

5,630

121.2%

3,174

151.1%

2,830

212.1%

(注)1.「受注高」「完成工事高」については外部顧客への取引高を記載しております。

2.報告セグメントにおける協和エクシオグループには、シーキューブグループ、西部電気工業グループ、日本電通グループは含んでおりません。

 

 ② 財政状態の状況

資産は、前連結会計年度末と比較して 466億6千9百万円増加し、 4,915億7千4百万円(前年同期比 110.5%)となりました。これは主に受取手形・完成工事未収入金の増加によるものであります。

負債は、前連結会計年度末と比較して 278億9千4百万円増加し、2,026億8千9百万円(前年同期比 116.0%)となりました。これは主に支払手形・工事未払金及び短期借入金の増加によるものであります。

純資産は、前連結会計年度末と比較して 187億7千5百万円増加し、2,888億8千4百万円(前年同期比 107.0%)となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。

 ③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ 47億6千6百万円減少し、412億4千6百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

ア. 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果獲得した資金は 63億1百万円(前期は 172億9千9百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益及び法人税等の支払によるものであります。

イ. 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は 92億4千9百万円(前期は 170億8千5百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。

ウ. 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は 17億5千万円(前期は 42億2千7百万円の獲得)となりました。これは主に配当金の支払によるものであります。

 

 ④ 生産、受注及び販売の実績

 ア. 受注実績

 当連結会計年度のセグメントごとの受注実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 なお、当連結会計年度の受注実績を事業区分ごとに示すと次のとおりであります。

事業区分の名称

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

次期繰越工事高

(百万円)

前年同期比

(%)

エンジニアリングソリューション

461,563

106.9

254,460

121.5

システムソリューション

169,525

136.2

34,801

161.4

合計

631,088

113.4

289,262

125.3

 

 イ. 売上実績

 当連結会計年度のセグメントごとの売上実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 なお、当連結会計年度の売上実績を事業区分ごとに示すと次のとおりであります。

事業区分の名称

売上高(百万円)

前期比(%)

エンジニアリングソリューション

417,646

103.4

システムソリューション

155,693

129.0

合計

573,339

109.3

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。

3.主な相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

売上高

(百万円)

割合(%)

売上高

(百万円)

割合(%)

西日本電信電話株式会社

79,612

15.2

86,068

15.0

東日本電信電話株式会社

81,731

15.6

81,411

14.2

株式会社NTTドコモ

59,037

11.3

50,197

8.8

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 ① 当連結会計年度の財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により当初景気が急速に悪化しましたが、段階的な経済活動の再開や政府・自治体の各種政策の効果により、夏以降緩やかながら持ち直しの動きが見られました。しかしながら、秋口から感染者数が再び増加に転じ、緊急事態宣言が再発令されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。

そのような社会情勢にあるものの、当社の事業領域である情報通信分野におきましては、モバイル事業において新たな通信キャリアが本格参入するとともに、各社の5G基地局整備計画が加速したほか、テレワーク等のニューノーマルな働き方の模索や企業のデジタルトランスフォーメーションの推進により、新たなIT投資が加速しております。また、建設分野におきましては、新型コロナウイルスの影響もあり民間設備投資は減少傾向にある一方、公共事業を中心とした政府建設投資は、国土強靭化やインフラの老朽化対策のため堅調に推移しております。

このような事業環境のなか、当社グループは、中期経営計画(2016~2020年度)の最終年度である2020年度、通信キャリア事業では、テレワークによる光回線需要の増加や地方部における高度無線環境整備推進事業によりアクセス分野の工事が堅調であるとともに、新たな通信キャリアの設備を含めた無線基地局工事の受注が好調に推移しました。都市インフラ事業とシステムソリューション事業では、大規模データセンター構築やGIGAスクール関連の大型案件を受注するなど順調に推移し、グローバル分野におきましても、各国のロックダウンにより建設分野は影響を受けたものの、新規事業へのチャレンジも推し進め、今後の成長に向けた事業基盤の確立に努めました。

また、2018年に経営統合を行った西日本子会社とは、各事業分野において施工の相互支援を行うなど協力関係の強化に取り組むとともに、受注・工程管理システムの共同利用を開始するなど、シナジーの創出に尽力しました。

さらに、当社グループ内におきましても、新型コロナウイルス対策や働き方改革を推進し、本社オフィスの全面フリーアドレス化や、在宅勤務等にも対応できるセキュリティ強化や業務プロセス改革を行うなど、デジタルトランスフォーメーションを加速してまいりました。

なお、当社は2021年3月、経済産業省と東京証券取引所が共同で女性活躍推進に優れた上場企業を選定する、令和2年度「準なでしこ」に選定されました。2016年より組織活性化を目指した経営戦略としてダイバーシティ推進に取り組んできたことが引き続き評価されております。

 

 なお、当連結会計年度におけるセグメント別の状況は、次のとおりであります。

(協和エクシオグループ)

通信キャリア事業におきましては、東京オリンピック・パラリンピックが延期された影響もあり、NTTグループのネットワーク分野の受注に遅れが若干見られたものの、アクセス分野では、コロナ禍に伴うテレワークの増加等により光開通工事が受注高・完成工事高ともに堅調に推移したほか、NCC分野では、5G無線基地局工事が本格化し好調に推移しました。また、都市インフラ事業では、データセンター等の大型工事を受注したほか、高速道路の電気通信設備工事などにも積極的に取り組みました。システムソリューション事業では、カンボジアで電子情報処理システム整備案件を受注したほか、GIGAスクール関連の受注が好調に推移しました。

なお、2020年11月に開催されました技能五輪全国大会の情報ネットワーク職種において、当社社員が金メダルを獲得し、2022年に上海で開催予定の技能五輪国際大会の日本代表に内定しました。今後も優秀な技術者の育成を図り、高い施工技術で社会に貢献してまいります。

 

(シーキューブグループ)

通信キャリア事業におきましては、アクセス分野においてテレワーク需要の増加による光開通工事が堅調に推移したほか、高度無線環境整備推進事業においてグループ内で施工支援を行いました。ネットワーク・モバイル・NCC分野におきましては、支給物品の納入遅延等により、工事に若干遅れがあったものの、5G関連工事が堅調に推移しました。都市インフラ事業におきましては、鉄道ホーム監視設備工事やトンネル照明等の道路インフラ設備工事が堅調に推移し、また、工場の電源設備工事を昨年度に続き円滑に進めました。システムソリューション事業におきましては、テレワークや感染症対策ソリューションへの取り組みに加え、東海エリアのGIGAスクール案件の受注が大幅に伸長しました。

(西部電気工業グループ)

通信キャリア事業におきましては、高度無線環境整備推進事業に伴う光開通工事および熊本地域の豪雨災害等の復旧工事に取り組みました。また、モバイル分野におきましては、5G無線基地局工事等の施工に注力しました。都市インフラ事業におきましては、大型の太陽光発電設備工事を順調に進めたほか、新築ビルの電気・機械設備工事に取り組みました。システムソリューション事業におきましては、防災行政無線設備工事の大型案件を受注したほか、九州自動車道の交通システム関連工事などに取り組みました。

その他、分散していた拠点の集約化のため建設を進めていた「熊本徳王ビル」が2020年9月に竣工し、新ビルでの業務を開始しました。

 

(日本電通グループ)

通信キャリア事業におきましては、NTTグループのアクセス系工事やNCC分野の無線基地局工事の効率化を図り収益性を向上させました。都市インフラ事業におきましては、CATV工事の大型案件を受注したほか、高いエンジニアリング技術により、サービスエリアPOSシステム導入案件や防災行政無線設備等の大規模工事を順調に進めることができました。システムソリューション事業におきましては、関西エリアのGIGAスクール案件に積極的な営業展開を図り、PCやタブレットの導入やネットワーク設備工事を受注し、収益に大きく貢献しました。

なお、「受注拡大」、「グループ協業の推進」、「人材育成」、「ITの活用」の4項目の重点施策について継続して取り組み、事業基盤の確立と収益力の強化に努めました。

 

 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

ア.キャッシュ・フローの状況の分析

当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております

イ.資金需要の動向

当社グループの資金需要は、経常的な運転資金のほか、生産性向上を目的とした不動産等への設備投資資金、事業拡大を目的としたM&A等の投資資金であります。

また、株主還元については、積極的かつ安定的な配当を継続していくことを基本方針としており、DOE(連結自己資本配当率)3.5%を目途に配当を実施するとともに、自社株式の取得についても機動的に実施いたします。

ウ.資金調達の方法

当社グループの資金調達の源泉は主に営業活動によって獲得したキャッシュでありますが、不足が生じた場合は、健全な財務体質の維持を考慮しつつ、負債を中心とした資金調達を実施しております。一時的な資金不足に対しては、金融機関からの短期借入により調達し、投資等の長期的な資金需要が生じた場合は、普通社債やSDGs債発行を主に検討し、対応しております。

また、国内子会社の資金は当社において一元管理しており、当社グループ内の資金効率化、および流動化を図っております。

 

 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える可能性がある事象につきましては、「2 事業等のリスク」に記載しております。

 

(4)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、品質・安全性・生産性の向上や成長事業の拡大などに関する技術開発・支援に取り組んでおり、当連結会計年度におけるセグメント別研究開発費は、協和エクシオグループ 110百万円、シーキューブグループ101百万円、西部電気工業グループ48百万円、日本電通グループ36百万円となり、総額は297百万円であります。