第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「技術力を培う 豊かさを求める 社会に貢献するという企業理念のもと株主をはじめとするすべてのステークホルダーから信頼される誠実で透明性の高い経営の実現を目指しております

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 このような基本方針のもと企業行動規範を制定しコンプライアンス・プログラムを実施するとともに内部監査制度の充実IR活動の強化や適切な社内組織の見直し等により業務の有効性・効率性を確保してまいります

 また情報通信ネットワークの構築をはじめとした多彩なエンジニアリング及びソリューションを提供することにより豊かな生活環境を創り出す企業集団として社会に貢献してまいりたいと考えております。

 

(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の当社を取り巻く経営環境につきましては、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響、ロシア・ウクライナ情勢、急激な円安など、国内景気は未だ先行き不透明ですが、デジタル庁の施策の一つであるデジタル田園都市国家構想実現のため、高速・大容量の通信インフラの重要性は益々高まるものと考えられ、各通信キャリアから無線基地局の設置やモバイルバックホールの構築が進むものと想定されるほか、テレワークの経常化に伴って、情報通信分野における設備投資は堅調に推移し、生活スタイルの多様化に関連するソリューションも益々拡大していくものと思われます。また、建設分野におきましても、社会インフラ整備等の公共投資は堅調に推移するものと想定されます。

このような経営環境のなか、当社グループは中長期的な企業価値向上を目指し、通信キャリア事業におきましては、NCC各社を含めた5G展開への積極的な取り組みを行い、収益性・生産性向上に努め、成長事業に位置付ける都市インフラ事業におきましては、M&Aにより新たにグループ会社となった子会社とのシナジー効果を最大限に発揮し、再生可能エネルギーを始めとした新領域の開拓に向けて人財の育成にも努めてまいります。システムソリューション事業におきましては、高付加価値事業への挑戦を行うため、システムソリューションの中核会社を軸にし、保守運用までの提案を行える仕組みづくりを行ってまいります。また、グローバル分野におきましては、事業領域の拡大と合わせて人財育成にも注力し、さらなる成長を目指して取り組んでまいります。

 

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また、2022年2月に副業制度を導入しており、今後、当社の社員満足度の向上とともに外部からの副業人材の受け入れを行うことにより、異業種との交流、高い知見によるイノベーション創出、新たなビジネスの発掘及び既存事業への改革を推進してまいります。このような取り組みを通じ、中期経営計画(2021~2025年度)の達成のため、経営基盤の強化、資本効率の向上に努め、グループ一丸となって努力してまいります。

なお、当社グループは、新型コロナウイルスの流行に対して、国内外を問わず従業員やその家族及び関係者の生命の安全を第一に考え、ステークホルダーと協同して臨機応変かつ柔軟な事業運営を行うとともに、地域との共生を目指し、さまざまな社会貢献活動を展開するなど、ESGの取り組みを一層強化し、SDGsの実現に貢献してまいります。

 

(3)目標とする経営指標

①2030ビジョン

 Engineering for Fusion~社会を繋ぐエンジニアリングをすべての未来へ~

これからの社会ではモノ情報インフラすべてがセンサーやネットワークを介して繋がりそれを実現するためのエンジニアリングは多様な技術の融合が求められています

当社グループでは新技術への対応やオープンイノベーションにより深化させたエンジニアリング力の融合を通じて情報通信基盤に留まらずあらゆる社会インフラにソリューションを展開し日本はもとよりグローバルレベルで未来の社会課題の解決に貢献することを目指します

 

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②中期経営計画(2021~2025年度)

2030ビジョンの実現に向けた当面5年間の戦略および業績目標を掲げた中期経営計画は2025年度業績目標として連結売上高 6,300億円営業利益 470億円(営業利益率 7.5%)ROE 9.0%以上EPS 280円以上の達成を目指してまいります

なお上記業績予想においてこれまでのところ新型コロナウイルスの流行による影響は限定的と想定しておりますが今後感染再拡大および事態の長期化など諸情勢の変化等により業績予想を見直す必要が生じる可能性があります

 

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2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

これら主要なリスクは、当社グループにおいて定期的に洗い出し・評価を行う中で、影響度及び発生頻度を踏まえて優先的に対応すべき事項として記載しております。但し、以下は当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、影響を与える可能性があります。

なお、当社グループのリスク管理体制については、リスク管理に関わる基本事項を定めた「リスク管理規程」を制定し、リスクカテゴリーとそれに対応するリスク管理部門を設定するとともに、全社的リスクマネージャーとして事業リスク管理委員会を設置し、当社グループ全体レベルでのリスクの識別及び評価を行う体制を構築・運用しております。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グル-プが判断したものであります。

 

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リスク

項目

主なリスク内容

主な対応策等

事業環境

(外部要因)

自然災害等のリスク

 大規模災害等の発生及びそれに伴うライフラインの停止や燃料・資材・人員の不足による工事の中断・遅延、事業所の建物・資機材への損害等の不測の事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、自然災害や新型ウイルスのパンデミック等の発生に備え、人的被害の回避を最優先としつつ事業継続を図るため、各種設備の導入、訓練の実施及び規程・マニュアルの整備等により、リスク回避と被害最小化に努めております。

 また、近年の台風の大型化、集中豪雨、地震の多発などによる自然災害、新型ウイルスなどの新たな脅威の高まりに伴い、お客様視点に立った安定的で円滑な事業運営に向け、当社グループ提供サービスへの対応をはじめとした各種設備の保守やパンデミックなどによるレピュテーションリスクへの対応をグループ総体で強化しております。

海外事業展開のリスク

 当社グループでは、東南アジアを中心とした諸外国で事業を展開しており、政治・経済情勢の急激な変化、為替レートの大きな変動、法的規制の予期せぬ変更、地震・台風など自然災害、感染病・疫病の流行をはじめとした様々なリスクが存在します。

 また、最近では、ロシア・ウクライナ情勢によって生じるリスクの懸念等もあり、原材料価格の上昇やサプライチェーン毀損による影響などに十分注意を要する状況が続いております。

 事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、事業展開が困難になった場合には、中期的なグロ-バル分野での事業領域の拡大に支障が出るなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 現在、アジア地域ではフィリピン、タイ王国、シンガポール、インドネシアに拠点を有していますが、これら海外子会社のオペレーションマネジメントならびに戦略的マネジメントを円滑に遂行する目的で、2018年11月、アジア地域における事業運営統括会社「EXEO GLOBAL」をシンガポールに設立し、現地の情報収集、分析等を通じた管理・モニタリングを行うとともに当社と海外子会社をつなぐ機能を果たしております。

 また、個々の事業投資等にあたっては、想定されるリスクの洗い出し、対応策の検討を行うとともに、知見・経験が十分でない事項については、外部専門家によるレビュ-を行っております。

 なお、外貨建て資産・負債に対する為替レートの変動影響については、完全にヘッジすることはできませんが、為替予約や同一通貨建ての資産・負債を有することによる為替差損益の相殺等により、リスクの軽減を図っております。

M&A、事業提携のリスク

 当社グループは、今後の業容拡大等においてM&A及び事業提携戦略は重要かつ有効であると認識しております。

 しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した投資効果を得られない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、M&A等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。

 なお、のれんが発生する場合はその償却額を超過する収益力が安定的に確保できることを前提としておりますが、買収後の事業環境や競合状況の変化等により買収当初の事業計画遂行に支障が生じ、計画どおりに進まない場合は当該のれんに係る減損損失等の損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、2030ビジョン及び中期経営計画(2021~2025年度)において、M&Aなどの戦略投資にも積極的に取り組む方針としていることから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。

 M&A及び事業提携を行う場合においては、今後の市場動向や当社グループとのシナジ-、対象企業が有する潜在的リスクの洗い出し等を、外部の弁護士や財務アドバイザー等による調査結果も活用し、これまでの知見・経験を活かした様々な視点から検証し決定しております。

 更に、M&A等実施後においては、M&A等の検討段階での事業計画の進捗状況やシナジ-効果の獲得度合い等、モニタリングを行っております。

 

 

 

 

リスク

項目

主なリスク内容

主な対応策等

事業環境

(外部要因)

法令の新設・改廃、法令違反に係るリスク

 当社グループの事業は、建設業法・下請法・独占禁止法・労働安全衛生法・環境関連の法令等、さまざまな法的規制を受けており、法的規制の改廃や新設、適用基準の変更等があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、万一これらの法令等に違反する事態が発生した場合には、当社グループの業績や信用に影響を及ぼす可能性があります。

 近年では特に環境及び働き方改革関連で新たな法規制の制定や法令の改正が増加しており、社内関係部署による法改正等の動向を注視するとともに、事前に法改正に向けた適切な対応方法等を当社グループへ展開することにより、統一的かつ速やかに法令を遵守する体制を構築しております。

 また、自主点検活動である「法令等遵守状況点検」を毎年実施するとともに、内部監査において遵守状況の確認や是正措置を実施しております。

気候変動

リスク

 気候変動は、社会の持続可能性に多大な影響を及ぼす緊急性が高い課題の一つです。再生可能エネルギー事業を展開している当社グループにとっては、リスクであると同時に、その課題解決に事業を通じて貢献できるビジネス機会でもあることから、気候変動への対応を経営上の重要課題であると認識しております。

 なお、その対応次第では、以下の主なリスクについて中長期的に当社グループの業績や信用に影響を及ぼす可能性があります。

(1)移行リスク

 当社グループが脱炭素社会への移行やお客様からの気候変動への対応ニーズに対応できないことにより、お客様や投資家等からのネガティブな評価に伴う企業価値の低下及び受注機会の喪失、カーボンプライシング制度等の導入に伴うコストの増加。

(2)物理リスク

 気象の激甚化に伴って発生が想定される水害による建物・施工現場・施設等への被災リスク及び気温上昇による屋外施工現場の健康リスク(熱中症等)の増大、作業効率低下、受注分の引渡し遅延、対策コストの増加。

 移行リスクについては、事業活動における使用電力の再生エネルギー化を積極的に推進して温室効果ガス排出量を削減していくとともに、洋上風力発電等の再生可能エネルギー関連の需要増加に伴う電気工事事業の拡大等にも積極的に取り組んでまいります。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)で推奨される枠組みに沿って情報開示の充実に努めてまいります。

 今後も、気候変動の影響や温室効果ガス排出削減に向けた国の政策や社会の動向を注視しながら、事業を通じた「社会課題の解決」による持続可能な社会と当社グループの「持続的成長」の両立を目指してまいります。

資材調達・価格上昇

リスク

 原材料、資材等の調達について 調達先における自然災害による被害や、社会不安(戦争、テロ、感染症、地政学的リスク等)、業績悪化等により調達が困難になった場合に、施工がストップして契約工期に影響が出る可能性があります。

 更に、原材料や資材等の価格高騰により、調達価格が著しく上昇し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、新型コロナウイルス感染症蔓延によるテレワーク関連のデバイス需要増、米政府による対中制裁、米国での寒波、日本での工場火災等の多重的要因で半導体不足も発生し、その解消が長引いており、通信基地局の資材調達リードタイム長期化に伴う工期延伸等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 半導体不足につきましては、需給状況を注視するとともに、お客様への納期を守る観点から、物品が不足していない範囲の工事を先に行い、物品が揃った時点で完結させるという工事の段取りを丁寧に進めて影響の極小化に努めております。

 また、原材料や資材等の調達価格の上昇については、資材等の早期発注、多様な調達先の確保、価格高騰の場合の条件の契約への盛り込み、工事価格への転嫁等の対策を実施し、リスクの低減に努めております。

 

 

 

 

リスク

項目

主なリスク内容

主な対応策等

事業環境

(外部要因)

特定取引先に対する依存度が高いリスク

 当社グループは情報通信ネットワークの構築・施工を主な事業としていることから、通信キャリア各社との取引比率が高く、この傾向は今後とも継続することが見込まれます。

 したがって、情報通信業界の市況動向や技術革新等により通信キャリア各社の設備投資行動及び設備投資構造が変化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 各通信キャリアから5Gエリア拡大のための無線基地局の設置やモバイルバックホールの構築が進むほか、テレワークの増加やSNSの更なる利用拡大に伴う通信量の増大に対応するため、情報通信分野における設備投資は堅調に推移するものと想定されます。

 また、総務省が2030年代の社会に求められる技術や政策の方向性などを取りまとめた「Beyond 5G推進戦略 ‐6Gへのロードマップ‐」を2020年6月に公表し、この戦略に沿った施策展開も進められており(2022年3月にプログレスレポート2021の公表)、今後も益々通信インフラの高度化・技術革新が進展していくものと想定されます。

 通信キャリア事業におきましては、5G展開へ積極的に取り組み収益力強化に努めていくとともに、2021年5月に策定しました「2030ビジョン」の通り、「景気や社会情勢に左右されない強固な経営基盤を構築するため、都市インフラ及びシステムソリューション事業を更に拡大し、2030年度の各セグメントの売上高を同等程度にまで成長させる」ことを目指して事業構造を転換してまいります。

新型コロナウイルス感染症のリスク

 2020年1月下旬から顕在化した新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、特に東南アジア諸国の都市封鎖により、当社グループのグローバル事業は事業活動の停滞を余儀なくされましたが、当社グループ全体の業績に及ぼす影響は限定的となっております。

 しかし、新型コロナウイルス感染症に対する対策の徹底及びワクチン接種が促進されるなか、新規感染者数の減少に伴う経済の持ち直しが期待されたものの、度重なる新たな変異株の発現と感染再拡大により新型コロナウイルス感染症の猛威は未だ衰えず、終息時期の見通しは不透明であり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  2020年2月に新型コロナウイルス対策本部を立ち上げ、オフィスの殺菌・消毒の徹底、自主PCR検査キットの配備、従業員への行動ルールの周知徹底、時差出勤やテレワークの実施、集合会議やイベントの開催・参加の制限、国内外出張の制限、ワクチンの職域接種をいち早く実施し、計3回のワクチン接種をすすめるなど慎重かつ柔軟な事業運営を行っております。

 引き続き、国内外を問わず従業員やその家族及び関係者の生命の安全を第一に考え、ステークホルダーと協同して慎重かつ柔軟な事業運営に努めてまいります。

 

 

 

 

リスク

項目

主なリスク内容

主な対応策等

事業基盤

(内的要因)

情報セキュリティに係るリスク

 当社グループは事業運営上、顧客等が保有する技術データ・顧客データ等の重要な情報を取り扱っておりますが、不測の事態により当社グループからこれら重要な情報が流出した場合、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 情報セキュリティマネジメントシステムを構築・運用しており、情報セキュリティ最高責任者の配置や情報セキュリティ委員会の設置をする等、情報管理に対する重要性を十分認識した体制作りに取り組むとともに、情報セキュリティマネジメントシステムの認証及びプライバシーマークを取得して継続的な改善を図っております。

 また、近年より多様化・巧妙化するサイバーセキュリティ脅威に対して適切かつ迅速な対応を実現すべくEXEO-SIRT(EXEO Security Incident Response Team)を2019年7月に設立するとともに、日本シーサート協議会に2019年12月に加盟し、サイバーセキュリティ脅威へのさらなる対応体制強化に努めております。

 EXEO-SIRTは、セキュリティ・インシデントを前提とする対応チームであり、端末等の守るべき資産におけるサイバー攻撃の検知・防御、ウイルス感染や情報漏洩時の対応支援を実施しております。

 EXEO-SIRTの活動の中で、インシデント発生時の被害極小化を図るとともに、サイバー攻撃の動向や、当社グループや他企業において観測された実事例を展開し、平生から随時注意喚起を行い被害発生の防止にも努めております。

 更に、全従業員を対象にeラーニングによる啓蒙を図り、標的型攻撃メール訓練などを実施し、情報リテラシーの向上に努めております。

重大な人身・設備事故等の

リスク

 当社グループにおいて不測の事態により重大な人身・設備事故を発生させた場合、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生や受注機会の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、「安全・品質の確保」に対する取り組みに万全を期し、管理を強化することで、建設工事現場における人身・設備事故の発生防止に日々努めております。

 2016年から「安全品質文化の原点回帰」をスローガンに、「安全・品質」の重要性を一人ひとりが理解し基本動作を実践できる体制づくりに取り組んできましたが、2021年度からは「安全・品質文化の進化(深化・進展)」を5ヵ年のスローガンとして掲げ、事故撲滅はもちろんのこと、品質向上と付加価値創出の取り組みを強化し、「安全安心で頼られる会社・グループ」を目指してまいります。

 安全に関しては、ヒヤリ・ハットの情報収集によって同じヒューマン・エラーが起きないよう相互に注意喚起を行ったり、日々の安全施工サイクルの履行確認を確実・効率的に行えるようシステム改善に取り組んでおります。

 今後は、NWカメラを用いた現場点検、ICTを活用した現場の安全管理及び良いことはみんなで褒めて称える施策等を推進してまいります。

 また、労働安全衛生マネジメントシステム、品質マネジメントシステムの認証を取得して「安全・品質」の継続的な改善を図っております。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 ① 経営成績の状況

ア. 売上高

 エンジニアリングソリューション事業の大型案件の進捗が順調で売上高は、前連結会計年度と比べ 215億円増加し、5,948億4千万円(前年同期比 103.8%)となりました。

イ. 営業利益

 売上高が増加したことにより、営業利益は、前連結会計年度と比べ 57億5千7百万円増加し、423億8千万円(前年同期比 115.7%)となりました。

ウ. 経常利益

 営業利益の増加により、経常利益は、前連結会計年度と比べ 70億3千万円増加し、452億1千7百万円(前年同期比 118.4%)となりました。

エ. 親会社株主に帰属する当期純利益

 経常利益の増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ 35億7千3百万円増加し、277億6千6百万円(前年同期比 114.8%)となりました。また、自己資本利益率(ROE)は 0.6ポイント増加し、9.4%となり、1株当たり当期純利益(EPS)は 33.31円増加し、250.64円となりました。

 

 なお、当連結会計年度における新型コロナウイルスの流行による影響は、限定的でした。

 また、当連結会計年度におけるセグメント別の概況は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

報告セグメント

エクシオグループ

(注)3、4

シーキューブ

グループ

西部電気工業

グループ

日本電通

グループ

金額

前年

同期比

金額

前年

同期比

金額

前年

同期比

金額

前年

同期比

受注高

(注)2

417,253

98.7%

78,605

82.9%

54,267

84.3%

45,247

91.9%

売上高

(注)2

411,379

109.1%

77,836

89.0%

60,760

102.8%

44,864

90.0%

セグメント利益

30,804

122.2%

6,080

108.0%

3,535

111.4%

2,215

78.3%

(注)1. 記載金額は百万円未満の端数を切り捨てて表示しております

2. 受注高」「売上高については外部顧客への取引高を記載しております

3. 従来の協和エクシオグループの数値を記載しております

4. 報告セグメントにおけるエクシオグループにはシーキューブグループ西部電気工業グループ

   日本電通グループは含んでおりません

 

 ② 財政状態の状況

資産は前連結会計年度末と比較して 440億4千3百万円増加し 5,356億1千7百万円(前年同期比 109.0%) となりましたこれは主に現金預金及び受取手形・完成工事未収入金の増加によるものであります

負債は前連結会計年度末と比較して 258億7千5百万円増加し2,285億6千4百万円(前年同期比 112.8%) となりましたこれは主に短期借入金及び長期借入金の増加によるものであります

純資産は前連結会計年度末と比較して 181億6千8百万円増加し3,070億5千3百万円(前年同期比 106.3%)となりましたこれは主に利益剰余金の増加によるものであります

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下資金という)は前連結会計年度末に比べ 124億8千万円増加し537億2千7百万円となりました

各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります

ア.営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果獲得した資金は 264億6百万円(前期は 63億1百万円の獲得)となりましたこれは主に売上債権及び仕入債務が減少したことによるものであります

イ.投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は 203億8千8百万円(前期は 92億4千9百万円の使用)となりましたこれは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります

ウ.財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果獲得した資金は 50億2千3百万円(前期は 17億5千万円の使用)となりましたこれは主に短期借入金及び長期借入金の増加によるものであります

 

 ④ 生産、受注及び販売の実績

 ア. 受注実績

 当連結会計年度のセグメントごとの受注実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 なお、当連結会計年度の受注実績を事業区分ごとに示すと次のとおりであります。

事業区分の名称

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

次期繰越工事高

(百万円)

前年同期比

(%)

エンジニアリングソリューション

436,350

94.5

250,575

98.5

システムソリューション

159,023

93.8

39,328

113.0

合計

595,373

94.3

289,904

100.2

 

 イ. 売上実績

 当連結会計年度のセグメントごとの売上実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 なお、当連結会計年度の売上実績を事業区分ごとに示すと次のとおりであります。

事業区分の名称

売上高(百万円)

前期比(%)

エンジニアリングソリューション

440,145

105.4

システムソリューション

154,694

99.4

合計

594,840

103.8

(注)1.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。

2.主な相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

売上高

(百万円)

割合(%)

売上高

(百万円)

割合(%)

東日本電信電話株式会社

81,411

14.2

87,633

14.7

西日本電信電話株式会社

86,068

15.0

84,829

14.3

株式会社NTTドコモ

50,197

8.8

47,414

8.0

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 ① 当連結会計年度の財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスに対する対策の徹底及びワクチン接種が促進されるなか、新規感染者数の減少に伴う経済の持ち直しが期待されたものの、度重なる新たな変異株の発現と感染再拡大により、新型コロナウイルスの猛威は未だ衰えず、また、ロシア・ウクライナ情勢によって生じるリスクの懸念等もあり、原材料価格の上昇やサプライチェーン毀損による影響などに十分注意を要する状況が続いております。

当社の事業領域である情報通信分野におきましては、NCC各社によるモバイル基地局投資が継続しているほか、デジタル社会の基盤となる情報インフラの整備が加速しており、情報格差の解消のための投資も継続すると想定されます。また、建設分野におきましては、民間設備投資は持ち直しの傾向がみられるとともに、公共投資については、道路等社会インフラ老朽化対策のための維持管理・更新工事などが堅調に推移していく見通しです。

このような事業環境のなか、当社グループは、新型コロナウイルスの感染防止に努め、社内のテレワーク環境を整備・推進するとともに、ワクチンの職域接種をいち早く申請し、計3回のワクチン接種を実施するなど慎重かつ柔軟な事業運営を行ってまいりました。通信キャリア事業におきましては、地方エリアにおける高度無線環境整備推進事業を着実に進めたほか、モバイル分野における5Gをはじめとする基地局等インフラ構築に対して全国的に対応を実施しております。都市インフラ事業におきましては、大規模データセンター構築やリニア中央新幹線関連の大型案件を受注するなどが順調に推移したほか、再生可能エネルギー関連では、木質バイオマス発電所の建設を進めるとともに、将来の洋上風力発電事業への参画を狙い、人財の育成を加速しております。システムソリューション事業におきましては、働き方改革等を契機とするDX推進に関連するソリューションの展開とともに、文教系のお客様に対して引き続き積極的な営業活動を展開しました。グローバル分野では、通信建設分野を中心に各国のロックダウンの影響を受けたものの、デジタル貿易プラットフォームをはじめとするソリューション事業などが順調に進展したことにより、着実に利益改善を実現し、ビジネスの基盤確立から成長フェーズへと移行を果たしました。なお、都市インフラ及びシステムソリューション事業におきましては、更なる事業拡大を目的に、今後成長が期待できる分野において強みを持った企業の子会社化を積極的に実施いたしました。

当社グループは、各事業分野における技術者育成に継続して取り組んでおり、2021年12月に開催された「第59回技能五輪全国大会」において、情報ネットワーク施工職種で水谷匠吾社員が金メダルを獲得しました。同全国大会における当社の金メダル獲得は3大会連続・通算9回目となりました。今後もさらなる技術力の強化・向上並びに優秀な技術者の育成を図り、社会に貢献してまいります。

また、当社は、「2030ビジョン」及び「中期経営計画(2021~2025年度)」の達成に向け取り組みを進めておりますが、グループ会社とともに経営リソースと技術を結集して新たな価値を創造し、さらに大きく成長したいという思いを込め、2021年10月1日に「エクシオグループ株式会社」に商号を変更しました。

 なお、当連結会計年度におけるセグメント別の状況は、次のとおりであります。

 

(エクシオグループ)

通信キャリア事業におきましては、アクセス分野では光回線工事や高度無線環境整備推進事業の工事が順調に進捗しました。NCC各社を含むモバイル分野では、下期にNTTグループのモバイル工事の発注が抑制されたものの、総じて無線基地局工事は順調に進捗しました。都市インフラ事業におきましては、大規模データセンターやリニア中央新幹線関連の大型案件、トンネルの更新工事などを獲得し、堅調に推移しております。今年度は送電線敷設事業を手掛ける株式会社リョウセイ、推進工事において豊富な実績と高い技術力を有している機動建設工業株式会社、空調、給排水衛生などの管工事を行っており高い工事品質と優良な顧客基盤を有する光陽エンジニアリング株式会社を子会社化しました。シナジーの最大化に向けて、グループ内の連携を強化するとともに、人財交流・育成の取り組み等を開始しています。システムソリューション事業におきましては、テレワーク環境整備の受注に努め、また、ICT保守・ヘルプデスク業務を中心に安定した事業基盤を有している株式会社アイティ・イットを子会社化しました。

当社は、2022年3月に経済産業省と東京証券取引所が共同で女性活躍推進に優れた上場企業を選定する、令和3年度「準なでしこ」に選定されました。2016年より組織活性化を目指した経営戦略としてダイバーシティ推進に取り組んできたことが評価され、令和元年度「なでしこ銘柄」、令和2年度「準なでしこ」選定に続き、3年連続3度目の選定となります。
 

(シーキューブグループ)

通信キャリア事業におきましては、アクセス分野・ネットワーク分野において一部工事量が減少したものの、光アクセスのサービスエリア拡大工事が増加したほか、高度無線環境整備推進事業においてエクシオグループ内での施工支援を行いました。また、モバイル・NCC分野では、5G関連工事やサービスエリア拡大工事の受注増により、売上・利益共に向上しました。都市インフラ事業におきましては、半導体部品供給不足による物品納期遅延に伴う工事延伸が一部であったものの、高速道路やトンネル照明設備等の道路インフラ工事が堅調に推移しました。システムソリューション事業におきましては、GIGAスクール関連を継続受注したほか、ICT支援員事業やコンテンツ等のアフターGIGA関連の受注が伸長し、文教系ビジネスを中心とした事業展開に取り組みました。

 

(西部電気工業グループ)

通信キャリア事業におきましては、アクセス分野で光開通工事等が堅調に推移し、高度無線環境整備推進事業による光ファイバの整備工事に取り組んだほか、モバイル分野では、5G無線基地局の整備工事等を推進しました。都市インフラ事業におきましては、電線共同溝PFI事業の大型案件を受注したほか、メガソーラー建設工事及び新築ビルの電気・機械設備工事に取り組みました。システムソリューション事業におきましては、文教系ビジネスの大型案件を受注したほか、高速道路交通システム関連工事や防災行政無線更改工事などに取り組みました。

その他、更なる社員の健康保持・増進に向けた取り組みの一環として「健康経営優良法人」の認定を3年連続で受けたほか、社会貢献活動として熊本県菊池市での植林活動や福岡県糸島市での松林再生・保全活動に継続して取り組みました。
 

(日本電通グループ)

通信キャリア事業におきましては、アクセス系の光開通工事、ネットワーク工事、土木工事が堅調に推移したほ

か、NCC分野の無線基地局工事・局外伝送局設備構築の受注・施工に注力しました。また、施工体制の整備・効率化に努めた結果、売上・利益共に向上しました。都市インフラ事業におきましては、CATV工事において、自治体・地元住民との信頼関係と理解のもと、順調に工事が進捗しました。システムソリューション事業におきましては、前年度に続き、関西エリアにおいて、高等学校タブレット機器導入等文教系ビジネスの大型案件を受注しました。さらに、SI分野では、ISV(独立系ソフトウェアベンダ)と連携したDX推進案件への事業転換が順調に推移しており、今後の更なる成長を目指して取り組んでおります。
 

 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

ア.キャッシュ・フローの状況の分析

当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

イ.資金需要の動向

当社グループの資金需要は、経常的な運転資金のほか、生産性向上を目的とした不動産等への設備投資資金、事業拡大を目的としたM&A等の投資資金であります。

また、株主還元については、積極的かつ安定的な配当を継続していくことを基本方針としており、連結自己資本配当率(DOE)3.5%を目途に配当を実施するとともに、自社株式の取得についても機動的に実施いたします。

ウ.資金調達の方法

当社グループの資金調達の源泉は主に営業活動によって獲得したキャッシュでありますが、不足が生じた場合は、健全な財務体質の維持を考慮しつつ、負債を中心とした資金調達を実施しております。一時的な資金不足に対しては、金融機関からの短期借入により調達し、投資等の長期的な資金需要が生じた場合は、普通社債やSDGs債発行を主に検討し、対応しております。

また、国内子会社の資金は当社において一元管理しており、当社グループ内の資金効率化、および流動化を図っております。

 

 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える可能性がある事象につきましては、「2 事業等のリスク」に記載しております。

 

(4)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、品質・安全性・生産性の向上や成長事業の拡大などに関する技術開発・支援に取り組んでおり、当連結会計年度におけるセグメント別研究開発費は、エクシオグループ 429百万円、シーキューブグループ141百万円、西部電気工業グループ32百万円、日本電通グループ33百万円となり、総額は637百万円であります。