第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。なお文中の将来に関する事

項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「技術力を培う 豊かさを求める 社会に貢献するという企業理念のもと株主をはじめとするすべてのステークホルダーから信頼される誠実で透明性の高い経営の実現を目指しております

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 このような基本方針のもと企業行動規範を制定しコンプライアンス・プログラムを実施するとともに内部監査制度の充実IR活動の強化や適切な社内組織の見直し等により業務の有効性・効率性を確保してまいります

 また情報通信ネットワークの構築をはじめとした多彩なエンジニアリング及びソリューションを提供することにより豊かな生活環境を創り出す企業集団として社会に貢献してまいりたいと考えております。

 

(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の当社を取り巻く経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症は5類へ移行されており、国内の経済

活動は回復が見込まれるものの、ウクライナ情勢や世界的な金融引き締めなど、景気の先行きは不透明な状況が続く

ものと想定されます。一方、デジタル田園都市国家構想の実現のため、高速・大容量の通信インフラの重要性は益々

高まるものと考えられ、トラヒックの増加に伴い各通信キャリアにおかれましても、無線基地局の設置などの投資は

進んでいくと思われます。さらに、生活スタイルの多様化に関連するソリューションも益々拡大していくものと思わ

れ、情報通信分野における設備投資は堅調に推移すると想定しております。また、建設分野におきましても、社会イ

ンフラ維持整備等の公共投資は堅調に推移するものと想定され、長期的には再生可能エネルギーに関する投資も加速

していくと考えております。

 このような経営環境のなか、当社グループは中長期的な企業価値向上を目指し、通信キャリア事業におきましては

NCC各社を含めた5G展開への取り組みを続け、収益性・生産性向上に努めてまいります。成長事業に位置付ける都

市インフラ事業におきましては、引き続き需要の拡大が見込まれるデータセンターについては、電気工事に加えて、

LAN/WAN、空調等も含めたワンストップでの営業活動を積極的に行うとともに、再生可能エネルギーを始めとした事

業領域の拡大に向けた人財の育成も加速してまいります。システムソリューション事業におきましては、高付加価値

事業への挑戦を行い、上流のコンサルティングから開発、保守運用までのトータルソリューションの提供を行ってま

いります。また、事業成長が続いておりますグローバル分野におきましては、人財育成やグループ会社間連携にも注

力し、さらなる収益性の拡大を目指して取り組んでまいります。

 このような取り組みを通じ、中期経営計画(2021~2025年度)の達成に向けて、経営基盤の強化に努め、資本効率

の向上を意識しながら持続的成長と企業価値向上を目指し、グループ一丸となって努力してまいります。

 なお、当社グループは新型コロナウイルスの流行に対して、国内外を問わず従業員やその家族及び関係者の生命の

安全を第一に考え、ステークホルダーと協同して臨機応変かつ柔軟な事業運営を行うとともに、地域との共生を目指

し、さまざまな社会貢献活動を展開するなど、ESGの取り組みを一層強化し、SDGsの実現に貢献してまいります。

 

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(3)目標とする経営指標

①2030ビジョン

 Engineering for Fusion~社会を繋ぐエンジニアリングをすべての未来へ~

これからの社会ではモノ情報インフラすべてがセンサーやネットワークを介して繋がりそれを実現するためのエンジニアリングは多様な技術の融合が求められています

当社グループでは新技術への対応やオープンイノベーションにより深化させたエンジニアリング力の融合を通じて情報通信基盤に留まらずあらゆる社会インフラにソリューションを展開し日本はもとよりグローバルレベルで未来の社会課題の解決に貢献することを目指します

 

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②中期経営計画(2021~2025年度)

2030ビジョンの実現に向けた当面5年間の戦略および業績目標を掲げた中期経営計画は2025年度業績目標として連結売上高 6,300億円営業利益 470億円(営業利益率 7.5%)ROE 9.0%以上EPS 280円以上の達成を目指してまいります

なお上記業績予想においてこれまでのところ新型コロナウイルスの流行による影響は限定的と想定しておりますが今後感染再拡大および事態の長期化など諸情勢の変化等により業績予想を見直す必要が生じる可能性があります

 

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2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般

 エクシオグループは、2021年5月に公表した「2030ビジョン」において、2030年に目指す4つの社会(「カーボンニュートラルな社会」「健康で生き生きと暮らせるスマート社会」「グローバルで多様性を享受する社会」「貧困・格差が解消される社会」)を定義し、社会課題の解決を普遍的な使命として、日本はもとよりグローバル社会から必要とされる企業グループであり続けることを宣言しています。「ESG経営の実践」を3つの挑戦の一つとして掲げ、企業価値の向上とともに、サステナブルな社会の実現に向けた貢献を目指していきます。

 

 ①ガバナンス

ア.サステナビリティ推進体制

 エクシオグループは、2030ビジョンで掲げた挑戦のうち、「ESG経営の実践」に係る取り組みとして、2022年度にCSR委員会をサステナビリティ委員会に改編いたしました。

 これまでは社会貢献活動などを主に議論しておりましたが、気候変動対策を含めたサステナビリティに重点を置いた議論をしております。サステナビリティ委員会は代表取締役社長を委員長とし、経営会議の諮問機関という位置づけで、運営要領において、「当社グループの経営戦略の一環として、サステナビリティに関する方向性、重要課題、目標設定、情報開示等について審議および取り組み状況のモニタリングを行う」と目的を定めております。当委員会は、原則年2回開催し、経営会議および取締役会に対して方針および取組結果について審議・報告を実施しております。

 また、同じく2022年度に、気候変動対策を主としたサステナビリティに関する専任組織としての総務部にサステナビリティ推進室を設置しております。総務部サステナビリティ推進室は、サステナビリティ委員会の事務局を担うとともに、気候変動対策を主とした各種サステナビリティ施策について、グループ各社と連携しエクシオグループ全体の目標設定と進捗管理をする役割を担っています。

 

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イ.マテリアリティの特定

 当社グループでは、「2030ビジョン」の達成に向けて、 当社が重点的に取り組むべき課題(マテリアリティ)の特定に向けた検討を進めておりますが、2022年度に暫定版としてマテリアリティと想定される課題を整理し、自社の事業への影響度とステークホルダーにとっての影響度の2軸で分類いたしました。

 整理にあたっては、GRIスタンダードなどの国際的な基準を参照するとともに、さまざまなメガトレンドや社会課題、ステークホルダーの要望・期待などを考慮し、候補となる項目を選出しました。

 現在、これらの項目について精査を行うとともに、当社グループの経営課題との整合性を、外部有識者による検証も経ながら引き続き検討しており、2023年度に、正式版のマテリアリティとして特定する予定です。

 

 ②戦略、指標及び目標

 当社グループでは気候関連リスク・機会を管理するにあたり、以下の指標と目標を設定しています。

マテリアリティ

KPI

2020年度

実績

2021年度

実績

2022年度

実績

2025年度

目標

集計範囲

E:環境

環境可能エネルギーの利用拡大を通じた気候変動への貢献

再生可能エネルギー由来の電力購入

33.6%

73.2%

100%

エクシオグループ㈱の自社管理拠点

サプライチェーンを含む温室効果ガスの削減

(脱炭素への取り組み、グリーン製品活用)

EVなど低公害車導入率

91.4%

95.5%

96.1%

100%

エクシオグループ㈱の一般車両

CO2排出量

(Scope1・2)

「(3)気候変動」に記載のとおりであります。

グリーン製品利用率

64.8%

71.4%

78.0%

前年度水準以上

エクシオ

グループ㈱

循環型社会への貢献

産業廃棄物最終処分率

5.6%

2.5%

3.2%

2020年度比50%減

エクシオ

グループ㈱

S:社会

安全品質文化の形成

重大人身事故・重大設備事故

「(2)人的資本・多様性 ④指標及び目標 イ.社内環境整備に関する方針」に記載のとおりであります。

人財の多様性の尊重

(ダイバーシティ&インクルージョンの推進)

女性管理職の人数

女性社員の人数

男性社員の育児休暇取得率

従業員満足

年間有給休暇取得率

G:ガバナンス

コンプライアンス・リスクマネジメントの徹底

重大な法令違反

0

0

0

ゼロをめざす

連結

重大な情報セキュリティ事故

0

0

0

ゼロをめざす

連結

重大な事業リスクを伴う事案のリスク評価実施率

100%

100%

100%

100%

連結

コーポレート・ガバナンスの充実

取締役会・監査役会の多様性確保(社外役員数)

取締役

12名中4名

監査役

4名中2名

取締役

11名中4名

監査役

5名中3名

取締役

11名中4名

監査役

5名中3名

社外取締役1/3以上

社外監査役1/2超

エクシオ

グループ㈱

 

 

 ③リスク管理

 当社グループは、社会課題の解決を事業の根幹に置いており、サステナビリティの推進が事業機会の拡大にも寄与すると考えております。事業価値を創造・維持・実現する過程において戦略と事業目標を達成するためのリスク管理体制を整備し、リスクを許容可能な量に管理できるとの合理的な期待を当社グループのステークホルダーに確実に提供しております。

 具体的には、リスク管理に関わる基本事項を定めた「リスク管理規程」を制定し、リスクカテゴリーとそれに対応するリスク管理部門を設定し、リスクの識別および評価を行うとともに、全社的リスクマネージャーとして事業リスク管理委員会を設置し、当社グループ全体レベルでの各種リスクの管理を行う体制を構築・運用しており、サステナビリティに関わるリスクについてもこの体制の下で管理しております。

 当社が認識する事業等のリスクについては、(第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.事業等のリスク)をご参照ください。

 

(2)人的資本・多様性

 “人財” 第一主義を基本に、人権の尊重、公正な評価と処遇、人財育成とプロフェッショナリズムの徹底により、従業員・会社双方の豊かさを追求しております。

 また、誰もがいきいきと働き、もてる能力を最大限に発揮できる職場環境が今後の持続的成長のために不可欠であると考え、働き方改革、ダイバーシティ推進等の取り組みを進めております。

 

 ①ガバナンス

 経営会議及び取締役会において、具体的な課題や施策について付議しております。また、研修計画や特に重要な案件等は、経営会議での議論を経て承認された計画を各部門が遂行し、個々の案件の承認は責任規定に基づき実施しております。実績につきましては、取締役会で報告を実施しております。

 

 ②戦略

 ア.人財の育成に関する方針

 人財育成に関しては新入社員研修、階層別研修、技術研修、変革リーダー育成プログラム、風土変革プログラムなど、さまざまな研修のほか、資格取得奨励制度や通信教育制度などの自己啓発支援を行い、成長機会の提供および社員による積極的な活用に力を注いでおります。

 

 a.技術力

 当社の技術力は企業ブランドそのものであります。そのため、中期経営計画、2030ビジョン実現に向けた戦略的な技術者、DX人財の育成に積極的に取り組んでおります。また、グループ会社も含め全国規模で技術研修を実施し、IT人財の育成や高度な技術、最新の技術を持った技術者、現場の安全を守るリーダーの育成に力を入れております。技術士等上級国家資格の取得やエンジニアリングの高度な専門技能、仮想化クラウド、ネットワーク・サーバ、プログラミング等ICT分野の最先端技術や、安全品質管理技術の習得にも努めております。

 また、当社の技術力保持を目的として、2年に一度行われる技能五輪国際大会参加に向けた活動を行っております。2022年に京都で行われた第46回大会では、情報ネットワーク施工職種で金メダルを獲得し、通算6度目の世界一となりました。次回、第47回技能五輪国際大会の金メダル獲得も目指してまいります。光接続スピード競技の世界記録についても当社が保持しており、引き続き技術力の強化・向上と優秀な技術者育成を図り、社会に貢献していきたいと考えております。

 

 b.変革リーダー育成プログラム

 VUCAの時代にあり、また市場環境、事業環境が大きく変化する中で、「会社を変革させるリーダー」を育成するため、「変革リーダー育成プログラム」を導入し、2025年度を目指し、各事業セグメントにおいて事業を牽引するリーダーを育成してまいります。

 指標及び目標は、「④指標及び目標 ア.人財の育成に関する方針」に記載のとおりであります。

 

 イ.社内環境整備に関する方針

 a.安全品質文化の形成

 「安全」については、建設工事に携わる企業として、すべてに優先する項目であると認識しており、今後も安全に業務が実施される文化形成に向けた取り組みを継続してまいります。具体的な取り組みは、「3.事業等のリスク ⑩重大な人身・設備事故等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 b.人財の多様性の尊重

 ダイバーシティ推進活動については全社で取り組みを進めており、厚生労働大臣から「えるぼし」の認定を2016年に受けております。

 また、女性活躍推進法による一般事業主行動計画5年間(2021年4月1日~2026年3月31日)の取組みを実施しており、目標達成に向けた女性の積極採用や、管理職育成計画の作成などに取り組んでおります。

「work with Pride」が策定した職場におけるLGBTQなどのセクシャル・マイノリティに関する取り組み評価の指標を定めた「PRIDE 指標」において2020年度はブロンズ認定を、2021年度、2022年度と連続してシルバー認定を取得、更に、2022年度はダイバーシティ&インクルージョンに取組む企業を認定するD&I AWARDにて最上位の認定となるBest Workplace for Diversity & Inclusionを取得しております。今後も認定継続に向けた取組みを行ってまいります。

 

 

 

 

 c.従業員満足

 当社グループは、労使の相互信頼を基盤として、企業の発展と従業員の労働条件の維持・向上を図るため、定期的に労使協議の機会を設け、安定した労使関係の構築に努めております。積極的な事業運営を行い、企業の健全な発展を図るため、事業計画やその他の重要課題について、労使で意見交換を行う労使懇話会を行っております。また、労働時間等設定改善委員会を定期的に開催しており、年間総労働時間目標の設定や有給休暇取得の目標づくり、所定外労働時間削減方法、有給休暇取得に向けた具体策の検討などにも取り組んでおります。

 

 ③リスク管理

 人財の流出、事業に必要なスキルのアンマッチ、社員の士気の低下をリスクと考え、誰もがいきいきと働ける職場環境の整備、社員に成長の機会を提供することで、リスク低減に努めております。研修計画では、イノベーション研修や1on1研修を取り入れ、エンゲージメントを高める機会の創出にも力を入れております。

 

 ④指標及び目標

 ア.人財の育成に関する方針

指標

KPI

2020年度

実績

2021年度

実績

2022年度

実績

2025年度

目標

集計範囲

変革リーダー育成プログラム

累積受講者数

0名

24名

362名

1,040名

連結

 イ.社内環境整備に関する方針

指標

KPI

2020年度

実績

2021年度

実績

2022年度

実績

2025年度

目標

集計範囲

安全品質文化の形成

重大人身事故・

重大設備事故

7

4

4

ゼロを

めざす

エクシオグループ㈱及び主要子会社5社

人財の多様性の尊重

(ダイバーシティ&インクルージョンの推進)

女性管理職の

人数

20名

22名

27名

2020年度比

1.5倍

エクシオグループ㈱

34名

40名

42名

エクシオグループ㈱及び主要子会社5社

女性社員の人数

307名

313名

328名

2020年度比

25%増

エクシオグループ㈱

509名

538名

560名

エクシオグループ㈱及び主要子会社5社

男性社員の育児休暇取得率

7.3%

7.5%

17.5%

20%

エクシオグループ㈱

従業員満足

年間有給休暇

取得率

64.0%

64.5%

76.0%

80%

エクシオグループ㈱

61.3%

62.1%

71.5%

エクシオグループ㈱及び主要子会社5社

主要子会社5社:シーキューブ㈱、西部電気工業㈱、日本電通㈱、大和電設工業㈱、㈱エクシオテック

 

(3)気候変動

 当社グループは、気候変動を含む環境問題への対応を重要な経営課題として認識しています。温室効果ガス排出量の削減をはじめとする環境に優しい経営の実践と共に、再生可能エネルギー事業などを通じて気候変動に関連する社会課題の解決に貢献できるよう積極的に取り組んでいきます。また、2021年12月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに加盟しました。当社グループはTCFDフレームワークに沿った情報開示を進めています。

 

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への対応

 

ガバナンス

 

「(1)サステナビリティ全般」に記載のとおりであります。

戦略

 

当社グループは、気候変動が当社グループの事業に与える影響を、シナリオ分析により把握しています。シナリオについては、1.5℃シナリオ(移行リスク)及び4℃シナリオ(物理リスク)を用いています。

その結果、抽出したリスク項目及び機会項目は、以下の通り(例示)です。

 

リスク項目

機会項目

1.5℃

(移行)

政策・法規制

炭素価格高騰

再エネ関連の需要拡大による事業の拡大、サーキュラー・エコノミーの実現によるリファービッシュビジネスの拡大等

排出規制

評判

顧客の選好変化

4℃

(物理)

急性

気象の激甚化

防災・減災関連ビジネスの拡大等

慢性

気温の上昇

 

リスク管理

 

(1)サステナビリティ全般」に記載のとおりであります。

(補足事項)

①気候変動に関するリスク・機会については、主にサステナビリティ委員会において識別・評価しています。

②国際規格ISO14001に基づいた環境マネジメントシステム及び国際規格ISO45001に基づいた労働安全衛生マネジメントシステムにおいて評価・特定されているリスクとも整合させています。

 

指標と目標

 

(単位:t-CO2)

区分

目標年度

目標内容

2020年度実績

2021年度実績

Scope 1・2

2030年度

温室効果ガス排出量を42%削減(2020年度比)

86,583

79,872

2050年度

カーボンニュートラル

Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼)

Scope2:他社から供給された電気の使用に伴う間接排出

※当社グループが排出している温室効果ガスはCO2(二酸化炭素)

※排出量の集計範囲は連結決算対象会社

 

TCFDへの対応についての詳細は、以下を参照して下さい。

https://www.exeo.co.jp/wp-content/uploads/2023/06/tcfd202306.pdf

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

これら主要なリスクは、当社グループにおいて定期的に洗い出し・評価を行う中で、影響度及び発生頻度を踏まえて優先的に対応すべき事項として記載しております。但し、以下は当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、影響を与える可能性があります。

なお、当社グループのリスク管理体制については、リスク管理に関わる基本事項を定めた「リスク管理規程」を制定し、リスクカテゴリーとそれに対応するリスク管理部門を設定するとともに、全社的リスクマネージャーとして事業リスク管理委員会を設置し、当社グループ全体レベルでのリスクの識別及び評価を行う体制を構築・運用しております。

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グル-プが判断したものであります。

 

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リスク

項目

主なリスク内容

主な対応策等

事業環境

(外部要因)

自然災害等のリスク

 大規模災害等の発生及びそれに伴うライフラインの停止や燃料・資材・人員の不足による工事の中断・遅延、事業所の建物・資機材への損害等の不測の事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、自然災害や新型ウイルスのパンデミック等の発生に備え、人的被害の回避を最優先としつつ事業継続を図るため、各種設備の導入、訓練の実施及び規程・マニュアルの整備等により、リスク回避と被害最小化に努めております。

 また、近年の台風の大型化、集中豪雨、地震の多発などによる自然災害、新型ウイルスなどの新たな脅威の高まりに伴い、当社グループにとっても事業運営への危機管理対応力の強化が不可欠と捉え、2020年4月に危機管理室を設置し、お客様視点に立った安定的で円滑な事業運営に向け、当社グループ提供サービスへの対応をはじめとした各種設備の保守やパンデミックなどによるレピュテーションリスクへの対応をグループトータルで強化しております。

法的規制、法令違反に係るリスク

 当社グループの事業は、建設業法・下請法・独占禁止法・労働安全衛生法・環境関連の法令等、さまざまな法的規制を受けており、法的規制の改廃や新設、適用基準の変更等があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、万一これらの法令等に違反する事態が発生した場合には、当社グループの業績や信用に影響を及ぼす可能性があります。

 近年では特に環境及び働き方改革関連で新たな法規制の制定や法令の改正が増加しており、社内関係部署による法改正等の動向を注視するとともに、事前に法改正に向けた適切な対応方法等を当社グループへ展開することにより、統一的かつ速やかに法令を遵守する体制を構築しております。

 また、自主点検活動である「法令等遵守状況点検」を毎年実施するとともに、内部監査において遵守状況の確認や是正措置を実施しております。

M&A、事業提携のリスク

 当社グループは、今後の業容拡大等においてM&A及び事業提携戦略は重要かつ有効であると認識しております。

 しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した投資効果を得られない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、M&A等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。

 なお、のれんが発生する場合はその償却額を超過する収益力が安定的に確保できることを前提としておりますが、買収後の事業環境や競合状況の変化等により買収当初の事業計画遂行に支障が生じ、計画どおりに進まない場合は当該のれんに係る減損損失等の損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、2030ビジョン及び中期経営計画(2021~2025年度)において、M&Aなどの戦略投資にも積極的に取り組む方針としていることから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。

 M&A及び事業提携を行う場合においては、今後の市場動向や当社グループとのシナジ-、対象企業が有する潜在的リスクの洗い出し等を、外部の弁護士や財務アドバイザー等による調査結果も活用し、これまでの知見・経験を活かした様々な視点から検証し決定しております。

 更に、M&A等実施後においては、M&A等の検討段階での事業計画の進捗状況やシナジ-効果の獲得度合い等、モニタリングを行っております。

 

 

 

 

 

リスク

項目

主なリスク内容

主な対応策等

事業環境

(外部要因)

海外事業の展開のリスク

 当社グループでは、東南アジアを中心とした諸外国で事業を展開しており、政治・経済情勢の急激な変化、為替レートの大きな変動、法的規制の予期せぬ変更、地震・台風など自然災害、感染病・疫病の流行をはじめとした様々なリスクが存在します。

 また、ロシア・ウクライナ情勢の長期化によって生じるリスクの懸念等もあり、原材料価格の上昇やサプライチェーン毀損による影響などに十分注意を要する状況が続いております。

 事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、事業展開が困難になった場合には、中期的なグロ-バル分野での事業領域の拡大に支障が出るなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 現在、アジア地域ではフィリピン、タイ王国、シンガポール、インドネシアに拠点を有していますが、これら海外子会社のオペレーションマネジメントならびに戦略的マネジメントを円滑に遂行する目的で、2018年11月、アジア地域における事業運営統括会社「EXEO GLOBAL」をシンガポールに設立し、現地の情報収集、分析等を通じた管理・モニタリングを行うとともに当社と海外子会社をつなぐ機能を果たしております。

 ソリューション事業が順調に成長するとともに、当期より、中古IT機器を利活用するリファービッシュビジネスの全世界での事業展開を開始しました。

 また、海外事業の成長に対応した内部通報制度の充実を図り、海外で従事する当社グループ従業員向けのグローバル通報窓口を設置しております。

 なお、個々の事業投資等にあたっては、想定されるリスクの洗い出し、対応策の検討を行うとともに、知見・経験が十分でない事項については、外部専門家によるレビュ-を行っております。

 また、外貨建て資産・負債に対する為替レートの変動影響については、完全にヘッジすることはできませんが、為替予約や同一通貨建ての資産・負債を有することによる為替差損益の相殺等により、リスクの軽減を図っております。

気候変動

リスク

 気候変動は、社会の持続可能性に多大な影響を及ぼす緊急性が高い課題の一つです。再生可能エネルギー事業を展開している当社グループにとっては、リスクであると同時に、その課題解決に事業を通じて貢献できるビジネス機会でもあることから、気候変動への対応を経営上の重要課題であると認識しております。

 なお、その対応次第では、以下の主なリスクについて中長期的に当社グループの業績や信用に影響を及ぼす可能性があります。

(1)移行リスク

 当社グループが脱炭素社会への移行やお客様からの気候変動への対応ニーズに対応できないことにより、お客様や投資家等からのネガティブな評価に伴う企業価値の低下及び受注機会の喪失、カーボンプライシング制度等の導入に伴うコストの増加。

(2)物理リスク

 気象の激甚化に伴って発生が想定される水害による建物・施工現場・施設等への被災リスク及び気温上昇による屋外施工現場の健康リスク(熱中症等)の増大、作業効率低下、受注分の引渡し遅延、対策コストの増加。

 移行リスクについては、事業活動における使用電力の再生エネルギー化を積極的に推進して温室効果ガス排出量を削減していくとともに、洋上風力発電等の再生可能エネルギー関連の需要増加に伴う電気工事事業の拡大等にも積極的に取り組んでまいります。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)で推奨される枠組みに沿って情報開示の充実に努めてまいります。

 今後も、気候変動の影響や温室効果ガス排出削減に向けた国の政策や社会の動向を注視しながら、事業を通じた「社会課題の解決」による持続可能な社会と当社グループの「持続的成長」の両立を目指してまいります。

 

 

 

 

 

リスク

項目

主なリスク内容

主な対応策等

事業環境

(外部要因)

資材調達・価格上昇

リスク

 原材料、資材等の調達について 調達先における自然災害による被害、社会不安(戦争、テロ、感染症、地政学的リスク等)、業績悪化等により調達が困難になった場合に、施工がストップして契約工期に影響が出る可能性があります。

 更に、原材料や資材等の価格高騰により、調達価格が著しく上昇し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、米政府による対中制裁やロシア・ウクライナ情勢の長期化など、様々な要因から生じている半導体不足は、その解消が長引いており、通信基地局の資材調達リードタイム長期化に伴う工期延伸等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 半導体不足につきましては、需給状況を注視するとともに、お客様への納期を守る観点から、物品が不足していない範囲の工事を先に行い、物品が揃った時点で完結させるという工事の段取りを丁寧に進めて影響の極小化に努めております。

 また、原材料や資材等の調達価格の上昇については、資材等の早期発注、多様な調達先の確保、価格高騰の場合の条件の契約への盛り込み、工事価格への転嫁等の対策を実施し、リスクの低減に努めております。

特定取引先に対する依存度が高いリスク

 当社グループは情報通信ネットワークの構築・施工を主な事業としていることから、通信キャリア各社との取引比率が高く、この傾向は今後とも継続することが見込まれます。

 したがって、情報通信業界の市況動向や技術革新等により通信キャリア各社の設備投資行動及び設備投資構造が変化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 各通信キャリアから5Gエリア拡大のための無線基地局の設置やモバイルバックホールの構築が進むほか、テレワークの増加やSNSの更なる利用拡大に伴う通信量の増大に対応するため、情報通信分野における設備投資は堅調に推移するものと想定されます。

 また、総務省が2030年代の社会に求められる技術や政策の方向性などを取りまとめた「Beyond 5G推進戦略 ‐6Gへのロードマップ‐」を2020年6月に公表し、この戦略に沿った施策の進捗状況及び今後の取組について整理したプログレスレポートを毎年公表しており(2023年3月にプログレスレポート2022の公表)、今後も益々通信インフラの高度化・技術革新が進展していくものと想定されます。

 通信キャリア事業におきましては、5G展開へ積極的に取り組み収益力強化に努めていくとともに、2021年5月に策定しました「2030ビジョン」の通り、「景気や社会情勢に左右されない強固な経営基盤を構築するため、都市インフラ及びシステムソリューション事業を更に拡大し、2030年度の各セグメントの売上高を同等程度にまで成長させる」ことを目指して事業構造を転換してまいります。

新型コロナウイルス感染症のリスク

 2020年1月下旬から顕在化した新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、特に東南アジア諸国の都市封鎖により、当社グループのグローバル事業は事業活動の停滞を余儀なくされましたが、当社グループ全体の業績に及ぼす影響は限定的となっております。

 しかし、新たな変異株の発現と感染再拡大により新型コロナウイルス感染症の終息時期や将来的な影響を見通すことは困難であり、当社グループの業績への影響については、行政や当局の対応とともに注視・精査が必要です。

 2020年2月に新型コロナウイルス対策本部を立ち上げ、オフィスの殺菌・消毒の徹底、自主PCR検査キットの配備、従業員への行動ルールの周知徹底、時差出勤やテレワークの実施、集合会議やイベントの開催・参加の制限、国内外出張の制限、ワクチンの職域接種を実施し、計3回のワクチン接種をすすめるなど慎重かつ柔軟な事業運営を行っております。

 2023年5月より、国内においては新型コロナウイルス感染症の分類が第5類に引き下げとなりましたが、引き続き、国内外を問わず従業員やその家族及び関係者の生命の安全を第一に考え、政府方針等にも則り慎重かつ柔軟な事業運営に努めてまいります。

 

 

 

 

 

 

リスク

項目

主なリスク内容

主な対応策等

事業基盤

(内的要因)

情報セキュリティに係るリスク

 当社グループは事業運営上、顧客等が保有する技術データ・顧客データ等の重要な情報を取り扱っておりますが、不測の事態により当社グループからこれら重要な情報が流出した場合等、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 情報セキュリティマネジメントシステムを構築・運用しており、情報セキュリティ最高責任者の配置や情報セキュリティ委員会の設置をする等、情報管理に対する重要性を十分認識した体制作りに取り組むとともに、情報セキュリティマネジメントシステムの認証及びプライバシーマークを取得して継続的な改善を図っております。

 また、近年より多様化・巧妙化するサイバーセキュリティ脅威に対して適切かつ迅速な対応を実現すべくEXEO-SIRT(EXEO Security Incident Response Team)を2019年7月に設立するとともに、日本シーサート協議会に2019年12月に加盟し、サイバーセキュリティ脅威へのさらなる対応体制強化に努めております。

 EXEO-SIRTは、セキュリティ・インシデントを前提とする対応チームであり、端末等の守るべき資産におけるサイバー攻撃の検知・防御、ウイルス感染や情報漏洩時の対応支援を実施しております。

 EXEO-SIRTの活動の中で、インシデント発生時の被害極小化を図るとともに、サイバー攻撃の動向や、当社グループや他企業において観測された実事例を展開し、平生から随時注意喚起を行い被害発生の防止にも努めております。

 引き続き、グループトータルでのリスク・マネジメント強化が重要との再認識の下、社内システム・提供システムのセキュリティ維持・向上を図ります。

 また、全従業員を対象にeラーニングによる啓蒙を図り、標的型攻撃メール訓練などを実施し、情報リテラシーの向上にも努めております。

重大な人身・設備事故等のリスク

 当社グループにおいて不測の事態により重大な人身・設備事故を発生させた場合、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生や受注機会の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、「安全・品質の確保」に対する取り組みに万全を期し、管理を強化することで、建設工事現場における人身・設備事故の発生防止に日々努めております。

 2016年から「安全品質文化の原点回帰」をスローガンに、「安全・品質」の重要性を一人ひとりが理解し基本動作を実践できる体制づくりに取り組んできましたが、2021年度からは「安全・品質文化の進化(深化・進展)」を5ヵ年のスローガンとして掲げ、事故撲滅はもちろんのこと、品質向上と付加価値創出の取り組みを強化し、「安全安心で頼られる会社・グループ」を目指してまいります。

 安全におけるリスク低減措置に関しては、危険作業をなくしたり、見直したりして仕事の計画段階からの除去・低減(本質的対策)を第一に、重機等の設備的対策(工学的対策)を優先して進めております。

 さらに、NWカメラ等のICT活用による現場とデスクの意思疎通の効率化・支援の充実、現場の責任者・職長等の人財育成などの管理的対策なども積極的に進めております。

 その他、対話型パトロールの充実により、賞賛事例を積極的に発掘し広めていくことで安全行動を習慣化する施策などにも注力しております。

 また、労働安全衛生マネジメントシステム、品質マネジメントシステムの認証を取得して「安全・品質」の継続的な改善を図っております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

 ① 経営成績の状況

ア. 売上高

 都市インフラ・システムソリューションセグメントにおける事業拡大が順調に進捗したことにより売上高は、前連結会計年度と比べ 327億6千6百万円増加し、6,276億7百万円(前年同期比 105.5%)となりました。

イ. 営業利益

 好採算案件の減少や資材価格の高騰、不採算案件の発生などが重なり、営業利益は、前連結会計年度と比べ 98億2千8百万円減少し、325億5千2百万円(前年同期比 76.8%)となりました。

ウ. 経常利益

 営業利益の減少により、経常利益は、前連結会計年度と比べ 114億4千5百万円減少し、337億7千1百万円(前年同期比 74.7%)となりました。

エ. 親会社株主に帰属する当期純利益

 経常利益の減少により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ 55億3千2百万円減少し、222億3千3百万円(前年同期比 80.1%)となりました。また、自己資本利益率(ROE)は 2.1ポイント減少し、7.3%となり、1株当たり当期純利益(EPS)は 45.66円減少し、204.98円となりました。

 

 なお、当連結会計年度における新型コロナウイルスの流行による影響は、限定的でした。

 また、当連結会計年度におけるセグメント別の概況は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

報告セグメント

通信キャリア

都市インフラ

システム

ソリューション

金額

前年

同期比

金額

前年

同期比

金額

前年

同期比

受注高

(注)2

256,079

88.1%

177,822

122.0%

191,787

120.6%

売上高

(注)2

271,189

93.7%

165,382

109.6%

191,035

123.5%

セグメント利益

17,364

72.8%

10,299

80.6%

4,888

84.9%

(注)1.記載金額は、百万円未満の端数を切り捨てて表示しております。

2.受注高」「売上高については外部顧客への取引高を記載しております

 

 ② 財政状態の状況

資産は、前連結会計年度末と比較して423億2千3百万円増加し、5,779億4千1百万円(前年同期比 107.9%)

となりました。これは主に受取手形・完成工事未収入金等及びのれんの増加によるものであります。

負債は、前連結会計年度末と比較して414億3千4百万円増加し、2,699億9千9百万円(前年同期比 118.1%)

となりました。これは主に長期借入金及び支払手形・工事未払金等の増加によるものであります。

純資産は、前連結会計年度末と比較して8億8千8百万円増加し、3,079億4千1百万円(前年同期比 100.3%)

となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ 35億2千3百万円減少し、502億4百万円となりました。

 各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

ア. 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果獲得した資金は 54億8千3百万円(前期は 264億6百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益及び法人税等の支払いによるものであります。

イ. 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は 133億3千2百万円(前期は 203億8千8百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。

ウ. 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果獲得した資金は 32億9千8百万円(前期は 50億2千3百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の増加及び配当金の支払いによるものであります。

 

 ④ 生産、受注及び販売の実績

 ア. 受注実績

  当連結会計年度のセグメントごとの受注実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 イ. 売上実績

  当連結会計年度のセグメントごとの売上実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 なお、当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。

 また、主な相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

売上高

(百万円)

割合(%)

売上高

(百万円)

割合(%)

西日本電信電話株式会社

84,829

14.3

82,183

13.1

東日本電信電話株式会社

87,633

14.7

78,024

12.4

株式会社NTTドコモ

47,414

8.0

39,278

6.3

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ① 当連結会計年度の財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に起因した社会経済活動の制限が緩和され、景気は緩やかな持ち直しの傾向が見られました。一方で、ウクライナ紛争が長期化するとともに世界的な金融引締めが続き、電気料金をはじめとするエネルギー価格の高騰と物価の上昇によるインフレ懸念、半導体をはじめとするサプライチェーンの動向など、景気を下押しするリスクにも引き続き注意を要し、先行きは未だ不透明な状況が続いています。

当社の事業領域である情報通信分野については、社会全体のデジタル化進展に伴い、あらゆる社会経済活動を支える最も基幹的なインフラとしての安定的なサービス提供が求められており、トラヒックの増加に対応したネットワークの強靭化は重要な課題となっています。また、地域の社会課題を解決するためのデジタル化推進など今後もデータ需要が高まるのは確実であり、大量のデータを蓄積・処理するデータセンターの重要性も増大しております。

建設分野については、資材価格の高騰が続いているものの、民間設備投資は持ち直しつつあり、道路等の設備の更新・維持に向けた公共投資も底堅く推移していく見通しです。さらに、エネルギー関連事業においては、脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギー拡大に向け、蓄電池や送配電インフラ等の関連投資が今後加速すると想定されます。

このような事業環境のなか、当社グループは、引き続き新型コロナウイルスの感染防止に努めながら、社内のテレワーク環境を最大限に活用した慎重かつ柔軟な事業運営を行ってまいりました。通信キャリア事業におきましては、NCC各社を含むモバイル分野については、各通信キャリアの設備投資抑制の動きが見られるとともに物品納品遅延も一部で発生しておりますが、柔軟な施工体制による工事完成に努めてまいりました。一方、アクセス分野については、高度無線環境整備推進事業は終了したものの堅調に推移した状況です。都市インフラ事業におきましては、大規模データセンター構築や新築ビル等の電気工事の受注などが引き続き好調に推移しており、太陽光発電設備工事やごみ処理プラント等の維持管理案件も継続して受注しております。また、今後の事業拡大に向けて取り組みを進めている電力線技術者の育成も着実に進展しております。システムソリューション事業におきましては、当社グループが強みを持つお客様に対して引き続き積極的な営業活動を展開するとともに、上流から下流までの一気通貫でのサービス提供を行うため、子会社を含めた事業再編を実施し、効率的かつ積極的な事業運営を推進してまいりました。また、グローバル分野については、デジタル貿易プラットフォームをはじめとするソリューション事業が順調に成長するとともに、中古IT機器を利活用するリファービッシュビジネスを全世界で展開し、インドネシアの屋内通信インフラシェアリング事業においては更なる基地局の取得を行い、同国においてサイトシェア数が最大規模のリーディングカンパニーとなりました。

当社グループは、2022年5月、社会の中で果たすべき役割・存在意義を表す“志”としてのパーパス『“つなぐ力”で創れ、未来の“あたりまえ”を。』を制定しました。グループ内の技術をつなぎ、グループ会社やお客様、パートナー企業の人をつないで、当社グループだけでは成しえない価値を創り上げていきたい、という想いを込めています。このパーパスの下に持続的成長に挑戦し続け、「2030ビジョン」及び「中期経営計画(2021~2025年度)」の達成に向け取り組みを進めてまいります。

なお、当連結会計年度におけるセグメント別の概況は、次のとおりであります。

 

(通信キャリア事業の概況)

 通信キャリア事業におきましては、アクセス分野・ネットワーク分野では光回線工事等が順調に推移しました。

NCC各社を含むモバイル分野では、PHS等古い設備の撤去の取り組みも一部始まっているものの、モバイルキャリア事

業者の投資の抑制により弱含みの状況が続いており、手持ち工事の消化と効率的な業務運営に努めております。

 なお、2022年10月に開催された「第46回技能五輪国際大会」において、情報ネットワーク施工職種で当社の海老原

社員が当社として通算6個目となる金メダルを獲得したことに続き、2022年11月、光通信設備工事における若手社員

育成の功績が認められ、厚生労働省による令和4年度卓越した技能者(通称「現代の名工」)として、当社の中山社

員が表彰されました。当社グループは、今後もさらなる技術力の強化・向上並びに優秀な技術者の育成を押し進め、

社会に貢献してまいります。

 

(都市インフラ事業の概況)

 都市インフラ事業におきましては、大規模データセンターに関する引き合いが強く、その他の大型ビルの案件も含

め電気工事が好調に推移しました。また、高速道路トンネルの通信線路工事等道路インフラ工事も堅調に推移しまし

た。

 再生可能エネルギーの普及への取り組みとして、東急不動産株式会社様を含む12社と営農型の太陽光発電施設「ソ

ーラーシェア」の実証実験を開始しました。ソーラーシェアは太陽光発電施設を設置した地面を農地として活用する

もので、効率的な開発及び運営の手法の研究や、最適な発電量を確保するための検証、そして作物の生育データの収

集・分析を通した収穫高や栽培品質に影響の少ない営農の実証などを行っております。

 

(システムソリューション事業の概況)

 システムソリューション事業におきましては、システム開発・運用保守における中核会社2社を中心に、上位コン

サルから保守運用までワンストップでのサービス提供を行うことで更なる収益向上を目指す取り組みを続けておりま

す。また、地方自治体におけるデジタル化やシステム最適化事業に積極的に営業活動を行うとともに、文教系のお客

様に対しても引き続きアプローチを続けてまいりました。グローバル分野におきましては、物価高騰や納期遅延等に

よる影響はあるものの、概ね順調に事業を展開いたしました。リカーリングビジネスの強化に向けて国内外における

リファービッシュビジネスの拡大に取り組んでおり、2022年5月に、Procurri Corporation Limited 、2023年1月

にTelistar Solutions Pte. Ltd.をグループ会社化しました。

 

 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

ア.キャッシュ・フローの状況の分析

当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

イ.資金需要の動向

当社グループの資金需要は、経常的な運転資金のほか、DXをはじめとした成長基盤構築のための設備投資資金、事業拡大を目的としたM&A等の投資資金であります。

また、株主還元については、積極的かつ安定的な配当を継続していくことを基本方針としており、連結自己資本配当率(DOE)4.0%を目途に配当を実施するとともに、自社株式の取得についても機動的に実施いたします。

ウ.資金調達の方法

当社グループの資金調達の源泉は主に営業活動によって獲得したキャッシュでありますが、不足が生じた場合は、健全な財務体質の維持を考慮しつつ、負債を中心とした資金調達を実施しております。一時的な資金不足に対しては、金融機関からの短期借入により調達し、投資等の長期的な資金需要が生じた場合は、サステナブルファイナンスを主に検討し、対応しております。

また、グループ会社の資金は当社において一元管理しており、当社グループ内の資金効率化、および流動化を図っております。

 

 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える可能性がある事象につきましては、「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

(4)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、品質・安全性・生産性の向上や成長事業の拡大などに関する技術開発・支援に取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発費の総額は、624百万円であります。

なお、各セグメントごとの研究開発費は次の通りであります。

通信キャリア事業では、主に情報通信工事における新工法及び工具の研究開発に取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発費の金額は54百万円であります。

都市インフラ事業では、主に木質バイオマスガス化実証試験に取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発費の金額は187百万円であります。

システムソリューション事業では、主に近未来視点での「新たなビジネスモデル創出」と「チャレンジする企業文化や人材を育むこと」を目的としたイノベーション活動に取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発費の金額は382百万円であります。