当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「技術力を培う 豊かさを求める 社会に貢献する」という企業理念のもと、株主をはじめとするすべてのステークホルダーから信頼される誠実で透明性の高い経営の実現を目指しております。
このような基本方針のもと企業行動規範を制定し、コンプライアンス・プログラムを実施するとともに、内部監査制度の充実、IR活動の強化や適切な社内組織の見直し等により業務の有効性・効率性を確保してまいります。
また、情報通信ネットワークの構築をはじめとした多彩なエンジニアリング及びソリューションを提供することにより、豊かな生活環境を創り出す企業集団として社会に貢献してまいりたいと考えております。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の当社を取り巻く経営環境につきましては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、景気の緩やかな回復が引き続き期待される一方で、物価上昇の継続による個人消費に及ぼす影響や各国の通商政策による影響など、景気を下押しする要因に注意が必要な状況が続いています。生成AIの普及に伴い、高速・大容量な通信インフラの重要性は益々高まるものと考えられ、トラヒックの増加に対応するための各通信キャリアによる無線基地局の設置や通信品質向上に向けた投資は今後も継続すると想定されます。情報通信分野における設備投資は今後も堅調に推移し、生活スタイルの多様化に関連するソリューションも益々拡大していくものと思われます。また、建設分野におきましても、情報社会の基盤であるデータセンターの建設や社会インフラ整備等の公共投資は堅調に推移するものと想定され、再生可能エネルギーに関する投資も加速していくとみられます。
このような経営環境のなか、当社グループは中長期的な企業価値向上を目指し、通信キャリア事業におきましては子会社再編やアクセス・モバイル一体での事業運営を通じて収益性・生産性向上に努め、成長事業に位置付ける都市インフラ事業におきましては、引き続き、データセンターや社会インフラ構築など大型工事の展開を行うとともに、選別受注を強化するなど収益性の向上に努め、再生可能エネルギーを始めとする領域の拡大に向けた人財の育成にも取り組んでまいります。システムソリューション事業におきましては、高付加価値事業への挑戦を行い、上流のコンサルティングから開発、保守運用までのトータルソリューションの提供を行ってまいります。また、グローバル分野におきましては、インフラシェアリングなどの事業への成長に資する投資は継続する一方で、事業の取捨選択を含めた構造改革を推し進め、利益創出を目指してまいります。
このような取り組みを通じ、「2030ビジョン」及び「中期経営計画(2021~2025年度)」の達成のため、経営基盤の強化に努めるとともに、資本効率の向上を意識しながら持続的成長と企業価値向上に挑戦してまいります。
なお、2025年4月9日に発動された米国の相互関税等一連の関税措置に関しては、現時点において業績への影響は限定的であると想定しておりますが、状況が目まぐるしく変化し先行きが不透明であることから、景気の悪化やサプライチェーンの混乱、お客様の設備投資抑制など間接的な影響が発生する可能性も含めて注視しながら事業運営を行ってまいります。
(3)目標とする経営指標
①2030ビジョン
“Engineering for Fusion”~社会を繋ぐエンジニアリングをすべての未来へ~
これからの社会では、人、モノ、情報、インフラすべてがセンサーやネットワークを介して繋がり、それを実現するためのエンジニアリングは多様な技術の融合が求められています。
当社グループでは新技術への対応やオープンイノベーションにより深化させたエンジニアリング力の融合を通じて、情報通信基盤に留まらず、あらゆる社会インフラにソリューションを展開し、日本はもとよりグローバルレベルで未来の社会課題の解決に貢献することを目指します。
②中期経営計画(2021~2025年度)
2030ビジョンの実現に向けた当面5年間の戦略及び業績目標を掲げた中期経営計画は、2025年度業績目標として連結売上高 6,300億円、営業利益 470億円(営業利益率 7.5%)、ROE 9.0%以上、EPS 140円以上(株式分割考慮後)の達成を目指してまいりました。
③中期経営計画と2025年度計画
中期経営計画の最終年度である2025年度の単年度計画は、売上高 7,100億円、営業利益 470億円(営業利益率 6.6%) ROE 9.2%、EPS 146円としております。売上高は2024年度に1年前倒しで中期経営計画を達成しており、2025年度は利益面での中期経営計画達成をめざすこととして取り組みを開始しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
エクシオグループは、2021年5月に公表した「2030ビジョン」において、2030年にめざす4つの社会(「カーボンニュートラルな社会」「健康で生き生きと暮らせるスマート社会」「グローバルで多様性を享受する社会」「貧困・格差が解消される社会」)を定義し、社会課題の解決を普遍的な使命として、日本はもとよりグローバル社会から必要とされる企業グループであり続けることを宣言しています。「ESG経営の実践」を3つの挑戦の一つとして掲げ、企業価値の向上とともに、サステナブルな社会の実現に向けた貢献を目指していきます。
①ガバナンス
ア.サステナビリティ推進体制
エクシオグループは、2030ビジョンで掲げた挑戦のうち、「ESG経営の実践」に係る取り組みとして、2022年度にCSR委員会をサステナビリティ委員会に改編いたしました。
これまでは社会貢献活動などを主に議論しておりましたが、気候変動対策を含めたサステナビリティに重点を置いた議論をしております。サステナビリティ委員会は代表取締役社長を委員長とし、経営会議の諮問機関という位置づけで、運営要領において、「当社グループの経営戦略の一環として、サステナビリティに関する方向性、重要課題、目標設定、情報開示等について審議及び取り組み状況のモニタリングを行う」と目的を定めております。当委員会は、原則年2回開催し、経営会議及び取締役会に対して方針及び取組結果について審議・報告を実施しております。
また、同じく2022年度に、気候変動対策を主としたサステナビリティに関する専任組織としての総務部にサステナビリティ推進室を設置しております。総務部サステナビリティ推進室は、サステナビリティ委員会の事務局を担うとともに、気候変動・人権・自然資本を主とした各種サステナビリティ施策について、グループ各社と連携しエクシオグループ全体の目標設定と進捗管理をする役割を担っています。
イ.マテリアリティの特定
当社グループでは、「2030ビジョン」の達成に向けて、 当社が重点的に取り組むべき課題(マテリアリティ)の特定を行っております。
特定にあたって、まずは、GRIスタンダードなどの国際的な枠組みを参照し、社会課題を抽出。次に、グループ社員が参加してスコアリングやワークショップを実施し、「ステークホルダーにとっての重要度」「自社にとっての重要度」の2軸で重要度を評価しました。
これをベースに作成した候補案をもとに、外部有識者や社外取締役・監査役にヒアリングを行い、そこで頂いた意見を反映し、最終案を作成。経営会議及び取締役会の検討を経て、2023年5月19日に正式決定いたしました。
プロセス
マテリアリティマトリックス
当社グループのマテリアリティは大きく4つ、さらに17のサブマテリアリティで構成されており、事業活動を通じてそれぞれの課題を解決していくことで持続的な成長を図っていきます。また、今回特定したマテリアリティについては定期的に見直すことにより、社会の変化にも柔軟に対応してまいります。
エクシオグループのマテリアリティ
②戦略、指標及び目標
当社グループでは気候関連リスク・機会を管理するに当たり、以下の指標と目標を設定しています。
|
ESG目標 |
KPI |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
2024年度 実績 |
2025年度 目標 |
集計範囲 |
|
E:環境 |
||||||
|
再生可能エネルギーの利用拡大を通じた気候変動への貢献 |
再生可能エネルギー由来の電力購入 |
73.2% |
77.8% |
94.5% |
100% |
エクシオグループ㈱の自社管理拠点 |
|
サプライチェーンを含む温室効果ガスの削減 (脱炭素への取り組み、グリーン製品活用) |
EVなど低公害車導入率 |
96.1% |
96.7% |
96.8% |
100% |
エクシオグループ㈱の一般車両 |
|
CO2排出量 (Scope1・2) |
「(4)気候変動」参照 |
|||||
|
グリーン製品利用率 |
78.0% |
82.1% |
88.0% |
前年度水準以上 |
エクシオ グループ㈱ |
|
|
循環型社会への貢献 |
産業廃棄物最終処分率 |
3.2% |
3.3% |
2.7% |
2020年度 (5.6%)比50%減 |
エクシオ グループ㈱ |
|
S:社会 |
||||||
|
安全品質文化の形成 |
重大人身事故・重大設備事故 |
「(2)人的資本・多様性」参照 |
||||
|
人財の多様性の尊重 (ダイバーシティ&インクルージョンの推進) |
女性管理職の人数 |
|||||
|
女性社員の人数 |
||||||
|
男性社員の育児休暇取得率 |
||||||
|
従業員満足 |
年間有給休暇取得率 |
|||||
|
人権の尊重 |
研修・eラーニングの実施 |
「(3)人権の尊重」参照 |
||||
|
G:ガバナンス |
||||||
|
コンプライアンス・リスクマネジメントの徹底 |
重大な法令違反 |
0 |
0 |
0 |
ゼロをめざす |
連結 |
|
重大な情報セキュリティ事故 |
0 |
0 |
0 |
ゼロをめざす |
連結 |
|
|
重大な事業リスクを伴う事案のリスク評価実施率 |
100% |
100% |
100% |
100% |
連結 |
|
|
コーポレート・ガバナンスの充実 |
取締役会・監査役会の多様性確保(社外役員数) |
取締役 11名中4名 監査役 5名中3名 |
取締役 13名中5名 監査役 5名中3名 |
取締役 13名中5名 監査役 5名中3名 |
社外取締役1/3以上 社外監査役1/2超 |
エクシオ グループ㈱ |
③リスク管理
当社グループは、社会課題の解決を事業の根幹に置いており、サステナビリティの推進が事業機会の拡大にも寄与すると考えております。事業価値を創造・維持・実現する過程において戦略と事業目標を達成するためのリスク管理体制を整備し、リスクを許容可能な量に管理できるとの合理的な期待を当社グループのステークホルダーに確実に提供しております。
具体的には、リスク管理に関わる基本事項を定めた「リスク管理規程」を制定し、リスクカテゴリーとそれに対応するリスク管理部門を設定し、リスクの識別及び評価を行うとともに、全社的リスクマネージャーとして事業リスク管理委員会を設置し、当社グループ全体レベルでの各種リスクの管理を行う体制を構築・運用しており、サステナビリティに関わるリスクについてもこの体制の下で管理しております。
当社が認識する事業等のリスクについては、
(2)人的資本・多様性
全社方針として掲げる「中期経営計画」及び「2030ビジョン」の実現に向け、「人財第一主義」をモットーに、人権の尊重、公正な評価と処遇、並びに人財育成とプロフェッショナリズムの徹底を通じて、従業員と会社の双方にとっての持続的な豊かさの実現を目指しております。また、誰もがいきいきと働き、その能力を最大限に発揮できる職場環境の整備が、当社の持続的成長に不可欠であると認識しており、働き方改革の推進に加え、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の観点からも多様性を尊重した組織づくりに取り組んでおります。
①ガバナンス
経営会議及び取締役会において、要員計画や研修計画等、特に重要な案件については、経営会議における議論を経て承認された上で、各部門が計画に基づき遂行しております。個別案件の承認については、社内の責任権限規定に則り、適切に実施しております。また、各施策の実施状況や成果については、定期的に取締役会へ報告を行い、経営の透明性とガバナンスの強化に努めております。
②戦略
ア.人財の育成に関する方針
急速な技術革新や市場環境の変化に柔軟に対応できる人財の育成を目的として、新入社員研修、階層別研修、専門分野研修、変革リーダー育成プログラム、風土変革プログラム など、多様な研修を実施しております。また、eラーニング、資格取得奨励制度、通信教育制度などの自己啓発支援に加え、1on1ミーティングを通じた上司との対話や、全社員によるキャリア開発計画(CDP)の策定を通じて、自律的な成長機会の提供にも注力しております。さらに、グローバル人財の育成強化を目的として、当社グループの海外拠点への約1年間の派遣を実施しており、2024年度末時点で累計15名を派遣いたしました。
a.技術力
当社の技術力は企業ブランドの中核と位置づけており、エンジニアリング技術者やIT・DX人財の育成に向けて、戦略的かつ積極的に取り組んでおります。現場の安全を担うリーダーに求められる安全管理・品質管理技術の習得支援に加え、技術士等の上級国家資格取得を目指した高度な専門技術の育成や生成AI、仮想化クラウド、ネットワーク・サーバ、プログラミングなど、ICT分野における先端技術の習得を推進し、IT・DX人財強化を図っております。
また、事業領域の拡大や事業構造の転換に対応するため、社員のマルチスキル化及びリスキリングを目的とした各種研修を実施し、技術力の向上、社員のモチベーション維持・向上に努めてまいります。
さらに、施工技術の維持及び向上を目的として、2年に一度行われる技能五輪国際大会において「情報ネットワーク施工」職種に継続参加しており、これまで同職種で6回の金メダルを獲得するなど、当社の高い技術力を国内外に示してまいりました。今後も技術力の強化と優秀な技術者育成に努め、社会への貢献を果たしてまいります。
b.変革リーダー育成プログラム
VUCA(注)の時代において、市場環境及び事業環境の急速な変化に対応するため、「会社を変革させるリーダー」の育成を重要な経営課題と位置づけております。この方針のもと、2025年度を目標に、各事業セグメントにおいて事業を牽引する人財の育成を目的とした「変革リーダー育成プログラム」を導入いたしました。本プログラムを通じて、変化に柔軟に対応し、持続的な成長を実現するためのリーダーシップを備えた人財の育成を推進してまいります。
なお、本施策に関する指標及び目標については、「
(注)VUCAとは、「Volatility(不安定性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字をつなげた、予測不能な時代を表す言葉です。
イ.社内環境整備に関する方針
a.安全品質文化の形成
建設工事に携わる企業として、「安全」はすべてに優先すべき最重要事項であると認識しております。この認識のもと、従業員及び協力会社を含むすべての関係者が、安全を最優先に行動する企業文化の醸成に継続的に取り組んでおります。具体的な取り組み内容につきましては、「
b.人財の多様性の尊重
当社グループは、ダイバーシティの推進を全社的な取り組みとして位置づけており、2016年には厚生労働大臣より女性活躍推進に関する「えるぼし」認定を取得しております。また、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(2021年4月1日~2026年3月31日)に基づき、女性の積極的な採用及び管理職候補の育成計画の策定など、目標達成に向けた具体的な施策を推進しております。
さらに、LGBTQ等のセクシュアル・マイノリティに関する職場での取り組みを評価する「PRIDE指標」(work with Pride策定)において、2020年度にブロンズ認定を、2021年度から2024年度までの4年連続でシルバー認定を取得しております。加えて、ダイバーシティ&インクルージョンに積極的に取り組む企業を評価する「D&I AWARD」においても、2021年度から2024年度まで4年連続で、最上位認定である「Best Workplace for Diversity & Inclusion」を取得しております。今後も、これらの認定の継続取得を目指し、ダイバーシティ&インクルージョンのさらなる推進に取り組んでまいります。
c.従業員満足
当社グループは、労使の相互信頼を基盤として、企業の発展と従業員の労働条件の維持・向上を図るため、定期的に労使協議の機会を設け、安定した労使関係の構築に努めております。積極的な事業運営を行い、企業の健全な発展を図るため、事業計画やその他の重要課題について、労使で意見交換を行う労使懇話会を行っております。また、労働時間等設定改善委員会を定期的に開催しており、年間総労働時間目標の設定や有給休暇取得の目標づくり、所定外労働時間削減方法、有給休暇取得に向けた具体策の検討などにも取り組んでおります。さらに、働く事への意識及び総合満足度を調査し影響を与える要因の分析を行うとともに、今後の施策等への活用を図ることを目的に年に1回エンゲージメントの調査として「働く意識アンケート」を実施し、エンゲージメント向上につながる施策の検討等に活用をしております。
d.健康経営の推進
当社グループの業務に従事するすべての従業員及び家族の健康は、当社にとって大切な「財産」であると考え、すべての従業員の健康を大切にし、一人ひとりが心と身体の健康を自ら考えて行動できる環境づくりをめざします。また、従業員がそれぞれの力を十分に発揮し、「働きがい」と「働きやすさ」をバランスよく実現できる制度・風土づくりを健康の面からも推進していくことで、組織の活性化・生産性向上につなげます。その実現に向け、2024年4月「エクシオグループ健康経営宣言」及び「エクシオグループ健康経営基本方針」を制定し、従業員とその家族の健康維持・増進に向けて活動を推進しており、2025年3月に「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されました。
③リスク管理
④指標及び目標
ア.人財の育成に関する方針
|
指標 |
KPI |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
2024年度 実績 |
目標 |
集計範囲 |
|
|
累積受講者数 |
362名 |
589名 |
|
|
連結 |
イ.社内環境整備に関する方針
|
指標 |
KPI |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
2024年度 実績 |
目標 |
集計範囲 |
備考 |
|
安全品質文化の形成 |
重大人身事故・ 重大設備事故 |
4 |
2 |
|
ゼロを めざす |
エクシオグループ㈱及び主要子会社5社* |
|
|
人財の多様性の尊重 (ダイバーシティ&インクルージョンの推進) |
(注)1 (注)2 |
27名 |
35名 |
|
2020年度比1.5倍 |
エクシオグループ㈱ |
20年度実績 20名 |
|
- |
- |
141名 |
- |
国内連結グループ会社 |
|
||
|
(注)2 |
328名 |
343名 |
|
2020年度比25%増 |
エクシオグループ㈱ |
20年度実績 307名 |
|
|
- |
- |
2,716名 |
- |
国内連結グループ会社 |
|
||
|
(注)3 |
17.5% |
32.9% |
|
|
エクシオグループ㈱ |
|
|
|
- |
- |
40.7% |
- |
国内連結グループ会社 |
|||
|
従業員満足 |
|
76.0% |
78.8% |
|
|
エクシオグループ㈱ |
|
|
- |
- |
66.9% |
- |
国内連結グループ会社 |
|
||
|
エンゲージメント調査による総合満足度(注)4 |
- |
- |
84.6% |
- |
エクシオグループ㈱ |
|
|
|
- |
- |
78.8% |
- |
国内連結グループ会社 |
|
*主要子会社5社:シーキューブ㈱、西部電気工業㈱、日本電通㈱、大和電設工業㈱、㈱エクシオテック
(注)1.2023年度女性管理職には執行役員含む。
2.女性社員・女性管理職共に、雇用会社としての集計(出出向含む)。
3.男性社員の育児休業取得率は、対象に契約社員を含む。
4.総合満足度を問う4択の質問に対して「そう思う」「まあそう思う」と回答をした割合。
(3)人権の尊重
当社グループは、あらゆる事業活動の場において、人権を尊重することが企業にとって重要な社会的責任であると認識し、その責任を果たすことで、持続可能な社会の実現に貢献します。
こうした人権尊重の取り組みを推進するため、
本方針に基づく、国際基準に沿った人権デュー・ディリジェンス・救済メカニズムによる人権侵害リスクの防止・軽減等に取り組み、人権に配慮した経営に努めています。
|
ガバナンス
|
|
|||||||||||||
|
戦略 |
人権尊重の社会的責任を果たすべく、以下のとおりグループ全体で人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、定期的かつ継続的に実施しています。
|
|||||||||||||
|
リスク管理 |
当社グループは、優先的に対処すべき人権課題を特定し、これら人権への負の影響の防止・軽減に取り組んでいます。
|
|||||||||||||
|
指標と目標 |
|
(4)気候変動(TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への対応)
当社グループは、気候変動を含む環境問題への対応を重要な経営課題として認識しています。温室効果ガス排出量の削減をはじめとする環境に優しい経営の実践と共に、再生可能エネルギー事業などを通じて気候変動に関連する社会課題の解決に貢献できるよう積極的に取り組んでいきます。また、2021年12月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに加盟しました。当社グループはTCFDフレームワークに沿った情報開示を進めています。
TCFDへの対応についての詳細は、以下を参照してください。
https://www.exeo.co.jp/wp-content/uploads/2025/06/tcfd202506.pdf
|
ガバナンス
|
|
|||||||||
|
戦略 |
当社グループは、気候変動が当社グループの事業に与える影響を、1.5℃シナリオ(移行リスク)及び4℃シナリオ(物理的リスク)を用い、以下のステップに沿ってシナリオ分析を実施しています。
その結果、抽出したリスク及び機会項目は、以下のとおりです。
注1 影響時期:短期は3年以内、中期は3年超~10年以内、長期は10年超 で期間設定 注2 影響度 :2030年度・2050年度時点での事業活動に与える財務的影響度(利益)、 一定条件下での試算値 影響金額のスケールは、大:100億円以上、中:10~100億円未満、小:10億円未満、 -表示は影響無し、空欄は算定困難 |
|||||||||
|
リスク管理 |
補足事項 ① 気候変動に関するリスク・機会については、定期的に識別・評価しています。 ② 国際規格ISO14001に基づいた環境マネジメントシステム及び国際規格ISO45001に基づいた労働安全衛生マネジメントシステムにおいて評価・特定されているリスクとも整合させています。 |
|||||||||
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指標と目標 |
<温室効果ガス排出量の推移>
注1 当社グループが排出している温室効果ガスはCO2(二酸化炭素) 注2 排出量の集計範囲は連結決算対象会社 注3 実績値については、株式会社サステナビリティ会計事務所による独立第三者の保証報告書を取得 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
これら主要なリスクは、2023年5月に発表した「マテリアリティ」(企業グループとして優先的に取り組むべき重要課題)とも紐づけ、当社グループにおいて定期的に洗い出し・評価を行う中で、影響度及び発生頻度を踏まえて優先的に対応すべき事項として記載しております。ただし、以下は当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、影響を与える可能性があります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)評価のプロセス
当社グループのリスク評価は、事業活動や経営計画等の自社固有のリスクのみならず、社会情勢や近年関心が高まっている社会課題を認識した評価や見直しを行います。
あらゆる可能性からリスク項目を定期的に洗い出し・評価を行い「影響度」と「発生可能性」の2軸で優先的に対応すべき事項を整理し、リスクヒートマップで図示します。
それぞれのリスク管理及びモニタリングは、リスク項目毎に各々対応した支援機能部門により実施し、重大なリスクとして評価された事象については事業リスク管理委員会へ報告され、当社グループのリスク管理体制のもと、リスク低減や改善に向けた具体的な取組を行います。
(2)リスク管理体制
当社グループのリスク管理体制については、リスク管理に関わる基本事項を定めた「リスク管理規程」を制定し、リスクカテゴリーとそれに対応するリスク管理部門を設定するとともに、全社的リスクマネージャーとして事業リスク管理委員会を設置し、当社グループ全体レベルでのリスクの識別及び評価を行う体制を構築・事業の継続を可能とするためのBCPの策定などを行い運用しております。
また、事業に重大な影響を及ぼす恐れのある「危機」が発生した場合は危機管理委員会を設置するなど、想定以上のリスクが顕在化した際の損失を最小とするクライシスマネジメント体制を整えております。
用語の説明
|
内部統制委員会 |
「内部統制システム基本方針」に基づき、法令の遵守、業務の有効性・効率性、財務報告の信頼性の確保を図るための実施体制等を整備するとともに、当該内部統制システム運用状況の全体把握と評価等を行う内部統制委員会(委員長:代表取締役社長)を設置しております。 |
|
事業リスク管理委員会 |
第1線リスクマネージャーである本社組織の長、支店長及び子会社社長(以下、事業リスクマネージャーという)による戦略・事業目標の策定及びその実践とパフォーマンスが、当社グループのミッション・ビジョン及びコアバリューと整合していることを確認するとともに、その戦略・事業目標が選択されたことによるリスクが当社グループに与える全社的影響を管理する全社的リスクマネージャーです。 |
|
事業リスクマネージャー (第1線リスクマネージャー) |
第1線リスクマネージャーとして、当社グループのミッション・ビジョン・コアバリューと整合した戦略を策定するとともに、各支援機能部門から示されたリスク対応方針等に沿って各組織環境に応じた具体的対応策としての実施計画を策定し対策実行の進捗管理を行っています。 |
|
支援機能部門 (第2線リスクマネージャー) |
第2線リスクマネージャーとして、当該リスクカテゴリーについて、当社グループにおけるリスク対応指針を提供するとともに、リスク対応の適切性と有効性及び是正状況のモニタリングを行っています。 |
|
内部監査部門 (第3線リスクマネージャー) |
第3線リスクマネージャーとして、独立した立場で第1線・第2線リスクマネージャーのパフォーマンスや実施プロセス、整備したリスク管理・コンプライアンス体制等の適切性・有効性を評価し、必要に応じた情報を提供するとともに改善勧告を行っています。 |
|
リスク項目 |
リスク評価 |
リスク内容 |
対応策 |
|
|
① |
自然災害の発生 (感染症のまん延を含む) |
影響度 「大」
発生可能性 「高」
前期比較 → |
大規模災害等の発生や感染症のパンデミック発生、及びそれらに伴うライフラインの停止や燃料・資材・人員の不足による工事の中断・遅延、事業所の建物・資機材への損害等の不測の事態が発生した場合、当社グループの業績や事業継続計画(BCP)に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、自然災害や感染症のパンデミック等の発生に備え、人的被害の回避を最優先としつつ事業継続を図るため、訓練の実施及び規程・マニュアルの整備、時差出勤やテレワーク制度の導入、インフルエンザワクチンの職域接種の実施等により、リスク回避と被害最小化に努めております。 また、近年の台風の大型化、集中豪雨、地震の多発などによる自然災害、新型ウイルスなどの新たな脅威の高まりに伴い、当社グループにとっても事業運営への危機管理対応力の強化が不可欠と捉え、2020年4月に危機管理室を設置し、お客様視点に立った安定的で円滑な事業運営に向け、当社グループ提供サービスへの対応をはじめとした各種設備の保守やパンデミックなどによるレピュテーションリスク及び災害等発生時に予め定めた役割のもと必要最低限のビジネスオペレーションを実施する対応をグループトータルで強化しております。 |
|
リスク項目 |
リスク評価 |
リスク内容 |
対応策 |
|
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② |
情報セキュリティ事故の発生 |
影響度 「大」
発生可能性 「高」
前期比較 → |
当社グループは事業運営上、顧客等が保有する技術データ・顧客データ等の重要な情報を取り扱っておりますが、パソコンやスマートフォン等の紛失・盗難や誤操作、不正アクセスによる情報流出、更にはコンピューターウイルスの感染や社外からのサイバー攻撃等、不測の事態をきっかけに重要な情報が流出したり、システム運用が継続できなくなった場合は、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
情報セキュリティマネジメントシステムを構築・運用しており、情報セキュリティ最高責任者の配置や情報セキュリティ委員会の設置に加え、2025年1月にサイバーセキュリティ統括部を新設し、情報セキュリティに関するガバナンス強化のための更なる体制作りに取り組んでおります。また、従来からの情報セキュリティマネジメントシステムの認証及びプライバシーマークの取得活動を通じ、情報管理に対する重要性を十分認識した継続的な改善を図っております。 一方、セキュリティ技術面では、EXEO-SIRT(EXEO Security Incident Response Team、CSIRT/SOC)が一元的な監視・運用の役割の下、情報や端末等の守るべき資産におけるサイバー攻撃の検知・防御、ウイルス感染や情報漏洩時の対応支援を通じ、インシデント発生時の被害極小化を図り、安心・安全の確保に努めております。 引き続き、グループトータルでのリスクマネジメント強化が重要との再認識の下、社内システム・お客様提供システムのセキュリティ維持・向上を図ります。 さらに、全従業員を対象にeラーニングによる啓発や、標的型攻撃メール訓練、セキュリティ意識向上勉強会などを実施し、サイバー攻撃の動向や当社グループ並びに他企業において観測された実事例を展開し、平生から随時注意喚起を行い被害発生の防止や情報リテラシーの向上にも努めております。 |
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リスク項目 |
リスク評価 |
リスク内容 |
対応策 |
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③ |
資材・原材料等の調達価格の高騰 |
影響度 「大」
発生可能性 「高」
前期比較 → |
資材や原材料等の調達について、調達先における自然災害による被害、社会不安(戦争、テロ、感染症、地政学的リスク等)、業績悪化等により調達が困難になった場合に、施工がストップして契約工期に影響が出る可能性があります。 また、調達価格の著しい高騰だけでなく、燃料費や物流コスト、更には労務費や外注費の上昇は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 さらに、米政府による関税措置の動向やロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東紛争の激化など、様々な要因から生じている半導体不足は、一時期より落ち着きを見せているものの、その解消が長引いており、通信基地局の資材調達リードタイム長期化に伴う工期延伸等により、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
資材や原材料等の調達価格の上昇については、資材等の早期発注、多様な調達先の確保、工事価格への転嫁、価格が高騰した場合の条件を契約に盛り込む等の対策を実施し、リスクの低減に努めております。 また、半導体不足につきましては、需給状況を注視するとともに、お客様への納期を守る観点から、物品が不足していない範囲の工事を先に行い、物品が揃った時点で完結させるという工事の段取りを丁寧に進めて影響の極小化に努めております。 なお、米国の相互関税等一連の関税措置に関しては、現時点において資材調達に与える影響は限定的であると想定しております。 |
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④ |
気候変動 |
影響度 「中」
発生可能性 「高」
前期比較 → |
気候変動は、社会の持続可能性に多大な影響を及ぼす喫緊の社会課題の一つです。 当社グループは、社会課題の解決を普遍的使命と位置付けており、経営課題として「温室効果ガス排出低減に寄与する環境関連ビジネスの展開及び自社の事業活動における環境負荷低減」をマテリアリティの一つに特定しております。 なお、その対応次第では、以下の主なリスクについて中長期的に当社グループの業績や信用に影響を及ぼす可能性があります。
(1)移行リスク 当社グループが脱炭素社会への移行やお客様からの気候変動への対応ニーズに対応できないことにより、お客様や投資家等からのネガティブな評価に伴う企業価値の低下及び受注機会の喪失、カーボンプライシング制度等の導入に伴うコストの増加。
(2)物理的リスク 気象の激甚化に伴って発生が想定される水害による建物・施工現場・施設等への被災リスク及び気温上昇による屋外施工現場の健康リスク(熱中症等)の増大、作業効率低下、受注分の引渡し遅延、対策コストの増加。 |
移行リスクについては、事業活動における使用電力の実質再エネ化を積極的に推進して温室効果ガス排出量を削減していくとともに、木質バイオマス発電所の建設や洋上風力発電等の再生可能エネルギー関連の需要増加に伴う事業の拡大等にも積極的に取り組んでまいります。 物理的リスクについては、災害時のBCP対応力の強化やICTを活用した施工現場の安全管理及び作業効率の向上にも取り組んでまいります。 今後も、気候変動の影響や温室効果ガス排出削減に向けた国の政策や社会の動向を注視しながら、温室効果ガス排出量の削減及び再生可能エネルギー関連事業などを通じて社会課題の解決に貢献できるよう積極的に取り組んでまいります。2024年7月には2030年の温室効果ガス排出量削減目標が、パリ協定が定める目標の水準に沿った科学的根拠に基づいた目標(Science Based Targets(SBT))であるとして、国際機関「SBT イニシアティ(SBTi)」より認定を取得しました。 詳細につきましては、2「サステナビリティに関する考え方及び取組」(4)気候変動にも記載しておりますのでご確認ください。 |
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リスク項目 |
リスク評価 |
リスク内容 |
対応策 |
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⑤ |
法令違反・コンプライアンス違反 (人権侵害を含む) |
影響度 「大」
発生可能性 「中」
前期比較 → |
当社グループの事業は、建設業法・下請法・独占禁止法・労働安全衛生法・環境関連の法令等、さまざまな法的規制を受けており、法的規制の改廃や新設適用基準の変更等があった場合、当社グループの業績や信用に影響を及ぼす可能性があります。 また、従業員による不正行為やハラスメントをはじめ、サプライチェーン全体での人権を侵害する行為、更に個人情報や営業秘密情報の漏洩等のコンプライアンス違反があった場合には、社会的な信用の失墜等により、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。 |
近年では特に環境及び働き方改革関連で新たな法規制の制定や法令の改正が増加しており、社内関係部署による法改正等の動向を注視するとともに、事前に法改正に向けた適切な対応方法等を当社グループへ展開することにより、統一的かつ速やかに法令を遵守する体制を構築しております。 また、自主点検活動である「法令等遵守状況点検」を毎年実施するとともに、内部監査において遵守状況の確認や是正措置を実施しております。 さらに、全ての従業員を対象としたeラーニング研修や、役員やリーダー層、若年層を対象とした階層別研修を実施するとともに、有効な内部通報制度の運用促進、ポスター等の啓発活動等を実施し、コンプライアンス強化を図っております。 ハラスメントを含む人権の尊重も企業にとって重要な社会的責任であると認識しており、「エクシオグループ人権方針」を制定しグループ内で理解促進を図っております。ダイバーシティ&インクルージョンの推進では「PRIDE 指標 2024」にてシルバー認定を取得するなど、多様な価値観を認め合う風土醸成に努めております。 加えて、2024年に「調達基本方針」並びに「調達ガイドライン」を制定し、サプライチェーンを構成する取引先の皆様に法令遵守やコンプライアンス遵守、人権の尊重などの展開を図っております。 人権の尊重に関する取組みについて、2「サステナビリティに関する考え方及び取組」(3)人権の尊重にも記載しておりますのでご確認ください。 |
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リスク項目 |
リスク評価 |
リスク内容 |
対応策 |
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⑥ |
海外事業の展開 (海外の政治・経済情勢等) |
影響度 「大」
発生可能性 「中」
前期比較 → |
当社グループが東南アジアを中心とした諸外国で展開している中古IT機器を利活用したリファービッシュビジネスや、様々なソリューション事業には、政治・経済情勢の急激な変化、為替レートの大きな変動、法的規制の予期せぬ変更、地震・台風など自然災害、感染病・疫病の流行をはじめとした様々なリスクが存在します。 また、米政府による関税措置の動向やロシア・ウクライナ情勢の長期化、更には中東紛争によって生じるリスクの懸念等もあり、原材料価格の上昇やサプライチェーン毀損による影響などに十分注意を要する状況が続いております。 事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、事業展開が困難になった場合には、中期的なグローバル分野での事業領域の拡大に支障が出るなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
現在、アジア地域ではフィリピン、タイ王国、シンガポール、インドネシア等に拠点を有していますが、これら海外子会社のオペレーションマネジメント並びに戦略的マネジメントを円滑に遂行する目的で、2018年11月、アジア地域における事業運営統括会社「EXEO GLOBAL」をシンガポールに設立、2023年7月には新グローバル本社ビル「The Pulse」を建設し、EXEO GLOBALとその子会社8社を集結してオープンしました。それによってICTインフラ及びテクノロジー分野のビジネスシナジーを高め、現地法人駐在の日本人取締役や、当社取締役が子会社の役員を兼務するなど、タイムリーに現地の情報収集を行うことで、ガバナンス強化、リスクマネジメントの強化等、当社と海外子会社の強いリレーションを図っております。 また、海外事業の成長に対応した内部通報制度の充実を図り、海外で従事する当社グループ従業員向けのグローバル通報窓口を設置しております。 なお、個々の事業投資等にあたっては、想定されるリスクの洗い出し、対応策の検討を行うとともに、知見・経験が十分でない事項については、外部専門家によるレビュ-を行っております。 また、外貨建て資産・負債に対する為替レートの変動影響については、完全にヘッジすることはできませんが、為替予約や同一通貨建ての資産・負債を有することによる為替差損益の相殺等により、リスクの軽減を図っております。 米国の相互関税等一連の関税措置に関しては、現時点において業績への影響は限定的であると想定しておりますが、状況が目まぐるしく変化し先行きが不透明であることから、景気の悪化やサプライチェーンの混乱、お客様の設備投資抑制など間接的な影響が発生する可能性も含めて注視しながら事業運営を行ってまいります。 |
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リスク項目 |
リスク評価 |
リスク内容 |
対応策 |
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⑦ |
重大な人身事故・設備事故の発生 |
影響度 「大」
発生可能性 「中」
前期比較 → |
当社グループにおいて不測の事態により重大な人身・設備事故を発生させた場合、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生や受注機会の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、「安全・品質の確保」に対する取り組みに万全を期し、管理を強化することで、建設工事現場における人身・設備事故の発生防止に日々努めております。 過去から培ってきた「安全・品質文化」を継承し、2021年度からは「安全・品質文化の進化(深化・進展)」を5カ年のスローガンとして掲げ、事故撲滅はもちろんのこと、品質向上と付加価値創出の取り組みを強化し、「安全安心で頼られる会社・グループ」を目指してまいります。 リスク低減措置としては、危険作業を計画段階から除去・低減する本質的対策を第一に、決められた条件を満たさないと動作しない安全装置付き重機車両や安全に作業が行える工具類の導入の設備的対策(工学的対策)の充実を図っています。さらに、ネットワークカメラ等による見守り確認やAI・DXの活用による安全装備チェック機能の導入、現場での危険予知訓練をはじめ、現場責任者等への人財育成といった管理的対策も積極的に実施しております。 その他、対話型パトロールを通し、優良・賞賛事例を社内展開するなど、物事がうまくいっている事象から学ぶ“レジリエンス力”を強化する施策を展開するとともに、「安全“考”動」と称し、一人ひとりが自ら安全を最優先する意識をもって行動することを安全行動目標として設定し、習慣化を目指しています。 また、労働安全衛生マネジメントシステム、品質マネジメントシステム認証の取得により、従業員の安全・健康をはじめとする社会的責任(CSR)をはたし、事業の持続可能性を高めてまいります。 |
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リスク項目 |
リスク評価 |
リスク内容 |
対応策 |
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⑧ |
人財の確保・育成 |
影響度 「大」
発生可能性 「中」
前期比較 ↗ |
少子高齢化・技術者の高齢化及び多様な働き方の選択に加え、採用市場の競争激化などにより人財の確保に課題があるとともに、業界を取り巻く事業環境をふまえた最新技術動向への対応や次世代の経営幹部育成にも課題があると認識しています。 十分な人財を確保・育成できない場合には、当社グループの競争力や社員の士気の低下、さらに業務運営や業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
新規学卒者や経験者の通年採用を積極的に進めるとともに、グローバル人財の獲得にも努めております。 処遇見直し、働きやすい環境づくり、社員教育の充実、仕事を通じた成長の支援などで従業員エンゲージメントを高め、離職防止に努めております。 2022年度から外部の激しい環境変化に対応すべく「変革リーダー育成プログラム」を展開するなど、社員の主体性や自律性を重んじ、エンゲージメントを高めるための施策を展開しております。 技術者育成については、OJT及び研修プログラムの提供、事業間で人財シフトをするためのリスキリングプログラム提供、各業務に必要な専門資格取得やスキル習得の奨励をしております。また、「全社横断的な人財データベース」を構築し、有能な人財をグループ全体で横断的に活躍させる仕組みづくりを推進してまいります。 人財育成詳細につきましては、2「サステナビリティに関する考え方及び取組」(2)人的資本・多様性にも記載しておりますのでご確認ください。 |
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⑨ |
M&A・事業提携 |
影響度 「大」
発生可能性 「中」
前期比較 → |
当社グループは、今後の業容拡大等においてM&A及び事業提携戦略は重要かつ有効であると認識しております。 しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した投資効果を得られない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、M&A等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。 なお、のれんが発生する場合はその償却額を超過する収益力が安定的に確保できることを前提としておりますが、買収後の事業環境や競合状況の変化等により買収当初の事業計画遂行に支障が生じ、計画どおりに進まない場合は当該のれんに係る減損損失等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、2030ビジョン及び中期経営計画(2021年度~2025年度)において、M&Aなどの戦略投資にも積極的に取り組む方針としていることから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。 M&A及び事業提携を行う場合においては、今後の市場動向や当社グループとのシナジー、対象企業が有する潜在的リスクの洗い出し等を、外部の弁護士や財務アドバイザー等による調査結果も活用しながら、戦略投資後の企業価値向上に資する案件かどうか、WACCをハードルレートとして用いつつ慎重に検討を行っております。 また、これまでの知見・経験を活かしながら、投資判断基準については適宜見直しを行っております。 さらに、M&A等実施後においては、M&A等の検討段階での事業計画の進捗状況やシナジー効果の獲得度合い等、モニタリングを行っております。これにより、デューディリジェンスからPMI、モニタリングという一連の流れを改善につなげる流れを構築し、のれんの減損損失発生リスクを低減させる取り組みを強化してまいります。 |
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リスク項目 |
リスク評価 |
リスク内容 |
対応策 |
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⑩ |
内部統制 (子会社・関連会社を含む) |
影響度 「大」
発生可能性 「中」
前期比較 ↗ |
内部統制が有効に機能しない場合、業務の適正を確保できなくなり、当社グループの業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、「内部統制システム基本方針」に基づき、法令等の遵守、業務の有効性・効率性、財務報告の信頼性の確保を図るための実施体制等を整備するとともに、当該内部統制システムの運用状況の全体把握と評価等を行う内部統制委員会(委員長:代表取締役社長)を設置しています。 なお、内部統制委員会の下には、「コンプライアンス委員会」「事業リスク管理委員会」「情報セキュリティ委員会」の関連委員会を設置しています。 当社取締役会で決議された内部統制システムの整備・運用に関する基本方針は4「コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しておりますのでご確認ください。 |
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⑪ |
特定事業分野への依存 |
影響度 「大」
発生可能性 「低」
前期比較 → |
当社グループは情報通信ネットワークの構築・施工を主な事業としていることから、通信キャリア各社との取引比率が高く、この傾向は今後も継続することが見込まれます。 したがって、情報通信業界の市況動向や技術革新等により通信キャリア各社の設備投資行動及び設備投資構造が変化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
現在進行中の中期経営計画(2021年度~2025年度)において、3つの事業セグメントでそれぞれの成長戦略を進めており、それぞれの成長機会の拡大とリスクの分散、競争力の向上を図っております。
(1)通信キャリア事業 当社グループの売上比率38%を占める主格事業グループです。 創業以来培ってきた実績と技術力で、通信設備に関する設計、施工から保守運用までワンストップでサービス提供できる強みを持ちます。通信5Gエリア拡大をはじめ、今後も益々通信インフラの高度化・技術革新が進展していくものと想定されます。
(2)都市インフラ事業 当社グループの売上比率32%を占めるのが都市インフラ事業です。 通信・電気・都市土木など様々な工事をワンストップで構築することができ、カーボンニュートラルやGX(グリーントランスフォーメーション)に貢献する脱炭素社会実現に向けた再生可能エネルギー市場の拡大に今後期待される事業分野です。
(3)システムソリューション事業 当社グループの売上比率30%を占めるのがシステムソリューション事業です。 企業や官公庁等におけるDX戦略意欲の高まりと、教育系商材やIoT機器の導入市場の拡大が期待される事業セグメントです。 またシンガポールに事業拠点を置き、経済成長が続く東南アジアの市場深耕に取り組んでおります。 |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
ア. 売上高
主に都市インフラ及び国内システムソリューションにおける事業拡大が順調に進捗したことにより、売上高は前連結会計年度と比べ 567億2千7百万円増加し、6,708億2千2百万円(前期比 9.2%増)となりました。
イ. 営業利益
売上高の増加に加え、採算性改善の取り組みが奏功し全セグメントで増益となったことにより、営業利益は前連結会計年度と比べ 83億4千3百万円増加し、424億6千5百万円(前期比 24.5%増)となりました。
ウ. 経常利益
為替差益の縮小により営業外収支は悪化したものの、営業利益の増加に伴い、経常利益は前連結会計年度と比べ 65億8千5百万円増加し、435億8百万円(前期比 17.8%増)となりました。
エ. 親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益の増加と特別損益の収支改善により、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べ 67億9千6百万円増加し、268億5千5百万円(前期比 33.9%増)となりました。また、自己資本利益率(ROE)は 2.0ポイント増加し、8.5%となり、1株当たり当期純利益(EPS)は 34.21円増加し、128.97円となりました。
また、当連結会計年度におけるセグメント別の概況は、次のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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報告セグメント |
通信キャリア |
都市インフラ |
システム ソリューション |
|||
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金額 |
増減率 |
金額 |
増減率 |
金額 |
増減率 |
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受注高 (注)2 |
251,864 |
3.9% |
252,035 |
9.3% |
208,515 |
13.7% |
|
売上高 (注)2 |
252,517 |
△0.4% |
217,674 |
22.8% |
200,630 |
9.4% |
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セグメント利益 |
21,120 |
25.5% |
12,909 |
17.0% |
8,434 |
34.8% |
(注)1.記載金額は、百万円未満の端数を切り捨てて表示しております。
2.「受注高」「売上高」については外部顧客への取引高を記載しております。
② 財政状態の状況
資産は、前連結会計年度末と比較して508億6千7百万円増加し、6,425億5百万円(前期比 8.6%増)
となりました。これは主に受取手形・完成工事未収入金等の増加によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して433億2百万円増加し、3,157億2千1百万円(前期比 15.9%増)
となりました。これは主に短期借入金及び長期借入金の増加によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して75億6千5百万円増加し、3,267億8千3百万円(前期比 2.4%増)
となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ 80億1千7百万円減少し、394億1千3百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
ア. 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は 68億4千2百万円(前期は 419億2百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益及び売上債権の増加によるものであります。
イ. 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は 184億3千2百万円(前期は 135億9千1百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
ウ. 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果獲得した資金は 28億8千7百万円(前期は 305億5千5百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の増加及び配当金の支払いによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
ア. 受注実績
当連結会計年度のセグメントごとの受注実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
イ. 売上実績
当連結会計年度のセグメントごとの売上実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。
また、主な相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
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売上高 (百万円) |
割合(%) |
売上高 (百万円) |
割合(%) |
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西日本電信電話株式会社 |
78,265 |
12.7 |
82,054 |
12.2 |
|
東日本電信電話株式会社 |
73,971 |
12.0 |
76,780 |
11.4 |
|
株式会社NTTドコモ |
31,828 |
5.2 |
36,875 |
5.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)におけるわが国経済は、個人消費に一部足踏みが残るものの、企業の収益は改善しており、緩やかな回復が継続しています。そのような経済情勢を背景に、2025年1月、日本銀行による政策金利の引き上げが行われました。雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあり、引き続き景気拡大が期待される一方、高い金利水準の継続などによる欧米における景気の下振れや、不安定な海外情勢によるエネルギー価格の高騰、物価上昇、各国の通商政策の動向など、依然としてリスクに対し注視が必要な状況が続いています。
当社の事業領域である情報通信分野については、社会全体のデジタル化進展に伴い、あらゆる社会経済活動を支える最も基幹的なインフラとして、大規模自然災害やサイバーセキュリティの脅威・データ通信量の増大に対応可能な高度かつ強靭な通信ネットワークの構築が求められるとともに、生成AIを中心とした新技術の普及により、大量のデータを蓄積・処理するデータセンター・クラウドサービスの重要性も更に増している状況です。
建設分野については、エネルギー価格や人件費等の高騰によるコスト上昇の影響が続いているものの、民間設備投資は半導体関連産業や更なる生産性向上に向けたソフトウエアへの投資拡大などに持ち直しの傾向が見られ、防災・減災、社会資本の充実に資する道路等の設備の更新・維持に向けた公共投資も底堅く推移する見通しです。さらに、エネルギー関連事業においては、脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、蓄電池や送配電インフラ等の関連投資が今後さらに加速すると想定されます。
このような事業環境のなか、当社グループは、事業の効率化を進める一方、成長分野における積極投資を継続し、メリハリのある事業運営を行ってまいりました。通信キャリア事業におきましては、従前より成長分野への人員シフトによる生産性向上に取り組んでおりますが、引き続き子会社の再編を含めたアクセス・モバイル一体での事業運営の最適化を進めております。都市インフラ事業におきましては、大規模データセンター構築や新築ビル・工場等の電気工事の受注などが引き続き好調に推移しており、旺盛な建設需要に対して積極的に対応するとともに、選別受注を強化するなど収益性の向上にも引き続き取り組んでおります。システムソリューション事業におきましては、当社グループが強みを持つお客様に対して引き続き積極的な営業活動を展開するとともに、プロジェクトの初期段階から参加し、お客様のご要望をワンストップで解決する「DX支援ビジネス」の拡大に取り組んでまいりました。また、子会社が強みを持つ商材をグループ各社のお客様に横展開することにより、グループ全体としての価値創造に努めております。グローバル分野については、IT機器を利活用するリファービッシュビジネスやインフラシェアリング設備構築のほか、EV充電設備構築を手掛けるなどの事業の展開を行う一方、持続的成長に向けた構造改革を進め、安定した事業成長ができるよう収支改善に取り組んでおります。
当社グループは温室効果ガス削減をはじめとする環境経営にも積極的に取り組んでおり、国際的な非営利団体であるCDPにより、気候変動に対する先進的な取り組みと透明性の高い情報開示などが評価され、2024年度の気候変動分野で最高評価にあたる「Aリスト企業」に初めて選定されました。
なお、当連結会計年度におけるセグメント別の概況は、次のとおりであります。
(通信キャリア事業の概況)
通信キャリア事業におきましては、アクセス分野・ネットワーク分野は堅調に推移しました。アクセス分野では、NTTグループのフレッツ光クロスサービスのエリア拡大に伴い光回線工事が好調に推移しました。モバイル分野では、都市部を中心とした繋がりにくさ解消のための工事など、一部キャリア事業者における設備投資が引き続き行われており、機動的に体制を構築し対応しております。また、子会社再編や拠点集約、アクセス・モバイル一体での事業運営など効率的な業務運営に努めております。
(都市インフラ事業の概況)
都市インフラ事業におきましては、大規模データセンターに関する引き合いが引き続き強く、その他の大型開発ビル案件も含め電気関連工事が好調に推移しました。また、公共関連では鉄道関連通信工事や高速道路トンネルの通信線路工事等も堅調に推移しました。エネルギー関連では、EV充電設備や蓄電池設備工事の需要が拡大しているほか、今後の事業拡大に向けた洋上風力発電の電力自営線構築を担う人財育成を引き続き進めております。
(システムソリューション事業の概況)
システムソリューション事業におきましては、システム開発・運用保守における中核会社2社を中心に、上位コンサルから保守運用までワンストップでのサービス提供を行うことで、更なる収益向上をめざす取り組みを続けるとともに、文教系や地方自治体向けに当社グループの強みを生かしたソリューションを展開し、新たな収益基盤の構築に向けてアプローチを継続しております。
また、グローバル分野におきましては、事業の取捨選択を含めた構造改革を精力的に進めながら、各社の強みを活かした事業運営を行い、収支改善に取り組んでおります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ア.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要の動向
当社グループの資金需要は、経常的な運転資金のほか、人財育成やR&D、DX等の成長基盤構築のための投資資金、事業拡大を目的としたM&A等の資金であります。
また、株主還元については、積極的かつ安定的な配当を継続していくことを基本方針としており、連結自己資本配当率(DOE)4.0%を目途に配当を実施するとともに、自社株式の取得についても機動的に実施いたします。
ウ.資金調達の方法
当社グループの資金調達の源泉は主に営業活動によって獲得したキャッシュでありますが、不足が生じた場合は、健全な財務体質の維持を考慮しつつ、負債を中心とした資金調達を実施しております。一時的な資金不足に対しては、金融機関からの短期借入により調達し、投資等の長期的な資金需要が生じた場合は、サステナブルファイナンスを主に検討し、対応しております。
また、グループ会社の資金は当社において一元管理しており、当社グループ内の資金効率化、及び流動化を図っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える可能性がある事象につきましては、「3 事業等のリスク」に記載しております。
(4)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(金融機関とのシンジケートローン契約)
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契約 会社名 |
借入期間 |
契約 締結先 |
期末残高 |
財務制限条項 |
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当社 |
自 2022年 12月16日 至 2025年 12月16日 |
三井住友信託銀行株式会社 |
15,000百万円 |
①本契約締結日以降に終了する各連結会計年度の末日における連結貸借対照表に示される純資産の部の金額を、直前の連結会計年度の末日における連結貸借対照表に示される純資産の部の金額の75%以上に維持すること。 ②本契約締結日以降に終了する各連結会計年度の末日における連結損益計算書に示される経常損益に関して、2期連続して経常損失を計上しないこと。 |
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契約 会社名 |
借入期間 |
契約 締結先 |
期末残高 |
財務制限条項 |
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当社 |
自 2022年 9月26日 至 2027年 9月24日 |
株式会社 みずほ銀行 |
10,000百万円 |
①本契約締結日以降に終了する各連結会計年度の末日における連結貸借対照表に示される純資産の部の金額を、2022年3月期末日における連結貸借対照表に示される純資産の部の金額の75%に相当する金額、または直近の連結会計年度の末日における連結貸借対照表に示される純資産の部の金額の75%に相当する金額のうち、いずれか高い方の金額以上に維持すること。 ②本契約締結日以降に終了する各連結会計年度の末日における連結損益計算書に示される経常損益に関して、2期連続して経常損失を計上しないこと。 |
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当社 |
自 2024年 10月23日 至 2029年 10月23日 |
株式会社 みずほ銀行 |
18,800百万円 |
①本契約締結日以降に終了する各連結会計年度の末日における連結貸借対照表に示される純資産の部の金額を、2024年3月期末日における連結貸借対照表に示される純資産の部の金額の75%に相当する金額、または直近の連結会計年度の末日における連結貸借対照表に示される純資産の部の金額の75%に相当する金額のうち、いずれか高い方の金額以上に維持すること。 ②本契約締結日以降に終了する各連結会計年度の末日における連結損益計算書に示される経常損益に関して、2期連続して経常損失を計上しないこと。 |
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当社 |
自 2025年 2月25日 至 2032年 2月25日 |
株式会社 三井住友銀行 |
22,000百万円 |
①本契約締結日以降に終了する各連結会計年度の末日における連結貸借対照表に示される純資産の部の金額を、2024年3月期末日における連結貸借対照表に示される純資産の部の金額の75%に相当する金額、または直近の連結会計年度の末日における連結貸借対照表に示される純資産の部の金額の75%に相当する金額のうち、いずれか高い方の金額以上に維持すること。 ②本契約締結日以降に終了する各連結会計年度の末日における連結損益計算書に示される経常損益に関して、2期連続して経常損失を計上しないこと。 |
当社グループは、“つなぐ力で、お客様と社会の課題を解決する技術を開発する”を基本方針に据え、グループの技術・知見を集約する仕組みを整えつつR&D活動を展開しています。
これらの取り組み結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は
通信キャリア事業では、主に情報通信工事における安全関連の装置や業務効率化につながる仕組み等の研究開発に取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発費の金額は
都市インフラ事業では、主に新規案件創出を目的として、各大学と共同研究に取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発費の金額は
システムソリューション事業では、生成AIを駆使したソフトウエア開発やネットワーク設計の効率化やクラウド活用加速に繋がる研究開発に取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発費の金額は