文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、社是である「誠意と熱意と創意の三意を以てお客様の信頼におこたえし、社業の発展を通して社会に貢献する」を経営の基本方針とし、グループ全社でコンプライアンスを徹底するとともに、加速する経営環境の変化に適応するため、技術力の強化を中心とする経営基盤の改革を推進して持続的成長を目指す。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境は、個人消費やインバウンド需要の増加により社会経済活動の正常化が進み、引き続き景気の緩やかな回復が見られるが、中東情勢の混乱に端を発した原油価格の更なる高騰や、海外景気の後退といった外的要因によるわが国の景気回復の減速懸念が払拭できず、今後も難しい経営環境が続くものと考えられる。
このような状況のなか、当社グループは、長期ビジョンに掲げる「経営基盤の改革」を実現するため、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画「中計83」の基本方針のもと、経営指標の達成に向け各種施策を推進してきた。
(中計83の基本方針及び施策)
①国内建設事業
国内建設事業においては、安定した収益を確保するため、ソリューション営業と技術提案力の強化を行い、顧客ニーズへの対応力を強化していく。さらには、収益構造の改善を目指し、リノベーション工事や土木工事の受注拡大を行っていく。
また、安定して事業を継続していくため、人財の獲得と育成の強化を行い、そのための環境整備に対する投資も積極的に行っていく。
②海外建設事業
海外建設事業においては、ローカル社員の積極的な経営参画や、若手エンジニアに対する教育を拡充させるなど、事業のローカル化を推進するとともに、数年先を見据えた積極的な人財の採用を実施していく。
また、安定した受注を確保するため、国内外拠点の連携による情報共有を行い、営業領域の拡大を図っていく。併せて、原価管理を強化し工事の合理化による利益改善に努めていく。さらには、リノベーション会社のM&Aや営業エリアの拡大に集中的な投資を行い、事業規模の拡大を検討していく。
③非建設事業
非建設事業においては、手元資金を有効活用し収益増強を図るため、国内では、保有賃貸物件の修繕を継続的に実施し、高い稼働率を維持するとともに、再生可能エネルギー事業拡大の検討を進め、収益体制の強化を図っていく。海外では、今後も成長が見込める東南アジアにおいて不動産事業、再生可能エネルギー事業展開の検討を行い、収益の増強を図っていく。
中期経営計画の各施策を着実に実行して「経営基盤の改革」を実現していくとともに、2026年3月期からスタートする新中期経営計画の策定においては「重点事業の強化と事業領域の拡大」を目指すことで、創業100周年に向けて企業価値向上と安定的成長に努めていく。
当社は、経営の適正な牽制機能のもと、適時・正確な情報開示による透明性の確保及び意思決定の迅速化並びに内部統制システムの充実を重視したコーポレート・ガバナンス体制の構築に努めている。特に、内部統制システムにおけるコンプライアンス体制・リスク管理体制の確立を最重要課題とし、継続的な企業価値向上を目指している。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
当社は、社是に掲げている「我々は社業の発展を通して社会に貢献する」の精神のもと、当社グループの持続的な発展と企業価値向上を目標に、長期ビジョンを見据えた中期経営計画を推進しているが、その目標達成には、人財の育成と技術の追求が核になると考えており、中期経営計画の各種施策とサステナビリティ経営の関係性を重視し、責任をもって取組むべき課題であると考えている。
当社では取締役会を経営の基本方針や、サステナビリティに関する課題を含む重要課題、並びに法令に定められた重要事項を決定する最高意思決定機関と位置づけ、原則月1回開催している。また、執行役員制度を採用しており、事業経営にスピーディな意思決定と柔軟な組織対応を可能とするため、代表取締役社長が議長を務める経営会議を設け、各部門等で検討されていた戦略や各種施策の進捗状況の確認、リスク管理に関する重要事項等審議している。
監査役は、取締役会に付議される議案等について事前に検討し、必要に応じて取締役や関係者等から事前説明を受け、問題点を把握し、取締役会において法令・定款への適合及びリスク管理の観点から積極的に意見を述べ、その意見は取締役会の決議及び取締役・執行役員の業務執行に反映されている。
当社は企業の持続的成長と企業価値向上の観点から、人財の多様性の確保について、女性・外国人・中途採用の採用活動を進めているとともに研修会を実施する等、中核人財を育成していく方針である。
また、第81期(2023年3月期)に策定した中期経営計画「中計83」においては、「加速する経営環境の変化に適応するため、持続的成長を目指し、技術力の強化を中心とした経営基盤の改革に重点を置く」を目標とし、以下の通り、基本方針を定めている。
Ⅰ.ワークエンゲイジメントの向上を目指した組織の改革、労働環境整備の推進、及び自律型人財の育成強化
Ⅱ.技術力の向上による総合力の強化
Ⅲ.成長分野に対応した重点領域の設定と集中的な投資による収益基盤の強化
以上の中期経営計画の基本方針のもと、ワークエンゲイジメント向上や人財育成・社内環境整備、技術力の向上等のサステナビリティに係る諸課題の解決について、以下の通り各種施策を推進していく方針である。
① 職場環境の充実
・働き方改革に対応した健康経営への取組み
・有休取得推進、長時間労働抑制、作業所4週8閉所に向けた取組み
・ウェブ会議の促進、作業所を含めたストレスチェックの実施、全社員への個人面談の実施
・一般事業主行動計画の策定と実施(女性活躍推進関係)、男性社員の育児休業取得の推進
・ハラスメント防止の取組みと内部通報制度の継続
・建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及、推進
② 人財の育成
・社員教育(新入社員・技術社員・営業研修、コンプライアンス研修等)の実施
・社員の資格取得支援(専門学校通学、受験対策研修、資格更新研修)
・作業所における技能労働者への研修実施と優良職長制度の継続
・技術系社員への教育を推進する技術教育室を設置
③ ダイバーシティ(国籍、性別、年齢等にとらわれず様々な人財を採用し、多様な働き方ができる機会の提供等)の推進
・女性活躍推進への取り組み(女性所長輩出、作業所環境の整備、研修会の実施、えるぼし取得)
・外国籍の社員採用や障がい者の採用
④ 健康経営の推進
社員の心身の健康を重要な経営資源と捉え、社員一人ひとりの健康促進を全面的にサポートすること、そして、社員一人ひとりが尊重され、仕事にエンゲイジメントを感じ、活き活きと働くことができるような魅力的な職場環境を整備すること、それらにより健康経営を以下の方針に基づき推進していくことを宣言している。
健康経営方針
・社員一人ひとりが尊重され、喜びを共有し合い、安心して活き活きと働けるような職場を整備する(職場の健康)
・内勤、現場、海外勤務者を含め、誰ひとり取り残さず社員全員の健康を目指す(全員参加の健康)
・協力業者、顧客など外部のステークホルダーへも健康への取組みを波及させるよう努める(社会の健康)
・取組みの成果を測定し、評価し、内容を見直して継続的に改善する(さらなる健康)
・産業医や健康保険組合と連携して心身の健康に資する各種取組みを実施し、身体・精神の両面において社員やその家族の健康を促進する(こころとからだの健康)
なお、上記方針については、連結グループにおける記載が困難なことから、主要な事業を営む提出会社のものを記載している。
当社は、サステナビリティ諸課題を含む全社的なリスク管理はコンプライアンス部が統括して行っている。コンプライアンス部は、各担当部署が抽出したリスクについて分析し、全社的な見地から効果的にリスクを把握できる体制となっており、内部監査によって発見されたリスクは、適宜定められた手順により取締役会及び監査役会に報告されている。
当社ではコンプライアンスに徹した透明性の高い経営を推進し、経済性・効率性を追求するとともに、公正かつ適法な事業運営を実現して企業の社会的責任を果たしていくため、業務執行と監督の分離、相互牽制の強化や、リスク発生の未然防止、問題点の早期発見及び改善を行っていくため、監査役、内部監査人等が緊密な連携を保ちつつ、それぞれの観点から定期的に監査を行っている。
(4) 指標及び目標
当社は、所定外労働の削減に対する取組みを強化し、働きやすい環境を整えるため、計画期間を2022年4月1日~2025年3月31日の3年間として、次世代育成支援対策推進法及び女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画において、以下の目標及び指標を定めている。
・女性管理職2名以上
・男性社員の育児休業取得率30%、平均取得期間4ヶ月以上
・女性社員の育児休業取得率100%を維持・継続
なお、女性管理職などの実績値については、「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)国内建設市場リスク
当社グループの主要な事業である国内建設事業においては、建設市場の想定を上回る縮小や主要資材価格の急激な上昇、技能労働者の著しい減少等、事業環境に変化が生じた場合、今後の業績に影響を及ぼす可能性がある。
(2)海外建設市場リスク
当社グループは、東南アジアを中心に海外建設事業を展開しているが、進出国の政治・経済情勢、法制度等に著しい変化が生じた場合、今後の業績に影響を及ぼす可能性がある。
(3)不動産市場リスク
当社グループは、主に国内で、不動産賃貸事業を行っているが、賃貸市場の需給動向などが、今後の業績に影響を及ぼす可能性がある。
(4)工事施工等リスク
工事施工中の予期せぬ重大事故や完成物件の不具合等により、多額の修復費用や訴訟等による損害賠償が発生した場合、今後の業績に影響を及ぼす可能性がある。
(5)取引先信用リスク
発注者、協力会社等の取引先が信用不安に陥った場合、資金の回収不能や施工遅延等により、今後の業績に影響を及ぼす可能性がある。
(6)保有資産の市場変動リスク
不動産、有価証券等の保有資産の時価が著しく低下した場合、今後の業績に影響を及ぼす可能性がある。
(7)法令等に係るリスク
当社グループの事業は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法等による法的な規制を受けている。これらの法律の改廃、法的規則の新設、適用基準の変更等があった場合には、今後の業績に影響を及ぼす可能性がある。また、当社グループにおいて法令等に違反する行為等があった場合には、刑事処分及び強制処分等による損失の発生、事業上の制約及び信用の毀損等により、今後の業績に影響を及ぼす可能性がある。
(8)自然災害によるリスク
大規模地震、風水害等の大規模自然災害が発生した場合、施工中の工事への被害や施工遅延、自社所有建物への被害などにより、今後の業績に影響を及ぼす可能性がある。
(9)感染症に関するリスク
感染症の流行等が発生した場合、景気悪化による建設受注高の減少や工事中断による売上高の減少等、今後の業績に影響を及ぼす可能性がある。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
当連結会計年度のわが国経済は、個人消費やインバウンド需要の増加による社会経済活動の正常化が進み、企業の設備投資意欲が持ち直したことで景況感に一定の回復が見られた。一方で、ウクライナ問題の長期化や中東情勢の混乱に加え、欧米における金融引き締めの影響などの要因により生じた円安や物価上昇が、わが国の景気を下押しするリスクとなっており、先行き不透明感を払拭できない状況が続いている。
国内建設市場においては、資材価格や人件費の上昇に伴う建設コストの高騰等により住宅建設投資は減速しているが、一方で、底堅い政府建設投資や民間の非住宅建設投資需要に支えられ、総じて堅調な受注環境となった。
当社が進出している東南アジアの海外建設市場においては、円安や世界情勢の不安定化による日系企業の東南アジア進出の減少や、中国経済の減速、建設コストの高騰に起因する建設投資の低迷により、依然として厳しい受注環境が続いている。
このような状況のなか、当社グループは、現在進行している中期経営計画「中計83」のもと、新設した生産イノベーション推進部を中心とする技術社員教育の強化と、従来業務の見直しによる業務効率化を図ってきた。
また、2023年4月に掲げた健康経営宣言のもと、従業員一人ひとりの健康促進に向けた各種施策に取組んだ結果、「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」の認定取得に至った。
加えて、カーボンニュートラル対応技術の強化、再生可能エネルギー事業の拡大とグループ化した企業との連携強化を推進し、安定成長に向けた収益基盤の強化と技術力の向上に努めてきた。
その結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなった。なお、文中の数値は内部取引等消去後の数値である。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ70億43百万円減少し、1,074億15百万円(前年同期比6.2%減)となった。当連結会計年度の売上高の内容として、前連結会計年度に比べ、建設事業は71億58百万円減少し、1,059億97百万円(前年同期比6.3%減)となり、不動産事業他は1億14百万円増加し、14億18百万円(前年同期比8.8%増)となった。
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ3億25百万円増加し、31億85百万円(前年同期比11.4%増)となった。当社グループの主力事業である建設事業においては、建設事業(日本)の営業利益は、4億50百万円減少し15億89百万円(前年同期比22.1%減)となり、建設事業(東南アジア)の営業利益は、5億64百万円増加し9億66百万円(前年同期比140.1%増)となり、建設事業合計の営業利益は、1億13百万円増加し25億55百万円(前年同期比4.6%増)となった。不動産事業においては、不動産事業(日本)の営業利益は、1億94百万円増加し5億99百万円(前年同期比48.1%増)となり、不動産事業(東南アジア)の営業利益は、0百万円(前年同期 営業損失0百万円)となり、不動産事業合計の営業利益は、1億95百万円増加し5億99百万円(前年同期比48.2%増)となった。その他の事業の営業利益は、前連結会計年度に比べ17百万円増加し、29百万円(前年同期比143.4%増)となった。経常利益は、前連結会計年度に比べ7億1百万円増加し、38億35百万円(前年同期比22.4%増)となった。また、法人税等合計8億33百万円の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ7億30百万円増加し、26億45百万円(前年同期比38.2%増)となった。
当連結会計年度は、中期経営計画「中計83」の2期目であるが、建設事業売上高及び営業利益については、国内建設事業は、大型工事の進捗により、前連結会計年度に比べ増収となったが、一部の大型工事で建築資材価格や労務費が高止まりしている影響を受け減益となった。一方、海外建設事業は、受注時期の遅れなどにより売上高は減少したが、大型工事の利益改善により増益となった。なお、当社が国内において所有している社員寮について、自社使用から賃貸等不動産への用途変更の意思決定をしたことに伴う減損損失を特別損失に計上している。
今後も引き続き、中期経営計画「中計83」の主要施策を確実に遂行し、経営基盤の強化を図っていく。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。(セグメント間の内部売上高等を含めて記載している。)
当社グループの建設事業の日本における受注高は、760億20百万円(前年同期比22.0%減)となった。
売上高は、前連結会計年度に比べ89億99百万円増加し、836億97百万円(前年同期比12.0%増)となり、売上高は増加したが、一部工事において工事採算が低下したことなどにより、営業利益は、前連結会計年度に比べ4億50百万円減少し、15億85百万円(前年同期比22.1%減)となった。
当社グループの建設事業の東南アジアにおける受注高は、360億81百万円(前年同期比49.8%増)となった。
売上高は、前連結会計年度に比べ161億57百万円減少し、222億99百万円(前年同期比42.0%減)となり、売上高は減少したが、工事採算の改善などにより、営業利益は、前連結会計年度に比べ5億64百万円増加し、9億66百万円(前年同期比140.1%増)となった。
賃貸事業を中心とする不動産事業の日本における売上高は、前連結会計年度に比べ98百万円増加し、13億5百万円(前年同期比8.1%増)となり、売上高の増加などにより、営業利益は、前連結会計年度に比べ1億92百万円増加し、6億4百万円(前年同期比46.9%増)となった。
不動産事業の東南アジアにおける売上高は、前連結会計年度に比べ0百万円増加し、2百万円(前年同期比11.7%増)となり、売上高の増加などにより、営業利益は、0百万円(前年同期 営業損失0百万円)となった。
その他の事業の売上高は、前連結会計年度に比べ13百万円増加し、1億17百万円(前年同期比13.5%増)となり、営業利益は、売上高の増加などにより、前連結会計年度に比べ17百万円増加し、28百万円(前年同期比161.9%増)となった。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。
(注) 1 当社グループでは建設事業以外は受注生産を行っていない。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していない。
3 上記①及び②は、セグメント間取引の相殺消去後の金額である。
4 前連結会計年度及び当連結会計年度ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は、次のとおりである。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでいる。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
(注) 1 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
第81期請負金額10億円以上の主なもの
第82期請負金額10億円以上の主なもの
④ 次期繰越工事高(2024年3月31日)
次期繰越工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ9億43百万円増加し、806億16百万円となった。資産の内容として、流動資産は、前連結会計年度末に比べ3億35百万円減少し、539億84百万円となった。これは「未成工事支出金」が4億42百万円及び「未収入金」が8億32百万円それぞれ増加したが、「現金預金」が16億77百万円及び「受取手形・完成工事未収入金等」が98百万円それぞれ減少したことなどによるものである。また、固定資産は、前連結会計年度に比べ12億78百万円増加し、266億31百万円となった。これは、有形固定資産の売却及び減損処理などにより4億21百万円減少したが、「投資有価証券」が8億27百万円及び「退職給付に係る資産」が8億46百万円それぞれ増加したことなどによるものである。
セグメントごとの資産は、次のとおりである。
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億40百万円増加し、274億91百万円となった。これは、「現金預金」が4億31百万円及び「有形固定資産」が1億57百万円それぞれ減少したが、「受取手形・完成工事未収入金等」が16億31百万円及び「未収入金」が6億9百万円それぞれ増加したことなどによるものである。
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ16億32百万円減少し、191億51百万円となった。これは、「未成工事支出金」が6億19百万円増加したが、「現金預金」が9億45百万円及び「受取手形・完成工事未収入金等」が17億22百万円それぞれ減少したことなどによるものである。
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億49百万円増加し、144億70百万円となった。
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ2百万円増加し、81百万円となった。
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ47百万円減少し、4億41百万円となった。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ33億76百万円減少し、384億57百万円となった。負債の内容として、流動負債は、前連結会計年度末に比べ39億8百万円減少し、357億86百万円となった。これは、「支払手形・工事未払金等」が8億28百万円増加したが、「未成工事受入金」が39億76百万円及び「工事損失引当金」が8億16百万円それぞれ減少したことなどによるものである。また、固定負債は、前連結会計年度末に比べ5億31百万円増加し、26億70百万円となった。これは、「繰延税金負債」が5億43百万円増加したことなどによるものである。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ43億19百万円増加し、421億59百万円となった。これは、「親会社株主に帰属する当期純利益」26億45百万円の計上、並びに「その他有価証券評価差額金」が5億68百万円、「為替換算調整勘定」が8億40百万円及び「退職給付に係る調整累計額」が4億94百万円それぞれ増加したことなどによるものである。
また、自己資本比率については、前連結会計年度末の45.9%から50.4%となった。
当社グループの連結自己資本については、中期経営計画「中計83」に掲げる基本方針のもと、着実に主要施策を遂行し、財務体質の更なる強化を目指す。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益36億17百万円を計上し、売上債権の減少及び仕入債務の増加によるプラスなどがあったが、未成工事受入金の減少及び工事損失引当金の減少によるマイナスなどにより、20億86百万円のマイナス(前年同期は21億70百万円のプラス)となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入及び有形固定資産の売却などによる収入などがあったが、定期預金の預入による支出及び有形固定資産の取得による支出などにより、28百万円のマイナス(前年同期は2億56百万円のマイナス)となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出及び配当金の支払などにより、8億1百万円のマイナス(前年同期は7億76百万円のマイナス)となった。
この結果、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物の期末残高」は、前連結会計年度末に比べ18億56百万円減少し、255億70百万円となった。
当社グループにおける主な資金需要は、建設事業における工事施工に要する工事費、販売費及び一般管理費並びに設備投資資金であり、運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び借入金等によっている。
当社は、株主還元と財務体質の強化を基本課題とし、業績と将来の見通しを勘案のうえ、配当を行う方針としており、当連結会計年度の期末配当を1株当たり16円、連結配当性向を20.8%とした。また、次期の配当については、配当を1株当たり16円、連結配当性向を27.5%を計画している。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されている。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載している。
加速する経営環境の変化に適応するため、持続的成長を目指し、技術力の強化を中心とした経営基盤の改革に重点を置く。
・ ワークエンゲイジメントの向上を目指した組織の改革、環境整備の推進、及び自律型人財の育成強化
・ 技術力の向上による総合力の強化
・ 成長分野に対応した重点領域の設定と集中的な投資による収益基盤の強化
① 建設事業売上高合計 1,200億円
② 連結営業利益 38億円
③ 連結自己資本 390億円
④ 株主配当 14円以上
競争力の強化と収益力の確保を実現する為、リノベーション工事と官庁工事を拡大し、DXの推進によって技術力と生産性向上を図り、収益を維持・増加させると共に、働き方改革を推進する。
① 人財の確保と育成
② DX推進による生産性向上と技術力の強化及び働き方改革の実現
③ ソリューション営業と技術提案力の強化
④ 特定技術の強化や新工法の開発
⑤ 安全・品質管理水準の更なる向上
⑥ リノベーション工事の受注拡大
⑦ 官庁営業の推進と受注拡大
⑧ 設計施工の拡充と強化
⑨ 調達力の強化
⑩ 土木工事の受注拡大
(海外建設事業)
堅固な400億円体制を実現できる自律した組織を目指し、ローカル社員と一体となって、営業活動の強化と技術に裏付けられた競争力のある原価により受注を増強し、プロアクティブな調達と原価管理により工事利益を改善して、確実に収益を上げられる基盤を再構築する。
① ローカル社員のワークエンゲイジメント向上と、経営人財を含めた自律型人財の育成
② 受注の増強、工事利益の改善
③ 直傭工の活用
④ M&Aや不動産事業等、今後成長が見込まれる分野や地域への事業規模拡大
手許資金を有効活用し、本業に軸足を置きつつ非建設事業の収益増強を図り、セグメント利益を9億円に引き上げ、長期的には10億円を目標とし、海外での不動産取得や環境問題に呼応した再生エネルギー事業等の新規事業を推進する。
① 不動産収益の拡大
② 再生エネルギー事業(風力・太陽光発電事業等)等、新規事業の取組み
③ 成長性のある東南アジアでの不動産事業の強化
① 新卒採用と中途採用の拡大による総社員数の増強
② ワークエンゲイジメントの向上を目指し、人財の育成と働き方改革を推進
・残業上限規制への対応
・作業所における週休二日(閉所)への取組み
・女性活躍推進の更なる取組み
特記事項はない。
当社は、社会やお客様のニーズに対応すべく、技術本部技術研究所を中心として、品質の向上及び生産性の向上を目指し、新工法・新材料の調査研究に努めている。
また、一般社団法人日本建設業経営協会中央技術研究所のメンバーとして、各種の共同研究開発を行っている。
当連結会計年度における研究開発費は
なお、連結子会社においては、研究開発活動は特段行っていない。
研究開発活動は特段行っていない。