当連結会計年度の我が国経済は、前半は円高や新興国経済の減速による企業収益の悪化から回復ペースが鈍化しておりましたが、後半は円安の進行や海外経済の回復を背景とした企業収益の改善を受けて持ち直しの動きが見られました。また、設備投資につきましても、慎重姿勢は残るものの緩やかな回復基調にあります。
建設投資につきましては、公共投資は下げ止まりが見られ、国内の民間設備投資は先行きの不透明感から横ばいに推移しております。
このような環境のなかで当社グループは、2025年の創立100周年を見据え、当連結会計年度を初年度とする10年間の長期ビジョン“Century 2025”及び3ヵ年の新中期経営計画“Century 2025”Phase1の経営方針にもとづいて、コア事業の強化や生産性・業務効率の改善を図り、また、大和地区再開発に着手することで、未来に向けた技術の向上と事業領域の拡大を目指す取り組みを開始しました。
その結果、当連結会計年度における当社グループの業績は次のとおりとなりました。
受注高につきましては、前連結会計年度を1.4%上回る1,858億8千万円となりました。
セグメント別の状況といたしまして、建築設備事業は、前連結会計年度を3.8%下回る1,466億1千2百万円となりました。機械システム事業は、前連結会計年度に大型搬送用設備を受注した影響等により、前連結会計年度を21.1%下回る81億3千万円となりました。環境システム事業は、主に廃棄物処理施設における長期の維持管理運営業務を受託したこと等により、前連結会計年度を56.2%上回る306億2千6百万円となりました。不動産事業は、前連結会計年度を3.9%上回る15億9千2百万円となりました。
売上高につきましては、1,685億1千2百万円と前連結会計年度と比較し、5.8%の減収となりましたが、翌連結会計年度への繰越受注高は、前連結会計年度末に比べて173億6千7百万円、率にして16.3%増加し、1,237億5千6百万円となりました。
セグメント別の状況といたしまして、建築設備事業は、1,415億6千7百万円と前連結会計年度と比較し、5.6%の減収となりました。機械システム事業は、受注高が減少したことにより、81億9千2百万円と前連結会計年度と比較し、11.1%の減収となり、環境システム事業は、182億7千1百万円と前連結会計年度と比較し、2.5%の減収となりました。不動産事業は、15億9千2百万円と前連結会計年度と比較し、3.9%の増収となりました。
利益面につきまして、営業利益は60億1千2百万円(前年同期比7.6%減)となりました。これは、原価管理の徹底や作業効率の向上等利益率改善に努めましたものの、減収に加え、退職給付に係る数理計算上の差異償却額の増加等が影響したことによるものであります。経常利益は68億8千万円(前年同期比15.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は46億9千8百万円(前年同期比11.8%減) となりました。なお、一昨年同期との比較では営業利益は30億6千1百万円、率にして103.7%の増益(一昨年同期の営業利益は29億5千1百万円)であり、前連結会計年度から引き続き高い利益水準を維持しております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 建築設備事業
受注高は前連結会計年度を3.8%下回る1,466億1千2百万円、売上高は前連結会計年度を5.6%下回る1,415億6千7百万円、セグメント利益(経常利益)は前連結会計年度を16.8%下回る64億4百万円となりました。
② 機械システム事業
受注高は前連結会計年度を21.1%下回る81億3千万円、売上高は前連結会計年度を11.1%下回る81億9千2百万円、セグメント損失(経常損失)は1億3千8百万円(前連結会計年度はセグメント利益2億7千5百万円)となりました。
③ 環境システム事業
受注高は前連結会計年度を56.2%上回る306億2千6百万円、売上高は前連結会計年度を2.5%下回る182億7千1百万円、セグメント利益(経常利益)は6億7千1百万円(前連結会計年度はセグメント損失3億1千5百万円)となりました。
④ 不動産事業
売上高は前連結会計年度を3.9%上回る15億9千2百万円、セグメント利益(経常利益)は前連結会計年度を18.8%下回る1億8千9百万円となりました。
⑤ その他
売上高は前連結会計年度を7.9%下回る4億9千9百万円、セグメント利益(経常利益)は前連結会計年度を57.2%下回る2千2百万円となりました。
なお、「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末残高に比べ66億8千6百万円増加(前連結会計年度は88億3千3百万円の増加)し、391億8千7百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減の要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、108億4千5百万円の増加(前連結会計年度は52億2千万円の増加)となりました。これは主に売上債権の回収が進んだことと、税金等調整前当期純利益70億4百万円(前連結会計年度は78億3千4百万円)を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは、16億4千4百万円の減少(前連結会計年度は55億2千万円の増加)となりました。これは主に投資有価証券の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは、24億5千8百万円の減少(前連結会計年度は18億2千6百万円の減少)となりました。これは主に配当金の支払いによるものであります。
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事事業では生産実績を定義することが困難であり、設備工事事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。
また、当社グループにおいては設備工事事業以外では受注生産形態をとっておりません。
よって受注及び販売の状況については、可能な限り「1 業績等の概要」において報告セグメントの種類に関連付けて記載しております。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
|
期別 |
部門別 |
前期繰越高 |
当期受注高 |
計 |
当期売上高 |
次期繰越高 |
||
|
前事業年度 (自平成27年4月1日 至平成28年3月31日) |
設備 |
建築 |
ビ ル |
52,154 |
61,262 |
113,416 |
60,154 |
53,262 |
|
産業空調 |
18,224 |
51,320 |
69,545 |
50,832 |
18,712 |
|||
|
電 気 |
13,494 |
22,344 |
35,839 |
22,638 |
13,200 |
|||
|
ファシリティ |
2,137 |
10,141 |
12,279 |
9,565 |
2,713 |
|||
|
計 |
86,010 |
145,069 |
231,080 |
143,191 |
87,889 |
|||
|
プラ |
機 械 |
1,414 |
9,754 |
11,168 |
8,663 |
2,504 |
||
|
環 境 |
9,260 |
5,765 |
15,026 |
8,990 |
6,035 |
|||
|
計 |
10,674 |
15,520 |
26,194 |
17,654 |
8,540 |
|||
|
計 |
96,685 |
160,589 |
257,275 |
160,845 |
96,429 |
|||
|
不動産事業 |
― |
1,532 |
1,532 |
1,532 |
― |
|||
|
合計 |
96,685 |
162,122 |
258,808 |
162,378 |
96,429 |
|||
|
当事業年度 (自平成28年4月1日 至平成29年3月31日) |
設備 |
建築 |
ビ ル |
53,262 |
61,810 |
115,072 |
55,885 |
59,186 |
|
産業空調 |
18,712 |
48,533 |
67,245 |
48,114 |
19,131 |
|||
|
電 気 |
13,200 |
21,094 |
34,294 |
21,073 |
13,221 |
|||
|
ファシリティ |
2,713 |
8,560 |
11,274 |
9,240 |
2,033 |
|||
|
計 |
87,889 |
139,997 |
227,887 |
134,314 |
93,572 |
|||
|
プラ |
機 械 |
2,504 |
7,556 |
10,061 |
7,637 |
2,423 |
||
|
環 境 |
6,035 |
9,625 |
15,661 |
7,101 |
8,559 |
|||
|
計 |
8,540 |
17,182 |
25,722 |
14,738 |
10,983 |
|||
|
計 |
96,429 |
157,180 |
253,609 |
149,053 |
104,555 |
|||
|
不動産事業 |
― |
1,592 |
1,592 |
1,592 |
― |
|||
|
合計 |
96,429 |
158,772 |
255,201 |
150,645 |
104,555 |
|||
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越高は(前期繰越高+当期受注高-当期売上高)に一致しております。
|
期別 |
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
前事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
建築設備 |
6,548 |
138,521 |
145,069 |
|
プラント設備 |
5,832 |
9,688 |
15,520 |
|
|
計 |
12,380 |
148,209 |
160,589 |
|
|
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
建築設備 |
5,080 |
134,917 |
139,997 |
|
プラント設備 |
9,353 |
7,829 |
17,182 |
|
|
計 |
14,433 |
142,747 |
157,180 |
受注方法は、特命と競争に大別されます。これを受注金額比で示すと次のとおりであります。
|
期別 |
区分 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
|
前事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
建築設備 |
50.1 |
49.9 |
100 |
|
プラント設備 |
21.7 |
78.3 |
100 |
|
|
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
建築設備 |
48.4 |
51.6 |
100 |
|
プラント設備 |
17.9 |
82.1 |
100 |
|
期別 |
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
前事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
建築設備 |
13,912 |
129,279 |
143,191 |
|
プラント設備 |
8,472 |
9,182 |
17,654 |
|
|
計 |
22,384 |
138,461 |
160,845 |
|
|
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
建築設備 |
10,805 |
123,509 |
134,314 |
|
プラント設備 |
6,930 |
7,808 |
14,738 |
|
|
計 |
17,735 |
131,318 |
149,053 |
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度完成工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
|
㈱竹中工務店 |
|
杏林大学井の頭キャンパス新築空調・衛生・電気設備工事 |
|
大成建設㈱ |
|
大日本印刷市谷工場整備計画(D工区)空調設備工事 |
|
清水建設㈱ |
|
成田PTB固定ゲート増築 空調・衛生設備工事 |
|
鹿島建設㈱ |
|
ヤンマーびわ試験棟増築工事 空調・衛生設備工事 |
|
日本下水道事業団 |
|
南蒲生浄化センター災害復旧機械設備工事 |
当事業年度完成工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
|
鹿島建設㈱共同企業体 |
|
住友別子病院新病院 空調設備工事 |
|
鹿島建設㈱ |
|
船橋市北部清掃工場 空調・衛生・電気設備工事 |
|
大成建設㈱ |
|
池田模範堂第2工場機械設備工事等 |
|
名古屋市上下水道局 |
|
露橋水処理センター 水処理設備工事 |
2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
|
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
建築設備 |
8,304 |
85,268 |
93,572 |
|
プラント設備 |
7,212 |
3,771 |
10,983 |
|
計 |
15,516 |
89,039 |
104,555 |
次期繰越工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。
|
虎ノ門一丁目地区 |
|
虎ノ門一丁目地区第一種市街地再開発事業 |
|
<平成31年12月完成予定> |
|
鹿島建設㈱ |
|
日本橋室町三丁目市街地再開発計画A地区 |
|
<平成31年3月完成予定> |
|
鹿島建設㈱ |
|
日本橋二丁目地区C・D街区 第一種市街地 |
|
<平成30年6月完成予定> |
|
最高裁判所 |
|
福岡高地家簡裁庁舎 新営機械設備工事 |
|
<平成30年7月完成予定> |
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、平成27年12月18日に「三機工業グループ経営理念」及び「三機工業コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定いたしました。
「三機工業グループ経営理念」は、昭和55年の制定以来、35年にわたって掲げられてきた「社是」の精神を受け継ぎながら、その表現を現代的なものに改めたものであります。「エンジニアリングをつうじて快適環境を創造し広く社会の発展に貢献する」をはじめとし、これを支える3つの理念「技術と英知を磨き、顧客満足の向上に努める」「コミュニケーションを重視し、相互に尊重する」「社会の一員であることを意識し、行動する」から成り立っており、社会における当社グループの存在意義を総合的に表現しております。
「三機工業コーポレートガバナンス・ガイドライン」は、当社グループのコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方及び取り組み方針を明らかにするために制定したものであります。これに基づき、より一層のコーポレートガバナンスの充実に取り組むことにより、当社グループの持続的な成長と長期的な企業価値の向上が実現できるものと考えております。
また、内部統制とCSRの一層の強化、技術力の伝承・向上などを経営課題として捉え、企業価値の向上に全力で取り組んでまいります。
コンプライアンスについては「三機工業グループコンプライアンス宣言」及び「三機工業グループ行動基準」に基づき、法令遵守をはじめとしたコンプライアンス意識の醸成・向上に努めております。
これらを当社グループの経営の基本方針として、来たるべき100周年に向け着実に前進してまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題等
当社グループの主力の建築設備事業では、短期的には旺盛な需要を背景に施工能力とのバランスを考慮した受注戦略と、受注した工事の確実な施工による利益確保が求められております。機械システム事業では、景気回復に伴う人手不足に加え少子化に伴う将来の労働力不足懸念による省力化ニーズが底堅く、ロボット等の新技術を取り込んだ新製品開発が求められております。環境システム事業では、主力の公共事業は堅調に推移しておりますが、今後、保有技術を活かした新たな事業領域への展開が求められております。
これらを踏まえ、中期経営計画“Century 2025”Phase1の2年目を迎える平成29年度は、
|
① |
大和地区再開発計画推進のためSTeP計画準備室(注)を新設 |
||
|
② |
部門横断的に海外事業を統括するため、海外事業部を新設 |
||
|
③ |
経理・人事・法務等の専門性を発揮するため、管理本部を総務人事本部及び経理本部に再編 |
||
等の組織改正を行い、コア事業を一層強化し、未来へ向けた技術と領域の成長に取り組んでまいります。
(注)STeP計画は、大和地区に平成30年度(2018年度)にオープンを目指し、総合研修・研究施設「Sanki Techno
Center」を構築することを中核としたSanki Techno Parkの略称。
また、当社グループでは、働きやすい環境づくりを進めるために「スマイルプロジェクト」を立ち上げ、新たな休暇制度の導入、再雇用制度の見直し、タブレット端末の導入による業務の効率化など、ワークライフバランスの改善に積極的に取り組んでおります。
当社グループは、中期経営計画“Century 2025”Phase1を着実に実行し、引き続き環境変化に柔軟に対応できる企業体制を構築しながら、新技術の開発、コーポレートガバナンスの一層の強化に取組み、コンプライアンスの徹底を土台として、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向け鋭意努力を重ねてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、下記項目の中には、将来の予想に関する事項も含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
建設業における請負契約は、一つの取引における金額が大きく、工事完了時に代金を受領することが多くあります。そのため、工事代金受領以前に取引先が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
資機材価格及び労務費が急激に高騰し、それを請負金額に反映させることが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが保有している市場性のある有価証券は、当連結会計年度末時点で29,790百万円であり、同時点での市場価格で評価すると、15,497百万円の含み益となっておりますが、今後の時価の動向次第によりこれらの数値が変動し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
年金資産及び信託資産の時価の下落や運用利回りの悪化、割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
海外で請負工事の施工を行っているため、テロの発生やその国の政情悪化、経済状況の変動、予期しない法律・規制の変更等があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
設備工事等において、工事の安全衛生や品質管理には万全を期しており、また、不測の事態に備えて工事賠償責任保険に加入しておりますが、予期しない事故や災害が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
設備工事は工事内容の打ち合わせ及び見積りに基づき取り交わした請負契約にしたがって施工し、工事完了後に顧客による竣工検査等を受けて引渡しが完了しますが、工事途中での設計変更や手直し工事による想定外の追加原価等により不採算工事が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの不動産事業において、賃貸料相場の急激な下落等による契約賃貸料の改定や、契約先の事業方針の変更等により賃貸契約の更新が行われず、空室期間が長期化した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業推進において瑕疵担保責任、製造物責任、特許、契約上の債権債務等に関する訴訟を提起される可能性があり、訴訟の動向によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法的規制等によるリスク
当社グループは、事業推進において建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等、多数の法的規制を受けております。そのため、グループ一丸となって法令遵守の徹底に努めておりますが、法的規制の新設や改廃、又は法的規制による行政処分を受ける等の理由で、当社グループの事業活動に大きな制約が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
危機管理体制の整備に努めておりますが、地震等の大規模自然災害の発生により、事業所の営業継続に支障をきたす重大な被害を受けた場合や工事の中断や大幅な遅延等の事態が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの売上高は、通常の営業の形態として、上半期に比べ、下半期に完成する工事の割合が大きいため、連結会計年度の上半期の売上高と下半期の売上高との間に著しい相違があり、上半期と下半期の業績に季節的変動があります。最近2連結会計年度の上半期及び下半期の実績は下記のとおりであります。
|
項目 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||||
|
上半期 |
下半期 |
1年通期 |
上半期 |
下半期 |
1年通期 |
|
|
売上高 |
75,480 |
103,420 |
178,901 |
70,341 |
98,171 |
168,512 |
|
(構成比) |
(42.2%) |
(57.8%) |
(100.0%) |
(41.7%) |
(58.3%) |
(100.0%) |
|
売上総利益 |
8,103 |
14,826 |
22,929 |
8,144 |
14,394 |
22,538 |
|
営業利益 |
176 |
6,333 |
6,509 |
57 |
5,955 |
6,012 |
|
相手会社名 |
国名 |
契約製品 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
コムスコープ社 |
シンガポール |
構内情報配線システム(SCS) |
販売権の許諾 |
自平成29年1月 |
|
アルファ・ラバル株式会社 |
日本 |
遠心分離機及びスターチ製造技術 |
販売権の許諾 |
自平成21年10月 |
|
相手会社名 |
国名 |
契約製品 |
技術提携の内容 |
対価 |
契約期間 |
|
エフ・エル・スミス A/S社 |
米国 |
化学鉱山水処理用機械装置及びプラント |
技術的知識の提供 |
工場裸渡売値に対する一定料率のロイヤルティ |
自昭和63年1月 |
|
ノルディックウォータープロダクツ社 |
スウェーデン |
砂濾過装置 |
特許実施権の許諾 |
販売額に対する一定料率のロイヤルティ |
自昭和53年11月 |
|
シュティーフェル・ホールディング社 |
スイス |
水冷火格子焼却システム |
特許再実施権の許諾 |
プラントの年間ごみ処理量1トン当たりに対する一定額のロイヤルティ |
自平成27年5月 |
(3) 提出会社における主な技術援助契約
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相手会社名 |
国名 |
契約製品 |
技術提携の内容 |
対価 |
契約期間 |
|
ヴィアストア・システムズ社 |
米国 |
ベルトカーブコンベヤ |
特許実施権の許与 |
製造・販売した製品1台当たりに対する一定額のロイヤルティ |
自平成28年7月 |
|
相手会社名 |
国名 |
契約製品 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
日本アバイア株式会社 |
日本 |
構内電話交換機システム製品群(PBX/米国アバイア社製) |
販売権の許諾 |
自平成26年7月 |
当社で行っている研究開発は、建築設備(空調・換気・給排水衛生・電気・情報)としてのエネルギー・居住環境・生産環境・高度情報処理システム並びにプラント設備としての環境保全に関する上下水処理・ごみ処理、産業設備に関する搬送システム・機器などの事業領域を基盤とし、快適環境の創造やCO2排出量削減及び省エネルギーを中心とした新技術の研究開発、保有技術の改良、高品位化を推進しております。
また、子会社においては、特記すべき重要な研究開発活動は行われておりません。
当連結会計年度における研究開発費は1,084百万円であります。なお、研究開発費は主に研究開発部門に係る費用であり、当部門は複数のセグメントにわたって活動しております。このため、セグメント別の研究開発費を明確に区分することが困難であるため、研究開発費は総額で記載しております。
主な研究開発成果は以下のとおりであります。
(建築設備事業)
冷媒配管工事の施工省力化工法の改良
建設業では就業者数の減少と熟練労働者の高齢化が進んでおり、建築設備工事においても、今後はより少ない労働力で高い施工品質を維持及び向上させていく必要があります。このため当社では、新築・リニューアル市場ともに空調システムとしてさらに需要が増すと予想される冷媒配管工事を対象として、アルミニウム配管とメカニカル継手による省力化工法の検証を進めてまいりました。今回、既発表工法(2014年12月)による施工において手間を要していた継手の接続部分に改良を加え検証を行った結果、従来の工法と比較して約25%(既発表工法では約20%)の施工省力化を達成することができました。
簡単操作の専用工具を使用することにより、熟練作業員の技術に頼ることなく高品質を維持できるため、労働力不足に対応できます。また、従来の工法に比べ、施工の簡易性及び信頼性が向上したことにより、リニューアル現場や短工期の現場でも高品質の施工が可能となりました。性能面では、冷媒配管材料の性能基準であるISO14903で求められる気密試験、耐圧試験の基準をクリアしております。
今後、本検証を行なった新継手は、メーカーと連携し早期に販売体制が整うように協力してまいります。また、同工法は全国のリニューアル工事を中心に各施工現場に順次展開し、省力化を推進していく予定です。
(機械システム事業)
ステンレス製コンベヤ 広幅ベルト ローラエッジタイプの開発
ステンレス製フレームに樹脂製ベルトを装着した、水洗いが可能なベルトコンベヤにおいて、前後の乗り継ぎ部が小径ローラで、ベルト幅が広いタイプのコンベヤを開発いたしました。小径ローラにより小さなものでも安定した乗り継ぎができ、ベルト幅は最大1,000mmまで対応可能であります。また、レバーを操作することで簡単にベルトがゆるむ機構を備えているため、コンベヤ洗浄作業が簡単になります。
小さな食品等を多列に流す生産設備において、フリーザー等の大型食品機械の前後のつなぎ用として活躍するコンベヤであります。
(環境システム事業)
下水処理場内における省エネルギー製品やシステムの開発
下水処理場においては、処理水質を維持しながら消費電力量を削減する技術が求められております。
当社では継続して下水処理場内の省エネルギー製品やシステムの開発に取り組んでおり、本年度は下記3件を実施いたしました。
・DHSシステムを用いた水量変動追従型水処理技術実証研究の実施
コスト面やエネルギー面で下水処理場の経営改善に貢献できる当社のDHS(Down―flow Hanging Sponge)技術が、国土交通省国土技術政策総合研究所の下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)に採択されました。本事業では共同研究体(須崎市、東北大学、香川高等専門学校、高知工業高等専門学校、日本下水道事業団、当社)を構成し、須崎市終末処理場での実証施設の運転により得られる各種データを踏まえて、本技術の実証を進めてまいります。
・低圧損型メンブレンパネル式散気装置「エアロウイングⅡ」
超微細気泡散気装置「エアロウイング」の特徴である高い酸素移動効率を維持しながら圧力損失を一段と低く抑えることで、省エネルギーを実現いたしました。現在、納入後の追跡調査等を実施しており、本製品の更なる改良開発及び次世代散気装置開発のための知見収集等を実施しております。
・省エネ型遠心脱水機「SANDEC G3」
SANDEC G3は独自の設計思想により、高性能でありながら省エネルギー、省スペース、維持管理の容易性を実現した新型遠心脱水機です。継続して、様々な汚泥性状に対する最適な適用性調査を実施しております。
(不動産事業)
研究開発活動は特段行われておりません。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。すなわち、貸倒引当金、完成工事補償引当金等各種引当金及び法人税等、並びに工事進行基準適用工事の予定利益率等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当連結会計年度末における流動資産は1,149億6百万円(前連結会計年度末比0.5%減)、固定資産は517億5百万円(前連結会計年度末比4.1%減)となりました。その結果、総資産は1,666億1千2百万円(前連結会計年度末比1.7%減)となりました。
総資産の減少の主な要因は、売上債権の回収に伴う受取手形・完成工事未収入金等の減少によるものであります。
当連結会計年度末における流動負債は687億7千6百万円(前連結会計年度末比5.6%減)、固定負債は118億7千5百万円(前連結会計年度末比1.1%減)となりました。その結果、負債合計は806億5千1百万円(前連結会計年度末比5.0%減)となりました。
負債の減少の主な要因は、工事代金の支払いにより支払手形・工事未払金等が減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産は859億6千1百万円(前連結会計年度末比1.7%増)となりました。
純資産の増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益46億9千8百万円を計上したことにより利益剰余金が増加したことによるものであります。
キャッシュ・フローの状況の分析については「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の経営成績については「1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。
当連結会計年度において、当社グループは、2025年の創立100周年を見据え、当連結会計年度を初年度とする10年間の長期ビジョン“Century 2025”及び3ヵ年の新中期経営計画“Century 2025”Phase1の経営方針にもとづいて、コア事業の強化や生産性・業務効率の改善を図り、また、大和地区再開発に着手することで、未来に向けた技術の向上と事業領域の拡大を目指す取り組みを開始しました。
受注高につきましては、大型物件の受注等により1,858億8千万円と前連結会計年度を上回りました。売上高につきましては、大型物件の完成工事高減少等により1,685億1千2百万円と前連結会計年度と比較し減収となりましたが、翌連結会計年度への繰越受注高は1,237億5千6百万円と前連結会計年度を大幅に上回りました。利益面につきましては、原価管理の徹底や作業効率の向上等利益率改善に努めましたものの、減収に加え、退職給付に係る数理計算上の差異償却額の増加等が影響し、営業利益は前連結会計年度と比較して減益となりました。また、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、営業利益の減益要因に加え、持分法による投資利益や受取保険金の減少等が影響し、いずれも前連結会計年度と比較して減益となりました。なお、一昨年度(第91期)との比較においては、営業利益、経常利益及び親会社株主に係る当期純利益のいずれも増益となっており、前連結会計年度に引き続き高い利益水準を維持しております。