文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社は、技術力を武器とする少数精鋭の施工・販売会社として屋根・壁業界のリーダーカンパニーのステイタスをより強固にするため中長期的な経営戦略として次の取り組みを行っております。
① 優れた商品の開発と施工品質の一層の向上
② 耐風・防音等、気候変動や顧客ニーズの変化に対応した商品及び改修・塗装分野の拡販
③ 人材開発
当期は、全社一致結束して中長期課題の取り組みを鋭意推進してまいりましたが、次期以降も更なる体質改善に向けて全力を傾注する所存であります。
当事業年度における予算と実績について
2020年3月期の売上高につきましては、当初より減収を見込んでおりましたが、主に関東地区における工事進捗遅れにより予算比1,704百万円の減収となりました。
経常利益につきましては、利益率の改善に加え一般管理費の低減により326百万円の増益となり、経常利益率につきましても減収増益の結果1.3%上昇し7.0%となりました。
当期純利益につきましては、減損損失の影響が大きく23百万円の減益となりました。
(屋根事業)
米中貿易摩擦の影響による世界経済の減速傾向が継続し輸出が弱含む中で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により国内外経済の不透明感が増してきていることに加え、国内建設市場においても非住宅の着工床面積の減少傾向が続くなど金属屋根需要の厳しさは確実に増してきております。
(建材事業)
住宅市場においても、同様に新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により新設住宅着工戸数の減少が見込まれる中、顧客の住宅メーカーの受注件数も大きく減少しており不透明感が増してきております。
また、中期的には財政再建・社会保障制度改革、新型コロナウイルス対応のための財政出動による公共事業への投資減、世界的景気後退に伴う民間設備投資の縮小、少子高齢化による人口減=労働人口減など、予断を許さない状況が続き、建設・住宅需要は確実に縮小に向かうと予想されます。
このような中、どのような環境変化に対しても安定した収益を確保し、社会に貢献できる企業を目指すことを主眼に、安全・法令遵守への継続的な取り組みはもちろんのこと、下記事項を最重要課題として鋭意推進してまいります。
①工事力・工事管理能力の強化
②施工能力の維持・拡大
③製作所をはじめとする抜本的コスト競争力の強化
④戦略商品の拡販
⑤人材育成・働き方改革の推進
当社の経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月26日)現在において当社が判断したものであります。
屋根事業においては、建設市場の先行きに不透明感がある中、受注競争が益々熾烈化することが予想され、これによる受注価格の下落や受注高の減少が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
主要な取り組み:競合に対する差別化、工事力・工事管理能力の強化
当社関連業界においては、需要低迷を背景に企業収益の改善が進まない中、当社は取引先の与信管理・債権管理を徹底し、信用リスク回避の軽減に努めております。しかしながら、取引先が信用不安に陥った場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
主要な取り組み:情報収集、与信管理、債権保全等
当社は鋼材及び諸資材を調達しておりますが、主要資材価格が高騰した際、受注価格に反映することが困難な場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
主要な取り組み:市場動向調査、購入先の分散化・多様化、資材の早期発注、有力業者との協力関係構築
当社は工事の安全衛生や品質管理には万全を期しておりますが、人身や施工物に関わる重大な事故が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
主要な取り組み:安全・衛生・環境部設立、墜落転落防止ガイドラインによる教育・指導、
安全会議・安全衛生委員会等による事故情報共有化、グループ会社の事故情報共有化、
適切な保険の付保
当社は事業活動を行う過程において法令遵守に努めておりますが、契約不適合責任等に関する訴訟を提起された場合、訴訟の動向によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
主要な取り組み:適切な工事請負契約・適切な保険の付保
(6) 協力会社の確保に係るリスクについて
当社は工事の施工管理を行っており、優秀な協力会社の確保・育成・新規採用が不可欠であります。現状、協力会社を中心として受注工事に対応できる施工能力を有しておりますが、将来主要な協力会社に不測の事態が発生した場合、受注機会の喪失や納期遅延等の問題が発生する恐れがあり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
主要な取り組み:工事総括部設立、新規協力会社の受け入れ推進
(7) 固定資産の減損損失について
経営環境等の変化により、収益性の低下によって投資額の回収が見込めなくなった場合には、固定資産の減損会計の適用により、その回収可能性を反映させるよう帳簿価額を減額し、その減少額を減損損失として計上する可能性があります。
主要な取り組み:財務担当役員を委員長とした設備予算委員会による投資案件の審議、
同委員会における投資実行後の定期的なモニタリング、四半期毎の減損兆候の把握
(8) 新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルス感染症が蔓延し、需要の減退、工事中断の長期化の支障などが生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症に対して当社は、下記感染予防・感染防止対応策を施しております。
・安全衛生面の徹底(マスク着用、検温、外部との接触の自粛等)
・テレワークを積極活用し、出社する場合混雑時間帯を避けるよう「勤務時間の変更」を活用
・社内外との会議など各種打合せは、原則Web会議
・国内外の出張原則禁止
・当社主催行事は社内外問わず原則見合わせ
なお、当事業年度においては、当社の業績に重要な影響は生じておりません。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、個人消費の持ち直し、設備投資の増加、雇用情勢の着実な改善など緩やかな回復基調が続きましたが、一方で米中貿易摩擦の影響等による世界経済の減速傾向により輸出は弱含みました。また、2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症の発生により、輸出環境の更なる停滞、個人消費の減少、雇用情勢の悪化等により足元が急速に厳しくなってきております。 先行きについては、新型コロナウイルス感染症の影響が拡大することが見込まれ、内外経済をさらに下振れさせるリスクに十分注意する必要があります。
このような状況下、受注高につきましては、受注量の確保に向けて鋭意努力してまいりましたが、一部受注予定物件の来期へのずれ込み等もあり、前年同期比69百万円(0.2%)減少の34,675百万円となりました。
売上高につきましては、東京オリンピック関連の大型案件が一段落した事もあり、前年同期比2,112百万円(5.9%)減収の33,995百万円となりました。
経常利益につきましては、減収の影響もあり前年同期比508百万円(17.7%)減益の2,366百万円となりました。
当期純利益につきましては、減損損失を489百万円計上したため、前年同期比707百万円(36.4%)減益の1,236百万円となりました。
繰越受注高は前年同期比680百万円(4.3%)増加の16,393百万円となりました。
なお、当事業年度は新型コロナウイルス感染症による工事の中断等、工事案件に係る影響は限定的であったため、財務諸表への影響は軽微であります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(屋根事業)
屋根事業は長尺屋根工事、R-T工事、ハイタフ工事、ソーラー工事、塗装工事及び長尺成型品販売を行っております。
セグメント売上高は東京オリンピック関連の大型案件も一段落した事もあり、前年同期比2,028百万円(6.3%)減収の30,017百万円となりました。
セグメント利益は売上利益率が1.3%改善いたしましたが、減収の影響が大きく、また人員増に伴う一般管理費の増加により前年同期比372百万円(13.9%)減益の2,310百万円となりました。
(建材事業)
建材事業は住宅成型品販売を行っております。
セグメント売上高は台風15号・19号影響により災害復旧が優先され、新規リフォーム受注が減少したこと等により前年同期比87百万円(2.2%)減収の3,896百万円となりました。
セグメント利益は主要顧客からの新商品の棟数が当初予定を上回り、短期間での大幅な受注増に伴う生産体制逼迫により製造コストが増加したため前年同期比139百万円(87.2%)減益の20百万円となりました。
(その他)
その他は太陽光により発電した電力を電力会社に卸売りする事業を行っております。
セグメント売上高は前年同期比4百万円(5.5%)増収の81百万円となりました。
セグメント利益は前年同期比1百万円(3.6%)減益の34百万円となりました。
② 財政状態の状況
当事業年度末の総資産は前事業年度末比2,121百万円(6.4%)減少の31,013百万円となりました。これは主に完成工事未収入金、電子記録債権が減少したことによるものであります。
負債につきましては前事業年度末比2,779百万円(18.4%)減少の12,341百万円となりました。これは主に、短期借入金を返済したことによるものであります。
純資産は前事業年度末比657百万円(3.6%)増加の18,672百万円となりました。
この結果、自己資本比率は60.2%(前事業年度末54.4%)となりました。これは主に、純資産が当期純利益の計上に伴い増加したことによるものであります。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期比976百万円(13.0%)増加の8,472百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少1,230百万円、法人税等の支払988百万円等がありましたが、税引前当期純利益1,860百万円、減価償却費672百万円、売上債権の減少2,603百万円等により3,358百万円の収入(前事業年度は2,150百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出403百万円、無形固定資産の取得による支出358百万円等により769百万円の支出(前事業年度は1,351百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払579百万円、短期借入金の返済による支出1,000百万円等により1,612百万円の支出(前事業年度は704百万円の支出)となりました。
当事業年度における施工実績を工事種類ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度における受注実績及び受注残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績につきまして、当事業年度の予算の達成状況は次のとおりであります。
(屋根事業)
セグメント売上高は契約の時期ズレや工事の進捗遅れ等から対予算マイナス1,602百万円の30,017百万円(達成率94.9%)となりました。
セグメント利益は減収による影響があったものの、売上利益率の改善に加え、一般管理費の未消化により対予算398百万円増加の2,310百万円(達成率120.9%)となりました。
(建材事業)
セグメント売上高は台風15号・19号影響により災害復旧が優先され、新規リフォーム受注が減少したこと等により対予算マイナス103百万円の3,896百万円(達成率97.4%)となりました。
セグメント利益は主要顧客からの新商品の棟数が当初予定を上回り、短期間での大幅な受注増に伴う生産体制逼迫により製造コストが増加したため対予算マイナス64百万円の20百万円(達成率24.2%)となりました。
(その他)
セグメント売上高は対予算プラス1百万円の81百万円(達成率101.4%)となりました。
セグメント利益は、点検費用がかさみ対予算マイナス8百万円の34百万円(達成率81.1%)となりました。
② 財政状態、キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
a.財政状態
当事業年度末における流動比率は231.9%(前年同期比44.0%改善)となりました。これは主に、短期借入金を返済したことによるものであります。
自己資本比率は60.2%(前年同期比5.8%改善)となりました。これは主に、東京オリンピック関連工事にかかる債権債務の決済完了、短期借入金の返済により総資産が減少した一方で、当期純利益の計上に伴い純資産が増加したことによるものであります。
今後とも財務上の健全性確保及び資産効率性を高めることを推進してまいります。
b.キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
c.資金需要
当社の運転資金需要のうち主なものは、工事施工に必要な材料、外注加工費、製造関連費等の施工原価及び一般管理費等の費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、屋根事業及び建材事業に係る成型機等の取得を目的とした設備投資によるものであります。また、株主還元については、業績に応じた利益配分を基本とした配当政策に基づき実施しております。
d.資金調達
当社は、運転資金及び投資目的とした資金需要を自己資金でまかなっております。
また、適切な現預金残高を維持することに加え、一時的な資金不足に備え、主要取引銀行とのコミットメントライン契約により、充分な流動性を確保しております。
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は8,472百万円となっており、重要な有利子負債はありません。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これら見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.重要な収益及び費用の計上基準
完成工事高の計上は、当事業年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗度の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。
工事進行基準による完成工事高計上においては工事原価総額の見積りにより収益及び損益の額に影響を与えます。工事原価総額の見積りは当初は実行予算によって行います。実行予算作成時には、作成時点で入手可能な情報に基づいた気象条件、施工条件、資材価格について仮定を設定し、作業効率等を勘案して工種毎に詳細に積み上げることによって工事原価総額を見積ります。工事着工後は各工事において実際の発生原価と対比して適時・適切に工事原価総額の見直しを行っており、工事原価総額について検討・分析を実施しております。
また、完成工事高計上においては原価比例法を採用しており、実際の工事の進捗状況と累計発生原価率との乖離が疑われる場合には、その要因を調査・検討することで計上額が妥当であることを検証しており、企業会計基準第15号「工事契約に関する会計基準」に基づき、完成工事高を計上しております。
このように気象条件、施工条件、資材価格、作業効率等さまざまな仮定要素があり、それらについて適時・適切に見積りを行っておりますが、将来の損益は見積金額と異なる場合があります。
b.完成工事補償引当金
完成工事に係る契約不適合責任等の費用に備えるため、過年度の実績率を基礎に将来の支出見込を勘案し、特定の物件については個別に発生見込額を考慮し、算定額を計上しております。
支出見込額の算定に際しては現在入手可能な情報(過去の実績、補修方法等)及び保険契約を基礎として算定しておりますが、見積りを超える瑕疵及び支出が発生した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。
c.固定資産の減損
固定資産の減損会計の対象となる建物、構築物、機械及び装置、工具器具・備品並びに土地等を保有しております。減損の兆候の把握、認識の判定は慎重に実施しておりますが、受注状況や市場環境の変化等により、将来キャッシュ・フローの総額の見積りが帳簿価額を下回った場合に、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
該当事項はありません。
研究開発活動につきましては、当社深谷製作所内に研究開発の活動拠点を設置し、「技術と素材」を活かした製品や各種工法システムの開発を通して、より高い品質と性能を持った屋根・壁の追求に取り組んでおります。
また、新製品をスピーディかつタイムリーに市場へ送り出すため、社内各部門の代表者からなる「開発企画委員会」を組織して、全社的な開発戦略の検討・方向付けを行い的確かつ効率的な研究開発を鋭意進めております。
当事業年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)の研究開発費は、
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(1) 屋根事業
屋根事業では、施工性、省力化に向けた製品、工具の研究開発をしております。研究開発の成果としましては、施工がワンタッチ式のボトルレス次世代ルーフデッキ「サンコール―フロック85」の販売・施工を開始しました。
当事業年度における研究開発費の金額は
(2) 建材事業
建材事業では、主にプレハブ住宅向け商品の研究開発を行っており、試作品製作や性能試験等を活動テーマとして取り組んでおります。
当事業年度における研究開発費の金額は