文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(企業理念)
我々は
一、 快適で環境に優しい屋根空間を創造し、社会に貢献します。
一、 現場力を磨き、専門性を活かした高品質の建築作品とサービスを提供します。
一、 誠実と勤勉を旨とし、自ら熟慮を重ねて信頼に応えるよう行動します。
一、 人を育て、人を活かし、活力に溢れる企業であり続けます。
(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)
当社は、ここ数年高い建築需要を背景に利益率重視を基本とした経営方針のもと、安定した売上高、収益を維持し、財務体質も大幅に改善してまいりました。しかしながら、労働人口の減少、環境変化の拡大、先進技術の進展等、当社を取り巻く環境が大きく変化する中で、労働集約型事業の当社において、変化への対応を誤れば業容縮小を余儀なくされかねない、まさに今、サステナビリティ上の分岐点に立っていると認識し、中期計画を策定いたしました。その中で、業務プロセス改革による「生産性の飛躍的向上」と、「技術力の再強化」による商品・施工の差別化拡大を軸とした取り組みを行うことで中期的に企業価値の向上を実現し、更に需要動向に左右されない強固な事業構造への転換に取り組むことで、売上高、収益の拡大を図り、80周年、更に100周年においても、我が社が「顧客や社会、全てのステークホルダーから信用・信頼され、選ばれる企業」であり続けることを目指すことといたしました。
中期経営方針について
当社のサステナビリティに対する課題認識を踏まえ中期経営方針を策定。以下の主要施策を実行し「競合者との差別化の拡大」「生産性の飛躍的向上」を推進し、事業規模の拡大を図り、業界における圧倒的なリーディングカンパニーの地位を築く。

前中期経営方針(2021-2023) 施策のポイントと成果
商品・工法の開発、施工管理・施工・製造体制を重点的に強化、再構築を推進
業務の効率化と高度化の実現に向け、現状分析による課題構造を明確化、全社業務改善プロジェクトに着手


施策ポイント①「商品・工法の開発」、施策ポイント②「施工管理・施工・製造体制の強化」の成果は下記の通りであります。

施策ポイント③「業務プロセスの改善による抜本的な働き方改革」の成果は下記の通りであります。

当中期経営方針の取組(2024-2026)
当社の目指す姿
今後の外部環境変化と当社への影響

当社の課題認識と3年間で取り組む主要施策
当社に求められる機能を”業界最高レベル”で果たすためには、改善・高度化できる課題がある。
その中でも特に”好循環”のカギになる「現場生産性向上と工事品質向上」を最重点施策として取り組む。

収益拡大を伴う持続的な成長へ

サステナビリティを巡る課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から、これらの課題に積極的・能動的に取り組んでおります。
また、サステナビリティの観点に立った中期経営計画を策定し、経営戦略の面においても適切に対応していけるよう整えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(サステナビリティ全般に関する取組)
社会・環境・気候関連問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題への対応として、安全・衛生・環境部門並びに内部統制・監査部門を設置し、社内的には従業員等への人権・健康・労働環境・自然災害に係る対応を整備するとともに、取引先等社外との公平・公正な係りなどについても適切に対応が可能となるよう体制を整えております。
また、内部統制やリスク管理体制についても、内部統制システム、内部統制・監査部及びリスクマネジメント委員会を整備し、適切な運用を図っております。
取締役会は、取締役会規程に基づき経営全般に係る重要な事項について審議、決定を行い、取締役職務の執行状況の監督などを行うこととしております。
サステナビリティの観点より、施工体制及び施工管理力、製造体制の強化を中長期的に実行していくとともに、自然環境の変化や省力化等のニーズに対応した商品開発をスピーディに行い、ソーラー事業を含む屋根・外壁のトータルソリューションを提供してまいります。
加えて、顧客や協力会社を始めとしたステークホルダーへの更なる提供価値向上を目指し、働き方改革による業務の抜本的な見直しやDXの推進による個別に蓄積されたデータやノウハウの共有化など、効率化・高度化に向けた取り組みについても鋭意実行しております。
以上の認識のもとに、人的資源などの経営資源の戦略的配分などをもって年度計画などに反映させております。
当社において、全社的なリスク管理はリスクマネジメント委員会において行っており、重要なリスクは経営会議の協議を経て戦略、計画に反映され、取締役会に報告、監督されます。
取締役会は、内部統制システム基本方針に基づき、内部統制・監査部を軸とした、グループ会社を含めたリスク管理体制を整備しております。具体的には、内部統制・監査部、本社機能部門、現業部門の各層で果たすべき役割・機能を整備するとともに、適時適切な連携の上、円滑な運用と監督を行っております。
(気候変動に対する取組)
(1) ガバナンス
気候変動に対するガバナンス体制につきましては、(サステナビリティ全般に関する取組)(1)ガバナンスをご参照ください。
(2) 戦略
気候変動によるリスクと機会が当社の企業価値や業績に及ぼす重要性を認識しております。
当社が認識しているリスクと機会は以下のとおりであります。
短期(3年以下)、中期(3年~10年)、長期(10年以上)
(3)リスク管理
気候変動に対するリスク管理につきましては、(サステナビリティ全般に関する取組)(3)リスク管理をご参照下さい。
(4)指標
当社の2023年3月期及び2024年3月期の温室効果ガス排出量(Scope1.2)は以下の通りであります。
今後、中長期的な視点で温室効果ガスの削減に貢献できるよう目標設定に向けて取り組んでまいります。
(人材の育成及び社内環境整備に関する方針戦略)
多様性確保
(1) 戦略
当社は多様な価値観を尊重し、円滑なコミュニケーションと協働により個性を活かすことで、豊かな価値を創造・提供していきたいと考えております。
あらゆる人権の尊重は企業活動の基本であり、当社は、国籍、人種、宗教、思想信条、性別、年齢、性的指向、障がいの有無等に基づく不当な差別の排除に努めております。
取り巻く環境が変化する中で、今後とも当社が将来にわたって屋根の製造・施工会社として業界をリードし、成長し続けるためには、当社で働く社員が相互に多様な価値観を受入れ、生産性高く持てる力を最大限に発揮し、誇りとやりがいを持って活躍できることが重要であるとの認識に立ち、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを進めております。
女性活躍については、これまで整備してきた各種制度や環境を基盤に、キャリアを通じて女性社員が能力を発揮し続けることができることを目指して以下の目標を設定しております。
(目標)
中核人材として、中途も含めて総合職女性の採用(新卒採用は2~3名/年を継続)を積極的に進めるとともに、建設現場を含め、活躍できる職場の拡大を推進してまいります。
なお、採用実績は2024年4月2名、2023年4月2名であります。
なお、当社では国籍を踏まえた採用は実施しておりません。また、中途採用につきましては、経営課題や職場のニーズ、戦力構成に応じ、必要な採用を行っております。
今後は、中期計画で策定した、業務プロセス改革による「生産性の向上」と、技術力の強化による「商品・施工の差別化拡大」への取り組みを加速させるために、引き続き、多様な人材が個人の能力を発揮する組織づくりと人材育成に取り組んでまいります。
人材育成方針
当社の最大の財産は「人」であり、多様な社員一人ひとりの力の結集が当社の企業力であるとの基本認識のもと、「人材開発は仕事そのもの、人材育成が最も重要な仕事である」と位置づけ、「企業理念」・「行動指針」に基づき、人材開発方針を定め、人材育成に取り組んでおります。
具体的には、OJT研修を基本に、それを補完するための階層別研修、基礎仕事力研修、スキルアップ研修などの各種OFF‐JT研修メニューの整備、上司・指導員・本人の対話を重視した人材開発PDCAサイクル機能、資格取得などの自己研鑽支援により多様な人材が能力を発揮し、活躍できる環境を整備しております。
①OJT研修
人材開発の基本はOJT(On the Job Training)研修です。仕事の能力は、実際の仕事を通じて身につくものです。そのためには、先ず、本人自身の自ら伸びようという意欲と仕事を通じて学ぼうとする姿勢が極めて重要なことと認識しております。
新たな取り組みとして、若手工事管理者の施工管理力の底上げを目的に達成度を可視化できる工事管理者育成プログラムを導入いたしました。
人材開発PDCA
若手社員が職場配属後、それぞれの職場においてOJT研修が着実に運営され、それらを通じて若手社員が順調に成長することを期するために、入社3年目までの社員を対象に人材開発PDCAを実施します。上司または指導員は、若手社員との対話に基づいて「指導計画書」及び「伸長状況報告書」を作成し、事業場長を経由して年に1回人材開発部長に提出されます。こうした人材開発PDCAサイクルが機能して成果が発揮されるためには、上司または指導員の育成マインドと若手社員本人の自己研鑚の姿勢が大切であると認識しております。
更に、階層別研修(入社1年目社員研修、入社2年目社員研修、入社4年目社員研修)において、事前課題発表及びヒアリングにより成長を確認しております。

②OFF-JT研修
人事制度と研修体系図(総合職の場合)

当社の経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月27日)現在において当社が判断したものであります。
(1) 他社との競合リスクについて
屋根事業においては、競合他社との間で競争状態にあります。今後建設市場の縮小が継続し、受注競争の激化から受注価格が下落した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに関しては、差別化商品の開発、施工体制、施工管理力の強化等により競争力維持に努めてまいります。
(2) 信用リスクについて
営業債権である受取手形、電子記録債権、完成工事未収入金等は、取引先の信用リスクに晒されております。
当該リスクに関しては、与信管理規程に従い、受注時の与信審査を厳格に行うとともに、必要に応じ適切な債権保全策を実施することにより当該リスクの軽減を図っております。
(3) 資材価格の変動リスクについて
屋根事業において、主要資材価格が高騰し受注価格に反映することが困難な場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに関しては、調達先との価格交渉、分散化、資材の早期発注などの原価低減努力により工事損益への影響を最小限に抑えるよう努めております。
(4) 重大事故の発生リスクについて
屋根事業は、作業環境や作業方法から危険を伴うことも多く、人身や施工物に関わる重大な事故が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに関しては、工事着手に先立ち事前に施工計画を策定し、安全な作業環境を整え施工しております。また、徹底した安全教育を実施し、危険予知活動や安全パトロールなど災害を撲滅するための活動を推進しております。事業部門とは独立した安全・衛生・環境部が工事現場や製作工場へ安全パトロールを実施するとともに、過去事例や他社事例に基づき教育を行うなど、安全管理が十分に配慮された体制で施工を行っております。
(5) 訴訟リスクについて
当社は、工事の施工において、施工品質の維持・向上に万全を期しておりますが、工事完成の引き渡し後の補修、契約不適合責任、製造物責任等に関連する訴訟や、その他事業活動を行う過程における取引先からの訴訟等が提起された場合、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに関しては、取引に際して事前に顧問弁護士によるリーガルチェック、コンプライアンス体制の整備・適正運用を通じて、訴訟リスクの未然防止・軽減に努めております。
また、万一、訴訟等が提起された場合に備え、顧問弁護士と連携し、訴訟等に的確に対応する体制を整備しております。
(6) 協力会社の確保に係るリスクについて
当社は工事の施工管理を行っているため、優秀な協力会社の確保・育成・新規採用が不可欠であります。現状、協力会社を中心として受注工事に対応できる施工能力を有しておりますが、将来主要な協力会社に不測の事態が発生した場合、受注機会の喪失や納期遅延等の問題が発生するおそれがあり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに関しては、工事総括部を中心として協力会社の核である「三友会」の強化による施工品質と施工技術、施工能力の向上の推進に注力するとともに、継続取引協力業者の三友会加入による施工強化や増員支援を図ることで当該リスクの軽減を図っております。
(7) 固定資産の減損損失について
経営環境等の変化による収益性低下により投資額の回収が見込めなくなった場合、保有している固定資産について減損損失を計上する可能性があります。
当該リスクに関しては、財務担当役員を委員長とした設備予算委員会による投資案件の審議により投資の可否を慎重に検討しており、取得後は、同委員会による定期的なモニタリング、四半期ごとの減損兆候の把握等に努めております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)2023年度の事業環境
当事業年度の需要の前提となる2022年度(2022年4月~2023年3月)の全国非住宅鉄骨造着工床面積(申請ベース)は、前期比8.4%減少、全国非住宅鉄骨造着工床面積のうち、当社工事物件に関係する工場・倉庫においては前期比4.1%減少と、第2四半期までは回復基調にあった需要環境が第3四半期以降減少に転じました。
建築コストにつきましては、諸資材価格は総じて高い水準で推移しております。

(2)当事業年度の決算概要
1)業績ハイライト

売上高は、工場・倉庫などの堅調な需要に支えられ31億円(7.8%)増収
経常利益は、増収及び利益率改善に伴い、10.2%増益
ROEは、横ばいの10.8%
(3)財政状態、キャッシュ・フロー、配当金推移
1)財政状態

(資産)
当事業年度末の総資産は、前期比3,455百万円(9.4%)増加の40,162百万円となりました。
これは主に、現金預金の増加、増収に伴う売上債権の増加等によるものであります。
(負債)
負債は、前期比1,482百万円(10.8%)増加の15,198百万円となりました。
これは主に、増収に伴い電子記録債務、買掛金、工事未払金等仕入債務が増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前期比1,972百万円(8.6%)増加の24,963百万円となりました。
当事業年度末における流動比率は261.9%
自己資本比率は62.2%
今後とも財務上の健全性確保及び資産効率性を高めることを推進してまいります。

2)キャッシュ・フロー
売上債権の回収が進み営業キャッシュ・フローは増加。


当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、12,615百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は4,106百万円となりました。
主な増加要因は、税引前当期純利益3,686百万円、減価償却費692百万円、仕入債務の増加額1,241百万円、たな卸資産の減少額390百万円であります。
主な減少要因は、売上債権等の増加額1,177百万円、法人税等の支払額1,142百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は934百万円となりました。
主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出583百万円、無形固定資産の取得による支出391百万円であります。
主な増加要因は、有形固定資産の売却による収入49百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は732百万円となりました。
主な減少の要因は、配当金の支払額711百万円であります。
3)配当金推移
前期185円配当より15円増配の200円配当を実施

4)資金需要
当社の運転資金需要のうち主なものは、工事施工に必要な材料、外注加工費、製造関連費等の施工原価及び一般管理費等の費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、屋根事業及び建材事業に係る成型機等の取得を目的とした設備投資によるものであります。また、株主還元については、業績に応じた利益配分を基本とした配当政策に基づき実施しております。
5)資金調達
当社は、運転資金及び設備投資による資金需要を自己資金でまかなっております。
また、適切な現預金残高を維持することに加え、一時的な資金不足に備え、主要取引銀行とのコミットメントライン契約により、充分な流動性を確保しております。
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は12,615百万円となっており、重要な有利子負債はありません。
(4)セグメントごとの経営成績
(屋根事業)
屋根事業は長尺屋根工事、R-T工事、ハイタフ工事、ソーラー工事、塗装工事及び長尺成型品販売を行っております。
セグメント売上高は、前期比3,482百万円(9.7%)増収の39,499百万円となりました。
セグメント利益は、前期比456百万円(14.8%)増益の3,553百万円となりました。
(建材事業)
建材事業は住宅成型品販売を行っております。
セグメント売上高は、前期比367百万円(9.9%)減収の3,330百万円となりました。
セグメント利益は、前期比125百万円(55.1%)減益の101百万円となりました。
(その他)
その他は太陽光により発電した電力を電力会社に卸売りする事業を行っております。
セグメント売上高は、前期比1百万円(2.0%)増収の83百万円となりました。
セグメント利益は、前期比4百万円(8.2%)増益の56百万円となりました。
(5)施工、受注及び売上の状況
当事業年度における施工実績を工事種類ごとに示すと、次のとおりであります。
当事業年度における受注実績及び受注残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
3)売上実績
当事業年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引はありません。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これら見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、以下に記載の項目は翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクは小さいと判断しております。
1)重要な収益及び費用の計上基準
完成工事高の計上は、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転することから、期間がごく短い工事を除き、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価の合計に占める割合(インプット法)に基づいて行っております。
インプット法による完成工事高計上においては工事原価の合計の見積りにより収益及び損益の額に影響を与えます。工事原価の合計の見積りは当初は実行予算によって行います。実行予算作成時には、作成時点で入手可能な情報に基づいた気象条件、施工条件、資材価格について仮定を設定し、作業効率等を勘案して工種ごとに詳細に積み上げることによって工事原価の合計を見積ります。工事着工後は各工事において実際の発生原価と対比して適時・適切に工事原価の合計の見直しを行っており、工事原価の合計について検討・分析を実施しております。
また、完成工事高計上においてはインプット法を採用しており、実際の工事の進捗状況と累計発生原価率との乖離が疑われる場合には、その要因を調査・検討することで計上額が妥当であることを検証しております。
このように気象条件、施工条件、資材価格、作業効率等さまざまな仮定要素があり、それらについて適時・適切に見積りを行っておりますが、将来の損益は見積金額と異なる場合があります。
2)完成工事補償引当金
完成工事に係る契約不適合責任等の費用に備えるため、過年度の実績率を基礎に将来の支出見込を勘案し、特定の物件については個別に発生見込額を考慮し、算定額を計上しております。
支出見込額の算定に際しては現在入手可能な情報(過去の実績、補修方法等)及び保険契約を基礎として算定しておりますが、見積りを超える瑕疵及び支出が発生した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。
3)固定資産の減損
固定資産の減損会計の対象となる建物、構築物、機械及び装置、工具器具・備品、土地、ソフトウェア並びにソフトウェア仮勘定等を保有しております。減損の兆候の把握、認識の判定は慎重に実施しておりますが、受注状況や市場環境の変化等により、将来キャッシュ・フローの総額の見積りが帳簿価額を下回った場合に、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(7)2024年度業績予想
事業環境
・新築需要は減少の見通し
・今年度から建設業にも適用される残業規制や人手不足に起因する前工程の遅延、建設コスト高騰による建設計画の中止・延期を懸念

当社方針
・営業面では技術提案を中心に設計織込み営業を強化
今秋には新しい省施工商品を市場に投入し、さらに受注を拡大
・工事面では引き続き高レベルの期首受注残高を維持しており、工事量の増加を確実に実行し増収に注力
・一方で、資材、労務、運送等上昇した建築コストの受注価格への転嫁と一層のコスト低減強化による
全体的な利益確保

該当事項はありません。
研究開発活動につきましては、当社深谷製作所内に研究開発の活動拠点を設置し、「技術と素材」を活かした製品や各種工法システムの開発を通して、より高い品質と性能を持った屋根・壁の追求に取り組んでおります。
また、新製品をスピーディかつタイムリーに市場へ送り出すため、社内各部門の代表者からなる「開発企画委員会」を組織して、全社的な開発戦略の検討・方向付けを行い的確かつ効率的な研究開発を鋭意進めております。
当事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の研究開発費は、
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(1) 屋根事業
屋根事業では、機能部門の営業、工事、技術、製造、開発が一体となって、顧客ニーズに基づき収益貢献度を勘案した開発テーマの選定を行っております。
また、施工省力化、安全作業性を考慮した製品・工法・機器開発の推進機能を担う「開発企画推進班」を「開発企画委員会」の下部組織として組織し、下記事項に取り組んでおります。
1)製品開発、既存製品の改良・改善に関する企画案の収集から調査・分析、企画選定立案
2)業務改善提案委員会などの提案システムによる製品及び工法・機器に関する提案事項の検討、選定
3)営業・工事での過去の事例や技術検討依頼、異業種交流などから、屋根・壁の潜在需要の探索、掘り
起こしを行い製品開発のための企画立案につなげる
研究開発の主たる成果としましては、 屋根材に孔をあけない嵌合式の新型吊り折版「スマートクリップ」を開発し、2024年度中に販売・施工を開始します。
当事業年度における研究開発費の金額は
(2) 建材事業
建材事業では、主にプレハブ住宅向け商品の研究開発を行っており、試作品製作や性能試験等を活動テーマとして取り組んでおります。
当事業年度における研究開発費の金額は