「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税抜きの金額で表示しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「経営理念」、「事業ビジョン」及び「コーポレートメッセージ」を次のとおり定めており、これを経営の基本方針として「持続的な成長」と中長期的な「企業価値の向上」を図ってまいります。
①経営理念
②事業ビジョン
③コーポレートメッセージ
わが国の経済の先行きについては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止策及び各種政策の効果などもあり、持ち直していくことが期待されています。ただし、感染の動向が内外経済に与える影響に十分注意するとともに、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
建設業界を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しつつあり先行き不透明な状況が続いているほか、地球温暖化に伴う自然災害の激甚化や加速度的に進行するインフラの老朽化、少子高齢化に伴う建設工事の担い手不足への対応など多くの課題を抱えています。
しかしながら、中長期的には安全・安心、利便性を求める社会的ニーズの高まりによって、安全対策、防災・減災、長寿命化などの当社の特徴を活かせる経営環境が続くものと思われます。
このような経営環境のなか、当社グループにおきましては、2021年度から2023年度までの3ヵ年中期経営計画『東鉄 3D Power Up Advance 2024』を策定しました。
基本戦略である「3D戦略」のさらなる強化により、鉄道事業にかかる安全・安定輸送、利便性向上投資等を見据えた技術開発・人材育成をより加速させ、特殊性の高い鉄道工事の施工力などの当社の強みにさらに磨きをかけ、その強みを最大限に活かして、より難易度の高い工事やより幅広い工事に挑戦し、健全なインフラの構築・維持及び良好な環境の創造と保全を通じて、安全・安心で地球環境に配慮した持続可能な社会の実現に貢献するとともに、ステークホルダーとの「共通価値の創造」を図ってまいります。
そして、総合建設業者としての将来の「Jump」に向けて、この激動の3年間における一層の「Power Up」に挑戦してまいります。
中期経営計画『東鉄 3D Power Up Advance 2024』の要旨は、次のとおりです。
■ 基本方針
・「3D戦略」のさらなる強化により、『当社特性のPower Upと成長戦略のスパイラルを回す』
(a)Ⅹ・Y軸を伸ばす「成長戦略」(顧客と業域の拡大)
特殊性の高い鉄道工事の施工力などの当社の強みにさらに磨きをかけ、その強みを最大限に活かして以下の成長戦略を推進し、軸をブラすことなく成長を図ってまいります。
① JR東日本の保守・改良・プロジェクト工事を着実に施工する
② JR東日本における領域を拡大するとともに存在感を高める
③ JR東日本以外の鉄道事業者へ事業展開する
④ 鉄道関連、鉄道近接の公共・民間工事を拡大する
⑤ 防災、長寿命化、「供用しながら設備を修繕・改良する」を切り口に、公共・民間工事を拡大する
⑥ 鉄道工事の経験と信頼を活かし、民間マンション、工場、事務所等の受注を図る
(b)Z軸を伸ばす「Power Up Project Ⅱ」(企業体力の強化)
前中期経営計画の「Power Up Project」にて高めた企業体力をさらに強化するため、「Power Up Project Ⅱ」を推進します。成長を可能とする企業体力の源泉である「人材力」と「技術力」をさらに高めるとともに、以下の実施事項に取り組み、当社の特性をより一層強化してまいります。
① 安全・品質第一の徹底
② 働きがいのある職場づくり
③ 生産性の向上、コスト削減
④ ESG経営の実践
⑤ 組織力・グループ力の強化
■ 数値目標
(a)連結売上高・営業利益
最終年度である2024年3月期には、過去最高の売上高、営業利益に挑戦してまいります。
(b)資本効率・株主還元
資本効率はROE10%以上を目指すとともに、株主還元は総還元性向40%以上を目標に、DOEも勘案しつつ安定的な株主還元を図ってまいります。
■ 設備投資計画
■ ESG/SDGsへの取組み目標
以上のとおり、中期経営計画『東鉄 3D Power Up Advance 2024』におきましては、「3D戦略」をさらに強化し「当社特性のPower Upと成長戦略のスパイラルを回す」ことで、「持続的な成長」と中長期的な「企業価値の向上」を図り、お客様をはじめとしたステークホルダーとの「共通価値」を創造し当社の「社会的使命」をしっかりと果たしてまいります。
新型コロナウイルス感染症は世界的に拡大し、依然として国内外の経済は厳しい状況が続いておりますが、当社グループは感染防止対策を徹底し、社会的使命である「鉄道の安全・安定輸送の確保」のため、お客様はもとより、社員やその家族、協力会社の安全を確保しつつ、社会インフラの維持に必要な工事を継続しております。
今後、収束まで長期間を要することが想定されており、建設業界においては、感染防止対策に伴う建設コストの増加や工期遅延等による工事損益の悪化、設備投資動向等の外部環境の変化による受注機会の減少等が懸念されるなど、経営環境は厳しい状況が続くものと想定されます。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症に関する状況の推移を注視しながら、引き続き感染防止対策に最善を尽くすとともに、事業の継続及び業績に与える影響を最小限に留めるべく事業活動を遂行してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの事業活動は主として東日本地域を中心に行っており、この地域における景気の後退、回復遅延等景気変動に大きく影響を受けます。また、競合する他社との受注競争の激化等により、低採算化、収益力の低下等、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、鋼材等原材料の市場価格動向の情報収集・分析と集中購買の導入により、影響の軽減化に努めておりますが、急激な価格高騰により、請負代金に反映させることが困難な場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、今後想定される震災等の大規模災害への備えとして、事業継続計画(BCP)の整備、役職員の安否確認システムの導入、防災訓練の実施等の各種対策を講じております。しかしながら、地震・洪水・台風等の自然災害により、事業活動の一時的な停止や施工中物件の復旧に多額の費用と時間を要した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、システム障害等の情報セキュリティ上のリスクに対しても、全役職員を対象とした情報セキュリティ教育の実施、データセンターの設置等の対策を講じております。
当社グループは、経営の最重要事項に掲げている「安全はすべてに優先する」という経営理念のもと、工事施工にあたっては、事前に安全施工審査や事故予防措置等を講じ、また、施工時には安全パトロール等による実態の把握、点検・指導等を行い事故防止に努めております。しかしながら、当社グループの施工する工事において事故が発生した場合、その原因によっては、指名停止等による行政処分、損害賠償等、当社グループの信頼と信用を著しく失墜させる恐れがあり、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に鉄道関連工事において、列車の脱線をはじめ重大事故を発生させた場合、当社グループの事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、施工品質の向上に努め、品質管理には万全を期しておりますが、万一、重大な契約不適合が発生し、その修復に多大な費用負担が生じた場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、中期経営計画『東鉄 3D Power Up Advance 2024』の基本戦略である『3D戦略』に基づいて、鉄道部門関連業務からより幅広い顧客層への事業展開を図っております。
売上高に占める鉄道部門のウェイトが高い状況となっており、この分野における売上高は、公共交通機関等、当社グループが管理できない要因等に大きく影響を受ける可能性があります。
また、建築部門においては、住宅需要の変化等による顧客企業の業績不振、予期しない契約の打ち切り、顧客の要求に応じるための請負代金の見直し等が発生する恐れがあります。
当該リスクに対しては、適宜、情報収集・与信管理に努め、債権管理・保全を図っておりますが、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、多くの協力会社と連携して事業を遂行しております。新卒及び社会人採用活動を積極的に行うとともに、中期経営計画『東鉄 3D Power Up Advance 2024』の『Power Up Project Ⅱ』に基づき、新研修センターを活用した実践的教育の実施、働きがいのある職場づくり、組織力・グループ力の強化を目的とした協力会社の労働環境改善や人材育成への支援を行うこと等により、当社グループ及び協力会社の人材確保に努めております。しかしながら、当社グループ及び協力会社の人材を十分に確保できなかった場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
建設業においては、建設業法、建築基準法、労働安全衛生法及び独占禁止法等により法的な規制を受けております。当社グループでは、コンプライアンスマニュアルを策定するとともに、定期的にコンプライアンス委員会を開催し、法令違反の未然防止とコンプライアンスの周知、意識の高揚を図っておりますが、これらの法律の改廃、法的規制の新設、運用基準の変更等が行われた場合、また、法的処分等を受けた場合は当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率等に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼし、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対し、社長を対策本部長とした新型コロナウイルス感染症対策会議を定期的に開催して、お客様はもとより、「社員を守る」「その家族を守る」「周りの人や会社を守る」「協力会社を守る」の基本方針のもと対策を進めております。在宅勤務やサテライトオフィス等の実施による三密の回避、マスクの着用、状況に応じた工事の抑制により、ウイルス感染者が発生し、その影響が当社グループの事業活動に及ぶことのないように努めております。しかしながら、当該感染症の感染拡大により景気は急速に悪化しており、この状況が長期化し、建設投資額が大幅に減少する等した場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当期におけるわが国の経済は、期初は新型コロナウイルス感染症の影響により急速に悪化し、その後も依然として厳しい状況が続くなか、個人消費や非製造業の企業収益など一部に弱さがみられるものの、持ち直しの動きが見られました。
建設業界におきましては、政府建設投資は前年度を上回る水準、民間建設投資は新型コロナウイルス感染症の影響により民間住宅・非住宅建設投資ともに前年度を下回る水準と予測され、建設投資全体としては前年度を下回る見通しとなりました。
このような状況のなかで、当社の得意とする鉄道関連分野につきましても、輸送量の減少が継続し設備投資の抑制や先送りなどの影響が一部あったものの、当社の社会的使命である「鉄道の安全・安定輸送の確保」のため、感染防止対策を徹底し、お客様はもとより、社員やその家族、協力会社の安全を確保しつつ、社会インフラの維持に必要な工事を継続してまいりました。
また、当社グループは中期経営計画(2018~2021)『東鉄 3D Power Up 2021』の最終年度にあたり、その基本戦略である「3D戦略」に基づき、「成長戦略[Ⅹ軸×Y軸]」における諸施策の推進、「クォリティ戦略[Z軸]」における「Power Up Project」の施策である「安全・品質向上」、「生産性向上/技術開発」、「働き方改革/人材育成」、「ESG(環境、社会、ガバナンス)」の推進に積極的に取り組んでまいりました。
「顧客層」のウイング拡大を図る[X軸戦略]につきましては、最大最重要顧客である東日本旅客鉄道(株)からの受注工事の安全遂行に経営資源を継続的に重点投下してまいりました。なかでも安全対策としての重要施策である大規模地震対策工事、ホームドア整備に伴うホーム改良工事、駅設備の改良工事などの安全施工に取り組むほか、利便性を高める駅の橋上化工事や駅に隣接するホテル建設などの大型工事にも取り組んでまいりました。
多方面にわたる民間一般部門のお客様に対するウイングの拡大では、軌道工事では相模鉄道(株)、上信電鉄(株)、真岡鐵道(株)等、高架橋、橋梁、駅改良等の土木工事では東武鉄道(株)、相模鉄道(株)、三陸鉄道(株)等、ホテル関係ではトーセイ(株)、仙台ターミナルビル(株)、工場や事務所関係では(株)総合車両製作所、(株)OKIプロサーブ、東日本電気エンジニアリング(株)等、マンションでは大成有楽不動産(株)、トーセイ(株)、日神不動産(株)等の幅広いお客様からの受注・施工を進めてまいりました。また、官公庁部門におきましても、軌道工事では東京都交通局、横浜市交通局等、橋梁、河川改修、水道等の公共土木工事では青森県、福島県、いわき市等、様々な受注・施工実績を上げることができました。
「業域」の深掘りを図る[Y軸戦略]につきましては、当社の強みである鉄道関連工事、防災・耐震・メンテナンス関連工事などの業務分野を徹底的に継続強化したうえで、お客様や社会環境の変化、時代の要請に応じた業域の深掘りによる拡大強化を図り、新しい成長機会に挑戦してまいりました。
当社が得意とする鉄道関連工事においては、飯田橋駅や新橋駅改良に伴う軌道工事の継続、北陸新幹線や相鉄・東急直通線の軌道敷設工事、中央快速線グリーン車サービス導入に伴う駅・ホーム・車両基地の改良工事、新幹線騒音対策工事、こ線道路橋架替工事、新幹線旅客上家改修工事、横浜市発注の関内駅歩行者広場屋根新設など施工難易度の高い工事を含め、幅広い工事の受注・施工に取り組んでまいりました。
当社が強みとする耐震やメンテナンス、リニューアルの技術を活かした施工では、東京臨海高速鉄道(株)高架橋耐震工事、国土交通省道路橋梁補修工事、東日本高速道路(株)道路橋梁床版取替工事、駅ビル店舗やホテル客室の改装工事などを受注し、鉄道関連の災害復旧では、只見線第7只見川橋りょうや水郡線第6久慈川橋りょうの復旧工事などにも取り組み、様々な業域での受注・施工実績をあげることができました。
環境事業につきましては、緑化工事では東所沢駅リニューアルに伴う壁面緑化工事やトーセイ(株)ホテルココネ上野御徒町緑化工事、東日本電気エンジニアリング(株)東京支店ビル改修に伴う緑化工事の受注・施工など、多くの案件に取り組みました。また、当社が開発した暑熱対策設備を採用した、台東区の微細ミスト保守点検管理業務なども受注し、さらなる事業の広がりをみせています。
「質」を向上させ企業体力を強化する[Z軸戦略]の「Power Up Project」につきましては、4つの重要テーマに取り組んでまいりました。
「安全・品質向上」においては、「安全はすべてに優先する」という経営理念のもと、お客様・地域社会・協力会社・従業員の「究極の安全と安心」を追求し、安全・安心で、高品質・高効率・低コストの技術・サービス・商品の提供によりお客様の満足と信頼を確保することを目指し、様々な施策を実施してまいりました。
「生産性向上/技術開発」においては、技術開発力の強化により、安全性、生産性の向上を図り、工事量の増大に対応するための施工力を強化するとともに、協力会社とのパートナーシップ強化により強固な施工体制の維持向上を図ることを目指し、様々な施策を実施してまいりました。
「働き方改革/人材育成」においては、当社がこれまで取り組んできた「人を大切にする風土づくり」をさらに推進し、「働き方改革」による働きやすい快適な職場づくりや業務の改善、実効性のある具体的な教育・訓練の強化による技術力向上、人材育成の取り組みを進めてまいりました。
「ESG」においては、ステークホルダーから信頼される「誠実な経営」を推進し、「SDGs(持続可能な開発目標)」と「ESG」を事業活動に関連付け、事業活動を通じて当社の「社会的使命」を果たすことを方針としております。このプロセスを通じ、当社の「持続的な成長」と「企業価値の向上」、そしてステークホルダーとの「共通価値の創造」に取り組んでまいりました。
以上の結果、当期の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う設備投資の抑制などの影響により、受注高は122,406百万円(前期比11,911百万円減少)となりました。
売上高は各種繰越工事が順調に進捗したものの、建築事業の前期大型工事の反動減もあり、132,919百万円(前期比13,114百万円減少)となりました。
利益につきましては、売上総利益は21,729百万円(前期比899百万円減少)、営業利益は13,915百万円(前期比942百万円減少)、経常利益は14,293百万円(前期比1,054百万円減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,689百万円(前期比968百万円減少)となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響については、当連結会計年度における当社グループへの影響は軽微でありますが、経済への影響は翌連結会計年度の一定期間にわたり継続することが考えられ、鉄道関連分野の設備投資の抑制や先送り、民間建設投資の大幅な下振れ等による受注高の減少、感染予防対策・工期延伸等による費用の増加等が懸念されます。なお、新型コロナウイルス感染症の広がりや収束時期等の見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの仮定と異なる場合があります。
セグメントの業績は、次のとおりです。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
(土木事業)
受注高は86,222百万円(前期比7.9%減)、売上高は89,888百万円(前期比0.3%増)となりました。
売上高のうち工事進行基準による計上額は53,809百万円であり、次期繰越高は53,500百万円となりました。
セグメント利益は8,728百万円(前期比2.9%増)となりました。
(建築事業)
受注高は36,183百万円(前期比11.2%減)、売上高は33,405百万円(前期比30.4%減)となりました。
売上高のうち工事進行基準による計上額は23,501百万円であり、次期繰越高は25,298百万円となりました。
セグメント利益は4,144百万円(前期比25.2%減)となりました。
(その他)
売上高は9,625百万円(前期比14.5%増)で、その主なものは鉄道関連製品の製造及び販売収入であります。
セグメント利益は1,024百万円(前期比25.3%増)となりました。
当期末の資産合計は前期比3,648百万円減少し141,701百万円となりました。これは、売上高減少に伴う受取手形・完成工事未収入金等の減少等によるものであります。
負債合計は、前期比11,012百万円減少し44,946百万円となりました。これは、工事量減少に伴う支払手形・工事未払金等の減少等によるものであります。
その結果、純資産合計は前期比7,364百万円増加し96,754百万円となりました。また、自己資本比率は、前期末の60.7%から67.3%となりました。
当期末における現金及び現金同等物は、前期比14,219百万円増加し31,694百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
売上債権の回収等により、営業活動におけるキャッシュ・フローは前期比13,055百万円収入増加の21,116百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出等により、投資活動におけるキャッシュ・フローは前期比758百万円支出減少の3,659百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払い等により、財務活動におけるキャッシュ・フローは前期比191百万円支出増加の3,238百万円の支出となりました。
当社グループの資金の源泉は、主として国内事業に係る営業活動からのキャッシュ・フローによる収入からなります。資金の主要な使途は、材料費・外注費、設備投資等であります。
流動性については、事業活動を行う上で十分な運転資金を確保していきますが、新型コロナウイルス感染症の影響による収入の減少等、万一の緊急時における資金調達に備えるため、金融機関より随時利用可能な借入枠を確保しております。
(注) 1 セグメント間の受注・取引については相殺消去しております。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
3 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりであります。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額が含まれております。したがいまして、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
工事受注方法は、特命と競争に大別しております。
(注) 百分比は請負金額比であります。
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
④ 次期繰越工事高(2021年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
完成工事高及び完成工事原価の計上基準は、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。工事進行基準による完成工事高の計上においては工事原価総額の見積りにより収益に影響を与えます。工事原価総額の見積りは当初は実行予算によって行います。実行予算作成時には、将来の気象条件や作成時点で入手可能な情報に基づいた施工条件や資機材価格について仮定を設定し、作業効率等を勘案して工種毎に詳細に積み上げることによって工事原価総額を見積ります。工事着工後は作業所において実際の発生原価と対比して適時・適切に工事原価総額の見直しを行っており、支店・関係本部においては作業所からの管理月報等による報告書に基づく見直し後の工事原価総額について検討・分析を実施しており、計上額が妥当であることを検証しております。このように気象条件、施工条件、資機材価格、作業効率等さまざまな仮定要素があり、それらについて適時・適切に見積りを行っておりますが、将来の工事原価総額は見積金額と異なる可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症は収束まで長期間を要することが想定されているものの当社グループの工事の状況から判断し、当連結会計年度末時点で受注・着工済の工事については、工事の中断や工期の大幅な延長といった新型コロナウイルス感染症に起因する工事原価総額の重要な増加要因はないとの仮定に基づき、工事原価総額を見積もっております。
受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における手持工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事について、損失見込額を計上しております。損失見込額の算定に際しては現在入手可能な情報(発注者との条件、気象条件、施工条件、資機材価格、作業効率等)から過去の実績を基礎として、作業所、支店、関係本部において精査することにより算定しております。また引当金額の変更については発注者との変更契約の締結、協力会社との外注契約の締結等による原価変動が見込まれる場合に行っております。このようにさまざまな仮定要素があり、それらについて適時・適切に見積りを行っておりますが、将来の損益は見積金額と異なる可能性があります。
特記事項はありません。
「Z-2 生産性向上/技術開発」においては、技術開発により、安全性、生産性の向上を図り、工事量増大に対応するための施工力を強化するとともに、協力会社との強固なパートナーシップのもと、施工体制の維持・強化を図ることを目的に、数多くの施策を実施してまいりました。鉄道工事を中心とした「東鉄型イノベーション」の推進においては、新幹線レール更新システム[REXS]やホームドア設置工事などに関する様々な技術開発により作業効率の向上に努めたほか、一部線区の効率的なメンテナンスに向けた技術開発やトンネル耐震用機械群[新STARS]の開発に取り組みました。
当期において、当社グループが支出した研究開発費の総額は
なお、セグメントごとの主な研究開発活動は次のとおりであります。
当期における研究開発費の金額は
① 災害警備や作業現場への移動手段のひとつとしてエンジン駆動の軌道自転車があり、在来線・新幹線にて活用されています。この軌道自転車のレール上への載線・離線作業においては自重が重く、現場社員から軽量化を求める要望がありました。今回、軌道自転車の軽量化に取組み、バッテリー駆動による軽量軌道自転車を開発しました。
② 新幹線のトンネル耐震補強工事において、新機能を付加した保守用車群を開発しました。台車の上からトンネル上部の補修を行うステージ式足場は、カントにも対応できる構造とし安全性を向上しました。また、新たに路盤スラブ下面の補強を行う専用のロックボルト機械を開発し、あわせて4編成が稼働中です。
③ 線路近接土留め工など営業線近接工事において、掘削した箇所をライナープレートで仮復旧する際、地山とライナープレート間の隙間を埋める必要がありますが、従来は直接モルタルを注入しており、充填・撤去等に多くの時間を要していました。今回、新たに開発した地山とライナープレートの形状に追従する袋材と、隙間なく充填可能な配合を持つモルタルを袋に充填することで、効率的にライナープレートの背面充填や撤去が可能となりました。
当期における研究開発費の金額は
① 老朽化したホーム上家の建替工事や上家の増築工事において、従来は直接基礎を採用しその上に柱を建てていましたが、施工面積(ホームドア等による施工範囲の制限)や作業に要する時間に課題がありました。そこで、作業スペース、掘削等作業時間の短縮を目的として、鋼管杭と鉄骨柱を一体化させ、かつ、大スパンにも対応できる工法を開発しました。これにより、施工コストも削減することができます。
当期における研究開発費の金額は
① 近年の集中豪雨による都市型洪水対策の一環として、雨水を貯留し緑化潅水に利用する雨水利用システムを開発し、当社海老名工事所に設置しました。これにより、豪雨時の雨水一時貯留が可能となることに加え、従来は水道水を利用していたものが雨水に代用されることで、環境に配慮した緑化システムの開発も実現しました。
② 多段式プランターにおいてジョウロ等で水遣りを行う際、水があふれて床を汚す、植栽が邪魔をして均等に注水できない等の課題がありました。これらを解決するため、給水タンクと潅水チューブを設置した新型のプランターを開発し、給水タンクの水圧のみで定量かつ均等な潅水を可能としました。
③ 鉄道関連製品の製造・販売をしていますが、鉄道会社に向けた鉄道関連製品の試験及び開発を行っています。