当社グループは「住友事業精神」と「住友電設グループ企業理念」に基づき、顧客をはじめ株主、社会等のステークホルダーの信頼に応えるべく、事業の発展に取り組んでおります。また、経営の効率化・迅速化を図るとともに、すべてのステークホルダーの利益にかなうことが重要であるとの認識のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、以下の基本的な考え方に沿って、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組むこととしております。
(a) 株主がその権利を適切に行使することができる環境の整備を行う。
(b) 株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーと適切に協働する。
(c) 会社情報を適切に開示し、透明性を確保する。
(d) 取締役会の経営に関する基本方針等の決定機能及び監督機能を重視し、それらの機能の実効性が確保される体制の整備及び取締役会の運営に注力する。業務執行については、権限及び責任を明確化し、事業環境の変化に応じた機動的な業務執行体制を確立することを目的として、執行役員制並びに事業本部制を導入している。また、経営健全性確保の観点から、監査役監査の強化を図ることとし、独立社外監査役と常勤の監査役が内部監査部門や会計監査人と連携して適法かつ適正な経営が行われるよう監視する体制としている。
(e) 持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、合理的な範囲で、株主との建設的な対話を行う。
「住友事業精神」
住友家初代・住友政友が後生に遺した商いの心得『文殊院旨意書』を基盤とし、その要諦は1882年に制定された住友家法の中で初めて条文化され、1891年に家法の中の「営業ノ要旨」として2箇条に取り纏められたものであります。[住友合資会社社則(1928年制定)より抜粋]
第一条 我が住友の営業は、信用を重んじ確実を旨とし、以てその鞏固隆盛を期すべし
第二条 我が住友の営業は、時勢の変遷、理財の得失を計り、弛張興廃することあるべしと雖も、苟も浮利に趨り、軽進すべからず
第一条は
住友の事業は、何よりも信用・信頼を大切にすることを基本にすべきであると謳っております。
第二条は
社会の変化に迅速・的確に対応し利潤を追求すべきであり、既存の事業に安住することなく常に事業の興廃を図るという積極進取の精神が重要と説いております。その一方で、「浮利」、即ち、一時的な目先の利益や道義にもとる不当な利益を追い、軽率、粗略に行動することを厳に戒めております。
「住友電設グループ企業理念」
住友電設グループは、社会的使命と責任を認識し、
・ 豊かな社会を支える快適な環境作りを事業目的とし、社会の繁栄に寄与します。
・ 信用と技術を重視し、顧客満足度の高いエンジニアリングサービスを提供します。
・ 高い企業倫理に則り、コンプライアンスに基づいた公正で透明性のある経営を推進します。
・ 創造力豊かな社員を育て、活力と潤いのある企業を目指します。
事業の推進にあたっては、コンプライアンスを経営の基礎に据え、法令の遵守を経営の最重要課題と位置づけております。
コンプライアンスに違反した利益の追求は企業として決して許されるものではなく、利益とコンプライアンスが対立するような場合には、必ずコンプライアンスを優先して事業活動を推進しております。
当社グループの中期経営計画「Vision19」(2016~2019年度)の期間における事業環境については、国内市場では、首都圏再開発や東京オリンピック・パラリンピック関連事業、環境・エネルギー・ICT分野の拡大等、企業収益の改善等を背景に建設需要は堅調に推移しましたが、海外市場では、日系企業における設備投資は力強さに欠け、建設需要は低調に推移しました。
このような環境下において、当社グループは、「Vision19」のテーマである「質の高いエンジニアリング企業へ更なる飛躍を!」の実現を目指し、更なる質の追求と社会・市場環境の変化に対応するために、「個人力の向上」と「総合力の発揮」を両軸に、各重点施策(①安全、品質、コンプライアンス/②人材の育成、活性化/③施工力の確保、強化/④営業力の強化/⑤海外事業の強化/⑥環境、新分野への対応)にグループ一体となって取り組んでまいりました。その結果、提案営業力や現場施工力の向上、部門間連携による現場共同施工など質の高いエンジニアリング企業へ着実に前進し、2019年度においては中期経営計画の業績目標を達成することができました。
今後の当社グループを取り巻く事業環境は、大都市圏を中心とした再開発事業が継続し、再生可能エネルギー関連投資も一定水準で推移することに加え、情報通信分野においてもIoT化、5Gサービスの進展等を含めたICT環境の整備はより一層推進されること、さらには大阪・関西万博関連投資等も期待されることから、建設需要は堅調であると思われます。
このような環境のもと、当社グループは、人と技術の成長を通して、真に社会から求められる総合エンジニアリング企業を目指し、「質」にこだわる事業活動によりこれまで構築してきました事業基盤をベースに、より一層の成長・拡大を図るため、以下の課題に取り組んでまいります。
<当社グループが取り組むべき課題>
・ 安全・品質の確保
・ コンプライアンスの徹底
・ 人材の育成
・ 働き方改革の推進
・ 提案営業力の強化
・ 施工力の確保・強化
・ 技術力の更なる強化
しかしながら足元では、世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の影響により、国内外ともに経済活動の抑制・縮小が生じ、景気は極めて厳しい状況となっており、感染症終息時期の見通しが立たない状況にあります。先行きの不透明感が増す中で、企業の設備投資意欲の減退等、特に製造業を中心とした設備投資計画の延期や縮小・凍結による工事量の減少、また、進行中工事の中断、建設資材の調達納入遅延の発生等も懸念されるなど、事業環境は非常に不透明な状況にあり、今後の社会情勢、市場動向を注視していく必要があります。
このような状況の中、当社グループは、従業員並びに関係する皆様の安全を最優先とし、行政の方針・指導に従い新型コロナウイルス感染症拡大の防止に努めてまいります。その上で、「住友事業精神」と「住友電設グループ企業理念」に基づく経営の基本方針に沿った事業活動を展開し、電気の安定供給等の社会インフラ維持に努めるなど、社会の要請に応えてまいります。
なお、次期中期経営計画につきましては、現在策定中であり、確定次第速やかに公表いたします。
当社グループでは、リスクの全社一元管理を進め、個別リスク管理によるバラツキを是正し、全社の対策レベルの向上を図ることを目的に「リスク&コンプライアンス委員会」を設けております。
「リスク&コンプライアンス委員会」では、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクに対しては、個別の委員会、主管部門と連携し、未然防止から発生対応までの対策を講じていくとともに、会社全体のリスク管理方針の決定と指示、推進を行っております。
このようなリスク管理体制のもと、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 建設市場の縮小リスク
当社グループの主要事業は設備工事業であり、建設市場の動向が経営成績に与える影響は大きいと考えられます。当社グループは、コスト削減や技術力強化に努め、競争力の強化に取り組んでおりますが、想定を超える国内建設投資の減少、市場の縮小が続いた場合、競合他社との受注競争が更に激化し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 取引先の信用リスク
当社グループは、取引先の財務状態に応じた与信管理を実施し、可能な限り信用リスク回避のための方策を講じておりますが、万一、発注者、協力会社及び共同施工会社等の取引先が信用不安に陥った場合には、請負代金、工事立替資金等の回収不能や工事の進捗に支障をきたすこともあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 不採算工事の発生リスク
当社グループの主要事業である設備工事業においては、工事の受注に際して、施工内容や工期、想定リスク等を十分に検討した上で、工事原価を見積り、受注判断を行っておりますが、想定外の事象の発生等に伴う追加原価が発生し、これを請負代金に反映することが困難な場合には、工事採算を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、施工途中において設計変更や追加工事、工期延長等が発生した場合、見積原価の見直しを行い、取引先と請負代金の交渉を行っておりますが、想定以上の追加原価が発生し、これを請負代金に反映することが困難な場合には、工事採算を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 資材価格の高騰リスク
当社グループは、建設資材等を調達しており、資材価格の変動リスクに対して、受注時に早期契約による建設資材価格の決定や銅価格のヘッジを行う等、リスクの軽減に努めておりますが、資材価格等が予想を上回って急激に高騰した際、これを請負代金に反映することが困難な場合には、工事採算を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 海外における事業活動リスク
当社グループは、主に東南アジアや中国に設立した現地法人を拠点として事業活動を行っております。当社は、これらの海外子会社に対して、出資・融資等の投資に加え、人材派遣、技術支援等を通じ、経営指導を行っておりますが、これら海外での事業活動には、次のようなリスクがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
①予期しない法律又は規制の変更
②不利な政治又は経済要因
③テロ、戦争、その他社会的混乱等
④為替レートの急激な変動
(6) 施工に係る事故・労働災害等のリスク
当社グループは、工事の施工において、安全並びに品質を第一とし、それぞれ「労働安全衛生マネジメントシステム」、「品質マネジメントシステム」を推進し、無事故・無災害及び品質クレームの撲滅に取り組んでおり、社員をはじめ協力会社に対する教育、指導も積極的に実施しております。
しかしながら、建設業は、①一般の製造業のように固定した生産工場で同一の物を生産するのとは異なり、常に異なる場所で、異なる物を施工する生産形態であり、また、施工場所も全国各地、海外に点在していること。②他の業者と共同で一つの施工物を完成させるため、当社グループの施工範囲以外にも注意が必要であること。③施工にあたり、いくつもの協力会社と一体となり作業を行うため、当社グループ社員のみならず、協力会社の社員の安全管理にも十分留意する必要があること。④建設業の性質上、機械化が進みづらく、人の手に依存していること等により様々な施工上の危険要因があります。
以上のような施工上のリスクを認識し、当社グループでは、事故を未然に防ぐために、施工現場単位で施工前に十分な検討を行い、必要な対策を講じておりますが、予期せぬ事故が発生した場合や施工した建設物等に重大な瑕疵があった場合、多額のコストの発生や当社グループの信用の低下など当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 建設技術者・技能労働者不足リスク
当社グループは、協力会社の採用支援を含め、建設技術者・技能労働者の確保に積極的に取り組んでおりますが、今後、建設技術者・技能労働者の需給関係が急激に逼迫し、必要人員の確保が困難となった場合には、受注機会の喪失や工期遅延等の問題が発生する恐れがあり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響に及ぼす可能性があります。
(8) 訴訟、規制当局による措置その他の法的手続に係るリスク
当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続に関するリスクを有しております。訴訟、規制当局による措置その他の法的手続により、当社グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な負担を課される、又は事業の遂行に関する制約が加えられることにより、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) コンプライアンスに係るリスク
当社グループは、法令遵守に加え、人権の尊重、公正な取引、知的財産等に係る基本方針を盛り込んだ「住友電設グループ社員行動基準」を制定するとともに、コンプライアンス研修等の各種施策を実施し、コンプライアンスの徹底に取り組んでおりますが、役職員個人による法令違反を含むコンプライアンスの問題が発生した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 保有資産の価値下落リスク
当社グループは、営業上の必要性から不動産、有価証券等の資産を保有しております。
不動産に関しては、保有する固定資産について減損兆候の判定を実施し、また、有価証券等に関しては、取締役会で個別銘柄毎に保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているかという観点を含め、経済合理性並びに将来の見通し等を総合的に勘案し、保有の適否について検討を行っておりますが、これらの保有資産の時価が著しく下落した場合等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 退職給付に係るリスク
当社グループの退職給付債務及び費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出しております。年金資産に関しては住友電設企業年金基金の諮問機関として資産運用委員会を設置しており、適切な人材を配置するとともに、運用幹事会社から法令や運用に関する情報提供や助言を得る環境を整備しておりますが、金利水準の低下及び株式や債券等の年金資産の価格下落等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 情報漏洩に係るリスク
当社グループは、個人情報や機密情報を適切に管理するため、情報セキュリティに関する方針及びルールを制定し、社内体制の構築や従業員教育に取り組んでおりますが、外部からの攻撃等予期せぬ事態により、情報が漏洩した場合、損害賠償の発生や社会的信用の失墜等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 自然災害等に係るリスク
当社グループでは、地震や大規模自然災害が発生した場合に備えた事業継続計画(BCP)を策定しております。震災発生時には、総合設備会社の社会的責任としてインフラ復旧工事に積極的に協力するとともに、自社施工中現場、竣工物件の早期復旧に全力を傾注することを基本方針とし、事業の早期復旧、継続させるための対策を講じておりますが、当社グループが事業展開する国内外の各国・各地域で不測の巨大地震や風水害等による想定を超える被害が発生した場合は取引先の設備投資計画の延期や縮小、凍結による工事量の減少、進行中工事の中断、建設資材の調達納入遅延が発生する恐れがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 感染症に係るリスク
当社グループでは、2011年4月に新型インフルエンザに備えた事業継続計画(BCP)を策定しております。
今回発生した新型コロナウイルス感染症においても新型インフルエンザ対策に関する事業継続計画に基づき、業務の優先度を選定し、テレワーク・在宅勤務や時差出勤を積極的に活用し、手洗い等の励行、就業期間中のマスク着用、三密状態(密閉空間、密集場所、密接場面)の回避、出張禁止等、従業員の健康と安全を最優先にした取り組みを実施し、事業を継続させるための対策を講じておりますが、本感染症の感染拡大が長期間にわたって続き、国内外ともに経済活動の抑制、縮小が続いた場合は、取引先の設備投資計画の延期や縮小、凍結による工事量の減少、進行中工事の中断、建設資材の調達納入遅延が発生する恐れがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済環境は、国内では、堅調な企業収益や雇用情勢等を背景に、緩やかな回復基調で推移しておりましたが、年度後半から、米中貿易摩擦の影響による輸出の減速や、消費増税による個人消費の落ち込みの影響があったことに加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、先行き不透明な状況になってまいりました。当社グループが事業展開している東南アジアにおいても、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、総じて厳しい状況で推移いたしました。
建設市場におきましては、国内では、公共投資が底堅く推移していることに加え、民間設備投資も高い水準の企業収益や成長分野への対応等を背景に緩やかな増加基調となる等、全般的には堅調に推移いたしました。一方、当社グループが事業展開している海外では、東南アジアにおける日系企業の設備投資は力強さに欠けた状態が続いており、受注獲得競争は一層厳しさを増した状況で推移いたしました。
なお、新型コロナウイルス感染症の当連結会計年度の業績への影響は軽微でありましたが、国内外ともに経済活動の抑制・縮小が生じており、足元の景気は急激に減速し、極めて厳しい状況になっております。
このような環境のもと、当社グループは、2016年度よりスタートした中期経営計画「Vision19」(2016~2019年度:4ヵ年計画)に基づき、更なる質の追求と社会・市場環境の変化に対応するため、「個人力の向上」と「総合力の発揮」を柱とする重点施策にグループ一体となって取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
受 注 高 1,672億77百万円(前連結会計年度比 4.4%増)
売 上 高 1,729億10百万円(前連結会計年度比10.1%増)
営 業 利 益 135億81百万円(前連結会計年度比24.0%増)
経 常 利 益 142億 1百万円(前連結会計年度比22.8%増)
親会社株主に帰属する当期純利益 97億72百万円(前連結会計年度比84.7%増)
受注高につきましては、国内においては、携帯電話基地局設置工事やネットワーク関連工事等の情報通信工事を中心に増加し、堅調な市場環境を背景に高水準の工事量を確保したことに加え、海外においても、グループ一体となった取り組み成果により一定水準の工事量を確保したことにより、前連結会計年度より増加となりました。売上高につきましても、手持案件の進捗が進んだことに加え、短工期案件の受注も堅調に推移したこと等により、前連結会計年度より増加となりました。
利益面では、売上高の増加に加え、採算の改善にグループを挙げて取り組んだ結果、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より大幅な増加となりました。売上高経常利益率につきましては、これまでのグループ一体となった取り組み成果により、過去最高の8.2%となりました。
受注高は167,277百万円(前連結会計年度比4.4%増)、売上高は、172,910百万円(同10.1%増)となりました。事業の種類別では、設備工事業の受注高は158,391百万円(同4.4%増)、売上高は164,024百万円(同10.5%増)となり、機器販売を中心とするその他事業の受注高及び売上高は8,886百万円(同4.3%増)となりました。
売上総利益は、売上高の増加に加え採算の改善にグループを挙げて取り組んだ結果、22,761百万円(同18.2%増)、売上総利益率は13.2%となりました。販売費及び一般管理費は9,179百万円(同10.6%増)となり、営業利益は13,581百万円(同24.0%増)、営業利益率は7.9%となりました。
営業外収益は720百万円(同1.7%増)、営業外費用が99百万円(同0.4%増)となった結果、営業外収支は620百万円の黒字となり、経常利益は14,201百万円(同22.8%増)と前連結会計年度と比べ増益となり、経常利益率は8.2%となりました。
特別利益では固定資産売却益721百万円、投資有価証券売却益57百万円を計上し、合計で779百万円となり、特別損失では、投資有価証券評価損68百万円等の計上により、合計で114百万円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は14,866百万円(同80.5%増)となりました。ここから、法人税等3,836百万円、法人税等調整額899百万円、非支配株主に帰属する当期純利益357百万円を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は9,772百万円(同84.7%増)となりました。
なお、設備工事業における種類別の受注高、売上高の概況は、次のとおりであります。
電力工事部門は、再生可能エネルギー関連工事が増加したこと等により、受注高は22,050百万円(同10.5%増)、売上高は22,012百万円(同11.0%増)となりました。
一般電気工事部門は、都市圏を中心に堅調な市場環境が続く中、働き方改革への取り組みにおいて施工力とのバランスを加味した営業活動に取り組んできた結果、受注高は95,267百万円(同3.0%減)となりました。一方、当期竣工の大型案件が多かったこと等もあり、売上高は103,582百万円(同6.7%増)となりました。
情報通信工事部門は、ICT環境整備に向けた投資意欲の高まり等を背景に堅調に推移し、携帯電話基地局設置工事やネットワーク関連工事が増加したこと等により、受注高は29,419百万円(同37.2%増)、売上高は26,377百万円(同27.6%増)となりました。
プラント・空調工事部門は、受注高は11,653百万円(同3.4%減)、売上高は12,051百万円(同9.9%増)となりました。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、株価の下落により投資有価証券が減少した一方で、売上高の増加に伴い受取手形・完成工事未収入金等が増加したこと等から前連結会計年度末より8,171百万円増加の138,328百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、工事量の増加に伴い支払手形・工事未払金等や未成工事受入金が増加したこと等により、前連結会計年度末より3,618百万円増加の62,330百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末より4,553百万円増加の75,997百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と同様の52.7%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の4,905百万円の収入に対して、当連結会計年度は9,386百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益の計上に、売上債権・仕入債務の増減、法人税等の支払額等を加減した結果であります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の6,460百万円の収入に対して、当連結会計年度は1,275百万円の支出となりました。これは設備投資に伴う有形固定資産の取得や事業譲受による支出等の結果であります。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の2,107百万円の支出に対して、当連結会計年度は2,626百万円の支出となりました。これは主に配当金の支払いによる支出の結果であります。この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の24,757百万円に対して、5,278百万円増加し、30,036百万円となりました。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、事業運営に必要な運転資金であり、必要資金については自己資金の充当及び金融機関からの借入により調達しております。当社グループは、2016年度よりスタートした中期経営計画「Vision19」において持続的な成長を目指すため、「質」にこだわる経営を推進し、健全かつ強固な財務体質を構築してきました。新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の経済は先行きの不透明感が高まっておりますが、当社は十分な流動性資金を確保しており、事業運営への影響はありません。
(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2016年度よりスタートした中期経営計画「Vision19」(2016~2019年度:4ヵ年計画)に基づき、「質の高いエンジニアリング企業へ更なる飛躍を!」をテーマに、更なる質を追求するための「個人力の向上」と、社会・市場環境の変化に対応するための「総合力の発揮」を柱とする各重点施策にグループ一体となって取り組んでまいりました。当社グループは、「売上高」、「経常利益」及び「経常利益率」を重要な指標として位置付けており、2019年度の最終目標として、「売上高:1,650億円」、「経常利益:125億円」、「経常利益率:7.5%以上」をそれぞれ掲げておりました。重点施策を着実に推進してきた結果、最終業績目標として掲げておりました、売上高: 1,650億円、経常利益(率): 125億円(7.5%以上)を上回る売上高: 1,729億円、経常利益(率): 142億円(8.2%)を達成することができました。
(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
当連結企業集団が営んでいる事業の大部分を占める設備工事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
(3) 売上実績
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
受注工事高及び施工高の状況
(1) 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
(2) 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
(3) 完成工事高
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第94期の請負金額1,500百万円以上の主なもの
第95期の請負金額1,400百万円以上の主なもの
2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
(4) 手持工事高(2020年3月31日現在)
(注) 手持工事のうち請負金額1,700百万円以上の主なもの
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因や当該要因への対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」を参照のこと。
(重要な会計方針及び見積り)
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠し、作成されております。この連結財務諸表作成にあたり、期末日における資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額に影響する見積り、判断及び仮定を使用する必要があります。当社の重要な会計方針のうち、特に見積り、判断の度合いが高いものは以下の項目であります。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
収益の認識
当社の収益の計上は、工事進行基準及び工事完成基準を採用しておりますが、業界の慣行から追加工事を含め、正式な契約書の締結が遅れる場合があり、この場合には、当社は期末日時点において合理的に売上高を見積り、収益計上をしております。従って、当社の見積りと実績が異なった場合、翌期の損益に影響を与える可能性があります。
また、当社は一部の工事において工事進行基準による収益計上を行っており、工事原価総額の見積りにあたっては、工事契約を遂行するための作業内容を特定・網羅し、かつ個々に適切な原価を算定した上で、着工後の工期変更、人件費・労務費の増減、使用部材の価格変動や仕様変更がある場合、適時に工事原価の見直しを行っております。
しかしながら、施工途中において設計変更や追加工事、工期延長等により想定以上の追加原価が発生し、これを請負代金に反映することが困難な場合には、工事採算を低下させる恐れがあり、このような想定以上の追加原価の発生を期末日時点で認識できておらず、工事原価総額の見積りに反映できていない場合、翌期の損益に影響を与える可能性があります。
なお、当社は、今回発生した新型コロナウイルス感染症による影響について、進行中工事の状況確認等の情報収集を実施した結果、当連結会計年度末の会計上の見積りに大きな影響を与えるものではないと判断しております。一方で、感染症終息時期の見通しが立たない中、当社の事業環境は非常に不透明な状況にあり、翌期の損益に影響を及ぼす可能性について引き続き注視していく必要があります。
特記事項はありません。
当社グループは、社会や顧客の多様化するニーズに応えるべく、最新技術、情報化技術を活用し、新技術、新工法、各種システムの開発に取り組んでおります。
当社の研究開発活動は、技術本部が中心となり、各事業部門と連携して、当社独自、あるいはメーカーと共同して推進しております。
当連結会計年度における主な研究開発活動は、次のとおりであります。
(1) 設備工事業
①自然エネルギー利用の発電技術及び省エネルギー技術
(a) 自然エネルギー利用の発電技術
地球環境に優しい自然エネルギーを利用した太陽光発電は、東日本大震災以降、大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の導入が主流となっております。経済的で信頼性に優れた当社が独自に開発した保守監視システムの構築を行い、保守・メンテナンスを通じ、よりニーズにあったシステムの改良を進めております。
(b) 省エネルギー技術
省エネ法の改正により、市場のニーズに合った各種省エネルギー提案技術力強化及び省エネルギー診断技術の活用を推進しております。
②BMS(ビルディング マネジメント システム)技術
ビルの監視・制御の新しいネットワーク技術として導入されたBACnetの技術に早くから注目し、社内の技術の確立及び開発を進めてまいりました。最近はビルの電気、空調、衛生設備等の監視だけでなく、エネルギー管理等のビルマネジメントシステムの構築を当社独自で開発し推進しております。
③セキュリティシステム技術
工場における人・車両の入退出管理、Webカメラによる侵入監視、研究室等への入退出管理機能のみならず、セキュリティ用社員カードを利用した食堂・購買のキャッシュレス化など多様化システムにも対応しております。また、防犯機能だけでなく災害時の安否確認機能など各種の防災機能も併せ持つ、工場向け「統合セキュリティシステム」として活動を展開しております。
最近は物流システムにおいて、ETC(電子料金収受システム)のDSRC(狭域通信)技術に着目し、各種機能への利用にも取り組んでおります。
④異常通報装置
様々な作業現場における事故や急病発生時の安全管理及び保守巡回業務における緊急通報に有効な異常通報装置を開発し、工場・施設等の安全管理にて提案し、新規顧客開拓のツールとしても役立てております。
⑤超電導冷却システム
将来におけるスマートグリッド構想の基幹技術として、超電導システムが考えられますが、その冷却システムの企画・設計から施工までのシステム構築について、親会社と共に技術ノウハウの習得を図っております。また、実際に国家プロジェクトの超電導冷却設備の設置工事を受注し、2015年度に竣工いたしました。現在は、地域低温熱エネルギー利用電力システム実用化研究会において、超電導技術の技術開発に参画しております。
⑥バーチャルパワープラント
国が実証に取り組んでいるバーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業は、電力系統に点在する需要家の機器をIoT化することで、遠隔で監視、一括制御し、需要の抑制又は創出を図る技術であります。将来における「需要家側」での需給調整を行う基幹技術として、親会社と共に技術ノウハウの習得を図っております。VPP制御設備の設置工事を受注、施工し、今後も設置工事に携わっていく予定であります。
⑦クラウド活用技術
近年、クラウドを活用した様々なサービスが各社より提供されるようになってきております。当社においても、クラウドを活用し、様々な施設管理を実現する設備データの見える化システムや、在庫管理システムの開発に取り組んでおります。
(2) その他事業
高度情報化社会に伴い、関連事業の様々な技術開発活動に取り組んでまいります。
当社の研究開発活動の専従人員は、2020年3月末現在24名であり、当連結会計年度の研究開発費総額は