文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
当社グループは、「お客様本位の精神で安全・確実な業務の遂行により顧客の信頼を高め、人々の生活や経済を支える社会的に重要なインフラの創造をとおして社会に貢献する」という基本理念のもと、設備工事の設計・施工・保守を行う企業として、品質の高い設備づくりを目指し企業努力を重ねていく。
また、「安全は会社経営上の最重要課題」として、安全・安定輸送の重要性が高まる鉄道の電気設備や一般電気設備及び情報通信設備などの社会インフラの構築や維持に対して一層寄与できる企業体制づくりを推進し、大きく変化する社会環境の中で変革に挑戦し、持続的成長を目指していく。
当社グループは、経営の透明性を確保しつつ、働き方改革と個々の取り組みをとおして経営基盤を強化し、人間中心企業として「人間力の向上」と「本物志向の実践」により企業価値の向上を図ることで、株主及び取引先等の皆様の期待にお応えできる企業へと成長していく。
当社グループは、NDKグループの総合力を活かし、2023年3月期は売上高1,752億円、経常利益105億円を目標としている。
今後の国内経済は、新型コロナウイルス感染症の対策に万全を期し、経済社会活動が正常化に向かう中で各種政策の効果や海外経済の改善もあって景気が持ち直していくことが期待される。一方、ウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、原材料価格の上昇や供給面での制約等による下振れリスクに十分注意する必要があり、また感染症による影響に注視が必要な状況が続くものと思われる。
当建設業界においては、公共投資は弱含みで推移していくことが見込まれるものの次第に国土強靭化の推進等に係る予算の効果が発現すること、民間設備投資は企業収益の改善等を背景に持ち直し傾向が続くことが期待されるものの、依然として厳しい状況が続くものと思われる。
当社グループを取り巻く経営環境は、各鉄道会社の旅客収入の大幅な減少による設備投資の抑制や民間工事における低価格での受注競争が激化すること等が予想され、依然として厳しい状況が続くなか、大規模な駅再開発関連プロジェクトが計画されていること等、民間設備投資が持ち直しの動きを見せていることから徐々に回復していくものと考えている。
このような状況において当社グループは、2022年3月期以降3年間の中期経営計画である「日本電設3ヶ年経営計画2021」を策定している。この経営計画では、新たな変革の時代に対して、迅速かつ柔軟に対処できる企業に成長するため、古い価値観の打破に挑戦するとの決意のもと、「ニューノーマルに挑む 変革」を掲げ、第81期より「環境経営の推進」を加えた次の5つの重点実施テーマに基づく各諸施策を進めることにより、持続的成長を目指していく。
安全・品質の取り組みのブラッシュアップに加えて、コンプライアンスの徹底によりお客様からの信頼をより高めていく。
社員一人ひとりが気づき力を磨き、自立的に業務に取り組める人材の育成に注力していく。
全国で事業展開する当社の強みと協力会社を含めたNDKのチーム力を高め、新たな価値を創造していく。
社員一人ひとりが心身ともに健康で働きやすさと働きがいを実感できる職場づくりを目指していく。
社員一人ひとりの日々の行動、事業活動を通じて脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進していく。
なお、「日本電設3ヶ年経営計画2021」の最終年度である2024年3月期の数値目標(連結)は、売上高1,899億円、経常利益136億円(経常利益率7.2%)としている。
また、当社は全国鉄道電気工事のリーディングカンパニーであることに加え、鉄道電気・一般電気・情報通信の3つの分野の施工を行うことができる総合電気工事会社としての「ブランド力」を高め、同業他社との差別化を図り、各工事部門で次の取り組みを行っていく。
鉄道電気工事部門については、安全・安定輸送に寄与するための安全レベルの向上に努め、最大の得意先である東日本旅客鉄道株式会社のご要望に対応しうる体制の整備を推進するとともに、JR各社、公営鉄道、民営鉄道及びモノレール等にも積極的な営業活動を展開し、受注の確保に努めていく。
一般電気工事部門については、駅再開発関連等への営業を始め、お客様のご要望にお応えできる提案や事業継続に対応したリニューアル提案営業を推進し、さらなる受注の獲得に努めていく。また、自社ビルのZEB化で培った技術を活かし、付加価値を高めた提案営業により環境エネルギー分野の受注拡大も目指していく。
情報通信工事部門については、ネットワークインフラ構築工事及び通信事業者各社の移動体通信基地局建設工事等を受注するため全社的に積極的な営業を図り、受注の拡大に努めていく。
当社グループは、このようにグループを挙げて営業活動を展開して受注の確保に全力を傾注し、安全と品質の確保に努め、コスト競争力の強化、新規事業の開発及び人材育成を推進し、業績の向上に鋭意努力する所存である。
事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響については、合理的に予見することが困難であるため記載していない。
当社グループの完成工事高総額に占める東日本旅客鉄道株式会社の比率が高いことから、同社が何らかの理由により設備投資等を削減しなければならなくなった場合、受注活動に影響を及ぼす可能性がある。
(2) 社会的信用力低下のリスク
当社グループでは安全を会社経営上の最重要課題と認識し、「日本電設3ヶ年経営計画2021」の中で安全推進の施策を策定し安全大会・各種安全会議・研修等をとおして教育し、社員・協力会社社員が共通認識のもと事故防止に取り組んでいるが、当社グループの行う工事施工の過程で重大な事故を発生させた場合、社会的に厳しい批判を受ける場合があることから、社会的信用力の低下等により受注活動にも影響を及ぼす可能性がある。
また、当社グループは法令順守を会社経営の基本とし、内部管理・内部統制体制を整備し、役員・従業員に対して定期的な勉強会や研修に加え、ICTを活用したコンプライアンス教材による随時学習可能な環境を整えることにより、適切な業務運営を行っているが、建設業法等関連法令において保有資格等の許可要件が厳密に定められているほか、各種規制や罰則が定められており、それらに抵触した場合には営業停止等の処分が行われる可能性がある。
(3) 受注事業のリスク
当社の事業である建設業は受注事業であり、主なリスクは次の事項が挙げられる。
a.労働集約事業であり、多くの協力会社と連携して事業を遂行していることから人材の育成及び教育等が求められるため、施工体制強化の取り組みを推進しており、協力会社社員の新規採用支援、育成支援、安定的な工事発注による工事平準化に努め、協力会社の体制強化策を講じているが、当社が必要とする能力を持った協力会社社員の確保が十分に行われなかった場合には事業遂行上影響を受ける可能性がある。
b.工事の受注から完成までに期間を要し、請負金額が高額となるため工事の施工に伴う立替金も高額となり、発注者の業績悪化等による工事代金回収の遅延や貸倒れが発生する可能性がある。
c.当社は、全国鉄道電気工事のリーディングカンパニーであることに加え、鉄道電気・一般電気・情報通信の3つの分野の施工を行うことができる総合電気工事会社としての「ブランド力」を高めるため、「日本電設3ヶ年経営計画2021」に基づく各工事部門での取り組みをとおして同業他社との差別化を図っているが、他社との受注競争の激化により工事採算が悪化する可能性がある。
d.施工期間が長期にわたる工事の受注はコスト上昇のリスクを十分検討するとともに、材料費について集中購買を実施し購買量の拡大による価格交渉を行い、取引会社を選定のうえ集中的に材料を発注することで材料費の低減に取り組んでいる。また、労務費については、職場環境整備等による人材の確保、協力会社への施工能力向上支援による施工体制強化を行うことで、原価低減に努めている。これらの取り組みが奏功しない場合、材料費・労務費の高騰の影響を受け工事採算が悪化する可能性がある。
(4) 新型コロナウイルス感染症のリスク
新型コロナウイルス感染症の影響による主なリスクは次の事項が挙げられる。
a.取引先に応じた営業活動に努め情報収集を徹底しているが、取引先が設備投資等の削減を実施した場合、受注活動に影響を及ぼす可能性がある。
b.材料供給会社からの納期に関する情報収集活動を徹底するとともに、当社グループ間での情報共有に努めているが、材料の納入が遅延した場合、工事工程の遅れにより事業遂行上影響を受ける可能性がある。
c.取引先及び従業員の安全を第一に考えるとともに更なる感染拡大を防ぐため、政府や自治体の発表・要請も踏まえ、取引先と情報交換を行いながら、工事工程調整等を行っているが、施工現場への入場制限又は現場作業が中止となった場合、工事工程の遅れにより事業遂行上影響を受ける可能性がある。
d. マスクの着用、手洗い、手指消毒、検温、事業所の換気等、従業員の体調管理及び職場環境確認の一層の徹底、テレビ会議の活用、テレワークの実施、始業時刻の繰り上げ・繰り下げの推奨、勤務形態の見直し等の感染症対策を適宜実施しているが、当社グループ社員及び協力会社社員等へ感染が拡大した場合、事業遂行上影響を受ける可能性がある。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
当連結会計年度の国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が徐々に緩和され持ち直しの動きがみられたものの、変異株の感染拡大による影響や供給面での制約、原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意する必要があった。当建設業界における受注環境は、公共投資は弱含んでおり、民間設備投資は持ち直しに足踏みがみられた。当社を取り巻く経営環境は、各鉄道会社の旅客収入の大幅な減少による設備投資の抑制や民間工事における低価格での受注競争が激化すること等により近年にない厳しい状況であった。
このような状況の中で、当社グループは営業体制の強化を図り、グループを挙げて新規工事の受注確保に努めた結果、当連結会計年度の連結受注高は1,723億円(前連結会計年度比90%)となった。
連結売上高は、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により33億円増加した結果、1,735億円(前連結会計年度比89%)となり、連結繰越高は1,445億円(前連結会計年度比84%)となった。
なお、収益認識会計基準等の適用前の連結売上高は顧客の設備投資の抑制や前期に大型工事の完成が集中したことの反動等により1,702億円(前連結会計年度比87%)となり、連結繰越高は過去最高の1,761億円(前連結会計年度比102%)となっている。
利益については、前期に比べ工事採算性が低下したこと等により、連結営業利益は74億54百万円(前連結会計年度比53%)、連結経常利益は87億3百万円(前連結会計年度比57%)、親会社株主に帰属する当期純利益は52億22百万円(前連結会計年度比55%)となった。
部門別の状況は次のとおりである。
当連結会計年度は、顧客の設備投資の抑制等により厳しい状況であったが、東日本旅客鉄道株式会社を始めとするJR各社、公営鉄道及び民営鉄道等に対して組織的営業を展開し受注の確保に努めた結果、連結受注工事高は1,013億円(前連結会計年度比91%)となった。
連結完成工事高は、収益認識会計基準等の適用により24億円増加した結果、1,001億円(前連結会計年度比90%)となり、連結繰越工事高は791億円(前連結会計年度比82%)となった。
なお、収益認識会計基準等の適用前の連結完成工事高は976億円(前連結会計年度比87%)となり、連結繰越工事高は1,007億円(前連結会計年度比104%)となっている。
当連結会計年度は、顧客の設備投資の抑制等により厳しい状況であったが、建設需要が高い工事等を中心に、顧客志向に基づいた営業活動を展開し受注の確保に努めた結果、連結受注工事高は472億円(前連結会計年度比96%)となった。
連結完成工事高は、426億円(前連結会計年度比85%)となり、連結繰越工事高は470億円(前連結会計年度比100%)となった。
なお、収益認識会計基準等の適用前の連結完成工事高は426億円(前連結会計年度比85%)となり、連結繰越工事高は517億円(前連結会計年度比110%)となっている。
当連結会計年度は、顧客の設備投資の抑制等により厳しい状況であったが、得意先等に対し全社的な受注の確保に努めた結果、連結受注工事高は224億円(前連結会計年度比79%)となった。
連結完成工事高は、収益認識会計基準等の適用により8億円増加した結果、279億円(前連結会計年度比91%)となり、連結繰越工事高は181億円(前連結会計年度比64%)となった。
なお、収益認識会計基準等の適用前の連結完成工事高は271億円(前連結会計年度比88%)となり、連結繰越工事高は233億円(前連結会計年度比83%)となっている。
当連結会計年度は、連結受注高は13億円(前連結会計年度比87%)となり、連結売上高は28億円(前連結会計年度比88%)となった。
(注) 「その他」の事業には、不動産業及びビル総合管理等の関連事業、ソフトウェアの開発及び電気設備の設計等を含んでいる。
② 財政状態の状況
資産
当連結会計年度末における資産の残高は、2,577億0百万円(前連結会計年度末は2,656億57百万円)となり、79億56百万円減少した。
負債
当連結会計年度末における負債の残高は、725億7百万円(前連結会計年度末は812億93百万円)となり、87億85百万円減少した。
純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は、1,851億92百万円(前連結会計年度末は1,843億63百万円)となり、8億29百万円増加した。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、投資活動及び財務活動による資金の減少があったものの、営業活動による資金の増加により、前連結会計年度末から1億31百万円増加し、421億73百万円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、95億14百万円の資金増加(前連結会計年度比100億56百万円減少)となった。これは、税金等調整前当期純利益83億17百万円の計上及び未成工事支出金の減少額302億97百万円等による資金増加要因と、売上債権の増加額230億49百万円及び法人税等の支払額44億62百万円等による資金減少要因によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、66億44百万円の資金減少(前連結会計年度比27億57百万円増加)となった。これは、有形固定資産の取得による支出27億13百万円及び無形固定資産の取得による支出22億61百万円等によるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、27億37百万円の資金減少(前連結会計年度比4百万円増加)となった。これは、配当金の支払額22億71百万円及びリース債務の返済による支出3億76百万円等によるものである。
(注) 「その他」の事業のうち受注生産を行っていない不動産の賃貸・管理等は、上記金額には含まれていない。
(注) 1.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載していない。
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
建設業における受注工事高及び完成工事高の状況
前事業年度 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日
(注) 1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。
2.「その他」の当期完成工事高には、受注生産を行っていない不動産の賃貸等の売上高が含まれているため、当期完成工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-次期繰越工事高)に一致しない。
当事業年度 自 2021年4月1日 至 2022年3月31日
(注) 1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。
2.「その他」の当期完成工事高には、受注生産を行っていない不動産の賃貸等の売上高が含まれているため、当期完成工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-次期繰越工事高)に一致しない。
3.前期繰越工事高については、収益認識会計基準等を当事業年度の期首から適用しているため、2021年3月期の次期繰越工事高に一致しない。
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
(注) 1.完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度の完成工事のうち主なもの
当事業年度の完成工事のうち主なもの
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。
(d) 次期繰越工事高(2022年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
「日本電設3ヶ年経営計画2021」の初年度である2022年3月期は、依然として各鉄道事業者をはじめとした顧客がコロナ禍の影響を受け厳しい経営状況に直面しており、各鉄道会社の旅客収入の大幅な減少による設備投資の抑制や民間工事における低価格での受注競争が激化すること等により、当社グループにとっても厳しい経営環境であった。このような状況の中で、業績の確保に向けて鋭意努力した結果、前連結会計年度比で減収減益となったものの、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益において計画を達成した。
部門別の経営成績の分析・検討内容は次のとおりである。
連結受注工事高は、各鉄道事業者の工事抑制の影響を受けたものの、公営鉄道の変電所工事等の受注拡大により、計画を大きく上回る結果となった。
連結完成工事高は、新幹線工事等の大型工事の施工が順調に推移したこと等により、計画を大きく上回る結果となった。
連結受注工事高は、計画を下回ったものの大型工事や官公庁工事を受注したこと等により高水準を維持した。
連結完成工事高は、竣工物件の少ない端境期にあたり、前連結会計年度比で減少したものの概ね計画通りとなった。
連結受注工事高は、得意先の工事抑制により前連結会計年度比で減少となったものの、大型のネットワーク工事の受注により概ね計画通りとなった。
連結完成工事高は、不感地対策工事の収束による反動等により前連結会計年度比で減少したものの計画を上回る結果となった。
その他
連結受注高は、グループ会社の資材・物品等の販売が減少したことにより、前連結会計年度比で減少した。
連結売上高は、賃貸ビルのテナント退去および大型工事の調査・設計受託の減少により、前連結会計年度比で減少したが概ね計画通りとなった。
資産
当連結会計年度末においては、収益認識会計基準等の適用により受取手形・完成工事未収入金等が増加したものの、同基準の適用及び工事量の変動に伴い未成工事支出金等が減少した。
負債
当連結会計年度末においては、工事量の変動に伴い支払手形・工事未払金等及び電子記録債務が減少した。
純資産
投資有価証券の時価の変動に伴いその他有価証券評価差額金が減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことに伴い利益剰余金が増加し、自己資本比率は66.9%となった。
利益剰余金のうち提出会社の繰越利益剰余金については、2022年6月24日開催の第80期定時株主総会において、下記のとおり決議された。
1株当たり配当額 31円
配当総額 1,906百万円
別途積立金の積立 2,500百万円
なお、配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」の項目を参照のこと。
③ キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における「現金及び現金同等物の期末残高」(以下「資金」という。)は、投資活動及び財務活動による資金の減少があったものの、営業活動による資金の増加により、前連結会計年度末から1億31百万円増加し、421億73百万円となった。
なお、詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」の項目を参照のこと。
b. キャッシュ・フロー指標のトレンド
(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出している。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出している。
4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用している。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としている。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用している。
当社グループは、現金及び現金同等物並びに営業活動によるキャッシュ・フローを資金の源泉としている。一方、資金需要については、運転資金、更なる経営基盤の充実に備えるための人材の確保と育成、教育、DX(デジタルトランスフォーメーション)や環境経営の推進に向けた設備投資、軌陸車等の工事用機材、事業所整備、事業開発、重大な損害・災害発生時の支出及び株主の皆様への配当等である。
資金の流動性については、これらの資金需要に対して自己資金により対応できる適切な水準を維持することを基本方針としている。当連結会計年度末は、現金及び現金同等物421億73百万円を確保し必要な流動性水準を維持している。
また、現時点では上記基本方針を維持することとしているが、緊急時における資金需要に備えるため、複数の金融機関と当座貸越契約を締結している。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりである。
なお、会計上の見積りにおける新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 追加情報」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 追加情報」の項目を参照のこと。
売上債権、貸付金等の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率に基づき、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に債権の回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上している。
将来の不確実な経済条件の変動等により、貸倒実績率を補正すること等が必要となった場合、引当金の金額が増減する可能性がある。
完成工事に係るかし担保の費用に備えるため、当連結会計年度の完成工事高に対し、過去の完成工事に係る補償額の実績を基に将来の発生見込額を加味して計上している。
見積りを超える完成工事のかし及びその補償費用が発生した場合、引当金の追加計上が必要となる可能性がある。一方、実際の補償費用が引当金の金額を下回った場合は引当金戻入益を計上することとなる。
受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における手持受注工事のうち、損失が確実視されその金額を合理的に見積ることができる工事について、損失見込額を計上している。
損失見込額の見積りは、工事契約ごとに策定した実行予算に基づき算定している。また、実行予算は、作成時点で入手可能な情報に基づき、作業内容や原材料価格等について仮定し策定している。工事の進捗等に伴い継続して実行予算の見直しを行っているが、工事契約の変更や仕様変更、工事着手後の状況の変化等が発生した場合は、引当金の金額が増減する可能性がある。
退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定しており、これらの前提条件には、割引率、予定昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれている。
将来の不確実な経済条件の変動等により前提条件の見直しが必要となった場合、退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性がある。
固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしている。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性がある。
繰延税金資産の回収可能性については毎期見直しており、過年度の業績、納税状況及び将来の業績予測等を総合的に勘案し、課税所得の額を合理的に見積ることにより判断している。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が発生する可能性がある。
履行義務の充足に係る進捗度の測定は、連結会計年度末までに発生した工事原価が、予想される工事原価総額に占める割合(原価比例法)に基づいて行っている。
工事原価総額は、工事契約ごとに策定した実行予算に基づき算定している。また、実行予算は、作成時点で入手可能な情報に基づき、作業内容や原材料価格等について仮定し策定している。工事の進捗等に伴い継続して実行予算の見直しを行っているが、工事契約の変更や仕様変更、工事着手後の状況の変化等が発生した場合は、完成工事高及び完成工事原価に影響を与える可能性がある。
特記事項なし。
鉄道電気工事、一般電気工事及び情報通信工事の各部門では、「安全性の向上」、「作業の効率化」、「品質向上」及び「働き方改革」につながる研究開発活動を行っている。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(1) 共通
「アンカーボルトガイドキャップの開発」
構造用部材や設備機器等をコンクリートに固定する際、座板付鋼管柱のような大きな物では、基礎に取り付けられた複数のアンカーボルトと複数の穴を一度に挿入する事が難しいため調整に時間を要し、場合によってはアンカーボルトのネジ山を傷つけてしまうことがあった。そこで、アンカーボルトのネジ山を保護しながら部材や機器側の穴を案内し、簡単に挿入できる「アンカーボルトガイドキャップ」を開発した。
(2) 鉄道電気工事部門
①「インテグレート架線化のための新工法の開発」
東日本旅客鉄道株式会社は架線設備の老朽化に合わせ、従来の架線よりも設備の数が少なくスリム化されたインテグレート架線への改良工事を推進している。この「インテグレート架線化工事」において、既設電線と新設電線の切替方法を変更することにより、従来工法の工程を削減する新たな施工方法を東日本旅客鉄道株式会社と共同開発した。これにより工事のコストの削減と工期の大幅な短縮が可能となった。
②「クランプがいし用金車の開発」
鉄道線路沿線の信号機器等に電源を供給するための高圧電線の張替工事は、既設電線と新設電線を接続し仮設した金車の中を引き抜いて行われるが、電線をクランプがいしで支持している区間では、電線の移設や、がいしと電線の固定に時間がかかることから、停電間合いの中で作業を完了するのに苦慮していた。今回開発したクランプがいし用金車は、クランプがいしの上部に仮設し、ローラー内に簡単に電線を導くことができる構造にして、電線の移設に要する時間を大幅に削減し、作業効率の向上を図った。
①「データセンター向けセーフティ交流分電盤の開発」
近年、データセンターのサーバーの増設や改良工事が増え、その電源の改良工事も増えているが、サービスを停止させないために分電盤の当該回線以外は停電しない施工を求められることが多いため、安全対策を行った後、夜間に施工することが一般的となっている。そこで回路の露出部を無くし、接続部をコネクタにする等の改良により、昼間でも安全に施工できる交流分電盤をメーカーとともに開発し製品化した。
②「設計図・盤製作図からの絶縁抵抗測定表自動作成プログラムの開発」
絶縁抵抗測定は、電気設備の施工後、通電前に行われる試験であり、その結果を記録する測定表は、回線名等の必要事項をメーカーの図面から手作業でEXCEL表に転記して作成するとともに、測定データも手入力する必要があり多大な時間を要していた。開発したプログラムでは自動でPDF図面から絶縁抵抗測定表を作成し、さらにこれをタブレットに保存して、Bluetoothを備えた絶縁抵抗測定器と組み合わせ、測定データを自動で取り込むことで、作業の効率化を図ることができた。