文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
当社グループは、「お客様本位の精神で安全・確実な業務の遂行により顧客の信頼を高め、人々の生活や経済を支える社会的に重要なインフラの創造をとおして社会に貢献する」という企業理念のもと、設備工事の設計・施工・保守を行う企業として、品質の高い設備づくりを目指し企業努力を重ねていく。
また、「安全は会社経営上の最重要課題」として、安全・安定輸送の重要性が高まる鉄道の電気設備や一般電気設備及び情報通信設備などの社会インフラの構築や維持に対して一層寄与できる企業体制づくりを推進し、大きく変化する社会環境の中で変革に挑戦し、持続的成長を目指していく。
当社グループは、経営の透明性を確保しつつ、働き方改革と個々の取組をとおして経営基盤を強化し、人間中心企業として「人間力の向上」と「本物志向の実践」により企業価値の向上を図ることで、株主及び取引先等の皆様の期待にお応えできる企業へと成長していく。
当社グループは、持続的成長を目指し、2027年3月期は連結売上高2,423億円、連結営業利益238億円を目標としている。
今後の国内経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待される。一方、中東情勢の影響に加え、金融資本市場の変動の影響やアメリカの通商政策をめぐる動向などに注意が必要な状況が続くものと思われる。
当建設業界においては、公共投資は補正予算の効果もあって底堅く推移していくことが見込まれており、民間設備投資は堅調な企業収益や省力化投資への対応等を背景に持ち直し傾向が続くことが期待される。
当社グループを取り巻く経営環境は、各鉄道会社の安全・安定輸送に対する投資と設備更新が堅調に推移していることや、引き続き民間企業において大都市圏を中心とした再開発やデータセンターの建設投資、既存建物の基幹設備老朽化による更新工事が見込まれることなどにより、設備工事の需要拡大が堅調に推移するものと考えている。
このような状況の中で、当社グループは各工事部門で次の取組を行っていく。
鉄道電気工事部門については、安全・安定輸送に寄与するための安全レベルの向上及び施工体制の整備を推進し、最大の得意先である東日本旅客鉄道株式会社をはじめJR各社からの受注の確保に努めていく。また、公営鉄道、民営鉄道及びモノレール等にも積極的な営業活動を展開することにより受注拡大を目指していく。
一般電気工事部門については、駅周辺を中心とした大型再開発工事及び老朽化する既存設備の更新需要に対して営業を図り、受注の確保に努めていく。また、データセンターなど建設需要が増加している分野にも営業活動を展開することにより、受注拡大を目指していく。
情報通信工事部門については、ネットワークインフラ構築工事、通信事業者各社の基地局建設工事等を受注するため全社的な連携のもと積極的な営業を図り、受注の確保に努めていく。また、インフラシェアリング事業については、企画・施工・保守までの一貫した質の高いサービスを展開することにより受注拡大を目指していく。
環境エネルギー工事部門については、脱炭素社会の実現に向けて、ZEBで培った技術力をもとに多様な再生可能エネルギーを活用し、付加価値を高めた提案営業を図り、系統用蓄電所などの分野にも積極的な営業展開を行い、受注の確保に努めていく。また、空調衛生分野において一般電気工事との連携を強化することにより受注拡大を目指していく。
当社グループは、このようにグループを挙げて営業活動を展開して受注の確保に全力を傾注し、安全と品質の確保に努め、コスト競争力の強化、新規事業の開発及び人材育成を推進し、業績の向上に鋭意努力する所存である。
なお、当社グループは、2025年3月期以降3年間の中期経営計画である「日本電設3ヶ年経営計画2024」を策定している。この経営計画は、2032年3月期(第90期)にありたい姿の実現に向けた足掛かりと位置付け、得意分野を伸ばしつつ、新しい分野への挑戦を通じて新たな価値を創出し飛躍していく意気込みをこめて、副題として「飛躍への挑戦」を掲げている。
当社グループは、この経営計画における次の5つの重点実施テーマに基づく諸施策を進めることにより、持続的成長を目指していく。
お客様・工事従事者の安全確保と質の高い成果物の提供とともに、法令や社会規範を順守した従業員一人ひとりの自覚ある行動やリスク管理体制の強化により、お客様や社会からの信頼を高めていく。
「挑戦」を根底に既成概念を打破する広い視野と思考で自ら考え・行動し、新たな価値を創出していく。
人材確保を重点に進めるとともに、従業員一人ひとりが様々な経験をとおして成長を実感できる施策を推進していく。また、共に働く協力会社への人材確保・育成の支援などを推進し、『チームNDK』の実行力強化を図っていく。
従業員一人ひとりによる主体的なDXの実践や生産性向上に向けた投資を通じて、より一層の成長を実現するとともに、従業員間の交流や組織の活性化の推進と働きやすい環境や制度の整備を行い、従業員エンゲージメントの向上を図っていく。
工事や事業活動をとおして環境負荷低減及び地域社会活動に貢献し、共にその価値観を共有していく。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) サステナビリティ基本方針
当社グループは、「お客様本位の精神で安全・確実な業務の遂行により顧客の信頼を高め、人々の生活や経済を支える社会的に重要なインフラの創造をとおして社会に貢献する」という企業理念に基づき、当社グループの持続的成長と事業活動を通じた持続可能な社会の実現に貢献する。
当社グループは、安全・安心な業務の遂行により社会からの信頼を高め、技術開発や研究開発の推進により社会課題を解決し、快適な社会インフラの構築により社会へ貢献するとともに、地域社会の発展に寄与する企業を目指す。
当社グループは、「NDKグループ環境方針」を定め、環境負荷低減や資源の有効活用に向けた技術を積極的に提供していくとともに、事業を通じて排出する温室効果ガスの削減をはじめとした地球環境の保護に向けた取組を継続的に推進する。
当社グループは、「人間中心企業」として、人材を最大の経営資本と認識し、従業員一人ひとりが健康で自立的に能力を発揮できる環境づくりを行い、人材育成の推進や組織の活性化により従業員が「希望」「誇り」「責任感」を持って働ける活力に満ちた企業を目指す。
(2) マテリアリティ(重要課題)の特定
当社グループは、NDK Vision90に掲げる「総合インフラ設備工事会社」への進化を中長期的な成長戦略の中核に位置付け、サステナビリティに関する取組を経営戦略と一体的に推進することで、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、持続的な企業価値の向上を目指している。
社会課題の解決と持続的な企業価値の向上との両立を図るため、サステナビリティに関するマテリアリティを特定しており、各マテリアリティの取組は相互に関連性があることを踏まえ、シナジー効果及びトレードオフ効果を見極めながら取組を推進している。
マテリアリティの特定にあたっては、国際的なガイドライン(SDGs、GRIスタンダード等)や社会環境の変化を踏まえつつ、当社グループを取り巻く事業環境や中長期的な経営への影響を考慮し、当社グループにとっての重要度及びステークホルダーにとっての重要度の両面から検討した。
その結果、当社グループとして重点的に取り組むべきマテリアリティとして、10項目を特定している。
<マテリアリティと主な取組>

<マテリアリティの特定と見直しプロセス>
当社グループは、持続可能な社会の実現と企業価値向上の両立を目指し、マテリアリティを特定しており、外部環境の変化を踏まえ、継続的な見直しを行うこととしている。

(3) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
① ガバナンス
当社グループは、サステナビリティの推進を重要な経営課題と位置付け、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、持続的な企業価値の向上を図るため、以下のとおりガバナンス体制を整備している。
取締役会は、サステナビリティに関する重要事項(基本方針、マテリアリティ及び重要な施策等)について意思決定を行うとともに、その執行状況を監督している。経営会議は、サステナビリティに関する具体的な施策の立案及び進捗管理を担い、取締役会への報告事項及び付議事項について審議している。
特に、気候変動関連及び人的資本関連を含むサステナビリティ全般の取組については、特定したマテリアリティに基づき、リスク及び機会を踏まえた施策を策定・実行している。
これらの施策の進捗状況については、経営企画本部サステナビリティ推進部が中心となって原則として年2回、経営会議で審議のうえ取締役会に報告し、取締役会は施策が適切に遂行されているかを確認している。
なお、リスク管理上特に重要と位置付ける安全に関する事項については、四半期に一度、取締役会に報告している。
当連結会計年度において、取締役会に報告又は付議した主な内容は、以下のとおりである。
<サステナビリティ推進体制>

② リスク管理
当社グループは、サステナビリティに関するリスク及び機会が事業活動及び中長期的な企業価値に重要な影響を及ぼす可能性があるとの認識のもと、これらを経営上の重要なリスクとして位置付け、全社的なリスク管理の枠組みの中で管理している。
サステナビリティに関するリスク及び機会については、マテリアリティに基づき管理を行っており、気候変動、安全・品質、ダイバーシティ、人材の確保、コンプライアンス等の事項に関して、各担当部門が識別及び評価を行っている。
これらの結果については、経営企画本部サステナビリティ推進部が事務局として取りまとめ、マテリアリティごとのリスク及び機会を踏まえた取組状況や進捗等について、原則として年2回、経営会議に報告し審議している。
経営会議において審議された内容に基づくリスク及び機会については、取締役会に報告され、取締役会による監督が行われている。
(4) 気候変動への対応(マテリアリティ①脱炭素社会への貢献)
当社グループは、気候変動を、事業を取り巻く環境の変化を通じて経営に影響を及ぼす重要な経営課題であると同時に、新たな事業機会の創出や中長期的な企業価値の向上に資する重要な要素であると認識している。このような背景のもと脱炭素社会への移行に伴う技術革新及び環境負荷低減やエネルギー効率向上を目的とした電気設備工事に対する需要の拡大は、当社グループにとって競争力強化や新たな付加価値創出の機会となる可能性がある。
一方で、気候変動の進展は、異常気象の激甚化や災害の頻発、エネルギー・資源価格の変動及び環境に関する制度や規制の強化などを通じて、事業活動のみならず、中長期的な経営の安定性や持続可能性に重大な影響を及ぼし得る重要なリスク要因でもある。
このため、当社グループでは、気候変動をサステナビリティに関するマテリアリティの中でも特に重要性が高い課題の一つとして位置付け、経営における重要な対応テーマとして取り組んでいる。あわせて、気候変動に関する動向や法規制等を注視しつつ、事業及び経営への影響をリスクと機会の両面から把握・分析し適切な対応を推進している。
① 戦略
気候変動に伴う影響としては、炭素価格の導入や環境関連規制の強化等による移行リスク及び自然災害の激甚化等による物理的リスクが考えられることから、これらが事業活動に与える影響について、複数のシナリオごとに分析を行っている。現時点においては、重大な財務影響が顕在化している状況にはないが、将来的な影響の可能性を踏まえ、引き続き情報収集及び対応の検討を進めていく方針である。
当社グループは、事業活動に伴う環境負荷の低減が重要であるとの認識のもと、温室効果ガス排出量の把握及び削減に向けた取組を段階的に実施している。具体的には、当社グループが保有するビルのZEB化や業務用自動車のHV化など排出量を削減する対策のほか、再生可能エネルギー由来電力の活用等、排出量削減に資する施策を進めており、これらの取組については、削減貢献度や事業への影響を考慮しながら、継続的に見直しを行っている。
さらに、当社グループの事業領域においては、省エネルギーや再生可能エネルギー等に関連する社会的要請が高まっていることから、既存事業との関係性を踏まえつつ、顧客ニーズへの対応を進めており、不確実性も含め慎重に検討を行い、事業機会を高めていく。
今後も、気候変動に関する国内の動向を踏まえながら、リスク及び機会の把握に努め、当社グループの事業活動や経営判断に適切に反映させていく。
また、当社グループでは気候変動におけるリスク及び機会について、以下のとおりTCFD提言に基づく枠組みに沿って整理・分析を行い、財務的影響額が予測可能な項目については、2024年度時点を基準とし、2030年度及び2050年度の連結営業利益に対する影響額を試算している。
試算の結果、2030年度、2050年度ともに4℃シナリオに比べ、1.5℃(2℃)シナリオでの連結営業利益の増加が見込まれることを確認しており、これらの分析結果を踏まえ、脱炭素やエネルギー効率向上に資する電気設備工事分野への取組を強化し、持続的な成長に向けた戦略を推進していく。

② 指標・目標
当社グループは、「脱炭素社会への貢献」をサステナビリティにおける重要課題の一つとして認識し、事業活動による温室効果ガス排出量削減に取り組んでいる。これまで当社単体による温室効果ガス排出量(Scope1・2)について、2030年度に2013年度比50%削減する目標であったが、2025年度実績では2013年度比約45%削減を達成しており、目標達成が概ね見込まれることから、さらなる排出量削減活動の推進を目的として、基準年度を2024年度とする新たな中間目標を設定した。
なお、本目標については当社グループ全体での排出量削減活動を一層推進するため、連結子会社を含めたグループ単位での目標としている。
温室効果ガス排出量(Scope1・2)
温室効果ガス排出量実績
(注) 1.2025年度実績については速報値であるため、今後確定するにあたり変動することがある。
2.Scope1・2は提出会社及び連結子会社を対象としている。
3.Scope2はマーケット基準を採用している。
4.Scope3は提出会社のみを対象としている。
5.2025年度のScope3カテゴリ11は現時点で算定が可能な工事部門のみを対象としている。
6.Scope1・2及びScope3の詳細は
(URL https://www.densetsuko.co.jp/pdf/company/sustainability/top/esg_data.pdf)
(5) 人的資本への対応(マテリアリティ⑤人材の確保と育成、⑥人権と多様性の尊重、⑦健康で快活な職場づくり)
当社グループは、社会インフラの創造を通じて社会機能の維持・高度化に貢献することを目的とする企業グループであり、事業の特性上、安全・品質の確保及び高度な技術力の維持・向上において、人材を最大の経営資本と認識している。少子高齢化の進展等により技術者の採用環境が厳しさを増す中、人材の確保・育成・定着は、事業の持続可能性及び中長期的な企業価値の向上に直結する重要な経営課題である。このため、当社グループが特定したマテリアリティにおいても人的資本を重要課題として位置付け、成長戦略及び他の重要課題の実現を支える基盤として、人的資本の強化に取り組んでいる。
中期経営計画においては、「安全・品質レベルの向上とコンプライアンス・ガバナンスの徹底」「人材確保と施工体制の強化」に加え、「生産性とエンゲージメントの向上」を重点施策として掲げている。これらを着実に推進するため、計画的な人材の確保、技術・技能の継承、教育・研修体制の充実等に継続的に取り組むとともに、従業員一人ひとりの能力発揮と意欲の向上を図り、安定的かつ持続可能な施工体制の構築及び生産性向上により、変化する事業環境に柔軟に対応できる経営基盤の強化を進めている。
① 戦略
人材確保の基本方針
生産年齢人口の減少等が進行する中、人材確保は最も重要な課題の一つと認識している。当社は、社会の動向や学生等のニーズを踏まえ、採用対象の拡大及び多様な採用手法を展開するとともに、教育体系の更なる充実、認知度向上に向けた発信、従業員エンゲージメント向上をあわせて推進することで、将来を見据えた人材の確保を図っている。
主な取組内容は次のとおりである。
a. 中期経営計画において、2025年度から3年間の新卒採用計画数を330名とし、安定的な人材確保を図る。
b. 新卒採用は、文系学生の技術職への積極採用、高卒採用活動、学校との関係強化(リクルーター活用)等により、応募母集団形成を強化する。
c. 中途採用は、即戦力としての経験者に加え、未経験者採用(キャリアチェンジ)も含めた多様な人材確保を行う。
d. ブランドムービーの作成やコーポレートサイト刷新等により、社会インフラを支える仕事の価値を発信し、認知度向上を図る。
e. 若手社員の離職防止に向け、指導員制度による育成支援や定期的な面談、退職時面談を通じた課題把握を行うとともに、入社後のフォロー体制の充実、職場環境の改善及びキャリア形成支援等に取り組むことで、職場定着の促進を図る。
人材育成の基本方針
当社グループの主要な事業は設備工事業であり、安全と品質を重視した施工を積み重ねることで、より信頼される工事会社を目指している。このため、基礎技術の習得から技術力の向上までを見据えた教育体系を整備し、エキスパートの育成に取り組んでいる。
主な取組内容は次のとおりである。
a. 教育環境及び教育体系の充実
(a) NDK中央学園
当社は、教育環境の整備に取り組み続け、大規模研修施設である中央学園(千葉県柏市)を半世紀以上にわたり運営している。中央学園では、入社後の一定期間に集中的な研修を行い、知識・技術の基礎を形成するほか、技術レベルに応じた体系的な教育も実施し、社会インフラの創造を担う人材を育成している。
(b) TEMS技術学園
東日本電気エンジニアリング株式会社は、2009年4月、研修施設として、TEMS技術学園(栃木県小山市)を開校した。TEMS技術学園では、電気設備の仕組みの理解、技術・技能の習得、安全にメンテナンス・設備工事を実施できる技術の習得を教育の目的としている。入社から4年間で技術的に独り立ちできるようにカリキュラムを組んでおり、この内容で職業訓練校としての認定を受けている。また、仙台・新潟エリアにも教育施設である訓練センターを設置している。
b. 協力会社と一体となった施工体制強化
当社グループは、協力会社をパートナーと位置付け、採用・育成支援を通じて施工体制の維持・強化を図っている。具体的には、中央学園を活用した安全教育の強化、施工に必要な資格取得研修、技術力向上研修等の育成支援を実施することで「チームNDK」の実行力を強化している。
社内環境整備の基本方針
当社グループは、心理的安全性の高い職場環境を醸成し、従業員が自発的に業務に携われる環境を構築するとともに、多様な属性の従業員が働きやすく、働きがいを実感しながら活躍できる職場環境の整備を推進している。また、従業員とその家族の幸せを大切にし、従業員一人ひとりが「この会社に入って良かった」と思える会社を目指している。
主な取組内容は次のとおりである。
a. ダイバーシティ&インクルージョンの推進
育児や介護に携わる従業員、障がい者、シニア人材等、多様な人材がお互いを尊重し合い、働きやすく働きがいを実感しながら活躍できる職場環境を構築している。
なお、当事業年度に仕事と治療の両立を支援するための短時間勤務制度を導入している。
b. 従業員エンゲージメントの向上
(a) 従業員エンゲージメントサーベイの実施と改善活動
比較可能性に重点を置き、従業員エンゲージメントの向上を図るため、株式会社リンクアンドモチベーションの「モチベーションクラウド エンゲージメント」を導入した。2025年7月にサーベイを実施し、全社のエンゲージメントスコアは「BB(53.8)」となった。
当社はエンゲージメントスコアについて、2031年度に「AAA(67以上)」を目指している。
なお、指標としているエンゲージメントスコアは同社の算定評価を採用している(評価はAAA~DDの11段階)。
(注)スコアは全国平均を「B 50.0」とした偏差値である。
目標に向けた改善活動にあたっては、従業員エンゲージメント向上の取組を中長期的な視点で捉え社内に浸透させていくこと、各組織の実態を確認しながら、一人でも多くの従業員がやりがいを持ち、良い職場であると実感できることに重点を置きながら継続的に実施している。当事業年度は、全国の各組織を対象に、同社の知見も活かしながら個別の相談会を実施することで、現場でできる取組を後押しした。
(b) 褒め合う文化の活性化
上司・部下に関わらず従業員同士がお互いの良い行動・仕事を推薦し、褒め合う行動に報奨金を支給する制度(グッドジョブ制度)を制定している。感謝や称賛を伝え合う環境を整備することで、従業員のエンゲージメントの向上を図るとともに、推薦された内容は全従業員に公開し、広く紹介することで、年齢や立場を超えた社内コミュニケーションの促進を図っている。
なお、当事業年度にグッドジョブとして推薦された件数は1,090件となった。
c. 職場環境づくり(働き方改革と健康経営)
働き方改革及び健康経営の取組として、従業員のニーズに合わせた制度改正を推進しており、当事業年度において、2026年度からの実施に向け以下の制度改正を実施した。
・年次有給休暇の付与日数の引き上げ
・時間単位の年次有給休暇制度の導入
・フレックスタイム勤務制度の導入
また、健康経営優良法人2026(大規模法人部門)の認定を受けている。
さらに、職場環境改善のため、ZEB化を基本とした事務所の建替えを推進している。
② 指標・目標
当社グループでは上記「①戦略」において記載した基本方針に係る指標については、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないことから、連結グループにおける記載が困難である。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社及び東日本電気エンジニアリング株式会社のものを記載している。
a. 提出会社
(注)「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。
b. 東日本電気エンジニアリング㈱
(注)「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものである。
事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響については、合理的に予見することが困難であるため記載していない。
当社グループは、完成工事高総額に占める東日本旅客鉄道株式会社の比率が高いことから、同社の設備投資計画の変更、発注方針の見直しその他の事業環境の変化により発注規模が変動した場合には、当社グループの受注高の減少につながる可能性がある。
当社グループは、同社との信頼関係の維持・強化に努めるとともに、新規顧客の開拓や事業領域の拡大に取り組んでいるが、これらの施策が十分に奏功しない場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(2) 建設市場・事業環境変化のリスク
当社グループの事業は、鉄道関連投資、民間設備投資、公共投資その他の建設需要の動向の影響を受ける。景気後退、設備投資計画の変更、公共投資の減少その他の事業環境の著しい変化が生じた場合には、受注高の減少や受注競争の激化等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(3) 社会的信用力低下のリスク
当社グループは、安全を会社経営上の最重要課題と認識し、「日本電設3ヶ年経営計画2024」の中で安全推進の施策を策定している。安全大会・各種安全会議・研修等をとおして教育し、社員・協力会社社員が共通認識のもと事故防止に取り組んでいる。しかしながら、当社グループが行う工事施工の過程で重大な事故又は労働災害を発生させた場合には、損害賠償責任の発生、発注者からの信用・信頼の失墜、受注機会の減少等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
また、当社グループは、法令順守を会社経営の基本とし、内部管理・内部統制体制を整備し、役員・従業員に対して定期的な勉強会や研修に加え、ICTを活用したコンプライアンス教材による随時学習可能な環境を整えることにより、適切な業務運営を行っているが、建設業法その他の関連法令に違反する行為又は疑義を持たれる行為が発生した場合には、社会的信用力の低下等により、受注活動や当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(4) 施工品質不良・契約不適合のリスク
当社グループは、施工品質の確保を重要課題と認識し、設計、施工及び検査の各段階において品質管理の徹底に努めている。しかしながら、施工物に重大な品質不良又は契約不適合が生じた場合には、補修費用や損害賠償責任の発生、顧客からの信用低下等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(5) 人材の確保及び協力会社体制に関するリスク
当社グループの事業は、労働集約的な性格を有し、多くの協力会社と連携して事業を遂行していることから、必要な技能・資格・経験を有する人材及び協力会社社員の確保・育成が重要となる。当社グループは、施工体制強化の取組を推進し、協力会社社員の新規採用支援、育成支援、安定的な工事発注による工事平準化に努めているが、必要な人材の確保・育成が十分に進まない場合には、施工体制の維持・強化に支障を来し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(6) 取引先及び協力会社の信用リスク
発注者の業績悪化等による工事代金回収の遅延又は貸倒れに加え、協力会社等が倒産その他の信用不安に陥った場合には、工期の遅延や追加費用の発生等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(7) 受注競争並びに材料費・労務費の変動による工事採算悪化のリスク
当社グループは、「日本電設3ヶ年経営計画2024」に基づく各工事部門での取組をとおして同業他社との差別化を図っているが、受注環境の変化や競合他社との競争の激化により、請負金額が低下する場合がある。また、施工期間が長期にわたる工事においては、契約締結後に資材価格の高騰や労務費の上昇が生じた場合であっても、これを請負代金に十分に反映できないことがある。
当社グループは、材料の集中購買による価格低減や価格交渉、施工の効率化及び生産性向上等により原価低減に努めるとともに、発注者との協議を通じてコスト変動の適切な反映に取り組んでいるが、これらの取組が奏功しない場合、又は想定を超える受注競争の激化、資材価格の高騰や労務費の上昇が生じた場合には、工事採算が悪化し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(8) 法令・制度変更及び法令違反のリスク
当社グループの事業は、建設業法をはじめとする各種関係法令及び規制の適用を受けており、これらの法令の改廃、新設又は運用基準の変更等が行われた場合には、追加的な対応コストの発生や事業運営上の制約が生じることにより、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
また、建設業法その他の関連法令においては、経営業務の管理責任者、専任技術者等の許可要件が定められているほか、各種法令違反に対する行政処分や罰則が規定されている。当社グループでは内部管理・内部統制体制を整備し、コンプライアンスの強化に努めているが、万一これらの法令に抵触した場合には、営業停止、許可の取消、指名停止等の処分、社会的信用の低下等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(9) 情報セキュリティ及び情報システム障害のリスク
当社グループは、工事管理、会計、人事その他の基幹業務に情報システムを利用するとともに、顧客情報、技術情報、個人情報等の各種情報を保有している。これらについては情報セキュリティ体制を整備し適切な管理に努めているが、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルス感染、人的ミスその他の要因により、情報漏洩、データの改ざん又は消失、システム障害等が発生した場合には、業務の遂行に支障を来すほか、損害賠償の発生や社会的信用の低下等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(10) 自然災害、感染症等による事業継続リスク
当社グループは、地震、台風、豪雨等の自然災害又は大規模な感染症の流行が発生した場合には、事業所、施工中物件、工事用機材等が被害を受ける可能性がある。
また、交通網・電力・通信等の社会インフラの機能低下、仕入先や協力会社の被災又は稼働制約等により、資材調達の停滞や施工体制の維持が困難となり、工事の中断又は遅延が生じる可能性がある。
当社グループでは、これらの事態に備え、事業継続計画(NDK BCP)の整備等により対応に努めているが、これらの影響を完全に回避することは困難であり、復旧費用の発生や工期の長期化等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(11) 気候変動に関するリスク
当社グループは、気候変動の進行により自然災害の頻発化及び激甚化が生じた場合には、事業所、施工中物件及び工事用機材への被害、並びに施工の中断又は遅延等が発生する可能性がある。
また、脱炭素社会への移行に伴い、温室効果ガス排出に関する規制の強化、炭素税の導入その他の環境規制の拡充が行われた場合には、これらへの対応に係る追加的なコストの発生又は事業運営上の制約が生じる可能性がある。
当社グループは、これらの動向に対応すべく各種施策に取り組んでいるが、気候変動に伴う影響を完全に回避することは困難であり、当該影響により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
当連結会計年度の国内経済は、原材料価格の高騰や物価上昇等の影響があったものの、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により緩やかな回復の動きがみられた。一方、物価動向やアメリカの通商政策をめぐる動向、中東情勢の影響などの景気を下押しするリスクに留意する必要があった。
当建設業界における受注環境は、公共投資は底堅く推移しており、民間設備投資は緩やかに持ち直した。
当社グループを取り巻く経営環境は、各鉄道会社の安全・安定輸送に対する投資と設備更新が堅調に推移していることや、民間企業において大都市圏を中心とした再開発やデータセンターの建設投資、既存建物の基幹設備老朽化による更新工事が堅調であり、設備工事の需要が拡大した。
このような状況の中で、当社グループは前連結会計年度からの豊富な繰越工事の効率的な施工に加え、グループを挙げて新規工事の受注確保に努めた結果、当連結会計年度の連結受注高は2,673億円(前連結会計年度比120%)、連結売上高は2,292億円(前連結会計年度比106%)となり、連結繰越高は2,242億円(前連結会計年度比122%)と全てにおいて過去最高となった。
利益についても、連結営業利益は235億60百万円(前連結会計年度比131%)、連結経常利益は252億78百万円(前連結会計年度比130%)、親会社株主に帰属する当期純利益は180億60百万円(前連結会計年度比137%)と全てにおいて過去最高となった。
部門別の状況は次のとおりである。
当連結会計年度は、東日本旅客鉄道株式会社をはじめとするJR各社、公営鉄道及び民営鉄道等に対して組織的営業を展開し受注の確保に努めた結果、連結受注工事高は1,370億円(前連結会計年度比114%)となり、連結完成工事高は1,201億円(前連結会計年度比103%)となった。また、連結繰越工事高は1,026億円(前連結会計年度比120%)となった。
当連結会計年度は、大規模工事を中心に顧客志向に基づいた営業活動を展開し受注の確保に努めた結果、連結受注工事高は892億円(前連結会計年度比152%)となり、連結完成工事高は645億円(前連結会計年度比107%)となった。また、連結繰越工事高は932億円(前連結会計年度比136%)となった。
当連結会計年度は、得意先等に対し全社的な受注の確保に努めた結果、連結受注工事高は319億円(前連結会計年度比94%)となり、連結完成工事高は311億円(前連結会計年度比111%)となった。また、連結繰越工事高は231億円(前連結会計年度比103%)となった。
当連結会計年度は、再生可能エネルギーや空調衛生の駅周辺再開発工事などを中心に顧客志向に基づいた営業活動を展開し受注の確保に努めた結果、前連結会計年度に大型工事を受注した反動により、連結受注工事高は41億円(前連結会計年度比62%)となり、連結完成工事高は59億円(前連結会計年度比111%)となった。また、連結繰越工事高は27億円(前連結会計年度比61%)となった。
当連結会計年度は、保有不動産を活用した賃貸事業と工事施工に関わる周辺分野の事業を展開し収益の確保に努めた結果、連結受注高は50億円(前連結会計年度比122%)となり、連結売上高は74億円(前連結会計年度比121%)となった。
(注) 「関連事業等」には、不動産業及びビル総合管理、電気設備の保守点検、資材等の販売、ソフトウェアの開発及び電気設備の設計等を含んでいるが、不動産の賃貸・管理等は受注生産を行っていないため、連結受注高に金額は含まれていない。
② 財政状態の状況
資産
当連結会計年度末における資産の残高は、3,337億93百万円(前連結会計年度末は2,963億88百万円)となり、374億4百万円増加した。
負債
当連結会計年度末における負債の残高は、1,030億67百万円(前連結会計年度末は867億39百万円)となり、163億27百万円増加した。
純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は、2,307億26百万円(前連結会計年度末は2,096億49百万円)となり、210億77百万円増加した。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、投資活動による資金の減少があったものの、営業活動及び財務活動による資金の増加により、前連結会計年度末から77億60百万円増加し、337億10百万円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、105億21百万円の資金増加(前連結会計年度比148億62百万円増加)となった。これは、税金等調整前当期純利益270億86百万円の計上等による資金増加要因と、売上債権の増加額141億23百万円等による資金減少要因によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、46億96百万円の資金減少(前連結会計年度比10億77百万円増加)となった。これは、有形固定資産の取得による支出58億54百万円等による資金減少要因によるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、19億36百万円の資金増加(前連結会計年度比17億66百万円増加)となった。これは、短期借入金の純増加額81億0百万円等による資金増加要因と、配当金の支払額54億6百万円等による資金減少要因によるものである。
(注) 「関連事業等」のうち受注生産を行っていない不動産の賃貸・管理等は、上記金額には含まれていない。
(注) 1.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載していない。
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
建設業における受注工事高及び完成工事高の状況
前事業年度 自 2024年4月1日 至 2025年3月31日
(注) 1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。
2.「関連事業等」の当期完成工事高には、受注生産を行っていない不動産の賃貸等の売上高が含まれているため、当期完成工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-次期繰越工事高)に一致しない。
当事業年度 自 2025年4月1日 至 2026年3月31日
(注) 1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。
2.「関連事業等」の当期完成工事高には、受注生産を行っていない不動産の賃貸等の売上高が含まれているため、当期完成工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-次期繰越工事高)に一致しない。
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
(注) 1.完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度の完成工事のうち主なもの
当事業年度の完成工事のうち主なもの
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。
(d) 次期繰越工事高(2026年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
「日本電設3ヶ年経営計画2024」の2年目である2026年3月期の連結受注高は、データセンターをはじめとした民間の大型設備投資や基幹設備老朽化による更新工事などを受注したことに加え、東日本旅客鉄道株式会社をはじめとする各鉄道会社の安全・安定輸送に対する設備投資が順調に推移し、3期連続で過去最高を更新した。
連結売上高及び連結営業利益については、豊富な手持工事や良好な受注環境を背景に、特に一般電気工事部門における設計変更に伴う追加工事の獲得、物価上昇分の価格転嫁の進展があったことにより、いずれも2期連続で過去最高を更新した。
連結次期繰越高についても、豊富な手持工事や好調な受注を背景に2期連続で過去最高を更新した。
セグメントごとの経営成績の分析・検討内容については、当社グループは設備工事業の単一セグメントであるため、設備工事業の部門別の内容を記載している。
連結受注工事高は、東日本旅客鉄道株式会社をはじめとするJR各社・民営鉄道各社からの受注が好調であったことにより、前連結会計年度比で大幅に増加した。
連結完成工事高は、受注増や手持工事が順調に進捗したことにより、前連結会計年度比で増加した。
連結受注工事高は、駅周辺の大規模再開発やデータセンター等の大規模工事を複数受注したことにより、前連結会計年度比で大幅に増加した。
連結完成工事高は、受注増や手持工事が順調に進捗したことにより、前連結会計年度比で増加したが、大型案件における計画変更や工期延伸により、連結完成工事高の伸びは小幅にとどまった。
連結受注工事高は、前連結会計年度に大型のネットワーク案件を受注した反動により、前連結会計年度比で減少した。
連結完成工事高は、鉄道通信工事において工期見直し等による減少があったものの、インフラシェアリング工事やネットワーク工事が寄与したことにより、前連結会計年度比で増加した。
環境エネルギー工事部門
連結受注工事高は、空調衛生・電気一体の大型案件を受注したものの、前連結会計年度に複数の大型案件を受注した反動により、前連結会計年度比で減少した。
連結完成工事高は、手持工事が順調に進捗したことにより、前連結会計年度比で増加した。
資産
当連結会計年度末においては、工事量の変動に伴い受取手形・完成工事未収入金等が増加したほか、保有株式の時価の変動に伴い投資有価証券が増加した。
負債
当連結会計年度末においては、資金需要の増加に伴い短期借入金が増加したほか、工事量の変動に伴い工事未払金等及び電子記録債務が増加した。
純資産
当連結会計年度末においては、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことに伴い利益剰余金が増加したほか、保有株式の時価の変動に伴いその他有価証券評価差額金が増加し、自己資本比率は64.6%となった。
利益剰余金のうち提出会社の繰越利益剰余金の処分については、2026年6月26日開催の第84期定時株主総会の議案として、次のとおり付議する予定である。
1株当たり配当額 124円
配当総額 7,429百万円
別途積立金の積立 7,700百万円
なお、配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」の項目を参照のこと。
③ キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における「現金及び現金同等物の期末残高」(以下「資金」という。)は、投資活動による資金の減少があったものの、営業活動及び財務活動による資金の増加により、前連結会計年度末から77億60百万円増加し、337億10百万円となった。
なお、詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」の項目を参照のこと。
b. キャッシュ・フロー指標のトレンド
(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出している。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出している。
4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用している。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としている。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用している。
5. 2025年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載していない。
当社グループは、現金及び現金同等物並びに営業活動によるキャッシュ・フローを資金の源泉としている。一方、資金需要については、運転資金をはじめ、成長投資や経営基盤の強化として、人材の確保、育成・教育、技術開発、DXの推進、軌陸車等の工事用機材の配備、事業所整備、M&A、新規事業、施工体制強化等の支出のほか、株主の皆様への配当である。
資金の流動性については、これらの資金需要に対して自己資金により対応できる適切な水準を維持することを基本方針としているが、不足が見込まれる場合には金融機関から調達することとしており、当連結会計年度末は、現金及び現金同等物337億10百万円を確保し必要な流動性水準を維持している。
また、当社は資金需要に備えるため、複数の金融機関と当座貸越契約を締結している。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりである。
売上債権、貸付金等の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率に基づき、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に債権の回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上している。
将来の不確実な経済条件の変動等により、貸倒実績率を補正すること等が必要となった場合、引当金の金額が増減する可能性がある。
完成工事に係る契約不適合責任により要する費用に備えるため、当連結会計年度の完成工事高に対し、過去の完成工事に係る補償額の実績を基に将来の発生見込額を加味して計上している。
見積りを超える費用が発生した場合、引当金の追加計上が必要となる可能性がある。一方、実際の費用が引当金の金額を下回った場合は引当金戻入益を計上することとなる。
受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における手持受注工事のうち、損失が確実視されその金額を合理的に見積ることができる工事について、損失見込額を計上している。
損失見込額の見積りは、工事契約ごとに策定した実行予算に基づき算定している。また、実行予算は、作成時点で入手可能な情報に基づき、作業内容や原材料価格等について仮定し策定している。工事の進捗等に伴い継続して実行予算の見直しを行っているが、工事契約の変更や仕様変更、工事着手後の状況の変化等が発生した場合は、引当金の金額が増減する可能性がある。
退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定しており、これらの前提条件には、割引率、予定昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれている。
将来の不確実な経済条件の変動等により前提条件の見直しが必要となった場合、退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性がある。
固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしている。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性がある。
繰延税金資産の回収可能性については毎期見直しており、過年度の業績、納税状況及び将来の業績予測等を総合的に勘案し、課税所得の額を合理的に見積ることにより判断している。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が発生する可能性がある。
履行義務の充足に係る進捗度の測定は、当連結会計年度末までに発生した工事原価が、予想される工事原価総額に占める割合(原価比例法)に基づいて行っている。
工事原価総額は、工事契約ごとに策定した実行予算に基づき算定している。また、実行予算は、作成時点で入手可能な情報に基づき、作業内容や原材料価格等について仮定し策定している。工事の進捗等に伴い継続して実行予算の見直しを行っているが、工事契約の変更や仕様変更、工事着手後の状況の変化等が発生した場合は、完成工事高及び完成工事原価に影響を与える可能性がある。
特記事項なし。
鉄道電気工事、一般電気工事及び情報通信工事の各部門では、「安全性の向上」、「作業の効率化」、「品質向上」及び「働き方改革」につながる研究開発活動を行っている。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(1) 鉄道電気工事部門
①「架空送電工事用監視支援ロボットの開発」
架空送電線工事における鉄塔上部作業の作業員の安全を確保するため、鉄塔のエスコートレール又はガイドレール(墜落防止装置を取り付けるためのレール)を昇降し、鉄塔上の作業員を遠隔監視するロボットを神奈川大学の協力のもと開発した。このロボットは、不安全行動があった場合に注意喚起を行うことができ、監視にはAIの活用を計画している。
②「汎用ロボットの活用研究」
近年、四足歩行ロボットやロボットアームが汎用ロボットとして比較的安価に購入できるようになり、様々な分野での活用研究が行われている。当社の施工においても、調査、計測、運搬や作業補助への活用が考えられるため、その性能等について研究を行っている。特に四足歩行ロボットにおいては、その安定した歩行能力により、線路内での活用が期待できる。
①「キュービクルにおける照明のビルトイン工法の開発」
電気室における照明設備の施工は、高所天井への吊りボルト設置等を伴うため、危険性が高く、手間と時間を要するという課題がある。本開発では、従来の吊りボルト等による設置方式に代え、キュービクル上部に照明器具を一体化して設置する工法を開発し、盤面照度に加えて室内照度も確保できる構成を実現した。これにより、施工時の安全性向上、省力化及び意匠性の改善を図るとともに、コスト並びに環境負荷の低減にも寄与する。
②「インフラシェアリング」
“インフラシェアリング(Infrastructure Sharing)”とは複数の事業者が通信・エネルギー・交通などのインフラ設備を共同で利用・運営することである。当社では携帯電話事業者の設備を一本化する4G-DASを用いて、電波環境整備によるデジタル化、設備の集約による電力使用量の削減、建物スペースの有効利用を推進しているが、今後の高速大容量通信に対応するため、5G-DASの開発を進めている。
※4/5G-DAS(第4/5世代移動通信システムとアンテナ分散型システム(Distributed Antenna System))