第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①経営成績について

当中間連結会計期間における国内経済は、エネルギー不足や原材料価格の高騰を背景とした物価上昇、金利や為替変動による景気の下振れリスクに加え、ウクライナ情勢の長期化や中東地域における地政学的リスクの高まりなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。

一方で、雇用や所得環境の改善、インバウンド需要に支えられ、景気は緩やかに回復基調にあります。また、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた政府の成長戦略を背景に、脱炭素に向けた生産設備の高度化など、設備投資需要も堅調に推移しました。

このような事業環境の中、当社グループは豊富なエンジニアリングノウハウを活かし、水素・アンモニア燃料の熱処理プロセスへの適用や、熱処理プロセスの電化など、カーボンニュートラルに貢献する技術提案を積極的に行いました。また、EVおよびHV向け電池・モーターなどの主要部品製造プロセス用の熱処理設備や、半導体関連の機能材熱処理設備に関しても、当社独自の技術に基づいた営業活動を強化しました。

さらに、産業界におけるカーボンニュートラルやデジタルトランスフォーメーション(DX)などのニーズに応えるため、2023年11月に開設した最新鋭の研究施設「熱技術創造センター」を活用し、研究開発力の強化と、社内外での共同開発の活性化を推進しました。これにより、顧客ニーズの多様化や製品ライフサイクルの変化に迅速に対応いたしました。

その結果、受注面につきましては、国内鉄鋼向け省エネ型焼鈍設備や機能材火炎内処理設備、国内鉄鋼向け排ガス処理設備、国内向け機能材熱処理炉などの成約を得て、受注高は前年同期比101.4%17,110百万円と増加しました。

売上面につきましては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/製造分野における熱プロセスの脱炭素化」案件や、海外向け脱炭素型大型高輝焼鈍設備、国内自動車向け浸炭炉などの工事が順調に進捗し、売上高は前年同期比116.8%14,721百万円と増加しました。

利益面につきましては、調達コストダウン等に積極的に取り組み、営業利益は77百万円(前年同期は250百万円の損失)、経常利益は232百万円(前年同期は105百万円の損失)と増加しました。又、政策保有株式について、資本効率の観点から保有メリットが希薄した銘柄は縮減するという方針に基づき、保有する株式の一部を売却したことに伴う売却益により、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比69.3%518百万円となりました。

 

各分野別の概況は次のとおりです。

(熱処理事業)

受注面では、国内向け機能材熱処理炉や真空熱処理炉、蓄熱式排ガス処理装置、自動車向けアルミ熱処理設備などの成約を得て、受注高は8,114百万円(前年同期比108.0%)と増加しました。

売上面では、半導体関連の機能材熱処理炉や国内自動車向け無酸化設備、浸炭炉などの工事が順調に進捗し、売上高は7,505百万円(前年同期比145.9%)と増加しました。

増収により、営業損益は291百万円の利益(前年同期は326百万円の損失)となりました。

 

(プラント事業)

受注面では、国内鉄鋼向け省エネ型連続焼鈍設備や国内鉄鋼向け排ガス処理設備、機能材火炎内処理設備などの成約を得て、受注高は7,802百万円(前年同期比113.5%)と増加しました。

売上面では、海外向け脱炭素型大型高輝焼鈍設備や国内鉄鋼向け省エネ型加熱炉などの工事が進捗し、売上高は4,444百万円(前年同期比72.3%)となりました。

減収により、営業損益は175百万円の損失(前年同期は370百万円の利益)となりました。

(開発事業)

受注面では、カーボンニュートラルに向けた試験、実験設備などの成約を得ましたが、前年同期にNEDOの「グリーンイノベーション基金事業/製造分野における熱プロセスの脱炭素化」案件の成約があったため、受注高は302百万円(前年同期比13.5%)に留まりました。

売上面では、NEDO案件や水素系ガス加熱装置、精密塗工装置などの工事が順調に進捗し、売上高は1,172百万円(前年同期比305.2%)と大きく増加しました。

増収となりましたが、NEDO案件により原価率が低下し、営業損益は76百万円の損失(前年同期は347百万円の損失)となりました。

(その他)

受注面では、海外子会社において、中国向けモータコア焼鈍炉や焼鈍・焼準炉などの成約を得て、受注高は3,285百万円(前年同期比126.3%)と増加しました。

売上面では、海外子会社において、中国向けモータコア焼鈍炉や焼鈍・焼準炉、真空熱処理炉などを納入し、売上高は2,915百万円(前年同期比127.1%)と増加しました。

増収により、営業損益は87百万円の利益(前年同期は15百万円の損失)となりました。

 

 セグメント別の受注高、売上高、営業損益をまとめると以下のとおりであります。

 また、セグメント別の各金額は、セグメント間取引等消去前の金額によっております。

 

受注高

(百万円)

前年同期

増減率

(%)

売上高

(百万円)

前年同期

増減率

(%)

営業損益

(百万円)

前年同期

増減率

(%)

熱処理事業

8,114

8.0

7,505

45.9

291

プラント事業

7,802

13.5

4,444

△27.7

△175

開発事業

302

△86.5

1,172

205.2

△76

その他

3,285

26.3

2,915

27.1

87

 

 

②財政状態について

資産合計は、現金及び預金や投資有価証券などの減少により、前期末比3,692百万円減少45,170百万円となりました。

負債合計は、買掛金などの減少により、前期末比2,295百万円減少18,798百万円となりました。

純資産合計は、その他有価証券評価差額金などの減少により、前期末比1,396百万円減少26,372百万円となり、自己資本比率は57.9%となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(資金)は、5,522百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

売上債権及び契約資産の増加や仕入債務の減少等により、3,646百万円の資金の減少となりました。(前年同期は4,388百万円の資金の減少

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資有価証券の売却による収入等により85百万円の資金の増加となりました。(前年同期は663百万円の資金の増加

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払等により、1,014百万円の資金の減少となりました。(前年同期は5,460百万円の資金の増加

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は559百万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等は行われておりません。