第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

また、国内外における主に新型コロナウイルスの変異株による感染は、国内においても足元の新規感染者が急拡大してきており、世界的に未だ収束が見通すことができない状況であります。これにつきましても前事業年度の有価証券報告書に記載した「新型コロナウイルス感染拡大に関するリスクについて」の内容に重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営者による当社グループの経営成績等の状況の分析は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、第3四半期に入って新型コロナウイルスの新規感染者数が落ち着き、経済活動の制約も縮小されるにつれて個人消費が回復に転じ、コロナ前までに戻るには至っていないものの、宿泊や飲食業、サービス業などそれまで厳しい収益環境に立たされていた業種における業績の回復といった明るい兆しが見られました。また、輸出の回復を受け業績の改善が見られる製造業などにおいては先送りされていた設備投資が回復しつつあります。

海外経済においては、新型コロナウイルスの新たな変異株による感染の急拡大により景気回復の兆しが見られた地域の中には再び経済活動が制約される事態になっているところもあり、その影響の収束は未だ見えません。

このような状況の中、当社グループは「中期3ヵ年計画(2021年度~2023年度)」にて基本方針として[淺沼組らしさ(独自性)を深耕させ「変化に挑戦」]を掲げ、様々な施策に取り組んでおりますが、その中の一つである“新領域(海外・新分野)への取り組み強化”として11月にシンガポールにてリニューアル事業等を営む会社を子会社化することを決定しました。

このM&Aにおける投資額の確定に伴い、中期3ヵ年計画における「新領域関連投資」や「技術開発・ICT関連投資」も含めた全体の資金投入計画を改めて検討・見直しを行い、当初の資金投入計画を減額し、株主還元を増額することとしました。それにより、株主還元策として2022年3月期の配当予想を従来の260円(連結配当性向 50.2%)から103円増額して363円とし、連結配当性向を70.2%としました。株主還元につきましては、株主への利益還元を最重要施策としております基本方針に則り、引き続き取り組んでまいります。

また、11月にはサステナビリティ推進委員会を設置するとともにTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、提言に沿って気候変動関連情報の開示の拡充に取り組んでいきます。

その他の施策においても着実に取り組んでいくことで様々な社会変化に対応し、新技術開発による人材不足対策をはじめとした生産性の向上、既存技術の洗練や新領域へも挑戦し、多様に変化する経営環境の中、経営課題をしっかりと捉え、全役職員一丸となってさらなる企業価値向上を目指してまいります。

そうした状況の下、当社グループにおける当第3四半期連結累計期間の受注高は720億9千8百万円で、前年同期比13.7%の減少売上高は962億2千6百万円前年同期比2.2%の減少売上総利益は92億3千7百万円前年同期比7.6%の減少となりました。

 

営業利益につきましては28億1千2百万円(前年同期比27.2%の減少)となりました。

経常利益につきましては28億7百万円(前年同期比26.5%の減少)となりました。

親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては18億2千7百万円(前年同期比39.0%の減少)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(建  築)

受注高は587億5千9百万円(前年同期比7.5%減)、売上高は777億9千3百万円(前年同期比1.5%減)となり、セグメント利益は70億4千7百万円(前年同期比10.1%減)となりました。

(土  木)

受注高は133億3千8百万円(前年同期比33.4%減)、売上高は176億6千1百万円(前年同期比5.2%減)となり、セグメント利益は19億7千4百万円(前年同期比5.4%増)となりました。

 

また、「その他」の事業につきましては、売上高7億7千1百万円(前年同期比6.1%減)、セグメント利益5千7百万円(前年同期比52.1%減)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

(資  産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて10.2%減少し、687億5千万円となりました。これは、債権の回収が進み、未収入金が56億2千6百万円減少した一方、債務の支払や税金納付に加え、契約負債(前連結会計年度は未成工事受入金)が35億5千6百万円減少したこと等により、現金預金が45億7千4百万円減少したことなどによります。
  固定資産は、前連結会計年度末に比べて0.5%微減の、155億3千8百万円となりました。これは、有形固定資産が7億1千万円増加した一方、投資その他の資産の投資有価証券が時価変動により9億1千7百万円減少したことなどによります。
  この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて8.6%減少し、842億8千9百万円となりました。

(負  債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて18.7%減少し、298億4百万円となりました。これは、契約負債(前連結会計年度は未成工事受入金)が35億5千6百万円減少したことなどによります。
  固定負債は、前連結会計年度末に比べて1.6%減少し、136億円となりました。これは、長期借入金が2億5千8百万円減少したことなどによります。
  この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて14.0%減少し、434億5百万円となりました。

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて2.0%減少し、408億8千4百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金が6億5千5百万円減少したことなどによります。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発費は4億3千6百万円であります。
  なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

新型コロナウイルス感染拡大の影響は、新たな変異株であるオミクロン株によるワクチン接種者も含めた感染の広がりにより、再び経済活動の制約を強化する地域もあり、予断を許さない状況が続いています。

国内におきましても2022年に入ってからの、オミクロン株の流行による感染の急拡大は、第6波の到来となり、回復に動き出していた経済活動への悪影響が危惧されます。

建設業界におきましては、公共建設投資は、国土強靭化政策の継続による防災・減災対策や自然災害の復旧・復興事業などにより堅調な推移が予想されます。民間建設投資につきましては、輸出の回復を受けた製造業の業績の改善が見られ、先送りされていた設備投資が回復しつつあり、また生活様式の変化に伴う物流施設等の需要は引き続き堅調に推移するものと思われます。一方、個人消費の改善も見込まれるものの、消滅したインバウンド需要が元に戻るまでにはまだ相当の時間を要するものと思われ、それらに関連する設備投資は依然慎重な姿勢が続くと考えられ、新型コロナウイルスの状況次第ではまた行動制限を余儀なくされ、戻り掛けていた消費マインドに水を差しかねません。

世界的な新型コロナウイルスの感染拡大は半導体等電子部品の供給停滞をはじめ、原材料や様々な部品の供給不足や供給制約を招くなどサプライチェーンの混乱は深刻であり、原油をはじめ供給不足に伴う様々な価格の上昇は回復基調にある経済にブレーキをかける要因となり、設備投資マインドへの悪影響が経営成績に重要な影響を及ぼすことが懸念されます。

一方、引き続き慢性的な技能労働者不足への対応については、技能者の地位向上や生産性の向上に繋がる新技術やICTの活用など業界を挙げての対策が必要であり、その対応が今後の業績に影響を与える要因になり得ると考えます。

このような状況の中、当社グループは、「中期3ヵ年計画(2021年度~2023年度)」の施策を着実に実施すべく、既存技術の洗練や新領域へも挑戦を始めており、タイ王国での炭素繊維シートを使ったインフラ改修事業の展開を目指し、現地法人を立ち上げ営業活動を開始しています。

多様に変化する経営環境の中、経営課題をしっかりと捉え、全役職員一丸となってさらなる企業価値向上を目指してまいります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当社は、2021年11月18日開催の取締役会において、Evergreen Engineering & Construction Pte. Ltd.の株式を取得し、子会社化することを決議し、2021年12月10日付で株式譲渡契約を締結いたしました。

詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。