第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、
◇ 建設事業に特化し、豊かな地域社会の実現に貢献する。
◇ 公明公正を旨として経営する。
◇ 企業改革を持続的に実行する。
を経営理念とし、建設事業を通じて企業価値の向上を図ると共に、安全性に配慮して、技術と創意工夫をもって顧客ニーズに応え、地域の基幹産業としての役割を果たしてまいります。

 

(2) 中期的な経営戦略

当社グループは「Challenge the Next Future with our Passion!」「私たちは、何事にも情熱(Passion)をもって、真摯に挑戦(Challenge)し、不断の自己革新を継続することで「次の100年(Next Future)」を創造します。」を基本理念に、「中期経営計画(2025.4-2028.3)」を策定しました。

 

1.基本方針

PBR1倍の前提となるROE10%の早期実現に向け、企業価値向上につながる施策を、聖域なく立案し、実行に移す。

 

2.中期経営計画達成のために取り組むべき施策

(1)利益追求(事業戦略)

①土木戦略

土木造成・トンネル・道路・橋梁工事を注力分野として定め、安定的な官庁案件の獲得を実績として、マーケットポジションの向上と技術提案力の強化を志向。併せて、民間案件の獲得を強化する。外部協力会社との緊密な連携および材料調達や事務作業の効率化による外注費の削減を図る。

②建築戦略

工場・倉庫・教育・庁舎物件を注力分野として定め、営業・建築両本部が一体となって「顧客のニーズに寄り添った技術提案」を実施する。外部協力会社との緊密な連携および材料調達や事務作業の効率化による外注費の削減を図る。

③DX戦略

データ収集・蓄積、データ統合・活用による業務の高度化・効率化を徹底する。

④人的資本戦略

経営視点を持った幹部人材の育成・確保、働き甲斐のある環境づくりを行う。

⑤投資戦略

将来を見据えてDX、人材、設備、地方創生に積極的に投資する。

 

(2)資本政策

①PBR1倍以上を恒常的に達成するための新たな株主還元方針の策定

ROE10%を達成するための株主還元として、目標DOEを6%に設定し、中計期間中の自己株式の取得目標を発行済株式の24%とする。

②キャッシュアロケーション

成長投資と株主還元のバランスを意識したキャッシュポジションを構築する。

 

(3)ガバナンス強化

①今後の取締役会構成および役員報酬の方向性

女性取締役の招聘、業績連動報酬・株式報酬割合の増加、報酬KPIの見直し

②スキルマトリックスの再定義

中計達成に向けて必要なスキルの見直し、スキル選定理由の明確化

 

3.目標数値

項目

概要

連結当期純利益

中計最終年度に12億円

連結ROE

中計最終年度に10%

DOE

6%を目標

自己株式の取得

中計期間中(3年間)に発行済株式の24%を目標

 

 

詳細につきましては、2025年2月10日公表の「佐田建設グループ「中期経営計画(2025.4-2028.3)」の策定および 「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関するお知らせ」をご参照ください。

 

 

2026年3月期の連結・個別の業績予想につきましては、下記のとおり予想しております。

〔連結業績予想〕                            (単位:百万円)

 

通 期

2026/3期予想

2025/3期実績

増減率(%)

売上高

38,745

32,264

20.1

営業利益

1,085

960

13.0

経常利益

1,081

968

11.7

親会社株主に帰属する当期純利益

799

611

30.8

1株当たり当期純利益(円)

51.87

39.86

受注高

34,987

38,506

△9.1

 

〔個別業績予想〕                            (単位:百万円)

 

通 期

2026/3期予想

2025/3期実績

増減率(%)

売上高

32,134

25,006

28.5

営業利益

768

456

68.4

経常利益

851

551

54.4

当期純利益

663

374

77.3

1株当たり当期純利益(円)

43.04

24.39

受注高

28,540

32,239

△11.5

 

(注)1株当たり当期純利益の予想数値については、2025年3月31日現在の発行済株式数等にて算出しております。

※上記の予想は本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであります。実際の業績は、今後様々な要因によって予想数値と異なる結果となる可能性があります。

 

(3) 経営環境及び会社の対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、景気は緩やかな回復基調が続くことが予想されます。一方で、ウクライナ及び中東情勢の長期化といった地政学的な緊張、金利上昇や急激な為替変動の影響が懸念され、またトランプ米大統領の関税政策への懸念等により、依然として先行き不透明感が増しております。

建設業界におきましては、安定的な公共投資、回復傾向にある民間設備投資によって増加基調にあります。しかし供給面においては、建設資材の価格高騰や労務需給の逼迫、建設業の時間外労働上限規制への対応等の影響もあり、厳しい事業環境が続くものと予測されます。

 

このような状況の中、当社グループは次の100年に向かって持続可能な経営を継続していくことを目指し、「中期経営計画(2025.4-2028.3)」を策定しました。

「Challenge the Next Future with our Passion!」を基本理念に、①事業戦略・成長投資戦略の実行と利益管理の徹底による「利益追求」、②資本効率性の向上を重視した「資本政策」、③これらの実現可能性を高めるための「ガバナンス強化」の三つの重点施策を策定しました。新たな経営指標目標として、「ROE10%」と「PBR1.0倍」を設定し、企業価値の最大化を図っていきます。私たちは、「変革を良とし、自ら考え、挑戦する姿勢」を何よりも大切にし、持続的な成長を目指し高い目標に向けて全力で取り組み、中期経営計画と資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた方針の確実な遂行に最大限の努力を行ってまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 SDGsの取組については、弊社ウェブサイト SDGs(https://www.sata.co.jp/sdgs)をご参照ください。

 

(1) ガバナンス

当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化しており、社長がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。

ガバナンスに関する詳細な情報については、弊社ウェブサイト コーポレートガバナンス基本方針
(https://www.sata.co.jp/company/governance)をご参照ください。

 

(2) 戦略

当社グループは、中期経営計画(2025.4-2028.3)において、以下の方針を掲げ、サステナビリティ経営の実現のため、不断の改革・改善に努めてまいります。

1.利益追求(事業戦略)

①土木戦略

②建築戦略

③DX戦略

④人的資本戦略

⑤投資戦略

2.資本政策

①PBR1倍以上を恒常的に達成するための新たな株主還元方針の策定

②キャッシュアロケーション

3.ガバナンス強化

①今後の取締役会構成および役員報酬の方向性

②スキルマトリックスの再定義

 

(2)-1 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

 


 

 

当社グループは、持続的な企業価値向上および建築・土木・DXの各戦略を確実に実現するために、人的資本戦略の重要実施項目として人材育成・人材確保・働きがいのある/働きやすい環境づくりに取り組みます。

社員一人ひとりの成長を支援する「働きがいのある会社」、多様な人材の多様な働き方を支援する「働きやすい会社」を目指し、社員一人ひとりが能力を発揮できる制度・環境の整備を行います。

なお、当社では「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画」に基づき、育休取得100%や月平均残業時間前年比月10時間減等に取り組んでおり、2025年6月2日付で厚生労働大臣より群馬県内初の「2025 くるみん認定」を取得しています。

 

(2)-2 二酸化炭素の排出抑制と地域社会・地域建設業の持続的な発展等に関する方針、戦略

太陽光発電事業への投資に加え、群馬銀行・群馬地域共創パートナーズと提携して設立した「Gunma Green Growthファンド」を通じて、木材・木造建築事業を展開している会社への出資を行い、地域建設業の持続的な発展を目指してまいります。また、地域課題の解決や、誰一人取り残さない持続可能なまちづくりを目指すべく、群馬県や前橋市等の自治体との連携も強化してまいります。

 

(3) リスク管理

当社グループは、取締役、執行役員及び使用人が、その所管業務に関して、職位別の権限と責任並びに職務基準を明確にし、目標管理を徹底するとともに、その業務プロセスに内在するリスク(目標達成の不確実性及び損失発生の危険性をいう)の認識・評価・管理に係る「部門別リスク管理規程」を定め、リスクマネジメント体制を構築しております。
 部門横断的なリスクについては、経営企画部において統括管理を行い、内部監査により業務管理・業務執行のリスクマネジメントの状況を検討・評価し、その結果に基づく改善・合理化への助言・提案等を通じてリスクマネジメントの改善を図っております。
 また、天災地変・重大災害等、企業の存続を脅かしかねない不測の事態発生に備え、「緊急時リスク管理規程」を定め、社長を対策本部長とする緊急時対応体制を整備し、損失を最小限とすべく対応しております。

 

(4) 指標及び目標

 当社は年間自社消費電力量240万kwhを自然エネルギーで充当すべく、太陽光発電設備建設に約4億円の設備投資を実施し、2023年度までに目標数値の90%を達成いたしております。引き続き、会社保有施設への設置を展開し、計画値の達成を目指しております。

 

 当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

当社は、当連結会計年度において、以下の目標を設定しておりました。

指標

目標

実績(当事業年度)

年間平均残業時間の削減

1月当たりの平均残業時間
対前々年10時間削減

14.3時間

女性社員育児休業100%取得

達成率100

100

男性社員育児休業取得

取得者1

3

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には、次のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

また、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

リスクの概要

主要な取り組み

建設市場の動向

 予想を上回る公共事業の削減や経済情勢の変化により民間設備投資の減少が進んだ場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

・市場動向や地域の見極め

・営工の協働態勢による安定的な受注獲得

取引先の信用リスク

 建設業においては、一般的に施工物件の引渡時に未回収の工事代金が残るケースが多いことから、工事代金の回収前に発注者が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、仕入先、外注先が信用不安に陥った場合にも、業績に影響を及ぼす可能性があります。

・与信管理

・情報収集

・債権保全

資材価格の変動

 予想以上に工事主要材料等の調達コストが高騰した際、請負金額に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

・施工管理と原価管理のプロセスを強化

重大事故の発生

 土木事業・建築事業においては、人身や施工物などに関わる重大な事故が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

・安全管理の徹底

・保険加入

大規模自然災害等

 大規模地震、風水害等の大規模自然災害や感染症の大流行が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

・国土交通省『災害時の基礎的事業継続力認定証』の認定取得

施工等の契約不適合

 設計、施工などの各面で重大な契約不適合があった場合、当社グループの業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

・ISO 9001認証取得

・引当金の計上

情報セキュリティ

 サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスの侵入等による情報流出、重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、信用が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

情報セキュリティ管理規程

・社員教育

・セキュリティ対策ソフトの導入、常時更新

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、経済活動の正常化や雇用・所得環境の改善が進み、また旺盛なインバウンド需要の高まりなどにより、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、ウクライナ及び中東情勢の長期化といった地政学的な緊張、外国為替市場における円安基調の影響もあり資源価格・原材料価格の高騰が続き、またトランプ米大統領の関税政策への懸念等により、依然として先行き不透明な状況となっております。

建設業界におきましては、安定的な公共投資、回復傾向にある民間設備投資によって増加基調にありましたが、供給面においては、建設資材の価格高騰や労務需給の逼迫、建設業の時間外労働上限規制への対応等の影響もあり、厳しい事業環境となりました。

当社グループはこのような状況下、受注の獲得と利益の向上に全力で取組んでまいりました。

 

この結果、受注高は、土木関連129億1千5百万円(前期比49.6%増)、建築関連251億1千9百万円(前期比5.2%減)、兼業事業4億7千2百万円(前期比19.1%減)となり、合計で前期と比べ27億9千7百万円増加し385億6百万円(前期比7.8%増)となりました。

売上高は、前期繰越工事の大幅な増加等により、土木関連83億3百万円(前期比14.6%増)、建築関連234億8千9百万円(前期比28.7%増)、兼業事業4億7千2百万円(前期比19.1%減)となり、合計で前期と比べ61億8千1百万円増加し322億6千4百万円(前期比23.7%増)となりました。

繰越高は、公共大型工事に加え、民間大型工事も受注したこと等により、土木関連114億1千8百万円(前期比67.8%増)、建築関連184億6千万円(前期比9.7%増)となり、合計で前期と比べ62億4千1百万円増加し298億7千9百万円(前期比26.4%増)となりました。

営業利益は、売上高の増加や工事原価の削減等により、前期に比べ7億6千万円増加し9億6千万円(前期比379.0%増)となりました。

経常利益は、前期に比べ7億5千8百万円増加し9億6千8百万円(前期比361.2%増)となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前期と比べ5億3千6百万円増加し6億1千1百万円(前期比714.8%増)となりました。

 

当社の業績につきましては、受注高は土木関連117億1千7百万円(前期比76.8%増)、建築関連200億1千5百万円(前期比5.7%増)、兼業事業5億7百万円(前期比17.4%減)となり、合計で前期と比べ60億7千万円増加し322億3千9百万円(前期比23.2%増)となりました。また、工事関係の受注高の工事別比率は、土木関連36.9%、建築関連63.1%であり、発注者別比率では、官公庁工事55.6%、民間工事44.4%であります。

売上高は、土木関連68億1千8百万円(前期比20.4%増)、建築関連176億8千1百万円(前期比38.8%増)、兼業事業5億7百万円(前期比17.4%減)となり、合計で前期と比べ59億8千9百万円増加し250億6百万円(前期比31.5%増)となりました。また、工事関係の売上高の工事別比率は、土木関連27.8%、建築関連72.2%であり、発注者別比率では、官公庁工事40.5%、民間工事59.5%であります。

繰越高は、土木関連111億8千万円(前期比78.0%増)、建築関連164億1千9百万円(前期比16.6%増)となり、合計で前期と比べ72億3千3百万円増加し276億円(前期比35.5%増)となりました。また、繰越高の工事別比率は、土木関連40.5%、建築関連59.5%であり、発注者別比率では、官公庁工事58.8%、民間工事41.2%であります。

営業利益は、連結と同様の理由により、前期に比べ6億2千6百万円増加し4億5千6百万円の営業利益(前年同期は営業損失1億6千9百万円)となりました。

経常利益は、前期に比べ6億2千7百万円増加し5億5千1百万円の経常利益(前年同期は経常損失7千5百万円)となりました。

当期純利益は、前期に比べ4億7千1百万円増加し3億7千4百万円の当期純利益(前年同期は当期純損失9千7百万円)となりました。

 

セグメントの連結業績を示すと、次のとおりであります。

(土木関連)

土木関連の受注高は、官庁・民間工事ともに大型工事の受注により、前期に比べ42億8千3百万円増加し129億1千5百万円(前期比49.6%増)となりました。売上高は、繰越工事の増加・当期受注工事の増加により、前期に比べ10億5千4百万円増加し83億3百万円(前期比14.6%増)となり、売上総利益は、売上高の増加、工事原価の削減等により、前期に比べ2億1千2百万円増加し9億8千8百万円(前期比27.4%増)となりました。

(建築関連)

建築関連の受注高は、官庁工事は増加したものの民間工事の減少により、前期に比べ13億7千4百万円減少し251億1千9百万円(前期比5.2%減)となりました。売上高は、官庁工事・民間工事ともに繰越工事の大幅な増加により、前期に比べ52億3千7百万円増加し234億8千9百万円(前期比28.7%増)となり、売上総利益は、売上高の増加、工事原価の削減により、前期に比べ10億8千7百万円増加し19億5千5百万円(前期比125.1%増)となりました。

(兼業事業)

兼業事業の受注高および売上高は、群馬県全体の合材出荷量の減少や受注価格競争等により、前期に比べ1億1千1百万円減少し4億7千2百万円(前期比19.1%減)となり、売上総利益は、売上高の減少に加え、資材価格高騰分の販売価格への転嫁が進まず、前期に比べ5千5百万円減少し4千7百万円(前期比53.7%減)となりました。

 

(2) 資本の源泉及び資金の流動性について

当社グループの運転資金は、主に工事に掛かる材料費、労務費、外注費、経費や販売費及び一般管理費等に費やされております。また、設備投資資金は、設備の新設・改修、情報システムの整備等に支出されております。

これらの必要資金は、利益の計上等により生み出される内部資金により賄うことを基本方針としております。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における「現金及び現金同等物期末残高」は、前連結会計年度末に比べ1億6千6百万円増加し140億2千3百万円(前期比1.2%増)となりました。
 各キャッシュ・フローの状況等につきましては次のとおりであります。

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

営業活動の結果得られた資金は、前期に比べ11億6百万円減少し9億円(前期比55.1%減)となりました。
 これは主に、売上債権の増加等によるものであります。

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

投資活動の結果使用した資金は、前期に比べ2億6千5百万円増加し3億6千2百万円(前期比271.6%増)となりました。
 これは主に、固定資産の取得等によるものであります。

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

財務活動の結果使用した資金は、前期に比べ3百万円増加し3億7千1百万円(前期比1.0%増)となりました。
 これは主に、社債の償還・発行、長期借入、配当金の支払等によるものであります。

 

(生産、受注及び販売の実績)

(1) 受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

金額(百万円)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比
(%)

土木関連

8,631

12,915

49.6

建築関連

26,493

25,119

△5.2

兼業事業

583

472

△19.1

合  計

35,709

38,506

7.8

 

 

(2) 売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

金額(百万円)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比
(%)

土木関連

7,248

8,303

14.6

建築関連

18,251

23,489

28.7

兼業事業

583

472

△19.1

合  計

26,083

32,264

23.7

 

(注)1 当社グループでは建設事業以外は受注生産を行っておりません。

2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

3 完成工事高に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱ヤオコー

2,780

10.7

3,934

12.19

 

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

(1) 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

工事
区分

前期繰越
工事高
(百万円)

当期受注
工事高
(百万円)


(百万円)

当期完成
工事高
(百万円)

次期繰越
工事高
(百万円)

前事業年度
2023年4月1日
2024年3月31日

土木関連

5,319

6,627

11,947

5,665

6,281

建築関連

7,894

18,927

26,822

12,737

14,084

兼業事業

614

614

614

13,214

26,169

39,383

19,017

20,366

当事業年度
2024年4月1日
2025年3月31日

土木関連

6,281

11,717

17,999

6,818

11,180

建築関連

14,084

20,015

34,100

17,681

16,419

兼業事業

507

507

507

20,366

32,239

52,606

25,006

27,600

 

(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

(2) 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度
2023年4月1日
2024年3月31日

土木関連

28.5

71.5

100.0

建築関連

33.3

66.7

100.0

兼業事業

100.0

100.0

当事業年度
2024年4月1日
2025年3月31日

土木関連

19.0

81.0

100.0

建築関連

23.7

76.3

100.0

兼業事業

100.0

100.0

 

(注) 百分比は請負金額比であります。

(3) 完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度
2023年4月1日
2024年3月31日

土木関連

4,890

774

5,665

建築関連

2,338

10,399

12,737

兼業事業

614

614

7,228

11,788

19,017

当事業年度
2024年4月1日
2025年3月31日

土木関連

5,256

1,561

6,818

建築関連

4,669

13,011

17,681

兼業事業

507

507

9,926

15,080

25,006

 

(注) 1 完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度 請負金額6億円以上の主なもの

南牧村

令和5年度 公立学校施設整備費国庫負担金事業 南牧村義務教育学校新築工事

サンヴァーテックス(株)

サンヴァーテックス株式会社本社新築工事

西日本高速道路(株) 関西支社

阪奈高速道路事務所管内 伸縮装置取替工事(令和3年度)

GNホールディングス(株)

群馬日産前橋東部バイパス店新築工事

(株)鈴木商館

株式会社鈴木商館北関東支店総合事務所棟 新築工事

 

当事業年度 請負金額8億円以上の主なもの

榛東村

令和5年度(債) 榛東村防災中枢機能施設整備事業 建築工事

日本情報産業(株)

(仮称)NII前橋新社屋新築工事

日鉄興和不動産(株)

(仮称)豊島区東池袋3丁目計画

(福)陽光会

社会福祉法人陽光会サービス付き高齢者向け住宅新築工事

(株)ホテル一井

令和6年度ホテル一井別館改修工事

 

 

(4) 次期繰越工事高(2025年3月31日現在)

 

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

土木関連

8,225

2,955

11,180

建築関連

8,001

8,417

16,419

16,226

11,373

27,600

 

(注)1 次期繰越工事高のうち請負金額16億円以上の主なものは、次のとおりであります。

安中市

安中市新庁舎建設工事

2026年3月完成予定

前橋市古市町一丁目地区優良建築物等整備事業 共同施行者協議会

前橋市古市町一丁目地区優良建築物等整備事業 業務棟及び住宅棟建設工事

2025年6月完成予定

(医)ときわ会

(仮称)松戸市五香西病院新築工事

2026年8月完成予定

東京都

東京都青山葬儀所(6)改築工事

2026年1月完成予定

東日本高速道路(株) 関東支社

上信越自動車道 閼伽流山トンネル補強工事

2028年12月完成予定

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1)重要な会計方針

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たり、当連結会計年度における資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを実施する必要があります。経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。

当社グループの重要な会計方針のうち、見積及び仮定の重要度が高いものは以下であります。

a.一定の期間にわたり収益を認識した完成工事高

当社グループは、当連結会計年度末までの進捗部分について、期間がごく短い工事を除き、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断し履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価総額に占める割合に基づいて行っております。工事原価総額の見積りは実行予算によって行います。

  工事原価総額の見積もりに用いた仮定には、気象条件、施工条件、資機材価格、作業効率等さまざまな要素があります。それら主要な仮定について適時・適切に見積りを行っておりますが、主要な仮定が変動した場合、翌連結会計年度の完成工事高が増減する可能性があります。

b.繰延税金資産

当社グループは、将来減算一時差異に対して、将来の課税所得が十分に見込まれる範囲で繰延税金資産を計上しています。将来の課税所得の見積りに際して、受注見込高や工事利益率等を主要な仮定として、一時差異のスケジューリングを考慮して回収可能性を見積っております。
 翌連結会計年度以降、主要な仮定に変動が生じ、将来の課税所得の見積額が影響を受けた場合、繰延税金資産が増減し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

 

 (2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績の分析)

当社グループは、完成工事高の確保及び完成工事総利益の向上に経営の重点を置いております。また、一般管理費等の低減により営業利益及び経常利益を高めることを目指しております。

①受注高

当連結会計年度の受注高は、安定的な公共投資や回復傾向にある民間設備投資により順調に受注を確保しました。この結果前連結会計年度に比べ27億9千7百万円増加し385億6百万円(前期比7.8%増)となりました。

②売上高

当連結会計年度の売上高は、前期繰越工事の大幅な増加等により、前連結会計年度に比べ61億8千1百万円増加し322億6千4百万円(前期比23.7%増)となりました。

③売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、売上高の増加や工事原価の削減等により、前連結会計年度に比べ12億5千6百万円増加し29億8千万円(前期比72.8%増)となりました。

④販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、各種コンサル費用等の増加や人的資本投資の増加等もあり前連結会計年度に比べ4億9千6百万円増加し20億1千9百万円(前期比32.6%増)となりました。

⑤営業利益

当連結会計年度の営業利益は、売上総利益と同様の理由により、前連結会計年度に比べ7億6千万円増加し9億6千万円(前期比379.0%増)となりました。

⑥経常利益

当連結会計年度の経常利益は、売上総利益と同様の理由により、前連結会計年度に比べ7億5千8百万円増加し9億6千8百万円(前期比361.2%増)となりました。

⑦親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期と比べ5億3千6百万円増加し6億1千1百万円(前期比714.8%増)となりました。

 

 (3)キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況におきましては「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループにおける主な資金需要は、建設事業における工事施工に要する工事費、販売費及び一般管理費並びに設備投資資金です。

運転資金については、金融機関からの借入金及び社債の発行により調達しており、設備投資資金については、内部留保等の自己資金でまかなっております。

株主配当につきましては2025年2月10日公表の「中期経営計画(2025.4-2028.3)」に記載の配当方針、DOE:6%目標を先行して実施することとし、当連結会計年度の期末配当を1株当たり60円、連結配当性向150.5%としました。また、次期の配当につきましては配当を1株当たり60円、連結配当性向115.7%を計画しております。

 

 (4)財政状態の分析

①資産

連結会計年度末の総資産は、完成工事未収入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ11億9千1百万円増加し274億8千9百万円(前期比4.5%増)となりました。

②負債

当連結会計年度末の負債総額は、未成工事受入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ9億1千4百万円増加し119億6千6百万円(前期比8.3%増)となりました。

③純資産

当連結会計年度末の純資産は、配当金の支払い(3億9千8百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益6億1千1百万円を計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ2億7千6百万円増加し155億2千2百万円(前期比1.8%増)となりました。

 
  自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ 1.5ポイント減少し56.5%となっております。

 

 (5)セグメントの分析

①土木関連

土木関連の受注高は、官庁・民間工事ともに大型工事の受注により、前期に比べ42億8千3百万円増加し129億1千5百万円(前期比49.6%増)となりました。

売上高は、繰越工事の増加・当期受注工事の増加により、前期に比べ10億5千4百万円増加し83億3百万円(前期比14.6%増)となりました。

売上総利益は、利益率では、前期10.7%から今期11.9%(前期比1.2%増)に改善しました。金額ベースでは、売上高の増加、工事原価の削減等により、前期に比べ2億1千2百万円増加し9億8千8百万円(前期比27.4%増)となりました。

②建築関連

建築関連の受注高は、官庁工事は増加したものの民間工事は発注時期の延期等の影響により減少し、前期に比べ13億7千4百万円減少し251億1千9百万円(前期比5.2%減)となりました。

売上高は、官庁工事・民間工事ともに繰越工事の大幅な増加により、前期に比べ52億3千7百万円増加し234億8千9百万円(前期比28.7%増)となりました。

売上総利益は、利益率では、前期4.8%から今期8.3%(前期比3.5%増)に改善しました。金額ベースでは、売上高の増加、建設工事物価上昇分の価格転嫁交渉と工事原価の削減により、前期に比べ10億8千7百万円増加し19億5千5百万円(前期比125.1%増)となりました。

③兼業事業

兼業事業の受注高および売上高は、群馬県全体の合材出荷量の減少や受注価格競争等により、前期に比べ1億1千1百万円減少し4億7千2百万円(前期比19.1%減)となり、売上総利益は、売上高の減少に加え、資材価格高騰分の販売価格への転嫁が進まず、前期に比べ5千5百万円減少し4千7百万円(前期比53.7%減)となりました。

 

(6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、3年ごとに策定する中期経営計画をベースに毎年策定する単年度の業績予想の目標値を、経営上の達成状況を確認する指標として活用しております。当社グループにおける2025年3月期の達成・進捗状況は以下のとおりです。

 

指標

2025/3期業績予想

(百万円)

2025/3期実績

(百万円)

計画比

(%)

売上高

33,250

32,264

△3.0

営業利益

1,270

960

△24.3

経常利益

1,270

968

△23.7

親会社株主に帰属する当期純利益

860

611

△28.9

受注高

34,750

38,506

10.8

 

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおいては、記載すべき重要な研究開発活動はありません。