第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は、個人消費などで弱い動きも見られましたが、雇用・所得環境が改善され、原油価格下落による企業収益の押し上げ等もあり、好循環が進展する中で景気は緩やかに回復しました。

 建設業界におきましては、公共建設投資は前年度を下回ったものの、民間建設投資は政策面での下支え等から住宅の着工数が増加し、非住宅も企業の好業績等から増加傾向となりました。

 このような状況下、当社では「安定した事業量の継続的確保」、「安定した利益を生み出す価格競争力」、「継続的な人財育成・活性化」、これら3つの中長期的戦略を実行することで、経営基盤を安定させ、持続的発展の礎を築くことを基本方針としながら、当事業年度の事業計画の達成に向けて全力を注いでまいりました。

 その結果、当事業年度における工事受注高は37,987百万円(前年同期比20.1%増)となり、事業計画値を大きく上回る工事受注高となりました。この工種別内訳は、土木工事56.3%、建築工事43.7%の割合であり、また発注者別内訳は、官公庁工事62.3%、民間工事37.7%の割合であります。

 また、完成工事高は31,178百万円(前年同期比5.8%増)となり、これに兼業事業売上高1,562百万円を加えた売上高は32,741百万円(前年同期比5.5%増)となりました。

 利益面につきましては、原価圧縮に関する各施策が機能したことにより事業計画値から大きく増加し、営業利益は2,020百万円(前年同期比52.6%増)に、経常利益は1,973百万円(前年同期比58.7%増)となり、税金費用控除後の当期純利益は1,335百万円(前年同期比7.2%減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

①建設事業   建設事業においては、受注高37,987百万円(前年同期比20.1%増)、売上高31,178百万円(前年同期比5.8%増)、セグメント利益2,643百万円(前年同期比37.7%増)となりました。

②不動産事業  不動産事業においては、売上高182百万円(前年同期比10.8%増)、セグメント損失20百万円(前年同期はセグメント損失40百万円)となりました。

③砕石事業   砕石事業においては、売上高1,379百万円(前年同期比2.2%減)、セグメント利益189百万円(前年同期比56.5%増)となりました。

(2)キャッシュ・フロー

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末比398百万円減少の5,689百万円(前年同期比6.6%減)となりました。

 当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は1,685百万円(前年同期は資金の減少396百万円)となりました。これは主に売上債権の増加による資金の減少に対し、税引前当期純利益の計上と仕入債務の増加による資金の増加が上回ったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は138百万円(前年同期は資金の減少65百万円)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入に対し、有形固定資産の取得による支出が上回ったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は1,945百万円(前年同期は資金の減少434百万円)となりました。これは主に短期借入金の純減額と長期借入金の返済による支出によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)受注実績

  当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

建設事業(百万円)

37,987

20.1

不動産事業(百万円)

砕石事業(百万円)

合計(百万円)

37,987

20.1

 

(2)売上実績

  当事業年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

建設事業(百万円)

31,178

5.8

不動産事業(百万円)

182

10.8

砕石事業(百万円)

1,379

△2.2

合計(百万円)

32,741

5.5

 (注)1.建設事業以外は受注生産を行っておりません。

2.生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。

3.セグメント間取引については、相殺・消去しております。

4.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度

国土交通省              7,233百万円  23.3%

 

当事業年度

国土交通省              5,683百万円  17.4%

 

 

 なお、建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況は次のとおりであります。

① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

区分

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

土木工事

17,269

14,855

32,125

15,035

17,089

建築工事

9,703

16,780

26,484

14,433

12,050

26,973

31,636

58,609

29,469

29,140

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

土木工事

17,089

21,378

38,467

15,270

23,196

建築工事

12,050

16,609

28,659

15,908

12,751

29,140

37,987

67,127

31,178

35,948

 (注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含めております。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれております。

2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

② 受注工事高の受注方法別比率

 工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

土木工事

19.8

80.2

100

建築工事

50.6

49.4

100

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

土木工事

15.7

84.3

100

建築工事

45.1

54.9

100

 (注)百分比は請負金額比であります。

 

③ 完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

土木工事

13,600

1,435

15,035

建築工事

1,285

13,148

14,433

14,885

14,583

29,469

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

土木工事

14,596

673

15,270

建築工事

2,253

13,655

15,908

16,850

14,328

31,178

 (注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度 請負金額9億円以上の主なもの

阪急不動産㈱

ジオ阪急川西レジデンスマーク新築工事

西日本高速道路㈱

東九州自動車道 都農工事

(独)水資源機構

大規模地震対策東部幹線水路高松サイホン改築工事

サムティ㈱

(仮称)神戸市中央区磯上通四丁目計画新築工事

㈱ホームズ

(仮称)グランアッシュ千里山西新築工事

当事業年度 請負金額13億円以上の主なもの

国土交通省

国道45号 鹿又道路改良工事

大林新星和不動産㈱・野村不動産㈱

(仮称)西宮市仁川町計画Ⅰ期工事(A・B・C敷地)

㈱万代

(仮称)万代塚口店新築工事

㈱坂入産業・㈱坂入建設

GREEN PARK 日本橋堀留町新築工事

西日本高速道路㈱

阪和自動車道 印南工事

 2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度

国土交通省              7,233百万円  24.5%

 

当事業年度

国土交通省              5,683百万円  18.2%

 

 

 

④ 次期繰越工事高(平成28年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

土木工事

19,036

4,160

23,196

建築工事

2,845

9,905

12,751

21,882

14,065

35,948

 (注)次期繰越工事のうち請負金額24億円以上の主なものは、次のとおりであります。

大阪府

都市計画道路大和川線 シールド工事

平成28年9月完成予定

東日本高速道路㈱

上信越自動車道 金谷山トンネル工事

平成28年11月完成予定

(福)大阪府障害者福祉事業団

こんごう福祉センター障害者支援施設②及び③

(仮称)新築工事(その2)

平成29年2月完成予定

中日本高速道路㈱

名神高速道路 安八スマートインターチェンジ工事

平成30年2月完成予定

阪急電鉄㈱

 

京都線・千里線淡路駅周辺連続立体交差工事の

うち土木関係工事

平成38年3月完成予定

 

 

3【対処すべき課題】

 建設業界の今後の見通しにつきましては、公共建設投資は当事業年度に引き続いて減少傾向にあると予測され、民間建設投資につきましては短期的には東京五輪、リニア関連等の事業進捗により、一時的に増加が見込まれますが、長期的には減少に転じていく傾向にあるものと予測されます。

 また、各社間の熾烈な受注競争は依然として続いており、労務者及び施工管理技術者不足は、依然として改善されず、厳しい事業環境が今後も続くものと予想されます。

 このような状況下、持続的発展可能な企業となるためには、事業量を確実に確保すること及び高い収益性を保持することが、最も重要であると考えております。

 その為には、お客様への提案力、コスト管理力、そして営業力の強化に拘りながら、いち早く環境の変化を見極め、コア事業である建設事業(建築・土木・リニューアル〈平成28年4月1日付で「リフォーム事業本部」を「リニューアル事業本部」に組織名称を変更しております。〉)を拡大するための諸施策を実行し、安定した経営基盤を構築することで、さらなる飛躍を目指してまいります。

 各事業における施策は次のとおリです。

 建築・リニューアル事業におきましては、新築分譲マンション以外の商業施設、高齢者施設及び官公庁施設の新築並びに大型リニューアル工事等の受注を拡大させてまいります。また、人員配置を踏まえた適正規模の工事を受注することにより、生産性・利益性を高めてまいります。

 土木事業におきましては、工事実績や企業評価、そして技術提案力により官公庁工事の堅調な受注状況が続いておりますが、より効率的な事業体制を構築するために、さらに集中と選択を推し進め、地域別、発注者別に受注へ向けた戦略を練り、取り組んでまいります。

 兼業事業の砕石事業におきましては、生瀬砕石所での砕石の生産・販売を効率的に行い、さらに東北地方及び首都圏での営業ネットワークを活用した商社機能を強化することで収益力を向上してまいります。

 これらの各事業におきましては労働災害・品質管理を重視して現場と管理部門が一体となり予防措置に取り組んでまいります。

 また、ガバナンス体制におきましても、コーポレート・ガバナンス・コードの各要求事項にも対応しながら、統制と効率性が最大限に機能するように改善してまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

1.建設市場の動向によるリスク

 予想を上回る公共工事の削減及び民間建設需要の減少や価格の大幅な変動等著しい環境変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

2.取引先の信用リスク

 建設業においては、工事毎及び取引先毎の請負金額が大きく、また多くの場合には、工事の引き渡し時期に多額の工事代金が支払われております。このため、工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

3.金融リスク

 時価のある有価証券は全部純資産直入法を採用しており、通常損益には影響を与えませんが、金融市場における予期せぬ経済情勢の変化や、マーケットの急激な変化等により、株価が大幅に変動した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、金利水準の急激な上昇など、将来の金利情勢によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。

4.資材価格等の変動

 労務費や原材料の価格が高騰した際、請負金額に反映する事が困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

5.地価等の変動

 地価等に変動があった場合における不動産の売買・評価について、業績に影響を及ぼす可能性があります。

6.製品の欠陥

 品質管理には万全を期しておりますが、かし担保責任による損害賠償が発生した場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

7.法的規制のリスク

 建設業法、建築基準法、独占禁止法、建設リサイクル法、労働安全衛生法、個人情報保護法等により法的な規制を受けておりますが、これらの法律の改廃や規制強化等があった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

8.労働災害・事故等におけるリスク

 安全教育の実施、定期的な点検パトロールなど安全管理を徹底し、施工中の労働災害・事故等の防止には万全を期しておりますが、人身や施工物などに関わる重大な労働災害・事故等が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

9.自然災害リスク

 当社では、戦略的に事業エリアを関西圏及び首都圏に集中しております。このため、関西圏及び首都圏並びにその周辺において、地震、津波、風水害等の大規模な自然災害が発生し、工事の中断や大幅な遅延、施工中物件の復旧、従業員の被災、保有資産の毀損等の事態が生じた場合や、その後の受注動向の変化や資材価格等の高騰、電力供給能力の低下等があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

6【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

   文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 (1)重要な会計方針及び見積り

   当社の財務諸表は、わが国おいて一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産、負債並びに収益、費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。

 (2)財政状態の分析

 当事業年度末における資産合計は、前事業年度末比655百万円増加の22,179百万円となりました。この主な要因は、未収消費税等及び有利子負債の返済に伴う現金預金が減少したものの、工事が順調に進捗したことにより売上債権が増加したことによるものであります。

 当事業年度末における負債合計は、前事業年度末比584百万円減少の15,297百万円となりました。この主な要因は、仕入債務が増加したものの、有利子負債が返済により減少したことによるものであります。

 当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末比1,239百万円増加の6,881百万円となりました。この主な要因は、当期純利益によるものであります。

 これにより、自己資本比率は31.0%(前事業年度末は26.2%)となりました。

 

 (3)経営成績の分析

 当事業年度における工事受注高は37,987百万円(前年同期比20.1%増)となり、事業計画値を大きく上回る工事受注高となりました。この工種別内訳は、土木工事56.3%、建築工事43.7%の割合であり、また発注者別内訳は、官公庁工事62.3%、民間工事37.7%の割合であります。

 また、完成工事高は31,178百万円(前年同期比5.8%増)となり、これに兼業事業売上高1,562百万円を加えた売上高は32,741百万円(前年同期比5.5%増)となりました。

 利益面につきましては、原価圧縮に関する各施策が機能したことにより事業計画値から大きく増加し、営業利益は2,020百万円(前年同期比52.6%増)に、経常利益は1,973百万円(前年同期比58.7%増)となり、税金費用控除後の当期純利益は1,335百万円(前年同期比7.2%減)となりました。

 

 (4)キャッシュ・フローの分析

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末比398百万円減少の5,689百万円(前年同期比6.6%減)となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は1,685百万円(前年同期は資金の減少396百万円)となりました。これは主に売上債権の増加による資金の減少に対し、税引前当期純利益の計上と仕入債務の増加による資金の増加が上回ったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は138百万円(前年同期は資金の減少65百万円)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入に対し、有形固定資産の取得による支出が上回ったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は1,945百万円(前年同期は資金の減少434百万円)となりました。これは主に短期借入金の純減額と長期借入金の返済による支出によるものであります。

「第2.事業の状況」における各事項の記載については消費税等抜きの金額で表示しております。