文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 経営の基本方針
当社は、「ユアテックはお客さまの心ゆたかな価値の創造に協力し、社会の発展に貢献します。」の企業理念のもと、「企業価値の向上」を基本方針とし、受注・コスト両面での競争力の強化をはかり、収益性を向上させていくとともに、企業信頼度を向上させることで、お客さまや株主のみなさまから選択される価値ある企業を目指している。
(2) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
わが国経済の先行きは、物価高の影響による消費支出の低迷が続く懸念や米国政策の動向による景気の下振れリスクがあるが、雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復が続くことが期待される。
建設業界においては、若年層の業界離れや高齢化による人手不足が顕在化しているものの、公共投資は政府による補正予算の効果もあり底堅く推移していくことが見込まれ、民間設備投資は堅調な企業収益などを背景に持ち直し傾向が続くことが期待される。
このような状況のもと、昨年、策定した「2030ビジョン」及び「中期経営計画(2024-2028)」の実現と数値目標の早期達成に向け、5つの基本戦略・主要施策をグループ一丸となって展開していく。
当社は、中期経営計画の実現と数値目標の達成に向け、創業以来の事業エリアである「東北・新潟」での事業のさらなる深化を前提として、4つの重点事業(「東北・新潟以外」「海外事業」「再エネ関連工事」「リニューアル工事」)の展開により事業拡大を加速していく。
具体的には、「東北・新潟」における屋内配線・空調管工事では、地元顧客とのさらなる信頼関係維持・強化に注力するとともに、引き続き大型工場・大型商業施設等の受注拡大や付帯する情報通信工事の受注に努め、電力インフラ設備工事では、今後、発注増加が予想される送配電設備の計画的な更新工事に向けた施工体制の強化や、基幹送電網の増強・整備工事の確実な受注確保のほか、受注拡大に向け、設計協力や技術的サポート、施工体制の早期構築をはかるとともに、生産性の向上による価格競争力の強化に努めていく。
また、「東北・新潟以外」においては、成長分野であるデータセンター工事や地域熱供給工事等の受注拡大を目指すとともに、引き続き、隣接営業エリアへの進出に取り組んでいく。
「海外事業」においては、連結子会社SIGMA ENGINEERING JSCを中心に、大型ホテルや複合ビル、工場等の屋内配線・空調管工事及び再生可能エネルギー関連工事の受注拡大のほか、政府開発援助(ODA)工事にも積極的に取り組んでいく。
「再エネ関連工事」においては、東北各地において風力発電所の建設が多く計画されていることを踏まえ、早期情報収集による事業主への調査・設計協力など営業活動の強化に努めていく。
「リニューアル工事」においては、時間軸管理によるお客さまの設備更新ニーズを捉えた積極的な提案活動やCO2削減に向けた技術提案、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた提案活動の強化による受注拡大に取り組んでいく。
さらに、本年4月に施工体制強化委員会を設置し、中長期的な施工体制のさらなる強化・充実に向けた施策を展開していく。
加えて、中期経営計画期間内のキャピタル・アロケーションに基づき、「事業投資」「設備投資」「人財投資」「IT・DX投資」などへの効果的な成長投資と株主還元を両立した経営資源の適切な配分により、企業価値の向上に努めていく。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
当社は、企業理念「ユアテックはお客さまの心ゆたかな価値の創造に協力し、社会の発展に貢献します。」のもと、地域社会とともに持続的に発展し成長すべく、「総合設備エンジニアリング企業」として不変の価値である「安全」「品質」「信頼」の確保・向上に努め、お客さまと地域の日常を支え続けてきた。
この積み重ねの中で築いてきたお客さまや地域とのネットワークを通じて、ステークホルダーの皆さまの声を受け止め、期待を超える価値を生み出していくことが、今後当社グループに一層強く求められていくものと考える。
当社グループは、サステナビリティの推進を優先的に取り組むべき経営上の重要課題と位置付け、「ユアテックグループサステナビリティ方針」のもと、事業を通じて地域や社会が直面する課題の解決に努め、未来世代にわたるステークホルダーとともに、社会の持続的発展と中長期的な企業価値の向上を目指していく。
ユアテックグループサステナビリティ方針
① ガバナンス
当社ではサステナビリティの推進を優先的に取り組むべき経営上の重要課題と位置付けており、社長執行役員が委員長を務めるサステナビリティ委員会において、社会の潮流やステークホルダーの目線も踏まえながら当社が優先的に取り組むべきサステナビリティへの課題について包括的に確認しつつ、今後の方向性を中期経営計画等に反映させている。
サステナビリティ委員会の役割は、サステナビリティに係る方針、マテリアリティ、PDCAに係る審議や取り組み結果の報告等であり、審議、報告内容については取締役会に報告することで監督を受けている。なお、2024年度は3回開催している。

当社は、中長期的な企業価値向上と社会全体の持続的な発展に貢献するために優先的に取り組むべき「マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)」を特定した。
ユアテックグループ長期ビジョン「2030ビジョン」の実現に向け、マテリアリティの解決に取り組み、未来世代にわたるステークホルダーとともに社会的価値と経済的価値を共創していくことを目指していく。

③ リスク管理
サステナビリティに関連する経営に重大な影響を及ぼすおそれのあるリスクについては、各主管部門が定期的に抽出・評価を行い、その対策等を毎年度策定する事業計画に織り込み、管理サイクルの中でリスク管理を実践している。また、その結果についてはサステナビリティ委員会において確認し、取締役会等に報告している。
④ 指標及び目標
当社は、特定した「マテリアリティ」に関連する指標や目標を設定の上、課題解決に向けた取り組みの進捗を管理している。

(2) 気候変動(TCFD提言への取り組み)
① ガバナンス
当社は、サステナビリティの推進を優先的に取り組むべき経営上の重要課題と位置付けており、TCFD提言に沿った情報開示に向けた議論を社長執行役員が委員長を務めるサステナビリティ委員会のもとで、総務部及び関係部(経営企画部、ソリューション営業部、再生可能エネルギー事業部等)が中心となり、組織横断的に行っている。各部との分析・協議を定期的(年1回以上)に実施しており、気候変動への対応を含む様々な環境課題について議論し、その内容を経営戦略会議に付議している。また、経営戦略会議における気候関連の付議事項は、取締役会に報告している。
気候変動に関する以下内容について、総務部を中心に関係部と分析・協議を行っている。
《気候関連のシナリオ分析》
・短期・中期・長期の気候関連のリスク及び機会の特定と重要度評価
・気候関連のリスク及び機会への具体的な対応策の検討
・気候関連のリスク及び機会に関して採用された対応策の進捗管理
これらの分析結果は、経営戦略会議に付議された後、重要事項として取締役会に報告している。

② 戦略
当社では、公的機関が研究・公表している1.5℃~4℃シナリオの複数の温度帯下でのエネルギー情勢や社会的側面に対する影響シナリオを参照し、「1.5℃,2℃シナリオ」(現状よりも厳しい対策が取られる世界観)と「4℃シナリオ」(現状を上回る温暖化対策が取られない世界観)を選定し、次のとおり気候関連のリスク及び機会を特定している。
特定にあたっては、取締役会の監督の下、総務部及び関係部が中心となり、当社の事業及びそのサプライチェーン全体を通じて、気候関連の問題及び問題への社会的な対応がどのような影響を及ぼしうるかについて分析・協議している。
<リスク>
シナリオ分析の結果、炭素税の導入や省エネ政策の強化などの気候変動対策を進める政策手段の導入や異常気象、平均気温の上昇といったリスクにより、当社の業績が大きな影響を受ける可能性があると特定した。
※1 現状よりも厳しい対策が取られる世界観(2℃以下)
※2 現状を上回る温暖化対策が取られない世界観
<機会>
シナリオ分析の結果、社会やお客さまの低炭素ニーズに合った製品の提供、気候変動への適応に向けたサービスの提供などが、当社の業績に大きな影響を与える可能性があると特定した。
※1 現状よりも厳しい対策が取られる世界観(2℃以下)
※2 現状を上回る温暖化対策が取られない世界観
③ リスク管理
気候変動関連のリスクについては、総務部及び関係部が中心となり、組織横断的に議論し、リスクを識別・評価の上、リスクが顕在化した場合の影響を最小化するための対応策が妥当であるかについて分析・協議している。その内容はサステナビリティ委員会に付議し取締役会に報告するとともに、その他の事業リスクと同様に特定・評価され、管理している。
④ 指標及び目標
温室効果ガス(CO2)の排出がカーボンプライシングの影響により当社の財務における大きなリスク要因となり得る一方、脱炭素社会に受け入れられる製品を提供することでビジネスチャンスにもつながることから、当社ではCO2排出量の削減をマテリアリティに設定し、取り組みの進捗を管理している。
なお、当社においては、関連する指標データ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難である。このため、次の指標等に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載している。
(3) 人的資本(人財の多様性を含む)について
① 戦略
経営環境が大きく変わる中でも会社の持続的な成長を実現するためには、人的資本経営は重要な課題であると認識している。
当社は、「ユアテックの財産は人財である。」との考えに基づき、魅力ある職場環境の構築と人財育成の強化を基本戦略に掲げ、従業員が夢と誇りを持って働くことができる職場環境の実現を目指している。
具体的には、2023年7月に発足した「人財戦略プロジェクト」を中心に、「人財確保」「人財育成」「労働環境」「エンゲージメント」の4つのテーマを取り上げ、検討を進めている。また、多様な人財がイキイキと働く職場作りを目指し、ダイバーシティ、健康経営の推進、デジタル技術の活用・教育を通じたITリテラシーの向上等について取り組むことにしている。
また、2024年10月の創立80周年に合わせ、当社における人的資本経営に関する基本姿勢や将来構想などを取りまとめ「ユアテック人財戦略」を策定した。
a 女性活躍推進について
当社は、「多様な人財が個性や能力を発揮できる機会の創出と、誰もが働きやすいワーク・ライフ・バランスのとれた職場環境の実現を目指します。」との方針を掲げ、全ての従業員が働きやすい職場環境の実現を前提とした女性活躍推進への取り組みが重要であると考えている。
具体的に、ワーク・ライフ・バランスの推進をはかりながら、女性技術者の積極的な採用・育成・キャリアアップへ向け、就労環境の整備・改善に継続的に取り組むほか、女性管理職の増加へ向け、女性社員のキャリア形成をはかるために必要な人事配置を計画的に進め、高い能力を有する女性社員を積極的に管理職に登用している。
b ワーク・ライフ・バランス推進について
当社は、働き方・休み方への意識改革、メリハリをつけた働き方の推進、年次有給休暇取得促進をはかるため、「ワーク・ライフ・バランス推進委員会」を設置し、様々な取り組みを行っている。
具体的に、ワーク・ライフ・バランスに資する諸制度の利用促進へ向け、従業員が休暇を取得しやすい職場風土の醸成、育児・介護等の諸制度活用へ向けた理解浸透に取り組んでいる。
c 健康経営について
当社は、健康の保持・増進が企業の発展には不可欠であるという考えから、2021年4月に「健康経営宣言」を発信し、健康管理を経営的視点で戦略的に実施する「健康経営」に取り組んでおり、「健康経営優良法人認定制度」において「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に4年連続で認定されている。
② 指標及び目標
人財の多様性の確保を含む各戦略に係る指標について、当社においては、関連する指標データ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難である。このため、次の指標等に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載している。
《女性活躍推進》
※育児を目的とした休暇を含まない。
《ワーク・ライフ・バランス推進》
《健康経営》
(注) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 電力設備投資の抑制
売上の約4割を占めている東北電力㈱及び東北電力ネットワーク㈱による工事発注量の抑制、競争発注の拡大により工事受注量減少、受注競争激化がさらに進む恐れがあり、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらのリスクに対して、生産性の向上による競争力の強化に努めるとともに、東北・新潟以外のエリアへの進出、一般・官公庁工事の受注拡大等により、収益の拡大に努めていく。
(2) 民間設備投資の抑制
少子高齢化・人口減少の進展、景気の動向等により建設需要が低迷した場合には、工事受注量減少、受注競争激化の恐れがあり、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらのリスクに対して、既存顧客との関係維持・強化や営業、施工体制の強化等により、収益の拡大に努めていく。また、屋内配線・空調管工事のさらなる受注拡大に加え、付帯する情報通信工事の受注や有利受注等の拡大、及び効率化等の徹底により収益の確保に努めていく。
(3) 自然災害等の発生
地震、台風等の大規模な自然災害や新たな感染症の拡大などにより、工事の中断や大幅な遅延、当社グループの事業所等が大規模な被害を受け、事業活動が停滞した場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらのリスクに対して、自然災害については、国、自治体が指定するハザードマップ等を踏まえた事業所ごとの防災計画見直しや防災訓練の実施等により、BCP(事業継続計画)の強化に向けて取り組んでいく。
感染症については、新型コロナウイルスのリスクは低減したものの、新たな感染症の拡大による事業継続リスクは抱えることから、引き続き、感染予防・拡大防止に努めていく。
(4) 材料費及び労務費の高騰等
原材料価格の上昇、人手不足等の影響により、材料費、労務費の高騰及び工事進捗遅延等による大幅な追加コストを工事請負金額に反映することが困難、また自社内で吸収できない場合には、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらのリスクに対して、工事請負契約への反映を協議するとともに、原価低減策として競争発注の拡大、集中購買によるボリュームディスカウント等に、引き続き取り組んでいく。また、さらなるコストマネジメントを推進していく。
(5) 工事契約に係る収益
工事契約に係る収益は工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度の見積りに大きく依存しており、見積りの前提となる工事の状況が変動した場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらのリスクに対して、適正かつ合理的に見積りを算定し、当社に不利な契約内容にならないよう努めていく。
(6) 法令遵守
建設業法、独占禁止法、労働基準法、労働安全衛生法等による法的規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合、又はコンプライアンスに反する事象が発生し、企業イメージや社会的信用が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらのリスクに対して、法令改正等を注視するとともに、「企業倫理委員会」の設置、企業倫理担当役員の配置、さらには業務遂行時における行動規範を示した「ユアテック企業行動指針」及び「企業倫理規程」の制定・示達により、役員・従業員一人ひとりの企業倫理・法令遵守に基づく行動を徹底している。加えて、当社グループ大のさらなる企業倫理意識向上を目的とした研修・教育の強化・見直しを推進していく。
また、労働時間管理について、「働き方改革推進委員会」を設置しており、労働時間管理の適正化及び業務改善や効率化の推進、意識改革などに引き続き取り組んでいく。
(7) M&A等に伴うリスク
投資先企業の経営悪化、施工ミス、不祥事等が発生した場合、当社グループのブランドを棄損するとともに、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらのリスクに対して、外部専門家による投資前の調査(デューデリジェンス)、及び投資後の経営管理、指導・支援等を確実に実施していく。
(8) のれんの減損リスク
投資先企業の事業環境の変化により事業計画に大幅な修正が生じ、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、のれんの減損損失が計上され、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらのリスクに対して、投資先企業の事業計画を定期的にモニタリングし、指導・支援していく。
(1) 経営成績等の状況の概要
a 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による各種政策の効果もあり、個人消費は持ち直しに一部足踏みが残るものの、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな回復傾向となった。
建設業界においては、公共投資は底堅く推移し、民間設備投資は持ち直しの動きがみられた。
このような状況のもと、当社は「2030ビジョン」及び「中期経営計画(2024-2028)」に基づき、創業以来の事業エリアである「東北・新潟」における事業のさらなる深化を前提に、4つの重点事業(「東北・新潟以外」「海外事業」「再エネ関連工事」「リニューアル工事」)を展開し、事業拡大をはかってきた。
「東北・新潟」における屋内配線・空調管工事では、大型工場・大型商業施設等の受注拡大や付帯する情報通信工事の受注などに注力しており、電力インフラ設備工事においては、社会生活に欠かせない電力の安定供給に貢献していくとともに、送配電設備の計画的な更新工事や基幹送電網整備工事の受注拡大をはかってきた。
また、「東北・新潟以外」においては、新規成長分野であるデータセンター工事の受注拡大や、隣接営業エリアへの進出に取り組んできた。
加えて、昨年10月に策定した「ユアテック人財戦略」の主要施策である「人財確保」「人財育成」「労働環境」「エンゲージメント」に資する施策の展開により人財の維持・育成に努めるとともに、デジタル技術の活用による現場業務の効率化、経理業務や契約業務のデジタル化、学習管理システム導入などの継続的なDXの推進により、経営基盤の強化に努めてきた。
当社グループの当連結会計年度の売上高は257,204百万円となり、前連結会計年度に比べ14,032百万円(5.8%)の増収となった。
利益面については、営業利益は16,185百万円となり、前連結会計年度に比べ5,661百万円(53.8%)の増益、経常利益は17,302百万円となり、前連結会計年度に比べ5,417百万円(45.6%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は11,982百万円となり、前連結会計年度に比べ4,472百万円(59.6%)の増益となった。
セグメント別の経営成績は、次のとおりである。
(設備工事業)
当社グループの中核をなす設備工事業の外部顧客への売上高は254,052百万円となり、前連結会計年度に比べ14,088百万円(5.9%)の増収、セグメント利益は15,381百万円となり、前連結会計年度に比べ5,398百万円(54.1%)の増益となった。
(その他)
その他の事業は、車両・事務用機器・工事用機械等のリース事業、警備業並びにミネラルウォーターの製造業等を中心に、外部顧客への売上高は3,151百万円となり、前連結会計年度に比べ56百万円(△1.8%)の減収、セグメント利益は875百万円となり、前連結会計年度に比べ233百万円(36.4%)の増益となった。
当社グループの主な相手先別の売上実績及び総売上実績に対する割合は、次のとおりである。
b 財政状態
(資産の部)
資産合計は233,554百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,075百万円増加した。これは、電子記録債権が2,041百万円、投資有価証券が855百万円減少した一方、有価証券が5,212百万円増加したことなどによるものである。
(負債の部)
負債合計は85,840百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,232百万円減少した。これは、支払手形・工事未払金等が2,178百万円、短期借入金が1,104百万円増加した一方、電子記録債務が6,749百万円減少したことなどによるものである。
(純資産の部)
純資産合計は147,713百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,307百万円増加した。これは、利益剰余金が3,877百万円、退職給付に係る調整累計額が1,280百万円増加したことなどによるものである。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末から1.7ポイント上昇し、63.2%となった。
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益が17,261百万円、法人税等の支払額が4,573百万円となったことなどにより、全体では15,078百万円の収入(前連結会計年度は7,798百万円の収入)となった。前連結会計年度に比べ7,280百万円の収入増加となったが、その主な要因は税金等調整前当期純利益が5,560百万円増加したことなどによるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、土地及び建物等の有形固定資産の取得による支出が4,001百万円、定期預金の預入による支出が2,754百万円となったことなどにより、全体では5,803百万円の支出(前連結会計年度は4,318百万円の収入)となった。前連結会計年度に比べ10,122百万円の支出増加となったが、その主な要因はTDGビジネスサポート㈱(現 東北電力トランスコスモスマネジメントパートナー㈱)がグループファイナンス事業を取り扱わなくなったことにより、前連結会計年度において、預け金の払戻による収入(純額)が10,290百万円あったことなどによるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、自己株式の取得による支出が4,511百万円、配当金の支払額が3,643百万円となったことなどにより、全体では6,836百万円の支出(前連結会計年度は3,368百万円の支出)となった。前連結会計年度に比べ3,468百万円の支出増加となったが、その主な要因は当連結会計年度において、株主への利益還元を重視する観点から、取締役会決議に基づき自己株式を取得したことにより4,510百万円支出したことなどによるものである。
以上の項目に換算差額を調整した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,282百万円増加し、残高は47,688百万円となった。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算している。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により計算している。
3 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債(リース債務を除く。)を対象としている。
4 営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用している。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループが営んでいる事業においては生産実績を定義することが困難であるため、「生産の実績」は記載していない。
また、事業の大部分を占める設備工事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそ ぐわない。加えて、設備工事業以外においては受注生産形態をとっていないことから、「受注及び販売の実績」については「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」において記載している。
なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりである。
設備工事業における受注工事高及び完成工事高の実績
a 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工
事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれる。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。
b 受注工事高
(注) 東北電力グループ:東北電力㈱、東北電力ネットワーク㈱
c 完成工事高
(注) 1 東北電力グループ:東北電力㈱、東北電力ネットワーク㈱
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度
当事業年度
3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりで
ある。
前事業年度
当事業年度
d 次期繰越工事高(2025年3月31日現在)
(注) 1 東北電力グループ:東北電力㈱、東北電力ネットワーク㈱
2 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、豊富な手持工事量を背景に当社及び海外子会社において大型工事が順調に進捗したことなどにより、売上高は257,204百万円となり、前連結会計年度に比べ14,032百万円(5.8%)の増収となった。
利益面については、売上高の増加に加え、人件費・外注費などのコスト上昇分が適正に工事価格へ反映されるよう努めたことや、原価管理の徹底による工事採算性の向上などにより、営業利益は16,185百万円となり、前連結会計年度に比べ5,661百万円(53.8%)の増益、経常利益は17,302百万円となり、前連結会計年度に比べ5,417百万円(45.6%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は11,982百万円となり、前連結会計年度に比べ4,472百万円(59.6%)の増益となった。
財政状態については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 b 財政状態」に記載しているとおりである。
b 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、2 サステナビリティに関する考え方及び取組、3 事業等のリスク、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載しているとおりである。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりである。
当社グループの主要な資金需要は、設備工事に要する材料費・外注費等の工事費用、販売費及び一般管理費やリース事業におけるリース用資産の取得費用などの運転資金のほか、工事用の機械装置や事業用の土地、建物等への設備投資資金などであり、リース事業を営む連結子会社等で銀行借入を行っている以外は、自己資金によりまかなっている。
資金の流動性については、営業債権の回収、営業債務の支払ともに概ね4か月以内に滞りなく処理されており、営業活動に伴う資金収入を安定的に確保している。
株主還元については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、連結配当性向40%以上を安定的に利益還元することを基本方針としている。
今後の投資の方向性として、中期経営計画期間内のキャピタル・アロケーションに基づき、「既存事業の深化」や「成長分野への取り組み加速」に向けた経営資源の積極配分と、人的資本の価値向上やDXの推進などへの投資により経営基盤の強化をはかり、持続的な成長と企業価値の向上に活用していく。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しているとおりである。
特記事項なし。
企業の脱炭素の取り組みが公共建設工事入札時のインセンティブになる動きやサステナビリティへの関心の高まりなど、当社を取り巻く環境が変化し続けている。また、最新デジタル技術の活用(DXの推進)による現場業務の効率化への取り組みも重要である。
このような事業環境の変化に対応し「ユアテックブランド」に磨きをかけるため、技術開発で安全確保と品質向上を実現するとともに業務負担の軽減、脱炭素化への対応を推進し、これらをとおして収益拡大につなげるために、2024年度技術開発方針を次のように定め技術開発に取り組んだ。
[基本方針]
1 安全確保と品質向上に関する技術開発
2 働きやすい環境づくりの技術開発
3 脱炭素社会に対応した技術開発
当連結会計年度における研究開発費は
なお、子会社において研究開発活動は特段行っていない。
(設備工事業)
(1)送電鉄塔鋼管主柱材内部の腐食調査システムの開発
送電鉄塔鋼管主柱材の腐食調査において、従来腐食の判断は人の目で行うため判定基準はあるものの、判定者の知識や経験に委ねられていた。そこで、腐食判定に人工知能を活用することで自動化する点検システムを開発した。これにより、業務品質の均一化、報告書作成業務の時間短縮をはかった。本開発品は2025年度に導入予定であり、現場検証を重ねさらなる改善につなげていく。
(2)接地棒先端アダプターの開発(垂直リード線への接地取り付け)
発変電設備の作業で使用している接地棒は水平リード線に対して接地金物の「つけ」「はずし」を行う構造である。そのため、近年増加している垂直リード線に対しては、作業台や足場を組んで対応する必要があり現場の負担となっていた。そこで、接地棒の先端に取り付けて接地金物の「つけ」「はずし」ができるアダプターを開発し、作業効率化と負担軽減をはかった。本開発品は現場検証を重ね完成度を高める。
(3)電柱用枕木とコロ止めの開発
配電作業において建柱する電柱を一時仮置きする際の枕木に使用する木材が不足している。そこで、繰り返し使用可能な樹脂製の枕木とゴム製のコロ止めを開発した。これにより、枕木・コロ止めの不足を解消し耐腐食性を向上させた。また、枕木の材料にはプラスチックのリサイクル素材を採用したことにより脱炭素化に寄与することができた。本開発品は2025年度に導入予定である。