(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀による経済・金融政策の効果を背景とした企業収益や雇用・所得環境の改善が続き、緩やかな回復基調で推移しましたが、依然として個人消費は力強さを欠き、足踏み状態を続けています。一方、中国をはじめとする新興国の景気減速、為替等の金融市場の不安定な動向による企業収益への影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。
建設業界におきましては、企業収益改善を背景に、民間設備投資は回復基調にありますが、公共建設投資については、総じて弱い動きとなっております。
このような事業環境において当社グループは、経営理念「基礎工事における総合技術力と効率的な経営で、安全・安心な国土造りに貢献する会社」のもと、中期経営計画〔StepⅢ〕(平成26年度~平成28年度)における新生日特の成長への「挑戦」をテーマに、効率的な収益確保と将来の建設市場の変化を見据えた事業戦略・組織の構築を進めております。
その結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
①受注高・売上高
受注高は、当社が得意とする基礎工事の受注に努めましたが、当該公共工事の発注が減少したことにより60,219百万円(前連結会計年度比4.0%減)となり、売上高は、57,638百万円(前連結会計年度比5.0%減)となりました。
②損益
利益重視の受注をした結果、売上総利益率は約0.3%改善しましたが、売上高の減少と本店移転に伴う販管費の増加等により、営業利益は3,465百万円(前連結会計年度比17.5%減)、経常利益は3,431百万円(前連結会計年度比12.1%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,110百万円(前連結会計年度比26.8%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動により使用した資金は630百万円(前連結会計年度は2,435百万円の獲得)、投資活動により獲得した資金は1,209百万円(前連結会計年度は277百万円の使用)、財務活動により使用した資金は1,592百万円(前連結会計年度は775百万円の使用)となった結果、現金及び現金同等物は1,017百万円減少し、当連結会計年度末残高は12,681百万円となっております。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
なお、平成27年10月より支払利息の削減を目的として、ファクタリングによる工事債権の受取りを期日払いに変更致しました。これにより、営業活動によるキャッシュ・フロー及び当連結会計年度末の現金及び現金同等物が1,929百万円減少しております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、630百万円となっております。
これは主に、税金等調整前当期純利益3,402百万円を計上し、減価償却費276百万円等の非資金項目により資金が増加しましたが、売上債権の増加793百万円、貸倒引当金の減少186百万円、仕入債務の減少1,627百万円及び法人税等の支払額1,859百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、1,209百万円となっております。
これは主に、有形固定資産売却に係る収入1,576百万円により資金が増加した一方、有形固定資産の取得による支出349百万円により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,592百万円となっております。
これは主に、長期借入金の返済による資金の減少1,200百万円、及び配当金の支払いによる資金の減少383百万円によるものであります。
(1)受注実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度(百万円) (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度(百万円) (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
|
建設事業 |
62,571 |
60,060 |
|
その他の事業 |
125 |
159 |
|
合計 |
62,696 |
60,219 |
(2)販売実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度(百万円) (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度(百万円) (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
|
建設事業 |
60,578 |
57,479 |
|
その他の事業 |
125 |
159 |
|
合計 |
60,703 |
57,638 |
(注)1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
なお、参考までに提出会社個別の事業の状況を記載すると次のとおりであります。
建設業における受注工事高及び施工高の状況
① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
|
期別 |
工事別 |
前期繰越工事高 (百万円) |
当期受注工事高 (百万円) |
計 (百万円) |
当期完成工事高 (百万円) |
次期繰越工事高 (百万円) |
当期施工高 (百万円) |
||
|
手持工事高 |
うち施工高 |
||||||||
|
第68期 自 26年4月1日 至 27年3月31日
|
土木 |
28,776 |
62,266 |
91,042 |
60,364 |
30,678 |
5.0% |
1,540 |
60,606 |
|
計 |
28,776 |
62,266 |
91,042 |
60,364 |
30,678 |
5.0% |
1,540 |
60,606 |
|
|
第69期 自 27年4月1日 至 28年3月31日
|
土木 |
30,678 |
59,549 |
90,227 |
56,919 |
33,308 |
4.9% |
1,617 |
56,996 |
|
計 |
30,678 |
59,549 |
90,227 |
56,919 |
33,308 |
4.9% |
1,617 |
56,996 |
|
(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越工事高(うち施工高)-前期繰越工事高(うち施工高))に一致しております。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。
|
期別 |
区分 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
|
第68期 自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日 |
土木工事 |
81.7 |
18.3 |
100.0 |
|
第69期 自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 |
土木工事 |
87.8 |
12.2 |
100.0 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
③ 完成工事高
|
期別 |
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
第68期 自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日
|
土木工事 |
49,236 |
11,127 |
60,364 |
|
計 |
49,236 |
11,127 |
60,364 |
|
|
第69期 自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日
|
土木工事 |
45,177 |
11,742 |
56,919 |
|
計 |
45,177 |
11,742 |
56,919 |
(注)1 当社が総合建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は官公庁欄に計上しております。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第68期 請負金額5億円以上の主なもの
(注文者) (工事名)
㈱ミヤマ工業 八汐ダム調整池周辺グラウト工事
(独)都市再生機構 花畑団地A・B・K1街区基盤整備その他工事
㈱熊谷組 (仮称)スズキ湖西工場耐震工事
第69期 請負金額5億円以上の主なもの
(注文者) (工事名)
ケミカルグラウト㈱ 平成25年度「汚染水処理対策事業(凍土方式遮水壁大規模実証事業)」
西松建設㈱ 新東名高速道路 新城工事
ケミカルグラウト㈱ 第二浜田ダム基礎処理工事
㈱安藤・間 津軽ダム本体建設(第2期)基礎処理工事
八王子市 大和田町一丁目31番先外下水道接続幹線築造59(1工区)工事
仙台市 復宅南第16号造成宅地滑動崩落緊急対策(緑ヶ丘4丁目地内)工事
大成・熊谷・北電興業・岩田地崎JV 泊発電所土地造成工事
㈱不動テトラ 平成26年度県債23年災第463-A02号志津川漁港港町防潮堤外災害復旧(その2)工事
清水建設㈱ (河北)二子地盤改良工事CDM
宮城県 平成26年度県債23年災第467-A01号志津川漁港大森防潮堤外災害復旧工事
3 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
④ 手持工事高(平成28年3月31日現在)
|
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
土木工事 |
25,637 |
7,671 |
33,308 |
(注)1 当社が総合建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は官公庁欄に計上しております。
2 手持工事のうち、請負金額5億円以上の主なもの
|
(注文者) |
(工事名) |
(完成予定) |
|
岩手県大槌町 |
大槌町浪板地区、吉里吉里地区、赤浜地区、安渡地区及び小枕・伸松地区他第1期工事 |
平成30年3月 |
|
(独)都市再生機構 |
平成25年度町方地区整地工事 |
平成29年6月 |
|
清水建設㈱ |
気仙沼市震災復興事業の工事施工等に関する一体的業務(推進工事) |
平成28年12月 |
|
㈱大林組 |
平成26年度津波復興拠点(学校敷地造成事業)地盤改良工事 |
平成28年6月 |
|
住友金属鉱山㈱ |
菱刈鉱山坑内抜湯設備建設に係るグラウト工事 |
平成30年3月 |
|
㈱モリタ |
松浦発電所第2号機増設工事 |
平成28年6月 |
|
清水建設㈱ |
気仙沼市震災復興事業の工事施工等に関する一体的業務(既存杭撤去工事) |
平成28年8月 |
|
本州四国連絡高速道路㈱ |
櫃石島高架橋耐震補強工事(その2) |
平成31年1月 |
|
双葉鉄道工業㈱ |
東海道新幹線維持補修工事 |
平成29年3月 |
|
東京都 |
呑川防潮堤耐震補強工事(その11) |
平成28年12月 |
※大槌町浪板地区、吉里吉里地区、赤浜地区、安度地区及び小枕・伸松地区他第1期工事及び、平成25年度町方地区整地工事は、東日本大震災の復興支援事業で岩手県大槌町の津波の被害を受けた地区において高台移転や盛土による嵩上げによって安全な町を整備するものであり、事業の早期着手及び円滑な事業促進を図る為、調査、測量、設計及び施工の一体的なマネジメントを目的としたCM方式を活用したものであります。
建設業界におきましては、民間設備投資については、企業収益の改善を背景に回復基調を継続しており、公共建設投資についても、国土強靭化策による全国の防災・減災対策や社会資本整備の更新が期待されます。しかし、公共建設投資発注量の2年連続の減少予測、東日本大震災の復興工事が続く東北地区で建設業者の請負金額が5年ぶりに減少に転じ、復旧・復興工事の発注がピークを過ぎたとみられることや労務費、資材費の高止まりなどの懸念材料もあります。
平成28年熊本地震につきましては、被災した方々の生活や企業活動が一刻も早く戻るように努めることが建設会社の使命であると考え、復旧・復興に取り組んでまいります。
また、本年3月に設立したインドネシアの子会社 PT NITTOC CONSTRUCTION INDONESIAにおいて、海外工事の受注活動を行っていきます。
このような事業環境の中で、当社グループは、内部統制(コンプライアンス、リスク管理)の強化、安全重視の経営、基礎工事の量の確保、収益性の維持、キャッシュ・フロー重視の経営を経営方針に掲げ、事業を進める所存であります。
また、当社グループは、斜面・のり面対策などの環境・防災技術、既設構造物の補修・補強などの維持補修技術、地盤改良・薬液注入・杭基礎などの都市再生技術に関して数多くの施工実績を積むとともに、その時代のニーズに対応した技術開発・改良を行ってまいりました。これらの技術と経験を活かし、今後も本分野でのシェア拡大を図ってまいります。
以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な項目を記載しておりますが、必ずしも事業上のリスクに該当しない項目についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社はこれらのリスク発生の可能性を確認した上で、発生の抑制及び発生した場合の対応に努める方針であります。
以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な項目を記載しておりますが、必ずしも事業上のリスクに該当しない項目についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社はこれらのリスク発生の可能性を確認した上で、発生の抑制及び発生した場合の対応に努める方針であります。
①公共事業への依存
当社は受注高の8割以上を公共事業に依存しているため、予想を超える公共事業の削減が行われた場合には、業績に影響を与える可能性があります。
②他社との競合
当社の事業は受注産業であるため、他社との競合が激化することで採算が悪化し、業績に影響を与える可能性があります。
③取引先への与信
工事の受注から代金回収まで、相当な期間を要する場合がありますので、取引先の業況悪化等により工事代金の回収遅延や貸倒が発生し、業績に影響を与える可能性があります。
④瑕疵担保責任
品質管理には万全を期しておりますが、瑕疵担保責任及び製造物責任による損害賠償が発生した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
⑤建設資材価格および労務単価の高騰、技能労働者の不足
建設資材や労務単価の急激な上昇および技能労働者の不足が生じた場合は、工事の採算悪化や工事進捗に遅延を招く恐れがあり、業績に影響を与える可能性があります。
⑥労働災害および事故の発生
工事施工にあたっては、労働災害および事故の発生を防ぐべく対策を講じておりますが、万が一、人身や施工物にかかわる重大な事故が発生した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
⑦海外事業におけるリスク
海外で事業を展開しており、海外での政治・経済情勢、法的規制、為替相場等に著しい変化が生じた場合や、資材価格や労務単価の急激な上昇などがあった場合には、工事利益の確保や工事進捗に支障をきたし、業績に影響を与える可能性があります。
⑧法的規制
当社は建設業を主たる事業としており、建設業法をはじめとする法的規制を受けているため、法改正等により業績に影響を与える可能性があります。
その他、当社グループ会社につきましては、当社の内部統制システムに組み入れて、その業務が適正に遂行されるように監視・監督しておりますが、業況の変化により当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社は、平成27年10月13日付でPT PANCA DUTA PRAKARSAとの間で、インドネシア共和国国内における建設事業を行う合弁会社を設立する合弁契約を締結し、平成28年3月にPT NITTOC CONSTRUCTION INDONESIAを設立しました。
当社グループは、社会を取り巻く環境の変化と顧客ニーズに迅速に対応し、新技術の開発推進、既存技術の改良改善を進め、事業領域の拡大を目指します。また、自社技術だけでなく、外部リソースも積極的に活用し、効率的な技術開発に努めています。なお、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は188百万円で、液状化対策などの地盤改良工法、のり面の補修補強技術など、社会の喫急の課題である社会資本の老朽化や防災・減災への対応技術を新規開発し、市場に投入しています。
おもな研究開発事項は次の通りです。
(1)地盤改良技術
① L-スピンコラム工法
既存工法で困難であった斜め施工や、高圧噴射を併用することによるラップ施工が可能な高圧噴射併用機械撹拌工法を開発しました。埋設物周辺や既設構造物近傍での施工、スラブや硬質地盤を小さい径で貫通し、その下位にある軟弱地盤の改良も可能です。
② Win BLADE工法
既存構造物周辺や直下での地盤撹拌改良技術として「WinBLADE工法」を共同開発しました。回転速度・フィード速度・ポンプ吐出量を自動制御するFRP制御システムの開発により、複雑な地層での固化材の撹拌混合のばらつきをなくし、品質の高い地盤改良体を造成します。
③ Newスリーブ注入工法
外形を六角柱状にした新型の注入パイプ「ポリゴンパイプ」を使用した地盤改良工法です。ポリゴンパイプの長い浸透注入区間により、高速で高品質な改良ができるとともに、コスト削減と工期短縮が図れます。
(2)維持補修技術
① のり面構造物長寿命化工法
当社が保有する豊富なのり面対策技術と他社から導入した補修材料を組み合せ、多彩な対策工ラインナップを取り揃えています。のり面の変状に応じた対策工を選定できることから、効率的・効果的な補修による社会資本の長寿命化を図ります。
② ニューレスプ工法
老朽化した吹付のり面をはつり取らずに補修・補強する工法で、廃棄物発生量の抑制、作業安全性の向上、工期の短縮を図ることができます。公益財団法人鉄道総合技術研究所と共同開発した吹付受圧板工法(FSCパネル)が新たにラインナップに加わり、より幅広い対策が可能になりました。また、国土交通省のインフラメンテナンスを支える様々な取組み(グッドプラクティス)として本工法が紹介されています。
(3)環境防災技術
① ジオファイバー工法
コンクリートを使用しない法面保護工で、環境配慮型法面保護工としてのり面や河川護岸だけでなく、清水寺境内や鹿島神宮での斜面対策など、文化財や史跡などでも幅広く適用されています。3,000件以上の施工実績があり、NETIS準推奨技術にも選定されている技術でありますが、更なる品質向上やコスト競争力の強化を目指し、改良・改善のための継続的な研究開発を行っています。また、本工法は、内閣官房の「国土強靱化に資する民間の取組事例」としても紹介されています。
② グラウンドアンカー試験・緊張管理システム(Licos)
地すべり対策やのり面の安定などに適用するグラウンドアンカー工法の各種試験で、載荷・除荷の速度を自動制御するシステムです。油圧ジャッキの自動制御は日本初であり、遠隔操作による作業員の安全性向上や、測定データの連続取得によるアンカー健全度のより正確な診断が可能になります。
(4)機械掘削技術
① EinBandドリル(アインバンド)
国内最大級のスペックを持つ「EinBandドリル」による削孔技術を確立しました。本技術は、従来機と比べて削孔能力は2倍以上、トルク力は約3倍あり、口径216mm、深さ100mを精度を保ちながら削孔することが可能です。大口径・大深度のグラウンドアンカー工事においては、アンカー本数が減らせるため工期短縮・コスト削減につながります。港湾やコンクリートダム・砂防ダムの耐震補強、地熱利用向け掘削などへの適用も可能です。
② SSB(超小型二重管削孔機)
超狭隘箇所(作業幅1.2m)で使用可能な小型二重管削孔機を共同開発しました。鉄道線路脇や軌道下などの作業スペースが限られている箇所、用地境界の厳しい箇所など、既存の削孔機械では困難であった箇所での施工が可能です。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結会計年度末の資産・負債及び連結会計年度の収益・費用の数値に影響を与える見積り及び判断が行われております。これらの見積り及び判断については、継続した方法で、過去の実績や一般的に合理的と考えられる方法によっていますが、今後の状況等の変化により実際には異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度は、基礎工事の独自工法を売り込み、災害復旧・復興工事などを受注したことにより、57,638百万円(対前期比3,064百万円の減少)となりました。
②売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、厳しい価格競争の中、原価率が83.4%(対前期比0.3%の改善)となり、販売費及び一般管理費は、6,090百万円(対前期比434百万円の増加)となりました。
③営業利益
原価率は改善したものの、売上高が減少したことにより営業利益は3,465百万円(対前期比732百万円の減少)となりました。
④営業外損益、特別損益
当連結会計年度の営業外収益は58百万円(対前期比1百万円の減少)となり、営業外費用は92百万円(対前期比260百万円の減少)となりました。
特別利益は固定資産売却益の計上により5百万円(対前期比36百万円の減少)となり、特別損失は減損損失の計上等により34百万円(対前期比947百万円の減少)となりました。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益
上記の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,110百万円となりました。
過去5年間の売上高と原価率、販売費及び一般管理費と売上高販売費及び一般管理費比率の推移は以下のとおりであります。
|
(単位:百万円) |
|
|
第65期 |
第66期 |
第67期 |
第68期 |
第69期 |
|
|
平成24年3月期 |
平成25年3月期 |
平成26年3月期 |
平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
|
売上高 |
52,079 |
53,247 |
57,264 |
60,703 |
57,638 |
|
原価率 |
87.3% |
86.4% |
86.1% |
83.8% |
83.4% |
|
販売費及び一般管理費 |
4,578 |
4,814 |
4,923 |
5,656 |
6,090 |
|
売上高販売費及び一般管理費比率 |
8.8% |
9.0% |
8.6% |
9.3% |
10.6% |
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社の災害復旧工事や防災工事、ダムグラウト工事で蓄積された基礎工事分野の総合技術力は、我が国トップクラスであると自負しております。また、安全・安心な国土造りを目指す我が国の国土計画方針において、当社の技術力の存在意義は高まっているといえます。その経営資源である技術力を武器に、得意領域である環境・防災分野での優位性を発揮して、効率的な経営を図ってまいります。これにより、ステークホルダーにとって「魅力のある会社」、従業員にとって「働きがいのある会社」を実現してまいります。また、当社は環境・防災工事のエキスパートとしての技術者集団となり、顧客から信頼される技術力を有する会社として、事業の継続を図ってまいります。
また、平成26年度からの3年間は、建設市場の好調は維持するものと予測されるものの、我が国の少子高齢化や財政状況を踏まえると長期的には国内の建設市場は縮小し、その内容も大きく変わるものと思われます。平成26年5月9日に発表しました中期経営計画〔StepⅢ〕では、成長への「挑戦」をテーマに「効率的な収益確保と将来の建設市場の変化を見据えた事業戦略・組織を構築する期間」と位置付け、下記の目標達成に向け施策を実行してまいります。
●目標とする経営指標
「中期経営計画〔StepⅢ〕(平成26年度~平成28年度)」の「経営目標」は下記のとおりであります。
経営目標
1)営業面の目標
・法面工事のトップ
・地盤改良受注高20%増加(平成25年度対比)
・補修分野の営業強化
・海外工事への進出
2)財務面の目標
・自己資本比率45%以上(平成27年度実績48.6%)
3)その他の目標
・営業利益率3.5%以上
・計画期間内に配当性向30%以上
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは、工事施工に伴う材料費、外注費等の支払であり、その資金は営業活動からのキャッシュ・フローにより調達しております。施工ボリュームは季節的な変動があり、一時的に営業キャッシュ・フローを上回る資金需要があった場合に備え、金融機関と借入枠2,200百万円のコミットメントライン契約を結んでおります。なお、平成28年3月31日現在における貸出コミットメント契約に係る借入未実行残高は2,200百万円、現金預金勘定残高は12,681百万円であり、通常の事業活動を継続するための資金調達は十分であると考えております。
①キャッシュ・フローの状況
「第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
②資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における流動資産の残高は33,420百万円で、前連結会計年度末に比べ150百万円増加しております。これは、電子記録債権が1,917百万円、未収入金(その他)が632百万円増加しましたが、現金預金が1,017百万円、受取手形・完成工事未収入金等が1,124百万円、繰延税金資産が179百万円減少したことが主な要因であります。固定資産の残高は6,965百万円で、前連結会計年度末に比べ2,071百万円減少しております。これは、土地が1,772百万円、繰延税金資産が308百万円減少したことが主な要因であります。
当連結会計年度末における流動負債の残高は16,429百万円で、前連結会計年度末に比べ2,942百万円減少しております。これは、支払手形・工事未払金等が1,627百万円、未払法人税等が1,357百万円減少したことが主な要因であります。固定負債の残高は4,174百万円で前連結会計年度末に比べ643百万円減少しております。これは、退職給付に係る負債が181百万円増加し、長期借入金が800百万円減少したことが主な要因であります。
当連結会計年度末における純資産の残高は19,781百万円で、前連結会計年度末に比べ1,665百万円増加しております。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を2,110百万円計上するとともにジャカルタの現地法人設立による非支配株主持分150百万円の増加がありましたが、その他有価証券評価差額金が111百万円減少したこと、383百万円の配当を実施したことが主な要因であります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3対処すべき課題」に記載のとおりであります。