建設業界におきましては、民間設備投資については、企業収益の改善を背景に回復基調が続いており、公共建設投資についても、国土強靭化策による全国の防災・減災対策や社会資本整備の更新が期待されます。しかし、近年の労務費、資材費の高止まりなどの懸念材料や人材の確保とその育成に加えて、「働き方改革の実現」と「業績確保」の両立など様々な課題があります。
このような事業環境の中で、当社グループは、平成29年5月9日に公表した中期経営計画2017(2017年度~2019年度)において、「Next Challenge」をテーマにこの3年間を「我が国のインフラが新設から補修・更新に転換する新たな時代に向けての成長基盤を構築する期間」として位置づけ、法面工事のトップ企業を目指すとともに、地盤改良工事及び法面補修工事の受注拡大を図り、さらに平成28年3月に設立したインドネシア共和国の子会社 PT NITTOC CONSTRUCTION INDONESIAにおける海外事業の強化等を目標とし、その達成に向け、全役職員が一丸となって取り組んでまいります。
当社グループは、斜面・のり面対策などの環境・防災技術、既設構造物の補修・補強などの維持補修技術、地盤改良・薬液注入・杭基礎などの都市再生技術に関して数多くの施工実績を積むとともに、その時代のニーズに対応した技術開発・改良を行ってまいりました。これらの技術と経験を活かし、今後も本分野でのシェア拡大を図ってまいります。
●目標とする経営指標
「中期経営計画(2017年度~2019年度)」の「経営目標」は下記のとおりであります。
経営目標
1)営業面の目標
・法面工事のトップを目指す。(2016年度実績 業界2位)
・地盤改良工事 受注高の60%増加(2016年度比)
・法面補修工事の拡大
・海外工事の強化(2019年度までに完工高10億円を目指す。)
2)業績面の目標
・営業利益 30億円以上
・経常利益率 5.0%以上
3)財務面の目標
・自己資本比率50%以上確保(2016年度実績49.0%)
・ROE 9.0%以上の確保
・キャッシュ・フロー プラス以上の確保
4)株主還元の目標
・配当性向 30%以上かつ総還元性向 50%以上
※ 総還元性向(配当及び自己株式取得)
以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な項目を記載しておりますが、必ずしも事業上のリスクに該当しない項目についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社はこれらのリスク発生の可能性を確認した上で、発生の抑制及び発生した場合の対応に努める方針であります。
①公共事業への依存
当社は受注高の8割以上を公共事業に依存しているため、予想を超える公共事業の削減が行われた場合には、業績に影響を与える可能性があります。
②他社との競合
当社の事業は受注産業であるため、他社との競合が激化することで採算が悪化し、業績に影響を与える可能性があります。
③取引先の与信
工事の受注から代金回収まで、相当な期間を要する場合がありますので、取引先の業況悪化等により工事代金の回収遅延や貸倒が発生し、業績に影響を与える可能性があります。
④瑕疵担保責任
品質管理には万全を期しておりますが、瑕疵担保責任及び製造物責任による損害賠償が発生した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
⑤金利の変動
社会情勢の急激な変化により予想を超える金利の変動があった場合、業績に影響を与える可能性があります。
⑥建設資材価格および労務単価の高騰、技能労働者の不足
建設資材や労務単価の急激な上昇および技能労働者の不足が生じた場合は、工事の採算悪化や工事進捗に遅延を招く恐れがあり、業績に影響を与える可能性があります。
⑦労働災害および事故の発生
工事施工にあたっては、労働災害および事故の発生を防ぐべく対策を講じておりますが、万が一、人身や施工物にかかわる重大な事故が発生した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
⑧海外事業におけるリスク
海外で事業を展開しており、海外での政治・経済情勢、法的規制、為替相場等に著しい変化が生じた場合や、資材価格や労務単価の急激な上昇などがあった場合には、工事利益の確保や工事進捗に支障をきたし、業績に影響を与える可能性があります。
⑨法的規制
当社は建設業を主たる事業としており、建設業法をはじめとする法的規制を受けているため、法改正等により業績に影響を与える可能性があります。
その他、当社グループ会社につきましては、当社の内部統制システムに組み入れて、その業務が適正に遂行されるように監視・監督しておりますが、業況の変化により当社の業績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な世界経済の恩恵や政府、日銀の経済政策や金融政策の効果等により、企業業績や雇用環境の改善が続き、それに伴い個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調で推移しました。しかし、米国の金融などの政策動向や、アジア地域における地政学リスクの高まりなどから、景気の先行きについては不透明な状況で推移しております。
建設業界におきましては、民間設備投資については企業収益の改善を背景にして持ち直しの動きが見られ、公共建設投資については、底堅く推移しております。
このような事業環境の中で、当社グループは、平成29年5月9日に公表した中期経営計画2017(2017年度~2019年度)において、「Next Challenge」をテーマにこの3年間を「我が国のインフラが新設から補修・更新に転換する新たな時代に向けての成長基盤を構築する期間」として位置づけ、法面工事のトップ企業を目指すとともに、地盤改良工事及び法面補修工事の受注拡大等を目標とし、その達成に向け、全役職員が一丸となって取り組んでおります。
その結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
a.受注高、売上高
受注高は、採算性を重視した営業活動に加え、元請けの大型工事を受注した結果、64,844百万円(前連結会計年度比3.1%増)となり、売上高は、期初の繰越工事が前年より増加していたことに加え、施工促進や受注が順調に推移したことが寄与し、62,943百万円(前連結会計年度比10.1%増)となりました。
b.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は52,351百万円(対前期比5,020百万円の増加)、原価率は83.2%(対前期比0.4%の上昇)となり、販売費及び一般管理費は、6,491百万円(対前期比231百万円の増加)となりました。
c.営業利益
販売費及び一般管理費は増加しましたが、売上高が前連結会計年度比で増加したことにより営業利益は4,100百万円(対前期比517百万円の増加)となりました。
d.営業外損益、特別損益
当連結会計年度の営業外収益は79百万円(対前期比20百万円の増加)となり、営業外費用は60百万円(対前期比26百万円の減少)となりました。
特別利益は固定資産売却益の計上により1百万円(対前期比1百万円の増加)となり、特別損失は減損損失の計上等により221百万円(対前期比207百万円の増加)となりました。
e.親会社株主に帰属する当期純利益
上記の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,688百万円となりました。
過去5年間の売上高と原価率、販売費及び一般管理費と売上高販売費及び一般管理費比率の推移は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
第67期 |
第68期 |
第69期 |
第70期 |
第71期 |
|
|
平成26年3月期 |
平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
|
売上高 |
57,264 |
60,703 |
57,638 |
57,174 |
62,943 |
|
原価率 |
86.1% |
83.8% |
83.4% |
82.8% |
83.2% |
|
販売費及び一般管理費 |
4,923 |
5,656 |
6,090 |
6,259 |
6,491 |
|
売上高販売費及び一般管理費比率 |
8.6% |
9.3% |
10.6% |
10.9% |
10.3% |
②財政状態の状況
当連結会計年度末における流動資産の残高は40,457百万円で、前連結会計年度末に比べ3,295百万円増加しております。これは主に、受取手形・完成工事未収入金等が4,245百万円、電子記録債権が1,266百万円増加し、現金預金が1,347百万円、未成工事支出金が750百万円減少したことによるものであります。固定資産の残高は7,685百万円で、前連結会計年度末に比べ621百万円増加しております。これは主に、機械、運搬具及び工具器具備品が155百万円、建設仮勘定が371百万円、ソフトウェア仮勘定(無形固定資産)が155百万円、投資有価証券が112百万円増加し、土地が124百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における流動負債の残高は19,962百万円で、前連結会計年度末に比べ1,676百万円増加しております。これは主に、支払手形・工事未払金等が1,558百万円、短期借入金が274百万円、未払消費税(その他)が1,862百万円増加し、未成工事受入金が2,108百万円減少したことによるものであります。固定負債の残高は4,923百万円で前連結会計年度末に比べ797百万円増加しております。これは主に、長期借入金が826百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産の残高は23,256百万円で、前連結会計年度末に比べ1,443百万円増加しております。これは主に、当期純利益を2,669百万円計上したこと、723百万円の配当を実施したこと及び501百万円の自己株式の取得によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動により使用した資金は301百万円(前連結会計年度は2,501百万円の獲得)、投資活動により使用した資金は867百万円(前連結会計年度は393百万円の使用)、財務活動により使用した資金は144百万円(前連結会計年度は321百万円の使用)となった結果、現金及び現金同等物は1,347百万円減少し、当連結会計年度末残高は13,114百万円となっております。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、301百万円となっております。
これは主に、税金等調整前当期純利益3,899百万円を計上し、未成工事支出金の減少750百万円、仕入債務の増加1,532百万円、未払消費税等の増加1,862百万円により資金が増加しましたが、売上債権の増加5,550百万円、未成工事受入金の減少2,107百万円及び法人税等の支払1,423百万円により資金が減少したことによるものであります。
売上債権の主な増加要因は、大型工事の完成時期が年度末に集中し、回収が翌期になったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、867百万円となっております。
これは主に、有形固定資産の取得による支出542百万円、無形固定資産の取得による支出231百万円により資金が減少したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、144百万円となっております。
これは主に、長期借入れによる収入1,100百万円により資金が増加した一方、自己株式の取得による支出501百万円、配当金の支払い722百万円により資金が減少したものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度(百万円) (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度(百万円) (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
|
建設事業 |
62,706 |
64,746 |
|
その他の事業 |
163 |
97 |
|
合計 |
62,869 |
64,844 |
b.販売実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度(百万円) (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度(百万円) (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
|
建設事業 |
57,010 |
62,845 |
|
その他の事業 |
163 |
97 |
|
合計 |
57,174 |
62,943 |
(注)1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。 なお、参考までに提出会社個別の事業の状況を記載すると次のとおりであります。
① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
|
期別 |
工事別 |
前期繰越工事高 (百万円) |
当期受注工事高 (百万円) |
計 (百万円) |
当期完成工事高 (百万円) |
次期繰越工事高 (百万円) |
当期施工高 (百万円) |
||
|
手持工事高 |
うち施工高 |
||||||||
|
第70期 自 28年4月1日 至 29年3月31日
|
土木 |
33,308 |
62,170 |
95,478 |
56,566 |
38,911 |
4.8% |
1,867 |
56,316 |
|
計 |
33,308 |
62,170 |
95,478 |
56,566 |
38,911 |
4.8% |
1,867 |
56,316 |
|
|
第71期 自 29年4月1日 至 30年3月31日
|
土木 |
38,911 |
63,979 |
102,890 |
62,198 |
40,692 |
2.4% |
991 |
61,322 |
|
計 |
38,911 |
63,979 |
102,890 |
62,198 |
40,692 |
2.4% |
991 |
61,322 |
|
(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越工事高(うち施工高)-前期繰越工事高(うち施工高))に一致しております。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。
|
期別 |
区分 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
|
第70期 自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日 |
土木工事 |
87.4 |
12.6 |
100.0 |
|
第71期 自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日 |
土木工事 |
85.5 |
14.5 |
100.0 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
③ 完成工事高
|
期別 |
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
第70期 自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日
|
土木工事 |
44,763 |
11,803 |
56,566 |
|
計 |
44,763 |
11,803 |
56,566 |
|
|
第71期 自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日
|
土木工事 |
52,356 |
9,842 |
62,198 |
|
計 |
52,356 |
9,842 |
62,198 |
(注)1 当社が総合建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は官公庁欄に計上しております。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第70期 請負金額5億円以上の主なもの
(注文者) (工事名)
奥村組土木興業㈱ 新名神高速道路 安威川橋(下部工)東工事
㈱モリタ 松浦発電所第2号機増設工事
東京都 呑川防潮堤耐震補強工事(その11)
本州四国連絡高速道路㈱ 櫃石島高架橋耐震補強工事(その1)
双葉鉄道工業㈱ 東海道新幹線維持補修工事
村本建設㈱ いわき市泉町本谷地区復興公営住宅基盤整備工事
ケミカルグラウト㈱ 五ヶ山ダム堤体建設工事
㈱熊谷組 道路改築工事(泊野道路27-1工区)
東京都 隅田川(白鬚橋下流)右岸防潮堤耐震補強工事(その2)
アイサワ工業㈱ 東北横断自動車道鍋倉トンネル工事
第71期 請負金額5億円以上の主なもの
(注文者) (工事名)
都市再生機構 大槌町町方地区震災復興事業の工事施工等に関する一体的業務
奥村組土木興業㈱ 新名神高速道路 川西インターチェンジ工事
前田建設工業㈱ 新名神高速道路 切畑トンネル工事
双葉鉄道工業㈱ 東海道新幹線 維持補修工事
大成・熊谷・北電興業・岩田地崎JV 泊発電所1、2号機 バックフィルコンクリート補強工事
大鉄工業㈱ 新名神高速道路 高槻ジャンクション北工事
3 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
④ 手持工事高(平成30年3月31日現在)
|
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
土木工事 |
35,613 |
5,079 |
40,692 |
(注)1 当社が総合建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は官公庁欄に計上しております。
2 手持工事のうち、請負金額5億円以上の主なもの
|
(注文者) |
(工事名) |
(完成予定) |
|
大槌町 |
大槌町波板地区、吉里吉里地区、赤浜地区、安渡地区及び小枕・伸松地区他第1期工事 |
平成31年3月 |
|
ケミカルグラウト㈱ |
小石原川ダム本体建設工事 |
平成32年3月 |
|
本州四国連絡高速道路㈱ |
与島高架橋他耐震補強工事 |
平成33年1月 |
|
㈱大林組 |
H28川俣ダム周辺部補強工事 |
平成32年9月 |
|
㈱熊谷組 |
阿蘇大橋地区斜面対策工事 |
平成31年3月 |
|
佐藤工業㈱ |
丸ノ内線後楽園駅付近石積み擁壁耐震補強工事 |
平成30年9月 |
|
清水建設㈱ |
気仙沼市震災復興事業の工事施工等に関する一体的業務(既存杭撤去工事) |
平成30年4月 |
|
清水建設㈱ |
気仙沼市震災復興事業の工事施工等に関する一体的業務(推進工事) |
平成30年6月 |
|
清水建設㈱ |
気仙沼市震災復興事業の工事施工等に関する一体的業務(排水路工事) |
平成30年4月 |
|
㈱大林組 |
平成26年度津波復興拠点(学校敷地造成事業)地盤改良工事 |
平成30年5月 |
※大槌町波板地区、吉里吉里地区、赤浜地区、安渡地区及び小枕・伸松地区他第1期工事及び、大槌町町方地区震災復興事業の工事施工等に関する一体的業務は、東日本大震災の復興支援事業で岩手県大槌町の津波の被害を受けた地区において高台移転や盛土による嵩上げによって安全な町を整備するものであり、事業の早期着手及び円滑な事業促進を図る為、調査、測量、設計及び施工の一体的なマネジメントを目的としたCM方式を活用したものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結会計年度末の資産・負債及び連結会計年度の収益・費用の数値に影響を与える見積り及び判断が行われております。これらの見積り及び判断については、継続した方法で、過去の実績や一般的に合理的と考えられる方法によっていますが、今後の状況等の変化により実際には異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは、工事施工に伴う材料費、外注費等の支払であり、その資金は営業活動からのキャッシュ・フローにより調達しております。施工ボリュームは季節的な変動があり、一時的に営業キャッシュ・フローを上回る資金需要があった場合に備え、金融機関と借入枠2,200百万円のコミットメントライン契約を結んでおります。なお、平成30年3月31日現在における貸出コミットメント契約に係る借入未実行残高は2,200百万円、現金預金勘定残高は13,114百万円であり、通常の事業活動を継続するための資金調達は十分であると考えております。
⑤経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社は、変化する建設市場に適応するため、生産性および品質向上など、社会的価値と事業価値の向上を実現する研究開発を推進しています。特に、地盤改良分野、法面補修分野に関しては、将来の市場を見越し、注力して取り組むべき重要な技術分野と考えています。
また、自社技術だけでなく、大学・公的研究機関・異業種企業などの外部リソースも積極的に活用し、効率的な技術開発に努めています。
これらの多様な技術開発課題に対応するため、研究開発部門と現業部門が、相互の連携を密に取りながら効率よく開発を推進する体制を構築しています。当連結会計年度における研究開発費は169百万円であり、おもな研究開発活動は次のとおりです。
① 優れた地盤注入効果を実現する技術
当社の「Newスリーブ注入工法」は、外形を六角柱状にした新型の注入パイプ<ポリゴンパイプ>を使用した地盤改良工法で、長い浸透区間により高速・高品質な注入ができることが特徴です。この<ポリゴンパイプ>の機能および形状を改良し、ラインナップを増やすことで、現場条件に合わせた合理的かつ効果的な注入が可能となりました。今後も継続的に改良・改善を行い、適用性の拡大、品質の向上を図っていきます。
② のり面構造物の予防保全技術「Frame Doctor」
当社はこれまで、吹付のり枠や受圧板など、のり面のコンクリート構造物の変状に対する対策、凍害や塩害の予防保全的な対策のための技術開発に取り組んできました。その結果、コンクリート構造物の変状レベルに対応した対策工法のラインナップおよび施工フローを確立しました。これらの、のり面のコンクリート構造物の予防保全技術を「Frame Doctor」と呼び、今後は、適用実績を増やしながらユーザビリティの向上等を進め、法面補修分野における事業展開を推進していく予定です。
③ 老朽化したのり面の補修・補強技術
既設モルタル吹付面をはつり取ること無く補修・補強する「ニューレスプ工法」をはじめ、背面地山の状態に応じた対策工のラインナップを整備しています。これにより、のり面の劣化状態に合わせて幅広い対応が可能となり、適用市場の拡大に繋がりました。また、「ニューレスプ工法」は、国土交通省新技術提供システムNETISの活用促進技術に選定されています。繊維補強モルタル吹付と補強部材を組み合わせて構築する「吹付受圧板工法(FSCパネル)は、公益財団法人鉄道総合技術研究所と共同開発した老朽化した吹付のり面を補修補強する工法です。
④ 環境保全技術
当社の「ジオファイバー工法」は、コンクリートを使用しない環境配慮型のり面保護工として、のり面や河川護岸だけでなく、文化財・史跡などでも幅広く適用されています。施工実績は3,300件を超え、H28年度NETIS準推奨技術にも選定されました。また、本工法は、内閣官房の「国土強靭化に資する民間の取組事例」としても紹介されています。開発時からこれまで、継続的に品質向上やコスト競争力の強化のための改良・改善を行っていますが、昨今の建設業界の課題である現場作業員不足・高齢化を鑑み、作業員の負担を軽減し、施工の安全性を向上するための施工システムの改良も行っています。
⑤ 地盤注入・維持補修技術の自動化・省力化
当社は、注入材料の流量や圧力を測定し、配合設定に合わせて吐出量を自動フィードバック制御する<COGMA(こぐま)システム>を開発し、「パフェグラウト工法」、「キロ・フケール工法」などの地盤注入・維持補修技術に適用し、施工の自動化・省力化を図っています。今後は、現場での使用状況をフィードバックし、ニーズに適合したより便利な機能を付加するなど、システムの向上を図っていく予定です。