「第2 事業の状況」、「第3 設備の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。
当連結会計年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)における我が国経済は、新興国経済の成長鈍化などの下振れ懸念が高まりつつあるものの、雇用情勢や企業収益が底堅い動きを見せるなど、緩やかな回復基調が続いている。
建設業界においては、官公庁工事が減少に転じた一方で、製造業を中心に民間工事の受注が堅調に推移したことにより、全体としては前年度並みの水準となった。
このような状況の中、当連結会計年度における当社グループの業績は以下のとおりとなった。
連結売上高は、主に当社における完成工事高が増加したことにより、前連結会計年度比17.2%増の4,926億円となった。
営業損益については、主要な事業である建設事業を取り巻く環境は先行き不透明な状況が続いているが、採算重視の受注方針の徹底等により、完成工事総利益率が向上した結果、売上総利益率が9.7%と前期比1.1ポイント上昇し、売上総利益は478億円(前連結会計年度比32.4%増)となった。
一方、販売費及び一般管理費については、261億円と前連結会計年度比13.2%増加したことにより、営業利益は216億円(前連結会計年度比66.7%増)となった。
経常損益については、受取利息及び保有する投資有価証券の受取配当金等により、237億円の経常利益(前連結会計年度比60.1%増)となった。
親会社株主に帰属する当期純損益については、特別損失において、減損損失12億円等を計上した結果、200億円の親会社株主に帰属する当期純利益(前連結会計年度比42.9%増)となった。
セグメントごとの業績は次のとおりである。セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載している。
売上高は3,840億円(前連結会計年度比22.2%増)となり、セグメント利益(営業利益)は172億円(前連結会計年度比90.9%増)となった。
当社個別の受注高については、民間工事(国内)、官公庁工事(国内)及び海外工事の全てにおいて減少し、全体(海外含む)では3,092億円と、前連結会計年度比6.9%減となった。
売上高は955億円(前連結会計年度比0.2%減)、セグメント利益(営業利益)は38億円(前連結会計年度比27.3%増)となった。
当社個別の受注高については、民間工事(国内)、官公庁工事(国内)及び海外工事の全てにおいて減少し、全体(海外含む)では1,035億円と、前連結会計年度比11.9%減となった。
売上高は161億円(前連結会計年度比24.1%増)、セグメント利益(営業利益)は5億円(前連結会計年度比45.4%減)となった。
売上高は10億円(前連結会計年度比4.2%増)、セグメント損失(営業損失)は3百万円(前連結会計年度は14百万円のセグメント損失)となった。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ45億円減少し、546億円となった。
税金等調整前当期純利益が229億円となり、仕入債務の増加により426億円、未成工事受入金の増加により117億円の資金が増加したが、売上債権の増加により904億円、未成工事支出金の増加により53億円の資金が減少したため、営業活動としては88億円の資金減少(前連結会計年度は9億円の資金減少)となった。
投資有価証券の売却及び償還により24億円、有形固定資産の売却により20億円の資金が増加したが、無形固定資産の取得により40億円、有形固定資産の取得により38億円の資金が減少したため、投資活動としては60億円の資金減少(前連結会計年度は19億円の資金増加)となった。
配当金の支払により21億円の資金が減少したが、社債の発行により100億円、借入金の増加により33億円の資金が増加したため、財務活動としては111億円の資金増加(前連結会計年度は45億円の資金減少)となった。
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建築事業、土木事業及び不動産事業では生産実績を定義することが困難であり、かつ建築事業及び土木事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐわない。
また、当社グループにおいては建築事業及び土木事業以外では受注生産形態をとっていない。
よって、「生産、受注及び販売の状況」に記載すべき項目は可能な限り、「1 業績等の概要 (1)業績」において、セグメント毎に記載している。
なお、当社グループの営む事業の大部分を占める、提出会社の建設事業の状況は次のとおりである。
期別 | 区分 | 前期繰越 | 当期受注 | 計 | 当期完成 | 次期繰越 |
前事業年度 | 建築事業 | 368,135 | 332,095 | 700,231 | 286,814 | 413,417 |
土木事業 | 135,710 | 117,622 | 253,333 | 91,215 | 162,117 | |
計 | 503,846 | 449,717 | 953,564 | 378,030 | 575,534 | |
当事業年度 | 建築事業 | 413,417 | 309,289 | 722,706 | 362,290 | 360,415 |
土木事業 | 162,117 | 103,569 | 265,686 | 93,274 | 172,412 | |
計 | 575,534 | 412,859 | 988,393 | 455,565 | 532,827 |
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高―当期完成工事高)に一致する。
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
期別 | 区分 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
前事業年度 | 建築事業 | 33.4 | 66.6 | 100 |
土木事業 | 6.6 | 93.4 | 100 | |
当事業年度 | 建築事業 | 52.2 | 47.8 | 100 |
土木事業 | 13.2 | 86.8 | 100 |
(注) 百分比は請負金額比である。
期別 | 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
前事業年度 | 建築事業 | 53,089 | 233,724 | 286,814 |
土木事業 | 66,144 | 25,071 | 91,215 | |
計 | 119,233 | 258,796 | 378,030 | |
当事業年度 | 建築事業 | 44,330 | 317,960 | 362,290 |
土木事業 | 73,831 | 19,443 | 93,274 | |
計 | 118,161 | 337,404 | 455,565 |
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度の完成工事のうち請負金額20億円以上の主なもの
・日本郵便(株) |
| 大宮桜木町一丁目計画(仮称)新築工事 |
・(学)早稲田大学 |
| 早稲田キャンパスD棟(仮称)新築工事 |
・(学)大妻学院 |
| 大妻学院/大妻女子大学(仮称)千代田校舎建替計画 |
・(株)島津製作所 |
| E1号館建設計画 |
・(学)聖マリア学園 |
| 聖光学院新校舎整備計画 |
・中日本高速道路(株) |
| 第二東名高速道路 額田トンネル他1トンネル工事 |
・東京都水道局 |
| 朝霞浄水場高度浄水施設(二期)築造工事 |
・三郷インター南部土地区画整理組合 |
| 三郷インター南部土地区画整理事業 造成工事 |
・京王電鉄(株) |
| 調布駅付近連続立体交差工事(土木)第6工区その4の2 他 |
当事業年度の完成工事のうち請負金額20億円以上の主なもの
・西富久地区市街地再開発組合 |
| 西富久地区第一種市街地再開発事業に伴う施設建築物等建設 工事 |
・国家公務員共済組合連合会 |
| (仮称)高齢者総合サポートセンター・九段坂病院合築整備 工事 |
・(株)ツカダ・グローバルホールディング |
| (仮称)ベストブライダルささしまプロジェクト |
・愛知県 |
| 愛知総合工科高等学校建設工事 |
・京成曳舟駅前東第三地区市街地再開発組合 |
| 京成曳舟駅前第三地区第一種市街地再開発事業 施設建築物 等建設 |
・神奈川県茅ケ崎市 |
| 茅ヶ崎市役所新庁舎建設工事 |
・(株)ニチレイロジグループ本社 |
| 株式会社ロジスティクス・ネットワーク船橋物流センター新 増設工事 |
・国土交通省東北地方整備局 |
| 国道45号 矢本石巻道路下部工工事 |
・国土交通省近畿地方整備局 |
| 近畿自動車道紀勢線和深川トンネル他工事 |
・環境省 |
| 平成26年度(平成25年度繰越)浪江町除染等工事 (その3) |
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。
前事業年度
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
当事業年度
三菱地所㈱ 63,371百万円 13.9%
区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
建築事業 | 60,567 | 299,848 | 360,415 |
土木事業 | 157,845 | 14,566 | 172,412 |
計 | 218,413 | 314,414 | 532,827 |
(注) 次期繰越工事のうち請負金額20億円以上の主なものは、次のとおりである。
・国家公務員共済組合連合会 |
| 虎ノ門病院整備事業 |
・広島駅南口Cブロック市街地再開発組合 |
| 広島駅南口Cブロック第一種市街地再開発事業施設建築物新築工事他 |
・(学)北里研究所 |
| (仮称)北里研究所白金キャンパス薬学部校舎・北里本館新築工事 |
・糀谷駅前地区市街地再開発組合 |
| 糀谷駅前地区第一種市街地再開発事業 施設建築物新築工事 |
・群馬県高崎市 |
| 高崎市新体育館建設工事 |
・日本赤十字社 |
| 鳥取赤十字病院新病棟等増改築工事 |
・中日本高速道路(株) |
| 東京外かく環状道路 本線トンネル(北行)東名北工事 |
・(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構 |
| 北海道新幹線、立岩トンネル(立岩)他 |
・東日本高速道路(株) |
| 東京外環自動車道田尻工事 |
当社グループでは、「“喜び”を実現する企業グループ」を目指し、2021年に迎える創立140周年に向け『戸田建設グループ グローバルビジョン』を経営目標として掲げ、その実現に向けたフェーズⅠに位置づく「生産性No.1」と「成長への基盤」の実現を基軸に据えた、2017年度を最終年度とする「中期経営計画2017」を平成27年5月に策定、その計画達成に向け各施策を実施してまいります。
また、平成28年3月期において最終年度(2017年度)の業績目標を前倒し達成したことにともない、最終年度の業績目標を上方修正いたしました。
・既成概念の破壊と新価値・システムの創造を通じて、下記2点の実現を目指す。
ア.生産性 No.1:ゼネコン業界トップの高い生産性の確立
イ.成長への基盤:事業領域の拡大と建設とのシナジーの追及
ア.連結売上高・営業利益率
| 2016年度計画 | 2017年度目標 |
連結売上高 | 4,450億円 | 4,800億円 程度 |
営業利益 | 185億円 | 200億円 以上 |
営業利益率 | 4.2% | 4.2% 以上 |
労働生産性(個別) | 1,300万円 | 1,320万円 以上 |
※労働生産性=付加価値額(営業利益+総額人件費)÷社員数(期中平均、派遣社員等を含む)
イ.事業別売上高・利益
| 2016年度計画 | 2017年度目標 | 長期目標 | |||
連結売上高 | 4,450億円 |
| 4,800億円 |
|
| |
| 国内建築 | 3,090億円 |
| 3,300億円 |
| |
| 国内土木 | 980億円 |
| 1,000億円 |
| |
| 投資開発 | 45億円 |
| 50億円 |
| |
| 海外 | 148億円 |
| 200億円 |
| |
| 国内グループ会社 | 340億円 |
| 400億円 |
| |
| 連結消去 | △153億円 |
| △150億円 |
| |
営業利益 | 185億円 | [100.0] | 200億円 | [100.0] | [100.0] | |
| 国内建築 | 140億円 | [69.3] | 140億円 | [70.0] | [50.0] |
| 国内土木 | 40億円 | [23.3] | 45億円 | [22.5] | [15.0] |
| 投資開発 | 1億円 | [5.3] | 2億円 | [1.0] | [15.0] |
| 海外 | △7億円 | [△2.5] | 5億円 | [2.5] | [10.0] |
| 国内グループ会社 | 11億円 | [6.7] | 8億円 | [4.0] | [10.0] |
| 連結消去 | -億円 | [-] | -億円 | [-] | [-] |
※ [ ]は構成比率
※ 長期目標は、2021年以降を視野に入れた経営の方向性
ウ.株主還元
| 2015年度実績 | 2017年度目標 |
配当性向 | 15.3% | 20%~30% |
※ 上記を踏まえ、継続性及び安定性を勘案の上で決定
ア.生産性 No.1
・特命・設計施工の拡大、差別化技術の開発・適用、購買手法の改善等により、価値創造力とコスト競争力の強化を図る。
・省力化施工、BIM(Building Information Modeling)の推進、業務改革とICT再構築(BPR:Business Process Re-engineering)、協力会社との協働拡大等により、消化能力と業務スピードの向上を図る。
イ.成長への基盤
a.投資開発(2017年度以降に投資本格化)
・社有不動産(工作所等)の有効活用
・本社ビル建替えプロジェクトの推進
・新規事業投資(医療、農業、環境・エネルギー等)
b.海外(売上高目標:2017年度 200億円、2020年度 400億円)
・現地法人の見直し、進出地域の拡大
・開発事業(環境事業、スマートシティ等)への取組み
c.国内グループ会社(売上高目標:2017年度 400億円、2020年度 450億円)
・グループ連携の強化によるコア顧客の確保
・リニューアル需要に対する体制整備
ウ.投資需要への対応
・キャッシュフローの改善及び適正な内部留保の確保(安定的に自己資本比率35%以上)により投資需要に対応することを基本とする。
・本社建替え、新規事業等の大型投資については、今後、投資額の算定とともに、財務の健全性と効率性を勘案の上、外部調達等を適宜検討、実施していく。
・前記②-イの「長期目標」の達成に向けて、ROEを一層重視し、競争力の強化と高収益・成長事業への投資をフェーズⅡ(2018年度~2020年度)より加速していく。
[投資の方向性]生産性革新技術、ICTへの継続投資
投資開発、海外事業への人員シフト、資金投入
建設周辺企業(異業種企業)との連携、M&A促進 等
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではない。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の決定に委ねられるべきだと考えている。
ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえば利害関係者との良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主が最終的な決定を行うために必要な情報が十分に提供されないものもありうる。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主から負託された者の責務として、株主のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えている。
当社は1881年の創業以来、「品質・工期・安全に最善を尽くす」ことを社是とし、「建設を通じた社会福祉の増進への貢献」「社会の信用を基とした社業の発展」「堅実な経営による適正利益確保を基とした社業の安定」を経営方針に掲げ、各利害関係者に対する幅広いサービスの提供と長年の実績に裏打ちされた信頼関係の構築により、高い評価を得てきた。
このような当社及び当社グループの企業価値の主な源泉は、技術力とノウハウに培われた品質の高い生産物の提供や、創業以来の実績に裏打ちされた利害関係者との信頼関係、そしてこれら当社の企業文化を支える従業員、さらには長年当社と共に歩んできた協力会社との良好なパートナーシップ等にあると考えている。
これら当社グループの取組みの積み重ねが当社の企業価値を生み出しており、この企業文化を継続・発展させることが当社の企業価値を高め、ひいては株主共同の利益を最大限に引き出すことにつながっていくものと考えている。
当社は、平成26年6月27日開催の当社第91回定時株主総会において、当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(以下、「本対応策」という。)を継続することに関して決議を行った。
本対応策の概要は次のとおりである。
(ア) 本対応策に係る手続き
a 対象となる大規模買付等
本対応策は以下の(a)又は(b)に該当する当社株式等の買付け又はこれに類似する行為(以下「大規模買付等」という。)がなされる場合を適用対象とする。大規模買付等を行い、又は行おうとする者(以下「買付者等」という。)は、予め本対応策に定められる手続きに従わなければならないものとする。
(a) 当社が発行者である株式等について、保有者の株式等保有割合が20%以上となる買付け
(b) 当社が発行者である株式等について、公開買付けに係る株式等の株式等所有割合及びその特別関係者の株式等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
b 「意向表明書」の当社への事前提出
買付者等は、大規模買付等の実行に先立ち、当社取締役会に対して、当該買付者等が大規模買付等に際して本対応策に定める手続きを遵守する旨の誓約文言等を記載した書面(以下「意向表明書」という。)を当社の定める書式により日本語で提出する。
c 情報の提供
意向表明書を提出した場合には、買付者等は、当社に対して、大規模買付等に対する株主の判断のために必要かつ十分な情報を日本語で提供する。
d 取締役会評価期間の設定等
当社取締役会は、情報提供完了通知を行った後、大規模買付等の評価の難易度等に応じて、以下の(a)又は(b)の期間(いずれも初日不算入)を、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」という。)として設定する。
(a) 対価を現金(円価)のみとする公開買付けによる当社全株式等を対象とする公開買付けの場合には60日間
ただし、上記(a)(b)いずれにおいても、取締役会評価期間は評価・検討のために不十分であると取締役会及び独立委員会が合理的に認める場合にのみ延長できるものとし、その場合は、具体的延長期間及び当該延長期間が必要とされる理由を買付者等に通知するとともに株主へ開示する。また、延長の期間は最大30日間とする。
e 対抗措置の発動に関する独立委員会の勧告
独立委員会は、取締役会評価期間内に、上記dの当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案と並行して、当社取締役会に対して対抗措置の発動の是非に関する勧告を行うものとする。その際、独立委員会の判断が当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するようになされることを確保するために、独立委員会は、当社の費用で、当社の業務執行を行う経営陣から独立した第三者の助言を得ることができるものとする。
独立委員会は、買付者等が本対応策に規定する手続きを遵守しなかった場合、原則として、当社取締役会に対し対抗措置の発動を勧告する。
(b) 買付者等が大規模買付ルールを遵守した場合
買付者等が本対応策に規定する手続きを遵守した場合には、独立委員会は、原則として当社取締役会に対して対抗措置の不発動を勧告する。ただし手続きが遵守されている場合でも、当該買付等が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうものであると判断される場合には、例外的措置として対抗措置の発動を勧告する場合がある。
f 取締役会の決議
当社取締役会は、eに定める独立委員会の勧告を最大限尊重するものとし、係る勧告を踏まえて当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上という観点から速やかに対抗措置の発動又は不発動の決議を行うものとする。
g 対抗措置の中止又は発動の停止
当社取締役会が上記fの手続きに従い対抗措置の発動を決議した後又は発動後においても、買付者等が大規模買付等を中止した場合又は対抗措置を発動するか否かの判断の前提となった事実関係等に変動が生じ、かつ、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上という観点から発動した対抗措置を維持することが相当でないと考えられる状況に至った場合には、当社取締役会は、対抗措置の中止又は発動の停止を行うものとする。
h 大規模買付等の開始
買付者等は、本対応策に規定する手続きを遵守するものとし、取締役会において対抗措置の発動又は不発動の決議がなされるまでは大規模買付等を開始することはできないものとする。
(イ) 本対応策における対抗措置の具体的内容
当社取締役会が上記(ア)fに記載の決議に基づき発動する対抗措置としては、新株予約権の無償割当てを行うこととする。
(ウ) 本対応策の有効期間、廃止及び変更
本対応策の有効期間は、平成26年6月27日開催の第91回定時株主総会終結の時から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。
ただし、係る有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本対応策の変更又は廃止の決議がなされた場合には、本対応策は当該決議に従い、その時点で変更又は廃止されるものとする。また、当社の取締役会により本対応策の廃止の決議がなされた場合には、本対応策はその時点で廃止されるものとする。
なお、当社取締役会は、法令等の変更により形式的な変更が必要と判断した場合には、独立委員会の承認を得た上で、本対応策を修正し、又は変更する場合がある。
当社取締役会は、「中期経営計画」及びそれに基づく施策は当社及び当社グループの企業価値、ひいては株主共同の利益の向上に資する具体的方策として策定されたものであり、①の基本方針に沿うものと判断している。また、次の理由から上記②イの取組みについても上記①の基本方針に沿い、株主の共同の利益を損なうものでなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと判断している。
本対応策は、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を全て充足しており、かつ、企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえている。
本対応策は、当社株式等に対する大規模買付等に応じるべきか否かを株主が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とするものである。
当社は、本対応策の継続に関する株主の意思を確認するため、平成26年6月27日に開催された第91回定時株主総会において本対応策の継続に関する議案を付議し、その承認可決を受けている。また、本対応策の有効期間は平成29年6月開催予定の当社第94回定時株主総会終結時までであり、また、その有効期間の満了前に開催される当社株主総会において本対応策の変更又は廃止の決議がなされた場合には、本対応策も当該決議に従い変更又は廃止されることになる。
当社は、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、対抗措置の発動等を含む本対応策の運用に関する決議及び勧告を客観的に行う取締役会の諮問機関として独立委員会を設置している。
独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、当社の社外取締役、社外監査役又は社外の有識者(実績のある会社経営者、官庁出身者、弁護士、公認会計士若しくは学識経験者等)から選任される委員3名以上により構成される。
また、当社は、必要に応じ独立委員会の判断の概要について株主に情報開示を行うこととし、本対応策の透明な運営が行われる仕組みを確保している。
本対応策は、上記②イ(ア)に記載のとおり、合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保している。
上記②イ(ウ)に記載のとおり、本対応策は、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとされている。
また、当社は期差任期制を採用していない。
当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがある。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、リスクの発生を回避し、リスクが発生した場合の対策を考えている。また、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月30日)現在において当社グループが判断したものである。
経済情勢の悪化や不測の事態の発生により、建設投資が著しく減少した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。また、主要建設資材の仕入価格が高騰し、それを請負金額に反映させることが困難な場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループが設計、施工した物件に不具合が生じ、重大な瑕疵があった場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。また、施工中に予期せぬ重大事故が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
建設業においては、一般的に施工物件の引渡時に未回収の工事代金が残るケースがある。このため、発注者が信用不安に陥った場合、工事代金の回収ができず、業績等に影響を及ぼす可能性がある。また、仕入先、外注先が信用不安に陥った場合にも、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループの事業は、建設業法、建築基準法、都市計画法、会社法、金融商品取引法、独占禁止法等により法的な規制を受けている。これらの法的規制に違反するような事態が生じた場合、また、法律の改廃、法的規則の新設、適用基準の変更等があった場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
地震等の天災、人災により、当社グループの事業継続に深刻な支障をきたした場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは海外諸国で事業を展開しており、政治・経済情勢の急激な変化、為替レートの大きな変動、法的規制の予期せぬ変更等が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
特記事項なし
当社は、社会、顧客及び社内各部門のニーズやCSRに的確に応えるため、技術開発センターを中心に技術部門の総力を結集して、基礎的研究から新製品開発までの幅広い研究開発活動を行っている。特に重要なテーマについては「技術研究開発プロジェクト」を起こし、全社的な取り組みで短期間に開発を行い着実に成果をあげている。また、西松建設㈱との共同研究をはじめ、公的機関、大学、異業種企業、同業他社との技術交流、共同開発を積極的に推進して、多様な分野での研究開発の効率化を図っている。
当連結会計年度における研究開発費の総額は1,049百万円であり、セグメントごとの研究開発活動は以下のとおりである。
(1)建築環境関連技術
建設工事施工中に発生するCO2排出量を削減する活動を「低炭素施工システム(TO-MINICA)」と称し、全国の作業所で活用している。2014年にTO-MINICAをWeb版へと改良を行った。
この活動の展開により、2014年度の作業所におけるCO2排出量は76,709t-CO2(基準年比60.1%減)、 CO2排出量原単位は20.3t-CO2/億円(基準年比28.9%減)となった。2020年に1990年比CO2排出量、CO2排出量原単位共に40%削減する目標を掲げて活動中である。
ZEB(ネット・ゼロエネルギー・ビル)の実現に向けて、自然換気や昼光をはじめとする再生可能エネルギー利用や、潜顕分離空調など省エネに寄与できる設備の研究開発を進めている。
技術研究所の「室内環境比較実験室」を活用し、タスク&アンビエント空調・照明システムを開発している。
さらにここで知的生産性や睡眠に関する実験を行い、オフィス向け、病院向けの照明システムの開発を行っている。
室内環境および精密環境技術に関連する技術では、天井の仕上げをなくした、従来よりもローコストな工業系クリーンルームである「スケルトンクリーンシステム」を開発している。
建物内の電力供給に関しては、太陽電池による発電電力を直流のまま蓄電・供給し、省エネルギーやピークシフトの他、BCPにも対応できる「直流給電システム」を技術研究所に試験導入しているが、さらに燃料電池を追加導入した。
(2) 再生可能エネルギー関連技術
豊富な海洋エネルギーを有効活用する浮体式洋上風力発電施設の構築技術を開発し、環境省からの委託業務として「浮体式洋上風力発電実証事業委託業務」に取り組んでいる。平成25年度には実証機(2MW)の実海域設置を成功させ、平成27年度に予定通り実証事業を終了した。平成28年度からは日本初の実用化を実現し、普及拡大に向け取り組みを継続している。
(3)生物多様性関連技術
緑化設計時にその地域の生物、植生に合わせて評価できる「生物多様性評価システム」を開発し、活用している。
また、研究所敷地内で生物多様性に配慮した草地管理手法について研究・応用し、第7回関東・水と緑のネットワーク拠点百選として選定された。
(4)土壌汚染・濁水処理・アスベスト対策技術
揮発性有機化合物による土壌・地下水汚染を、微生物を活用して原位置で浄化する「デクロパワー工法」を開発し、実際の汚染現場に適用している。
(5)放射性物質の対策関連技術
放射性廃棄物処分関連技術としては、ベントナイトに関する技術の開発、地下深部での地震動測定と耐震性評価、海外情報調査、新規制基準制定に伴う学会標準改定の業務、原子力発電所の廃炉に関する調査などを実施した。
(6)超高層建物構工法関連技術
超高層RC造では、SuperHRCシステムを積極的に採用し、建設中を含めて延べ50棟に適用している。2016年2月に竣工した55階建て超高層集合住宅では設計基準強度200N/mm2の超高強度コンクリートを採用した。
コンクリート充填鋼管(CFT)造では、高強度のコンクリートを充填した鋼管に鉄筋を内蔵したSuper CFT造を開発し、構造評定を取得した。設計施工で高さ178mの複合ビルや設計中の案件を含めて10棟の実績がある。
国土交通省の建築基準整備促進事業および総合技術開発プロジェクト等の共同研究にも参画し、構造設計・施工技術の向上を図っている。
(7)免震・制振・BCP関連技術
精密生産施設の微振動対策技術では、弾性すべり支承と剛すべり支承を用いた微振動対応型の免震工法に加え、新たに高層住宅の風対策や生産施設の微振動対策用にオイルダンパー付き弾性すべり支承を開発し、2016年2月に生産施設に適用している。
また、地震の揺れに応じて減衰係数を切り換え、小中地震から大地震まで幅広い範囲で揺れを抑えることが可能な「セミアクティブ免振技術」を開発している。
さらに、東日本大震災の教訓を受け、BCM対策の核となるソリューション技術として建物の損傷を迅速かつ適格に評価可能な「ユレかんち」を展開している。「ユレかんち」はIoT技術を実装したローコストなシステムであり、事務所、工場等の複数建物の一括監視を可能にしている。
(8) 天井脱落対策技術
在来工法天井の落下・脱落防止対策として「天井耐震クリップ工法」を開発し技術審査証明を取得した。また、特に重要な施設のBCM対策として、「制震天井システム」を開発した。
さらに、特定天井にも適用可能な高い耐震性能を有する「ペアロッククリップ」を開発した。
(9) 基礎・地盤関連技術
場所打ちコンクリート杭について、杭中間部に拡径部を設けることにより、常時および地震時の支持力及び引抜き抵抗を向上させ基礎構造の減量化・合理化をはかるための「Me-A工法」を開発し、(一財)ベターリビングの技術評定を取得した。
杭基礎の安全性向上および施工性向上のため,鋼管コンクリート杭の杭頭接合部に角型の鋼板プレートを設置して構造性能および配筋の納まりを向上させた「鋼板補強型杭頭接合工法(TO-SPCap工法)」を開発している。
(10) 建築仕上げ材料関連技術
高耐久性床、抗菌・防かび床、帯電防止床を開発し、実用化している。また、臭気対策としてゼオライト消臭塗料(オドキャッチャー)、抗菌対策として光触媒技術を利用した抗菌コーティング材を開発し、病院等に展開している。
(11) 建築生産システム関連技術
杭工事においては、施工精度をリアルタイムで管理する「杭芯位置誘導管理システム」、「ケーシング鉛直精度管理システム」を開発・活用している。水の凍結膨張圧を利用し、現場造成杭の余盛りコンクリートを低騒音、低振動、無粉塵で杭頭処理を行うことができる「凍結杭頭処理工法」を開発し、実物件に適用している。
鉄骨工事においては、情報化施工技術の一つとして複数の鉄骨柱の位置計測と建入れ調整を自動で行う「鉄骨柱の自動計測・建入れ調整システム」を開発し、多数の現場で活用している。
工事振動対策として、おもり(重量物)を地表面に置くことにより,工事振動の伝搬を抑制することができる「GMD工法(Ground Mass Damper)」を開発し、実物件に適用している。
リニューアル・耐震補強工事においては、居付きの耐震補強を可能にする「鋼管コッター工法」を用いた耐震補強工法のメニューを拡充し、多くの実績を積んでいる。
(12)ICT生産管理関連技術
情報化技術に関しては、「ICタグを利用した入退場管理システム」、「作業所内物流管理システム」のほか、品質向上のためのタブレット端末やウェアラブル端末の適用や、「加速度センサーを用いたコンクリート打重ね時間管理ツール」や「CFT打設管理システム」を展開し、作業所における施工管理業務の効率化を図っている。
(13)音響・遮音関連技術
ホールなどの大空間における音楽・講演等をより快適に聴くことのできる空間を提供する室内音響関連技術、交通騒音や隣室騒音等の聞きたくない音を低減する遮音関連技術の双方の研究開発を実施し、多くの実物件に適用している。
工事中に問題となる建設機械騒音の低減対策として、逆位相の音を出して打ち消すアクティブ・ノイズ・コントロール(ANC:Active Noise Control)を用いた戸田式アクティブ騒音制御システム「TANC(タンク)」を開発し、多くの作業所で活用している。
また、防音壁などの先端部に取り付けることで大きな騒音低減効果が得られるエッジ効果抑制パネル「エッジサイレンサー」を開発し、仮設だけでなく本設にも適用し、日本音響学会技術開発賞を受賞した。
集合住宅で問題となる重量床衝撃音に対しては、特殊防振支持脚を採用することにより重量床衝撃音レベル遮断性能を従来の乾式二重床より1ランク向上させ、床面の振動も小さく抑えることができる乾式二重床「プレフロアー Quiet+(クワイエットプラス)」を開発している。また、天井内に敷設するだけで重量床衝撃音を大幅に低減できる粒状制振材を開発中である。さらに、トンネル発破音の低減対策にも取り組んでいる。
(14)シールド関連技術
狭隘な都市域においてシールド発進立坑用地の確保を容易にした「省面積立坑システム」は、当社施工28件、他社施工分を含めると47件の現場適用実績を持つ。下水道管渠の劣化防止を目的とした「シールドトンネル内面被覆工法」は、民間6社で共同研究を実施し、(公財)日本下水道新技術機構の技術審査証明を取得済みである。さらに、シールド工法の分野では工事で発生する自然由来の重金属汚染土を浄化するシステムを開発するとともに、推進工法の分野では推進工法を応用した「交差点アンダーパス工法」、「非開削トンネル構築工法」等の技術を開発し、営業展開、現場適用に取り組んでいる。国内で8件しかないφ3500mm以上の超大口径管推進工事においては、そのうち2件を当社が施工している。
(15)山岳トンネル技術
増加基調の山岳トンネル工事に対応する技術として、覆工品質の向上、支保技術の改良、調査計測技術の高度化、環境負荷低減技術の開発に部門横断組織で積極的に取り組んでいる。覆工品質の向上については、補強材や養生等によるひび割れ低減技術の開発、支保技術の改良については、増粘剤を添加してリバウンドを抑制した吹付けコンクリートの開発、防水シート損傷の要因となるロックボルト頭部をなくした突起レスロックボルトの開発を行っている。また、調査計測については、切羽前方の地山を可視化するDRiスコープの開発、地山の3次元の変形に時間を考慮して変形予測を行う4DスーパーNATMの開発、環境負荷低減技術については、坑内環境自動制御システムの開発に取り組んでいる。また、開発済みの拡底ロックボルトやNT-Support(脚部補強工)、TDEM探査法は現場適用に展開している。
(16)コンクリート技術
設計基準強度200N/mm2 の超高強度コンクリートや、収縮を低減させることでひび割れを防止し高耐久化を図るコンクリート(低収縮コンクリート)を開発している。
品質管理に関して、コンクリートの現場受入時の品質管理システムやコンクリート施工時の打重ね時間管理システムを構築した。また、(独)土木研究所との共同研究である「ボス供試体によるコンクリート構造物の品質検査法」については、(一社)日本非破壊検査協会の微破壊試験の規格として制定され、国土交通省地方整備局の橋梁直轄工事に採用されている。
劣化したコンクリートの点検技術として、小径のコア内で強度を推定する「坑内局部載荷試験」を開発し、実際の点検業務に展開している。
(17)リニューアル技術
空洞等の充填材として「中性系可塑性充填材」を開発し、現場適用を図っている。本材料は従来のセメント系充填材のように強アルカリ性ではなく、硬化前後の水素イオン濃度を中性域(pH5.8~8.6)に保つものであり、周辺環境への影響を最小限にすることができる。河川内や農業水利施設などの工事に展開している。また、既設トンネル等の補修補強工法として「BFP修繕工法」を開発した。本工法は連続繊維をプレート状に加工し、トンネル覆工内面に設置することで耐荷性や変形性能を向上させる工法であり、鉄道トンネルを主体として現場展開している。
(18)基盤整備関連技術
わが国の持続的発展を図る上で、社会基盤整備は急務の課題であり、それらを支援するために各種の技術提案及び開発を実施している。オーバーパスに対応した立体交差急速施工技術「すいすいMOP工法」(2現場竣工済)、アンダーパスに対応した非開削トンネル構築技術「さくさくJAWS工法」、鉄道連続立体高架の工期短縮を実現するプレキャストアーチ式高架橋「すいすいSWAN工法」、開削地下構造物の急速構築技術「さくさくSLIT工法」を積極的に提案展開している。老朽インフラ更新技術、排泥量削減を目指した地盤掘削技術「気泡掘削工法」及び「特殊ポリマー安定液工法」など、持続可能で災害に強い基盤整備に資する施工技術の向上を目指すとともに、大規模加速器計画などの地下岩盤利用分野についても積極的に取り組んでいる。
(19)医療施設関連技術
院内感染対策として、トリオシンフィルターとイオン発生器S-Plasma ionと高効率電気集塵器K-elementを併用する「トータル除菌空調システム」を新たに開発している。また、臭気対策として「ゼオライト消臭建材」を開発し、さらに、光触媒技術の利用をはじめとした「院内感染対策トイレシステム」を開発している。その他、手術室、病室のレイアウト検討のためにバーチャルリアリティ(VR)技術を使った「病院VRシステム」を開発している。
また、無線通信技術を利用した次世代病院向け照明システム「スマートホスピタルライティングシステム」を開発し、埼玉県立がんセンターをはじめ、複数の病院等に導入している。
なお、子会社においては、研究開発活動は行われていない。
(不動産事業及びその他の事業)
研究開発活動は特段行われていない。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されているが、連結財務諸表を作成するにあたり経営者により、会計基準の範囲内で見積り計算が行われており、資産及び負債、収益並びに費用にその結果が反映されている。これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なることがある。
①資産の部
当連結会計年度末の資産合計は、投資有価証券が306億円、有価証券が101億円減少したが、受取手形・完成工事未収入金等の増902億円などにより、前連結会計年度末と比較して532億円増加の5,487億円(前連結会計年度末比10.8%増)となった。
②負債の部
当連結会計年度末の負債合計は、繰延税金負債が120億円減少したが、支払手形・工事未払金等の増424億円、未成工事受入金の増116億円、社債の発行100億円などにより、前連結会計年度末と比較して588億円増加の3,712億円(前連結会計年度末比18.8%増)となった。
③純資産の部
当連結会計年度末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益200億円の計上により利益剰余金が増加したが、保有株式の時価下落に伴うその他有価証券評価差額金の減少199億円などにより、前連結会計年度末と比較して55億円減少し純資産は1,774億円(前連結会計年度末比3.0%減)となった。
また、当連結会計年度末における自己資本比率は31.9%(前連結会計年度末比4.5ポイント減)となり、1株当たり純資産額は569円92銭(前連結会計年度末比17円92銭の減少)となった。
①受注高
提出会社単独の受注高は、建築事業が3,092億円(前事業年度比6.9%減)、土木事業が1,035億円(前事業年度比11.9%減)となり、建設工事合計では4,128億円(前事業年度比8.2%減)となった。
今後も厳しい競争が続く中、当社の得意分野である医療、生産施設等の中規模案件に重点を置き、受注管理体制を強化し、適正規模化を推進していく。
②売上高、売上原価、売上総利益
建設事業においては、完成工事高が4,754億円(前連結会計年度比16.6%増)となった。完成工事総利益は448億円(前連結会計年度比35.6%増)となり、完成工事総利益率は9.4%と1.3ポイント上昇した。現在施工中の工事や今後着工する工事について工事採算の精査及び管理を徹底し、原価低減を図り、利益水準の向上に努めていきたい。
不動産事業等売上高は171億円(前連結会計年度比35.6%増)となり、不動産事業等総利益は29億円(前連結会計年度比2.6%減)となった。
キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。