「第2 事業の状況」、「第3 設備の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、中長期的な観点から不確実性を増す社会・経済情勢、加速度的に進む技術革新、さらに2020年以降に予想される建設投資の減少、少子高齢化による担い手不足などの経営課題に迅速に対応し、持続的成長を実現していかなくてはならないと認識しております。
これらの認識を踏まえ、2017年5月に『「Assembly(組み立て)& Collaboration(共創)」による新価値の創造』を目指す姿とした「中期経営計画2019」を策定しました。
本計画では、「生産性 No.1・安全性 No.1 の進化」と「差別化価値の獲得」を柱とし、持続的成長に向けた収益基盤の構築を進めていきます。
・「Assembly(組み立て)&Collaboration(共創)」による新価値の創造
ア.生産性No.1・安全性No.1の進化
:1人当たり完成工事高30%向上・残業ゼロ・事故ゼロへの挑戦
イ.差別化価値の獲得
:強みの開拓と更なる強化、収益の多様化
ア.連結売上高・営業利益率等
※労働生産性=付加価値額(営業利益+総額人件費)÷社員数(期中平均、派遣社員等を含む)
イ.事業別売上高・利益
※ 新領域は、エネルギー関連事業及びその他新規事業
※ [ ]は構成比率
※ 長期目標は、2020年以降を視野に入れた経営の方向性
ウ.資本効率・株主還元
※ 総還元性向=総株主還元額(配当総額+自社株式取得総額)÷親会社株主に帰属する当期純利益
エ.投資計画
ア.生産性No.1・安全性No.1の進化
・設計・施工段階における業務(基本・実施設計、施工計画、労働環境整備等)のフロントローディングを推進する。
・自動化・機械化施工等、新技術・ICT(情報コミュニケーション技術)を開発し、適用する。
イ.差別化価値の獲得
a.国内建設事業
・安定成長分野:得意分野(病院・学校、再開発、山岳トンネル、区画開発等)において、当社グループ独自
の価値を提供する。
・重点強化分野:高付加価値オフィスビル、大規模インフラ、経年優化に向けた更新等の継続的な受注を目指
す。
b.戦略事業
・将来収益の柱とするべく「投資開発」「新領域」「国内グループ会社」「海外」へのリソースシフトを推進する。
ウ.経営基盤の強化とステークホルダー価値の向上
・人材流動化(ローテーション)、働き方改革を通じて、社員の多様化・多彩化・ポテンシャルアップを図る。
・キャッシュフローの改善及び適正な内部留保の確保(自己資本比率40%程度)により健全な財務体質を維持する。
・環境保全をはじめ、持続可能な社会の構築に向けた取り組みを推進する。
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の決定に委ねられるべきだと考えております。
ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえば利害関係者との良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主が最終的な決定を行うために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主から負託された者の責務として、株主のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。
当社では、1967年に経営方針を制定し、これに基づいた企業活動を行うことでお客様をはじめとするステークホルダーとの信頼関係の構築に努めてまいりました。
一方で、社会情勢や社会的要請、当社グループの事業構成等につきましては、約50年前の制定当時と大きく状況が変化しています。こうした背景から、当社の歴史の中で培われてきた価値観や精神を再確認するとともに、未来に向けた指針を改めて明文化していくことが必要となり、2017年1月、持続的成長の実現及び企業理念に基づく経営体制の強化を目的に経営方針を含む「企業理念」全体を見直し、改定を行っております。
その改定においては、従来の経営方針の内容をベースにCSR(企業の社会的責任)やCSV(共通価値の創造)等の観点を踏まえ、その適用範囲につきましては当社単体から当社グループ全体へと拡大したものとなっております。併せて行動理念である「企業行動憲章」の改定とともに、2015年制定の「グローバルビジョン」を含めた理念体系の整備を行いました。
経営環境の変化が予想される中、当社グループ全体で目的意識を共有し諸課題に取り組んでいくことを持続的成長の実現に向けた強い原動力としていきます。今後ともこの企業理念に基づく活動を推進し、当社グループの存在価値を高め、社会の発展に貢献してまいります。
当社は、2017年6月29日開催の当社第94回定時株主総会において、当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(以下、「本対応策」という。)を継続することに関して決議を行い、株主の皆様のご承認をいただいております。
本対応策の概要は次のとおりであります。
(ア) 本対応策に係る手続き
a 対象となる大規模買付等
本対応策は以下の(a)又は(b)に該当する当社株式等の買付け又はこれに類似する行為(以下「大規模買付等」という。)がなされる場合を適用対象とします。大規模買付等を行い、又は行おうとする者(以下「買付者等」という。)は、予め本対応策に定められる手続きに従わなければならないものとします。
(a) 当社が発行者である株式等について、保有者の株式等保有割合が20%以上となる買付け
(b) 当社が発行者である株式等について、公開買付けに係る株式等の株式等所有割合及びその特別関係者の株式等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
b 「意向表明書」の当社への事前提出
買付者等は、大規模買付等の実行に先立ち、当社取締役会に対して、当該買付者等が大規模買付等に際して本対応策に定める手続きを遵守する旨の誓約文言等を記載した書面(以下「意向表明書」という。)を当社の定める書式により日本語で提出していただきます。
c 情報の提供
意向表明書をご提出いただいた場合には、買付者等におきましては、当社に対して、大規模買付等に対する株主の皆様のご判断のために必要かつ十分な情報を日本語で提供していただきます。
d 取締役会評価期間の設定等
当社取締役会は、情報提供完了通知を行った後、大規模買付等の評価の難易度等に応じて、以下の(a)又は(b)の期間(いずれも初日不算入)を、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」という。)として設定します。
(a) 対価を現金(円価)のみとする公開買付けによる当社全株式等を対象とする公開買付けの場合には60日間
ただし、上記(a)(b)いずれにおいても、取締役会評価期間は評価・検討のために不十分であると取締役会及び独立委員会が合理的に認める場合にのみ延長できるものとし、その場合は、具体的延長期間及び当該延長期間が必要とされる理由を買付者等に通知するとともに株主へ開示する。また、延長の期間は最大30日間とします。
e 対抗措置の発動に関する独立委員会の勧告
独立委員会は、取締役会評価期間内に、上記dの当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案と並行して、当社取締役会に対して対抗措置の発動の是非に関する勧告を行うものとします。その際、独立委員会の判断が当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するようになされることを確保するために、独立委員会は、当社の費用で、当社の業務執行を行う経営陣から独立した第三者の助言を得ることができるものとします。
独立委員会は、買付者等が本対応策に規定する手続きを遵守しなかった場合、原則として、当社取締役会に対し対抗措置の発動を勧告します。
(b) 買付者等が大規模買付ルールを遵守した場合
買付者等が本対応策に規定する手続きを遵守した場合には、独立委員会は、原則として当社取締役会に対して対抗措置の不発動を勧告します。ただし手続きが遵守されている場合でも、当該買付等が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうものであると判断される場合には、例外的措置として対抗措置の発動を勧告する場合があります。
f 取締役会の決議
当社取締役会は、eに定める独立委員会の勧告を最大限尊重するものとし、係る勧告を踏まえて当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上という観点から速やかに対抗措置の発動又は不発動の決議を行うものとします。
g 対抗措置の中止又は発動の停止
当社取締役会が上記fの手続きに従い対抗措置の発動を決議した後又は発動後においても、買付者等が大規模買付等を中止した場合又は対抗措置を発動するか否かの判断の前提となった事実関係等に変動が生じ、かつ、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上という観点から発動した対抗措置を維持することが相当でないと考えられる状況に至った場合には、当社取締役会は、対抗措置の中止又は発動の停止を行うものとします。
h 大規模買付等の開始
買付者等は、本対応策に規定する手続きを遵守するものとし、取締役会において対抗措置の発動又は不発動の決議がなされるまでは大規模買付等を開始することはできないものとします。
(イ) 本対応策における対抗措置の具体的内容
当社取締役会が上記(ア)fに記載の決議に基づき発動する対抗措置としては、新株予約権の無償割当てを行うこととします。
(ウ) 本対応策の有効期間、廃止及び変更
本対応策の有効期間は、2017年6月29日開催の第94回定時株主総会終結の時から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。ただし、係る有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本対応策の変更又は廃止の決議がなされた場合には、本対応策は当該決議に従い、その時点で変更又は廃止されるものとします。また、当社の取締役会により本対応策の廃止の決議がなされた場合には、本対応策はその時点で廃止されるものとします。
なお、当社取締役会は、法令等の変更により形式的な変更が必要と判断した場合には、独立委員会の承認を得た上で、本対応策を修正し、又は変更する場合があります。
当社取締役会は、「中期経営計画」及びそれに基づく施策は当社及び当社グループの企業価値、ひいては株主共同の利益の向上に資する具体的方策として策定されたものであり、①の基本方針に沿うものと判断しております。また、次の理由から上記②イの取組みについても上記①の基本方針に沿い、株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
本対応策は、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を全て充足しており、かつ、企業価値研究会が2008年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえております。
本対応策は、当社株式等に対する大規模買付等に応じるべきか否かを株主が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とするものであります。
当社は、本対応策の継続に関する株主の意思を確認するため、2017年6月29日に開催された第94回定時株主総会において本対応策の継続に関する議案を付議し、その承認可決を受けております。また、本対応策の有効期間は2020年6月開催予定の当社第97回定時株主総会終結時までであり、また、その有効期間の満了前に開催される当社株主総会において本対応策の変更又は廃止の決議がなされた場合には、本対応策も当該決議に従い変更又は廃止されることになります。
当社は、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、対抗措置の発動等を含む本対応策の運用に関する決議及び勧告を客観的に行う取締役会の諮問機関として独立委員会を設置しております。
独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、当社の社外取締役、社外監査役又は社外の有識者(実績のある会社経営者、官庁出身者、弁護士、公認会計士若しくは学識経験者等)から選任される委員3名以上により構成されます。
また、当社は、必要に応じ独立委員会の判断の概要について株主に情報開示を行うこととし、本対応策の透明な運営が行われる仕組みを確保しております。
本対応策は、上記②イ(ア)に記載のとおり、合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。
上記②イ(ウ)に記載のとおり、本対応策は、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとされております。
また、当社は期差任期制を採用しておりません。
当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、リスクの発生を回避し、リスクが発生した場合の対策を考えております。また、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。
経済情勢の悪化や不測の事態の発生により、建設投資が著しく減少した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、主要建設資材の仕入価格が高騰し、それを請負金額に反映させることが困難な場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが設計、施工した物件に不具合が生じ、重大な瑕疵があった場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、施工中に予期せぬ重大事故が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
建設業においては、一般的に施工物件の引渡時に未回収の工事代金が残るケースがあります。このため、発注者が信用不安に陥った場合、工事代金の回収ができず、業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、仕入先、外注先が信用不安に陥った場合にも、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業は、建設業法、建築基準法、都市計画法、会社法、金融商品取引法、独占禁止法等により法的な規制を受けております。これらの法的規制に違反するような事態が生じた場合、また、法律の改廃、法的規則の新設、適用基準の変更等があった場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
地震等の天災、人災により、当社グループの事業継続に深刻な支障をきたした場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)カントリーリスク
当社グループは海外諸国で事業を展開しており、政治・経済情勢の急激な変化、為替レートの大きな変動、法的規制の予期せぬ変更等が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)保有資産の価格・収益性の変動リスク
保有資産の時価が著しく下落した場合又は収益性が著しく低下した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
ア. 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、有価証券が200億円減少しましたが、受取手形・完成工事未収入金等が902億円、現金預金が168億円増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して1,094億円増加の6,677億円(19.6%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、長期借入金が24億円減少しましたが、コマーシャル・ペーパーが500億円、支払手形・工事未払金等が268億円増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して896億円増加の3,985億円(29.0%増)となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上255億円などにより、前連結会計年度末と比較して197億円増加の2,691億円(7.9%増)となり、自己資本比率は39.9%となりました。
イ. 経営成績の状況
当連結会計年度の連結売上高につきましては、前連結会計年度比19.0%増の5,104億円となりました。
営業損益につきましては、売上総利益が671億円と前連結会計年度比11.2%増加となったことにより、販売費及び一般管理費が325億円と前連結会計年度比9.1%増加したものの、営業利益は345億円と前連結会計年度比13.3%増加となりました。
経常損益につきましては、374億円の経常利益(前連結会計年度比13.5%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、255億円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。
各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。
当社グループは当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っており、前連結会計年度との比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいております。詳細は、「第5 経理の状況」「1 連結財務諸表等」(セグメント情報等)の「1.報告セグメントの概要」をご参照ください。
なお、各セグメントの業績につきましては、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。
売上高は3,601億円(前連結会計年度比28.0%増)となり、セグメント利益(営業利益)は254億円(前連結会計年度比42.4%増)となりました。
当社個別の受注高につきましては、官公庁工事が前連結会計年度比75.0%増加、民間工事が前連結会計年度比11.7%増加したことにより、全体では3,817億円と、前連結会計年度比17.1%増となりました。
売上高は1,003億円(前連結会計年度比8.3%減)となり、セグメント利益(営業利益)は112億円(前連結会計年度比4.9%減)となりました。
当社個別の受注高につきましては、官公庁工事が大型案件の受注に伴い前連結会計年度比44.0%増加したことにより、全体では1,558億円と、前連結会計年度比43.1%増となりました。
売上高は107億円(前連結会計年度比62.3%増)となり、セグメント利益(営業利益)は18億円(前連結会計年度比18.4%増)となりました。
売上高は450億円(前連結会計年度比33.1%増)となり、セグメント利益(営業利益)は15億円(前連結会計年度比78.6%増)となりました。
(新領域事業)
売上高は2億円(前連結会計年度比10.4%増)となり、セグメント損失(営業損失)は8億円(前連結会計年度3億円のセグメント損失)なりました。
(海外事業)
売上高は177億円(前連結会計年度比28.2%増)となり、セグメント損失(営業損失)は40億円(前連結会計年度は11億円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ39億円減少し、965億円となりました。
営業活動によるキャッシュフローは、283億円の資金減少(前連結会計年度は193億円の資金増加)となりました。仕入債務の増加により257億円の資金が増加しましたが、売上債権の増加により903億円、未成工事受入金の減少により35億円の資金が減少したことが主な要因です。
投資活動によるキャッシュフローは、244億円の資金減少(前連結会計年度は78億円の資金減少)となりました。補助金収入により29億円、投資有価証券の売却及び償還により70億円の資金が増加しましたが、有形固定資産の取得により225億円、投資有価証券の取得により73億円、子会社株式の取得により21億円の資金が減少したことが主な要因です。
財務活動によるキャッシュフローは490億円の資金増加(前連結会計年度は20億円の資金減少)となりました。配当金の支払により61億円の資金が減少しましたが、社債の発行により50億円、コマーシャルペーパーの発行により500億円の資金が増加したことが主な要因です。
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建築事業、土木事業(以下、「建設事業」という。)及び投資開発事業では生産実績を定義することが困難であり、かつ建設事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。
また、当社グループにおいては建設事業以外では受注生産形態をとっておりません。
よって、「生産、受注及び販売の状況」に記載すべき項目は可能な限り、「① 財政状態及び経営成績の状況」において、セグメントごとに記載しております。
なお、当社グループの営む事業の大部分を占める、提出会社の建設事業の状況は次のとおりであります。
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高―当期完成工事高)に一致します。
(注) 百分比は請負金額比であります。
ウ. 完成工事高
(注) 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度の完成工事のうち請負金額20億円以上の主なもの
当事業年度の完成工事のうち請負金額20億円以上の主なもの
3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
当事業年度
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
(注) 次期繰越工事のうち請負金額20億円以上の主なものは、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、連結財務諸表を作成するにあたり、経営者により、会計基準の範囲内で見積り計算が行われており、資産及び負債、収益並びに費用にその結果が反映されております。これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なることがあります。
当連結会計年度の連結売上高につきましては、主に当社における完成工事高が増加したことにより前連結会計年度比19.0%増の5,104億円となりました。
営業損益につきましては、主に国内建築における売上総利益が増加したことにより、売上総利益は671億円と前連結会計年度比11.2%増加となりました。一方、販売費及び一般管理費につきましては、325億円と前連結会計年度比9.1%増加したものの、営業利益は345億円と前連結会計年度比13.3%増加となりました。
経常損益につきましては、受取利息及び保有する投資有価証券の受取配当金等により、374億円の経常利益(前連結会計年度比13.5%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、減損損失が発生しましたが、投資有価証券売却益等により、255億円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。
各セグメントの状況及び分析は、以下の通りとなります。
なお、売上高にはセグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。また、セグメント利益欄の( )はセグメント利益率を示します。
(国内建築事業)
当連結会計年度は、大型工事の進捗が順調であったことに伴い、売上高が3,601億円と、前連結会計年度より28.0%増加しました。また、生産性向上に向けた取り組みが進展し、セグメント利益率が7.1%と、前連結会計年度より0.7ポイント増加しました。
引き続き、さらなる生産性向上に傾注するとともに、事務所、医療・福祉施設といった、重点分野に対する取り組みを強化することによって、設計・施工を通じた提供価値の高度化を図っていきます。
(国内土木事業)
当連結会計年度は、大型の手持工事の一部について準備段階または着工初期段階にあり、全体として工事進捗率がやや低く推移いたしました。それに伴い、売上高が1,003億円と、前連結会計年度より8.3%減少しました。また、セグメント利益は112億円となりました。
当連結会計年度末の繰越工事高は2,392億円と、前連結会計年度末より31.2%増加しています。ICT等を活用した技術開発に努めるとともに、生産システムの改革により、より生産性が高く、競争力のある施工体制の構築を図っていきます。
(投資開発事業)
当連結会計年度は、旧工作所跡地(北海道札幌市)の有効活用等により不動産販売事業の収益が向上し、売上高107億円、セグメント利益18億円となりました。
新規投資においては、大阪府大阪市の賃貸ビルを取得するなど、安定した収益基盤の拡充を図っています。今後も、新規収益物件の獲得とともに、自社保有資産の有効活用を推進し、さらなる収益向上を図っていきます。
(国内グループ会社事業)
当連結会計年度は、福島県福島市の佐藤工業㈱をグループ会社化したことによって、売上高が450億円と前連結会計年度より33.1%増加し、セグメント利益も15億円と、78.6%増加しました。
今後も、当社グループ内の連携を通じた相乗効果の発揮によって、顧客への価値提供力の向上を図っていきます。また、M&Aにつきましても、引き続き積極的に検討し、事業基盤の強化を推進していきます。
(新領域事業)
当連結会計年度は、浮体式洋上風力発電事業において、売電収益に比して研究開発に要する支出が先行していることなどから、セグメント損失は8億円となりました。なお、2018年12月には個人投資家向けグリーンボンドを発行し、今後の事業資金として50億円を調達しています。また、茨城県常総市における農業6次産業化の取り組みも進展しており、新たな収益基盤の構築に向けて積極的に取り組んでいきます。
(海外事業)
当連結会計年度は、一部海外工事において工事損失引当金を32億円計上したことにより、セグメント損失が40億円となりました。海外事業においては、タイやベトナム等の東南アジア地域で収益の向上が進んでいます。一方で、前記の事由を踏まえ、今後は社内管理体制の再構築を含め更なる収益改善に取り組んでいきます。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりであります。
(キャッシュ・フローの状況)
「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(1) 経営成績等の状況の概要」の「② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資金需要)
当社グループにおける主な資金需要は、運転資金として工事施工に要する外注費等の工事費用および販売費及び一般管理費並びに設備投資資金です。
設備投資の概況については「第3 設備の状況」の「1 設備投資等の概要」をご参照ください。
(資金の流動性)
当社グループは、主要な連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、日本国内のグループ内資金を一元管理しています。各グループ会社のキャッシュ・フローを集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、リスク管理の強化および金融負債の極小化を図っています。
(資金調達の状況)
主に営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関等からの借り入れおよび社債の発行により資金を調達しております。重要な設備投資に係る資金調達方法については「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
特記事項はありません。
当社グループは、社会、顧客及び社内各部門のニーズやCSRに的確に応えるため、技術開発センターを中心に技術部門の総力を結集して、基礎的研究から新製品開発までの幅広い研究開発活動を行っております。特に重要なテーマについては「技術研究開発プロジェクト」を起こし、全社的な取り組みで短期間に開発を行い着実に成果をあげております。また、西松建設㈱との共同研究をはじめ、公的機関、大学、異業種企業、同業他社との技術交流、共同開発を積極的に推進して、多様な分野での研究開発の効率化を図っております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(国内建築及び国内土木)
(1)建築環境関連技術
当社は「エコ・ファースト企業」として環境大臣と当社が施工中に排出するCO2総量を2030年に1990年比70%削減、2050年には80%削減することなどを約束しております。2018年度の作業所におけるCO2排出量は72,703t-CO2(基準年比62.3%減)、CO2排出量原単位は14.2t-CO2/億円(基準年比50.2%減)となりました。
建設工事施工中に発生するCO2排出量を削減する活動を「低炭素施工システム(TO-MINICA)」と称し、全国の作業所で活用しております。
こうした活動は外部からも評価されており、全世界の企業の環境活動を評価するCDPイニシアチブからは、最高評価である「気候変動A List」に選ばれました。また、2019年1月には、事業運営における電力を100%再生可能電力で調達する取り組みである、RE100にも加盟し、気候変動対策への取り組みをさらに強化しました。
さらに、この削減目標設定の取り組みが国際的イニシアチブであるSBTi(Science Based Targets Initiative)から、科学的根拠に基づくものであることが認められました。この認定は、日本の建設業界では初めてのことであります。
ZEB(ネット・ゼロエネルギー・ビル)の実現に向けて、環境配慮建築に対する各種要素技術を総合的に実験・検証するために、技術研究所に建設した「環境技術実証棟」において、建物外装の断熱手法、自然換気や昼光などの自然エネルギー利用、潜顕分離空調など省エネに寄与できる設備システム、また快適性など環境の品質を向上に資する技術要素について技術開発に取り組んでいます。また、結露に関する設計・施工ノウハウをまとめた「結露防止対策Navi」を開発し、社内展開を図っています。
さらに、技術研究所においては、太陽光パネルや燃料電池からの供給電力を直流のまま供給し、省エネルギー等を図る「直流給電システム」や、省エネを図りながら満足感を向上させることを目的に、居住者の暑い・寒いなどの温冷感に応じて制御を行う「申告型空調システム」を開発・試験導入し、さらなる研究開発に取り組んでおります。
(2)生物多様性関連技術
植生や生物の地域特性を考慮し、緑化設計の妥当性を評価できる「生物多様性評価システム」、食品工場などの防虫対策に関するノウハウまとめた「防虫学校」を開発し、社内展開を図っております。
また、研究所敷地は、関東・水と緑のネットワーク拠点百選にも選出されており、研究所内における施設整備に合わせて、希少種を中心とした移植等による保護・保全手法の研究に取り組んでおります。
(3)放射性廃棄物処分の関連技術
放射性廃棄物処分関連技術としては、ベントナイトに関する技術の開発、地下深部での地震動測定と耐震性評価、海外情報調査、新規制基準制定に伴う学会標準改定の業務、原子力発電所の廃炉に関する調査などを実施しました。
(4)超高層建物構工法関連技術
超高層RC造では、SuperHRCシステムを積極的に採用し、建設中を含めて延べ57棟に適用しております。2016年2月に竣工した55階建て超高層集合住宅では設計基準強度200N/mm2の超高強度コンクリートを採用しました。
コンクリート充填鋼管(CFT)造では、高強度のコンクリートを充填した鋼管に鉄筋を内蔵したSuper CFT造を開発し、構造評定を取得しました。設計施工で高さ178mの複合ビルや設計中の案件を含めて11棟の実績があります。
(5)免震・制振技術
精密生産施設の微振動対策技術では、弾性すべり支承と剛すべり支承を用いた微振動対応型の免震工法に加え、新たに高層住宅の風対策や生産施設の微振動対策用にオイルダンパー付き弾性すべり支承を開発し、2016年2月に生産施設に適用しております。
また、より高性能な免震システムとして、地震の揺れに応じて減衰係数を切り換え、小中地震から大地震まで幅広い範囲で揺れを抑えることが可能な「セミアクティブ免振技術」、電源を用いないで減衰のON/OFFを切り換える「自己復元型トリガー機構」を開発しております。
(6)BCP関連技術
東日本大震災の教訓を受け、BCM対策の核となるソリューション技術として建物の損傷を迅速かつ適格に評価可能な「ユレかんち」を展開しております。「ユレかんち」はIoT技術を実装したローコストなシステムであり、事務所、工場等の複数建物の一括監視を可能にしております。社内物件20棟、社外物件48棟に適用しております。
(7)天井脱落対策技術
在来工法天井の落下・脱落防止対策として「天井耐震クリップ工法」を開発し、技術審査証明を取得しました。また、特に重要な施設のBCP対策として「制震天井システム」や特定天井にも適用可能な高い耐震性能を有する「ペアロッククリップ」を開発しました。ペアロッククリップは2016年9月より当社の施工現場で標準的に採用されております。
また、天井内に多数設置される斜め材の代わりに、門型の抵抗部材を集約して設置し、天井内に多くのスペースを確保しながら、高い耐震性能を実現する「門天工法」を開発しました。「門天工法」は、2017年12月に日本建築センターの技術審査証明を取得しました。
(8)基礎・地盤関連技術
場所打ちコンクリート杭について、常時および地震時の支持力及び引抜き抵抗を向上させ基礎構造の減量化・合理化をはかるための「Me-A工法」を開発し、高層建物への適用など水平展開を進めております。2019年4月時点で共研他社も含めて350件を超える実績があります。
杭基礎の安全性向上および施工性向上のため,鋼管コンクリート杭の杭頭接合部に角型の鋼板プレートを設置して構造性能および配筋の納まりを向上させた「鋼板補強型杭頭接合工法(TO-SPCap工法)」を開発し,日本建築総合試験所の技術性能証明を取得しました。現在施工中を含めて6物件に採用しています。
(9)建築仕上げ材料関連技術
高耐久性床、抗菌・防かび床、帯電防止床を開発し、実用化しております。また、臭気対策として「ゼオライト消臭塗料(オドキャッチャー)」、抗菌対策として光触媒技術を利用した抗菌コーティング材を開発し、病院等に展開しております。
また、木質材料の利用拡大を目指し、耐久性評価などの研究開発を進めております。
(10)建築生産システム関連技術
地上の施工技術では、施工BIMデータを活用した鉄骨自動計測システムの開発、すでに開発した自動計測、建入制御システム、仮ボルト不要接合工法の改良を行い、全支店に展開・活用を予定しております。ロボット技術では、SLAM技術を用いた自律搬送ロボを開発し、現場に導入します。今後、エレベータと連動した水平垂直自動搬送システムの完成を目指します。BIMや衛星測位を利用した3次元タワークレーン自動誘導システムの開発、吊荷旋回制御装置の大型化を今後予定しております。
地下の施工技術では、水の凍結膨張圧を利用した現場造成杭の余盛りコンクリートを低騒音、低振動、無粉塵で杭頭処理を行うことができる「凍結杭頭処理工法」を全支店展開し、公共工事における総合評価落札方式の技術提案に評価され、技術点の高得点を得て、落札(受注)に寄与しております。2019年3月時点で318本の実績があります。また、解体が困難なマスコンクリート構造物を効率よく解体する工法の開発に着手しました。
(11)ICT生産管理関連技術
ICTおよびIoT技術を活用し、現場の安全・品質の向上、施工効率を高めることを目的に、人工知能を活用した様々なシステム開発に着手しました。また、AR・MR等の画像処理技術を活用をしたコンテンツやシステムの開発を行っております。場内通信については、無線メッシュネットワークのシステム検証と、建設中の建築・土木工事で新しいネットワーク環境の研究を進めております。
また、作業者の安全対策として、ヘルメットに設けた生体センサからの信号をもとに熱ストレスの予測などを行う安全管理システムを開発し、現場への導入を進めております。
(12)音響・遮音関連技術
ホールなどの大空間における音楽・講演等をより快適に聴くことのできる空間を提供する室内音響関連技術、交通騒音や隣室騒音等の聞きたくない音を低減する遮音関連技術の双方の研究開発を実施し、多くの実物件に適用しております。
防音壁などの先端部に取り付けることで大きな騒音低減効果が得られるエッジ効果抑制パネル「エッジサイレンサー」を開発し、工事中の騒音対策だけでなく本設にも適用しました。また、トンネル工事中の発破音の低減対策にも取り組んでおります。
集合住宅で問題となる重量床衝撃音に対して、天井内に敷設するだけで低減できる、床衝撃音低減材「サイレント・ドロップ」をフクビ化学工業㈱と共同開発し、建材設備大賞2018を受賞しました。
さらに、近隣への設備騒音などの対策として、敷地境界における騒音予測システムを開発し、社内展開を図っております。
(13)シールド関連技術
狭隘な都市域においてシールド発進立坑用地の確保を容易にした「省面積立坑システム」は、当社施工28件、他社施工分を含めると47件の現場適用実績を持ちます。下水道管きょの劣化防止を目的とした「シールドトンネル内面被覆工法」は、民間6社で共同研究を実施し、(公財)日本下水道新技術機構の技術審査証明を取得済みであります。また、シールド工法の分野では工事で発生する自然由来の重金属汚染土を浄化するシステム、地盤変状の抑制やシールド掘進の効率化など目的に応じた種々の裏込め注入システムの開発や、シールドの発進到達の効率化を図った仮壁直接切削技術の実用化を図るとともに、シールドのAI化を視野に入れたシールドの自動掘進システムの開発に取り組んでいます。さらに、推進工法の分野では、φ3500mm以上の長大口径推進工事の実績を積み上げるとともに、推進工法を応用した「交差点アンダーパス工法」、「非開削トンネル構築工法」等の技術を開発し、営業展開、現場適用に取り組んでおります。
(14)山岳トンネル技術
増加基調の山岳トンネル工事に対応する技術として、覆工品質の向上、支保・補助工法技術の改良、調査計測技術の高度化、環境負荷低減、自動化・高速施工技術の開発・現場適用に部門横断組織で積極的に取り組んでおります。
覆工品質の向上については、覆工コンクリートの充填センサである「ジュウテンミエルカ」の開発が完了し、打設状況の可視化ツールとして一般販売を開始しました。支保・補助工法技術については、吹付けリバウンドを低減できる「Me吹付けコンクリート」、削孔水による地山の脆弱化を防止する「フォアプレート工法」、防水シートの損傷防止に寄与する「突起レスロックボルト」、脚部補強工の「NT-Support」の現場適用に取り組んでいます。調査計測における切羽前方地山の可視化ツールとして開発した「DRiスコープ」は、2017岩の力学連合会フロンティア賞を受賞し、さらなる現場適用を推進しています。環境負荷低減技術については、帯電ミストを用いた粉じん抑制技術や発破低周波音抑制技術の開発に取り組んでいます。また、生産性向上を目指した自動化・高速施工技術としては、自動吹付けシステムの開発や覆工打設管理システム、コンピュータジャンボの穿孔データを活用した地山評価技術や発破設計技術の開発に取り組んでいます。
(15)コンクリート技術
設計基準強度200N/mm2 の超高強度コンクリートや、収縮を低減させることでひび割れを防止し高耐久化を図るフィットクリート(低収縮コンクリート)の開発・現場適用を行っております。さらに、収縮をほとんどゼロにした極低収縮コンクリートを共同開発し、現場適用を行いました。また、現場でコンクリート工事の生産性向上を図る新しい高機能性流動化剤を開発し、すでに7件の適用事例があります。
品質管理に関して、コンクリートの現場受入時の品質管理システムやコンクリート施工時の打重ね時間管理システムを構築しました。また、(独)土木研究所との共同研究である「ボス供試体によるコンクリート構造物の品質検査法」については、(一社)日本非破壊検査協会の微破壊試験の規格として制定され、国土交通省地方整備局の橋梁直轄工事に採用されております。
既設コンクリート構造物の健全度評価技術として、透気・透水試験器を用いた評価方法や小径のコア内で強度を推定する「孔内局部載荷試験」を開発し、実際の調査・点検業務に展開しております。
(16)インフラ再生技術
既設トンネル等の補修補強工法として、新しい無機系繊維材料を用いた「BFP修繕工法」を開発しました。本工法は連続繊維をプレート状に加工し、トンネル覆工内面に設置することで耐荷性や変形性能を向上させる工法であり、鉄道トンネルを主体として現場展開しております。また、高速道路等の「既設床版架替えに係る新型継手工法」を開発中であり、今後、老朽化したインフラ再生技術の開発について積極的に取り組んでいきます。
(17)基盤整備関連技術
わが国の持続的発展を図る上で、社会基盤整備は急務の課題であり、それらを支援するために各種の技術提案及び開発を実施しております。オーバーパスに対応した立体交差急速施工技術「すいすいMOP工法」、アンダーパスに対応した非開削トンネル構築技術「さくさくJAWS工法」(鉄道工事に採用)、鉄道連続立体高架の工期短縮を実現するプレキャストアーチ式高架橋「すいすいSWAN工法」、開削地下構造物の急速構築技術「さくさくSLIT工法」を積極的に提案展開しております。老朽インフラ更新技術、排泥量削減を目指した地盤掘削技術「気泡掘削工法」及び「特殊ポリマー安定液工法」(エンジニアリング功労賞受賞)、地盤強化・液状化対策技術「ハイグリップグラウト工法」など、持続可能で災害に強い基盤整備に資する施工技術の向上を目指しております。また、大規模加速器計画などの地下岩盤利用分野についても積極的に取り組んでおります。
(18)医療施設関連技術
病院内の臭気対策として「ゼオライト消臭塗料(オドキャッチャー)」を開発し、さらに、光触媒技術の利用をはじめとした「院内感染対策トイレシステム」を開発しております。その他、手術室、病室のレイアウト検討のためにバーチャルリアリティ(VR)技術を使った「病院VRシステム」の開発や、洗面台やコンソールなど病室内設備のユニット化にも取り組んでおります。
また、無線通信技術を利用した次世代病院向け照明システム「スマートホスピタルライティングシステム」を開発し、埼玉県立がんセンターをはじめ、複数の病院等に導入しております。
(新領域)
(1)再生可能エネルギー関連技術
鋼とコンクリートを複合利用した浮体式洋上プラットフォームの技術を共同開発し、風力発電に応用、環境省による「浮体式洋上風力発電実証事業委託業務」を受託し、2013年度には実証機(2MW)の実海域設置を成功させ、2015年度に予定通り実証事業を終了しました。2016年度には日本初の実用化を実現し、発電事業として運転データを収集し、制御、設計技術に反映しております。また、コスト削減のための量産化や施工合理化、係留、調査、O&Mなど、普及拡大に向けた技術開発を継続しております。
(2)農業関連技術
茨城県常総市内に農業実証ハウス「TODA農房」を建設し、土地整備関連事業等における提案技術の一つとして、主に施設園芸農業の事業化や園芸ハウスの建設等に関する技術開発を開始しました。
(3)連結子会社における研究開発の主なもの
オフショアウィンドファームコンストラクション㈱において、環境省の「低炭素型浮体式洋上風力発電低コスト化・普及促進事業」の補助を受けて浜出船を建造し、2018年3月に完成しました。2019年度は浜出船等を活用して実証施工を行い、浮体式洋上風力発電施設の建設費の低コスト化及び施工の低炭素化を検証します。
(投資開発、国内グループ会社及び海外)
研究開発活動は特段行われておりません。