「第2 事業の状況」、「第3 設備の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代と言われるように、当社グループを取り巻く経営環境は変化が激しく、先行きにも不透明感が急速に増しております。特に、現下の新型コロナウイルス感染拡大の影響は、業績面はもとより、中長期的観点からはビジネスモデルにおけるパラダイムシフトとなることが予測されています。また、気候変動や資源不足、人口構造の変化等に伴う社会的課題の解決に向けて積極的に取り組むなど、社会価値(ESG・SDGs)と経済価値を重視した経営が求められております。
加えて、2024年竣工予定の(仮称)新TODAビル(本社ビル)の施工など、新たな収益基盤構築のための「変革フェーズ」となります。
このような認識のもと当社グループは「中期経営計画2024」を策定し、常なる改革を行い、自ら変わり続けていくこと(Transform)によって持続的成長を実現してまいります。
・「高付加価値競争」を通じた事業活動の継続進化と企業価値の向上 -Resilient-
ア.グローバリゼーション
:世界に通用するマネジメントと人財・業務・組織体制の確立
イ.ブランディング
:ステークホルダーへの情報発信と評価による自己変革
:無形資産等の形成・活用による差別化価値の創造
※ 無形資産等:情報や技術・ノウハウ、人財育成、ESG・SDGs経営における取組成果等、社会的に有用かつ当社グループのブランド力強化に不可欠となる資産
ア.連結売上高・営業利益等
※労働生産性=付加価値額(営業利益+総額人件費)÷社員数(期中平均、派遣社員等を含む)
イ.事業別売上高・利益
※ 新領域は、エネルギー関連事業及びその他新規事業
※ [ ]は利益率
ウ.株主還元
・自己資本配当率(DOE)及び配当性向を総合的に勘案の上、継続的・安定的な株主還元を実施する。
※ 自己資本配当率(DOE) = 配当総額÷自己資本
エ.投資計画
ア.安全性・生産性No.1
・設計段階・計画段階においてフロントローディングによる事前検証を徹底する。
・機械化施工、新技術・ICT利活用、行動分析・可視化等に基づく施策を実行する。
・潜在意識まで届く安全教育(危険予知(KY)、脳科学、行動心理学等)を実施する。
イ.高付加価値の提供
a.建設事業(建築事業・土木事業)
・注力分野における差別化価値を獲得する。
・デジタルトランスフォーメーション(BIM/CIM、i-Construction等)による、新たなビジネスモデルを創出
する。
・海外工事拡大に向けた体制の整備を通じて、全社的な施工能力・収益力の向上を図る。
b.戦略事業
・「投資開発」「新領域」「グループ会社」への重点投資を実行し、収益基盤のグローバル化・多角化・多
様化を推進する。
・(仮称)新TODAビル(施工中、2024年竣工予定)においてスマートオフィス化を志向し、これを通じて新
たな価値提供(BaaS:Building as a Service)を実現する。
ウ.企業価値の向上に向けたESG・SDGs経営の実践
・脱炭素化・資源循環・環境保全・地域活性化に向けた課題解決型企業活動を実践する。
・TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)最終報告書における推奨開示項目に従い、複数シナリオにより気候変動に伴うリスクと機会を分析する。
・多様・多彩な人財を育成・確保するとともに、労働環境整備及び働き方改革を推進し、組織能力の強化を図る。
・リスクマネジメント(環境、自然災害、投資、コンプライアンス等)を強化し、これらの知見を活かした技術開発、製品・サービス化を推進する。
※ CO2排出削減目標は、パリ協定の2℃目標に整合する科学の根拠に基づく削減目標(SBT)を設定し、2017年に「SBT(Science-based Targets)イニシアチブ」の認定を受けている。
※ 全度数率=全労働災害÷延労働時間(100万時間)
※ リスク評価実施率:投資委員会による投資案件(経営会議決裁案件)の定量・定性評価と出口戦略の
実施・遂行状況
(ブランド価値資産向上への取組み)
当社グループでは、社会的に有用かつ当社グループのブランド力強化に不可欠となる資産をブランド価値資産と定義し、更に無形資産とESG価値に分類した上で、それらの構築に向けた投資を行いました。2020年度のブランド価値資産に対する投資額は、ソフトウェアやデータベース等の情報化資産や、気候変動や生物多様性等の環境分野を中心に、合わせて8,353百万円となりました。今後も積極的な取り組みを通じて、ブランド価値資産の構築に努めてまいります。
※ 投資額は各項目における一般管理費と投資(資産計上額)の合計値
(人財育成と人財開発)
当社グループは「人財の価値創造」に向けて、重要な業務の担い手になり得る経営人財を継続的に輩出するべく、自己発働型人財の育成に注力しております。自己発働型人財表彰や自己発働フォーラムによりモチベーションを高め、さらにはポテンシャル人財を選出してキャリアコーチによる伴走型コーチングを実施して、次世代経営人財の育成に取り組んでおります。
また、ESG関連施策の企業価値向上効果を明らかにするために、ESG関連の各種KPIとPBRとの関係を分析し、企業価値向上に資する人財開発の目標設定に活かします。
※自己発働型人財:自社の目指す姿を理解し、達成意欲を持って主体的に行動できる人財
(ダイバーシティ&インクルージョン)
当社グループは、グローバルで持続的成長を図るための経営戦略の一つとして、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しております。
2014年にダイバーシティ推進室を発足後、「女性活躍」を中心に、「キャリア形成」「管理職の意識・行動」「就業環境」のカテゴリーに分け、取り組みを強化してまいりました。
「就業環境」においては、2018年度より全社でフレックスタイム制を一斉に導入しております。また、本社ビルの建替えに合わせ、本社機能を分散、サテライト化し、ノウハウを全社に展開しております。環境から働き方を変えることで、多様な人財の能力が発揮できる仕組みをつくっております。
・男性育児休業取得率100%(2020年度)
・PRIDE指標2020ブロンズ(LGBTQに関する取組指標)
・えるぼし認定2(女性活躍推進法)
(グローバリゼーション活動)
当社グループは、多角的に事業展開し、国内・海外の区別なく仕事ができる「グローバル企業」を目指しております。グローバルな事業展開を更に進めるため、従来の取組み方にとらわれず、業務の対象・内容・やり方の見直しを進めております。語学力・コミュニケーション力に優れ、文化的・歴史的背景による価値観や特性の違いを乗り越えて、先見性を持って複数の国にまたがるビジネスを推進できる「グローバル人財」を育成・採用しております。
「主な活動」
・海外職員の日本研修制度
・英語の第二公用語化及び社内文書の英語化に向けた活動
・日本人社員への英語研修、語学研修生制度
(健康経営の推進)
当社グループの最大の財産は「人」であります。社員が心身ともに健康でなければ、新しい価値の創出や会社の持続的成長はありません。
当社グループは、「健康経営の推進」を重要施策として掲げ、経営トップによる「健康経営宣言」を制定しております。また、健康課題達成に向けた重要指標(KPI)として「総実労働時間の削減」「有所見者割合の改善」「喫煙者比率の改善」などを設定し、健康経営推進ワーキングを中心に各種取組みを実施しております。 この活動に対し、日本健康会議より、地域の健康課題に即した取組みや日本健康会議が進める健康増進の取組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している企業として、2019年2月より「健康経営優良法人ホワイト500」に3年連続で認定されております。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済情勢については、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、極めて厳しい状況が続くと見込まれます。建設業界においては、インフラ整備を中心とした公共事業投資が期待されるものの、民間設備投資については先行きの不透明感による縮小が想定されます。また、雇用環境の変化による労務逼迫に加え、サプライチェーンの機能低下に伴う資材供給停滞、感染防止対策の実施等により、進捗度及び収益性への影響が懸念されます。
当社グループをとりまく環境として、今後、建設投資の大きな増加は見込めない中、気候変動、資源不足、人口構造の変化など経営環境の変化は激しさを増しています。そのような状況において技術力をもって建設業を極めること、また、新たな領域に挑戦し中長期的な事業基盤を構築することが持続的成長には不可欠であるという認識のもと、上記の「中期経営計画2024」を推進し、企業戦力と価値の向上、事業活動の活性化を図ってまいります。
当社グループの事業に関するリスクについて、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあり、これらのリスクの発生の頻度や影響度合を認識した上で、リスクの発生回避とリスクが発生した場合の対策を以下のように考えております。また、当社におけるリスク管理の体制と枠組みについては、「第4 提出会社の状況、4 コーポレート・ガバナンスの状況等、(1)コーポレート・ガバナンスの概要、③企業統治に関するその他の事項」に記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
(注)※印はリスクとなる事象が既に発生しつつあり、徐々に影響度合が高まっていくことを認識しております。
当社グループは、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、初期段階では災害対策本部において、策定済の「感染症対策基本マニュアル」に基づき、全社的な対応体制を整えました。さらに、対応の長期化に備え、新しい生活様式の実践・定着も視野に常設組織として新型コロナウイルス対策委員会を設置し、政府や自治体をはじめ関係機関の方針に基づき、当社グループ社員・協力会社社員への感染防止及び感染拡大の阻止に向けた対応を推進しております。
当社グループ事業におきましても、世界的な景気の減退による受注環境の悪化、対策実施コストの増加や工期の遅延などによる工事利益の減少等、厳しい状況が続くことも想定されます。当社グループは、今後も引き続き社内外での感染防止対策を徹底することにより、事業継続ならびに業績への影響の最小化に取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
ア. 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、現金預金が114億円減少しましたが、受取手形・完成工事未収入金等が459億円、投資有価証券が426億円増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して1,012億円増加の7,357億円(16.0%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、1年内償還予定の社債が50億円減少しましたが、コマーシャル・ペーパーが200億円、社債が200億円増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して621億円増加の4,232億円(17.2%増)となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上197億円などにより、前連結会計年度末と比較して390億円増加の3,125億円(14.3%増)となり、自己資本比率は42.1%となりました。
イ. 経営成績の状況
当連結会計年度の連結売上高につきましては、前連結会計年度比2.2%減の5,071億円となりました。
営業損益につきましては、売上総利益は648億円と前連結会計年度比7.8%減少、販売費及び一般管理費が371億円と前連結会計年度比6.0%増加したことにより、営業利益は276億円と前連結会計年度比21.4%減少となりました。
経常損益につきましては、303億円の経常利益(前連結会計年度比20.7%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、197億円(前連結会計年度比23.6%減)となりました。
各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。
当社グループは当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っており、前連結会計年度との比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいております。詳細は、「第5 経理の状況」「1 連結財務諸表等」(セグメント情報等)の「1.報告セグメントの概要」をご参照ください。
なお、各セグメントの業績につきましては、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しておりま
す。
売上高は3,280億円(前連結会計年度比9.5%減)となり、セグメント利益(営業利益)は91億円(前連結会計年度比54.1%減)となりました。
当社個別の受注高につきましては、官公庁工事が前連結会計年度比39.4%増加したものの、民間工事が前連結会計年度比19.4%減少したことにより、全体では2,804億円と、前連結会計年度比11.1%減となりました。
売上高は1,363億円(前連結会計年度比16.5%増)となり、セグメント利益(営業利益)は141億円(前連結会計年度比32.5%増)となりました。
当社個別の受注高につきましては、官公庁工事が前連結会計年度比2.0%増加したものの、民間工事が前連結会計年度比23.6%減少したことにより、全体では1,351億円と、前連結会計年度比11.2%減となりました。
売上高は130億円(前連結会計年度比9.3%減)となり、セグメント利益(営業利益)は42億円(前連結会計年度比6.9%増)となりました。
売上高は558億円(前連結会計年度比6.8%増)となり、セグメント利益(営業利益)は22億円(前連結会計年度比12.8%増)となりました。
(新領域)
売上高は20億円(前連結会計年度比4.1%増)となり、セグメント損失(営業損失)は10億円(前連結会計年度3億円のセグメント損失)なりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ216億円減少し、1,037億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、211億円の資金減少(前連結会計年度は772億円の資金増加)となりました。税金等調整前当期純利益が293億円、仕入債務の増加により89億円の資金が増加しましたが、売上債権の増加により462億円、不動産事業支出金の増加により40億円、法人税等の支払により90億円の資金が減少したことが主な要因です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、308億円の資金減少(前連結会計年度は217億円の資金減少)となりました。投資有価証券の売却及び償還により64億円の資金が増加しましたが、有形固定資産の取得により257億円、投資有価証券の取得により41億円、持分法適用関連会社株式の取得により36億円の資金が減少したことが主な要因です。
財務活動によるキャッシュ・フローは312億円の資金増加(前連結会計年度は266億円の資金減少)となりました。長期借入金の返済により66億円、配当金の支払により79億円の資金が減少しましたが、コマーシャル・ペーパーの発行により200億円、社債の発行により200億円の資金が増加したことが主な要因です。
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建築事業、土木事業(以下「建設事業」という。)及び投資開発事業では生産実績を定義することが困難であり、かつ建設事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。
また、当社グループにおいては建設事業以外では受注生産形態をとっておりません。
よって、「生産、受注及び販売の状況」に記載すべき項目は可能な限り、「① 財政状態及び経営成績の状況」において、セグメントごとに記載しております。
なお、当社グループの営む事業の大部分を占める、提出会社の建設事業の状況は次のとおりであります。
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高―当期完成工事高)に一致します。
(注) 百分比は請負金額比であります。
ウ. 完成工事高
(注) 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度の完成工事のうち請負金額20億円以上の主なもの
当事業年度の完成工事のうち請負金額20億円以上の主なもの
3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
当事業年度
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
④ 次期繰越工事高(2021年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち請負金額20億円以上の主なものは、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の連結売上高につきましては、主に当社の建築事業における売上高が減少したことにより、全体としては前連結会計年度比2.2%減の5,071億円となりました。
営業損益につきましては、主に当社の建築事業において好採算の工事が減少したことなどにより、売上総利益は648億円と前連結会計年度比7.8%減少となりました。販売費及び一般管理費につきましては、人件費の増加等で371億円と前連結会計年度比6.0%増加したことにより、営業利益は276億円と前連結会計年度比21.4%減少となりました。
経常損益につきましては、受取利息及び保有する投資有価証券の受取配当金等により、303億円の経常利益(前連結会計年度比20.7%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、(仮称)新TODAビルの新築に伴う旧本社ビルの解体等により固定資産廃棄損等が発生しましたが、投資有価証券売却益等により、197億円(前連結会計年度比23.6%減)となりました。
各セグメントの状況及び分析は、以下の通りとなります。
なお、売上高にはセグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。また、セグメント利益欄の( )はセグメント利益率を示します。
(建築)
当連結会計年度は、売上高が3,280億円と、前連結会計年度より9.5%減少しました。また、セグメント利益率も2.8%と前連結会計年度より2.7ポイント減少しました。利益率の高い大型工事の進捗が一巡したこと等が影響し、売上高、セグメント利益ともに減少しております。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、作業所における施工力及び生産性の向上を目的として、フロントローディングやICTの活用を推進しました。また、将来的なDXに向けて基盤となるBIMへの取組みを加速させるため、組織の再編等を進めました。今後、こうした取り組みを更に推進し、競争力を一層強化するとともに、多様な顧客のニーズに適合した付加価値の高いサービスの提供に努めてまいります。
(土木)
当連結会計年度は、売上高が1,363億円と、前連結会計年度より16.5%増加しました。豊富な手持工事の堅調な進捗により売上高が増加しております。また、セグメント利益率も10.3%と前連結会計年度より1.2ポイント増加しました。追加工事等の獲得により、セグメント利益額・利益率ともに前連結会計年度を上回っております。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、保有技術の活用やコスト管理部門の新設、大型案件・新分野への挑戦等により、受注力の強化を図ってまいりました。また、ICTやAIの活用により省力化・自動化・無人化等の生産性向上、及び安全性向上に取り組んでまいりました。今後、こうした取組みを更に推進し、土木事業における収益の拡大を図ってまいります。
(投資開発)
当連結会計年度は、売上高130億円と、前連結会計年度より9.3%減少しました。また、セグメント利益が42億円と、前連結会計年度より6.9%増加しました。販売用不動産の売却によりセグメント利益が向上しております。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、当社保有不動産の有効活用では旧工作所跡地(東京都江東区)における開発計画「L stay&grow南砂町」が竣工しました。また、賃貸事業では沖縄県の賃貸マンションを取得し、安定的な収益を確保していきます。現在施工中の(仮称)新TODAビルについては、新ビル運営に向けた体制整備を推進し、開業に向けて万全な準備を進めております。
(国内グループ会社)
当連結会計年度は、売上高が558億円と前連結会計年度より6.8%増加し、セグメント利益も22億円と、12.8%増加しました。土木工事における追加工事の獲得や、リニューアル工事において大型案件の取り組み強化を行ったことにより、売上高、セグメント利益ともに増加しております。
今後も、グループ各社とのシナジーや相互補完、M&Aによる業容拡大により、グループ力を高めてまいります。
(新領域)
当連結会計年度は、売上高が20億円と前連結会計年度より4.1%増加しましたが、セグメント損失は10億円となりました。浮体式洋上風力発電事業において、売電収益に比して研究開発に要する支出が先行していること等が影響しております。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、当社の子会社であるToda America, Inc.がアメリカ合衆国での事業基盤の確立及び更なる業容拡大のため、オフィスビル2物件を取得しました。
今後は、埼玉県深谷市における太陽光発電事業やブラジルにおける風力発電事業の取組み等、新たな収益基盤の構築に向けて積極的に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりであります。
(キャッシュ・フローの状況)
「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(1) 経営成績等の状況の概要」の「② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資金需要)
当社グループにおける主な資金需要は、運転資金として工事施工に要する外注費等の工事費用、及び販売費及び一般管理費並びに設備投資資金です。
設備投資の概況については「第3 設備の状況」の「1 設備投資等の概要」をご参照ください。
(資金の流動性)
当社グループは、主要な連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、日本国内のグループ内資金を一元管理しています。各グループ会社のキャッシュ・フローを集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、リスク管理の強化及び金融負債の極小化を図っています。
(資金調達の状況)
主に自己資金の活用又は金融機関等からの借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債の発行により資金を調達しております。重要な設備投資に係る資金調達方法については「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
特記事項はありません。
当社グループは、社会、顧客及び社内各部門のニーズやCSRに的確に応えるため、技術開発センターを中心に技術部門の総力を結集して、基礎的研究から新製品開発までの幅広い研究開発活動を行っております。特に重要なテーマについては「技術研究開発プロジェクト」を起こし、全社的な取り組みで短期間に開発を行い着実に成果をあげております。また、西松建設㈱との共同研究をはじめ、公的機関、大学、異業種企業、同業他社との技術交流、共同開発を積極的に推進して、多様な分野での研究開発の効率化を図っております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(建築及び土木)
(1)建築環境関連技術
当社は「エコ・ファースト企業」として環境大臣と当社が施工中に排出するCO2総量を2030年に1990年比70%削減、2050年には80%削減することなどを約束しております。また、前述の約束に相当する当社のCO2排出量の削減目標は、SBTイニシアチブよりパリ協定に整合するものであるという認定も受けています。
建設工事施工中に発生するCO2排出量を削減する活動を「低炭素施工システム(TO-MINICA)」と称し、全国の作業所で活用しております。
こうした活動は外部からも評価されており、全世界の企業の環境活動を評価するCDPイニシアチブからは、最高評価である「気候変動A List」に2018年、2019年、2020年と3年連続で選ばれました。また、2019年1月には、事業運営における電力を100%再生可能電力で調達する取り組みであるRE100に加盟し、同年5月には、TCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)に賛同しました。TCFDの推奨事項に基づき、2020年に当社では、今後世界の平均気温が最大4℃上昇した場合と1.5℃に抑制できた場合の2種類のシナリオを用いて当社の事業活動におけるリスクと機会を分析しました。その結果、1.5℃に抑制できた世界の実現を目指すことが当社の事業活動にとっても優位であることを確認しています。
環境配慮建築に対する各種要素技術を総合的に実験・検証するために、技術研究所に建設した「環境技術実証棟」における成果を生かしつつ、省エネルギーに加えてCO2排出量の削減に向けた「(仮称)カーボンマイナス棟」へのリニューアルを進めています。同棟では、断熱・遮熱の工夫や自然エネルギー利用、高効率設備などの導入によりZEB(ネット・ゼロエネルギー・ビル)を達成した上で、緑化や木材の利用などによるCO2の吸収・固定化などによりライフサイクルにおけるCO2収支をマイナスとすることを目指すとともに、ICT技術を活用した環境制御手法などの新しい技術開発にチャレンジしています。
さらに、技術研究所においては、構造・施工実験棟屋上に4種類の太陽光パネルを設置し、所内の省エネルギーを図るとともに、発電効率、天候や気温による性能、パネルの経年劣化、ライフサイクルコストの違いなどの比較検討を進めております。
当社ではZEBの普及を目指すことで、当社が引き渡した建物の運用中のエネルギー使用量及びCO2排出量の削減に取り組んでいます。
(2)生物多様性関連技術
植生や生物の地域特性を考慮し、緑化設計の妥当性を評価できる「生物多様性評価システム」、食品工場などの防 虫対策に関するノウハウまとめた「防虫学校」を開発し、社内展開を図っております。
また、関東・水と緑のネットワーク拠点百選にも選出されている研究所敷地には、新たに地域性在来植物のみで構 成されたビオトープ「つくば再生の里」を整備し、希少種・自生種などの保護・保全手法の研究に取り組んでおります。
(3)放射性廃棄物処分の関連技術
放射性廃棄物処分関連技術としては、地下深部での地震動測定と耐震性評価、ベントナイトに関する技術の開発に取り組んでおります。また、海外情報調査、新規制基準制定に伴う学会標準改定の業務、原子力発電所の廃炉に関する調査実績があります。
(4)超高層建物構工法関連技術
超高層RC造では、SuperHRCシステムを積極的に採用し、建設中を含めて延べ60棟に適用しております。2016年2月に竣工した55階建て超高層集合住宅では設計基準強度200N/mm2の超高強度コンクリートを採用しました。また、現在施工中の35階建て超高層集合住宅では、西松建設㈱と共同開発したコンクリート強度打ち分けプレキャスト梁工法(フュージョンビーム工法)を採用し、施工の効率化を図っております。また、一部をプレキャスト化した高強度コンクリート連層耐震壁(コアウォール)を開発し、弊社保有の端部RC中央S梁工法と組み合わせて、広い執務空間を有する超高層事務所ビル構築技術を確立し、(仮称)新TODAビルに適用します。
コンクリート充填鋼管(CFT)造では、鉄筋を内蔵した鋼管に高強度のコンクリートを充填した高強度Super CFT造を開発し、構造評定を取得しました。設計施工で高さ178mの複合ビルや設計中の案件を含めて12棟の実績があります。また、充填コンクリート強度150N/mm2のCFT柱を(仮称)新TODAビルに適用します。
(5)免震・制振技術
地震の揺れに応じて減衰性能を電気的に切り換え、小中地震から大地震まで幅広い範囲で揺れを抑えることが可能な「セミアクティブダンパー」を開発しました(2021年4月1日大臣認定取得)。また、電源を用いず減衰のON/OFFを切り換える「自己復元型トリガー機構」や、想定外の大地震に対して免震建物が周囲の擁壁などと衝突した場合の安全対策、津波や洪水などに対する免震構造の水害対策についても研究開発を進めております。
精密生産施設の微振動対策技術では、「オイルダンパー付き弾性すべり支承」を開発し、2016年2月に生産施設に適用しております。
(6)BCP関連技術
東日本大震災の教訓を受け、地震後の建物の損傷を迅速かつ的確に評価可能な地震モニタリングシステム「ユレかんち」を、BCPのためのソリューション技術として展開しております。「ユレかんち」はIoT技術を応用したローコストなシステムであり、遠隔地から事務所、工場等の複数建物の一括監視を可能にしております。社内物件29棟、社外物件65棟に適用しております。
(7)天井脱落対策技術
在来工法天井の落下・脱落防止対策として「天井耐震クリップ工法」を開発し、技術審査証明(ベターリビング2013年3月取得、2018年3月更新)を取得しました。また、特定天井にも適用可能な高い耐震性能を有する「ペアロッククリップ」を開発し、2016年9月より当社の施工現場で標準的に採用されております。
また、天井内に多数設置される斜め材の代わりに、門型の抵抗部材を集約して設置し、天井内に多くのスペースを確保しながら、高い耐震性能を実現する「門天工法」を開発しました。「門天工法」は、2017年12月に日本建築センターの評定を取得し、現在2物件での採用実績があります。
(8)基礎・地盤関連技術
場所打ちコンクリート杭について、常時及び地震時における支持力及び引抜き抵抗を向上させ基礎構造の減量化・合理化をはかるための「Me-A工法」を開発し、高層建物への適用など水平展開を進めております。2021年3月時点で共研他社も含めて470件を超える実績があります。
山留め壁の本設利用技術である「RCS合成壁/杭工法の剛性構造としての性能(TO-SCW工法)」及び「PSPⅡ工法-芯材を有するソイルセメント改良体工法-」を改良し、ベターリビングの評定及び日本建築総合試験所の性能証明を取得しました。現在改良後3物件で適用しております。
(9)建築仕上げ材料関連技術
高耐久性床、抗菌・防かび床、帯電防止床を開発し、実用化しております。また、臭気対策として「ゼオライト消臭塗料(オドキャッチャー)」、抗菌対策として光触媒技術を利用した抗菌コーティング材を開発し、病院等に展開しております。
また、木質材料の利用拡大を目指し、積極的に技術研究所内に採用するとともに、耐久性評価などの研究開発を進めております。
(10)建築生産システム関連技術
地上の施工技術では、BIMデータを活用した鉄骨柱自動計測・調整システムの新規開発、仮ボルト不要接合工法の改良を行い、社内展開を進めております。ロボット技術では、SLAM技術を用いた自律搬送ロボと工事用エレベータが連動する垂直・水平自動搬送システムを開発し、超高層オフィスビル作業所の仕上げ材搬送作業に適用しました。今後は搬送効率を向上させるべく、改良を進めていきます。また、BIMや衛星測位を利用したタワークレーン3次元自動誘導システムの開発・現場検証を進めており、吊荷旋回制御装置については、小型化・大型化・バランサーの追加開発など、適用範囲の拡大を進めております。
地下の施工技術では、水の凍結膨張圧を利用した現場造成杭の余盛りコンクリートを低騒音、低振動、無粉塵で杭頭処理を行うことができる「しずかちゃん」(凍結杭頭処理工法)を全支店展開しており、2021年3月時点で408本の実績があります。
また、周辺への振動が問題となるコンクリート構造物を解体するための技術として、水素系混合ガスと特殊な金属粉を使用することで、無振動でガス切断することができる「マスカット工法」、及び鉄筋コンクリート構造物の鉄筋を直流電源で通電加熱し、鉄筋の熱膨張と発熱を利用して鉄筋周辺のコンクリートを脆弱にする「マスホット工法」の開発を進めており、2物件に適用しました。
(11)ICT生産管理関連技術
ICT及びIoT技術を活用し、現場の安全・品質の向上、施工効率を高めることを目的に、様々なシステム開発に着手しました。AR・MR等の画像処理技術を活用したコンテンツやシステムの開発を行っております。場内通信については、無線メッシュネットワークのシステム検証と、建設中の建築・土木工事で新しいネットワーク環境の研究を進めております。
また、建設現場の作業者に対する熱中症の防止などを目的として、生体情報や周囲環境(作業環境)をヘルメット取り付け型センサデバイスでリアルタイムに監視する「作業者安全モニタリングシステム」を㈱村田製作所と共同で開発し、展開を図っております。
(12)音響・遮音関連技術
ホールなどの大空間における音楽・講演等をより快適に聴くことのできる空間を提供する室内音響関連技術、交通騒音や隣室騒音等の聞きたくない音を低減する遮音関連技術の双方の研究開発を実施し、多くの実物件に適用しております。
防音壁などの先端部に取り付けることで大きな騒音低減効果が得られるエッジ効果抑制パネル「エッジサイレンサー」を開発し、工事中の騒音対策だけでなく本設にも適用し、日本音響学会技術開発賞を受賞しました。
集合住宅で問題となる重量床衝撃音に対して、天井内に敷設するだけで低減できる、床衝撃音低減材「サイレント・ドロップ」をフクビ化学工業㈱と共同開発し、建材設備大賞を受賞しました。
また、敷地境界における騒音予測システムを開発し社内展開を図るとともに、音に関する様々な事象を高精度に体験できるよう、技術研究所内の音場シミュレーターを拡張・更新しております。
(13)シールド関連技術
シールド工法の分野では、狭隘な都市域において発進立坑用地の確保を容易にするために開発した「省面積立坑システム」は、当社施工28件、他社施工分を含めると47件の現場適用実績を持ちます。地盤変状の抑制を目的に開発した「掘進停止時裏込め注入システム」、気泡シールドで使用する安全性・経済性に優れる新たなる気泡剤「LT2」及びシールドの発進到達の効率化を図った「バサルト繊維を用いた仮壁直接切削技術」に関しては実用化を図るとともに、効率化・品質向上を図る目的でAIを活用した「AI Transformシールド」の開発も進めております。また、推進工法の分野では、呼び径3500を超える超大口径推進工事の実績を積み上げるとともに、推進工法を応用した「交差点アンダーパス工法」、「非開削トンネル構築工法」等の技術を開発し、営業展開、現場適用に取り組んでおります。
(14)山岳トンネル技術
増加基調の山岳トンネル工事に対応する技術として、覆工品質の向上、支保・補助工法技術の改良、調査計測技術の高度化、環境負荷低減、自動化・高速施工などに係る技術開発及び現場適用に積極的に取り組んでおります。
覆工品質の向上については、覆工コンクリートの充填センサである「ジュウテンミエルカ」の開発が完了し、打設状況の可視化ツールとして一般販売を開始しました。支保・補助工法技術については、吹付けリバウンドが低減できる「Me吹付けコンクリート」、ロックボルト軸力が可視化できる「Eye Washer」、防水シートの損傷防止に寄与する「突起レスロックボルト」、脚部補強工の「NT-Support」の現場適用に取り組んでおります。調査計測における切羽前方地山の可視化ツールとして開発した「DRiスコープ」は、2017岩の力学連合会フロンティア賞を受賞し、さらなる現場適用を推進しております。環境負荷低減技術についても、帯電ミストを用いた粉じん抑制技術や発破低周波音抑制技術の開発を行い現場適用に取り組んでおります。また、生産性向上を目指した自動化・高速施工技術としては、自動吹付けシステム、鋼製支保工切羽無人化施工システム、覆工セントルセット及び打設管理の自動化、防水シート台車及び覆工セントルの自動レールシステム、コンピュータジャンボの穿孔データとAI技術を活用した地山評価及び発破設計のシステム開発に取り組んでおります。
(15)コンクリート技術
設計基準強度200N/mm2 の超高強度コンクリートや、収縮を低減させることでひび割れを防止し高耐久化を図るコンクリート(低収縮コンクリート)の開発・現場適用を行っております。さらに、収縮をほとんどゼロにした極低収縮コンクリートを共同開発し、複数の現場適用を行っているなか、2020年度にはBSL-4(バイオセーフティレベル4)を要求する高気密性実験施設の実験室躯体への適用も行いました。また、コンクリート工事の生産性及び品質を向上する高機能性流動化剤を開発し、全国に適用を開始しております。
品質管理に関して、コンクリートの現場受入時の品質管理システムやコンクリート施工時の打重ね時間管理システムを構築しました。また、(独)土木研究所との共同研究である「ボス供試体によるコンクリート構造物の品質検査法」については、JIS規格として制定され、国土交通省地方整備局の橋梁直轄工事に採用されております。
既設コンクリート構造物の健全度評価技術として、透気・透水試験器を用いた評価方法や小径のコア内で強度を推定する「孔内局部載荷試験」を開発し、実際の調査・点検業務に展開しております。
(16)インフラ再生技術
既設トンネル等の補修補強工法として、新しい無機系繊維材料を用いた「BFP修繕工法」を開発しました。本工法は連続繊維をプレート状に加工し、トンネル覆工内面に設置することで耐荷性や変形性能を向上させる工法であり、鉄道トンネルを主体として現場展開しております。また、高速道路等の「既設床版架替えに係る新型継手工法」を開発中であり、今後、老朽化したインフラ再生技術の開発について積極的に取り組んでいきます。
(17)基盤整備関連技術
わが国の持続的発展を図る上で、社会基盤整備は急務の課題であり、それらを支援するために各種の技術提案及び開発を実施しております。オーバーパスに対応した立体交差急速施工技術「すいすいMOP工法」(2現場竣工済)、アンダーパスに対応した非開削トンネル構築技術「さくさくJAWS工法」(鉄道工事に採用)、鉄道連続立体高架の工期短縮を実現するプレキャストアーチ式高架橋「すいすいSWAN工法」、開削地下構造物の急速構築技術「さくさくSLIT工法」を積極的に提案展開しております。液状化対策技術「ハイグリップグラウト工法」、排泥量削減を目指した地盤改良技術「ハイブラストジェット工法」、環境負荷の低減を可能とした地盤掘削技術「気泡掘削工法」及び「特殊ポリマー安定液工法」など、持続可能で災害に強い基盤整備に資する施工技術の向上を目指しております。また、大規模加速器計画などの地下岩盤利用分野についても積極的に取り組んでおります。
(18)医療施設関連技術
病院内の臭気対策として「ゼオライト消臭塗料(オドキャッチャー)」を開発し、さらに、光触媒技術の利用をはじめとした「院内感染対策トイレシステム」を開発しております。
また、無線通信技術を利用した次世代病院向け照明システム「スマートホスピタルライティングシステム」や、病室向けにコンパクト設計で施工の省力化も図れる「システム洗面ユニット」を開発し、複数の病院に採用頂いております。
さらに、新型コロナウイルス感染症による感染拡大対策として、医療施設において、簡易にゾーニング(区画)変更を実現する「感染対策ユニット」を開発・実用化するとともに、ウイルス対策としての空気清浄機の性能評価にも取り組んでおります。
(新領域)
(1)再生可能エネルギー関連技術
鋼とコンクリートを複合利用した浮体式洋上プラットフォームの技術を共同開発し、風力発電に応用、環境省による「浮体式洋上風力発電実証事業委託業務」を受託し、2013年度には実証機(2MW)の実海域設置を成功させ、2015年度に予定通り実証事業を終了しました。2016年度には日本初の実用化を実現し、発電事業として運転データを収集し、制御、設計技術に反映しております。また、コスト削減のための量産化や施工合理化、係留、調査、O&Mなど、普及拡大に向けた技術開発を継続しております。
(2)農業関連技術
茨城県常総市内に農業実証ハウス「TODA農房」を建設し、土地整備関連事業等における提案技術の一つとして、主に施設園芸農業の事業化や園芸ハウスの建設等に関する技術開発を開始しました。また、筑波技術研究所内に人工光栽培実験室を増設し、各種環境条件が植物の生育に与える影響等に関する技術開発を開始しました。
(3)連結子会社における主な研究開発
オフショアウィンドファームコンストラクション㈱において、環境省の「低炭素型浮体式洋上風力発電低コスト化・普及促進事業」の補助を受けて浜出船を建造し、2018年3月に完成しました。2020年度は補助事業を継続し、浜出船等を活用した実証施工を行い、浮体式洋上風力発電施設における建設費の低コスト化及び施工の低炭素化を検証しました。
(投資開発及び国内グループ会社)
研究開発活動は特段行われておりません。