文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、2020年5月に発表した「中期経営計画2024」を見直し、2024年度までの3ヵ年を対象とする「中期経営計画2024ローリングプラン」を策定しました。
当社グループでは、2020年度から2024年の5ヵ年を「新たな収益基盤構築のための『変革フェーズ』」と位置付け、建設事業の競争力強化、成長投資を通じた事業ポートフォリオ改革に取り組んでまいりました。
一方で、コロナ禍の長期化、物価の高騰、建設投資の停滞等を背景に、計画の前提条件の変化が急速に進んでおります。加えて、2021年7月に発表した「未来ビジョンCX150」の実現に向けた戦略を明らかにし、グループを挙げて取り組んでいくことが重要となっております。
このような認識のもと、業績目標について一部見直すとともに、その達成に向けた戦略を強化し、更なる変革を進めることによって持続的成長を実現してまいります。
1.ローリングプランの基本方針
・未来ビジョンCX150の実現を通じて、全てのステークホルダーに対して真に認められる価値を提供する。
・新TODAビル(2024年竣工予定)、浮体式洋上風力発電事業(2024年運転開始予定)等の成長投資を推進し、事業ポートフォリオを強化する。
未来ビジョンCX150
2021年の創業140周年を機に、さらにその先、2031年の150周年に目指す姿として「未来ビジョンCX150(Corporate Transformation toward TODA Group 150th)」を策定。
事業展開領域:4つの領域において顧客価値を提供し、協創社会の実現に貢献
2.2024年度 グループ業績目標
ローリングプランのポイント
(1) 連結売上高・営業利益等
※ 労働生産性=付加価値額(営業利益+総額人件費)÷社員数(期中平均、派遣社員等を含む)
(2) 事業別売上高・利益
・建築事業について減額修正となるものの、土木・戦略事業における収益成長を通じて業績目標の達成を
計画する。
※ 連結売上高・営業利益には連結消去を含む
※[ ]は利益率
(3) 株主還元
・直接的な利益還元と中長期的な株価上昇による株主還元を目指し、DOE2.5%以上、ただし総還元性向40%以上を方針とする。
※ DOE(自己資本配当率)=配当総額÷自己資本
※ 総還元性向=総株主還元額(配当総額+自社株式取得総額)÷親会社株主に帰属する当期純利益
3.基本戦略
ローリングプランのポイント
(1) 付加価値の向上
① Smart Innovationの推進
・機械化施工、新技術・ICT利活用を通じて、安全性・生産性の向上を図る。
・デジタルトランスフォーメーション(BIM/CIM、i-Construction等)による、
新たなビジネスモデルを創造する。
② 体験価値(顧客エクスペリエンス)の向上
・顧客が建設物を利用するまでの「体験」をデザインし、新たな顧客価値を創出する。
・バリューユニットを基軸とした技術・ソリューション開発(社内・外連携、オープンイノベーション等)を推進する。
※ バリューユニット:各事業展開領域において提供するべき顧客価値(体験価値)の区分
③ 重点管理事業
・重点管理事業として「新TODAビル」「海外事業」「再エネ事業」を特定し、トップマネジメントの積極的関与のもと中長期的成長を目指す。
(2) 投資計画と資本アロケーション(適正配分)
・ROE8%を中長期的に確保するため、成長・無形資産投資を通じた事業ポートフォリオの強化とともに、事業別ROIC(投下資本利益率)を採用し資本効率の向上を図る。
・投資原資として、営業利益の確保(3ヵ年累計800億円以上)をベースに、保有資産の売却(670億円)、政策保有株式の売却(100億円以上/年、時価ベース)、有利子負債の活用(D/Eレシオ0.8倍以下)を推進する。
※ 無形資産投資は一般管理費計上分と資産計上分の合計
(3) ESG経営の強化
・環境・エネルギー事業、脱炭素化への取り組み等を通じ、環境先進企業としてのブランドを確立する。
・社員一人ひとりが成長を実感できる“働き甲斐改革”を推進する。
・リスクマネジメント(環境、労働安全衛生、投資、コンプライアンス等)を強化する。
・取締役会構成の見直し等を通じて監督と執行を分離し、各機能の強化を図る。
※ スコープ1:軽油等の使用により直接排出されるCO2排出量
スコープ2:購入した電気・熱の使用により発電所で間接的に排出されるCO2排出量
スコープ3:スコープ1・2以外の間接排出量
カテゴリ1:建設資材製造時の排出量、カテゴリ11:施工した建物運用期間中の排出量
※ 原単位 スコープ1+2:売上高1億円当たりの排出量
カテゴリ1:取引金額1億円当たり排出量、カテゴリ11:竣工延床面積1㎡当たり排出量
※ 全度数率=全労働災害件数÷延労働時間(100万時間)
度数率=休業4日以上の労働災害件数÷延労働時間(100万時間)
※ 時間当たり労働生産性=付加価値額(営業利益+総額人件費)÷社員数÷平均総実労働時間
(ブランド価値資産向上への取組み)
当社では、社会的に有用かつ当社グループのブランド力強化に不可欠となる資産をブランド価値資産と定義し、更に無形資産とESG価値に分類した上で、それらの向上に向けた投資を行いました。当事業年度のブランド価値資産に対する投資額は、ソフトウェアやデータベース等の情報化資産や、気候変動や生物多様性等の環境分野を中心に、合わせて13,238百万円(前事業年度8,353百万円)となりました。今後も積極的な投資を通じて、ブランド価値資産の向上に努めてまいります。
※ 投資額は各項目における一般管理費と投資(資産計上額)の合計値
(人財育成と人財開発)
当社は「人財の価値創造」に向けて、重要な業務の担い手になり得る経営人財を継続的に輩出するべく、自己発働型人財の育成に注力しております。自己発働型人財表彰によりモチベーションを高め、さらにはポテンシャル人財50名を選出してキャリアコーチによる伴走型コーチングを実施して、次世代経営人財の育成に取り組んでおります。
また、社員一人ひとりの自律的なキャリア構築を促すべく、外部のキャリアコンサルタントとの1対1での面談により気づきを与えた上で、eラーニングによるリスキリングの場を用意して社員各々がカリキュラムを選択しながら自由に学習できるようにします。2021年度は50歳代の希望者220名が面談し、2022年度からは30歳、40歳、50歳、55歳の社員全員約500名を対象に実施いたします。
※自己発働型人財:自社の目指す姿を理解し達成意欲を持って主体的に行動できる人財
※ポテンシャル人財:より重要なミッションを担える潜在能力を持った人財
(ダイバーシティ&インクルージョン)
当社は、グローバルで持続的成長を図るための経営戦略の一つとして、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しております。
2014年にダイバーシティ推進室を発足後、「女性活躍」を中心に「キャリア形成」「管理職の意識・行動」「就業環境」のカテゴリーに分け、取り組みを強化してまいりました。
「就業環境」においては、2018年度より全社でフレックスタイム制を一斉に導入しております。また、本社ビルの建替えに合わせ、本社機能を分散、サテライト化し、ノウハウを全社に展開しています。環境から働き方を変えることで、多様な人財の能力が発揮できる仕組みをつくっています。
・男性育児休業取得率100%(2020,2021年度)
・PRIDE指標2021シルバー(LGBTQに関する取組指標)、同性パートナーシップ制度の導入
・えるぼし認定2(女性活躍推進法)
(グローバリゼーション活動)
当社は、多角的に事業展開し、国内・海外の区別なく仕事ができる「グローバル企業」を目指しております。グローバルな事業展開の為、従来の取組み方にとらわれず、業務の対象・内容・やり方の見直しを進めております。語学力・コミュニケーション力に優れ、文化的・歴史的背景による価値観や特性の違いを乗り越えて、先見性を持って複数の国にまたがるビジネスを推進できる「グローバル人財」を育成・採用しております。
・海外職員の日本研修制度
2020年 1期生4名(タイ・ミャンマー・西アフリカ)、2021年 2期生2名(タイ・ベトナム)、2022年 3期生6名(タイ・ベトナム・ミャンマー)
・英語の第二公用語化、社内文書の英語化活動
コーポレートレポート、(安全)建設標準集、入札書類 等30件ほど対応
・日本人社員への英語研修、語学研修生制度
英語研修として2020年4月からオンライン学習を開始、希望社員に原則無償で提供、400名前後が受講
(健康経営の推進)
当社の最大の財産は「人」であります。社員が心身ともに健康でなければ、新しい価値の創出や会社の持続的成長はありません。
当社グループは、「健康経営の推進」を重要施策として掲げ、経営トップによる「健康経営宣言」を制定しております。また健康課題達成に向けた重要指標(KPI)として「総実労働時間の削減」「有所見者割合の改善」「喫煙者比率の改善」などを設定し、健康経営推進ワーキングを中心に各種取組みを実施しております。
・健康経営優良法人ホワイト500 4年連続認定
・有所見者への保健指導の実施、「保健だより」の定期発行
・新型コロナウイルスワクチン職域接種の実施(21日間、4,938人接種)
・健康講話の実施(管理職を中心に5回、227人参加)、健康経営推進ワーキング4回開催
※健康経営推進ワーキング:本社健康管理課、各支店総務(管理)グループ課長及び職員組合代表者を
メンバーとし、健康経営実現に向ける各種施策を推進
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済情勢については持ち直していくことが予想されますが、新型コロナウイルス感染症の動向に加え、ウクライナ情勢に起因する地政学的リスクにより、依然として不透明な状況が続くことが見込まれます。建設業界においては、官公庁工事が底堅く推移し、民間工事は持ち直しの傾向となっているものの、建設資材価格の高騰等の影響について注視していく必要があります。
当社グループをとりまく環境として、今後、建設投資の大きな増加は見込めない中、気候変動、資源不足、人口構造の変化など経営環境の変化は激しさを増しています。そのような状況において技術力をもって建設業を極めること、また、新たな領域に挑戦し中長期的な事業基盤を構築することが持続的成長には不可欠であるという認識のもと、上記の「中期経営計画2024ローリングプラン」を推進し、企業戦力と価値の向上、事業活動の活性化を図ってまいります。
当社グループの事業に関するリスクについて、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあり、これらのリスクの発生の頻度や影響度合を認識した上で、リスクの発生回避とリスクが発生した場合の対策を以下のように考えております。また、当社におけるリスク管理の体制と枠組みについては、「第4 提出会社の状況、4 コーポレート・ガバナンスの状況等、(1) コーポレート・ガバナンスの概要、③ 企業統治に関するその他の事項」に記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
(注)※印はリスクとなる事象が既に発生しつつあり、徐々に影響度合が高まっていくことを認識しております。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症への対応組織として新型コロナウイルス対策委員会を設置し、政府や自治体をはじめ関係機関の方針に基づき、当社グループ社員・協力会社社員への感染防止及び感染拡大の阻止に向けた対応を推進しております。
当社グループ事業におきましても、世界的な景気の減退による受注環境の悪化、対策実施コストの増加や工期の遅延などによる工事利益の減少等も想定されます。当社グループは、今後も引き続き社内外での感染防止対策を徹底することにより、事業継続並びに業績への影響の最小化に取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
ア. 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、投資有価証券が76億円減少しましたが、現金預金が255億円、建物・構築物が73億円増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して254億円増加の7,611億円(3.5%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、支払手形・工事未払金等が162億円減少しましたが、短期借入金が116億円、社債が103億円、長期借入金が63億円増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して189億円増加の4,421億円(4.5%増)となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、その他有価証券評価差額金が60億円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上185億円などにより、前連結会計年度末と比較して65億円増加の3,190億円(2.1%増)となり、自己資本比率は41.6%となりました。
イ. 経営成績の状況
当連結会計年度の連結売上高につきましては、前連結会計年度比1.1%減の5,015億円となりました。
営業損益につきましては、売上総利益は626億円と前連結会計年度比3.4%減少となり、販売費及び一般管理費が382億円と前連結会計年度比3.0%増加したことにより、営業利益は243億円と前連結会計年度比12.0%減少となりました。
経常利益につきましては、281億円と前連結会計年度比7.4%減少となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、185億円と前連結会計年度比6.0%減少となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は30億円増加しました。
各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。なお、各セグメントの業績につきましては、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。
売上高は3,046億円(前連結会計年度比7.1%減)となり、セグメント利益(営業利益)は78億円(前連結会計年度比14.7%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は82億円増加しました。
当社個別の受注高につきましては、国内官公庁工事が前事業年度比24.7%減少しましたが、国内民間工事が前事業年度比26.5%増加したことにより、全体では3,228億円と、前事業年度比15.1%増となりました。
売上高は1,479億円(前連結会計年度比8.5%増)となり、セグメント利益(営業利益)は119億円(前連結会計年度比15.6%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は91百万円減少しました。
当社個別の受注高につきましては、国内官公庁工事が前事業年度比19.8%増加しましたが、国内民間工事が前事業年度比35.0%減少したことにより、全体では1,294億円と、前事業年度比4.2%減となりました。
売上高は214億円(前連結会計年度比64.9%増)となり、セグメント利益(営業利益)は41億円(前連結会計年度比1.9%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は12百万円減少しました。
売上高は451億円(前連結会計年度比19.0%減)となり、セグメント利益(営業利益)は19億円(前連結会計年度比16.3%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は130億円減少しましたが、その内主なものはセグメント間の内部売上高であります。
(新領域)
売上高は29億円(前連結会計年度比48.6%増)となり、セグメント損失(営業損失)は2億円(前連結会計年度10億円のセグメント損失)なりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ255億円増加し、1,293億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、272億円の資金増加(前連結会計年度は211億円の資金減少)となりました。税金等調整前当期純利益が282億円となり、仕入債務の減少により162億円の資金が減少しましたが、減価償却費により47億円、販売用不動産の減少により43億円の資金が増加したことが主な要因です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、204億円の資金減少(前連結会計年度は308億円の資金減少)となりました。投資有価証券の売却及び償還により63億円の資金が増加しましたが、有形固定資産の取得により218億円、投資有価証券の取得により33億円、無形固定資産の取得により25億円の資金が減少したことが主な要因です。
財務活動によるキャッシュ・フローは183億円の資金増加(前連結会計年度は312億円の資金増加)となりました。配当金の支払により92億円の資金が減少しましたが、短期借入金により138億円、社債の発行により100億円、長期借入金により38億円の資金が増加したことが主な要因です。
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建築事業、土木事業(以下「建設事業」という。)及び投資開発事業では生産実績を定義することが困難であり、かつ建設事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。
また、当社グループにおいては建設事業以外では受注生産形態をとっておりません。
よって、「生産、受注及び販売の状況」に記載すべき項目は可能な限り、「① 財政状態及び経営成績の状況」において、セグメント毎に記載しております。
なお、当社グループの営む事業の大部分を占める、提出会社の建設事業の状況は次のとおりであります。
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高―当期完成工事高)に一致します。
3 収益認識会計基準等の適用による影響額を当事業年度の前期繰越工事高に加減しております。
(注) 百分比は請負金額比であります。
ウ. 完成工事高
(注) 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度の完成工事のうち請負金額20億円以上の主なもの
当事業年度の完成工事のうち請負金額20億円以上の主なもの
3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
当事業年度
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
④ 次期繰越工事高(2022年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち請負金額20億円以上の主なものは、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の連結売上高につきましては、当社の土木事業及び投資開発事業が増加しましたが、当社の建築事業が減少したことなどにより、全体としては前連結会計年度比1.1%減の5,015億円となりました。
営業損益につきましては、主に当社の建築事業及び土木事業における利益が減少したことなどにより、売上総利益は626億円と前連結会計年度比3.4%減少となりました。また、販売費及び一般管理費が人件費及び減価償却費等の増加により382億円と前連結会計年度比3.0%増加したため、営業利益は243億円と前連結会計年度比12.0%減少となりました。
経常利益につきましては、受取利息及び保有する投資有価証券の受取配当金等がありましたが、281億円と前連結会計年度比7.4%減少となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、投資有価証券売却益等がありましたが、(仮称)新TODAビルの新築に伴う旧本社ビルの解体等において固定資産廃棄損等が発生したことにより、185億円と前連結会計年度比6.0%減少となりました。
各セグメントの状況及び分析は、以下の通りとなります。
なお、売上高にはセグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。また、セグメント利益欄の( )はセグメント利益率を示します。
(建築)
当連結会計年度は、売上高が3,046億円と、前連結会計年度より7.1%減少しました。また、セグメント利益率も2.6%と前連結会計年度より0.2ポイント減少しました。大型工事の進捗が一巡したことに加えて資材価格の高騰等が影響し、売上高、セグメント利益ともに減少しております。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、DXの基盤となる新しい建築生産プロセスの確立に向けたBIMの全社的な本格運用を充実させました。今後、こうした取り組みを更に推進して建築のライフサイクル全体を通した高付加価値の提供に努めてまいります。
(土木)
当連結会計年度は、売上高が1,479億円と、前連結会計年度より8.5%増加しました。豊富な手持工事の進捗により売上高が増加しております。一方、セグメント利益率は8.1%と前連結会計年度より2.2ポイント減少しました。大型工事の工程遅延によるロスコストの発生等により、セグメント利益額及び利益率ともに前連結会計年度を下回っております。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、保有技術の活用やコスト競争力の強化、新技術の開発等により受注力の強化を図りました。また、ICTによる自動化、無人化施工の実現に向けた取組みを推進しました。今後、こうした取組みを更に推進し、土木事業における収益拡大を図ってまいります。
(投資開発)
当連結会計年度は、売上高214億円と、販売用不動産の売却により前連結会計年度より64.9%増加しました。一方、セグメント利益が41億円と、前連結会計年度より1.9%減少しました。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、(仮称)新TODAビル計画が2021年8月に着工しました。今後は、新ビル運営に向けた体制整備を推進し、開業に向けて万全な準備を進めてまいります。
(国内グループ会社)
当連結会計年度は、売上高が451億円と前連結会計年度より19.0%減少しました。また、セグメント利益も19億円と、前連結会計年度より16.3%減少しました。売上高は収益認識会計基準等の適用により減少し、セグメント利益は資材価格の高騰等により減少しております。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、総合建設会社の昭和建設株式会社(茨城県水戸市)について、株式取得及び株式交換により完全子会社としました。今後も、グループ各社とのシナジーや相互補完、M&Aによる業容拡大により、グループ力を高めてまいります。
(新領域)
当連結会計年度は、売上高が29億円と前連結会計年度より48.6%増加し、セグメント損失は2億円となりました。浮体式洋上風力発電事業において、売電収益に比して研究開発に要する支出が先行しているものの、当連結会計年度に商用稼働を開始しましたブラジル風力発電事業の収益計上等により、セグメント利益の赤字幅は縮小しました。今後は茨城県常総市における6次産業化の取組み等、新たな収益基盤の構築に向けて積極的に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりであります。
(キャッシュ・フローの状況)
「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(1) 経営成績等の状況の概要」の「② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資金需要)
当社グループにおける主な資金需要は、運転資金として工事施工に要する外注費等の工事費用、及び販売費及び一般管理費並びに設備投資資金です。
設備投資の概況については「第3 設備の状況」の「1 設備投資等の概要」をご参照ください。
(資金の流動性)
当社グループは、主要な連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、日本国内のグループ内資金を一元管理しています。各グループ会社のキャッシュ・フローを集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、リスク管理の強化及び金融負債の極小化を図っています。
(資金調達の状況)
主に自己資金の活用又は金融機関等からの借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債の発行により資金を調達しております。重要な設備投資に係る資金調達方法については「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
特記事項はありません。
当社グループは、社会、顧客及び社内各部門のニーズやCSRに的確に応えるため、技術開発統轄部を中心に技術部門の総力を結集して、基礎的研究から新製品開発までの幅広い研究開発活動を行っております。特に重要なテーマについては「技術研究開発プロジェクト」を起こし、全社的な取り組みで短期間に開発を行い着実に成果をあげております。また、西松建設㈱との共同研究をはじめ、公的機関、大学、異業種企業、同業他社との技術交流、共同開発を積極的に推進して、多様な分野での研究開発の効率化を図っております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(建築及び土木)
(1) 建築環境関連技術
環境配慮建築に対する各種要素技術を総合的に実験・検証するために、技術研究所に建設した「環境技術実証棟」における成果を活かしつつ、省エネルギーに加えてCO2排出量の削減に向けた「グリーンオフィス棟」へのリニューアルが完了し運用を開始しました。同棟では、断熱・遮熱の工夫や自然エネルギー利用、高効率設備などの導入によりZEB(ネット・ゼロエネルギー・ビル)を達成した上で、緑化や木材の利用などによるCO2の吸収・固定化などによりライフサイクルにおけるCO2収支をマイナスとすることを目指すとともに、ICT技術を活用した環境制御手法などの新しい技術開発にチャレンジしております。
さらに、技術研究所においては、構造・施工実験棟屋上に4種類の太陽光パネルを設置し、所内の省エネルギーを図るとともに、発電効率、天候や気温による性能、パネルの経年劣化、ライフサイクルコストの違いなどの比較検討を進めております。
当社ではZEBの普及を目指すことで、当社が引き渡した建物の運用中のエネルギー使用量及びCO2排出量の削減に取り組んでおります。
(2) 生物多様性関連技術
植生や生物の地域特性を考慮し、緑化設計の妥当性を評価できる「生物多様性評価システム」、食品工場などの防 虫対策に関するノウハウまとめた「防虫学校」を開発し、社内展開を図っております。
また、関東・水と緑のネットワーク拠点百選にも選出されている研究所敷地では、地域性在来植物のみで構成されたビオトープ「つくば再生の里」を拡張し、希少種・自生種などの保護・保全手法の研究をさらに進めております。
(3) 放射性廃棄物処分の関連技術
放射性廃棄物処分関連技術としては、地下深部での地震動測定と耐震性評価、ベントナイトに関する技術の開発に取り組んでおります。また、海外情報調査、新規制基準制定に伴う学会標準改定の業務、原子力発電所の廃炉に関する調査実績があります。
(4) 超高層建物構工法関連技術
超高層RC造では、SuperHRCシステムを積極的に採用し、建設中を含めて延べ60棟に適用しております。2016年2月に竣工した55階建て超高層集合住宅では設計基準強度200N/mm2の超高強度コンクリートを採用しました。また、現在施工中の35階建て超高層集合住宅では、西松建設㈱と共同開発したコンクリート強度打ち分けプレキャスト梁工法(フュージョンビーム工法)を採用し、施工の効率化を図っております。また、一部をプレキャスト化した高強度コンクリート連層耐震壁(コアウォール)を開発し、弊社保有の端部RC中央S梁工法と組み合わせて、広い執務空間を有する超高層事務所ビル構築技術を確立し、施工中の(仮称)新TODAビルに採用しております。
コンクリート充填鋼管(CFT)造では、鉄筋を内蔵した鋼管に高強度のコンクリートを充填した高強度Super CFT造を開発し、構造評定を取得しました。設計施工で高さ178mの複合ビルや設計中の案件を含めて100棟以上の実績があります。また、充填コンクリート強度150N/mm2のCFT柱を(仮称)新TODAビルに採用しております。
(5) 免震・制振技術
地震の揺れに応じて減衰性能を電気的に切り換え、小中地震から大地震まで幅広い範囲で揺れを抑えることが可能な「セミアクティブダンパー」を開発しました(2021年4月1日大臣認定取得)。また、電源を用いず減衰のON/OFFを切り換える「自己復元型トリガー機構」や、想定外の大地震に対して免震建物が周囲の擁壁などと衝突した場合の安全対策、津波や洪水などに対する免震構造の水害対策についても研究開発を進めております。
精密生産施設の微振動対策技術では、「オイルダンパー付き弾性すべり支承」を開発し、2016年2月に生産施設に採用しております。また、環境振動対策として、OAフロア下に収納可能な小型AMDを開発し、製品化に向けて研究を進めております。
(6) BCP関連技術
東日本大震災の教訓を受け、地震後の建物の損傷を迅速かつ的確に評価可能な地震モニタリングシステム「ユレかんち」を、BCPのためのソリューション技術として展開しております。「ユレかんち」はIoT技術を応用したローコストなシステムであり、遠隔地から事務所、工場等の複数建物の一括監視を可能にしております。社内物件28棟,自社施工物件27棟,外販として54棟に採用しております。
(7) 天井脱落対策技術
在来工法天井の落下・脱落防止対策として、特定天井にも適用可能な高い耐震性能を有する「ペアロッククリップ」を開発し、2016年9月より当社の施工現場で標準的に採用されております。
また、天井内に多数設置される斜め材の代わりに、門型の抵抗部材を集約して設置し、天井内に多くのスペースを確保しながら、高い耐震性能を実現する「門天工法」を開発しました。「門天工法」は、2017年12月に日本建築センターの評定を取得し、現在2物件での採用実績があります。
(8) 基礎・地盤関連技術
場所打ちコンクリート杭について、常時及び地震時における支持力及び引抜き抵抗を向上させ基礎構造の減量化・合理化をはかるための「Me-A工法」を開発し、高層建物への適用など水平展開を進めております。2022年3月時点で共研他社も含めて598件を超える実績があります。
山留め壁の本設利用技術である「RCS合成壁/杭工法の剛性構造としての性能(TO-SCW工法)」及び「PSPⅡ工法-芯材を有するソイルセメント改良体工法-」を改良し、ベターリビングの評定及び日本建築総合試験所の性能証明を取得しました。現在改良後3物件で採用しております。
(9) 建築仕上げ材料関連技術
高耐久性床、抗菌・防かび床、帯電防止床を開発し、実用化しております。また、臭気対策として「ゼオライト消臭塗料(オドキャッチャー)」、抗菌対策として光触媒技術を利用した抗菌コーティング材を開発し、病院等に展開しております。
また、木質材料の利用拡大を目指し、積極的に技術研究所内に採用するとともに、耐久性評価などの研究開発を進めております。
(10) 建築生産システム関連技術
地上の施工技術では、BIMデータを活用した鉄骨柱自動計測・調整システムの新規開発、仮ボルト不要接合工法の改良を行い、社内展開を進めております。ロボット技術では、SLAM技術を用いた自律搬送ロボと工事用エレベータが連動する垂直・水平自動搬送システムを開発し、超高層オフィスビル作業所、病院、物流施設の仕上げ材搬送作業に適用しました。今後は搬送効率を向上させるべく、改良を進めてまいります。また、BIMや衛星測位を利用したタワークレーン3次元自動誘導システムの開発・現場検証を進めており、吊荷旋回制御装置については、小型化・大型化・バランサー・パネル搬送装置の追加開発など、適用範囲の拡大を進めております。
地下の施工技術では、水の凍結膨張圧を利用した、現場造成杭の杭頭余盛り部の静的破砕処理工法「しずかちゃん」の社内実績が、2022年5月時点で598本となりました。2021年10月には、低騒音、低振動、無粉塵の技術が評価されNETIS(国土交通省:新技術情報提供システム)へ登録されました。これにより、公共工事において積極的な活用が期待されると同時に、社外でも広く一般利用できる体制を構築しました。
解体技術としては、コンクリート構造物等を水素ガスで切断する「マスカットH(エイチ)工法TM」を新たに開発し、ガス切断時にCO2を排出しない環境配慮型技術としました。また、鉄筋を直流電源で通電加熱し、熱膨張と発熱を利用して鉄筋コンクリート構造物を脆弱にする「マスホット工法」において、重機の作業時間を半減以下と大幅に低減できることが確認されました。これらの解体技術は、これまでに4物件に採用しております。
今後も、建築現場における生産性の向上とともに、現場周辺環境への配慮やCO2排出量低減に寄与する技術開発を進めます。
(11) ICT生産管理関連技術
ICT及びIoT技術を活用し、現場の安全・品質の向上、施工効率を高めることを目的に、様々なシステム開発に着手しました。
建設現場の安全性向上として、「建設機械と作業員の接触災害」を防止する人物検知システム「アイナイトTM」を開発し、社内のトンネル工事2現場に採用しました。また、埋設管の損傷事故防止を目的とした技術開発を進めております。
建設現場の作業者に対する熱中症の防止などを目的として、生体情報や周囲環境(作業環境)をヘルメット取り付け型センサデバイスでリアルタイムに監視する「作業者安全モニタリングシステム」を㈱村田製作所と共同で開発し、展開を図っております。
品質向上、施工向上については、品質向上に向けて「立体配置を認識する配筋検査システム開発」を、21社の建設会社共同で進めております。また、AR・MR等の画像処理技術を活用したコンテンツやシステムの開発を行っております。
場内通信については、「ウエーブガイドLANシステム」の開発を進め、建設中の超高層ビルに採用しました。さらに採用現場を増やしてまいります。
建設工事中のCO2排出量削減を目的とした、カーボンニュートラルに向けた技術開発にも取り組んでおります。
(12) 音響・遮音関連技術
ホールなどの大空間における音楽・講演等をより快適に聴くことのできる空間を提供する室内音響関連技術、交通騒音や隣室騒音等の聞きたくない音を低減する遮音関連技術の双方の研究開発を実施し、多くの実物件で採用しております。
防音壁などの先端部に取り付けることで大きな騒音低減効果が得られるエッジ効果抑制パネル「エッジサイレンサー」を開発し、工事中の騒音対策だけでなく本設にも採用し、日本音響学会技術開発賞を受賞しました。
集合住宅で問題となる重量床衝撃音に対して、天井内に敷設するだけで低減できる、床衝撃音低減材「サイレント・ドロップ」をフクビ化学工業㈱と共同開発し、建材設備大賞を受賞しました。
技術研究所内では音に関する様々な事象を高精度に体験できる音場シミュレーターを拡張・更新しております。また、敷地境界における騒音予測システムの開発や、雨水流水音の低減対策仕様の標準化など関連技術の社内展開を図っております。
(13) シールド関連技術
シールド工法の分野では、狭隘な都市域において発進立坑用地の確保を容易にするために開発した「省面積立坑システム」は、当社施工28件、他社施工分を含めると47件の現場採用実績を持ちます。地盤変状の抑制を目的に開発した「掘進停止時裏込め注入システム」、気泡シールドで使用する安全性・経済性に優れる新たなる気泡剤「LT2」及びシールドの発進到達の効率化を図った「バサルト繊維を用いた仮壁直接切削技術」に関しては実用化を図るとともに、効率化・品質向上を図る目的でAIを活用した「AI Transformシールド」の開発も進めております。また、推進工法の分野では、呼び径3500を超える超大口径推進工事の実績を積み上げるとともに、推進工法を応用した「交差点アンダーパス工法」、「非開削トンネル構築工法」等の技術を開発し、営業展開、現場適用に取り組んでおります。
(14) 山岳トンネル技術
増加基調の山岳トンネル工事に対応する技術として、覆工品質の向上、支保・補助工法技術の改良、調査計測技術の高度化、環境負荷低減、自動化・高速施工などに係る技術開発及び現場採用に積極的に取り組んでおります。
覆工品質の向上については、覆工コンクリートの充填センサである「ジュウテンミエルカ」の開発が完了し、打設状況の可視化ツールとして一般販売を開始しました。支保・補助工法技術については、吹付けリバウンドが低減できる「Me吹付けコンクリート」、ロックボルト軸力が可視化できる「Eye Washer」、防水シートの損傷防止に寄与する「突起レスロックボルト」、脚部補強工の「NT-Support」の現場適用に取り組んでおります。調査計測における切羽前方地山の可視化ツールとして開発した「DRiスコープ」は、2017岩の力学連合会フロンティア賞を受賞し、さらなる現場採用を推進しております。環境負荷低減技術についても、帯電ミストを用いた粉じん抑制技術や発破低周波音抑制技術の開発を行い現場採用に取り組んでおります。また、生産性向上を目指した自動化・高速施工技術としては、自動吹付けシステム、鋼製支保工切羽無人化施工システム、覆工プレキャスト化、覆工セントルセット及び打設管理の自動化、防水シート台車及び覆工セントルの自動化、及び要素技術を集約した覆工自動化統合システム、コンピュータジャンボの穿孔データとAI技術を活用した地山評価及び発破設計のシステム開発に取り組んでおります。
(15) コンクリート技術
設計基準強度200N/mm2 の超高強度コンクリートや、収縮を低減させることでひび割れを防止し高耐久化を図るコンクリート(低収縮コンクリート)の開発・現場適用を行っております。さらに、収縮をほとんどゼロにした極低収縮コンクリートを共同開発し、複数の現場適用を行っているなか、2020年度にはBSL-4(バイオセーフティレベル4)を要求する高気密性実験施設の実験室躯体への適用も行いました。また、コンクリート工事の生産性及び品質を向上する高機能性流動化剤を開発し、全国並びにグループ会社に適用を開始しております。
品質管理に関して、コンクリートの現場受入時の品質管理システムやコンクリート施工時の打重ね時間管理システムを構築しました。また、(独)土木研究所との共同研究である「ボス供試体によるコンクリート構造物の品質検査法」については、JIS規格として制定され、国土交通省地方整備局の橋梁直轄工事に採用されております。
既設コンクリート構造物の健全度評価技術として、透気・透水試験器を用いた評価方法を開発し、実際の調査・点検業務に展開しております。
(16) インフラ再生技術
既設トンネル等の補修補強工法として、新しい無機系繊維材料を用いた「BFP修繕工法」を開発しました。本工法は連続繊維をプレート状に加工し、トンネル覆工内面に設置することで耐荷性や変形性能を向上させる工法であり、鉄道トンネルを主体として現場展開しております。また、高速道路等の「既設床版架替えに係る新型継手工法」を開発中であり、今後、老朽化したインフラ再生技術の開発について積極的に取り組んでまいります。
(17) 基盤整備関連技術
わが国の持続的発展を図る上で、社会基盤整備は急務の課題であり、それらを支援するために各種の技術提案及び開発を実施しております。オーバーパスに対応した立体交差急速施工技術「すいすいMOP工法」(2現場竣工済)、鉄道連続立体高架の工期短縮を実現するプレキャストアーチ式高架橋「すいすいSWAN工法」、開削地下構造物の急速構築技術「さくさくSLIT工法」を積極的に提案展開しております。非開削トンネル構築技術「さくさくJAWS工法」、液状化対策技術「ハイグリップグラウト工法」、排泥量削減を目指した地盤改良技術「ハイブラストジェット工法」を現場展開している他、環境負荷の低減を可能とした地盤掘削技術「気泡掘削工法」及び「特殊ポリマー安定液工法」など、持続可能で災害に強い基盤整備に資する施工技術が採用されております。また、大規模加速器計画などの地下岩盤利用分野についても積極的に取り組んでおります。
(18) 医療施設関連技術
病院内の臭気対策として「ゼオライト消臭塗料(オドキャッチャー)」を開発し、さらに、光触媒技術の利用をはじめとした「院内感染対策トイレシステム」を開発しております。
また、無線通信技術を利用した次世代病院向け照明システム「スマートホスピタルライティングシステム」や、病室向けにコンパクト設計で施工の省力化も図れる「システム洗面ユニット」を開発し、複数の病院に採用頂いております。
さらに、新型コロナウイルス感染症による感染拡大対策として、医療施設において、簡易にゾーニング(区画)変更を実現する「感染対策ユニット」を開発・実用化するとともに、ウイルス対策としての空気清浄機の性能評価にも取り組んでおります。
(新領域)
(1) 再生可能エネルギー関連技術
鋼とコンクリートを複合利用した浮体式洋上プラットフォームの技術を共同開発し、風力発電に応用、環境省による「浮体式洋上風力発電実証事業委託業務」を受託し、2013年度には実証機(2MW)の実海域設置を成功させ、2015年度に予定通り実証事業を終了しました。2016年度には日本初の実用化を実現し、発電事業として運転データを収集し、制御、設計技術に反映しております。また、コスト削減のための量産化や施工合理化、係留、調査、O&Mなど、普及拡大に向けた技術開発を継続しております。
(2) 農業関連技術
茨城県常総市内に農業実証ハウス「TODA農房」を建設し、土地整備関連事業等における提案技術の一つとして、主に施設園芸農業の事業化や園芸ハウスの建設等に関する技術開発を開始しました。また、筑波技術研究所内に人工光栽培実験室を増設し、各種環境条件が植物の生育に与える影響等に関する技術開発を開始しました。
(3) 連結子会社における主な研究開発
オフショアウィンドファームコンストラクション㈱において、環境省の「低炭素型浮体式洋上風力発電低コスト化・普及促進事業」の補助を受けて浜出船を建造し、2018年3月に完成しました。2020年度までに補助事業において、浜出船等を活用した実証施工を行い、浮体式洋上風力発電施設における建設費の低コスト化及び施工の低炭素化を検証しました。
(投資開発及び国内グループ会社)
研究開発活動は特段行われておりません。