文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その実現を約束する趣旨のものではありません。
なお、「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
(当面の対処すべき課題の内容等)
当社グループは、空気調和設備をはじめとする熱とエネルギーに関する「最高の品質創り」と「特色ある技術の開発」、「それを支える人材の育成」等を通じて、顧客のニーズに対応した環境ソリューションを提供し、社業の発展を図り、社会に貢献することを経営の基本としております。こうした考えのもと、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会などステークホルダーの期待と信頼に応えるべく、持続的な企業の成長と中長期的な企業価値の向上に挑戦しております。
事業環境の見通しにつきましては、新型コロナウィルス感染症の拡大が世界経済に深刻な打撃をもたらすなど、国内外の経済および景気動向は一転して不透明感を強めており、今後も予断を許さない状況が続くものと認識しております。こうした環境下において、当社グループにおきましても、様々なリスクに対処しながら、1年の延期が決定した東京オリンピック・パラリンピックの関連需要およびその開催後を見据え、総合設備工事事業の拡充に取り組むとともに、国際事業や環境ソリューション事業など中長期的な視点からの経営資源投入が重要課題となっております。
当社では1923年の創業以来、「人の和と創意で社会に貢献」を社是に、空調設備を中心とする技術力やノウハウ、実績を蓄積し、空間創りのパイオニアとして、最高の品質提供と創意工夫による技術開発、そして、それを可能とする“人財”の育成に取り組んできました。2023年の創立100周年を目指し、2014年2月にグループを挙げた長期経営構想「GReeN PR!DE 100」を発表しました。経営理念である「最高の品質創り」をお客さまに提供し続ける企業へと成長するとともに、働く社員が幸福感を体感できるような会社の風土を作り、“夢の実現と更なるステップへ”飛躍してまいります。
経営基盤強化の面では、雇用環境の整備や多様な人財の活躍を支える新人事制度の導入・浸透と働き方の改革に取り組むほか、グループ総合力強化のため、グループ会社間の人事交流の促進を図っております。また、新技術・新事業を生み出す仕組みの構築として、2020年4月にイノベーションセンターを設立し、マーケティング、研究開発、インキュベーションの各機能を一体化することにより事業創造を推進してまいります。
このほか、業務・資本提携等の推進、国内外におけるエネルギーの供給および有効利用に関する事業の拡大と新技術・新商品の共同開発の推進を強化してまいります。また、BCP(事業継続計画)、森林づくりを通じた環境保全活動などにも、引き続き積極的に取り組んでまいります。
当社グループは、CSR活動をSDGsやESG(環境・社会・ガバナンス)に連動させた取り組みとして実践し、事業の中長期的な成長および企業価値ひいては株主共同の利益の継続的かつ持続的な向上に努めてまいります。
当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況などに重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、あらゆるリスクの顕在化を未然に防止するとともに、リスクが顕在化した場合にはその損失を最小化すべくリスクマネジメントを行っております。リスク顕在化の未然防止にあたっては「リスク管理規程」に基づき、最高責任者を代表取締役社長COO(最高執行責任者)とし、取締役CFO(最高財務責任者)を委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、リスクマネジメント体制の運用方針・計画を定めるほか、当社グループに重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定し、その対策の妥当性を評価しております。
1.事業環境に関するリスク
(1)民間設備投資の変動について
世界的な経済情勢の変化等の影響を受け、顧客の投資計画の中止・延期、内容の変更などにより、想定を上回る建設需要および空調設備需要が減退するなど、事業環境に著しい変動が生じる場合があります。かかる場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
経済情勢の変化は先行きの見通しの予測が困難であるものの、当社グループは固定費縮減等を含め、全社で総合的取り組みを行っていくことで対処します。
(2)調達コストに関するリスク
当社グループが施工工事を行うにあたり、経済環境から、ダクト、配管、断熱、冷媒など設備工事等に係る資機材価格が高騰する場合があります。これらを請負金額に反映することが困難な場合には、工事原価が想定以上に悪化し、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
資機材の多くは、素材の相場の影響を受けることから、当該リスクが顕在化する可能性は常にありますが、これに対しては、購買の体制を強化し、全店集中購買を加速させることでスケールメリットを生かした調達機能を強化し、価格の上昇を抑制すること等で対処します。
(3)技術員・技能者の人手不足による工程遅延リスク
当社グループが施工工事を行うにあたり、協力会社を含めて施工に携わる技術員が不足し、定められた納期までに工事を完了させることができない場合、完工高が上がらず、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに想定を上回る水準での工数の増加によって、当該リスクが顕在化する可能性はあるものの、当社グループは、アウトソーシング体制の構築と活用、ITツールの活用、業務の標準化による生産性向上を図ることで対処していきます。また、特に技術員・技能者の不足については、委託工事会社の新規採用への注力、国交省の進める建設キャリアアップシステムの導入による技能職の確保によって対処していきます。
2.海外事業展開に伴うリスク
当社グループは、収益機会の拡大のため、これまで中国、東南アジア、インドを中心に海外への事業展開を図ってまいりました。
他方、当社グループの事業を海外展開していくにあたっては、言語、地理的要因、法制・税制度を含む各種規制、自主規制機関を含む当局による監督、経済的・政治的不安定性、商慣習の違い等の様々なリスクおよび特定の国や地域またはグローバルにおいて競争力を有する競合他社との競争が激化するリスクが存在します。更には、外国政府により関係する諸規制が予告なく変更されるリスクも存在します。当社グループが、これらのリスクに対処できない場合、当社グループの海外への事業展開、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国際事業部が海外グループ会社を管理・統括することにより、国際事業全体の戦略拠点の見直しを進めるとともに海外グループ会社と常時情報連携を図り、適切なモニタリングを行うことで迅速にリスク対応できる体制を整備しております。
3.事業の拡大に関するリスク
(1)事業領域の拡大について
当社グループは、本業の他に将来のグループを支える新たな事業と中長期的な企業価値向 上に資するフロンティアビジネスを創出する目的で、新規の事業領域への参入を行ってまいります。新規の事業領域へ参入するに当たっては、相応の先行投資を必要とする場合があるほか、その領域固有のリスク要因が加わり、当社グループのリスク要因となる可能性があります。
新規に参入した市場で求められる技術と当社グループが保有する技術がマッチングしない場合や、市場の拡大スピードや成長規模、市場へ参入する難易度によっては、当初想定していた成果を挙げることができない可能性があります。かかる場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)M&A等について
当社グループは、成長市場への進出、新規顧客の獲得、関連技術の獲得等を目的として、国内外を問わずM&Aを行うことを計画しており、これらを経営の重要戦略として位置付けております。
もっとも、買収後に偶発債務の発生や未認識債務が判明する可能性もあり、その結果当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、M&A実施後、収益計画と実績に大きな乖離が生じた場合には、のれんの減損損失計上を余儀なくされる可能性があります。
当社グループは、M&Aに積極的に取り組む方針としていることから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。これに対しては、対象企業の財務内容、契約関係、事業計画の精査等を行うことによって、極力諸リスクを低減するように努めております。
4.資金調達に関するリスク
今後の資金調達については、金融市場が不安定な場合や、当社グループの信用力の悪化により格付機関から当社に付与されている信用格付が引き下げられた場合等においては、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできることは保証されておりません。そのような事態に至った場合、安定した資金繰りに支障が発生する等、当社グループの事業遂行の制約要因となる可能性があるほか、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
今般の新型コロナウィルス感染症拡大の事態が長期化または更なる感染拡大が進行すれば、当該リスクが顕在化する可能性は大きくなります。当社グループは、これらのリスクを回避するため、金融機関との対話および情報連携を常時行うよう努めるとともに、従来の短期融資枠に加え、コミットメントラインの導入の検討や追加の社債発行の検討により、資金調達の安定化・多様化に努めております。
5.施工中の事故、災害リスク
当社グループが施工工事を行うにあたって、施工中の災害または事故等の発生により、損害賠償責任、瑕疵担保責任等を負担する可能性があります。当社グループは不測の事態に備えて包括賠償責任保険に加入しておりますが、多額の損害賠償金が発生した場合には、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
多数の施工現場を有する当社グループにおいては安全に向けて最大限の配慮を払うとともに安全衛生の現場指導、適正な労務環境の構築等による安全衛生管理の徹底等、未然防止策により低減に努めています。
6.人材確保に関するリスク
(1)国内の社員数の減少リスク
日本国内においては、定年退職者の増加により社員数の減少が見込まれており、将来の事業活動に支障をきたす可能性があります。このような場合、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、定年延長・再雇用制度を充実させる等、長く社員が勤め続けることができる人事制度を導入・浸透させるとともに、IoTの活用やデジタル化の推進などによる省人化・効率化により生産性を高めることによって、社員数減少に備えております。今後は海外の人材を含めたボーダーレスな人材活用を強化し、人材・スキルの確保に努めます。
(2)若手・専門性を有する人材の採用リスク
当社グループが若手や専門性を有する人材を継続的に確保することができず、円滑な事業活動に支障が出る場合は、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内の大学等に積極的に訪問し就職セミナーを開催し、またインターンシップを実施する等によって優秀な人材の確保に努めております。中途採用も積極的に行っており、専門性を有する人材の拡充も進めております。
7.無形資産(知的財産権等)に関するリスク
当社グループは、環境に貢献しうる技術を持ち、多くの特許等を保有しております。特許権その他の知的財産権等が取得できずに当社グループが使用する技術等を保護できない場合には、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。一方で、当社グループが、故意なく他者が持つ特許権その他の知的財産権等を侵害してしまい、被侵害者から損害賠償請求されることもあり得ます。この場合、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、知的財産権等に関する専門部署を設け、侵害特許調査の徹底や全部門間で常に情報共有を図る体制を確立することで、他者の知的財産権等を侵害することおよび他者による当社グループの知的財産権侵害の未然防止に努めています。
8.市場に関するリスク
(1)資産保有リスク
当社グループは、不動産や有価証券等の資産を保有していますが、取引先を中心とした市場性ある株式等は価格変動リスクを負っております。当連結会計年度末時点での市場価額との評価差額(税効果会計の適用前)は102億63百万円の含み益ですが、今後の時価の動向次第でこれらの数値は変動いたします。また、大幅な時価の下落が生じた場合、減損が発生し、特別損失として計上する可能性があります。このため、当該保有資産の時価の動向が当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、経済動向を注視しつつ、定期的に取締役会で資産の保有意義の検証を行い、持続的に企業価値向上に資するものかどうかを検討しております。企業価値向上に資するものとはいえないと判断した資産については、売却する等、保有資産が価値減少するリスクの低減に努めております。
(2)為替変動リスク
当社グループでは国を跨いでの資機材の調達は少ないため、取引上における為替変動リスクは限定されたものですが、当社グループの海外連結対象会社の財務諸表について、現地通貨で作成したものを、円換算した上で連結財務諸表を作成する際、為替変動による影響を完全に排除することは困難であり、その結果、外国為替相場の変動が当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
9.情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、個人情報の保護、取引先の秘密情報の管理に最大限の注意を払い、また、建築設備等に関わるクラウド基盤およびその基盤上で提供するアプリケーションの開発、運用、保守業務における情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証の取得を受けるなど、グループ全体としてリスク管理を徹底し、適切な情報管理を行っております。しかしながら、不正アクセス等による情報の外部への漏洩や悪用等の可能性を完全に排除することは困難であり、これらが発生した場合に法的紛争に巻き込まれる可能性があるほか、内外監督官庁からの処分を受ける可能性があり、かかる場合には、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、個人情報および取引先からの秘密情報を保持して事業活動を継続していくため、情報システムへのサイバー攻撃対策や、ITガバナンスの強化を実施しています。また、情報リテラシーを高めるための社員教育等の対策も講じています。さらに、「情報セキュリティ方針」に基づき、業務上保有する情報資産を適切に保護し、新しく「情報管理規則」を施行し、より一層の顧客秘密保持を強化することに努めます。
10.コンプライアンスに関するリスク
(1)法的規制等の適用の可能性について
当社グループは、建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法、個人情報保護法等、国内外の各種法令・制度等の事業活動に関連する法的規制を受けております。
こうした法的規制の新設や改正、監督官庁による許認可の取消または処分、新たなガイドラインや自主的ルールの策定または改定等により、当社グループの事業が新たな制約を受ける場合、または既存の規制が強化された場合には、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは法令遵守を重要な企業の責務と位置付け、グループ横断的なコンプライアンスに対する取り組みを進め、リスク管理委員会および取締役会へその取り組み状況を報告し、適正な職務執行を徹底するとともに、代表取締役社長COO直轄の独立組織である内部監査室による内部監査を実施し、コンプライアンス体制を強化して法令遵守の徹底を図っています。
(2)訴訟等の可能性について
当社グループが事業活動を展開する中で、環境、労務、知的財産権等、当社グループに対し様々な訴訟を提起される可能性、またはその他の請求を受ける可能性があります。
11.気候変動に関するリスク
気候変動は世界規模で影響を与える問題であり、気温の上昇や異常気象、これらに伴う自然災害などによって資機材の調達不全やコスト増、施工工事の停止等の事業活動の中断が生じる可能性があります。また、国内外において気候変動抑制のため、エネルギー使用の合理化や地球温暖化対策などの法令等の規制が強まった場合、当社グループにおいて、これらの規制の強化に伴う新たな負担、事業活動における資機材の変更等の対応費用が増加することで、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
気候変動に伴い発生する事象等を具体的に予測することは困難であるものの、当社グループは、既にあるリスク管理体制において、長期的な気候変動の影響の検討を進めてまいります。
12.災害等のリスク
当社グループが事業を展開する地域において、地震、台風、津波等の大規模自然災害、感染症の拡大(パンデミック)等の発生に伴い、工事の中断や大幅な遅延等の事態が生じた場合や、事業所において事業の継続に支障をきたす重大な損害が生じた場合には、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの災害等が発生した場合には、社会全体の経済活動が停滞し、建設需要そのものが低下する結果、これらが当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
大規模災害等は予測困難であるものの、当社グループにおいては、これらの災害等が発生した場合に備え、事業継続計画(BCP)マニュアルの精度向上を図り、有事の際の対応策を策定しております。
13.感染症拡大のリスク
今般世界的に感染が拡大した新型コロナウィルスについては、今後、事態が長期化または更なる感染拡大が進行すれば、景気悪化による建設需要の低下、現場閉所による工事の中断や遅延、資機材価格の高騰等が生じ、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、顧客、取引先、協力会社および社員とその家族の安全第一を考え、また更なる感染拡大を防ぐために、新型コロナウィルス感染対策本部を設置し、具体的な感染防止策の徹底を図っております。①テレワークの原則化、出張の制限、感染リスクが高い国や地域への渡航の原則禁止等、従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底、②感染者が発生した場合のBCP対策、③手元資金確保対策等を実施しております。これらの施策を通じて、新型コロナウィルス感染症拡大の影響の極小化を図っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益および雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しましたが、本年度終盤における新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、景気は急速かつ大幅に下押しされ厳しい状況となりました。
建設業界および当社関連の空調業界におきましては、大都市圏を中心とした大型再開発案件の進展に加え、製造業・非製造業ともに事業拡大に向けた投資が継続するなど、建設需要は総じて底堅い状況を維持する一方、施工従事者不足による労務費の上昇が顕著となるなど、事業運営には慎重な取り組み姿勢と生産性向上が求められる状況で推移いたしました。
このような経営環境のもと、当社は2017年度より開始した3か年グループ中期経営計画「iNnovate on 2019 just move on!」の最終年度において、「空調工事を核とした総合設備工事業への飛躍」に向けた体制構築を進めるとともに「新たな事業創出に向けた活動」と「更なる成長に向けた投資」を継続実施してまいりました。
その結果、当社グループの当期の売上高は、国内・海外ともに設備工事事業が順調に進捗したこともあり、320,893百万円(前期比+0.3%)となりました。
利益につきましては、主として国内における設備工事事業の採算性が向上したことにより、営業利益は17,900百万円(前期比+4.0%)、経常利益は19,286百万円(前期比+5.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,231百万円(前期比+4.9%)となりました。
また、受注高につきましては、国内・海外ともに施工体制を考慮した計画的な受注活動を展開したことから、297,883百万円(前期比△10.8%)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(セグメントごとの業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(設備工事事業)
売上高は314,165百万円(前期比+0.4%)、セグメント利益(営業利益)は17,418百万円(前期比+5.7%)となりました。
(設備機器の製造・販売事業)
売上高は7,468百万円(前期比△11.3%)、セグメント利益(営業利益)は417百万円(前期比△37.3%)となりました。
(その他)
売上高は171百万円(前期比+3.5%)、セグメント利益(営業利益)は73百万円(前期比+14.7%)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当社グループでは生産実績を定義することは困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
なお、参考のため、提出会社の事業の状況は、次のとおりであります。
設備工事事業における受注工事高および完成工事高の状況
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでいるため、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
(注) 受注工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
受注工事方法は、特命と競争に大別されます。これを受注金額比で示すと次のとおりであります。
(注) 1 完成工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高およびその割合は、次のとおりであります。
④ 手持工事高(2020年3月31日現在)
(注) 手持工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
当連結会計年度末における総資産は、現金預金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて14,093百万円減少し、265,649百万円となりました。
負債合計は、支払手形・工事未払金等が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて13,747百万円減少し、139,787百万円となりました。
また、純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上し利益剰余金が増加したものの、自己株式が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて346百万円減少し、125,861百万円となりました。
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ18,700百万円減少し、36,526百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、6,369百万円の支出(前連結会計年度は14,892百万円の収入)となりました。これは主に仕入債務の減少などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,187百万円の支出(前連結会計年度比△2,117百万円)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,199百万円の支出(前連結会計年度比+3,728百万円)となりました。これは主に配当金の支払および自己株式の取得による支出によるものであります。
②資本の財源および資金の流動性に関する情報
当社グループの資金需要は、事業運営に必要な運転資金、設備投資・研究開発・新規事業開発等の成長投資のための資金および株主還元のための資金等であります。2019年度の実績は設備投資額126億69百万円、研究開発費13億56百万円、株主還元額78億25百万円(配当38億25百万円、自己株式取得40億円)でありました。設備投資の詳細については「第3 設備の状況」を、研究開発費の詳細については「第2 事業の状況 5 研究開発活動」を、株主還元の詳細については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をそれぞれご参照ください。
当該資金需要に備えるための資金調達は、主に営業キャッシュ・フローの積み上がりによる自己資金、金融機関からの借入、社債の発行により行っております。
今般の新型コロナウイルス感染症拡大の事態が長期化または更なる感染症拡大やパンデミックにあたる状況が進行すれば、資金調達リスクが顕在化する可能性は高くなります。当社グループは、これらのリスクを回避するため、金融機関との対話および情報連携を常時行うよう努めるとともに、従来の短期融資枠に加え、コミットメントラインの導入の検討や追加の社債発行の検討により、資金調達の安定化・多様化に努めております。
(4) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当該連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針および見積りは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
見積りにあたっては、過去の実績や見積り時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断した上で、見積りが適正であるかについて継続して評価し、必要に応じて見直しを行っております。
しかしながら見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
以下の事項について、連結財務諸表に与える重要性が高いと判断しております。
① 売上高および売上原価の計上基準
売上高の計上は、当連結会計年度末までに進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。工事進行基準の適用にあたっては、将来に発生する原価を合理的に見積った上で実行予算を作成しておりますが、市況の変動等により実行予算が変動した場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 工事損失引当金の計上
当連結会計年度末手持ち工事のうち損失の発生が合理的に見込まれるものについて将来の損失に備えるため、その損失見込額を工事損失引当金として計上しております。損失見込額は、見積り時点で入手可能な情報をもとに算定した実行予算に基づき算定しておりますが、市況の変動等により実行予算が変動した場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ のれんの評価
企業結合により発生したのれんは、金額が僅少なものを除き、その効果が発現されると見込まれる期間で償却するとともに、継続して減損の兆候の有無を検討しております。当該検討にあたっては、被取得企業の事業計画等をもとに、回収可能性について合理的に判断をしておりますが、被取得企業の業績が悪化した場合等には当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 繰延税金資産の回収可能性
当社グループの各社において、将来減算一時差異のうち回収が見込まれると判断する部分について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性について継続して検討を行っておりますが、業績が悪化した場合等にはすでに計上している繰延税金資産を取崩すことにより当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」および「第5経理の状況 2財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、引き続きエネルギーミニマムでの最適環境の実現、生産効率向上のための環境制御技術の提供、高品質・省力化に貢献する施工技術の開発を基本方針に掲げ、脱炭素、省エネルギー、地球環境保全、事業継続、その他多様な顧客ニーズに応える技術と商品の創出に注力してまいりました。
具体的には、エネルギー最適・有効利用のための要素技術とそれらのシステム化技術、AI・IoT技術を駆使した高度な設備運用や監視制御技術、地球環境負荷の低減技術などの研究開発さらにその展開に取り組んでおります。
特に、脱炭素の推進に寄与する低温廃熱を有効利用できる蓄熱・搬送・利用システム、次世代エネルギーマネジメントシステム、特にリニューアル工事での施工性向上が期待できるアルミ冷媒配管施工技術などの開発を推進いたしました。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は、
セグメントごとの主な成果は、次のとおりであります。
今まで利用が難しかった100℃以下の低温廃熱を高密度に蓄熱し利用する技術について、一昨年度より継続して、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、国立研究開発法人産業技術総合研究所、石原産業株式会社、東京電力エナジーパートナー株式会社、日野自動車株式会社、森松工業株式会社、東京都羽村市との共同にて実証事業を行いました。定置での廃熱利用、オフラインでの熱輸送による廃熱利用について複数現場に導入し、実オペレーションによる様々なデータの収集を行い、技術面に加えて経済性の評価を行いました。現在、多くの自治体、企業よりご関心を頂いており、今後導入を推進してまいります。
お客様の建物・施設の設備運用をライフサイクルにわたって見える化し、運転支援や運用最適化をするエネルギーマネジメントシステム(GDoc®)を、当社クラウド基盤である「高砂スマートプラットフォーム」に実装し、更なる展開を進めています。GDoc®はAIの一種であるルールエンジンを装備しており、より省エネルギー、より省コストとなる空調システムの運転支援や、施設運用データの一括管理による複数の建物のエネルギー消費量や熱源の運用評価、異常や劣化に関わる情報を提供いたします。
(3) アルミ冷媒配管施工技術
ビル用マルチ空調システムにおいて、アルミ冷媒配管、アルミ冷媒配管用機械式継手、アルミ冷媒配管用分岐管ユニットの開発済みの部材群に加え、アルミ冷媒配管用ろう付工法を開発し、昨年4月から全店への展開を始めました。これまで累計9件の物件に導入を行いました。これと並行して、一般社団法人アルミ配管設備工業会(APEA)において、アルミ冷媒配管を採用する場合の技術資料を機器メーカ等と協働で策定しました。さらにアルミ冷媒配管の施工上の留意点をまとめた施工指針を策定しました。これらの技術資料を基に、品質や性能を確保し本技術の展開を進め、現場での施工効率を向上させていきます。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、
PMACの新規監視盤を開発し、製品化を行いました。さらに、次期空調機制御基板を開発し、今後開発するPMAC新製品に順次搭載していく予定です。その他、空調機リモコンをスマートホンから操作できるアプリケーションソフトを開発し、今後製品化を行う予定です。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、
(その他)
該当事項はありません。