文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その実現を約束する趣旨のものではありません。
当社は、1923年の創業以来、「人の和と創意で社会に貢献」を社是に、空気調和設備を基軸とする熱やエネルギー等に関する最高の品質提供と創意工夫による技術開発、そして、それを可能とする“人財”の育成を通じて、お客さまに快適な環境を提供すると共に、社業の発展を図り、事業活動そのものを通じて社会に貢献することを経営の基本としております。当社グループが目指す姿を“環境クリエイター(※)”と定義し、豊かに暮らせる未来の地球を創ることを目指しております。環境クリエイター・高砂熱学グループは、お客さま、株主・投資家の皆さま、ビジネスパートナーの皆さま、そして、地球で暮らす全ての皆さまの生活がより豊かに持続的に発展していく世界の実現に向けて努めてまいります。
事業環境につきましては、依然として新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、世界経済が深刻な打撃を受けており、国内外ともに今後も予断を許さない状況が続くものと認識しております。こうした環境下において、当社グループにおきましても、様々なリスクに対処しながら、環境クリエイター(※)への成長に向けて、経営資源の最適配分が重要課題となっております。また、2020年11月に中期経営計画“iNnovate on 2023 go beyond!”(2020年度~2023年度)を策定し、「経営基盤の強靭化」に向け、「総合設備業への確実な進化」「第2・第3の柱となる事業を構築」「エンゲージメントの更なる向上」を基本方針としており、各基本方針の下に「国内事業の強靭化」「国際事業の変革」「環境事業への挑戦」を成長戦略とし、各施策を実践してまいりました。中期経営計画で掲げた各種施策の実践を通じ、足許では工事採算性が向上するなど、一定の効果を挙げております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響長期化や昨今の世界情勢をうけ、今後の資機材不足や為替影響による資機材価格の高騰、建設工程の遅延、人材不足に伴う更なる労務費高騰などが予測され、中期経営計画策定時における前提との乖離が生じております。更に、各企業におけるESGやカーボンニュートラルに向けた取り組みの強化は、益々重要性が増しております。そのため、当社グループにおいては、従前の中期経営計画で取り組んでいる各種施策をより一層の強化を図るべく環境事業に向けた投資、ならびに競争力の源泉となる「人的資本」への投資の加速推進が必要と判断いたしました。これらの変化を受け、当社グループは、現行の中期経営計画で掲げている経営指標(連結売上高、連結経常利益、自己資本比率、ROE)を取り下げるとともに、今後のビジョンについて再考することといたしました。新たなビジョン・中期経営計画は2023年度に公表する予定です。
今後は、お客様や社会ならびに全てのステークホルダーに向けた“高砂熱学の存在意義”を明確にし、環境クリエイター(※)としての事業展開を行ってまいります。
(※)環境クリエイター:『人が活動する環境のための空調技術』と『地球環境に貢献する環境技術(環境エンジニアリング)』を社会実装し、新たな環境を創造する企業
当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況などに重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、あらゆるリスクの顕在化を未然に防止するとともに、リスクが顕在化した場合にはその損失を最小化すべくリスクマネジメントを行っております。リスク顕在化の未然防止にあたっては「リスク管理規程」に基づき、最高責任者を代表取締役社長COO(最高執行責任者)とし、リスク管理担当取締役を委員長とする「全社リスク管理委員会」を設置し、リスクマネジメント体制の運用方針・計画を定めるほか、当社グループに重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定し、その対策の妥当性を評価しております。
1.事業環境に関するリスク
(1)民間設備投資の変動について
世界的な経済情勢の変化等の影響を受け、顧客の投資計画の中止・延期、内容の変更などにより、想定を上回る建設需要および空調設備需要が減退するなど、事業環境に著しい変動が生じる場合があります。かかる場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
経済情勢の変化は先行きの見通しの予測が困難であるものの、当社グループは固定費縮減等を含め、全社で総合的取り組みを行っていくことで対処いたします。
(2)調達コストに関するリスク
当社グループが施工工事を行うにあたり、経済環境から、ダクト、配管、断熱、冷媒など設備工事等に係る資機材価格が高騰する場合があります。これらを請負金額に反映することが困難な場合には、工事原価が想定以上に増加し、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
資機材の多くは、素材の相場の影響を受けることから、当該リスクが顕在化する可能性は常にありますが、これに対しては、購買の体制を強化し、全店集中購買を加速させることでスケールメリットを活かした調達機能を強化し、価格の上昇を抑制すること等で対処いたします。
(3)技術員・技能者の人手不足による工程遅延リスク
当社グループが施工工事を行うにあたり、資機材の調達遅延に加え、協力会社を含めて施工に携わる技術員が不足し、定められた納期までに工事を完了させることができない場合、完成工事高が計上されず、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、想定を上回る水準での工数の増加によって、当該リスクが顕在化する可能性はあるものの、当社グループは、アウトソーシング体制の構築と活用、ITツールの活用、業務の標準化による生産性向上を図ることで対処してまいります。また、特に技術員・技能者の不足については、委託工事会社の新規採用への注力、国交省の進める建設キャリアアップシステムの活用等による技能職の確保によって対処してまいります。
(4)労務関連法制に係るリスク
当社グループが施工工事を行うにあたり、2024年4月から建設業務に時間外労働の上限規制が適用開始されることに伴い、技術員等の総労働時間の減少が施工能力の縮小につながり、その結果完成工事高が減少し、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
施工能力の縮小に対しては、これまでの現場ごとの「施工管理」からプラットフォームによる「生産管理」へと、施工の在り方の変革を進める(T-BaseⓇプロジェクト)等、生産性の向上に取り組むことにより、労務関連法制の改正に伴うリスク軽減に努めております。
なお、当社グループでは、働き方改革と称した労働環境や人事制度の整備等による適正な労働時間管理や長時間労働の是正等の継続的な取り組みを行うことで、労務関連法制に適切に対処していきます。
2.海外事業展開に伴うリスク
当社グループは、収益機会の拡大のため、これまで中国、東南アジア、インドを中心に海外への事業展開を図ってまいりました。
他方、当社グループの事業を海外展開していくにあたっては、言語、地理的要因、法制・税制度を含む各種規制、自主規制機関を含む当局による監督、経済的・政治的不安定性、商慣習の違い等の様々なリスクおよび特定の国や地域またはグローバルにおいて競争力を有する競合他社との競争が激化するリスクが存在します。更には、外国政府により関係する諸規制が予告なく変更されるリスクも存在します。当社グループが、これらのリスクに対処できない場合、当社グループの海外への事業展開、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国際グループ事業統括部が海外グループ会社を管理・統括することにより、国際事業全体の戦略拠点の見直しを進めるとともに海外グループ会社と常時情報連携を図り、適切なモニタリングを行うことで迅速にリスク対応できる体制を整備しております。
3.事業の拡大に関するリスク
(1)事業領域の拡大について
新規の事業領域へ参入するに当たっては、相応の先行投資に加え、その領域固有のリスク要因により、コントロールが困難なほど多大となる可能性があるほか、新規に参入した市場で求められる技術と当社グループが保有する技術がマッチングしない場合や、市場の拡大スピードや成長規模、市場へ参入する難易度によっては、当初想定していた成果を挙げることができないこともあり、かかる場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これに対しては、参入する市場調査、事業計画の精査等により、極力リスクを低減するよう努めております。
(2)M&A等について
M&A等については、買収後に偶発債務の発生や未認識債務が判明する可能性もあり、その結果、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、M&A実施後、収益計画と実績に大きな乖離が生じた場合には、のれんや株式の評価損計上を余儀なくされる可能性があります。
これに対しては、対象企業の財務内容、契約関係、事業計画の精査等を行うことによって、極力リスクを低減するように努めております。
4.資金調達に関するリスク
金融市場が不安定な場合や、当社グループの信用力の悪化により格付機関から当社に付与されている信用格付が引き下げられた場合等においては、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできることは保証されておりません。そのような事態に至った場合、安定した資金繰りに支障が発生する等、当社グループの事業遂行の制約要因となる可能性があるほか、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ロシア・ウクライナ問題をはじめとする地政学リスクの高まりや、新型コロナウイルス感染症拡大の事態が長期化・深刻化した場合、当該リスクが顕在化する可能性は高くなります。当社グループは、これらのリスクを回避するため、金融機関との対話および情報連携を常時行うよう努めるとともに、従来の短期融資枠に加え、コミットメントラインの導入の検討や追加の社債発行の検討により、資金調達の安定化・多様化に努めております。
5.施工中の事故、災害リスク
当社グループが施工工事を行うにあたって、施工中の災害または事故等の発生により、損害賠償責任、契約不適合責任等を負担する可能性があります。当社グループは不測の事態に備えて包括賠償責任保険に加入しておりますが、多額の損害賠償金が発生した場合には、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
多数の施工現場を有する当社グループにおいては安全に向けて最大限の配慮を払うとともに安全衛生の現場指導、適正な労務環境の構築等による安全衛生管理の徹底等、未然防止策により低減に努めております。
6.人材確保に関するリスク
(1)国内の社員数の減少リスク
日本国内においては、定年退職者の増加により社員数の減少が見込まれており、将来の事業活動に支障をきたす可能性があります。このような場合、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、定年延長・再雇用制度を充実させる等、長く社員が勤め続けることができる人事制度を導入・浸透させるとともに、IoTの活用やデジタル化の推進などによる省人化・効率化により生産性を高めることによって、社員数減少に備えております。今後は海外の人材を含めたボーダーレスな人材活用を強化し、人材・スキルの確保に努めます。
(2)若手・専門性を有する人材の採用リスク
当社グループが若手や専門性を有する人材を継続的に確保することができず、円滑な事業活動に支障が出る場合は、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内の大学等に積極的に訪問し就職セミナーを開催し、またインターンシップを実施する等によって優秀な人材の確保に努めております。中途採用も積極的に行っており、専門性を有する人材の拡充も進めております。
7.無形資産(知的財産権等)に関するリスク
当社グループは、環境に貢献しうる技術を持ち、多くの特許等を保有しております。特許権その他の知的財産権等が取得できずに当社グループが使用する技術等を保護できない場合には、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。一方で、当社グループが、故意なく他者が持つ特許権その他の知的財産権等を侵害してしまい、被侵害者から損害賠償請求されることもあり得ます。
当社グループは、知的財産権等に関する専門部署を設け、全部門間で常に情報共有を図る体制を確立することで、他者の知的財産権等を侵害することおよび他者による当社グループの知的財産権侵害の未然防止に努めております。
8.市場に関するリスク
(1)資産保有リスク
当社グループは、不動産や有価証券等の資産を保有していますが、取引先を中心とした市場性ある株式等は価格変動リスクを負っております。当連結会計年度末時点での市場価額との評価差額(税効果会計の適用前)は130億73百万円の含み益ですが、今後の時価の動向次第でこれらの数値は変動いたします。また、大幅な時価の下落が生じた場合、評価損が発生し、特別損失として計上する可能性があります。
政策保有株式については、当社グループは持続的な企業価値向上に向けて、戦略上重要な協業および取引関係の維持発展が認められる場合を除き、原則として保有いたしません。経済動向を注視しつつ、定期的に取締役会で資産の保有意義の検証を行い、企業価値向上に資するものとはいえないと判断した資産については売却する等、保有資産が価値減少するリスクの低減に努めております。
当社グループは、個別投資においては決裁基準を設けて投資案件検討委員会等による事前の協議・審査を厳格に行うこととしております。また、取得後についても、投資先の運営・経営状況や時価を定期的に確認することとしております。
(2)為替変動リスク
当社グループの海外連結対象会社の財務諸表について、現地通貨で作成したものを、円換算した上で連結財務諸表を作成する際、為替変動による影響を完全に排除することは困難であり、その結果、外国為替相場の変動が当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これに対しては、必要に応じ、国際政治・経済動向を注視し、モニタリングいたしますが、当社グループでは、国を跨いでの資機材の調達は少ないため、取引上における為替変動リスクは限定されたものであります。
9.情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、個人情報の保護、取引先の秘密情報の管理に最大限の注意を払い、また、建築設備等に関わるクラウド基盤およびその基盤上で提供するアプリケーションの開発、運用、保守業務における情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証の取得を受けるなど、グループ全体としてリスク管理を徹底し、適切な情報管理を行っております。しかしながら、サイバー空間では様々な技術を用いた攻撃が増加し、不正アクセス等による情報の外部への漏洩や悪用等の可能性を完全に排除することは困難であり、これらが発生した場合に法的紛争に巻き込まれる可能性があるほか、内外監督官庁からの処分を受ける可能性があります。
当社グループは、個人情報および取引先からの秘密情報を保持して事業活動を継続していくため、情報セキュリティ方針に基づき業務上保有する情報資産を適切に保護することとしております。
これを実現するため、情報管理規則を施行し、全社員の秘密保持体制を強化するとともに、情報リテラシーを高めるために社内教育も講じております。
また、昨今高まるサイバー攻撃への対応として、攻撃の検出・分析を行うため、SOC(Security Operation Center)の整備、SIEM(Security Information and Event Management)のツールを導入しセキュリティ監視の強化を行うとともに、インシデント発生時のCSIRT(Computer Security Incident Response Team)体制の構築にも取り組むなど、ITガバナンス強化に努めております。
10.コンプライアンスに関するリスク
(1)法的規制等の適用の可能性について
当社グループは、建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法、個人情報保護法等、国内外の各種法令・制度等の事業活動に関連する法的規制を受けております。
こうした法的規制の新設や改正、監督官庁による許認可の取消または処分、新たなガイドラインや自主的ルールの策定または改定等により、当社グループの事業が新たな制約を受ける場合、または既存の規制が強化された場合には、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは法令遵守を重要な企業の責務と位置付け、グループ横断的なコンプライアンスに対する取り組みを進め、全社リスク管理委員会、内部統制委員会および取締役会へその取り組み状況を報告し、適正な職務執行を徹底するとともに、代表取締役社長COO直轄の独立組織である内部監査室による内部監査を実施し、コンプライアンス体制を強化して法令遵守の徹底を図っております。
(2)訴訟等の可能性について
当社グループが事業活動を展開する中で、環境、労務、知的財産権等、当社グループに対し様々な訴訟を提起される可能性、またはその他の請求を受ける可能性があります。
かかる事態に直面した場合、顧問弁護士と連携し、事実関係の調査を行った上で、必要に応じ、応訴等の対応を図ってまいります。
11.災害等のリスク
当社グループが事業を展開する地域において、地震、台風、津波等の大規模自然災害等の発生に伴い、工事の中断や大幅な遅延等の事態が生じた場合には、事業所において事業の継続に支障をきたす重大な損害が生じる可能性があります。また、これらの災害等が発生した場合には、社会全体の経済活動が停滞し、建設需要そのものが低下する結果、これらが当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
大規模災害等は予測困難であるものの、当社グループにおいては、これらの災害等が発生した場合に備え、事業継続計画(BCP)マニュアルの精度向上を図り、有事の際の対応策を策定しております。
12.感染症に関するリスク
今般世界的に感染が拡大した新型コロナウイルスについては、今後、事態の更なる長期化や感染拡大が進行すれば、景気悪化による建設需要の低下、現場閉所による工事の中断や遅延、資機材価格の高騰等が生じ、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、顧客、取引先、協力会社および社員とその家族の安全第一を考え、また更なる感染拡大を防ぐために、新型コロナウイルス感染対策本部を設置し、具体的な感染防止策の徹底を図っております。①テレワークの原則化、出張の制限、感染リスクが高い国や地域への渡航の原則禁止等、従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底、②感染者が発生した場合のBCP対策、③手元資金確保対策等を実施しております。これらの施策を通じて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響の極小化を図っており、今後も状況に応じて対策を検討してまいります。
13.気候変動に関するリスク
気候変動は国・地域を超えて世界規模で影響を与える問題であり、当社グループにとって重要な課題であると認識しておりますが、対応の遅れや不足によって以下のリスクが顕在化する可能性があります。
(1)移行リスク
当社グループが脱炭素社会への移行や顧客や社会の気候変動への対応ニーズに対応できないことにより、投資家や顧客からの評価低下とそれに伴う企業価値の低下と受注機会を喪失する可能性があります。また、カーボンプライシング制度等の導入に伴うコスト増加により当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
脱炭素社会への移行に対処するため、代表取締役社長COOを委員長とするESG推進委員会を新設し、変化する情勢を常に確認し、環境目標の見直しやリスク顕在化の未然防止・迅速な対処に努める体制を整備しております。
(2)物理リスク
異常気象による資機材の高騰に伴うコストの増加の負担や大規模災害の発生に伴うサプライチェーンへの影響および施工のうち当社受注分の工期延長・利益減少によって、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、サプライヤーと協力し、より安定的な資機材の供給体制を構築するとともに、発生予測が困難な自然災害等に対する事業継続能力向上に取り組んでまいります。また、気候変動に伴い発生する事象等の影響を一定の想定に基づくシミュレーション(シナリオ分析)を行い、不測の事態に備える等、気候変動の影響を継続して検討してまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況から 持ち直しの動きがあるものの、足許では国際情勢の変化による不透明感がみられております。
建設業界および当社関連の空調業界におきましては、大都市圏の再開発事業とともに製造業を中心とした設備投資において、持ち直しの動きがみられましたが、世界経済の先行き不透明感 への懸念など、事業運営には慎重な取り組み姿勢が求められる状況で推移しました。
このような経営環境のもと、当社は「国内事業の強靭化」における全社最適受注の取り組み等を通じ、売上高は、302,746百万円(前期比+10.0%)、営業利益は14,383百万円(前期比+16.9%)、経常利益は15,639百万円(前期比+12.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,535百万円(前期比+14.0%)となりました。
また、受注高につきましては、340,184百万円(前期比+18.3%)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(セグメントごとの業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(設備工事事業)
売上高は296,706百万円(前期比+10.2%)、セグメント利益(営業利益)は14,218百万円(前期比+17.3%)となりました。
(設備機器の製造・販売事業)
売上高は6,641百万円(前期比+1.4%)、セグメント利益(営業利益)は129百万円(前期比+19.4%)となりました。
(その他)
売上高は86百万円(前期比△43.7%)、セグメント利益(営業利益)は50百万円(前期比△13.6%)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当社グループでは生産実績を定義することは困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
なお、参考のため、提出会社の事業の状況は、次のとおりであります。
設備工事事業における受注工事高および完成工事高の状況
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでいるため、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度の前期繰越工事高は、当該会計基準を遡って適用した金額になっております。
(注) 受注工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
受注工事方法は、特命と競争に大別されます。これを受注金額比で示すと次のとおりであります。
(注) 1 完成工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高およびその割合は、次のとおりであります。
④ 手持工事高(2022年3月31日現在)
(注) 手持工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
当連結会計年度末における総資産は、受取手形・完成工事未収入金及び契約資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて29,589百万円増加し、300,736百万円となりました。
負債合計は、未成工事受入金等が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて28,541百万円増加し、163,838百万円となりました。
また、純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて1,048百万円増加し、136,897百万円となりました。
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5,403百万円減少し、56,867百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,186百万円の収入(前連結会計年度比△21,381百万円)となりました。これは主に仕入債務の増加などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,042百万円の収入(前連結会計年度は324百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、8,007百万円の支出(前連結会計年度は3,642百万円の収入)となりました。これは主に自己株式の取得による支出によるものであります。
②資本の財源および資金の流動性に関する情報
当社グループの資金需要は、事業運営に必要な運転資金、設備投資・研究開発・新規事業開発等の成長投資のための資金および株主還元のための資金等であります。当連結会計年度の実績は設備投資額2,552百万円、研究開発費1,133百万円、株主還元額9,985百万円(配当3,985百万円、自己株式取得5,999百万円(役員報酬BIP信託制度による取得は除く))でありました。設備投資の詳細については「第3 設備の状況」を、研究開発費の詳細については「第2 事業の状況 5 研究開発活動」を、株主還元の詳細については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をそれぞれご参照ください。
当該資金需要に備えるための資金調達は、主に営業キャッシュ・フローの積み上がりによる自己資金、金融機関からの借入、社債の発行により行っております。
新型コロナウイルス感染症拡大の事態が更なる長期化・深刻化した場合、資金調達に関するリスクが顕在化する可能性は高くなります。当社グループは、これらのリスクを回避するため、金融機関との対話および情報連携を常時行うよう努めるとともに、従来の短期融資枠に加え、コミットメントラインの導入の検討や追加の社債発行の検討により、資金調達の安定化・多様化に努めております。
(4) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いております。会計上の見積りにあたっては、入手し得る将来に関する情報や過去の実績等に基づき合理的と判断する方法によっておりますが、将来に関する事象については不確実性を伴うため、見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、エネルギーバリューチェーン技術、資源の循環利用技術、生産システムの変革技術と先進的な環境提供技術の開発を活動方針に掲げ、脱炭素社会の実現、地球環境保全、生産性向上・働き方改革、その他多様な顧客ニーズに応える技術と商品の創出に注力してまいりました。
具体的には、再生可能エネルギー・未利用エネルギー利活用技術の開発、資源循環利用技術の開発、現場作業の効率化ツールの開発、高砂熱学イノベーションセンター導入技術の性能向上・検証に取り組んでおります。
特に、脱炭素の推進への寄与が期待される水素エネルギー利用技術を重要開発課題と位置付け、関連する技術開発、事業開発を推進いたしました。
一昨年より運用開始した高砂イノベーションセンターにて、導入した当社独自の空調システムや省・創・蓄エネルギーシステムの継続的な運用改善に取り組みました。その結果、エネルギーの自立性をさらに高めることに成功し、敷地全体でNeary ZEBを達成いたしました。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は、
セグメントごとの主な成果は、次のとおりであります。
(1) 水素エネルギー利用技術
これまで二十年近くにわたり建築設備向け水素利用システム開発で培ってきた技術を基に上市しましたグリーン水素製造用水電解装置は、順調に市場展開しております。北海道石狩市の厚田地区マイクログリッド事業向けに導入を2022年3月に完了し、太陽光発電、二次電池、燃料電池、これらを制御するエネルギーマネジメントシステムと融合させ、環境性と強靭性を兼ね備えた分散型電源系統の構築を実現いたしました。同年4月より当社は運用事業者として石狩市より委託を請け、グリッドのさらなる運用改善に取り組んでまいります。なお、当連結会計年度には本取組みにおいて石狩市と共同で、「NIKKEI脱炭素アワード大賞」を受賞いたしました。また、水素社会実現を加速化することのできる高性能水素製造装置の開発にも引き続き取り組んでおります。さらには、将来の月面経済圏でのビジネス展開可能性に着目し、月面での世界初の水電解による水素製造への挑戦にも継続して取り組んでおります。
(2) 高砂熱学イノベーションセンター
茨城県つくばみらい市に新たな研究開発拠点として「高砂熱学イノベーションセンター」を開設し、2020年3月より運用しています。「地球環境負荷低減と知的生産性向上を両立したサスティナブル建築」を設計コンセプトとし、再生可能エネルギーの積極的活用による「ZEB」の達成やワークスタイルの変革に呼応した多様な執務空間や地域貢献の場の提供を目指してきました。
再生可能エネルギー利用として、太陽光発電200kWに加え、地元茨城県産の木質チップを燃料としたバイオマスガス化発電80kWを導入するとともに、余剰電力を電力会社の系統に逆潮流できないという制約のなか再生可能エネルギーの有効活用のために2021年4月に大規模な蓄電池(蓄電量、約4,200kWh)を増設しました。2年間の運用改善と検証の結果、敷地全体でNearly ZEBを達成するとともに、受電電力量の比率を20%まで下げその電力も水力発電由来のグリーン電力とすることによりカーボンフリーを実現しております。また、地下水とバイオマスガス化発電の排熱を利用したデシカント外調機や天井放射空調パネル、パーソナル端末で操作できる個別空調機により、執務者の健康性や快適性を実現しております。これらの結果は各学協会の報文や、関連雑誌にて発表しており、当連結会計年度には「茨城建築文化賞知事賞」、「日経ニューオフィス賞 関東ニューオフィス奨励賞」を受賞いたしました。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、
建物のZEB化とコロナ禍での換気設備需要に対応した製品として、除湿精度の高い冷却除湿型でありながら、低温冷水を必要とせず、冷水製造時の効率が高い高温冷水や再生可能エネルギーである地下水等を主熱源にできる独自のヒートポンプモジュールを組込んだ「低湿度空気供給型外気処理機」を開発し販売を開始いたしました。既に販売されている個別空調用小型パーソナルクーラー「ミニマック」をWEB会議の増加に伴って需要が増加している個別ブースに向けた「ブース用小型空調機」として改良開発および実証試験を実施、2022年度の汎用製品化を目指します。温泉地特有の腐食性ガスを有する環境下でも、これまでより高い耐久性を実現した「温泉地用高耐久型水熱源ヒートポンプ付きファンコイルユニット」の開発に成功し、2022年4月より販売を開始しております。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、
(その他)
該当事項はありません。