文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その実現を約束する趣旨のものではありません。
今般、当社を取り巻く事業環境は劇的に変化しています。足許では、世界情勢をうけての資機材不足、為替影響や人手不足による建築工程の遅延、労務費高騰などが懸念されております。日本政府が発表した「2050年カーボンニュートラル宣言」によって、より一層、脱炭素社会の実現に向けて各企業がカーボンニュートラルやESGへの取り組みを加速させており、長期的な視点では、“2040年”が人口問題や気候変動問題による社会構造の大きな転換点であると予測しています。
このような事業環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、多様な価値観を活かして、当社グループが、持続的な成長と付加価値を創出するためには、当社の社是「人の和と創意で社会に貢献」を原点に、当社グループに集う全ての人たちの心の拠り所が必要であると考え、自らのパーパスを『環境革新で、地球の未来をきりひらく。』と定義しました。
「高砂熱学グループ長期ビジョン2040 Create our PLANET, Create our FUTURE」の策定にあたり、2040年にどのような姿であるべきか、株主・投資家の皆様、お客様、取引先、協力会社や社員といったすべてのステークホルダーのエンゲージメント向上の観点で議論してまいりました。その結果、当社グループは、これまでの空気調和の技術を核としながら、環境創造の事業領域を拡げ、役職員一人ひとりが、環境クリエイターとして、社内外の多様な人財と高め合いながら常に挑戦を続けていき、ビジネスパートナーと環境価値を共創する企業像を導き出しました。
そして、これからの社会変化を踏まえ、空調設備事業を核として、①建設事業、②設備保守・管理事業、③カーボンニュートラル事業、④環境機器製造・販売事業の4つの事業ドメインをDXで連携し、目指す姿を実現する企業グループへ変革していきます。高砂熱学グループ長期ビジョン2040を、市場環境の成長や投資回収時期等の観点から、3つのフェーズで着実に進めていき、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
第1フェーズ(2023-2026)の「中期経営計画2026 Step for the FUTURE −未来への船出の4年間−」では、コア事業(建設事業)による収益基盤を盤石なものとし、得られる資金を事業領域拡大に向けた成長投資に振り向けます。第2フェーズ(2027-2030)は、成長実現の4年間と位置づけ、海外事業の伸長、DXによる新たな付加価値の創造やカーボンニュートラル事業の収益化の実現を目指します。そして、第3フェーズ(2031-2040)は、飛躍の10年と位置づけ、カーボンニュートラルに資する新たな事業セグメントの確立を目指します。これらの3つのフェーズを通じて、2026年度には経常利益200億円を、そして、2040年度には経常利益400億円以上を創出する企業グループに変革してまいります。
(注)環境クリエイター®:高砂熱学の社員一人ひとりが目指す姿であり、その集合体としての高砂熱学が目指す姿。
当社グループのサスナビリティに関する考え方及び取組に関しては、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、ESGを経営の根幹に位置づけ、持続可能な社会の実現に貢献することを基本姿勢とし、2021年に制定したサステナビリティ基本原則(※)の下、ESG課題をサステナビリティ課題として認識し、取組を推進しております。
毎年、経営戦略(経営計画)の一部として、ESGの各領域で取組内容とKPI等の設定を行い、PDCAサイクルにより、課題解決に継続的に取り組んでおります。
2.サステナビリティ課題に関するリスクへの的確な対応と収益機会の獲得に努めます。
3.サプライチェーンを含めたあらゆるステークホルダーと協議し取り組みます。
4.環境クリエイターとして地球環境にやさしい技術・サービスの提供に努めます。
5.お客様ニーズを把握し、常にお客様から期待される以上の品質提供に努めます。
6.公平・公正な処遇、多様性、健康経営の推進など、働きやすく意欲向上に資する労働環境を整備し、社員エンゲージメントの向上に努めます。
7.企業倫理の徹底をはじめ公正で透明性の高い経営を推進します。
8.経営トップが率先垂範し、全役職員が高い使命感と情熱をもって取り組みます。
当社では、委員長を社長とするESG推進委員会を設置し、サステナビリティ課題への取組方針を審議し、取締役会に上程・報告する体制としております。
ESG推進委員会においては、当社グループの経営戦略と整合させたサステナビリティ課題(ESG課題)と目標水準を設定し、これを反映した推進計画を策定いたしました。
ESG推進委員会では、これらの課題の進捗確認を四半期ごとに行うとともに、設定したサステナビリティ課題の中でも、当社の事業活動と関係が強い「CO₂削減への貢献」および「ダイバーシティの推進」「社員エンゲージメント向上」を重要性の高いサステナビリティ課題と位置づけ、委員会の中にワーキングチームを設置いたしました。
なお、「CO₂削減への貢献」は社会全体の重要課題である「気候変動課題への対応」に、「ダイバーシティの推進」および「社員エンゲージメント向上」は同じく社会全体の重要課題である「人的資本の強化」と、それぞれ関係の強い課題と考えております。
ESG推進委員会では、四半期ごとの進捗確認の他に、こうした重要課題へ対応するためのワーキングチームを設置したうえで、ワーキングチームからの取組状況の報告も確認し、四半期ごとに取締役会に上程・報告しております。
また、2023年3月期において、当社は、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)開示内容の審議、2023年度ESG推進計画の決議などを目的として、ESG推進委員会を合計で6回開催いたしました。
なお、グループ各社間での取組を共有するため、国内関係会社の担当部門の部課長クラスが委員となるグループCSR推進委員会(委員長:当社の経営企画部門長)を3回開催し、また海外現地法人の現法長と当社ESG推進委員会付議内容を共有するとともに、当社との相互意見交換を2回実施いたしました。
2.リスク管理
当社は気候関連リスクを重要な課題であると認識し、ESG推進委員会と企業活動に影響を及ぼす全社リスクを適切に低減・コントロールするリスク管理委員会が連携して対応策を検討し、重要と評価されたリスクに関しては取締役会に報告する統合管理体制を取っております。
2023年3月期においても、サステナビリティ課題の中で認識する各リスクについては、事業活動全体のリスクの一部として、識別、評価の上、縮減のための方策を策定し、その状況を四半期ごとにリスク管理委員会および内部統制委員会でモニタリングし、取締役会に報告いたしました。
3.戦略並びに指標及び目標
重要な社会課題として認識する「気候変動課題への対応」および「人的資本の強化」の取組状況(戦略並びに指標及び目標)は以下に記載の通りです。
(1)気候変動課題への対応
気候変動課題への対応については、TCFD提言の開示フレームに則り、当社にとっての気候関連リスクと機会を抽出の上、影響度算定の前提として1.5℃と4℃シナリオを設定し分析しております(本有価証券報告書提出時点における最新分は2022年10月5日付で公表したもの)。
1.5℃シナリオでは、資機材等の調達コストの増加等の移行リスクが高まることが想定される一方で、物理的リスクについては、その影響は一定程度緩和され、自然災害による作業現場の被災が発生する可能性は相対的に低いと想定されます。
一方で、4℃シナリオにおいては、移行リスクは低い一方で、自然災害による施工現場の工程遅延等、物理的リスクは相当大きくなると想定されます。
なお、サプライチェーンを含めた建設労働者の熱中症や感染症等の健康被害は、双方いずれのシナリオの場合であっても、現状比で著しく増加することが想定されます。社員や作業員が働く環境整備に関する課題は、事業の継続・発展に必要不可欠な技術系を中心とする社員の確保のためにも非常に重要であり、様々に重点的な対策が求められます。
こうした分析の下で、主なリスクへの対応として、まず調達コストへの増加など移行リスクへの対応として、素材メーカー等との連携強化や低炭素素材の研究を進めます。
また、建設現場の環境苛烈化といった物理的リスクの顕在化で、建設業入職者が一層減少し、施工能力が不足することが想定されますが、このリスクに対しては、T-BaseⓇ(※)等による作業オフサイト化の拡大、DXを活用した生産性向上などの職場環境の整備を進めます。
当社事業にとって気候関連課題への対応は事業の成長機会でもあり、こうした機会を獲得するために、上記の対応に加え、積極的な省エネ設計提案、顧客・取引先とのエンゲージメント(対話)を通じた新技術開発に邁進してまいります。
※T-BaseⓇ
これまでの現場ごとの「施工管理」からプラットフォームによる「生産管理」へと、施工の在り方の変革を進めるプロジェクト
(指標と目標)
当社は、温室効果ガス排出の削減をスコープ1・2で、これまでの毎年▲2.5%から▲4.2%と目標水準を引き上げ、中期経営計画において2026年度▲16.8%(対2022年度)を掲げました。2022年3月期には、再生可能エネルギーによる電力の活用等により、対2019年度比約30%削減いたしました。
今後は、連結グループに属する会社も含め、削減目標をSBTの1.5℃目標水準に定め、その取組を加速させてまいります。
(2)人的資本の強化
(戦略)
当社グループは、人が最大の財産であると考え、創業以来、社是「人の和と創意で社会に貢献」の下、社員一人ひとりの力を結集し新たな価値を生み出し社会の発展に貢献してまいりました。
その底流には、会社は社員一人ひとりにより支えられ、社員の自律的成長により会社も更に成長するという考えがあります。このように、当社グループでは、社員一人ひとりが環境クリエイターとして機能発揮ができる就労環境を目指し、ダイバーシティ推進等の整備に取り組んでいます。
そのような観点から、当社は、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針として、「人財マネジメント基本方針」(※)を定めています。
※人財マネジメント基本方針
当社は、「人が最大の資産である」という理念に基づき、人財育成と人間尊重を礎とした人財マネジメントを行います。
企業活動を通じて、常に新たな価値を生み出して社会に貢献していく為には、日々成長を続ける企業でなければならず、それを支えるのは常に成長し続ける人財であるとの考えを基本とし、品性と高い倫理観を持ち、自律的に、常に挑戦し続ける人財を育成します。
また、性別、性的指向、性自認、国籍や障がいの有無などの属性にかかわりなく、お互いの多様性を認めて尊重し合う企業文化を醸成するとともに、個々の人財が健康で生き生きと、能力を最大限に発揮できる労働環境を整備します。
①ダイバーシティ推進への取組
2022年4月に、ダイバーシティワーキングチームの下に女性、キャリア採用、障がい者、外国籍社員の各ワークショップを設置し、LGBTQも加え、課題抽出と対策を検討しております。
まず、女性に関しては、2030年の経営の中核を担う人財登用目標を掲げ、2023年3月期には、女性社員が活躍できるフィールド拡大の検討や、男性社員の育休取得推進に加え、全社社員に対するアンコンシャスバイアス等の研修や女性社員同士の社内ネットワーキングの構築等の取組を行いました。
また、キャリア採用者、障がい者、外国籍社員においても、同様にアンコンシャスバイアス等の研修や、外国籍社員同士の社内ネットワーキングの構築等の取組を実施しました。
こうした取組を重ねることで、多様な視点による革新やイノベーションが創出され、持続的な成長と企業価値向上が図られるものと考えております。
<2023年3月期に実施したダイバーシティ推進に係る研修およびイベント>
研修
〇アンコンシャスバイアス研修
〇女性意識改革研修
〇女性管理職育成研修(リーダー研修)
〇障がい者の理解促進研修
〇ビジネスと人権研修
〇LGBTQ研修
イベント
〇本社・各店の女性社員代表と社長とのダイアログ(対話会)
〇本社・各店の外国籍社員代表と社長とのダイアログ(対話会)
〇本社・各店の女性社員代表 約20名による意見交換会
〇外国籍社員全員による意見交換会
②その他の人的資本強化に向けた取組
ダイバーシティ推進その他の人的資本強化に向けた取組として、以下の取組を行っております。
・性別や国籍、キャリア等に関わりなく実力主義での採用活動の強化
・カーボンニュートラル社会と未来の地球を創る環境クリエイター人財の育成
・テレワークの拡充、ノー残業デーの運用徹底、時差出勤等の働き方改革の推進
・「ビジネスと人権課題」への対応
―事業活動上の潜在する人権侵害リスクの抽出と対処策の検討に着手しております。
・従業員の健康経営の推進―健康優良法人2023大規模法人部門(ホワイト500)(※)に認定されております。
※健康優良法人(ホワイト500)
日本健康会議が特に優良な健康経営を実践している法人として、健康・医療新産業協議会健康投資ワーキング・グループにおいて定められた評価基準に基づき認定するもの
(指標と目標)
当社では、人財マネジメント基本方針に基づき、ダイバーシティ推進に関する指標と目標として、管理職に占める女性労働者を2030年に10%、2035年に15%程度として掲げておりますが、この目標に対し、2023年4月1日現在で2.3%となっております。
また、男性労働者の育児休業取得率(暦日7日以上)を2030年100%の目標に対し、2023年3月期では65.7%となっております。なお、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき算出した、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における男性労働者の育児休業等及び育児目的休暇の取得割合は、85.1%となっております。
今後、連結グループに属する会社も含め、着実にダイバーシティが浸透すべく、その推進に努めてまいります。
管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「
今後、引き続き、当社グループにとって最大の資産である人的資本の強化に向け、社員エンゲージメント状況の定期的な効果測定を行いながら、さまざまな取組を継続してまいります。
当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況などに重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、あらゆるリスクの顕在化を未然に防止するとともに、リスクが顕在化した場合にはその損失を最小化すべくリスクマネジメントを行っております。リスク顕在化の未然防止にあたっては「リスク管理規程」に基づき、最高責任者を代表取締役社長とし、リスク管理担当取締役を委員長とする「全社リスク管理委員会」を設置し、リスクマネジメント体制の運用方針・計画を定めるほか、当社グループに重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを定期的に見直し特定したうえで、その対策および対応状況の妥当性を評価しております。なお、全社リスク管理委員会は、事業統轄部門の役員、個別リスク主管部の長で構成されており、当連結会計年度は5回開催いたしました。
1.事業環境に関するリスク
(1)民間設備投資の変動について
世界的な経済情勢の変化等の影響を受け、顧客の投資計画の中止・延期、内容の変更などにより、想定を上回る建設需要および空調設備需要が減退するなど、事業環境に著しい変動が生じる場合があります。かかる場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
経済情勢の変化は先行きの見通しの予測が困難であるものの、当社グループは固定費縮減等を含め、全社で総合的取り組みを行っていくことで対処いたします。
(2)資機材の調達コスト・納期に関するリスク
当社グループが施工工事を行うにあたり、経済環境から、ダクト、配管、断熱、冷媒、冷凍機・空調機など設備工事等に係る資機材価格の高騰や納期が長期化する場合があります。これらを請負金額に反映することが困難な場合には、工事原価が想定以上に増加し、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
資機材の多くは、素材の相場の影響を受けることから、当該リスクが顕在化する可能性は常にありますが、これに対しては、購買の体制を強化し、全店集中購買を加速させることでスケールメリットを生かした調達機能を強化し、価格の上昇を抑制すること等で対処いたします。
また、納期の長期化に対しては、発注者と協議のうえ、先行発注や機種・システムの変更を提案する等、工期への影響を最小限に留めるよう努めております。
(3)技術員・技能者の人手不足による工程遅延リスク
当社グループが施工工事を行うにあたり、資機材の調達遅延に加え、協力会社を含めて施工に携わる技術員が不足し、定められた納期までに工事を完了させることができない場合、売上高が計上されず、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、想定を上回る水準での工数の増加によって、当該リスクが顕在化する可能性はあるものの、当社グループは、アウトソーシング体制の構築と活用、ITツールの活用、業務の標準化による生産性向上を図ることで対処してまいります。また、特に技術員・技能者の不足については、委託工事会社の新規採用への注力、国交省の進める建設キャリアアップシステムの活用等による技能職の確保によって対処してまいります。
(4)労務関連法制に係るリスク
当社グループが施工工事を行うにあたり、2024年4月から建設業に時間外労働の上限規制が適用開始されることに伴い、技術員等の総労働時間の減少が施工能力の縮小につながり、その結果売上高が減少し、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
施工能力の縮小に対しては、これまでの現場ごとの「施工管理」からプラットフォームによる「生産管理」へと、施工の在り方の変革を進める(T-BaseⓇプロジェクト)等、生産性の向上に取り組むことにより、労務関連法制の改正に伴うリスク軽減に努めております。
なお、当社グループでは、働き方改革と称した労働環境や人事制度の整備等による適正な労働時間管理や長時間労働の是正等の継続的な取り組みを行うことで、労務関連法制に適切に対処してまいります。
2.海外事業展開に伴うリスク
当社グループは、収益機会の拡大のため、これまで中国、東南アジア、インドを中心に海外への事業展開を図ってまいりました。
他方、当社グループの事業を海外展開していくにあたっては、不安定な政情、戦争やテロといった国際政治に関わるリスク、言語、地理的要因、法制・税制度を含む各種規制、自主規制機関を含む当局による監督、経済的・政治的不安定性、商慣習の違い等の様々なリスクおよび特定の国や地域またはグローバルにおいて競争力を有する競合他社との競争が激化するリスクが存在します。更には、外国政府により関係する諸規制が予告なく変更されるリスクも存在します。当社グループが、これらのリスクに対処できない場合、当社グループの海外への事業展開、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国際グループ事業統括部が海外グループ会社を管理・統括することにより、国際事業全体の戦略拠点の見直しを進めるとともに海外グループ会社と常時情報連携を図り、適切なモニタリングを行うことで迅速にリスク対応できる体制を整備しております。
3.事業の拡大に関するリスク
(1)事業領域の拡大について
新規の事業領域へ参入するに当たっては、相応の先行投資に加え、その領域固有のリスク要因により、コントロールが困難なほど多大となる可能性があるほか、新規に参入した市場で求められる技術と当社グループが保有する技術がマッチングしない場合や、市場の拡大スピードや成長規模、市場へ参入する難易度によっては、当初想定していた成果を挙げることができないこともあり、かかる場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対しては、参入する市場調査、事業計画の精査等により、極力リスクを低減するよう努めております。また、参入後は、予め定めた撤退基準に基づき、撤退の要否を判断しております。
(2)M&A等について
M&A等については、買収後に偶発債務の発生や未認識債務が判明する可能性もあり、その結果、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、M&A実施後、収益計画と実績に大きな乖離が生じた場合には、のれんや株式の評価損計上を余儀なくされる可能性があります。
これに対しては、対象企業の財務内容、契約関係、事業計画の精査等を行うことによって、極力リスクを低減するように努めております。
4.資金調達に関するリスク
金融市場が不安定な場合や、当社グループの信用力の悪化により格付機関から当社に付与されている信用格付が引き下げられた場合等においては、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできることは保証されておりません。そのような事態に至った場合、安定した資金繰りに支障が発生する等、当社グループの事業遂行の制約要因となる可能性があるほか、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
ロシア・ウクライナ情勢の影響をはじめとする地政学リスクの高まりや、欧米における金融システム不安が拡大・深刻化した場合、当該リスクが顕在化する可能性は高くなります。当社グループは、これらのリスクを回避するため、金融機関との対話および情報連携を常時行うよう努めるとともに、従来の短期融資枠に加え、コミットメントラインの導入の検討や追加の社債発行の検討等により、資金調達の安定化・多様化に努めております。
5.施工中の事故、災害リスク
当社グループが施工工事を行うにあたって、施工中の災害または事故等の発生により、損害賠償責任、契約不適合責任等を負担する可能性があります。当社グループは不測の事態に備えて包括賠償責任保険に加入しておりますが、多額の損害賠償金が発生した場合には、当社グループの事業、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
多数の施工現場を有する当社グループにおいては安全に向けて最大限の配慮を払うとともに安全衛生の現場指導、適正な労務環境の構築等による安全衛生管理の徹底等、未然防止策により低減に努めております。
6.人財確保に関するリスク
(1)国内の従業員数の減少リスク
日本国内においては、定年退職者の増加により従業員数の減少が見込まれており、将来の事業活動に支障をきたす可能性があります。このような場合、当社グループの事業、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、定年延長・再雇用制度を充実させる等、長く従業員が勤め続けることができる人事制度を導入・浸透させるとともに、IoTの活用やデジタル化の推進などによる省人化・効率化により生産性を高めることによって、従業員数減少に備えております。また、海外の人財を含めた多様な人財の活用等、人財への人的投資を拡充して対応してまいります。
(2)若手・専門性を有する人財の採用リスク
当社グループが若手や専門性を有する人財を継続的に確保することができず、円滑な事業活動に支障が出る場合は、当社グループの事業、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内の大学等に積極的に訪問し就職セミナーを開催し、またインターンシップを実施する等によって優秀な人財の確保に努めております。通年採用やリージョナル採用等による採用機会の拡充を行うと共に、キャリア採用も積極的に行っており、多様な人財・多様なスキルの充足に向けた環境整備を進めております。
7.無形資産(知的財産権等)に関するリスク
当社グループは、環境に貢献しうる技術を持ち、多くの特許等を保有しております。特許権その他の知的財産権等が取得できずに当社グループが使用する技術等を保護できない場合には、当社グループの事業、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。一方で、当社グループが、故意なく他者が持つ特許権その他の知的財産権等を侵害してしまい、被侵害者から損害賠償請求されることもあり得ます。
当社グループは、知的財産権等に関する専門部署を設け、全部門間で常に情報共有を図る体制を確立することで、他者の知的財産権等を侵害することおよび他者による当社グループの知的財産権侵害の未然防止に努めております。
8.市場に関するリスク
(1)資産保有リスク
当社グループは、不動産や有価証券等の資産を保有していますが、取引先を中心とした市場性ある株式等は価格変動リスクを負っております。当連結会計年度末時点での市場価額との評価差額(税効果会計の適用前)は141億49百万円の含み益ですが、今後の時価の動向次第でこれらの数値は変動いたします。また、大幅な時価の下落が生じた場合、評価損が発生し、特別損失として計上する可能性があります。
政策保有株式については、当社グループは持続的な企業価値向上に向けて、戦略上重要な協業および取引関係の維持発展が認められる場合を除き、原則として保有いたしません。経済動向を注視しつつ、定期的に取締役会で資産の保有意義の検証を行い、企業価値向上に資するものとはいえないと判断した資産については売却する等、保有資産が価値減少するリスクの低減に努めております。
当社グループは、個別投資においては決裁基準を設けて投資案件検討委員会等による事前の協議・審査を厳格に行うこととしております。また、取得後についても、投資先の運営・経営状況や時価を定期的にモニタリングすることとしております。
(2)為替変動リスク
当社グループの海外連結対象会社の財務諸表について、現地通貨で作成したものを、円換算した上で連結財務諸表を作成する際、為替変動による影響を完全に排除することは困難であり、その結果、外国為替相場の変動が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対しては、必要に応じ、国際政治・経済動向を注視し、モニタリングいたしますが、当社グループでは、国を跨いでの資機材の調達は少ないため、取引上における為替変動リスクは限定されたものであります。
9.情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、個人情報の保護、取引先の秘密情報の管理に最大限の注意を払い、また、建築設備等に関わるクラウド基盤およびその基盤上で提供するアプリケーションの開発、運用、保守業務における情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証の取得を受けるなど、グループ全体としてリスク管理を徹底し、適切な情報管理を行っております。しかしながら、サイバー空間では様々な技術を用いた攻撃が増加し、不正アクセス等による情報の外部への漏洩や悪用等の可能性を完全に排除することは困難であり、これらが発生した場合に法的紛争に巻き込まれる可能性があるほか、内外監督官庁からの処分を受ける可能性があります。
当社グループは、個人情報および取引先からの秘密情報を保持して事業活動を継続していくため、情報セキュリティ方針に基づき業務上保有する情報資産を適切に保護することとしております。
これを実現するため、情報管理規則を施行し、全従業員の秘密保持体制を強化するとともに、情報リテラシーを高めるために社内教育も講じております。
また、昨今高まるサイバー攻撃への対応として、攻撃の検出・分析を行うため、SOC(Security Operation Center)の整備、SIEM(Security Information and Event Management)のツールを導入しセキュリティ監視の強化を行うとともに、インシデント発生時に迅速かつ円滑な対応が可能なCSIRT(Computer Security Incident Response Team)体制の構築にも取り組むなど、ITガバナンス強化に努めております。
10.コンプライアンスに関するリスク
(1)法的規制等の適用の可能性について
当社グループは、建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法、個人情報保護法等、国内外の各種法令・制度等の事業活動に関連する法的規制を受けております。
こうした法的規制の新設や改正、監督官庁による許認可の取消または処分、新たなガイドラインや自主的ルールの策定または改定等により、当社グループの事業が新たな制約を受ける場合、または既存の規制が強化された場合には、当社グループの事業、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは法令遵守を重要な企業の責務と位置付け、グループ横断的なコンプライアンスに対する取り組みを進め、全社リスク管理委員会、内部統制委員会および取締役会へその取り組み状況を報告し、適正な職務執行を徹底するとともに、代表取締役社長直轄の独立組織である内部監査室による内部監査を実施し、コンプライアンス体制を強化して法令遵守の徹底を図っております。
(2)訴訟等の可能性について
当社グループが事業活動を展開する中で、環境、労務、知的財産権等、当社グループに対し様々な訴訟を提起される可能性、またはその他の請求を受ける可能性があります。
かかる事態に直面した場合、顧問弁護士と連携し、事実関係の調査を行った上で、必要に応じ、応訴等の対応を図ってまいります。
(3)人権リスクについて
当社グループが事業を進める上では、雇用形態にかかわらず事業に関わる全ての従業員(正社員のほか、契約社員、派遣社員、アルバイト・パート社員等を含む。)や取引先従業員、更には、顧客や事業活動が行われる地域住民等、事業活動に関わる全ての人の人権を尊重しなければなりません。しかしながら、人権に関する取組みが不十分である場合、取引の停止や株価の下落、罰金等が発生し当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「人権の尊重」を企業が果たすべき概念と認識し、人権基本方針を作成のうえ開示するとともに、サプライチェーン及びその他のビジネス上の関係を踏まえ、人権への負の影響を予測・特定し、人権への悪影響の防止、軽減に努めております。
11.災害等のリスク
当社グループが事業を展開する地域において、地震、台風、津波等の大規模自然災害等の発生や感染症の拡大等に伴い、工事の中断や大幅な遅延等の事態が生じた場合には、事業所において事業の継続に支障をきたす重大な損害が生じる可能性があります。また、これらの災害等が発生した場合には、社会全体の経済活動が停滞し、建設需要そのものが低下する結果、これらが当社グループの事業、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
大規模災害等は予測困難であるものの、当社グループにおいては、これらの災害等が発生した場合に備え、事業継続計画(BCP)マニュアルにおいて基本的な方針や体制等を定め、定期的に見直しを行い、精度向上を図り、有事の際の対応策を規定しております。
12.気候変動に関するリスク
気候変動は国・地域を超えて世界規模で影響を与える問題であり、当社グループにとって重要な課題であると認識しておりますが、対応の遅れや不足によって以下のリスクが顕在化する可能性があります。
(1)移行リスク
当社グループが脱炭素社会への移行や、顧客・社会の気候変動へのニーズに対応できない場合、投資家・顧客等からの評価が低下し、受注等の事業機会の喪失を招くなど、企業価値の低下につながる可能性があります。また、カーボンプライシング制度等の導入に伴うコスト増加により当社グループの事業、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
脱炭素社会への移行に対処するため、代表取締役社長を委員長とするESG推進委員会を設置し、変化する情勢を常に確認し、環境目標の見直しやリスク顕在化の未然防止・迅速な対処に努める体制を整備しております。
(2)物理リスク
異常気象による資機材の高騰に伴うコストの増加の負担や大規模災害の発生に伴うサプライチェーンへの影響および施工のうち当社受注分の工期延長・利益減少によって、当社グループの事業、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、サプライヤーと協力し、より安定的な資機材の供給体制を構築するとともに、発生予測が困難な自然災害等に対する事業継続能力向上に取り組んでまいります。また、気候変動に伴い発生する事象等の影響について、一定の想定に基づくシミュレーション(シナリオ分析)を行い、不測の事態に備える等、対応策を継続して検討してまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に起因する行動制限の緩和や経済活動の再開が徐々に進み、緩やかに持ち直しの動きが見られた一方で、国際情勢変化等により先行き不透明な状態が続きました。
建設業界および当社関連の空調業界におきましては、大都市圏の再開発事業とともに製造業を中心とした設備投資において、建設需要は底堅さを維持しておりますが、世界経済の先行き不透明感への懸念など、事業運営には慎重な取り組み姿勢が求められる状況で推移しました。
このような経営環境のもと、当社では全社最適受注の取り組み等を通じ、売上高は、338,831百万円(前期比+11.9%)、営業利益は15,326百万円(前期比+6.6%)、経常利益は16,685百万円(前期比+6.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は12,227百万円(前期比+6.0%)となりました。
また、受注高につきましては、372,774百万円(前期比+9.6%)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(セグメントごとの業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(設備工事事業)
売上高は332,017百万円(前期比+11.9%)、セグメント利益(営業利益)は14,950百万円(前期比+5.1%)となりました。
(設備機器の製造・販売事業)
売上高は7,238百万円(前期比+9.0%)、セグメント利益(営業利益)は304百万円(前期比+134.8%)となりました。
(その他)
売上高は91百万円(前期比+5.4%)、セグメント利益(営業利益)は56百万円(前期比+12.1%)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当社グループでは生産実績を定義することは困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
なお、参考のため、提出会社の事業の状況は、次のとおりであります。
設備工事事業における受注工事高および完成工事高の状況
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでいるため、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)を前事業年度の期首から適用しており、前事業年度の前期繰越工事高は、当該会計基準を遡って適用した金額になっております。
(注) 受注工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
受注工事方法は、特命と競争に大別されます。これを受注金額比で示すと次のとおりであります。
(注) 1 完成工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高およびその割合は、次のとおりであります。
④ 手持工事高(2023年3月31日現在)
(注) 手持工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
当連結会計年度末における総資産は、現金預金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて12,655百万円増加し、313,391百万円となりました。
負債合計は、流動負債のその他に含まれる預り金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて2,388百万円増加し、166,226百万円となりました。
また、純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて10,267百万円増加し、147,165百万円となりました。
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ13,104百万円増加し、69,971百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、25,826百万円の収入(前連結会計年度比+24,640百万円)となりました。これは主に売上債権の減少などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,427百万円の支出(前連結会計年度は1,042百万円の収入)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、8,325百万円の支出(前連結会計年度比△317百万円)となりました。これは主に配当金の支払いによるものであります。
②資本の財源および資金の流動性に関する情報
当社グループの資金需要は、事業運営に必要な運転資金、設備投資・研究開発・新規事業開発等の成長投資のための資金および株主還元のための資金等であります。当連結会計年度の実績は設備投資額5,430百万円、研究開発費2,621百万円、株主還元額4,102百万円(配当4,102百万円)でありました。設備投資の詳細については「第3 設備の状況」を、研究開発費の詳細については「第2 事業の状況 6 研究開発活動」を、株主還元の詳細については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をそれぞれご参照ください。
当該資金需要に備えるための資金調達は、主に営業キャッシュ・フローの積み上がりによる自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入、社債の発行により行っております。
当社グループは、将来の資金需要に備え、金融機関との対話および情報連携を常時行うよう努めるとともに、従来の短期融資枠に加え、コミットメントラインの導入の検討や追加の社債発行の検討により、資金調達の安定化・多様化に努めております。
(4) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いております。会計上の見積りにあたっては、入手し得る将来に関する情報や過去の実績等に基づき合理的と判断する方法によっておりますが、将来に関する事象については不確実性を伴うため、見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、その活動テーマを「建物の環境を創る」、「地球の環境を守る」、「新たな環境に挑む」、「地域環境に貢献する」の3+αの柱を掲げ、脱炭素社会の実現、地球環境保全、生産性向上・働き方改革、その他多様な顧客ニーズに応える技術と商品の創出に注力してまいりました。
具体的には再生可能エネルギー・未利用エネルギー利活用技術の開発、資源循環型利用技術の開発、高砂熱学イノベーションセンター導入技術の性能向上・検証に取り組んでおります。
特に脱炭素の推進への寄与が期待される水素エネルギー利用技術を重要開発課題と位置付け、関連する技術開発、事業開発を推進いたしました。
2020年より運用開始した高砂熱学イノベーションセンターにて、導入した当社独自の空調システムや省・創・蓄エネルギーシステムの継続的な運用改善に取り組みました。その結果、エネルギーの自立性をさらに高めることに成功し、オフィス棟でZEBを、敷地全体でNeary ZEBを継続して達成いたしました。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は、
セグメントごとの主な成果は、次のとおりであります。
(1) 水素エネルギー利用技術
これまで20年近くにわたり建築設備向け水素利用システム開発で培ってきた技術を基に上市しましたグリーン水素製造用水電解装置は、順調に市場展開しております。北海道石狩市の厚田地区マイクログリッド事業向けに当社製水電解装置に太陽光発電、二次電池、燃料電池、これらを制御するエネルギーマネジメントシステムと融合させ、環境性と強靭性を兼ね備えた分散型電源系統を2022年3月に構築を実現いたしました。同年4月より当社は運用事業者として石狩市より委託を請け、1年間順調に需要家様に電源供給を行いました。引き続きグリッドのさらなる運用改善に取り組んでまいります。また、水素社会実現を加速化することのできる高性能水素製造装置の開発にも引き続き取り組んでおります。さらには、将来の月面経済圏でのビジネス展開可能性に着目し、現在世界最小・最軽量の水電解装置を宇宙ベンチャー企業の株式会社ispaceがミッション2にて提供する月面着陸船に搭載し、月面環境下で世界初となる水素・酸素生成実証実験に挑戦しております。
(2) 高砂熱学イノベーションセンター
茨城県つくばみらい市に新たな研究開発拠点として「高砂熱学イノベーションセンター」を開設し、2020年3月より運用しています。「地球環境負荷低減と知的生産性向上を両立したサスティナブル建築」を設計コンセプトとし、再生可能エネルギーの積極的活用による「ZEB」の達成やワークスタイルの変革に呼応した多様な執務空間や地域貢献の場の提供を目指してまいりました。
再生可能エネルギー利用として、太陽光発電200kWに加え、地元茨城県産の木質チップを燃料としたバイオマスガス化発電80kWを導入するとともに、受電電力量の比率を下げ、その電力も水力発電由来のグリーン電力とすることによりカーボンフリーを実現しております。また、地下水とバイオマスガス化発電の排熱を利用したデシカント外調機や天井放射空調パネル、パーソナル端末で操作できる個別空調機により、執務者の健康性や快適性を実現しております。これらの実績が関連学協会等に評価され、当連結会計年度には、次の賞を受賞いたしました。
・第61回空気調和・衛生工学会学会賞「技術賞 建築設備部門」(空気調和・衛生工学会)
・第11回カーボンニュートラル賞「カーボンニュートラル大賞」(建築設備技術者協会)
・第21回環境・設備デザイン賞(建築・設備統合デザイン部門)「優秀賞」(建築設備綜合協会)
(3)カーボンニュートラル事業開発部
当連結会計年度において、カーボンニュートラル事業開発部を新設し、当社が保有する環境技術を活用して、カーボンニュートラル実現に向けて取組を進める自治体・企業や先端技術を持つ学会・スタートアップなどと連携し、水素を軸に「つくる・ためる・つかう」を「ツナグ」事業をビジネスモデルとして構築していくことを目指しております。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、
建物のZEB化とコロナ禍での換気設備需要に対応した製品として、除湿精度の高い冷却除湿型でありながら、低温冷水を必要とせず、冷水製造時の効率が高い高温冷水や再生可能エネルギーである地下水等を主熱源にできる独自のヒートポンプモジュールを組込んだ「低湿度空気供給型外気処理機」を開発し販売を開始いたしましたが、今年度は同外気処理機のバリエーション拡充、およびこれらと組み合わせる監視装置、創エネユニットの開発にも着手し2024年度販売開始に向けて進めております。
昨年度より当社と包括連携協定を締結しているつくばみらい市の市立富士見ヶ丘小学校にて実装検証中の体育館空調機は、1年間の検証結果をもとに改善を重ね2024年度量産品初回納品を目標に進めております。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、
(その他)
該当事項はありません。