第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「地球環境と資源を大切にしながら、空気・水・熱の科学に基づく高度な技術によって最適空間を創造し、人類文化の発展に貢献する」ことを企業理念としております。

エンジニアリングコンストラクターとして積極的な事業展開を図り、未来を見つめた技術の開発に取り組み、時代の変化に俊敏に対応する「環境創造企業」として、社会的責任を果たし、株主をはじめとするステークホルダーの皆様のご期待と信頼に応えるべく企業価値の向上を目指してまいります。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により極めて厳しい状況であり、先行き不透明な状況が続くと思われます。

設備工事事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による工事の中断や延期、資材調達の遅延等の影響が懸念され、民間の設備投資は、先行きの不透明感による縮小が懸念されますが、政府建設投資は、引き続き底堅く推移すると思われます。

機器製造販売事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による生産計画、出荷時期等への影響が懸念されますが、FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置向け製品は、中国を中心とする設備投資が継続し、半導体製造装置向け製品につきましても、底堅い半導体需要を背景に堅調に推移すると思われます。

当社グループは、中期的な経営の指針として3ヶ年を計画期間とする中期経営計画を策定しており、2020年4月から、長期ビジョン「ASAHI-VISION 100」の2ndステージである第17次中期経営計画(2020年4月~2023年3月)をスタートいたしました。本中期経営計画では、現在当社グループが直面している課題の解決と将来に向けた基盤づくりに取り組み、持続的な成長と企業のより一層の向上を図っていくため、(1)魅力ある会社・職場づくりの推進、(2)利益重視の徹底、(3)将来に向けた経営基盤の強化を3つの基本方針としており、基本方針に基づき設定した7つの重点項目を優先的に対処すべき課題として、本中期経営計画の達成に総力をあげて取り組んでまいります。

当社グループは、連結受注高860億円、連結売上高880億円、連結営業利益30億円、連結当期純利益20億円を2023年3月期の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。

7つの重点項目の内容は以下の通りであります。

 

重点項目

① SDGs経営の推進

事業活動全般において、SDGsへの取り組みを拡充する

② 戦略的受注活動の推進

長期的な視野に立った組織的な営業活動を推進する

③ 技術力・現場力の強化

技術・ノウハウの整備、伝承と生産性の向上に取り組み、技術力・現場力の強化を図る

④ 働き方改革の推進

働き方改革を推進し、健康的で働きがいのある職場づくりを追求する

⑤ 研究開発力の強化

イノベーションの創出や現業支援に繋がるよう、研究開発力を強化する

⑥ 情報技術の基盤構築と活用

IT基盤の拡充を進め、先端デジタル技術を積極的に活用する

⑦ 事業領域の拡大

新たな収益源の確保を目指し、事業領域の拡大に取り組む

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

また、当社はリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、リスクの防止及び会社の損失の最小化を図っております。

 

(1)市場環境について

建設業界は、公共投資、民間の設備投資に左右される傾向があり、公共投資予算の削減や国内外の景気動向の影響で設備投資計画が縮小する場合があります。また、厳しい受注価格競争による予想以上の受注採算の低下や資機材高騰による原価の上昇が経営成績に影響を与える可能性があります。

機器製造販売事業の主要製品である精密環境制御機器は、半導体やFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置向け製品の急速な技術革新に伴い大幅に成長する反面、需給のバランスの悪化から市況が低迷するという周期的な好不況の波があります。このような環境の中、予想を上回る下降局面になった場合、経営成績に影響を与える可能性があります。

また、精密環境制御機器は、特定の取引先への依存度が高くなっており、当該取引先の業績、外注政策等により、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、市場や顧客の動向に十分注視するとともに、長期ビジョン、中期経営計画において、将来を見据えた積極的な経営と社会やお客様のニーズを的確に捉えた独自の技術・サービスへの取り組みを強化しております。

 

(2)取引先の信用リスク

建設業においては、一件あたりの取引における請負金額が大きく、また多くの場合に、工事目的物の引渡時に多額の工事代金が支払われる条件で契約を締結します。このため、工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、与信管理に係る規定等に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を定期的に把握する体制としております。

 

(3)株価の変動リスク

当社グループは2020年3月末時点で9,572百万円の市場性のある株式を保有しており、これらの株価変動のリスクを負っています。同時点での市場価格で評価すると4,950百万円の含み益となっておりますが、今後の株価動向次第でこの数字は変動します。

また、株価の下落は年金資産の目減りを通じて、年金の積立不足が増加し、年金費用を増大させるリスクがあります。

当社では、毎年定期的に取締役において、政策保有株式の保有の意義や資本コスト等を踏まえた経済合理性について検証を行い、保有が適切でないと判断されるものについては、縮減を行っております。

 

(4)退職給付債務

当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。割引率、期待収益率等の計算基礎については、毎期、見直しを行い、合理的に算定しており、年金資産の運用についても、安全性の高い資産での運用を継続しておりますが、割引率の低下や運用利回りの悪化はグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社及び一部の国内連結子会社は総合設立型の確定給付企業年金制度に加入しておりますが、その財政状態悪化による制度の見直しによっては、グループの退職給付費用の増加を招き、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)不採算工事の発生によるリスク

工事の施工に関しては、採算性と施工体制を重視し、適正な原価管理を徹底しておりますが、工事施工段階での想定外の追加原価等により不採算工事が発生した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)訴訟等のリスク

当社グループは、事業活動を遂行する上で、重要な訴訟等が提起された場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当連結会計年度末において係争中の案件がありますが、将来発生する可能性のある損失見込額として訴訟損失引当金を計上しております。

 

(7)その他のリスク

新型コロナウイルス等の感染症の拡大により、工事の中断や遅延が発生した場合、当社グループの事業活動が困難となり、経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、現場及び事務所の安全・衛生管理を徹底するとともに、テレワーク、時差出勤等の感染症拡大を防止する対策を行っております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善を背景に個人消費の持ち直しが続いており、企業収益も底堅く推移し、緩やかな回復基調が続きました。一方、海外経済は、通商問題を巡る緊張、中国経済の先行き、中東地域を巡る情勢等、世界経済に与える影響が懸念される中、国内外ともに新型コロナウイルスの感染拡大も加わり、先行き不透明な状況が続いております。

こうした事業環境の下で、当社グループは第16次中期経営計画の最終年度に当たり、受注の確保と収益の向上に総力を挙げて取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による工事の中断や延期、資材調達の遅延等の影響が懸念されますが、当連結会計年度への影響は軽微であります。

 

(1) 財政状態

当連結会計年度末の資産総額は80,732百万円で、前連結会計年度末比154百万円の減少となりました。

当連結会計年度末の負債総額は50,048百万円で、前連結会計年度末比776百万円の減少となりました。

当連結会計年度末の純資産総額は30,684百万円で、前連結会計年度末比621百万円の増加となりました。

 

(2) 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、受注高82,190百万円(前連結会計年度比0.6%減少)、売上高103,964百万円(前連結会計年度比16.8%増加)、営業利益3,661百万円(前連結会計年度比10.7%増加)、経常利益3,887百万円(前連結会計年度比6.1%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益2,319百万円(前連結会計年度比12.3%減少)となりました。

 

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

 

(設備工事事業)

受注高71,518百万円(前連結会計年度比0.5%減少)、売上高93,015百万円(前連結会計年度比18.7%増加)、営業利益2,279百万円(前連結会計年度比35.3%増加)となりました。

 

(機器製造販売事業)

受注高10,671百万円(前連結会計年度比0.6%減少)売上高10,949百万円(前連結会計年度比3.4%増加)、営業利益1,382百万円(前連結会計年度比14.8%減少)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より6,260百万円増加し、18,997百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は8,112百万円(前連結会計年度比6,104百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益3,232百万円を計上しましたが、仕入債務の支払や未成工事支出金などの棚卸資産の投入による支出が売上債権の回収や未成工事受入金の収入を5,283百万円上回ったことと、法人税等の支払1,068百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は385百万円(前連結会計年度比422百万円の増加)となりました。これは、主に有形・無形固定資産の取得による支出219百万円と、投資有価証券の取得による支出171百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は1,457百万円(前連結会計年度比92百万円の増加)となりました。これは、主に長期借入金の返済600百万円、配当金の支払814百万円によるものです。

 

キャッシュ・フローの、指標のトレンドを示すと下記のとおりです。

 

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

自己資本比率

36.5%

38.4%

36.2%

37.2%

38.0%

時価ベースの自己資本比率

20.3%

29.7%

28.3%

23.5%

25.3%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

0.6年

-年

1.0年

0.6年

0.5年

インタレスト・カバレッジ・レシオ

196.8倍

-倍

199.2倍

90.3倍

252倍

 (注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式数控除後)により算出しております。

3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー(利息の支払額及び法人税等の支払額控除前)を使用しております。また利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債の内、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

5 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を2019年3月期の期首から適用しており、2018年3月期に係る自己資本比率及び時価ベースの自己資本比率については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(1) 生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

設備工事事業(百万円)

機器製造販売事業(百万円)

8,916

104.3

合計(百万円)

8,916

104.3

(注)1 金額は、売上原価により算出しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当社グループでは設備工事事業における生産実績を定義することは困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。

(2) 受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

設備工事事業(百万円)

71,518

99.5

56,391

72.4

機器製造販売事業(百万円)

10,671

99.4

5,784

95.4

合計(百万円)

82,190

99.4

62,175

74.1

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(3) 販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

設備工事事業(百万円)

93,015

118.7

機器製造販売事業(百万円)

10,949

103.4

合計(百万円)

103,964

116.8

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

前連結会計年度   ㈱竹中工務店       9,848百万円 11.1%

当連結会計年度   ㈱竹中工務店       10,408百万円 10.0%

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。

(1) 受注高、売上高及び繰越高

期別

区分

前期繰越高

(百万円)

当期受注高

(百万円)

(百万円)

当期売上高

(百万円)

次期繰越高

(百万円)

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

設備工事事業

83,850

69,235

153,086

77,012

76,073

機器製造販売事業

5,915

10,741

16,656

10,594

6,062

合計

89,766

79,976

169,743

87,607

82,135

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

設備工事事業

76,073

70,716

146,790

90,479

56,310

機器製造販売事業

6,062

10,671

16,734

10,949

5,784

合計

82,135

81,388

163,524

101,429

62,095

 (注)1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注高にその増減額を含んでおります。

したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。

2 次期繰越高は(前期繰越高+当期受注高-当期売上高)であります。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 受注高の受注方法別比率

受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

41.0

59.0

100.0

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

44.1

55.9

100.0

  (注) 百分率は請負金額比であります。

(3) 売上高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

設備工事事業

5,690

71,322

77,012

機器製造販売事業

10,594

10,594

合計

5,690

81,916

87,607

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

設備工事事業

5,746

84,733

90,479

機器製造販売事業

10,949

10,949

合計

5,746

95,682

101,429

(注)1 前事業年度完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

大成建設㈱

(仮称)TGMM芝浦プロジェクト A棟 衛生設備工事

㈱竹中工務店

東京慈恵会医科大学附属病院 新大学2号館(仮称)・新病院(仮称)整備工事

清水建設㈱

住友化学㈱健康・農業関連事業研究所(宝塚)合成新棟建設工事

㈱大林組

浜松町二丁目4地区B街区(仮称)浜松町駅前プロジェクト

鹿島建設㈱

日立金属㈱熊谷事業所建設工事コーポレート研究所建設工事

当事業年度完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

西松建設㈱

東京国際空港第2ゾーン計画新築工事

㈱竹中工務店

小野薬品工業㈱山口工場建設プロジェクト 機械設備工事

戸田建設㈱

KKR虎の門病院整備事業 空調設備工事

清水建設㈱

竹芝JRウォーターフロント計画準備 給排水衛生設備工事

㈱大林組

(仮称)沼津市東椎路地区開発計画(建築工事) 空調設備工事

2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度   ㈱竹中工務店       9,848百万円 11.1%

当事業年度   ㈱竹中工務店       10,408百万円 10.3%

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(4) 繰越高(2020年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

設備工事事業

11,166

45,144

56,310

機器製造販売事業

5,784

5,784

合計

11,166

50,928

62,095

 (注)1 繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。

鹿島建設㈱

(仮称)OH-1計画新築工事 衛生設備工事

2020年6月完成予定

戸田建設㈱

渋谷駅桜丘口再開発 給排水衛生設備工事

2023年11月完成予定

アパ㈱

(仮称)アパホテル&リゾート〈両国駅タワー〉新築工事に伴う給排水衛生空調換気設備工事

2020年4月完成予定

国立大学法人弘前大学

弘前大学(医病)病棟新営その他機械設備工事

2023年3月完成予定

成田市

成田市公設地方卸売市場新築工事(機械設備工事)

2021年3月完成予定

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況の分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営に影響を与える大きな要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載の通りであります。

 

(1) 財政状態

(資産総額)

当連結会計年度末の資産総額は80,732百万円で、前連結会計年度末比154百万円の減少となりました。

流動資産は61,914百万円で、前連結会計年度末比1,060百万円の増加となりました。主な増加は、現金預金6,283百万円、主な減少は、受取手形・完成工事未収入金等3,809百万円、未成工事支出金342百万円です。

固定資産は18,817百万円で、前連結会計年度末比1,215百万円の減少となりました。主な減少は、投資有価証券1,158百万円です。

 

(負債総額)

当連結会計年度末の負債総額は50,048百万円で、前連結会計年度末比776百万円の減少となりました。

流動負債は47,285百万円で、前連結会計年度末比1,062百万円の増加となりました。主な増加は、電子記録債務1,549百万円、訴訟損失引当金540百万円、主な減少は、未払工事受入金713百万円です。

固定負債は2,762百万円で、前連結会計年度末比1,838百万円の減少となりました。主な減少は、長期借入金600百万円、退職給付に係る負債976百万円です。

 

(純資産総額)

当連結会計年度末の純資産総額は30,684百万円で、前連結会計年度末比621百万円の増加となりました。

株主資本は27,713百万円で、前連結会計年度末比1,505百万円の増加となりました。主な増加は、利益剰余金1,505百万円です。

その他の包括利益累計額は2,970百万円で、前連結会計年度末比883百万円の減少となりました。主な減少は、その他有価証券評価差額金893百万円です。

 

(2) 経営成績

(受注高)

受注高は、設備工事事業が前連結会計年度に比べ0.5%減少の71,518百万円、機器製造販売事業が前連結会計年度に比べ0.6%減少の10,671百万円を計上したことにより、前連結会計年度に比べ0.6%減少の82,190百万円となりました。

 

(売上高)

売上高は、設備工事事業が前連結会計年度に比べ18.7%増加の93,015百万円、機器製造販売事業が前連結会計年度に比べ3.4%増加の10,949百万円を計上したことにより、前連結会計年度に比べ16.8%増加の103,964百万円となりました。

 

(売上総利益、一般管理費及び営業利益)

設備工事事業、機器製造販売事業ともに売上総利益率は低下しましたが、売上高の増加により、売上総利益は、前連結会計年度に比べ4.2%増加の10,301百万円、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ0.9%増加の6,639百万円となりました。

その結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ10.7%増加の3,661百万円となりました。

 

(経常利益)

経常利益は、営業外収支が225百万円のプラスとなり、前連結会計年度に比べ6.1%増加の3,887百万円となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に投資有価証券売却益17百万円、特別損失に投資有価証券評価損28百万円、訴訟損失引当金繰入額641百万円などを計上したことにより、前連結会計年度に比べ12.3%減少の2,319百万円となりました

 

 

(3) セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(設備工事事業)

設備工事事業は、政府建設投資は底堅く推移しており、民間の受注環境につきましても、設備投資は堅調に推移いたしました。しかしながら、受注価格競争の厳しさは続いており、施工面においても要員の不足や資機材の高騰などの影響が懸念される中で、採算性と施工体制を重視した事業活動が続きました。

受注高は、民間工事が前年を下回ったことにより、前連結会計年度に比べ0.5%減少の71,518百万円となりました。

売上高は、生活・文化環境施設が前年を上回ったことにより、前連結会計年度に比べ18.7%増加の93,015百万円となりました。

セグメント利益は、売上高の増加により、前連結会計年度に比べ35.3%増加の2,279百万円となりました。

セグメント資産は、受取手形・完成工事未収入金等が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ3,855百万円減少の44,881百万円となりました。

 

(機器製造販売事業)

機器製造販売事業は、FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置向け製品は、中国を中心とする設備投資が続いており、受注及び生産は堅調に推移いたしました。また、半導体製造装置向け製品につきましても、底堅い半導体需要を背景に堅調に推移いたしました。

受注高は、主にFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置向け製品が減少したことにより、前連結会計年度に比べ0.6%減少の10,671百万円となりました。

売上高は、半導体製造装置向け製品が増加したことにより、前連結会計年度に比べ3.4%増加の10,949百万円となりました。

セグメント利益は、売上高は増加しましたが、売上総利益率の低下及び一般管理費の増加により、前連結会計年度に比べ14.8%減少の1,382百万円となりました。

セグメント資産は、売掛金などが増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ157百万円増加の8,545百万円となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

 

(1) 資金需要

当社グループの主要な資金需要は、設備工事事業における工事施工及び機器製造販売事業における製品製造販売のための材料費、外注費、経費、並びに販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いに要するものであります。

 

(2) 財務政策

当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入れにより資金調達を行っております。また、国内金融機関において合計50億円のコミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。

 

③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を目指し第16次中期経営計画を策定しており、当連結会計年度は最終年度に当たります。当連結会計年度における連結受注高は82,190百万円(前連結会計年度比0.6%減少)、連結売上高は103,964百万円(前連結会計年度比16.8%増加)、連結営業利益は3,661百万円(前連結会計年度比10.7%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,319百万円(前連結会計年度比12.3%減少)、連結自己資本利益率は7.6%(前連結会計年度比1.3ポイント低下)となりました。第16次中期経営計画の計数目標に対し、受注高は目標値を若干下回りましたが、売上高、営業利益は目標値を上回る成績を上げることができました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失の計上もあり目標値を下回りました。

 

 

④ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の数値に影響を与える見積りによる判断を行っている部分があります。貸倒引当金、工事損失引当金等の各種引当金、退職給付に係る負債及び工事進行基準適用工事の予定利益率等に関する見積り及び判断につきましては、過去の実績や状況に基づき、合理的に継続して評価及び検討を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、先行きの不透明感が強く、収束の時期や経済に与える影響を把握することが困難なため、上記記載の見積りに影響を与える可能性があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

当社は、長年培ってきた空気・水・熱に関する技術をベースに、一般空調から様々な産業空調に亘る最適環境を目指して研究開発を行っています。また、固有の技術をベースに、先端産業分野向けの超精密温湿度調整装置の開発も行っています。

当連結会計年度における研究開発費は、243百万円です。

 

当連結会計年度における主な成果は下記の通りです。

 

(設備工事事業)

技術研究所では、一般空調と産業空調を対象として、各種の建築や環境設備に対応した要素技術の研究開発やシステム開発、性能評価検証等の幅広い技術の創造を積極的に推進しております。

 

(1) ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)実現に向けた潜熱・顕熱分離空調の開発

業務用ビルのZEB化に向けて新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業で開発した「液冷空調システム」において室内の在席状態を人感センサで検知し、そのエリアの床吹出し口を制御することで負荷の偏在に対応するシステムを構築し、室内環境の一様性を検証しました。

 

(2) 排気処理用スクラバーに向けた電解水発生装置の開発

排気処理用薬液スクラバーにおいて、電解技術を用いて次亜塩素酸ナトリウムを効率的に生成する装置を開発し、食品工場から排気される代表的な臭気成分の脱臭効果に関する特性を把握しました。

 

(3) 施工技術の効率化に関する取組

3Dスキャナー計測を用いた既存建築設備の三次元CAD化技術や自動墨出し器の有効活用等ICT技術を積極的に利用し、施工技術の効率化へつなげるシステム開発に取り組みました。

 

(4) HEPAフィルタ自動リーク検査装置の改良開発

設備や機器に据付られたHEPAフィルタのリーク検査のISO規格が改定されたことに伴い、自動リーク検査装置の改良開発を行いました。アイソレータメーカへのOEM供給と施工現場への適用を図ってまいります。

 

(5) 「経口コメ型バイオ医薬品のプラットフォーム化を目指した実証研究(CiCLE プロジェクト)」の実施

アステラス製薬㈱、東京大学医科学研究所、千葉大学とコメ型経口ワクチン「MucoRice‐CTB」の実用化を目指した共同研究を実施しました。今回のプログラムは、医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)に採択されたもので、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)より支援を受けて実施いたしました。

 

(機器製造販売事業)

半導体や液晶ディスプレイなどの先端産業分野向けの超精密制御機器や装置の大型化と高精度化に対応するための製品開発を、技術研究所での基礎研究をもとに行いました。