第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

1.当面の対処すべき課題の内容等

(1)経営方針

当社グループ事業を取り巻く経営環境は、建設工事事業の断熱事業領域において、国内領域では需要の低迷や生産設備の統廃合により市場規模は縮小し厳しい事業環境となることが予想されますが、引き続き好調な企業業績を背景に生産性の向上や効率化・延命化等の投資は堅調に推移することが期待されます。一方、海外領域においては、資源価格の上昇や将来のエネルギー需要の高まりから、延期・中止されていた石油・ガスに関連したプラント建設の始動が今後期待できます。建設工事事業のその他の領域も堅調な需要に支えられることが予想されます。

ボイラ事業については、設備増強投資や既存ボイラの更新投資は継続しており、バイオマス発電も小規模発電設備の需要は増加してくるものと思われます。

 このような状況のもと、持続的な成長を成し遂げるためには、新たな発想で企業価値の創出を行っていく必要があることを踏まえ“新たな価値の創造”をスローガンに掲げ、グループ企業一丸となって収益力・競争力の強化及び事業領域拡大に向け経営諸資源を投入し、企業価値をより高めるために取り組んでまいります。

 当社は、近年企業のグローバル化およびボーダレス化が進むなか、将来の当社としてのあるべき姿を見据えて、2018年4月に中期経営計画(2018年度~2020年度)を新たにスタートさせました。本計画は、「新たな価値の創造」をスローガンとして、コンプライアンスの徹底に基づく適正なガバナンスの確立を目指す一方、企業風土の醸成、当社グループ内の意識改革を図り、新たなビジネスチャンスを創出するため、次のとおり基本方針を掲げております。

0102010_001.png

①環境変化への対応と挑戦

最近の経営を取り巻く環境は、環境意識の高まりや急速なIoT・AI等の進展によるデジタル技術革新による産業構造の変革等進化を遂げており、その環境変化に対応するべく新たな成長分野に経営資源の投下を図ってまいります。

持続的成長への礎を構築

国内領域においては、新規顧客の開拓や既存顧客に対する深耕営業を強化し、事業領域の拡大に取り組んでまいります。海外領域においても、経営資源を積極的に投入し、継続的な受注獲得・事業拡大に取り組んでまいります。また、M&Aも視野に入れた新規事業の創出や事業の多角化等、新たな発想で未知の領域に機動的に挑戦し持続的成長への礎を築いてまいります。

③安定した収益の確保

今まで築き上げた施工技術や工法の改善・改良を更に進めることによる施工能力の高度化や市場競争力の強化とともに、生産・調達の多様化・効率化による徹底した採算管理を行うことにより、市場環境に影響されない安定した収益基盤の構築に取り組んでまいります。

④活力ある企業風土の醸成

従業員の資質向上、働きがいのある職場・魅力ある職場づくり及び企業人としての意識改革に取り組んでまいります。特に高度な技術・施工体制を確立するには、高い専門性や豊富な経験を有する人材が不可欠であるため、人材の確保・育成に努めてまいります。

⑤企業価値の向上

当社グループは今後とも継続して法令遵守の徹底や事業を通じた社会貢献を推進することによる企業としての社会的責任の強化とともに、企業価値の向上を図ってまいります。

 

(2)経営戦略の現状と見通し

 国内外における各事業領域の連携により収益基盤を強化し、その拡充を柱に、収益力・成長力・技術力の一層の向上を基本方針として、グループ一丸となって経営諸施策を実施することにより、企業価値の最大化に取り組んでまいります。

 

(3)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループを取り巻く事業環境は、国内外経済に影響を与えうる不確定な要素も多く、先行きの見通しは不透明な状況が続くと懸念しておりますが、将来の経営基盤の強化に向けた諸施策を実施することにより、収益力の向上を図ります。

 また、業界シェアの拡大及び競争力の強化に注力するとともに、新技術・工法の開発によるコストダウン等による収益力の向上を図り、事業基盤を強化してまいります。

 

2.当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)について

(1)会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「基本方針」といいます。)

 当社は、上場会社として、当社の株式について株主、投資家の皆様による自由な取引が認められている以上、当社株式に対する大量買付がなされた場合においても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主の皆様の総意に基づき行われるべきものと考えております。

 しかしながら、本買収防衛策導入以降も、わが国の資本市場においては、対象となる会社の経営陣との十分な協議や合意などのプロセスを経ることなく、突如として大量の株式の買付を強行するといった動きがいまだ散見されるところであります。そして、かかる株式の大量買付のなかには、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主の皆様が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提供するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

 当社はこのように、当社の企業価値、株主の皆様の共同の利益を毀損するおそれがある買収者については、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。当社といたしましては、長年培ってきた当社の企業風土を背景として、中長期的な視点に立った事業展開を行い、もって、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させる者が、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として望ましいと考えております。

 

(2)財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

①当社の企業価値の源泉について

 当社は、近年「エネルギー」と「エコロジー」の豊かな共存こそが、企業に課せられた重要なテーマといわれるなかで、昭和19年の創業以来、「顧客の創造と信頼の確保」、「社会への貢献」、「未来への挑戦」という経営理念に基づき、コア事業である断熱工事・技術を通じてエネルギーの有効利用に貢献するとともに、事業領域拡大を図り、燃焼技術を基礎としたボイラの製造・据付、クリーンルーム内装工事、冷凍・冷蔵・低温設備工事および環境関連にも取組んでまいりました。

 こうした中で、当社の技術力は、ユーザーから高い信頼を得るとともに、地球規模の課題である省エネルギーや環境保全の推進により、企業価値の向上および株主共同の利益の確保・向上に努めてまいりました。

 変化の激しい事業環境のなか、当社の経営理念に基づき、「改革、スピード&チャレンジ」をキーワードに、全てのステークホルダーの皆様との信頼関係を構築しながら、中長期的観点に立ち安定的に企業価値を向上させるため、経営諸施策を確実に実施し、常に未来に挑戦してまいります。

 

②中期経営計画について

 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1.当面の対処すべき課題の内容等(1)経営方針 に記載の通り、2018年4月に中期経営計画(2018年度~2020年度)を新たにスタートさせました。当社は、中長期的視点に立ってこれらを継続的に維持、発展させていくことが一層の企業価値および株主共同の利益の向上につながるものと考えております。

 

③コーポレート・ガバナンスの強化

 当社は、経営責任と業務執行責任を分離し、経営としての意思決定の迅速性と業務執行の効率化を図る体制を構築いたしております。また、当社は監査等委員会設置会社に移行しており、これにより監査・監督機能のさらなる充実とコーポレート・ガバナンス体制を一層強化し、引き続き企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を図っております。

 

(3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 当社は、平成30年5月10日開催の取締役会決議および平成30年6月28日開催の第76回定時株主総会決議に基づき、当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下、「本プラン」といいます。)を更新いたしました。

 本プランは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式に対する買付もしくはこれに類似する行為またはその提案(以下、「買付等」といいます。)が行われる場合に、買付等を行う者(以下、「買付者等」といいます。)に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、株主の皆様に対し、当社取締役会が策定する事業計画や代替案等を提示するなど、買付者等との交渉を行っていくための手続きを定めています。

 

 本プランの概要は、以下のとおりです。

①本プランの適用対象

 本プランは、以下の1.または2.に該当する当社株式に対する買付等がなされる場合を適用対象とします。

1.当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上になる買付等

2.当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等所有割合およびその特別関係者の株券等保有割合の合計が20%以上になる公開買付け

②本プランの具体的内容

 上記①に定める買付等を行う買付者等は、当社取締役会が別段の定めをした場合を除き、当該買付等の実行に先立ち、当社に対して、買付内容等の検討に必要な情報等を記載した書面を当社の定める書式により提出していただきます。

 また、買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行うなど、当社の企業価値・株主共同の利益が害されるおそれがあると認められる場合には、当社は、買付者等による権利行使は認められないとの行使条件および当社が買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権を株主の皆様に対して無償で割当てます。本新株予約権の割当てがなされ、買付者等以外の株主の皆様により本新株予約権が行使された場合、または当社による本新株予約権の取得と引換えに、買付者等以外の株主の皆様に対して当社株式が交付された場合、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合は希釈化されることになります。

 当社は、本プランの合理性を高めるため、本新株予約権の発行、不発行等に関する当社取締役会の判断の客観性・合理性を担保するため、社外取締役や社外の有識者等、当社経営陣から独立した3名以上の委員から構成される独立委員会を設置しております。

 当社取締役会は、検討期間内に独立委員会に対する諮問および独立委員会からの勧告を経て、本プランの発動の是非に関する決定を行いますが、検討期間内に本プランの発動の是非に関する決定を行うに至らない場合には、その決議により、買付者等の買付内容の検討、買付者等との交渉、代替案の作成等に必要とされる範囲内で検討期間を延長することができるものとします。当社取締役会は、検討期間の延長の決定を行うに先立ち、独立委員会に対してその是非について諮問し、独立委員会の勧告を最大限尊重した上で、最終決定を行うものとします。検討期間を延長するに至った場合は、当社取締役会はその理由、延長期間その他適切と認める事項について、当該延長の決議後速やかに情報開示を行います。

 独立委員会は、当社取締役会から本プランの発動の是非について諮問されたときは、買付等の内容につき評価・検討し、当社取締役会に対する勧告を行います。独立委員会は、買付者等に対して、直接または当社取締役会を通じて、独立委員会における決議および勧告のために必要な検討資料その他の情報の提供を求めることができ、当社取締役会に対しても、買付等の内容に対する意見およびその根拠資料、代替案その他の情報の提供を求めることができます。なお、独立委員会の評価・検討が、当社の企業価値・株主共同の利益に資するようになされることを確保するために、独立委員会は、当社の費用で、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができるものとします。

 独立委員会は、買付者等が本プランに定められた手続を遵守しなかった場合、その他買付者等の買付等の内容の検討の結果、買付者等による買付等が本プランに定める要件のいずれかに該当し、新株予約権の無償割当てを実施することが相当であると判断した場合には、当社取締役会に対して、本プランの発動を勧告し、買付者等による買付等が本プランに定める要件のいずれにも該当しない、または該当しても本プランを発動することが相当でないと判断した場合には、遅滞なく当社取締役会に対して、本プランの不発動を勧告します。
 また、当社取締役会は、次の場合、独立委員会による手続に加えて株主意思確認総会を招集し、本プランの発動または不発動に関する株主の皆様の意思を確認することができます。

1.買付者等による買付等の内容、時間的猶予、株主総会事務等の事情を考慮の上、当社取締役の善管注意義務に照らして、株主意思確認総会を招集することが必要かつ相当である場合

2.独立委員会が本プランの発動または不発動に関する株主の皆様の意思を確認すべき旨の意見を付した場合

 なお、当社取締役会は、当該決議の概要、その他取締役会が適切と判断する事項について速やかに情報開示を行い、本プランの有効期間中に、金融商品取引法等、関係法令等の改正・整備等を踏まえた当社取締役会の検討に基づき、企業価値・株主の皆様の共同の利益の確保・向上の観点から、必要に応じて本プランを修正し、または変更する場合があります。また、本プランの廃止または変更等がなされた場合には、当該廃止または変更等の事実および(変更の場合には)変更等の内容、その他当社取締役会が適切と認める事項について、情報開示を速やかに行います。

 

(4)本プランが基本方針に従い、当社の企業価値・株主共同の利益に沿うものであり、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと及びその理由

①本プランが基本方針に沿うものであること

 本プランは、前記(1)「会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」に記載のとおり、当社の企業価値を向上させ株主共同の利益に資する目的をもって更新されたものです。

②本プランが当社の株主共同の利益を損なうものではないこと

1.株主の意思を重視していること

 本プランは、株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって更新されたものであり、特定の株主または投資家を優遇あるいは拒絶するものではありません。

 また、本プランの有効期限は令和3年3月期にかかる定時株主総会の終結の時までですが、かかる有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合、または当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとされており、その意味で、本プランは株主の皆様のご意向が反映されることになっております。

2.買収防衛策に関する基本的枠組みを充足していること

 本プランは、経済産業省および法務省が発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」、「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」と題する報告書にも十分配慮した内容になっております。

3.当社取締役会の恣意的判断を排除するための仕組みとなっていること

 本プランの導入にあたり、取締役会の恣意的判断を排除するために、独立委員会を設置しております。
 当社に対して買付等がなされた場合には、独立委員会が、買付等に対する本プランの発動の是非等について審議・検討した上で当社取締役会に対して勧告し、当社取締役会は当該勧告を最大限尊重して決議を行うこととされており、取締役会の恣意的判断に基づく本プランの発動を可及的に排除することができる仕組みが確保されています。

4.独立委員会による判断の重視と情報開示

 本プランの発動などの運用に際しての実質的な判断は、独立委員会により行われることとされています。独立委員会は、第三者の助言を得ることができ、その判断の公正さ、客観性がより強く担保される仕組みとなっています。

5.デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策ではないこと

 本プランは、当社取締役会により廃止できるものとされていることから、デッドハンド型買収防衛策ではありません。また、当社は取締役の任期について期差任期制を採用していないため、本プランはスローハンド型買収防衛策でもありません。
 従って、本プランは、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、むしろ株主共同の利益に資するものです。

③本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

 上記のとおり、本プランは、予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。

 また、当社は、買付者等との協議、交渉、評価期間の延長および発動事由の該当性等に関する当社取締役会の判断の客観性・合理性を担保するため、独立委員会を設置しております。当社取締役会は、本プランの発動若しくは不発動、あるいは発動の中止または撤回を最終的に決定するに当たって、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとされています。

 以上より、本プランは、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があるリスクには以下のようなものがあります。

 なお、以下の項目には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)当社グループに関連する需要市場の急激な変動

 当社グループが形成する各セグメント及び各事業領域は、幅広い需要分野に支えられていますが、収益基盤である国内需要分野の経済状況、統廃合、製造拠点の海外移転等により、需要が長期に停滞、減少傾向が続くと、業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(2)完成工事補償のリスク

 海外工事、大型工事等について、引渡しを完了した工事に係る瑕疵担保の費用が大きく発生した場合には、業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

(3)海外事業に伴うリスク

 当社グループの海外事業はアジア地域及びオセアニア地域を中心に展開しており、テロや政情悪化、予期しない法律・規制の変更、市況の悪化、JV等のパートナー企業の経営状況等によって業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(4)為替及び金利の変動リスク

 急激な為替相場の変動または金利の上昇により、業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(5)顧客に対する信用リスク

 当社グループが多額の債権を有する顧客が財務上の問題に直面した場合には、業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

(6)会計基準に係る見積りリスク等

 繰延税金資産については、税効果会計における回収可能性を見積って計上していますが、想定している業績計画を下回った場合、繰延税金資産の取崩の可能性があります。退職給付債務についても、年金資産の運用状況等により、費用処理される金額が増加する可能性があります。また、保有する不動産や有価証券について、時価の下落により減損損失を計上する可能性があります。いずれも業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(7)不採算工事の発生に対するリスク

 工事施工段階での想定外の追加原価等により不採算工事が発生した場合には、業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

1. 財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ3,715百万円増加し、66,533百万円(対前年同期比5.9%増)となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ384百万円増加し、17,816百万円(対前年同期比2.2%増)となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ3,330百万円増加し、48,716百万円(対前年同期比7.3%増)となりました。

 

 

2. 経営成績

 当社グループの当連結会計年度の受注高は、建設工事事業においては各事業領域が堅調に推移したことにより49,418百万円(対前年同期比2.2%増)の計上となりました。ボイラ事業においては国内大型案件等の増加もあり6,746百万円(同26.1%増)の計上となり、当社グループ全体では56,165百万円(同4.6%増)の計上となりました。

 売上高は52,810百万円(対前年同期比4.2%減)の計上にとどまりましたが、コスト管理の徹底等による売上総利益率の改善により、営業利益は7,277百万円(同15.5%増)、経常利益は7,532百万円(同16.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,068百万円(同16.3%増)の計上となりました。 セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

(建設工事事業)

 建設工事事業におきましては、国内メンテナンス案件等の各事業領域が堅調に推移したものの、海外大型案件の完工による減少が影響し、売上高は46,351百万円(対前年同期比8.7%減)の計上にとどまりましたが、売上総利益率の改善によりセグメント利益は6,740百万円(同11.9%増)の計上となりました。

 

(ボイラ事業)

 ボイラ事業におきましては、国内大型案件・メンテナンス案件が堅調に推移したことにより、売上高は6,459百万円(対前年同期比47.9%増)の計上となり、セグメント利益は438百万円(同144.3%増)の計上となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ、778百万円増加して20,642百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

1. 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動による資金は、2,970百万円の増加(前年同期は9,763百万円の増加)となりました。

 主な増加要因は、税金等調整前当期純利益7,532百万円、仕入債務の増加1,211百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加3,928百万円、法人税等の支払額2,341百万円によるものであります。

 

2. 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動による資金は、802百万円の減少(前年同期は2,149百万円の減少)なりました

 主な増加要因は、定期預金の払戻による収入469百万円であり、主な減少要因は、定期預金の預入による支出681百万円、有形固定資産の取得による支出433百万円であります。

 

3. 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動による資金は、1,308百万円の減少(前年同期は856百万円の減少)となりました

 主な減少要因は、配当金の支払額1,453百万円であります。

 

③生産、受注及び販売の状況

1. 受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

前年同期比

自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日

自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日

建設工事事業(百万円)

48,339

49,418

2.2%

ボイラ事業(百万円)

5,348

6,746

26.1%

合計(百万円)

53,687

56,165

4.6%

 

2. 売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

前年同期比

自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日

自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日

建設工事事業(百万円)

50,779

46,351

△8.7%

ボイラ事業(百万円)

4,366

6,459

47.9%

合計(百万円)

55,146

52,810

△4.2%

 (注)当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況

a.受注工事高、完成工事高及び繰越工事高

期別

区分

前期繰越工事高

(百万円)

当期受注工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成工事高

(百万円)

次期繰越工事高

(百万円)

前事業年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

施工

10,770

40,915

51,685

42,076

9,609

販売

26

559

585

553

32

10,796

41,474

52,270

42,629

9,641

当事業年度

(自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日)

施工

9,609

37,223

46,832

37,255

9,576

販売

32

1,321

1,353

709

644

9,641

38,544

48,186

37,965

10,220

 (注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額が含まれております。したがって当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

3.当期受注工事高のうち海外工事の割合は、前事業年度17.6%、当事業年度6.0%であります。

4.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

b.受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

合計(%)

前事業年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

施工

41.7

58.3

100.0

販売

100.0

100.0

当事業年度

(自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日)

施工

42.9

57.1

100.0

販売

100.0

100.0

 (注)百分比は請負金額比であります。

 

c.完成工事高

期別

区分

国内

海外

合計

(B)

(百万円)

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

(A)

(百万円)

(A/B)

(%)

前事業年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

施工

1

32,894

9,180

21.8

42,076

販売

1

381

170

30.8

553

3

33,275

9,350

21.9

42,629

当事業年度

(自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日)

施工

2

35,631

1,622

4.4

37,255

販売

14

535

159

22.5

709

17

36,166

1,781

4.7

37,965

 (注)1.海外工事の地域別割合は、次の通りであります。

地域

前事業年度(%)

当事業年度(%)

オセアニア

98.0

90.2

アジア

1.9

5.6

その他

0.1

4.2

100.0

100.0

2.完成工事高の内で主なものは、次の通りであります。

前事業年度

JKC Australia LNG Pty Ltd.

LNGプラント断熱・塗装工事(オーストラリア国)

 

川崎重工業㈱

LNG船タンク防熱工事(川崎重工業㈱坂出工場)

当事業年度

JKC Australia LNG Pty Ltd.

LNGプラント断熱・塗装工事(オーストラリア国)

 

三菱造船㈱

LNG船タンク防熱工事(三菱造船㈱香焼工場)

3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次の通りであります。

前事業年度

JKC Australia LNG Pty Ltd.

9,149百万円

21.5%

当事業年度

該当する相手先はありません。

 

 

4.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

d.次期繰越工事高(平成31年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

施工

9,576

9,576

販売

0

643

644

0

10,220

10,220

 (注)1.次期繰越工事高の内で主なものは、次の通りであります。

川崎重工業㈱

LNG船タンク防熱工事

2019年12月完成予定

㈱IHI

LNGタンク保冷工事

2021年2月完成予定

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析

 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

 なお、本文に記載している将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成31年3月31日)現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づいて実施しております。詳細については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度は、中期経営計画(平成30年5月10日発表)の初年度にあたり、“新たな価値の創造”のスローガンのもと、「改革、スピード&チャレンジ」を行動指針として、グループ企業一丸となって収益力・競争力の強化及び事業領域拡大に向け経営資源を投入し、企業価値をより高めるために取り組んでまいりました。

1. 売上高

 当連結会計年度の売上高は、52,810百万円(対前年同期比4.2%減)の計上にとどまりました。

 セグメント別では、建設工事事業においては、国内メンテナンス案件等の各事業領域が堅調に推移したものの、海外大型案件の完工による減少が影響し、46,351百万円(対前年同期比8.7%減)の計上にとどまりましたが、ボイラ事業においては、国内大型案件・メンテナンス案件が堅調に推移したことにより、6,459百万円(同47.9%増)の計上となりました。

 

2. 営業利益

 当連結会計年度の営業利益は、7,277百万円(対前年同期比15.5%増)の計上となりました。

 セグメント別では、建設工事事業においては、売上総利益率の改善により6,740百万円(対前年同期比11.9%増)の計上となりました。ボイラ事業においては、438百万円(同144.3%増)の計上となりました。

 

3. 経常利益

 当連結会計年度の経常利益は、不動産賃借料の増加、為替差損の減少等により7,532百万円(対前年同期比16.1%増)の計上となりました。

 

4. 親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、5,068百万円(対前年同期比16.3%増)の計上となりました。

 

③財政状態の分析

1. 資産・負債及び純資産

 当連結会計年度末における総資産は、66,533百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,715百万円増加いたしました。

 資産の部は、流動資産は45,040百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,978百万円増加いたしました。主な要因は完成工事未収入金の増加2,807百万円、電子記録債権の増加774百万円であります。固定資産は21,492百万円となり、前連結会計年度末と比べ263百万円減少いたしました。主な要因は投資有価証券の減少412百万円であります。

 負債の部は、流動負債は13,598百万円となり、前連結会計年度末と比べ22百万円減少いたしました。主な要因は工事未払金の増加544百万円、支払手形の増加420百万円、未成工事受入金の減少605百万円、短期借入金の減少482百万円であります。固定負債は4,218百万円となり、前連結会計年度末と比べ407百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金の増加460百万円、繰延税金負債の減少76百万円であります。この結果、負債合計は、17,816百万円となり、前連結会計年度末と比べ384百万円増加いたしました。

 純資産の部は48,716百万円となり、前連結会計年度末と比較して3,330百万円増加いたしました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加5,068百万円、剰余金の配当による減少1,456百万円であります。

 この結果、自己資本比率は72.7%(前連結会計年度末は71.8%)となりました。

 

2. キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 なお、キャッシュ・フロー指標の傾向は下記のとおりであります。

 

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

平成31年3月期

自己資本比率(%)

66.8

70.1

70.8

71.8

72.7

時価ベースの自己資本比率(%)

64.6

45.7

57.0

59.7

58.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.2

0.8

2.8

0.1

0.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

391.2

121.4

43.3

1,298.4

173.8

 (注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

※営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

※利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

※営業キャッシュ・フローがマイナスとなった期につきましては、「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」及び「インタレスト・カバレッジ・レシオ」を記載しておりません。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは材料費・外注費等の工事原価、並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要の主なものは、設備投資等によるものであります。

資金需要には基本的に自己資金にて対応しております。なお、当社においては、機動的な資金調達手段の確保を目的として、総額4,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は1,020百万円であり、現金及び現金同等物の残高は20,642百万円であります。

 

 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。

 平成31年3月期の達成状況は以下のとおりです。

 建設工事事業、ボイラ事業ともに各事業領域が堅調に推移したことにより、売上高は対予想数値比2,810百万円の増加(5.6%増)となりました。営業利益は、売上総利益率の改善により2,177百万円の増加(42.7%増)となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,618百万円の増加(46.9%増)となりました。

 

平成31年3月期業績の分析

 

(単位:百万円)

指標

平成30年5月公表

年度計画

実績

増減

対予想比増減

売上高

50,000

52,810

2,810

5.6%

営業利益

5,100

7,277

2,177

42.7%

親会社株主に帰属する当期純利益

3,450

5,068

1,618

46.9%

 

 

4【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、顧客のニーズに迅速に対応するため、材料・製品等の開発・改良から施工技術の開発まで、幅広く積極的に活動を行っております。

 現在、研究開発は、当社の中央研究所及び各技術部門を中心に、工事部門及び関連会社、協力会社と密接に連携し、推進しております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は170百万円であります。

 

(1)建設工事事業

 断熱・耐火・防音・防食等、幅広い事業分野に於いて、在来工法との差別化につながる工法開発を行っております。特に超低温保冷分野においては他社に先駆けていち早く工法の開発に着手し、業界での優位性を維持しております。

 保冷工事関連では、主材料である硬質ウレタンフォームのノンフロン処方を確立し、自社工場で生産・製品化しております。

 

・LNG工事関連

 海外出荷基地、LNG運搬船、国内受入基地における断熱・耐火等の幅広い分野の工事に関し、新材料の調査・新工法の開発及び開拓に取り組んでおります。

 LNGタンクにおいては、顧客のニーズに対応すべく、保冷構造の工法改良や断熱部材などの開拓・実証試験等の研究開発を行っております。

 

・その他

 高機能断熱材を応用した断熱材の改良や施工システムの開発分野におきましても研究開発を行っております。

 

(2)ボイラ事業

 ボイラ燃料の燃焼効率向上及びコストダウンに貢献する新たな方式の研究開発に取り組んでおります。

 現在、新たなボイラ原料による燃焼効率テストに取り組んでいく予定となっております。